JP3152240B2 - 記録装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、画像情報に基づいて記録シートに記録を行
なう記録装置に関する。

〔従来の技術〕

プリンタ、複写機、ファクシミリ等の記録装置は、画
像情報に基づいて、記録ヘッドのエネルギー発生手段を
駆動することにより、紙やプラスチック薄板等のシート
状の被記録材（以下、記録シートと称する）上にドット
パターンから成る画像を記録していくように構成されて
いる。

前記記録装置は、記録方式により、インクジェット
式、ワイヤドット式、サーマル式、レーザービーム式等
に分類することができる。

また、記録に使用される記録シートには、普通紙の
他、ハガキや封筒等の厚紙、あるいはプラスチック薄板
等の特殊シートなどがある。

記録装置は、一般に、横置き型が採用され、記録シー
トの挿入口および排出口は記録装置の上面に設けられて
おり、記録シートは、略Ｕ字状に構成された記録シート
搬送路に沿って搬送されながら記録されていく。

ところで、前述のような横置き型の記録装置において
ハガキや封筒などの腰の強い記録シートを使用する場
合、シート搬送路がＵ字状をしているため、スムーズな
搬送ができないという技術的課題があった。

そこで、ハガキや封筒などの腰の強い記録シートをス
ムーズに搬送するため、装置の下面に厚紙や特殊シート
用の挿入口を設け、その搬送路を直線状にすることによ
り、厚紙等の記録シートでもスムーズに搬送できるよう
にした記録装置が提案されている。

この場合は、記録シートの挿入口が上面と下面（底
面）に設けられ、記録シートの排出口が上面に設けられ
ることになる。

〔発明が解決しようとする技術的課題〕

しかし、前述のような記録シートの挿入口が上面と下
面とにある記録装置においては、記録シートの挿入方向
により、記録装置を横置きと縦置きとの２通りの使用状
態（姿勢）があり、いずれの使用状態でも安定した形態
とするためには、記録装置の外形形状は奥行きと高さが
ほぼ同じとなる略立体形状に制限されて結果的に無駄な
スペースを内部に設けてしまうことになる。

また、横置き状態での高さを低くすると、縦置き状態
での安定性を得るためには、記録装置とは別の支持台を
用いるか、あるいは記録装置に金属製の支持脚を設ける
などの対策が必要であり、使用時の操作が煩雑になった
り、記録装置自体の外形が大きくなったり、構造が複雑
になってコストが上昇するなどの技術的課題があった。

さらに、縦置きおよび横置きの２通りの姿勢をとるこ
とから、記録シートの挿入口あるいは排出口から内部の
記録領域等へゴミや塵等が侵入しやすくなるという技術
的課題があり、また、いずれの姿勢でも記録シートを載
置可能にするための簡便な構成が要請されていた。

さらに、近年のパーソナルコンピュータ等の急速な小
型化および低価格化に伴い、出力装置としてのプリンタ
等の記録装置に対し対しても、小型化および低価格化が
強く要請されている。

本発明は以上のような技術的課題に鑑みてなされたも
のであり、本発明の目的は、縦型使用と横型使用との夫
々の形態をとるインクジェット式の記録装置において、
記録を行う際には縦型使用及び横型使用のいずれの姿勢
においても共通の部材上に記録シートを載置することが
できるとともに、全ての記録シートの挿入口及び排出口
から内部へのゴミ等の侵入を防止することができ、さら
に、簡単な構造で縦型姿勢における重心位置を低くする
ことで装置の転倒に対する安定度を効果的に高めること
ができる構成を提供することである。

