JP3153772B2 - エレベータ気圧補正装置 - Google Patents

エレベータ気圧補正装置

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JP3153772B2
JP3153772B2 JP21404896A JP21404896A JP3153772B2 JP 3153772 B2 JP3153772 B2 JP 3153772B2 JP 21404896 A JP21404896 A JP 21404896A JP 21404896 A JP21404896 A JP 21404896A JP 3153772 B2 JP3153772 B2 JP 3153772B2
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  • Cage And Drive Apparatuses For Elevators (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超高層ビルなどに
設置されるエレベータのかご内の気圧を調整するエレベ
ータ気圧補正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】超高層ビルに設置されたエレベータで
は、下層の階床から上層の階床に上昇するに従い気圧が
低下するので、この気圧の変化に対して不快感を感じる
ことがある。すなわち、乗客の中耳腔圧が気圧の低下に
追従できなくなって、鼓膜が圧迫され、耳づまりなどの
不快感が発生する恐れがある。
【0003】そのため、例えば特開平4−213586
号公報では、かごの上部に気圧調節器を設け、その気圧
調節器に接続されたパイプの端部にマスクを取り付け、
このマスクを乗客が顔面に装着する方法が開示されてい
る。また、例えば特開平5−97366号公報では、超
高層ビルを複数のブロックに分けた圧気ブロックを形成
した場合のエレベータが提案されている。
【0004】さらに、例えば特公昭57−54436号
公報では、かごの内部の圧力を脈動させながら調整する
気圧変動装置を設けて、鼓膜内外の気圧調整作用を促進
させ、上階と下階との気圧の変化による違和感を緩和す
るエレベータのかごが示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の気圧
変化からくる不快感を低減させるものは、いずれも気圧
を調節するために特別な制御装置を設け、また、その制
御のためのエネルギーを必要としている。
【0006】本発明の目的は、特別な制御装置やその制
御のためのエネルギーを必要とすることなく、かご内の
気圧変化を補正することができるエレベータ気圧補正装
置を得ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、扉の
閉鎖によって気密箱となるかごの下部に設けられた気圧
補正容器と、気圧補正容器の下部に形成され弾性を有す
る膜と、膜の中央部に設けられかごが上昇又は下降する
ときの加減速度により受ける力で膜を上下動させるため
のおもりと、かごと気体補正容器とを連通し膜の上下動
で気圧補正容器の空気をかごに供給したりかごの空気を
気圧補正容器に吸入するための連通管とを備えたもので
ある。
【0008】請求項1の発明では、気圧補正容器の下部
の膜に設けられたおもりは、エレベータかごの上昇又は
下降するときの加減速度により受ける力で膜を上下させ
る。これにより、連通管を介して気圧補正容器の空気を
かごに供給したりかごの空気を吸入したりする。これに
より、かご内部の気圧を補正する。
【0009】請求項2の発明は、扉の閉鎖によって気密
箱となるかごの下部に設けられた気圧補正容器と、気圧
補正容器内に設けられ上下に動くピストンと、気圧補正
容器内の底部に設けられピストンを下から支えるバネ
と、ピストンの軸の端部に設けられかごが上昇又は下降
するときの加減速度により受ける力でピストンを上下動
させるためのおもりと、かごと気体補正容器の上部とを
連通しピストンの上下動で気圧補正容器の空気をかごに
供給したりかごの空気を気圧補正容器に吸入するための
連通管とを備えたものである。
【0010】請求項2の発明では、気圧補正容器のピス
トンに軸を介して取り付けられたおもりは、エレベータ
かごの上昇又は下降するときの加減速度により受ける力
でピストンを上下させる。これにより、気圧補正容器の
空気をかごに供給したりかごの空気を吸入したりする。
