JP3131086B2 - 燃料電池セルおよびその製造方法 - Google Patents

燃料電池セルおよびその製造方法

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JP3131086B2 JP05286512A JP28651293A JP3131086B2 JP 3131086 B2 JP3131086 B2 JP 3131086B2 JP 05286512 A JP05286512 A JP 05286512A JP 28651293 A JP28651293 A JP 28651293A JP 3131086 B2 JP3131086 B2 JP 3131086B2
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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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  • Inert Electrodes (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空気極としてランタン
マンガナイト系セラミックスを利用した燃料電池セルに
関し、特に固体電解質あるいはインターコネクタなどの
集電部材を気相法で形成する場合の改良に関する。
【0002】
【従来技術】現在、固体電解質型燃料電池は第3世代の
燃料電池として、種々の機関において研究開発が精力的
に行われている。固体電解質型燃料電池セルには、円筒
型のものと平板型のもの等がある。そこで、図3に従来
の円筒型燃料電池セルの構造の斜視図を示した。図3に
よれば、円筒型の単セルは開気孔率40%程度のCaO
安定化ZrO2 を支持管1とし、その上にスラリ−ディ
ップ法により多孔質の空気極2としてLaMnO3 系材
料を塗布し、その表面に気相合成法(EVD)や、ある
いは溶射法により固体電解質3であるY2 3 安定化Z
rO2 膜を被覆し、さらにこの表面に多孔質のNi−ジ
ルコニア(Y2 3 含有)の燃料極4を設けられてい
る。燃料電池のモジュ−ルにおいては、各単セルは気相
合成法や、あるいは溶射法により作製したCa、Sr、
Mgを添加したLaCrO3 のインターコネクタと呼ば
れる集電部材5を介して接続される。発電は、支持管内
部に空気(酸素)を、外部に燃料(水素)を流し、10
00〜1050℃の温度で行われる。
【0003】近年、このセルの作製工程においてプロセ
スを単純化するため、空気極材料であるLaMnO3
材料を直接多孔質の支持管として使用する試みもなされ
ている。空気極としての機能を合せ持つ支持管材料とし
ては、LaをCaで20%あるいはSrで10〜15%
置換したLaMnO3 固溶体材料が好適に用いられてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】空気極である多孔質
のLaMnO3 固溶体表面に上述の気相合成法により固
体電解質3および集電部材5を作製する場合、固体電解
質ではY、Zrを含有するハロゲンガスが、また集電部
材ではLa、Cr、Mg含有のハロゲンガスが用いら
れ、これと酸素とを反応させることにより金属酸化物膜
が形成される。これらのハロゲンガスは膜の被覆工程の
初期において、空気極と直接接することになるが、この
時、このハロゲンガスは、空気極表面を腐食させ、被膜
の接着力を低下させるという問題があった。また、合わ
せて空気極材料中のMnが選択的にハロゲンガスとして
放出され空気極の表面組成が変化して空気極としての機
能を低下させる等の問題も生じていた。
【0005】
【問題を解決するための手段】上記の問題を解決すべ
く、検討を重ねた結果、気相法により固体電解質やイン
ターコネクタが形成される空気極表面にハロゲンガスに
対する耐食性に優れた層を形成したのちに気相法により
各種の膜を形成することにより、上記問題点を解決し
た。
【0006】即ち、本発明の燃料電池セルは、LaMn
3 系固溶体よりなる中空円筒状の多孔質空気極の表面
に酸化物系固体電解質と、金属と金属酸化物とのサーメ
ットからなる多孔質の燃料極を順次積層するとともに、
前記空気極の一部に導電性金属酸化物からなる集電部材
を積層してなる燃料電池セルにおいて、前記空気極と前
記固体電解質との間、あるいは前記空気極と前記集電部