〔課題解決のための手段〕

本発明は、上記目的を達成するため、横型使用と縦型
使用との少なくとも２形態をとり得る略直方体の筐体を
有し、画像情報に基づいてインク吐出口からインクを吐
出するインクジェット記録ヘッドにより記録シートに記
録を行う記録装置であって、前記横型使用の際の底面に
設けられた第２の記録シート挿入口と、前記横型使用の
際の底面と対面する前記筐体の外面に、前記第２の記録
シート挿入口に対向して設けられた記録シート排出口
と、前記外面に設けられた第１の記録シート挿入口と、
前記記録シートに対して前記記録ヘッドにより記録が行
われる記録領域と、前記第２の記録シート挿入口から前
記記録領域を経て前記記録シート排出口へ至る略直線状
の第２の記録シート搬送経路と、前記第１の記録シート
挿入口から前記記録領域を経て前記記録シート排出口へ
至る略Ｕ字状の第１の記録シート搬送経路と、前記第１
の記録シート挿入口と前記記録シート排出口とを覆う閉
位置と、前記閉位置から離間し前記記録シートの載置が
可能な開位置と、に回動可能に前記外面に設けられたカ
バー部材と、を備え、前記縦型使用の際の前記筐体高さ
の中央部に前記インクジェット記録ヘッドへインクを供
給するインクタンクが位置し、該インクタンクの下方に
前記インク吐出口が位置し、該インク吐出口の下方に記
録装置内機構を駆動するためのバッテリー機構が位置す
ることを特徴とする。

〔実施例〕

以下、図面を参照して本発明を具体的に説明する。

第１図は本発明の一実施例による記録装置10の横置き
の使用状態を示す斜視図であり、第２図は第１図の記録
装置10の後部を示す斜視図であり、第３図は第１図の記
録装置10の縦置きの使用状態を示す斜視図であり、第４
図は第３図の状態における記録装置10の内部構造を示す
縦断面図である。

第１図〜第４図において、記録装置10は、例えば、イ
ンクの液滴を形成するための電気熱変換体を利用して記
録ヘッドの吐出口からインクを吐出させて記録シート14
に画像を記録するバブルジェット方式のインクジェット
記録装置である。

なお、本実施例の記録装置10は、これらの図からも明
らかなごとく、横置きの使用状態を基準として、縦置き
状態では、後部を下面にするとともに上面を前面にした
立ち姿勢の状態でも使用される。

この記録装置10の上面には第１の記録シート挿入口11
および記録シート排出口13が設けられており、第１の記
録シート挿入口11から挿入される記録シート14はシート
送りローラを兼ねたプラテンローラ15（第４図）の周面
に密着され、略Ｕ字状に形成された記録シート搬送路に
沿って矢印Ａ方向に搬送される。

前記記録シート14は、記録ヘッド16（第４図）に対面
する位置を通過する間に、該記録ヘッドによって画像を
記録され、記録後、記録シート排出口13から上方（縦置
きでは前方）へ排出される。

ここで、上カバー17は、記録装置10の上面に開閉可能
に枢着されており、記録時には開いた状態にして給紙ト
レイまたは排紙トレイとして使用され、非記録時（収納
保管時など）には第２図に示すごとく閉じた位置にセッ
トされる。

この上カバー17は、閉じた状態では、第１の記録シー
ト挿入口11、記録シート排出口13、スイッチ類18、表示
器19などが配設されている記録装置10の上面を被って保
護する機能を有するものである。

第４図において、記録ヘッド16は、プラテンローラ15
と平行なガイド軸20、21に沿って往復運動するキャリッ
ジ22上に搭載されている。

なお、図示の記録ヘッド16は、インクジェット記録ヘ
ッドの場合を示し、インクタンクと一体の交換可能なヘ
ッドカートリッジとして構成されている。

前記記録ヘッド16として、インクタンクと別体の記録
ヘッドを使用することもできる。

前記インクジェット記録ヘッド16は、熱エネルギーを
利用してインクを吐出する記録ヘッドであって、熱エネ
ルギーを発生するための電気熱変換体を備えたものであ
る。

また、前記インクジェット記録ヘッド16は、前記電気
熱変換体によって印加される熱エネルギーにより生じる
膜沸騰による気泡の成長によって、吐出口よりインクを
吐出させ、記録を行なうものである。

記録ヘッド16の搬送方向上流側には、記録シート14を
プラテンローラ15に圧接するためのシート押さえ板23が
配置されており、不図示のバネでプラテンローラ15の周
面に圧接されている。