これにより、かご内部の気圧を補正する。
【0011】請求項3の発明は、扉の閉鎖によって気密
箱となるかごの下部に設けられた気圧補正容器と、気圧
補正容器に設けられ気圧補正容器の外部との間で空気の
流れに対して抵抗性分を持つ小穴と、かごと気体補正容
器とを連通し気圧補正容器の空気をかごに供給したりか
ごの空気を気圧補正容器に吸入するための連通管とを備
えたものである。
【0012】請求項3の発明では、気圧補正容器に設け
られた小穴は、気圧補正容器の外部との間で空気の流れ
に対して抵抗性分を持ち、これにより、外部の気圧変化
に対して遅れを持たせて気圧補正容器内の気圧を変化さ
せ、さらに連通管を介してかご内部の気圧変化を補正す
る。
【0013】請求項4の発明は、扉の閉鎖によって気密
箱となるかごと外部とを連通しかごの空気を外部に排出
したり外部の空気をかごに吸入したりするための連通管
と、連通管に設けられかごの外部との間で空気の流れに
対して抵抗性分を持つくびれ部とを備えたものである。
【0014】請求項4の発明では、連通管に設けられた
くびれ部は、外気との空気の流れに対して抵抗性分を持
ち、これにより、外部の気圧変化に対して遅れを持たせ
てかご内部の気圧変化を補正する。
【0015】請求項5の発明は、扉の閉鎖によって気密
箱となるかごと外部とを連通しかごの空気を外部に排出
したり外部の空気をかごに吸入したりするための第1の
連通管と、第1の連通管に設けられかごの外部との間で
空気の流れに対して抵抗性分を持つくびれ部と、かごの
下部に設けられた気圧補正容器と、気圧補正容器内に設
けられ上下に動くピストンと、気圧補正容器内の底部に
設けられピストンを下から支えるバネと、ピストンの軸
の端部に設けられかごが上昇又は下降するときの加減速
度により受ける力でピストンを上下動させるためのテー
ルコードと、かごと気体補正容器の下部とを連通しピス
トンの上下動で気圧補正容器の空気をかごに供給したり
かごの空気を気圧補正容器に吸入するための第2の連通
管とを備えたものである。
【0016】請求項5の発明では、連通管に設けられた
くびれ部により、外部の気圧変化に対して遅れを持たせ
てかご内部の気圧変化を補正すると共に、エレベータか
ごの位置の変化によりピストンに取り付けられたテール
コードの重さが変化することを利用し、ピストンを上下
させ気圧補正容器下部の空気をかごに供給したりかごの
空気を吸入したりして、かご内部の気圧変化を補正す
る。
【0017】請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5
の発明において、かごは、扉の閉鎖によって気密箱とな
るかごに代えて、気圧補正時に内部の気圧を外部に対し
て変化させられる程度の気密性を持つ箱としたものであ
る。
【0018】請求項6の発明では、請求項1乃至請求項
5の発明の作用に加え、かご内部の気圧は、外部の気圧
に対して気密性の程度に応じてその変化の度合いが緩慢
になる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1は、本発明の第1の実施の形態を示す構成図
である。この第1の実施の形態によるエレベータ気圧補
正装置は、かご1の下部に設けられた気圧補正容器2
と、この気圧補正容器2の下部に形成され弾性を有する
膜4と、かご1が上昇又は下降するときの加減速度によ
り受ける力で膜4を上下動させるためのおもり5と、か
ご1と気体補正容器2とを連通する連通管3とから構成
されている。
【0020】図1(a)において、エレベータのかご1
は、扉の閉鎖によって気密箱となるように構成されてい
る。これは、かご1内の気圧補正時に、かご1の内部の
気圧を外部に対して変化させられるようにするためであ
る。
【0021】扉の閉鎖によって気密箱となるかご1の下
部には、気圧補正容器2が設けられており、この気圧補
正容器2はかご1と連通管3で結ばれている。そして、
気圧補正容器2の下面はゴム等の弾力性のある弾性体の
膜4で形成されており、その膜4の中央部分におもり5
が取り付けられている。
【0022】おもり5が外部から力を受けると、弾力性
のある膜4と共に上下に動くようになっており、おもり
5が外部からの力を受けないときは、かご1の外部と内
部の圧力が同じになる位置に膜4が上下することにな
る。
【0023】図1(b)は、エレベータのかご1が上昇
加速中又は下降減速中におけるエレベータ気圧補正装置
の状態を示す構成図である。図1(b)に示すように、
かご1が上昇加速中又は下降減速中においては、膜4の