材との間に下記化1
【0007】
【化1】
【0008】で表されるペロブスカイト複合酸化物から
なり、式中、Aはアルカリ土類元素から選ばれる少なく
とも1種、BはMn、Ni、Fe、Co、Cu、Ce、
Zrの群から選ばれる少なくとも1種からなるととも
に、x、y、z、vおよびpが 0.05 ≦ x+y ≦ 0.40 0.002 ≦ z ≦ 0.05 0.90 ≦ v ≦ 1.05 0 ≦ p ≦ 0.50 を満足する中間層を介在させたことを特徴とするもので
ある。
【0009】また、本発明の燃料電池セルの製造方法に
よれば、LaMnO3 系固溶体よりなる円筒状の多孔質
空気極の表面に前記化1のペロブスカイト複合酸化物か
らなる中間層を形成する工程と、金属ハロゲンガスおよ
び酸素含有ガスの気相反応により、金属酸化物からなる
固体電解質および/または集電部材を形成する工程と、
該固体電解質の表面に金属と金属酸化物との複合体から
なる多孔質の燃料極を形成する工程とを具備したことを
特徴とするものである。
【0010】本発明の燃料電池セルの構造を図1に示し
た。図中、従来品である図3と実質的同一の部材には同
一の番号を付した。本発明によれば、図1に示されるよ
うに、空気極2と固体電解質3、および空気極2とイン
ターコネクタ(集電部材)5との間に中間層6が形成さ
れている点が最も重要である。
【0011】この中間層6は、前記化1で示されるよう
なペロブスカイト型結晶の複合酸化物からなるものであ
るが、本発明において、化1中のx、y、z、pを上記
の比率に限定した理由について以下に述べる。
【0012】まず、Laに対するCa、Sr等の置換比
率x+yが0.05より小さいか、または0.4より大
きいとハロゲンガスによる腐食が大きく、保護層の役目
を果たさない。またこのx+y値が0.05より小さい
と粉末の接着力も弱く電気伝導度も低い。Caの過剰量
zが0.002より小さいか、あるいは0.05より大
きいと同様にハロゲンガスによる腐食が大きく、特にz
が0.002より小さいと空気極との接着も悪く、zが
0.05より大きい場合、ハロゲン化しやすいCaを含
む第2相が析出する。
【0013】また、AサイトとBサイトの原子比率vが
0.9より小さいとCr2 3 あるいはCrを含有する
酸化物が析出し剥離が生じる。この原子比率が1.05
を越えると、La2 3 が析出し、空気中の水分あるい
は炭酸ガスと反応して材料が短時間に分解する。Crに
対するMn、Ni等の置換比率pが0.5より大きいと
ハロゲンガスによる腐食が大きい。
【0014】本発明における望ましい範囲は、 0.1 ≦ x+y ≦ 0.3 0.01 ≦ z ≦ 0.02 0.95 ≦ v ≦ 1.00 0 ≦ p ≦ 0.2 の範囲である。また、この中間層の厚みは5〜100μ
mが望ましい。
【0015】本発明において用いられる空気極は、La
MnO3 のLaをCa、Ba、Srなどのアルカリ土類
元素で10〜30%置換した材料、あるいはLaをY,
Yb等の周期律表第3a族元素でアルカリ土類と同時に
置換した材料が好ましい。この空気極は、支持管として
も機能させる場合には、1.5〜3mmの厚みで形成さ
れ、所定の支持管表面に形成される場合には1〜2mm
の厚みで形成される。
【0016】一方、空気極の表面に前記の中間層を介し
て形成される固体電解質としては、ZrO2 あるいはC
eO2 にCaOを10〜15mol%あるいはY
2 3 ,Yb2 3 等の希土類酸化物を7〜15mol
%添加した酸化物が用いられ、この固体電解質は、5〜
200μmの厚みで形成される。
【0017】燃料極としては、Ni,Coなどの金属
と、Y2 3 を含有するZrO2 などの金属酸化物との
複合体からなるサーメットが望ましい。また、インター
コネクタなどの集電部材としては、Laの10〜20原
子%をSr、Ca等で置換したLaCrO3 あるいはC
rの10〜15原子%をMgで置換したLaCrO3
溶体が好適に用いられる。
【0018】次に、本発明に基づく燃料電池セルの製造
方法について説明する。ここでは空気極が支持管として
も機能する円筒状型燃料電池セルを例にして説明する。
まず、空気極として、前述したようなLaMnO3 系組
成からなる空気極組成物の粉末を用いて押出成形や射出
成形などにより円筒状に成形した後、焼成し円筒状の焼
結体を作製する。次に、この円筒状焼結体の表面に前述
した化1で示されるような組成からなる中間層を形成す
る。