さらに、記録シート排出口13の位置には、記録シート
14の排出を補助するための拍車24および排出ローラ25が
配設されている。

次に、記録装置10を第３図および第４図に示すような
縦置きで使用する場合について説明する。

記録装置10の下面（縦置きでは後面）には、第２の記
録シート挿入口12が形成されており、この記録シート挿
入口12から、記録ヘッド16とプラテンローラ15との間の
記録部を通って、記録シート排出口13へ至るほぼ直線状
の第２の記録シート搬送路が形成されるように構成され
ている。

この第２の記録シート搬送路は、ほぼ直線状に形成さ
れているため、ハガキや封書等の厚い記録シートあるい
はプラスチックシートなどの特殊記録シートのように腰
の強い記録シート26でも容易にシート送りすることがで
きる。

厚い記録シートあるいは特殊記録シート26は、図中の
矢印Ｂの方向へ挿入され、記録部を通って記録シート排
出口13より排出され、上カバー17で形成される排紙トレ
イ上へ積載される。

記録装置10の後部（第３図および第４図の縦置き姿勢
では下面）には、支持脚28が回動可能（収納および張出
し可能）に取り付けられている。

図示の例では、前記支持脚28は、軸29を中心に回動可
能に取り付けられている。

記録装置10を縦置きで使用する場合は、第３図および
第４図に示すように、前記支持脚28を記録装置10と略直
交する張出し位置へ回動させることにより、記録装置10
を安定して支持し、記録シート14の挿入時およびスイッ
チ類18の操作時に安定した状態で操作することができ
る。

一方、記録装置10を横置きで使用する場合あるいは収
納保管時などの場合は、第２図に示すように、記録装置
10と略平行な引っ込み位置へ回動させることにより、横
置き時の障害にならず、かつ保管や持ち運び時の邪魔に
ならない状態にセットすることができる。

また、記録装置10の後部に前記支持脚28を設けること
により、該装置後部に収納された電池27を保持するため
の電池カバー30をバックアップし、該電池カバー30が振
動や衝撃では簡単には外れない構造になっている。

また、上記実施例が本発明のインクジェット記録ヘッ
ドおよびバッテリー機構を有した記録装置であるとして
説明すると、横型使用では、第２図から明らかなよう
に、バッテリー機構は略長方体の大きい面が底面となる
ため、実質的に重心を大きく変動せしめることなく安定
使用でき、縦型使用では、第４図から明らかなように、
バッテリー機構側に対して支持脚が近接して設けられて
いるので、操作者は、誤使用することなく支持脚を下方
にして使用するため、必然的に重心が下方にある状態で
記録を行なうことになる。

この場合、支持脚は、バッテリー機構との相乗作用に
よって、極めて安定した状態を形成する。

なお、第２図に示すように、支持脚28の長手方向端部
281、182は、円弧形状となっている。

この構成は、装置に外部から負荷がかかっても、その
負荷を均等に分散して支持脚28の面全体で吸収できるよ
うにしたものである。

この円弧形状は、支持脚28の回動中心から、端部282
が半径R1の円弧で、端部281が半径R2の円弧である。

支持脚28は、回動中心に関して、端部281、282までの
それぞれの長さが同じであることが好ましい（この場合
はR1＝R2が好ましい）が、装置のバランスに応じて長さ
が異なるようにしてもよい。

長さが異なる場合は、支持脚28の回動方向は180度回
動に制限され、その使用状態が規制されることになる。

また、第４図において下面を成す支持脚28の上方にバ
ッテリー機構27が、その上方に搬送機構が、さらにその
上方にインクジェット記録ヘッドが下方向き記録型で位
置し、装置本体の高さ2Lの中心Ｃは、記録ヘッドのイン
クタンクになっている。

インクジェット記録ヘッドを使い捨て又は交換式にす
る場合、インクタンク内のインク保有量は減少していく
が、装置全体の重量の大半がこの中心Ｃよりも下方にあ
ることで一層縦型使用を安定化させることができる。

以上説明した実施例によれば、記録装置10の上面およ
び下面に記録シート挿入口11、12を設けるとともに、該
記録装置の上面に記録シート排出口13を設けるように、
記録シート挿入口11、12を記録シート排出口13と同一面
および反対面のそれぞれに設けるとともに、該記録装置
10の後部に回動可能な支持脚28を設けたので、極めて簡
単かつコンパクトでしかも安価な構造で、記録装置10を
縦置きで使用する場合にも安定した状態で操作すること
ができ、また、元々安定した横置き状態で使用する場合
には、突出して障害となることが無く、収納時、保管時
または運搬時には非常にコンパクトで邪魔にならない状
態にし得る記録装置が得られた。

