JP3152843B2 - 固体電解質型燃料電池セルおよびその製造方法 - Google Patents

固体電解質型燃料電池セルおよびその製造方法

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JP3152843B2 JP20652294A JP20652294A JP3152843B2 JP 3152843 B2 JP3152843 B2 JP 3152843B2 JP 20652294 A JP20652294 A JP 20652294A JP 20652294 A JP20652294 A JP 20652294A JP 3152843 B2 JP3152843 B2 JP 3152843B2
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  • Inert Electrodes (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃料極としてランタン
クロマイト(LaCrO3 )系材料を利用した固体電解
質型燃料電池セルに関するものである。特に固体電解質
やインタ−コネクタを気相法により形成する場合の改良
に関する。
【0002】
【従来技術】固体電解質型燃料電池は、第3世代の燃料
電池として期待され、精力的に研究開発が進められてい
る。これまで知られる固体電解質型燃料電池としては、
円筒型と平板型の2種類が有り、平板型燃料電池セルは
発電の単位体積当り出力密度が高いという特長を有する
が、実用化に関してはガスシ−ル不完全性やセル内の温
度分布の不均一性などの問題があるのに対して、円筒型
燃料電池セルでは、出力密度は低いものの、セルの機械
的強度が高く、またセル内の温度の均一性が保てるとい
う特長がある。
【0003】そこで、円筒型燃料電池セルの一般的な構
造を図1に示した。図1によれば、開気孔率40%程度
のCaO安定化ZrO2 支持管11の表面にスラリ−デ
ィップ法により多孔性のLaMnO3 系材料からなる空
気極12を塗布し、その表面に気相合成法(EVD)
や、あるいは溶射法によりY2 3 安定化ZrO2 から
なる電解質13を被覆し、さらにこの表面に多孔性のN
i−ジルコニア(Y2 3 含有)の燃料極14を設けら
れている。燃料電池のモジュ−ルにおいては、各単セル
はLaCrO3 系のインタ−コネクタ15を介して接続
される。発電は、支持管内部に空気(酸素)を、外部に
燃料(水素)を流し、1000〜1050℃の温度で行
われる。
【0004】近年、このセル作製の工程においてプロセ
スを単純化するため、空気極材料であるLaMnO3
材料を直接多孔性の支持管として使用する試みがなされ
ている。空気極としての機能を合せ持つ支持管材料とし
ては、Laを10〜20%をCaやSrで置換したLa
MnO3 系固溶体材料が用いられている。また、発電は
セルの空気極側に空気(酸素)、燃料極側に燃料(水
素)を供給して1000〜1050℃の温度で行われ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】図4に示したような
円筒型セルにおいて、空気極表面に気相合成法により電
解質および集電層(インタ−コネクタ)を形成する場
合、電解質においてはY、Zrのハロゲンガスと酸素
と、また集電層(インタ−コネクタ)ではLa、Cr等
のハロゲンガスと酸素を反応させるこにより金属酸化物
を形成する。これらのハロゲンガスは成膜工程の初期に
おいて空気極表面を腐食させ、被膜の付着力や空気極と
しての機能を低下させるため、セル製造の歩留まりが悪
かったり、また発電性能が劣るという問題があった。
【0006】
【問題点を解決するための手段】本発明者は、円筒型燃
料電池セルや平板型燃料電池セルにおける上述の問題を
解決するために検討を加えた結果、従来の方法におい
て、気相法により電解質や集電層を形成する基体とし
て、LaMnO3 系材料からなる空気極から特定の組成
からなるLaCrO3 系の燃料極に代えることにより、
これらの問題が解決されることを見出だした。
【0007】即ち、本発明の燃料電池セルは、固体電解
質の片面に空気極、他方の面に燃料極が形成してなる燃
料電池セルにおいて、固体電解質の片面に空気極を、他
面に燃料極を備えた固体電解質型燃料電池セルにおい
て、前記燃料極が少なくともLaとCrとを含む複合酸
化物からなり、該複合酸化物における金属元素の原子比
を下記化1
【0008】
【化1】
【0009】と表した時、化1中のx、y、z、uおよ