おもり5は下向きの力を受けるので膜4を下向きに下げ
る。これにより、気圧補正容器2の体積が増加し、気圧
補正容器2は連通管3を通してかご1の空気を吸入す
る。したがって、かご1の内部の気圧は下がる。
【0024】一方、かご1の上昇減速中又は下降加速中
は、図1(c)に示すように膜4のおもり5が上向きの
力を受け膜4を上げる。これにより、気圧補正容器2の
体積が減少するので、気圧補正容器2から連通管3を通
してかご1に空気を供給することになる。したがって、
かご1の内部の気圧は上がる。
【0025】図2はかご1内部の気圧の特性図である。
縦軸にかご1の内部の気圧をとり横軸に時間をとってい
る。上昇中のかご1の内部の気圧は、図2(a)中の実
線で示すように加速中は気圧が低く、減速中は気圧が高
く補正される。一方、下降中のかご1内部の気圧は、図
2(b)の実線で示すように加速中は気圧が高く、減速
中は気圧が低く補正される。なお、図2(a)及び図2
(b)中の点線の特性曲線は、従来の気圧を補正してい
ないかご内部の気圧特性を示しており、上昇時と下降時
とともにS字状に変化する。
【0026】いま、最下階と最上階との高低差をH
(m)とすると、その気圧差ΔP(hPa)は下記
(1)式で示される。
【0027】ΔP=0.123H …(1)
【0028】この(1)式は、下記(2)式で示される
測高公式(理科年表1993より)が高度差1000m
程度の範囲であれば、(1)式で近似していても十分な
精度があることを用いている。
【0029】
【数1】
【0030】そして、高低差Hが1000mの高さの建
物を考えると、地上(最下階)と最上階との気圧差ΔP
は、(1)式より123(hPa)となり、かご1と連
通管3との総容積をV(m3)とし、地上の気圧P1を
1013.25(hPa)とした場合の気圧補正容器2
の容積の変化量ΔV(m3)は、下記(3)式のように
なる。
【0031】 ΔV={ΔP/(P1+ΔP)}V ={0.123H/(1013.25+0.123H)}V =0.138V …(3)
【0032】このため、気圧補正容器2は(3)式の容
積を変化できる大きさが必要となる。ここで、補正する
気圧を気圧差ΔPの10分の1と仮定すると、(3)式
でHを10分の1のH=100として、その気圧補正に
寄与した容積変化ΔV’(m3)が求められる。これを
(4)式に示す。
【0033】ΔV’=0.012V …(4)
【0034】なお、図2(a)及び図2(b)で示した
気圧補正は、(3)式でHを実際の高低差の10分の1
とした場合のものを示している。
【0035】以上述べたように、この第1の実施の形態
では、かご1の内部の気圧変化を補正して、図2(a)
及び図2(b)の実線で示すように段階的にさせるの
で、乗客の鼓膜内外の気圧調整作用を促進させ耳づまり
を解消させることができる。
【0036】以上の説明では、かご1を気密箱とした
が、かご1を完全な気密箱とせずに、気圧補正時にかご
1の内部の気圧を外部に対して変化させられる程度の気
密性を持つ箱としても良い。この場合、かご1は完全な
気密箱となっていないが、気圧補正に対してかご1内部
の気圧を外部に対して変化させられる程度の気密性はあ
るので、同様の気圧補正をすることができる。
【0037】次に、本発明の第2の実施の形態を説明す
る。図3は本発明の第2の実施の形態を示す構成図であ
る。この第2の実施の形態は、図1に示した第1の実施
の形態に対し、気体補正容器2の下部に形成された膜4
に代えて、気体補正容器2内にピストン6を設けてその
ピストン6の下部をバネ7で支え、ピストン軸8におも
り5を取り付けたものである。
【0038】図2(a)において、エレベータのかご1
は、第1の実施の形態と同様に、扉の閉鎖によって気密
となる箱又はかご1内部の気圧を外部に対して変化させ
られる程度の気密性を持つ箱で構成されている。これ
は、かご1内の気圧補正時に、かご1の内部の気圧を外
部に対して変化させられるようにするためである。この
かご1の下部には、気圧補正容器2が設けられており、
この気圧補正容器2の上部はかご1と連通管3で結ばれ
ている。
【0039】そして、気圧補正容器2の内部にはその内
側に添って上下に動くピストン6が設けられ、このピス
トン6は気圧補正容器2の下部に設けられたバネ7で下
から支えられている。また、ピストン6の軸8の端部に
はおもり5が取り付けられている。
【0040】おもり5が外部からの力を受けると、ピス
トン6を伴って上下に動く。また、おもり5が外部から
