JP3150877U - ヒートパイプ式放熱器 - Google Patents
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Abstract
Description
固定孔103は、放熱板102の前後方向に沿って、平面視で直線状に形成されており、放熱板102の左辺側と右辺側にそれぞれ二本ずつ配置されている。
さらに、ヒートパイプ105と放熱板102との密着度を向上し、接触熱抵抗を低減するため、固定孔103とヒートパイプ105の隙間に、接着剤やはんだなどの充填材107が充填されている。この充填材107が常温または加熱下で硬化または接合することにより、ヒートパイプ105が放熱板102に固定されるようになっている。
固定溝113は、放熱板112の長手方向に沿って、平面視で直線状に形成されており、放熱板112の左辺側と右辺側にそれぞれ二本ずつ配置されている。
また、特許文献1には、他の従来のヒートパイプ式放熱器の一例が記載されている。
また、前記した従来の他のヒートパイプ式放熱器110では、充填材117を硬化させると、充填材117に形成された空気により表面に気泡が生じやすかった。これにより、充填材117の表面に起伏ができることにより、下面部112sとの間に段差が生じてしまい、熱源Hを装着した際に、熱源Hと下面部112sとの間に隙間が形成されてしまうことにより、熱特性にロスが生じる場合があった。特許文献1に記載のヒートパイプ式放熱器においても同様であった。
このような段差を解消するために、充填材117を硬化させた後に、ヒートパイプ115の表面を含む下面部112sの表面全体を切削することにより、下面部112sの表面全体を平坦に均す処理を行うことも考えられるが、ヒートパイプ115の表面を切削することにより、ヒートパイプ115が破損してしまう場合があった。特許文献1に記載のヒートパイプ式放熱器においても同様であった。
これによれば、充填材が実質的に気泡を含まないため、固定溝からヒートパイプへの熱伝導効率を向上させることができ、ひいては、ヒートパイプ式放熱器の熱特性を向上することができる。
放熱板2は、例えば、銅、銅合金、アルミニウムまたはアルミニウム合金などの熱伝導性に優れた素材により形成されている。また、放熱板2は、接着剤やねじ止めなどにより下面部2sを下側にして、高さ方向に所定間隔を空けて電子基板(図示せず)に固定されている。下面部2sと電子基板(図示せず)の間には、熱源Hが配置される。第1実施形態では、ヒートパイプ式放熱器1が電子基板(図示せず)に固定されたときに、放熱板2の下面部2sの左辺側と右辺側に、破線で示すCPU等の熱源Hがそれぞれ配置されるようになっている。なお、熱源Hの配置は、適宜変更することができる。
また、貫通孔6aの形状は、横断面が円状のものに限らず、矩形状や楕円状となっていても良く、特に限定されない。
また、蓋体6は、図1(a)および(b)に示すように、開口部3aに固定された状態で放熱板2の下面部2sと面一になっている。蓋体6は、例えば、銅、銅合金、アルミニウムまたはアルミニウム合金などの熱伝導性に優れた素材により形成される。
図2(a)、(b)に示すように、固定溝3の上方から、ヒートパイプ5を固定溝3内に配置する。この状態で、図2(c)に示すように、充填材7を、ヒートパイプ5の周囲に充填する。そして、図2(d)に示すように、蓋体6を固定溝3の上方から開口部3a(図1(b)参照)に配置すると共に、蓋体6に上方から圧力を加えることにより、充填材7に形成された空気を取り除き、実質的に気泡を含まない状態とする。このとき、蓋体6に設けられた貫通孔6a(図1(c)参照)から、固定溝3内の余分な充填材7と空気とを固定溝3外に均等に排出することができる。貫通孔6aから固定溝3外に排出された余分な充填材7は、すぐにふき取っても良いし、後記する下面部2sの全体を平坦に均す処理によって除去しても良い。
さらに例えば、充填材7としてグリースを用いる場合には、例えば次のようにして、蓋体6を放熱板2に固定することができる。例えば、まず、充填材7として接着剤もしくははんだを用いて、ヒートパイプ5の一部を固定溝3に固定し、さらに、充填材7としてグリースを用いて、固定溝3とヒートパイプ5との隙間に充填し、そして、蓋体6に上方から圧力を加えることにより、充填材7(この場合は、グリース)に形成された空気を取り除き、実質的に気泡を含まない状態とする。なお、蓋体6に貫通孔6aを設ける場合には、貫通孔6aから固定溝3内の余分な充填材7(この場合は、グリース)と空気とを取り除くことができる。
以上のようにして、ヒートパイプ5を固定溝3に固定し、蓋体6を開口部3aに固定することができる。
