JP3151161B2 - 双油冷却器装置 - Google Patents

双油冷却器装置

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JP3151161B2
JP3151161B2 JP00479597A JP479597A JP3151161B2 JP 3151161 B2 JP3151161 B2 JP 3151161B2 JP 00479597 A JP00479597 A JP 00479597A JP 479597 A JP479597 A JP 479597A JP 3151161 B2 JP3151161 B2 JP 3151161B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はディーゼル機関用の共働
する冷却剤と油との流路形状と所要の対応する構造素子
に関している。本発明に関連し本発明を構成する部品に
油冷却器の形状と、シリンダブロックにおける冷却剤マ
ニフォルドの設計と、冷却器カバーとがあり、これらが
油の種々の通路を形成する。さらに詳細には、本発明は
2つの別個の油冷却器(双油冷却器)の使用に関してお
り、これらは実質的に平行な油回路を形成し、対応する
流路出口位置はディーゼル機関ブロックの前後中心に近
接して位置している。本発明の重要な部分は冷却剤流路
空所(マニフォルド)の共働する形状にあり、これはテ
ーパした形状を前後方向に有してすべてのシリンダに平
均した冷却剤の供給を行う。
【0002】
【従来の技術】ディーゼル機関の設計において重要な問
題の一つは潤滑油を機関の重要な区域にいかにして供給
するかにある。関連する問題として、冷却剤を各シリン
ダにいかにして指向し導くかがある。機関の各部分、例
えばシリンダに油および冷却剤を送ることと、油冷却器
と冷却剤流路の設計との間には関連がある。油冷却器は
冷却剤流路のある位置に配置して主油通路に配送される
以前に油温度を低下させる必要がある。さらに、冷却剤
は機関の主要区域に導かれて効果的な釣り合いのとれた
冷却を与えるようにする。詳細にはシリンダへの冷却剤
の配送を供給と熱配送の点において平均化して釣り合い
のとれた均等な冷却を与えるようにし、全シリンダが実
質的に同一の温度になるようにする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】機関の各区域、例えば
主軸受、ロッド軸受、ピストン冷却ノズル、弁作動部、
カム軸歯車列に潤滑油を導く必要がある。潤滑油の効果
性の一部は油温度によっている。機関の主要区域に潤滑
油が流れるときの熱伝達を適切にするためには、油冷却
器を油流路に配置することが重要である。代表的なディ
ーゼル機関装置の一変形例において、油は油溜から最初
に全流がフィルタに送られ、そこから油冷却器の入口に
送られる。代表的にはサーモスタット制御のバイパス弁
が油冷却器の入口の上流側に配置され、この弁は油温度
が冷却を必要とする程高くない(すなわち、作動温度に
達していない)ときは油を油冷却器を通らずに導く。
【0004】潤滑油流路、油フィルタ、バイパス装置の
各種配置は各種ディーゼル機関設計および各種大きさの
機関に代表的に示される。しかし、本発明は特に、油冷
却器の設計、油流路内の配置および対応する冷却剤の流
れに関連する。従って、ディーゼル機関設計についての
各種変形例の詳細な説明は必要ではない。冷却剤通路の
特定形状を含む冷却剤の配送の態様は本発明の重要な目
的である。
【0005】潤滑油の流路の一つの典型的な形式におい
て、油冷却器は細長い部材で一連の密接して積重ねられ
た冷却フィンを備え、連続的な単一流油導管が貫通して
設けられている。油溜(または全体流フィルタ)からの
潤滑油は油冷却器の一端から入り、流路導管を通って他
端の出口に流れる。代表的には油冷却器は機関ブロック
の側面の凹所に沿って位置しており、該凹所に機関の冷
却剤が連通している。油冷却器の冷却フィンは機関の冷
却剤に直接露出しており、所要の熱伝達と潤滑油の冷却
とを行う。油冷却器の配置の別の態様においてフィンが
機関ブロックの前端に向かって露出しており、油冷却器
を小型とすることができる。しかし、この形式は出力損
失が大きい。
【0006】油冷却器が細長くて機関ブロックの長さの
大部分に亙っているときは、油冷却器の長さに関して実
質的な圧力降下がある。圧力降下は過大で許容不能であ
り、その結果として無用な損失を生ずる。細長い油冷却
