JP3153637B2 - カルシアクリンカーの製造方法 - Google Patents

カルシアクリンカーの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属および合金、主とし
て鉄鋼の精錬のためレンガ、ルツボ等のカルシア耐火物
を製造するための原料となるカルシアクリンカーの製造
する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カルシアは塩基性、約2600℃の高融
点、低い酸素解離圧、高い熱伝導率等を有し、鉄鋼、チ
タン等の金属精錬用および半導体焼成用の耐火物として
優れた特性を具えている。このような特性を生かしたカ
ルシア製品は現行では、カルシアクリンカーを粒度調整
し、成形、焼成(焼結)して得られるものが大部分を占
めており、この場合に用いられるカルシアクリンカーは
殆どが熔融物である。またカルシアクリンカーを用いず
炭酸カルシウムを粒度調整して鋳込み成形後、焼成して
ルツボ等を得る方法が特開平1−290554号公報に
開示されているが、この方法により得られたカルシア製
品は非常に熱衝撃に弱い欠点があり、カルシアクリンカ
ーを成形、焼成する方法が大部分を占める原因になって
いる。しかし、前述のようにカルシアクリンカーは殆ど
が溶融物が用いられるためコストが高くなるという短所
がある。またコストを抑えるために焼成によるカルシア
クリンカーも考えられたが、カルシアは元来空気中の水
分等で非常に水和しやすく、焼成物では溶融物ほどの耐
水和性が得られないためにあまり使われていないのが現
状である。この焼成によるカルシアクリンカーの耐水和
性を向上させるために本発明者らは特願平2−2512
18号(特開平4−130046号)に粒子径あるいは
結晶子の大きさが0.3μm以下の炭酸カルシウムを成
形、焼成する方法を提案したが、石灰石をサブミクロン
粒子に粉砕することや、石灰石を焼成した生石灰を水和
後、炭酸ガスを吹き込んで合成した炭酸カルシウムを原
料とすることが必要であった。そこでさらなるコストの
低減を計り、工業化促進のための研究を重ね本発明を完
成するに至った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は原料として石
灰石を用い、耐水和性に優れた安価な焼成カルシアクリ
ンカーを製造することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は原料石灰石を構
成している炭酸塩の結晶の大きさを64μm(細晶質)
以下と限定し、これを150μm以下に成形の手段に応
じて粒度調整し、成形後、1500℃以上で焼成するこ
とを特徴とする。ここでいう細晶質とは表1に示した結
晶径のスケールのことである。また、本発明は後工程に
影響が出ない程度の少量の助剤の添加でも充分、耐水和
性が向上するカルシアクリンカーの製造方法を提供す
る。
【0005】
【表1】
【0006】
【作用】一般に理論密度に近い焼結体を製造する場合、
原料粉体の粒度を小さくしたほうが良いことは知られて
いるが、本発明者らは石灰石粉体を成形、焼成して石灰
焼結体を製造する場合、石灰石粉体の粒度に依存しない
場合があることを発見した。さらに実験を重ねた結果、
石灰石を塊のまま焼成する場合、石灰石を構成する炭酸
塩の結晶の大きさ(以下、石灰石の結晶径と略す。)が
小さい石灰石ほど、焼結体のカサ比重が大きくなる。こ
のことは石灰石の結晶径が粉体の粒度と考えれば、粒度
が小さいほど焼結体の密度が高くなることと合致し、2
表に示すように石灰石の微量成分も各石灰石で大きな違
いも無いことから、石灰石の結晶径が最も重要な要因で
あると判断される。また石灰石の結晶径が小さい石灰石
を塊のままと、150μm以下に粉砕して成形したもの
を同じ条件で焼成すれば、カサ比重はほとんど同じであ
るが、塊のまま焼成して得られた焼結体は多くのひび割
れが生じ、見かけの表面積が増加して耐水和性に劣る。
従って成形体に適度の空隙を持たせ、焼成時の収縮によ
る歪みを空隙より吸収することでひび割れを抑え、見か
けの表面積を増加させないために粉砕、成形という操作
が必要となる。粉砕は成形の方法、粉砕の方法等の装置
的な条件と、コストおよびひび割れを起こさせないため
の均一で適度の空隙がある成形体を作る条件との兼ね合
いになるが、およそ150μm以下とするのが良い。助
剤を添加する場合は粉砕時に同時に添加するか粉砕によ
り得られた石灰石粉体にミキサー、ボールミル等で混合
すれば良いが、この場合は粉体の粒度が小さいほうが、
より少量で耐水和性に効果があり、およそ40μm以下
にするのが望ましい。
【0007】本発明の範囲で得られた石灰石粉体は、一
般的な成形方法、例えばプレス成形や押し出し成形等に
より成形することができ、必要に応じバインダーを用い
ることもできる。バインダーとしてはアルカリ金属やハ