びvが 0.4 ≦x/(x+y+z)≦1.0 0 ≦y/(x+y+z)≦0.20 0.01≦z/(x+y+z)≦0.40 0 ≦v/(u+v)≦0.30 1.002≦(x+y+z)/(u+v)≦1.30 を満足し、特に開気孔率が20〜45%であることを特
徴とするものである。
【0010】さらに、本発明の固体電解質型燃料電池セ
ルの製造方法によれば、少なくともLaとCrとを含む
複合酸化物からなり、該複合酸化物における金属元素の
原子比を下記化1
【0011】
【化1】
【0012】と表した時、化1中のx、y、z、uおよ
びvが 0.4 ≦x/(x+y+z)≦1.00 0 ≦y/(x+y+z)≦0.20 0.01≦z/(x+y+z)≦0.40 0 ≦v/(u+v)≦0.30 1.002≦(x+y+z)/(u+v)≦1.30 を満足する燃料極の表面に気相法により固体電解質およ
び/または集電層を被着形成するとともに、該固体電解
質の表面に空気極を形成することを特徴とするものであ
る。
【0013】次に、燃料極を構成する上記化1の複合酸
化物において、組成を上記の範囲に限定した理由を以下
に述べると、まず、La量を示すx/(x+y+z)が
0.4をより小さいとハロゲンに対する耐食性が低くな
り、La以外の周期律表第3a族元素量を示すy/(x
+y+z)が0.20より大きいと、同様にハロゲンに
対する耐食性が悪くなるためである。また、アルカリ土
類元素量を示すz/(x+y+z)が0.01より小さ
いと電気伝導度が小さくなり、逆に0.40より大きい
とハロゲンに対する耐食性が低くなる。Mg,Mnなど
の遷移金属量を示すv/(u+v)が0.30より大き
いと電解質との熱膨張係数差が大きくなるためセルを組
んだ場合発電において昇温あるいは冷却時にセルが熱応
力が発生しセルが破壊するためである。さらに、(x+
y+z)/(u+v)で表される原子比が1.002よ
り小さいと系を焼結することができず、1.30より大
きいと、長時間の発電を行った際にCrやMgなどの遷
移金属成分に対する過剰成分が相分離を起こし、例えば
La2 3 や、Ca濃度の高い結晶相(Cai(Cr
O)j相(ここでi、jは整数)と思われる)が析出し
発電能力の低下を来すためである。
【0014】化1で示される組成式において、好ましく
は、複合酸化物における金属元素の原子比率を下記化2
【0015】
【化2】
【0016】と表した時、化1中のx、x’、y、z、
z’、uおよびvが 0.4 ≦x+x’/(x+x’+y+z+z’)≦
1.0 0 ≦y/(x+x’+y+z+z’)≦0.20 0.01≦z/(x+x’+y+z+z’)≦0.40 0 ≦v/(u+v)≦0.30 1.002≦(x+x’+y+z+z’)/(u+v)
≦1.30(x+y+z)/(u+v)=1 を満足することが望ましい。
【0017】さらに、望ましくは、前記化2において 0.80≦x+x’/(x+x’+y+z+z’)≦
1.0 0.10≦y/(x+x’+y+z+z’)≦0.20 0.02≦z/(x+x’+y+z+z’)≦0.35 0≦v/(u+v)≦0.20 1.002≦(x+x’+y+z+z’)/(u+v)
≦1.20(x+y+z)/(u+v)=1 である。
【0018】また、上記燃料極を形成する複合酸化物
は、結晶相としてはペロブスカイト型結晶相を主体とす
るものであるが、他相としてLa2 3 、および周期律
表第3a族の成分を含む酸化物などが析出する場合もあ
る。
【0019】上記の複合酸化物を燃料極として用いるに
は、機能上、適度のガス透過性を有することが重要であ
る。このガス透過性は複合酸化物材料の開気孔率に大き
く影響され、開気孔率が大きいほどガス透過性は大きく
なる。円筒型燃料電池セルにおいて、安定化ZrO2
の支持管を用いる場合および平板型セルの場合は、この
燃料極の開気孔率は20〜50%であることが必要であ
る。
【0020】しかしながら、本複合酸化物を円筒型セル
の支持管を兼ねた燃料極として用いる場合には、製造に
おける支持管としてのハンドリング性の問題から支持管
強度が高いことが望まれる。即ち、支持管の開気孔率が
大きくなれば、ガス透過性は大きくなり発電性能は向上
するが、逆に支持管強度が低下し製造時のハンドリング
性が悪くなりセル製造時の歩留りが低下するなどの問題
が生じる。この強度とガス透過量性を両立させるため
に、支持管の開気孔率は20〜45%であることが重要
で、特に30〜40%の範囲が好ましい。即ち、開気孔
率が20%より小さいとガス透過性が低く発電性能が悪
くなり、開気孔率が45%より大きくなると支持管強度
が低くなりセルの製造歩留まりが悪くなる。また、支持
管の平均細孔径もガス透過性と材料強度を決定する要因