器を代表的な冷却剤と組合わせた場合、熱伝達の大部分
は油冷却器を通る流路の最初の部分で生ずることが判っ
た。
【0007】機関のシリンダへの冷却剤の分布を改善
し、潤滑系統と冷却系統との損失を減少させるために、
本発明はなされた。本発明において2つの油冷却器(双
油冷却器)が使用され、該双油冷却器はそれらの端部と
端部とが近接するように配置され、1つの細長い油冷却
器と近似するようになされる。細長い冷却剤空所が機関
ブロックに鋳造成形され、下面は前端から後端に向って
テーパしている。各シリンダへの冷却剤の流れは平均化
され均等になる。油の流れは前方冷却器の前方部分に入
り、並行的に後方冷却器の後方部分に入る。各冷却器を
通る流れは機関の中央部に向かって次に油フィルタに流
れ、そこで油は濾過され、機関を横切って2つの油冷却
器の間の位置で主油通路に戻される。油系統のこの配置
の利点は冷却した油が主油通路の中央部に入るので分布
が均等になることである。本発明の別の利点としてテー
パした冷却剤流路マニフォルドの特異な形状が油冷却器
への冷却剤の流れを比較的均等なものとし、より均等な
釣合いのとれた冷却を機関に与えることができる。
【0008】2つの別個の油冷却器が少なくとも1回、
米国(インディアナ州コロンバス)カミンズ社(Cum
mins Engine Company)のK19デ
ィーゼル機関で使用された。この機関において、油冷却
器は機関ブロックの全長の端部から端部まで延長するも
のでない。従って制限が多く、その結果として損失が大
となる。さらに、K19機関は2つの油冷却器を通る流
路が平行で、各冷却器の入口が前端で、出口が後端であ
る。入口流は分割され、出口流は組合わされる。このK
19機関を考慮する場合に重要な点は、出口流が機関ブ
ロックの中心付近でなく機関の後部に近い位置で主油導
管に連結されることである。前部から後部に流れるの
で、後端のシリンダが前端のシリンダより高温となる。
明らかにK19機関は本発明の一つの効果である釣合い
のとれた均等な分布を与えることができない。本発明と
K19機関との別の差は、後方にテーパした冷却剤空所
(マニフォルド)とこれに伴う各シリンダへの流路であ
る。本発明のこの配置は各シリンダへの均等な流れを与
える。
【0009】K19機関以外にも多くの特許文書に各種
の冷却装置が示される。これには米国特許明細書第13
10251号、同第1931935号、同第20637
82号、同第2525191号、同第2623612
号、同第4041697号、特開平4−103826号
公報がある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の一実施例による
ディーゼル機関ブロックのテーパした冷却剤流路内に位
置する二重油冷却器装置は、機関ブロックの前方部分に
向かって位置する細長い前方油冷却器にして、前方油冷
却器の前方端に隣接する油入口と前方油冷却器の後方端
に隣接する油出口とを有する前方油冷却器と、機関ブロ
ックの後方部分に向かって位置する細長い後方油冷却器
にして、後方油冷却器の後方端に隣接する油入口と後方
油冷却器の前方端に隣接する油出口とを有する後方油冷
却器と、両油入口を油供給源に及び両油出口を油フィル
タにそれぞれ平行流形式で連結する油導管回路とを含
み、機関ブロックの前方部分と後方部分との間のほぼ中
間点に前記油出口を有する。テーパした冷却剤流路は冷
却剤を各シリンダに配送する冷却剤マニフォルドとして
機能する。前方から後方に向かってテーパすることで各
シリンダに均等な同等な冷却剤の流れをつくり、これに
よって優れた冷却剤回路が得られる。
【0011】
【作用】本発明によれば、改良された油冷却器と機関冷
却装置が得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の上述以外の目的および効
果は添付図面を参照する以下の説明から明らかとなされ
る。
【0013】本発明の原理を理解するために図示する実
施例を参照して特定の用語を使用して説明する。以下の
説明は本発明を限定するものではなく、各種の変形例、
改変または本発明の原理の応用も当業者に容易であるも
のは本発明の範囲内に属している。
【0014】図1を参照するとディーゼル機関ブロック
20と、ブロック20の外側カバー22の下方にブロッ
ク20内に位置する油冷却器装置21とが示される。外
側カバー22は油冷却器装置21の一部をなすもので、