さらに、横型使用の際の底面に第２の記録シート挿入
口12を設け、前記底面と対面する外面に設けられた第１
の記録シート挿入口11及び記録シート排出口13を覆う閉
位置と記録シートの載置が可能な開位置とに回動可能な
カバー部材（上カバー）17を設けたので、記録を行う際
には縦型使用及び横型使用のいずれの姿勢においても共
通のカバー部材17上に記録シートを載置することができ
るとともに、記録を行わないときにはカバー部材17を閉
じることで第１の記録シート挿入口11と記録シート排出
口13から内部の記録領域へゴミや塵等が入ることを防止
することができ、さらに横型使用の姿勢にすることで第
２の記録シート挿入口12を記録装置載置面により覆うこ
とができ、それによって、全ての記録シート挿入口11、
12及び記録シート排出口13から内部へのゴミ等の侵入を
防止することが可能になった。

さらに、第４図に示すように、縦型使用の際の装置本
体の筐体高さの中央部にインクジェット記録ヘッド16へ
インクを供給するインクタンク（図示の例では記録ヘッ
ド16と一体）が位置し、該インクタンクの下方にインク
吐出口が位置し、該インク吐出口の下方に記録装置内機
構を駆動するためのバッテリー機構が位置する構成とし
たので、縦型使用の姿勢における装置の重心位置を実質
的かつ確実に下方に位置せしめることで、簡単かつ安価
な構造で縦型使用の際の転倒に対する安定度を向上させ
ることが可能になった。

前述の実施例では、前記支持脚28は軸29により記録装
置10に回動可能に軸支する構造にしたが、前記軸29に相
当する部分を前記支持脚28と一体にプラスチックなどで
成形し、該軸部を記録装置10に対しプラスチック等の弾
性を利用して回動可能に押し込み嵌合等で装着する構造
を採ることもでき、このような構造にすれば、一層のコ
スト節減を図ることができる。

また、前述の実施例では、１個の支持脚28を装着した
が、同様の支持脚を２個またはそれ以上装着することも
でき、このように複数個の支持脚を設けることにより、
各支持脚の長さを小さくすることができ、記録装置10を
縦置きで使用する場合の専有面積を小さくすることがで
き、使用時のスペース効率を向上させ得るとともに、記
録装置10の安定度を増すことができる。

また、以上の実施例では、記録ヘッド16がキャリッジ
22に搭載されたシリアルスキャン型の記録ヘッドを用い
るシリアルスキャン型の記録装置に適用する場合を例に
挙げて説明したが、本発明は、被記録材の紙幅方向記録
領域をカバーするライン型の記録ヘッドを用いるライン
型の記録装置など、他の記録方式の記録装置に対しても
適用でき、同様の作用効果を達成し得るものである。

また、本発明は、記録ヘッドの個数にも関係無く、カ
ラー記録装置など複数個の記録ヘッドを使用する記録装
置においても、同様に適用でき、同様の効果を達成する
ことができるものである。

次に、記録用のエネルギーとして電気熱変換体を使用
し、インクを吐出させて記録を行なうキヤノン（株）が
提唱しているバブルジェット方式のインクジェット記録
ヘッドを用いる記録装置について、説明する。

その代表的な構成や原理については、例えば、米国特
許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示され
ている基本的な原理を用いて行なうのが好ましい。

この方式は、所謂オンデマンド型、コンティニュアス
型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド
型の場合には、液体（インク）が保持されているシート
や液路に対して配置されている電気熱変換体に、記録情
報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与え
る少なくとも一つの駆動信号を印加することによって、
電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッド
の熱作用面に膜沸騰させて、結果的にこの駆動信号に一
対一対応し液体（インク）内の気泡を形成出来るので有
効である。

この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体
（インク）を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成す
る。

この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡
の成長収縮が行なわれるので、特に応答性に優れた液体
（インク）の吐出が達成でき、より好ましい。このパル
ス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細
書、同第4345262号明細書に記載されているようなもの
が適している。