【0019】この中間層を形成する方法としては、例え
ば、化1で示される組成の金属酸化物の混合粉末を14
00〜1600℃の酸化性雰囲気中で仮焼し、粉砕して
固溶体化処理した後、この粉末を水溶液に分散する。そ
して、この分散液中に空気極の円筒状焼結体を浸漬する
か、あるいは分散液を焼結体表面に塗布し乾燥後、12
00〜1500℃で焼付け処理することにより形成する
ことができる。また、上記の他に溶射法やスパッタ法に
よっても作製することができる。このようにして得られ
る中間層はそれ自体多孔質であることも必要であり、2
5〜45%の開気孔率を有することは望ましい。
【0020】このようにして中間層を形成した後、これ
を気相合成装置の反応炉内に設置し、固体電解質あるい
は集電部材を形成する。例えば、固体電解質としてY2
3含有安定化ZrO2 を形成する場合にはYCl3
ZrCl4 などの金属ハロゲンガスとともに酸素ガスを
導入し、気相合成によりY2 3 −ZrO2 系の固体電
解質膜を5〜200μmの厚みで形成する。一方、例え
ばLaCrO3 系材料からなる集電部材を形成する場合
には、LaCl3 、CrCl3 などの金属ハロゲンガス
と同時に酸素含有ガスを導入することにより、LaCr
3 系材料からなる集電部材を形成することができる。
また、溶射法によっても燃料極を作製することができ
る。
【0021】このようにして固体電解質および集電部材
を形成した後、燃料極を固体電解質膜の表面に形成す
る。その燃料極は、例えば、Niなどの金属粉末と、Y
2 3を含むジルコニアの粉末との混合粉末を溶媒中に
分散させ、固体電解質の任意の場所に塗布しこれを13
00〜1500℃で焼き付けることによりセルを作製す
ることができる。
【0022】なお、本発明によれば、空気極と固体電解
質、あるいは空気極と集電部材との間に前記化1で示さ
れた組成からなるLaCrO3 系複合酸化物を中間層と
して介在させるものであるが、この中間層は例えば、C
aO安定化ZrO2 を支持管としその上に空気極を被覆
し、その上に固体電解質、燃料極を形成したセル、ある
いは、空気極自体を支持管として固体電解質、燃料極を
形成したセルのいずれにも適用することができる。
【0023】さらに、上記説明では円筒状燃料電池セル
を例に説明したが、平板状燃料電池セルにおいても、空
気極と固体電解質との間、空気極と集電部材であるセパ
レータとの間に上述したような中間層を形成した場合で
も同様な効果が得られるものである。
【0024】
【作用】気相合成法により空気極表面へのLa(Mg
0.1 Cr0.9 )O3 からなるインターコネクタを被覆す
る場合、上述の円筒体を1300〜1400℃の温度の
加熱し、減圧下でLa、Mg、Crを含有するハロゲン
ガスと酸素を供給して下記化2
【0025】
【化2】
【0026】の反応により合成する。
【0027】この際、LaCl3 やMgCl2 などのハ
ロゲンガスおよび生成したCl2 ガスは空気極を腐食
し、例えば、空気極が(La,Ca)MnO3 からなる
場合には、LaCl3 、CaCl2 、MnCl4 が生成
しこれらの成分が蒸発することとなる。特に、LaMn
3 系固溶体においては、Mn含有のハロゲンガスが生
成しやすい。このため、空気極の表面組成が変化し、イ
ンターコネクタ膜との付着力を低下させたり、あるいは
空気極とインタ−コネクタ膜界面の導通を悪くする。
【0028】このような現象は固体電解質膜を気相合成
法により成膜する場合も同様で、かかる場合において
は、空気極と固体電解質膜との密着性が低下するととも
に、空気極として、酸素をイオン化するという重要な触
媒機能までも損なわれる場合がある。
【0029】本発明は、このようなハロゲンガスによる
腐食に対して、空気極の表面に前述したように化1で示
されるようなペロブスカイト型複合酸化物を形成させて
おくことにより、優れた耐腐食性を有すると同時に、高
い導電性を有するとともに空気極との密着性に優れると
いった性質を有するために、燃料電池セルとしての機能
を何ら損なうことなく、前述した問題点を解決すること
ができる。
【0030】これは、化1で表される化合物において、
Cr成分を含んだペロブスカイト酸化物がハロゲンガス
に対する耐蝕性が高いことと、空気極中に含まれるLa
と置換した元素と同族の元素を含む組成系が電気伝導度
が大きく、空気極との接着に優れることの相乗的作用に
よるものと推測される。
【0031】加えてCaを過剰にすることにより、12