の力を受けないときは、かご1の外部と内部の圧力が同
じになる位置にピストン6は上下することになる。
【0041】図2(b)は、エレベータのかご1が上昇
加速中又は下降減速中におけるエレベータ気圧補正装置
の状態を示す構成図である。図2(b)に示すように、
かご1が上昇加速中又は下降減速中においては、ピスト
ン6と結ばれたおもり5が下向きの力を受けピストン6
を下向きに下げる。これにより、気圧補正容器2の上部
(ピストン6より上部)の体積が増加し、連通管3を通
してかご1の空気を吸入する。したがって、かご1の内
部の気圧は下がる。
【0042】一方、かご1の上昇減速中又は下降加速中
は、図2(c)に示すようにピストン6と結ばれたおも
り5が上向きの力を受け、ピストン6を上向きに上げ
る。これにより、気圧補正容器2の上部(ピストン6よ
り上部)の体積が減少するので、気圧補正容器2から連
通管3を通してかご1に空気を供給することになる。し
たがって、かご1の内部の気圧は上がる。
【0043】この第2の実施の形態の場合においては、
第1の実施の形態と同様に、上昇中のかご1の内部の気
圧は、図2(a)中の実線で示すように加速中は気圧が
低く、減速中は気圧が高く補正される。一方、下降中の
かご1内部の気圧は、図2(b)の実線で示すように加
速中は気圧が高く、減速中は気圧が低く補正される。
【0044】したがって、第1の実施の形態の場合と同
様に、かご1の内部の気圧変化を段階的にさせるので、
乗客の鼓膜内外の気圧調整作用を促進させ耳づまりを解
消させることができる。
【0045】次に、本発明の第3の実施の形態を説明す
る。図4は本発明の第4の実施の形態を示す構成図であ
る。この第3の実施の形態は、図1に示す第1の実施の
形態の膜4及びおもり5に代えて、気圧補正容器2の内
部と外部との間で空気の流れに対して抵抗性分を持つ小
穴9を設けたものである。
【0046】図4において、エレベータのかご1は、第
1の実施の形態と同様に、扉の閉鎖によって気密となる
箱又はかご1内部の気圧を外部に対して変化させられる
程度の気密性を持つ箱で構成されている。これは、かご
1内の気圧補正時に、かご1の内部の気圧を外部に対し
て変化させられるようにするためである。
【0047】このかご1の下部には、気圧補正容器2が
設けられており、この気圧補正容器2はかご1と連通管
3で結ばれている。そして、気圧補正容器2には、その
側面に空気の流れに対して抵抗性分となる小さな小穴9
が設けられている。かご1の外部と内部で気圧に差があ
ると、気圧補正容器2の小穴9と連通管3とを通して空
気が移動し、最終的にかご1の内部は外部と同じ気圧に
なる。
【0048】空気が移動するときに、気圧補正容器2に
設けられた小穴9によって内部の気圧が外部と同じにな
るまでに遅れを生じさせる。その結果、エレベータのか
ご1の上昇時は、図5(a)の実線のように遅れて気圧
が下がり、下降時は図5(b)の実線のように遅れて気
圧が上がるように補正される。
【0049】この第3の実施の形態によれば、かご1の
内部の気圧変化を図5の実線で示すように、外部の気圧
変化に対して遅れを持たせてかご内部の気圧変化を補正
するので、かご内部の気圧の変化が緩やかに変化する。
したがって、乗客の耳づまりを起きにくくすることがで
きる。
【0050】次に、本発明の第4の実施の形態を説明す
る。図6は本発明の第4の実施の形態を示す構成図であ
る。この第4の実施の形態は、図4に示した第3の実施
の形態の気圧補正容器2および小穴9に代えて、かご1
の外部と内部との間で空気の流れに対して抵抗性分を持
つくびれ部10を連通管3に設けたものである。そし
て、連通管2はかご1の内部と外部とを連通し、かご1
の空気を外部に排出したり外部の空気をかご1に吸入し
たりする。
【0051】図6において、かご1内部は連通管3で外
部と結ばれている。連通管3には空気の流れに対して抵
抗性分となる細いくびれ部10が設けられている。かご
1の外部と内部とで気圧に差があるときは、連通管3を
通して空気が移動し、最終的にかご1内部は外部と同じ
気圧になる。
【0052】その空気が移動するときに、連通管3に設
けられた細いくびれ部10によって内部の気圧が外部と
同じになるまでに遅れを生じさせる。その結果、エレベ
ータのかご1の上昇時は、第3の実施の形態と同様に、
図5(a)の実線のように遅れて気圧が下がり、下降時
は図5(b)の実線のように遅れて気圧が上がるように
補正される。
【0053】この第4の実施の形態によれば、第3の実
施の形態と同様に、かご1の内部の気圧変化を図5の実