の1つである。支持管の平均細孔径としては1〜5μm
が良く、特に2〜3μmの範囲が特に優れている。
【0021】次に、本発明に基づく円筒型燃料電池セル
の構造を図1に示した。図1によれば、円筒状支持管1
の表面には燃料極2、固体電解質3、および空気極4が
順次積層されており、セル間を電気的に接続するための
集電層5が、燃料極2と電気的に接続され、空気極4と
接触しないように円筒管の長手方向に形成されている。
また、他の構造としては、図2に示すように、図1にお
ける燃料極2と円筒状支持管1とを一体化し燃料極形成
材料によって支持管6を形成することも可能である。
【0022】本発明によれば、図1に示す構造の円筒型
燃料電池セルを作製するに、まず、CaO安定化ZrO
2 などの周知の材料からなる多孔質の円筒状焼結体支持
管1表面に、スラリ−ディップ法により前記の複合酸化
物のスラリーを塗布乾燥後、これを1000〜1500
℃で焼き付けし、1〜3mm程度の厚みの燃料極を形成
する。そして、この燃料極の表面に、気相法により電解
質および集電層を形成する。具体的には、金属ハロゲン
ガスおよび酸素含有ガスとの気相合成反応により、例え
ばY2 3 安定化ZrO2 からなる金属酸化物を10〜
300μmの厚みで、さらに、例えば緻密質なLaCr
3 系材料からなる集電層(インターコネクタ)を10
〜300μmの厚みで形成する。その後、ディッピング
法により電解質表面に厚み30〜1000μmのLaM
nO3 系材料またはLaCoO3系材料からなる空気極
を形成する。
【0023】また、燃料極を支持管として併用した図2
のセルを作製するには、まず、前記燃料極形成用の複合
酸化物による円筒状焼結体を作製する。この円筒状焼結
体を作製するには、前述した燃料極を構成する金属元素
の酸化物粉末、または熱処理により酸化物を形成するこ
とができる水酸化物、炭酸塩、硝酸塩を原料とし、これ
らを前述した所定の比率に秤量した後、ボ−ルミル等の
周知の方法により混合する。この混合粉末を押出し法、
冷間静水圧プレス法により円筒形状に成形した後、大気
などの酸化雰囲気中で1200〜1700℃の温度で焼
成する。この時、得られる焼結体の開気孔率は前述した
理由から、20〜45%、特に30〜40%となるよう
に焼成時間などを制御する。また出発原料として、上記
の混合粉末を一旦1300〜1500℃で仮焼し、粉砕
してた仮焼粉末を用いて、上記の方法に従い、成形、焼
成すると、支持管の仕上り寸法の精度を高めることがで
きる。
【0024】このようにして燃料極能を備えた円筒型支
持管を作製した後、図1のセルと同様な方法に基づき、
電解質、集電層および空気極を形成することにより作製
することができる。なお、燃料極能を備えた円筒型支持
管を用いる場合、燃料極として電気伝導度を向上させる
観点から、また、燃料極支持管と電解質との間に従来か
ら燃料極として用いられているNi−ZrO2 (Y2
3 含有)材料を3〜100μmの厚みに介在させてもよ
い。
【0025】図1および図2に示したような円筒型セル
においては、支持管内部に水素等を含有した燃料ガス
を、外部に酸素を含有したガスを流し900〜1050
℃の温度に加熱することにより電力を発生させることが
できる。
【0026】
【作用】気相合成法により、例えばY2 3 安定化Zr
2 からなる電解質をLaMnO3 系材料からなる空気
極表面にに形成する場合、基体を1000〜1200℃
に加熱し、減圧下においてYCl3 およびZrCl4
ハロゲンガスと酸素含有ガスを供給して、下記化3に基
づく反応により合成する。
【0027】
【化3】
【0028】この際、YCl3 、ZrCl4 および生成
したCl2 ガスは空気極表面を腐食し、生成した電解質
との接合を悪くしたり、空気極表面の組成を変化させて
空気極としての機能を低下させる。また、LaCr0.9
Mg0.1 3 等の集電層も同様に、LaCl3 、MgC
2 、CrCl3 のハロゲンガスと酸素含有ガスを用
い、1300〜1400℃で合成されるが、合成温度が
高いた空気極基体表面の腐食は電解質に比較してさらに
大きくなる。このため、空気極とインタ−コネクタ間の
接合を悪くしたり、空気極表面の組成を変化させて集電
性能を劣化させたりする。
【0029】本発明における燃料電池は、Crを必須成
分として含有する複合酸化物からなるもので、このよう
なハロゲンガスによる腐食に対して極めて耐蝕性が高い
材料である。そのため、このCr含有複合酸化物を燃料
極として用い、その表面に電解質および集電層(インタ
−コネクタ層)を形成することにより電解質および集電
層との接合状態を改善することができると同時に、電極