00℃以上の温度で液相が生じ粒子間の焼結を促進する
とともに、空気極と固体電解質やインターコネクタとの
化学反応性を高めることができ、これにより両者間の接
着力を高めることができるのである。
【0032】よって、本発明によれば、燃料電池セルの
作製においてハロゲンガスによる腐食を防止できること
によりセル製造時の歩留りを高めるとともに、セルの長
期にわたる安定性と信頼性を高めることができる。
【0033】
【実施例】
実施例1 市販の純度99.9%のLa2 3 、SrCO3 、Ca
CO3 、BaCO3 、MnO2 、Cr2 3 、NiO、
Fe2 3 、CoO、CuO、ZrO2 、CeO2 、C
uOを出発原料とし、これを表1、表2の組成になるよ
うに調合し、ジルコニボ−ルを用いて10時間混合した
後、1500℃で5時間固相反応させた。この粉末をジ
ルコニアボ−ルを用いて、さらに18〜25時間粉砕
し、平均粒子径2〜3μmの粉末を得た。そして、この
粉末を用いてCl2 ガスに対する耐食性、電気伝導度の
測定、空気極材料との密着性について以下の方法で特性
評価し、その結果を表1、表2に示した。
【0034】(ハロゲンガスへの耐食性)この粉末を、
円板状に成形し1400〜1500℃にて焼成し、理論
密度比が72〜76%で、厚み約3mm、直径30mm
φの円板状焼結体を得、この焼結体を、1000℃で5
%Cl2 /95%Arの混合ガスを流しながら1時間焼
鈍して試料の重量減少を測定した。
【0035】(電気伝導度測定)上記のようにして得ら
れた円板状焼結体より長さ約2×2×20mmの角柱状
試料を切り出し4端子法により電気伝導度を測定し、結
果は表1、表2に示した。なお、各特性評価方法は下記
の通りである。
【0036】(空気極との密着性)上述の18〜25時
間粉砕した平均粒子径2〜3μmの粉末をエチレングリ
コ−ルと混合してペ−スト状にした。市販の純度99.
9%のLa2 3 、CaCO3 、MnO2 を出発原料と
して、これを(La0.8 Ca0.2 )MnO3 の組成にな
るように調合し、ジルコニボ−ルを用いて10時間混合
した後、1500℃で5時間固相反応させた。この粉末
をジルコニアボ−ルを用いて、さらに15時間粉砕し
た。この後、円板状に成形し1500℃にて焼成し、理
論密度比が72%で、厚み約3mm、直径30mmφの
空気極としての円板状焼結体を得た。
【0037】そして、先に調製したペ−ストをスクリ−
ン印刷にて約40μmの厚みに上記の円板状焼結体表面
に塗布し1400℃で3時間加熱して粉末を焼き付けた
後、剥離の有無を調べ、剥離が発生したものに×、剥離
が何ら見られないものに○を付した。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】表1および表2によれば、中間層組成にお
いて、LaCrO3 組成中のLaのアルカリ土類元素に
よるCa等による置換比率x+yが0.05より小さい
と接着力が弱く、またハロゲンガスに対する耐食性が低
く、電気伝導度も小さい。x+yが0.4より大きい場
合も耐食性は低いものであった。また、Caの過剰量z
が0.002より小さいとハロゲンガスによる腐食が大
きく、接着力も小さかった。
【0041】AサイトとBサイトの比率vが0.9より
小さいとMn2 3 が析出し腐食が大きく、vが1.0
5を越えるとLa2 3 が析出し試料が短時間で分解し
た。
【0042】さらに、Bサイト中のCrに対する他の金
属の置換量が増加するに従い、電気伝導度が高くなると
ともに空気極との密着性が良好であるが、ハロゲンガス
による耐食性が低下する傾向を示した。Crに対するM
n、Ni等の置換比率が0.5を越える試料No.1で
は、ハロゲンガスによる腐食性が大きかった。
【0043】これらの比較例に対して本発明品はいずれ
も電気伝導度が3s/cm以上と高く、ハロゲンガスに
対する腐食性も1%以下と低く、さらに空気極との密着
性についても良好な特性を示した。
【0044】実施例2 La0.8 Ca0.2 MnO3 組成の粉末を用いて、これを
1550℃で焼成して、密度が理論密度比72%で外径
16mm、内径12mm、長さ200mmの一端封じの
中空円筒状焼結体を作製し空気極としての機能を付与し
たセルの支持管とした。また、一方、実施例1の表1、
表2中No.5、42組成の粉末をPVAを含んだ水溶
液中に分散させ、この水溶液に上記の円筒状支持管を浸
漬して支持管表面に粉末を塗布した後、1400℃で2