線で示すように、外部の気圧変化に対して遅れを持たせ
てかご内部の気圧変化を補正するので、かご内部の気圧
の変化が緩やかに変化する。したがって、乗客の耳づま
りを起きにくくすることができる。
【0054】次に、本発明の第5の実施の形態を説明す
る。図7は本発明の第5の実施の形態を示す構成図であ
る。
【0055】かご1と外部とは第1の連通管3aで連通
され、その第1の連通管3aにはくびれ部10が設けら
れている。このくびれ部10は、かご1の内部と外部と
の間で空気の流れに対して抵抗性分を持ち、かご1の空
気を外部に排出したり外部の空気をかごに吸入したりす
る際に、外部の気圧変化に対して遅れを持たせてかご内
部の気圧変化を補正する。
【0056】また、かご1の下部には気圧補正容器2が
設けられ、気圧補正容器2内には上下に動くピストン6
が設けられている。このピストン6は気圧補正容器2内
の底部に設けられたバネ7により下から支えられる。さ
らに、ピストン6の軸8の端部にはテールコード11が
設けられている。このテールコード11は、かご1が上
昇又は下降するときの加減速度により受ける力でピスト
ン6を上下動させるためのものである。
【0057】そして、かご1と気体補正容器2の下部と
は第2の連通管3bで連通され、ピストン6の上下動で
気圧補正容器2の下部の空気をかご1に供給したり、か
ご1の空気を気圧補正容器2の下部に吸入する。
【0058】エレベータのかご1の上昇又は下降による
外部の気圧変化に対しては、第4の実施の形態と同じく
外部の気圧変化に対して遅れを生じさせるとともに、上
昇するときは、テールコード11の重さが上昇すればす
るほど重くなり、ピストン6を段々と下げて空気をかご
1に供給する。下降するときはテールコード11の重さ
が下降すればするほど軽くなり、ピストン6を段々と上
げて空気をかご1から吸入する。
【0059】その結果、上昇中のかご1の内部の気圧
は、図8(a)中の実線で示すように加速中は気圧が低
く、減速中は気圧が高く補正される。一方、下降中のか
ご1内部の気圧は、図8(b)の実線で示すように加速
中は気圧が高く、減速中は気圧が低く補正される。すな
わち、第4の実施の形態での特性よりも遅れた変化に補
正される。
【0060】この第5の実施の形態では、エレベータの
かご1の位置の変化により、ピストン6に取り付けられ
たテールコード11の重さが変化することを利用し、ピ
ストン6を上下させ、気圧補正容器2の下部の空気をか
ご1に供給し、あるいはかご1の空気を吸入する。
【0061】すなわち、エレベータの上昇又は下降によ
る外部の気圧変化に対して、かご1の気圧変化に遅れを
持たせると共に、上昇するときはピストン6に加わるテ
ールコード11の重さが増加し、ピストン6を下げるこ
とにより、かご1に空気を供給することができる。下降
するときはピストン6に加わるテールコード11の重さ
が減少し、ピストン6を上げることにより、かご1の空
気を吸入することができる。かご1に空気を供給したり
かご1の空気を吸入することにより緩やかな気圧変化と
することができる。これにより、耳づまりを起きにくく
することができる。
【0062】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、特
別に制御装置やエネルギーを用いることなくエレベータ
の加減速時にかごの気圧を段階的に変化させることがで
きる。これにより、乗客の鼓膜内外の気圧調整作用を促
進させ、耳づまりを解消させることができる。また、か
ごの気圧を緩やかに変化させることにより、耳づまりを
起こしにくくすることができる。したがって、高層ビル
に設置されるエレベータが高速運転されても耳づまりな
どの乗客の不快感を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態を示す構成
図であり、図1(a)はかごが静止状態の構成図、図1
(b)はかごが上昇加速中又は下降減速中の状態の構成
図、図1(c)はかごが上昇減速中又は下降加速中の状
態の構成図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施の形態におけるか
ご内部の気圧の特性図であり、図2(a)は上昇中のか
ご内部の気圧の特性図、図2(b)は下降中のかご内部
の気圧の特性図である。
【図3】図3は、本発明の第2の実施の形態を示す構成
図である。
【図4】図4は本発明の第3の実施の形態を示す構成図
である。
【図5】図5は、本発明の第3の実施の形態におけるか