としての機能の低下を防止することができる。
【0030】本発明によれば、従来のLaCrO3 材料
は難焼結材料であり、2000℃付近で焼成する必要が
ある。LaCrO3 材料は、一般式ABO3 で表される
ペロブスカイト型結晶構造を有するものであるが、本発
明において用いられる燃料極用材料は、Aサイト構成元
素として、La以外にCa、SrおよびBaのうちの少
なくとも1種を必須の成分として含み、場合によりLa
以外の周期律表第3a族元素あるいは第5a族元素によ
り構成し、Bサイト構成元素として、Cr、あるいはC
rとMg、Mn、Fe、Co及びNiの群から選ばれる
少なくとも1種とにより構成するのであるが、かかる成
分組成において、前記Aサイト構成元素を化学量論組成
より過剰に配合することにより、その過剰成分、あるい
は過剰成分とLa以外の周期律表第3a族元素あるいは
第5a族元素との相互作用により焼結中に低い温度で液
相を生成させることにより、1600℃以下の低温度で
の焼成を実現することができる。
【0031】これにより、本発明によれば、円筒型電池
セルの作製において、電解質や集電層の気相法による形
成時におけるハロゲンガスによる基体の腐食を防止し製
造時の歩留まりおよびセル性能とその安定性を向上させ
ることができ、その結果燃料電池セルの信頼性がさらに
向上する。
【0032】また、本発明によれば、平板型セルにおい
て、従来燃料極として用いられていたNi−ZrO
2 と、緻密質LaCrO3 からなる集電層(セパレー
タ)との化学的な結合が弱くいために、接合面での電気
伝導性が低いものであったが、本発明に基づき、燃料極
を前述したLaCrO3 系材料により構成することによ
り、緻密質セパレ−タとの接合性が向上しその接合面で
の電気伝導度も高くなるためにその結果、集電性も向上
し高出力化が可能になる。
【0033】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づき説明する。
【0034】実施例1 純度99.7%以上、平均粒子径が2〜5μmのLa2
3 、CaCO3 、MgCO3 、周期律表第3a族元素
酸化物、周期律表第5a族元素酸化物などを用いてこれ
らを表1および表2に示す組成になるように調合し、ジ
ルコニアボ−ルを用いて10時間混合した後、1450
℃で5時間熱処理して固相反応させた。
【0035】この粉末をジルコニアボ−ルを用いて、さ
らに10〜15時間粉砕し、平均粒子径が7〜9μmの
粉末を得た。その後、この粉末を円板状に成形し、14
50〜1550℃で5〜7時間大気中で焼成して,開気
孔率が27〜32%で外径が約10mm、厚みが約2m
mの試料を得た。
【0036】また、比較のために、市販の純度が99.
5%以上、平均粒子径が8μmのLa0.9 Ca0.1 Mn
3 およびLa0.9 Sr0.1 Mn3 の空気極材料粉末を
成形して、1500℃で5時間焼成して、外径約10m
m、厚みが約2mmの円板状試料を得た。
【0037】次に、各試料についてアルキメデス法に基
づき開気孔率を測定するとともに、上述の試料を2体積
%Cl2 を含有するArガスを流しながら1200℃
に、3時間保持して、熱処理前後での重量変化を調べ、
下記数1に従い重量変化率を算出した。結果を表1およ
び表2に示した。
【0038】
【数1】
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】表1および表2の結果からも明らかなよう
に、本発明における組成を満足する燃料極材料の重量変
化は、従来のLaMnO3 系空気極材料に比較して1/
10以下であることからも、優れた耐食性を有すること
がわかる。
【0042】実施例2 実施例1中のNo.12、24、39組成からなる混合物
を上記の条件で固相反応し粉砕した後、これを用いて中
空の円筒状に押出成形し、大気中1450〜1560℃
で2〜8時間焼成して、長さ約200mm、外径16m
m、内径12mmの一端が封じた円筒状焼結体を作製し
た。この後、アルキメデス法と水銀圧入法により開気孔
率と平均細孔径を求めた。
【0043】また、上述の試料から長さ20mmの試料
を切り出し、圧環試験装置とN2 ガスを用いたガス透過
係数測定装置により、圧環強度と22℃におけるガスの
透過係数をそれぞれ測定した。結果を表3に示した。
【0044】
【表3】
【0045】表3から明らかなように、開気孔率が大き
くなると、ガスの透過係数は大きくなるが、圧環強度が
減少した。発電性能と製造時のハンドリング性を考慮す
ると開気孔率は20〜45%が優れている。 実施例3 実施例1中のNo.6、12、25組成を用いて、中空の