図4ないし図7に示すように各種の流路開口と導管とが
外側カバー22に形成されている。これら流路開口と導
管とは油通路をなしている。
【0015】油冷却器装置21に流入し流出する油は、
分割流として2つの油冷却器と通過する。対応する2つ
の出口流は統合され油フィルタ24を通る。油フィルタ
24は取付部25に固定される。取付部25は外側カバ
ー22を形成する単一の鋳物の一部である。
【0016】図1において機関ブロック20は部分的に
のみ示されており、概略的である。図は油冷却器装置2
1の代表的な機関ブロックに対する配置を示す。油パン
29が機関ブロック20の方向と外側カバー22の位置
と油フィルタ24の位置とを理解するために示される。
機関ブロックの細部の詳細は本発明の理解のためには不
要である。
【0017】図2には図1の機関ブロック20と油冷却
器装置21が示されているが、外側カバー22は除去さ
れており、2つの油冷却器31、32が示される。油冷
却器31、32はカバー22の内面に固着され、図示し
ない封止ガスケットによって間隔をおかれている。油冷
却器31、32は端部と端部とを接して配置され、2つ
の略対称的または平行な流路を形成する。各油冷却器3
1、32は機関ブロック20内に配置され一体鋳造の長
手方向凹所として形成された流路空所33内に位置して
いる。油冷却器31は前方油冷却器で、油冷却器32は
後方油冷却器をなして(通常の機関の前後方向で)い
る。
【0018】空所33の外縁周辺リップ表面35は平滑
に機械加工された表面で、18個の間隔をおかれた内側
ねじのボルト孔36を有する。ボルト位置は外側カバー
22の18個の取付け孔(遊隙孔)に対応する。表面3
5と外側カバー22との間に代表的には長手方向のシー
ト状をなして流体密の封止された界面を機関ブロック2
0と外側カバー22との間に且つ周辺リップ表面35を
完全に取囲んで形成するに適した適当な封止材とガスケ
ットとを配置する。
【0019】油冷却器31、32は寸法、構造、形状が
実質的に同等で、それぞれ細長い形状を有している。多
数の間隔をおかれたフィンとそれを貫通する流路が油冷
却器の熱交換手段を構成する。各油冷却器内において高
温の油は流路を通って、一端から他端に流れる。油が流
れるとき、熱は取囲むアルミニゥムの壁を経て積重ねら
れたアルミニゥムのフィンに伝達される。フィンの大き
い表面積が優れた熱伝達機構となる。フィンを囲んで横
切って覆って流れる冷却剤がフィンから熱の一部を取
り、冷却剤の温度は上昇し、フィンは潤滑油から更に熱
を受取ることが可能となる。
【0020】各油冷却器31、32に関連する油流路
は、図示しない油ポンプから各油冷却器への油の配送に
よって開始される。油は最初に、図10に示すようなサ
ーモスタット制御弁によって配送され、制御弁は油の温
度が冷却を必要とする程に高いか否かを検知する。油が
サーモスタット制御弁の予め定めた閾値温度に関して冷
却を必要とする程に高くなければ、油は油冷却器31、
32をバイパスして直接に油フィルタ24に流れる。油
フィルタ24から油は主油通路に流れ、そこから冷却潤
滑を必要とする機関の各部に流れる。
【0021】本発明と従来技術との相違点の一つは、2
つの実質的に同等な油冷却器を端部と端部とを接するよ
うに配置して平行流回路を形成する点にある。別の相違
点として、各油冷却器31、32の細長い形状と、これ
らを端部と端部とを接するように配置したときに機関ブ
ロック20のほぼ全長にわたることがある。本発明と従
来技術とのさらに別の相違点は各油冷却器の入口および
出口位置にある。図2に示され、図10に示されたよう
に、前方油冷却器31は前方油入口39と後方油出口4
0とを有する。後方油冷却器32は後方油入口41と前
方油出口42とを有する。
【0022】流入する油が冷却を必要としていれば、油
は前方油冷却器31の入口39と、後方油冷却器32の
入口41とに平行に流れる。通路45(図5−図10参
照)が油を後方油冷却器32に送る。各油冷却器を通る
油の流れは流れの方向以外は実質的に同等である。前方
油冷却器31を通る油は前方から後方に流れ、後方油冷
却器32を通る油は後方から前方に流れる。この配置の
結果、それぞれの油冷却器からの2つの出口流は機関ブ
ロックの中央部に向かっている。この点でほぼ並列して
いる2つの流れは統合されて油フィルタ24に導入され
る。フィルタされた油は油フィルタ24から通路46を
経由して主油通路に導かれ、機関の他の部分に分配され