ご内部の気圧の特性図であり、図5(a)は上昇中のか
ご内部の気圧の特性図、図5(b)は下降中のかご内部
の気圧の特性図である。
【図6】図6は、本発明の第4の実施の形態を示す構成
図である。
【図7】図7は、本発明の第5の実施の形態を示す構成
図である。
【図8】図8は、本発明の第5の実施の形態におけるか
ご内部の気圧の特性図であり、図8(a)は上昇中のか
ご内部の気圧の特性図、図8(b)は下降中のかご内部
の気圧の特性図である。
【符号の説明】
1 かご 2 気圧補正容器 3 連通管 4 膜 5 おもり 6 ピストン 7 バネ 8 ピストン軸 9 小穴 10 くびれ部 11 テールコード
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B66B 1/00 - 11/08

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 扉の閉鎖によって気密箱となるかごの下
    部に設けられた気圧補正容器と、前記気圧補正容器の下
    部に形成され弾性を有する膜と、前記膜の中央部に設け
    られ前記かごが上昇又は下降するときの加減速度により
    受ける力で前記膜を上下動させるためのおもりと、前記
    かごと前記気体補正容器とを連通し前記膜の上下動で前
    記気圧補正容器の空気をかごに供給したり前記かごの空
    気を前記気圧補正容器に吸入するための連通管とを備え
    たエレベータ気圧補正装置。
  2. 【請求項2】 扉の閉鎖によって気密箱となるかごの下
    部に設けられた気圧補正容器と、前記気圧補正容器内に
    設けられ上下に動くピストンと、前記気圧補正容器内の
    底部に設けられ前記ピストンを下から支えるバネと、前
    記ピストンの軸の端部に設けられ前記かごが上昇又は下
    降するときの加減速度により受ける力で前記ピストンを
    上下動させるためのおもりと、前記かごと前記気体補正
    容器の上部とを連通し前記ピストンの上下動で前記気圧
    補正容器の空気をかごに供給したり前記かごの空気を前
    記気圧補正容器に吸入するための連通管とを備えたエレ
    ベータ気圧補正装置。
  3. 【請求項3】 扉の閉鎖によって気密箱となるかごの下
    部に設けられた気圧補正容器と、前記気圧補正容器に設
    けられ前記気圧補正容器の外部との間で空気の流れに対
    して抵抗性分を持つ小穴と、前記かごと前記気体補正容
    器とを連通し前記気圧補正容器の空気をかごに供給した
    り前記かごの空気を前記気圧補正容器に吸入するための
    連通管とを備えたエレベータ気圧補正装置。
  4. 【請求項4】 扉の閉鎖によって気密箱となるかごと外
    部とを連通し前記かごの空気を外部に排出したり外部の
    空気を前記かごに吸入したりするための連通管と、前記
    連通管に設けられ前記かごの外部との間で空気の流れに
    対して抵抗性分を持つくびれ部とを備えたエレベータ気
    圧補正装置。
  5. 【請求項5】 扉の閉鎖によって気密箱となるかごと外
    部とを連通し前記かごの空気を外部に排出したり外部の
    空気を前記かごに吸入したりするための第1の連通管
    と、前記第1の連通管に設けられ前記かごの外部との間
    で空気の流れに対して抵抗性分を持つくびれ部と、前記
    かごの下部に設けられた気圧補正容器と、前記気圧補正
    容器内に設けられ上下に動くピストンと、前記気圧補正
    容器内の底部に設けられ前記ピストンを下から支えるバ
    ネと、前記ピストンの軸の端部に設けられ前記かごが上
    昇又は下降するときの加減速度により受ける力で前記ピ
    ストンを上下動させるためのテールコードと、前記かご
    と前記気体補正容器の下部とを連通し前記ピストンの上
    下動で前記気圧補正容器の空気をかごに供給したり前記
    かごの空気を前記気圧補正容器に吸入するための第2の
    連通管とを備えたエレベータ気圧補正装置。
  6. 【請求項6】 前記かごは、扉の閉鎖によって気密箱と
    なるかごに代えて、気圧補正時に内部の気圧を外部に対
    して変化させられる程度の気密性を持つ箱としたことを
    特徴とする請求項1乃至請求項5に記載のエレベータ気
    圧補正装置。
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