円筒状に成形し大気中1480〜1520℃で4〜5時
間焼成して、開気孔率が31〜34%、平均細孔径が
1.9〜2.4μmの長さ約200mm、外径16m
m、内径12mmの一端が封じた円筒状焼結体を作製
し、燃料極としての機能を有するセルの支持管とした。
この後、気相合成法によりYCl3 、ZrCl4
2 、H2 のガスを用いて1150℃で円筒状焼結体表
面に厚さ約30μmの電解質(10mol%Y2 3
90mol%ZrO2 )を被覆し、さらにこの上にスラ
リ−ディップ法により30μmの厚みでLa0.8 Sr
0.2 MnO3 粉末を塗布した後に1100℃で2時間熱
処理して空気極の電解質への焼付けと焼結を行わせた。
発電は円筒状焼結体の内側に水素ガスを、外周に酸素ガ
スを流し1000℃で1000時間行い、出力密度を測
定し結果は図3に示した。
【0046】一方、市販の平均粒子径が8μmのLa
0.9 Ca0.1 MnO3 の空気極材料粉末を成形して、1
500℃で5時間焼成して、開気孔率29%で平均細孔
径が2.3μm、外径約16mm、内径12mmの一端
が封じた円筒状焼結体を作製し、空気極としての機能を
有するセルの支持管とした。この表面に気相合成法によ
り厚さ約30μmの電解質(10mol%Y2 3 −9
0mol%ZrO2 )を被覆し、さらにこの上にスラリ
−ディップ法により30μmの厚みに70重量%NiO
−30重量%ZrO2 (Y2 3 含有)を被覆して燃料
極を作製した。発電は円筒状焼結体の内側に酸素ガス
を、外周に水素ガスを流し1000℃で1000時間行
い、出力密度を測定し図3に示した。
【0047】図3の結果から明らかなように、本発明に
基づき、所定の組成からなる燃料極能を有する支持管を
用いた本発明の燃料電池セルは、従来の空気極能を備え
た燃料電池セルに比較して、出力密度が高いことが分か
る。これは、ハロゲンガスに対する耐蝕性が従来のLa
MnO3 系材料に比較して高いことに起因している。
【0048】
【発明の効果】以上の説明により明らかなように、特定
のLaCrO3 系材料を燃料電池セルの燃料極として用
いることにより、セル作製時のハロゲンガスに対する耐
蝕性を向上させ、電極としての機能低下を防止し高出力
で長期安定性のあるセルを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における円筒型燃料電池セルの構造を示
す図である。
【図2】本発明における円筒型燃料電池セルの他の構造
を示す図である。
【図3】実施例3における出力密度と発電時間との関係
を示す図である。
【図4】従来の円筒型燃料電池セルの構造を説明するた
めの図である。
【符号の説明】
1 支持管 2、6 燃料極 3 電解質 4 空気極 5 集電層

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固体電解質の片面に空気極を、他面に燃料
    極を備え、さらにセル間を電気的に接続するための集電
    層を具備する固体電解質型燃料電池セルにおいて、前記
    燃料極が少なくともLaとCrとを含む複合酸化物から
    なり、該複合酸化物における金属元素の原子比を下記化
    1 【化1】 と表した時、化1中のx、y、z、uおよびvが 0.4 ≦x/(x+y+z)≦1.00 0 ≦y/(x+y+z)≦0.20 0.01≦z/(x+y+z)≦0.40 0 ≦v/(u+v)≦0.30 1.002≦(x+y+z)/(u+v)≦1.30 を満足することを特徴とする固体電解質型燃料電池セ
    ル。
  2. 【請求項2】前記燃料極が、開気孔率20〜45%の円
    筒状支持管としてその表面に固体電解質、空気極および
    集電層を形成してなることを特徴とする請求項1記載の
    固体電解質型燃料電池セル。
  3. 【請求項3】少なくともLaとCrとを含む複合酸化物
    からなり、該複合酸化物における金属元素の原子比を下
    記化1 【化1】 と表した時、化1中のx、y、z、uおよびvが 0.4 ≦x/(x+y+z)≦1.00 0 ≦y/(x+y+z)≦0.20 0.01≦z/(x+y+z)≦0.40 0 ≦v/(u+v)≦0.30 1.002≦(x+y+z)/(u+v)≦1.30 を満足する燃料極の表面に気相法により固体電解質およ
    び/または集電層を被着形成するとともに、該固体電解
    質の表面に空気極を形成することを特徴とする固体電解
    質型燃料電池セルの製造方法。
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