時間焼き付け、厚み約20μm、幅30mmの中間層を
支持管の長さ方向に形成した。
【0045】この後、気相合成法により1350℃でL
aCl3 、MgCl2 、CrCl3のハロゲンガスを用
いてこの中間層表面に厚み約40μmのLa(Mg0.1
Cr0.9 )O3 組成のインターコネクタを作製した。ま
た、他の円筒状焼結体の外周表面にはYCl3 ,ZrC
4 を原料として1100℃で固体電解質膜(10mo
l%Y2 3 −90mol%ZrO2 )を約40μmの
厚みに被覆し、さらにこの電解質表面状に燃料極とし
て、スラリーディップ法により、約30μmの厚みに7
0wt%Ni−30wt%ジルコニア(8mol%Y2
3 −92mol%ZrO2 )を被覆し単セルを作製し
た。この後、集電のためインタ−コネクタと燃料極にそ
れぞれPtメッシュを押し当て、セルを1000℃の電
気炉中に保持し、内側に酸素ガスを、また外側に水素ガ
スを流しながら、発電特性を調べた。結果を図2に示し
た。これより、保護層のない従来品は低出力であるのに
対して、本発明のNo.5、42は高い安定した出力を
示すことが分かる。
【0046】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
空気極材料の表面にハロゲンガスに対する耐蝕性に優れ
た中間層を設けることにより空気極の機能を損なうこと
なくインターコネクタなどの集電部材を作製することが
出来と同時に性能の優れたセルを作製できる。この結
果、本発明は固体電解質型燃料電池セルに用いた場合、
長期安定性のあるセルを高い良品率で提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の円筒型燃料電池セルの構造を説明する
ための斜視図である。
【図2】実施例2における発電時間の出力密度との関係
を示す図である。
【図3】従来の円筒型燃料電池セルの構造を説明するた
めの斜視図である。
【符号の説明】
1 支持管 2 空気極 3 固体電解質 4 燃料極 5 集電部材 6 中間層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 8/02 H01M 4/88 H01M 8/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】LaMnO3 系固溶体よりなる多孔質空気
    極を表面に有する中空円筒体の表面に、金属酸化物系固
    体電解質と、金属と金属酸化物との複合体からなる多孔
    質の燃料極を順次積層するとともに、前記空気極の一部
    に導電性金属酸化物からなる集電部材を積層してなる燃
    料電池セルにおいて、前記空気極と前記集電部材との間
    および/または前記空気極と前記固体電解質との間に下
    記化1 【化1】 で表されるペロブスカイト複合酸化物からなり、式中、
    Aはアルカリ土類元素から選ばれる少なくとも1種、B
    はMn、Ni、Fe、Co、Zr、Ce、Cuの群から
    選ばれる少なくとも1種からなるとともに、x、y、
    z、vおよびpが 0.05 ≦ x+y ≦ 0.40 0.002 ≦ z ≦ 0.05 0.90 ≦ v ≦ 1.05 0 ≦ p ≦ 0.50 を満足する中間層を介在させたことを特徴とする燃料電
    池セル。
  2. 【請求項2】LaMnO3 系固溶体よりなる多孔質空気
    極を表面に有する円筒体の表面に、下記化1 【化1】 で表されるペロブスカイト複合酸化物からなり、式中、
    Aはアルカリ土類元素から選ばれる少なくとも1種、B
    はMn、Ni、Fe、Co、Zr、Ce、Cuの群から
    選ばれる少なくとも1種からなるとともに、x、y、
    z、vおよびpが 0.05 ≦ x+y ≦ 0.40 0.002 ≦ z ≦ 0.05 0.90 ≦ v ≦ 1.05 0 ≦ p ≦ 0.50 を満足する中間層を形成する工程と、該中間層表面に金
    属ハロゲンガスおよび酸素含有ガスの気相反応により、
    金属酸化物からなる集電部材および/または固体電解質
    を形成する工程と、該固体電解質の表面に金属と金属酸
    化物との複合体からなる多孔質の燃料極を形成する工程
    とを具備したことを特徴とする燃料電池セルの製造方
    法。
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