る。この流路の重要な利点は、冷却されフィルタされた
油がほぼ主油通路の中央部に入り、冷却した潤滑油の均
等な分配が可能であるという点にある。
【0023】図3を参照すると、図2に示した機関ブロ
ック20と油冷却器装置21が示されているが、2つの
油冷却器31、32が除去されて、流路空所33の寸
法、形状および形態が明らかとなされている。流路空所
33は機関ブロック内に鋳造された細長い空所である。
流路空所33の目標機能は2つの油冷却器31、32の
油を充分な余裕容積で受入れ、機関冷却剤の適切な熱伝
達循環を可能とする点にある。流路空所33は機関の各
シリンダへの均等な冷却剤の分配を達成するため冷却剤
の流路を作り制御することを目的とする。
【0024】流路空所33は端部壁48において、およ
び底部壁49に沿って閉じられている。前端壁51には
機関冷却剤を受入れる鋳造成形流路52が設けられる。
上部壁53に沿って開口が設けられ、6個のシリンダが
配置されるプレナム室に連通している。出口流通路は6
本の破線56a−56fとして各シリンダに対して概略
的に示される。流路空所33の基部側は開いており、周
縁リップ表面35で囲まれている。端部側は鋳造壁57
によって閉じられている。端部壁57に鋳造成形され長
手方向に延長し外方に延びるリブ58がある。リブ58
は流路空所33の前端に近い位置から端部壁48に近い
位置まで延びている。図示がやや困難であるが、流路空
所33の底部壁49から上部壁53までの高さは、前端
壁51から後端壁48まで均斉に減少している。上部壁
53は実質的に平坦であるから、均斉に変化する深さは
底部壁49にテーパをつけることによって与えられる。
このテーパは図3に破線49aとして示され、長さに関
して実質的に均斉である。壁51、48として示す2つ
の端部位置における流路空所33の高さを比較すると高
さの差は約3.8cm(1.5インチ)である。空所3
3の最も高い部分は(紙面平面において)端部壁51に
隣接する部分であり、最も狭い場所は端部壁48に隣接
する部分である。
【0025】リブ58の外側縁61が油冷却器31、3
2のために表面35から空所33への位置決め深さを設
定する。従って、リブ58はその長さの全長に亙って、
表面35に対して同一の深さを(紙面平面に垂直に)限
定するものである。この配置の結果、2つの油冷却器3
1、32を取付けたとき油冷却器は外側縁61に当接し
て流路空所33に正確に嵌合する。この正確な嵌合は外
側カバー22と関連する付属品、例えばガスケット、シ
ールなどが互いに干渉することなく取付けられるように
する。この組合わせは18個の孔に整合するボルトによ
ってその位置に固定される。
【0026】流路空所33の減少するテーパ付きの形状
は空所が端部壁51から端部壁48に延長するとき、小
さい減少する断面積を作る。この結果、減少する容積が
形成され、これが端部壁51に隣接して空所33に導入
される機関冷却剤のための流路に影響を与える。冷却剤
が油冷却器31の内部、上および回りを循環し始めると
き、その最終的流路は2つの選択がある。一方の選択に
おいて冷却剤、または少なくともその一部は流路空所3
3を通って後方に流れて油冷却器31の残りの部分に流
れ次に油冷却器32に流れる。他方の選択は機関冷却剤
又は少なくともその一部についてであり、シリンダが配
置されるプレナム室と連結される出口流路を通って流出
する。1番シリンダへの冷却剤の流れは図3に破線56
aとして示す。この流路は流路空所33と対応する機関
シリンダとに直接連通して上方に流れる冷却剤(実際に
は冷却剤に一部)を受入れる。
【0027】流れの容積および流量、流路空所33の寸
法と形状、その前部から後部へのテーパの程度、および
破線56a−56fで示す出口流を正しくバランスさせ
ることによって、機関冷却剤の実質的に均斉なバランス
のとれた流れが機関の各シリンダへ及び回りへの直接通
路内に達成される。破線56aの左方で空所33の残り
の部分の容積が破線56aに対応する出口流通路の寸法
に対比して比較的に大であるが、流路空所33のテーパ
を適切に定めることによって機関冷却剤の流れを適切に
1番シリンダへ分岐させることができる。
【0028】冷却剤が端部壁48に向って流れるとき冷
却剤は油冷却器31の周りを循環するから、図3に破線
56bで示す次の(2番)シリンダの概略位置において
も同様な流れの分岐が生ずる。破線56bの位置では残
りの長さが短いから流路空所33内の制限は少ないが、