尚、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特
許第4313124号明細書に記載されている条件を採用する
と、更に優れた記録を行なうことができる。

記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示さ
れているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わ
せ構成（直線状液流路又は直角液流路）の他に熱作用部
が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特
許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書を用
いた構成も本発明に含まれるものである。

加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスリ
ットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開
昭59年第123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収す
る開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59年
第138461号公報に基づいた構成としても本発明は有効で
ある。

更に、記録装置が記録できる最大記録媒体の幅に対応
した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドとして
は、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘ
ッドの組み合わせによって、その長さを満たす構成や一
体的に形成された一個の記録ヘッドとしての構成のいず
れでも良いが、本発明は、上述した効果を一層有効に発
揮することができる。

加えて、装置本体に装着されることで、装置本体との
電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能にな
る交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録
ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。

又、本発明の記録装置の構成として設けられる、記録
ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手段等を付加
することは本発明の効果を一層安定できるので好ましい
ものである。

これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対しての、
キャッピング手段、クリーニング手段、加圧或は吸引手
段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或はこれら
の組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を
行なう予備吐出モードを行なうことも安定した記録を行
なうために有効である。

更に、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色
のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に
構成するか複数個の組み合わせによってでもよいが、異
なる色の複色カラー又は、混色によるフルカラーの少な
くとも一つを備えた装置にも本発明は極めて有効であ
る。

以上説明した本発明実施例においては、インクを液体
として説明しているが、室温やそれ以下で固化するイン
クであって、室温で軟化もしくは液体、あるいは上述の
インクジェットではインク自体を30℃以上70℃以下の範
囲で温度調整を行なってインクの粘性を安定吐出範囲に
あるように温度制御するものが一般的であるから、使用
記録信号付与時にインクが液状をなすものであればよ
い。

加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの
固形状態から液体状態への態変化のエネルギーとして使
用することで防止するか、または、インクの蒸発防止を
目的として放置状態で固化するインクを用いるかして、
いずれにしても、熱エネルギーの記録信号に応じた付与
によってインクが液化してインク液状として吐出するも
のや、被記録材に到達する時点で既に固化し始めるもの
等のような、熱エネルギーによって初めて液化する性質
のインク使用も本発明には適用可能である。

このような場合、インクは、特開昭54−56847号公報
のように、多孔質シートの凹部または貫通孔に液状また
は固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対し
て対向するような形態としてもよい。

本発明においては、上述したインクに対して最も有効
なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。

〔発明の効果〕

以上の説明から明らかなごとく、請求項１の発明によ
れば、横型使用と縦型使用との少なくとも２形態をとり
得る略直方体の筐体を有し、画像情報に基づいてインク
吐出口からインクを吐出するインクジェット記録ヘッド
により記録シートに記録を行う記録装置であって、前記
横型使用の際の底面に設けられた第２の記録シート挿入
口と、前記横型使用の際の底面と対面する前記筐体の外
面に、前記第２の記録シート挿入口に対向して設けられ
た記録シート排出口と、前記外面に設けられた第１の記
録シート挿入口と、前記記録シートに対して前記記録ヘ
ッドにより記録が行われる記録領域と、前記第２の記録
シート挿入口から前記記録領域を経て前記記録シート排
出口へ至る略直線状の第２の記録シート搬送経路と、前
記第１の記録シート挿入口から前記記録領域を経て前記
記録シート排出口へ至る略Ｕ字状の第１の記録シート搬
送経路と、前記第１の記録シート挿入口と前記記録シー
ト排出口とを覆う閉位置と、前記閉位置から離間し前記
記録シートの載置が可能な開位置と、に回動可能に前記
外面に設けられたカバー部材と、を備え、前記縦型使用
の際の前記筐体高さの中央部に前記インクジェット記録
ヘッドへインクを供給するインクタンクが位置し、該イ
ンクタンクの下方に前記インク吐出口が位置し、該イン
ク吐出口の下方に記録装置内機構を駆動するためのバッ
テリー機構が位置する構成としたので、 記録を行う際には縦型使用及び横型使用のいずれの姿
勢においても共通のカバー部材上に記録シートを載置で
きるとともに、記録を行わないときにはカバー部材を閉
じることで第２シート挿入口とシート排出口から記録領
域へゴミや塵等が入ることを防止でき、さらに横型使用
の姿勢にすることで第１シート挿入口を記録装置載置面
により覆うことができ、それによって、全てのシートの
挿入口及び排出口から内部へのゴミ等の侵入を防止する
ことができるという効果に加えて、縦型使用の姿勢にお
ける装置の重心位置を実質的かつ確実に下方に位置せし
めることで、簡単かつ安価な構造で縦型使用の際の転倒
に対する安定度を向上させることができるインクジェッ
ト式の記録装置が提供されるという効果がある。