ロゲン化物を含まないものを用いないと焼結体のカサ比
重が大きくならず、耐水和性が低下することがある。成
形密度は成形体が静置して焼成される場合は1.1g/
cm3以上のカサ比重であれば問題はないが、ロータリ
ーキルンのように成形体どおしや成形体と耐火物とが擦
れ合うような場合は1.5g/cm3以上のカサ比重と
することが望ましい。
【0008】得られた成形体は、ついで1500℃以上
の温度で焼成される。炭酸カルシウムの分解圧が1気圧
になるのが約900℃であるので、これ以上の温度で焼
成すれば、石灰焼結体となるが、耐火物の原料となるカ
ルシアクリンカーとしての耐水和性を持たせるには15
00℃以上の温度が必要となる。
【0009】
【実施例1】原料石灰石として中晶質の石灰石Aと細晶
質の石灰石Bおよび微晶質の石灰石Cを用意した。各々
の石灰石の破断面を走査型電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、石灰石A、B、Cの結晶径は各々130μm、38
μm、5.0μmであった。石灰石A、B、Cを各々約
35mmの塊とハンマークラッシャーで粉砕して150
μmで分級した粉体とし、粉体は直径40mmの金型を
用いて圧力500kg/cmで円盤状の成形体とし
た。ついで塊および成形体を1300、1500、18
50℃で3時間焼成した。得られた焼結体を温度30℃
での飽和蒸気圧中に120時間放置したときの重量増加
率を吸水率とした。各々の石灰石の化学分析値を表2
に、各温度での焼結体のカサ比重と吸水率を表3に示
す。
【0010】表3より石灰石の結晶径が小さいほど塊、
成形体とも焼結体のカサ比重が大きくなり耐水和性に優
れている。また中晶質以上の結晶径になると焼結体のカ
サ比重の低下が著しく、耐水和性に劣る。
【0011】塊のまま焼成したものは石灰石の結晶径が
小さくなるに従いカサ比重が増加し成形体との差が小さ
くなるが、ひび割れの量も増加するためにカサ比重が増
加した割りには吸水率が大きい。
【0012】
【表2】
【表3】
【0013】
【実施例2】実施例1で用いた石灰石A、Cの粉体に試
薬の第二酸化鉄を石灰換算で0.05、0.5、5重量
%添加し、混合した試料を直径40mmの金型により圧
力500kg/cmで円盤状に成形し1500℃で3
時間焼成した。得られた焼結体を温度30℃での飽和蒸
気圧中に120時間放置したときの重量増加率を吸水率
とした。各々の焼結体のカサ比重と吸水率を表4に示
す。
【0014】表4より石灰石Aのほうは少量の第二酸化
鉄の添加ではあまり効果が現れないが石灰石Cではカサ
比重の増加及び吸水率の低下に大きな効果がある。第二
酸化鉄の添加量が5%程度に多くなると石灰石Aでもカ
サ比重の増加および吸水率の低下が認められるが、これ
以上の添加は融点の降下等を引き起こしクリンカーとし
ての性能を維持できないと考えられる。
【0015】
【表4】
【0016】
【発明の効果】従来より金属精錬等に優れているという
評価を得ながらも、原料として熔融によるカルシアクリ
ンカーを用いていたために、高価であることが障害とな
って普及しなかったカルシア耐火物も、本発明の方法に
より、安価にかつ耐水和性に優れた焼成カルシアクリン
カーを提供すれば耐火物の価格も下がり、現在塩基性耐
火物の主流であるマグネシア耐火物との置き換えまたは
共用で、より優れた金属精錬システムが構築できる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−130046(JP,A) 特開 昭58−45157(JP,A) 特開 平3−237056(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/057 C01F 11/06 C01F 11/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石灰石を構成している炭酸塩の結晶の大
    きさが平均で64μm(細晶質)以下であり、その石灰
    石を平均粒径150μm以下かつ平均粒径が石灰石を構
    成する炭酸塩の結晶の大きさ以上に粉砕して得られた粉
    末を成形後、1500℃以上で焼成することを特徴とす
    るカルシアクリンカーの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の石灰石粉体に、SiO2、T
    iO2、ZrO2、Al23、Fe23、CaF2、Mg
    2等の金属酸化物又は塩の単体若しくは2種類以上を
    焼成後の酸化カルシウム中に0.05−5重量%添加し
    て成形後、1500℃以上で焼成することを特徴とする
    カルシアクリンカーの製造方法。
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