破線56bの通路に分岐されることによって流れ圧力は
実効的に小である。この配置の結果として、機関冷却剤
の一部は分岐して直接に対応する機関のシリンダ、すな
わち第2シリンダに流れる。残りの4つのシリンダにつ
いても同様であって、対応する流れが図3の破線56c
−56fについて生ずる。図示したものは6シリンダ機
関の例であるが、任意の数のシリンダについても本発明
は同様に適用可能である。流路空所33の長さに沿って
流れる時に熱の移送は釣合っており、機関冷却剤の一部
は機関シリンダが配置されるプレナム室と流路空所33
とを連結する開口を通って対応する機関シリンダに分岐
される。
【0029】流路空所33からそれぞれの機関シリンダ
に分岐されるそれぞれの流路内の機関冷却剤の流量と容
積とは実質的に流量と容積と冷却能力について同一であ
ることが判った。機関の各シリンダはシリンダ位置に無
関係に実質的に均一で平均した機関冷却剤を受取る。始
めのいくつかのシリンダに大量の冷却剤が分岐して終り
のいくつかのシリンダには充分な冷却剤がないという問
題、または各シリンダにおける冷却剤温度に著しい差が
あるという問題は存在しない。本発明によれば冷却剤の
流れの影響であるシリンダが他のシリンダより高温で作
動するという問題は実際上ない。流路空所33のテーパ
した設計および各種流路の特定の回路がなければ、各シ
リンダに配送される冷却剤が一様でないことが普通であ
る。その場合はシリンダ温度が一様でなくなり、その結
果機関の効率が低下する。これは長期的には機関に重大
な問題を生ずる。本発明は単に特異な油冷却器装置を提
供するのみではなく、最も望ましい冷却装置を提供す
る。
【0030】本発明の関連する設計態様としての流路空
所33のテーパした設計は冷却剤が各油冷却器の各種フ
ィンの上および周りを均斉に流れることを可能とする。
この流れは各油冷却器の全長さについて均等である。流
路空所33は冷却剤分布マニフォルドとして作用し、各
油冷却器についての均斉な流れは各シリンダについての
均斉な均等は流れに対応する。流路空所33内の流れと
熱伝達とを均斉にすることによって、各シリンダに流れ
る冷却剤の温度を実質的に同一とし、冷却剤の流量を実
質的に同一とすることができる。
【0031】図4ないし図7には外側カバー22の詳細
が示される。外側カバー22は主カバー部分65を含
み、その上方は上方取付けフランジ66によって、その
下方は下方取付けフランジ67によって限定される。各
取付けフランジには9個の間隔をおかれた取付け孔68
が設けられる。合計18個の取付け孔は18個のボルト
位置36と整合している。取付け部25が主カバー部分
65から上方に延長しており、ほぼ円筒形部分69(図
7参照)を含む。該円筒形部分69は油フィルタ24の
取付けに役立つ。
【0032】前方端72(図4、図6参照)はサーモス
タット制御弁の位置決めと圧力制御器への連結通路とを
与える。円筒形の開口73がサーモスタット制御弁の位
置決めを与え、圧力制御器のプランジャのため開口74
が設けられている。開口75(図6)、76(図7)は
圧力制御器のための油通路となっている。
【0033】入ってくる油の温度が開口73内に配置さ
れるサーモスタット制御弁によって定められる閾値温度
より低いときは、油は2つの油冷却器31、32をバイ
パスして直接に油フィルタ24に流れる。バイパス流の
ための通路は外側カバー22内に機械加工されている。
入ってくる油が2つの油冷却器31、32に指向される
とき、油は開口73内のサーモスタット制御弁から外側
カバーの小部分を通って、開口80から一方の油冷却器
へ、開口82から他方の油冷却器へ流れる。開口80、
82は機械加工された表面81内に設けられる。油冷却
器装置21が適切に組立てられて機関ブロック20内に
取付けられると、開口80は前方油冷却器31の前方油
入口39に整合する。同時に、入ってくる油の一部は通
路45を通って外側カバーを通り開口82に導かれる。
開口82は後方油冷却器32の後方油入口41と整合す
る。外側カバーと機関ブロックとをシール、ガスケット
等の適切な間挿材を介して当接固着せしめることによっ
て、外側カバーから各油冷却器31、32への油流路が
確立される。
【0034】油は前方油冷却器31を通過した後に、油
出口40が開口85と整合しているので、外側カバーに
戻る。後方油冷却器32を通る前述平行流経路は油出口
42から出て開口86に入る。開口85、86は油フィ