請求項２〜４の発明によれば、上記請求項１の構成に
加えて、前記縦型使用の際の底面に沿った面内で回転可
能に設けられた支持脚を有する構成、前記支持脚は、そ
の長手方向端部が円弧上をなす平板である構成、あるい
は、前記インクジェット記録ヘッドは、前記インク吐出
口からインクを吐出するための熱エネルギーを発生する
電気熱変換体を備えている構成としたので、 上記効果に加えて、縦型使用および横型使用のいずれ
の姿勢でも装置の転倒に対する安定度を高めることがで
き、また、外形の小型化、構造の簡単化あるいは低コス
ト化が可能になるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による記録装置の一実施例の横置き使用
時の状態を示す斜視図、第２図は第１図の記録装置の非
記録時の後部を示す斜視図、第３図は第１図の記録装置
の縦置き使用時の状態を示す斜視図、第４図は第３図の
縦置き使用時の縦断面図である。 以下に、図面中の主要な構成部分を表す符号を列挙す
る。 10……記録装置、11……第１の記録シート挿入口、12…
…第２の記録シート挿入口、13……記録シート排出口、
14……記録シート、15……プラテンローラ、16……記録
ヘッド、17……上カバー、20、21……ガイド軸、22……
キャリッジ、25……排紙ローラ、26……記録シート（厚
紙等）、28……支持脚、29……軸。

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】横型使用と縦型使用との少なくとも２形態
   をとり得る略直方体の筐体を有し、画像情報に基づいて
   インク吐出口からインクを吐出するインクジェット記録
   ヘッドにより記録シートに記録を行う記録装置であっ
   て、 前記横型使用の際の底面に設けられた第２の記録シート
   挿入口と、 前記横型使用の際の底面と対面する前記筐体の外面に、
   前記第２の記録シート挿入口に対向して設けられた記録
   シート排出口と、 前記外面に設けられた第１の記録シート挿入口と、 前記記録シートに対して前記記録ヘッドにより記録が行
   われる記録領域と、 前記第２の記録シート挿入口から前記記録領域を経て前
   記記録シート排出口へ至る略直線状の第２の記録シート
   搬送経路と、 前記第１の記録シート挿入口から前記記録領域を経て前
   記記録シート排出口へ至る略Ｕ字状の第１の記録シート
   搬送経路と、 前記第１の記録シート挿入口と前記記録シート排出口と
   を覆う閉位置と、前記閉位置から離間し前記記録シート
   の載置が可能な開位置と、に回動可能に前記外面に設け
   られたカバー部材と、 を備え、 前記縦型使用の際の前記筐体高さの中央部に前記インク
   ジェット記録ヘッドへインクを供給するインクタンクが
   位置し、該インクタンクの下方に前記インク吐出口が位
   置し、該インク吐出口の下方に記録装置内機構を駆動す
   るためのバッテリー機構が位置することを特徴とする記
   録装置。
2. 【請求項２】前記縦型使用の際の底面に沿った面内で回
   転可能に設けられた支持脚を有することを特徴とする請
   求項１に記載の記録装置。
3. 【請求項３】前記支持脚は、その長手方向端部が円弧状
   をなす平板であることを特徴とする請求項２に記載の記
   録装置。
4. 【請求項４】前記インクジェット記録ヘッドは、前記イ
   ンク吐出口からインクを吐出するための熱エネルギーを
   発生する電気熱変換体を備えていることを特徴とする請
   求項１乃至３のいずれかに記載の記録装置。