JP3153786B2 - リードフレーム - Google Patents

リードフレーム

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JP3153786B2
JP3153786B2 JP18449297A JP18449297A JP3153786B2 JP 3153786 B2 JP3153786 B2 JP 3153786B2 JP 18449297 A JP18449297 A JP 18449297A JP 18449297 A JP18449297 A JP 18449297A JP 3153786 B2 JP3153786 B2 JP 3153786B2
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lead frame
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道之 久米
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CITY OF NAGOYA
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えば集積回路にお
ける構成素子の接続用部材として使用されるリードフレ
ームに関する。リードフレームは一般に、所定形状に打
抜き加工した、インナーリード部とアウターリード部と
を有するFe−Ni系合金製基材の表面にはんだ付け用
及び耐蝕用のめっき皮膜を形成したものである。本発明
は、かかるリードフレームであって、特にその耐蝕性を
改善したリードフレームに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上記のようなリードフレームとし
て、所定形状に打抜き加工したFe−Ni系合金製基材
の表面にSn−Pb合金めっき皮膜を形成したものが使
用されている。ところが、このリードフレームには、P
bによる環境汚染の問題がある。そこで、Pbに代わる
ものとしてPdが注目され、基材の表面に下地としてN
iめっき皮膜を施し、この下地の表面にPdめっき皮膜
を形成したもの(特開昭63−2358)、また基材の
表面に下地としてCuめっき皮膜及びNiめっき皮膜を
施し、かかる下地の表面にPdめっき皮膜を形成したも
の(特開平5−109958)が提案されている。とこ
ろが、これらのリードフレームには、表面のPdめっき
皮膜とその下地或は基材との間の自然電位差が大きいた
め、表面のPdめっき皮膜にピンホールがあると、そこ
に局部電池が形成され、結果として基材の腐食が促進さ
れるという問題がある。そこで更に、Pdに代わるもの
として下地或は基材との間の自然電位差が小さいPd−
Ni合金が注目され、表面にPdめっき皮膜を形成する
上記の場合を承けてこれと同様に、基材の表面に下地と
してNiめっき皮膜を施し、この下地の表面にPd−N
i合金めっき皮膜を形成したもの(特公昭63−493
82)、また基材の表面に下地としてCuめっき皮膜及
びNiめっき皮膜を施し、かかる下地の表面にPd−N
i合金めっき皮膜を形成したもの(特開平5−5542
9)が提案されている。ところが、これらのリードフレ
ームには、耐蝕性に優れるという利点を有するものの、
全体として片断面が基材及び下地を含め3層或は4層構
造であるため、その製作に手間がかかるという欠点があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、表面にPd−Ni合金めっき皮膜を形成し
た従来のリードフレームでは、その製作に手間がかかる
点である。
【0004】
【課題を解決するための手段】しかして本発明者は、上
記の課題を解決するべく研究した結果、意外にも、表面
にPd−Ni合金めっき皮膜を形成する場合には、それ
が特定組成を有する所定厚以上のものであれば、表面に
Pdめっき皮膜を形成する場合を承けてこれと同様に下
地を施す必要はなく、基材の表面に直接Pd−Ni合金
めっき皮膜を形成しても、充分な耐蝕性が得られること
を知見した。
【0005】すなわち本発明は、所定形状に打抜き加工
したFe−Ni系合金製基材の全表面に直接、Pd/N
i=70/30〜90/10(重量比)の組成を有する
厚さ0.7μm以上のPd−Ni合金めっき皮膜を形成
して成ることを特徴とするリードフレームに係る。
【0006】本発明において、基材はFe−Ni系合
金、代表的には42重量%程度のNiを含有するFe−
Ni系合金を所定形状に打抜き加工した、インナーリー
ド部とアウターリード部とを有するものである。またか
かる基材の全表面に直接形成したPd−Ni合金めっき
皮膜は、Pd/Ni=70/30〜90/10(重量
比)の組成を有する、厚さ0.7μm以上、好ましくは
厚さ1.0μm前後のものである。このようなPd−N
i合金めっき皮膜はそれ自体は公知の電気めっき法で形
成することができる。通常、所定形状に打抜き加工した
Fe−Ni系合金製基材を、必要に応じて表面粗さ調整
した後、例えば電解脱脂後酸洗により活性化する。そし
てこれを、PdとNiをそれぞれ所定濃度で溶解したp
H7.5〜8.5程度のアルカリ性アンモニア浴に陰極
として浸漬し、液温40〜60℃、電流密度3〜10A
/dm2で電気めっきする。
【0007】所定形状に打抜き加工したFe−Ni系合
金製基材の全表面に直接、Pd/Ni=70/30〜9
0/10(重量比)の組成を有する、厚さ0.7μm以
上のPd−Ni合金めっき皮膜を形成した本発明に係る
リードフレームは、優れた耐蝕性を有し、全体としてそ
の片断面が基材を含め2層構造であるため、その製作が
簡単である。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係るリードフレー
ムを例示する部分拡大縦断面図である。図示したリード
フレームは、所定形状に打抜き加工したFe−Ni系合
金製基材1の全表面に直接、Pd/Ni=80/20
(重量比)の組成を有する、厚さ1.0μmのPd−N
i合金めっき皮膜2を形成したものから成っている。
【0009】
【実施例】
実施例1 42重量%のNiを含有する、厚さ0.15mmのFe−
Ni系合金板を打抜き加工し、所定形状の基材を得た。
この基材を電解脱脂後酸洗により活性化した。そしてこ
の基材を、Pd濃度が20g/リットル、Ni濃度が1
4g/リットルであるpH8.2のアルカリ性アンモニ
ア浴に陰極として浸漬し、陽極としては白金めっきチタ
ン板を用いて、液温55℃、電流密度8A/dm2で電気
めっきし、基材の全表面に直接、Pd/Ni=80/2
0(重量比)の組成を有する、厚さ0.8μmのPd−
Ni合金めっき皮膜を形成したリードフレームを作製し
た。
【0010】実施例2〜6,比較例1〜9 実施例1と同じ基材に対し、めっき浴の組成を含めその
条件を変えて電気めっきを行ない、基材の表面にめっき
皮膜を形成した表1に記載のリードフレームを作製し
た。
【0011】耐蝕性の評価 各例で作製したリードフレームに対して塩水噴霧試験
(35℃,5重量%NaCl,24時間)を行ない、表
面の錆の発生状況を肉眼観察し、下記の基準で評価し
た。結果を表1に示した。 ○:全表面に亘り錆の発生が認められない △:表面の一部に錆の発生が認められる ×:ほぼ全表面に亘り錆の発生が認められる
【0012】
【表1】
【0013】表1において、 厚さの単位:μm Pd/Ni:Pd−Ni合金めっき皮膜,組成は重量比 Pd:Pdめっき皮膜 Ni:Niめっき皮膜 Cu:Cuめっき皮膜 比較例7,9:基材の表面に下地としてCuめっき皮膜
を施し、更にその表面に下地としてNiめっき皮膜を施
したもの
【0014】
【発明の効果】既に明らかなように、以上説明した本発
明には、優れた耐蝕性を有し、その製作が簡単であると
いう効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るリードフレームを例示する部分拡
大縦断面図。
【符号の説明】
1・・・Fe−Ni系合金製基材、2・・・Pd−Ni
合金めっき皮膜

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定形状に打抜き加工したFe−Ni系
    合金製基材の全表面に直接、Pd/Ni=70/30〜
    90/10(重量比)の組成を有する厚さ0.7μm以
    上のPd−Ni合金めっき皮膜を形成して成ることを特
    徴とするリードフレーム。
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