ルタ24の入口への通路を示す。2つの通路は合体して
フィルタされ、油はフィルタから出て外側カバー22に
入る。開口87を通って外側カバーから出る油は、機関
ブロックに機械加工された通路46に入る。該通路46
はいくらか中央に近い位置で主油通路に直接に連通して
いる。
【0035】図8を参照すると油冷却器装置21の部分
上面平面図が示される。この該略図は油冷却器31、3
2が流路空所33と嵌合しており、且つリブ58の外面
61に当接していることを示す。リブ58の外側縁部6
1は、カバー22に組付けられる油冷却器31、32の
ための実質的に平坦な当接表面となる。外側縁部61と
端部壁57との間の間隙は機関冷却剤が各油冷却器を通
りフィンの上及び周りを通るための流路となる。
【0036】図9を参照すると、一方の油冷却器の斜視
図が示される。油冷却器31を図示するが油冷却器32
も実質的に同等である。油冷却器31は油入口39と油
出口40とを含む。これらの開口は積重ねられた一連の
フィン90を通る囲まれた通路の出発点と最終点となっ
ている。各油冷却器は同様な形状を有して互いに均等な
間隔をおかれた10個のフィンを含む。隣接するフィン
90の間隔は概略的に各フィン90の厚さに等しい。
【0037】図10は本発明による油流路の概略を示す
回路図である。図10には油ポンプ94と、サーモスタ
ット制御弁95と、バイパス導管96と、主油通路97
とが示される。図10の残りの部分は前述した構造部分
の説明に対応する数字が付してある。サーモスタット制
御弁95は油をバイパス導管96または通路45に送
る。バイパス導管96は直接に油フィルタ24に連結さ
れる。
【0038】通路45は各油冷却器31、32の入口と
連通している。油冷却器から出る2つの油通路は油フィ
ルタ24に入る。フィルタされた油は油フィルタ24か
ら出て主油通路97を通って機関の各部に導かれる。矢
印は主油通路97から分岐するそれぞれの流れを示す。
これには例えば主軸受、ロッド軸受、ピストン冷却用ジ
ェット流、カム軸歯車列などがある。これらは主油通路
97から分岐する油の例である。
【0039】図11には図10に示した概略図も示され
ている。図11には機関冷却剤の流れが矢印として示さ
れ、油の流れの矢印は省略されている。水ポンプ100
が流路空所33へ冷却剤を導入する。上方壁53には開
口101があって、これが内部に6つの機関シリンダ1
03−108が配置されるプレナム室102と連通して
いる。機関シリンダはそれぞれ円として示されるが、こ
れらのシリンダは実際には機関ブロックに対して90度
回転された方向にある。すなわち各シリンダは直立位置
にあり、図面は冷却剤が個々のシリンダの周りを流れる
ことを示すために変更してある。
【0040】それぞれの流れを示す矢印は図3に示した
破線56a−56fに概略的に対応している。開口部1
01は上方壁53を通って完全に開いているが、以前に
示した個々の流線はそれぞれのシリンダに流れる流れ部
分を明確にするため示したものである。図11におい
て、流路開口101からプレナム室102に流れる流れ
の一部が分岐する矢印として示される。分岐した流れは
対応するシリンダの周りを流れる。図11の残りの部分
は油または潤滑剤の流れを示した図10と同様である。
【0041】
【発明の効果】本発明の構造といくつかの利点と効果と
を説明したが、いくつかの作動特性および関連性につい
て説明する。本発明の流れ回路は水または冷却剤部分と
油または潤滑油部分とを含む。全体の流れ回路におい
て、これら両部分は流路空所33のテーパした形状と2
つの細長い油冷却器31、32が端部と端部とを接して
配置されることとによって互いに共働する。テーパした
流路空所33と上方壁53に設けられた間隔をおかれた
出口流路とは冷却剤を均等に各シリンダに分配する構造
を与える。前述のように流路空所33は冷却剤分配マニ
フォルドとして作用する。本発明の流れ回路には導管の
著しい曲がりがなく、著しく膨張または収縮を行う場所
もない。油冷却器と流路空所(冷却剤マニフォルド)と
は、冷却剤を上方に各機関シリンダに導かれる通路に指
向せしめるに役立つ。
【0042】潤滑(油)側において、1対の細長い油冷
却器31、32が機関ブロックの長さの大部分に延長す
る油冷却器装置を構成する。フィンの冷却面積が大きい
ので優れた熱伝達が達成される。平行流回路を有する2
つの油冷却器の配置は同一の長さの単一流路に対比して
圧力低下が少なく渦流が最小となる。出口流がブロック
の中央位置にあって直接に油フィルタに流れる配置は曲
りおよび屈曲を最小として円滑な流れを達成する。2つ
の油流路は油フィルタ24の入口で合体し、その後にさ
らに中央位置で主油通路に入る。
【0043】本発明は図面に示され詳細に説明された
が、上述説明は例示であり、本発明を限定するものでな
く、望ましい実施例を図示し説明したものであって、本
発明の精神の範囲内のすべての変形、改変は本発明の保
護範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の代表的な実施例として示す油冷
却器組立体が装着されたディーゼル機関ブロックの側面
立面図。
【図2】図2は図1の機関ブロックの側面立面図にし
て、油冷却器の外側カバーを除去して示す図。
【図3】図3は図2と同様であるが2つの細長い油冷却
器を除いて示す側面立面図。
【図4】図4は図1の油冷却器組立体の外側カバーの前
面立面図。
【図5】図5は図4の油冷却器組立体の外側カバーの後
面立面図。
【図6】図6は図4の油冷却器組立体の外側カバーの右
側端面立面図。
【図7】図7は図4の油冷却器組立体の外側カバーの底
面平面図。
【図8】図8は図1の油冷却器組立体を機関ブロックに
装着されて示す部分上面図。
【図9】図9は本発明の一部として使用するに適した油
冷却器の斜視図。
【図10】図10は本発明による油流路の概略を示す回
路図。
【図11】図11は本発明による冷却剤流路の概略を示
す回路図。
【符号の説明】
20 ディーゼル機関ブロック 21 油冷却
器装置 22 外側カバー 24 油フィ
ルタ 25 取付部 31 油冷却
器 32 油冷却器 33 流路空
所 39 前方油入口 40 後方油
出口 41 後方油入口 42 前方油
出口 48 端部壁 49 底部壁 49a テーパした底部壁 51 前端壁 52 鋳造成形流路 53 上部壁 56a 1番シリンダへの冷却剤流路 56b 2番シ
リンダへの流路 56c 3番シリンダへの流路 56d 4番シ
リンダへの流路 56e 5番シリンダへの流路 56f 6番シ
リンダへの流路 65 主カバー部分 66 上方取
付フランジ 67 下方取付フランジ 90 油冷却
器のフィン 95 サーモスタット制御弁 96 バイパ
ス導管 97 主油通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−103826(JP,A) 実開 平7−22020(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01P 11/08 F01M 5/00 F01P 3/20

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディーゼル機関ブロックの冷却剤流路空
    所内に配置される双油冷却器装置にして、該機関ブロッ
    クは前方部分と反対側の後方部分とを有し、該双油冷却
    器装置が、 機関ブロックの前方部分に向って位置する細長い前方油
    冷却器にして、該前方油冷却器の前方端に隣接する油入
    口と、前方油冷却器の後方端に隣接する油出口とを有す
    る前方油冷却器と、 機関ブロックの後方部分に向って位置する細長い後方油
    冷却器にして、該後方油冷却器の後方端に隣接する油入
    口と、後方油冷却器の前方端に隣接する油出口とを有す
    る後方油冷却器と、 両油入口を油供給源に平行流形式で連結し両油出口を油
    フィルタに連結する流路導管回路と、を含み、 機関ブロックは前方部分と後方部分との間に中間点を有
    し、両油出口はブロックの中間点に隣接して位置する、 ことを特徴とする双油冷却器装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の双油冷却器装置にし
    て、冷却剤流路空所が凹入して細長くてテーパしてお
    り、前方から後方に向って寸法が減少している、ことを
    特徴とする双油冷却器装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の双油冷却器装置にし
    て、流路導管回路が前記冷却剤流路空所を覆って組付け
    られる外側カバーを含む、ことを特徴とする双油冷却器
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の双油冷却器装置にし
    て、外側カバーに組付けられたサーモスタット制御弁を
    含むことを特徴とする双油冷却器装置。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の双油冷却器装置にし
    て、前記冷却剤流路空所が前方から後方に向かって減少
    する寸法を有するように、凹入し、細長く且つテーパし
    ている、ことを特徴とする双油冷却器装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の双油冷却器装置にし
    て、外側カバーに組付けられたサーモスタット制御弁を
    含むことを特徴とする双油冷却器装置。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載の双油冷却器装置にし
    て、外側カバーに油の導入のための入口通路と、油フィ
    ルタのための入口/出口取付部とが設けられていること
    を特徴とする双油冷却器装置。
  8. 【請求項8】 請求項3に記載の双油冷却器装置にし
    て、外側カバーに油の導入のための入口通路と、油フィ
    ルタのための入口/出口取付部とが設けられていること
    を特徴とする双油冷却器装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の双油冷却器装置にし
    て、外側カバーに組付けられたサーモスタット制御弁を
    含むことを特徴とする双油冷却器装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の双油冷却器装置にし
    て、前記冷却剤流路空所が前方から後方に向かって減少
    する寸法を有するように、凹入し、細長く且つテーパし
    ている、ことを特徴とする双油冷却器装置。
  11. 【請求項11】 機関ブロック内に配置される冷却剤お
    よび潤滑油装置にして、 機関ブロックによって限定される凹入した冷却剤流路空
    所であって、前方から後方にテーパした形状と減少する
    寸法を有する冷却剤流路空所と、 機関ブロックの前方部分に向って位置する前方油冷却器
    にして、その前方端に隣接する油入口と、その後方端に
    隣接する油出口とを有する前方油冷却器と、 機関ブロックの後方部分に向って位置する後方油冷却器
    にして、その後方端に隣接する油入口と、その前方端に
    隣接する油出口とを有する後方油冷却器と、 前記油入口を平行流形式で油供給源に連結し前記油出口
    を油フィルタに連結する流路導管回路と、を含み機関ブ
    ロックは複数の機関シリンダのための冷却剤プレナム室
    と、冷却剤を該複数の機関シリンダに導くよう前記冷却
    剤流路空所に前記冷却剤プレナム室を流体連通させる連
    結開口とを形成し、該連結開口は流路空所に沿って前方
    から後方に配置され、各シリンダへの冷却剤の流れは実
    質的にバランスしており実質的に均斉な冷却を与えるこ
    とを特徴とする、冷却剤および潤滑油装置。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の冷却剤および潤滑
    油装置にして、流路導管回路が前記冷却剤流路空所上に
    組付けられる外側カバーを含むことを特徴とする冷却剤
    および潤滑油装置。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の冷却剤および潤滑
    油装置にして、外側カバーに設けられるサーモスタット
    制御弁を含むことを特徴とする冷却剤および潤滑油装
    置。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の冷却剤および潤滑
    油装置にして、外側カバーに油導入のための入口通路と
    油フィルタのための入口/出口通路とが設けられている
    ことを特徴とする冷却剤および潤滑油装置。
  15. 【請求項15】 請求項12に記載の冷却剤および潤滑
    油装置にして、外側カバーに油導入のための入口通路と
    油フィルタのための入口/出口通路とが設けられている
    ことを特徴とする冷却剤および潤滑油装置。
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