なお、蓋体6を開口部3aに固定したときに放熱板2の下面部2sと面一となるように、蓋体6の寸法を予め設計しておくか、もしくは、固定溝3の深さ寸法を、ヒートパイプ5の径の寸法と蓋体6の厚み寸法とを合わせた寸法と略同等となるように設定しておくと、蓋体6の表面を含む下面部2sの全体を平坦に均す処理を行わなくて良くなるため、より好適である。
また、蓋体6の表面は、放熱板2の下面部2sと面一となっているため、熱源Hとの密着度を向上させることができ、熱源Hで発生した熱を、ヒートパイプ5を通じて放熱板2の全体に広げ、放熱板2から複数の放熱フィン4に伝えやすくすることができる。
また、蓋体6に貫通孔6aを設けた場合には、貫通孔6aから固定溝3内の余分な充填材7を固定溝3外に排出することができるので、固定溝3内に充填材7を余分に充填しておくことができる。このため、固定溝3とヒートパイプ5との間に形成された隙間の全てに、より確実に充填材7を行き渡らせることができる。
例えば、前記した各実施形態では、複数の放熱フィン4を平板状に形成したが、これに限られるものではない。例えば、金属薄板の中間部をU字状に折り曲げ、両端部を所定間隔で対向させて形成したフィンとしても良いし、また例えば、コルゲートフィンとしてもよい。
さらに例えば、ヒートパイプの形状は、前記した各実施形態に限られず、ベーパーチャンバなどの平面状のヒートパイプを用いても良い。
また、前記した各実施形態では、蓋体を充填材により固定溝の開口部に固定したが、これによらず、蓋体を接着剤やはんだ付けにより固定溝の開口部近傍の内壁に直接固定しても良い。
次に、変形例に係るヒートパイプ式放熱器について説明する。ここでは、第1実施形態に係るヒートパイプ式放熱器を変形した場合を例にとって説明する。
変形例に係るヒートパイプ式放熱器は、ヒートパイプを圧潰した状態で固定溝に固定するものである。変形例に係るヒートパイプ式放熱器は、第1実施形態に係るヒートパイプ式放熱器から、ヒートパイプ、固定溝および蓋体の構成を変更している。以下では、その他の重複する構成については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
蓋体6Cは、平板状であって、円管状のヒートパイプの径よりも幅広に形成されている。第1実施形態と同様に、蓋体6Cに、深さ方向に貫通する貫通孔(図示せず)を設けることが望ましい。
収容部3Cbは、断面視略半円状に形成されており、径が、円管状のヒートパイプ(図示せず)の径よりも幅広に形成され、深さが、円管状のヒートパイプ(図示せず)の径よりも浅く形成されている。
位置決め部3Ccは、蓋体6を位置決めするためのものであり、上面部2Cuから収容部3Cbの開口端にかけて凹設されている。位置決め部3Ccは、ここでは蓋体6の側面部分と平面部分の形状に合致する形状で形成されている。また、位置決め部3Ccは、その開口幅、つまり、固定溝3Cの開口部3Caの幅が、蓋体6Cの幅と略同等となっている。なお、位置決め部3Ccの形状は、蓋体6の形状の変更に合わせて適宜変更することができる。
まず、固定溝3Cの上方から円管状のヒートパイプ(図示せず)を収容部3Cb内に配置する。ここで、収容部3Cbは、円管状のヒートパイプの径よりも浅く形成されているため、収容部3Cb内に円管状のヒートパイプを配置すると、この円管状のヒートパイプ(いずれも図示せず)の一部が、位置決め部3Cc側に突出することとなる。
このとき、位置決め部3Ccには、前記したように、円管状のヒートパイプ(図示せず)の一部が突出しているので、この突出した部分を、蓋体6Cの平面が位置決め部3Ccの底面部分に当接するまで圧潰することで、円管状のヒートパイプ(図示せず)を幅方向及び下方に押し広げて断面視略半円状のヒートパイプ5Cを形成するとともに、蓋体6Cの全体を位置決め部3Cc内に配置する。
この場合、固定溝に位置決め部を設けなくても良い。また、蓋体の幅は、固定溝の開口部の幅と略同等とする。また、固定溝の深さは、断面視略半円状のヒートパイプの高さよりも若干深くし、幅は、蓋体と略同等とする。
なお、変形例は、第2実施形態に係るヒートパイプ式放熱器にも適用することができるのはもちろんである。すなわち、放熱板2Cの上面部2Cu側に固定溝3Cを設ける構成としても良い。
このように、断面視略半円状のヒートパイプを用いることで、円管状のヒートパイプを用いる場合と同等の熱伝導効率を得ることができる上に、円管状のヒートパイプを用いる場合と比較して、固定溝の深さ寸法を小さくすることができる。これにより、放熱板の厚みをより薄くすることが可能となり、ヒートパイプ式放熱器がより安価となる。また、ヒートパイプ式放熱器の下方に配置される熱源への負荷を軽減することが可能となる。
例えば、固定部材としてねじを用いる場合、位置決め部3Ccの底面部分に、固定部材の主に胴部が収容されるねじ溝を凹設し、蓋体6Cに、深さ方向に貫通し、固定部材の主に頭部が収容されるねじ挿入用孔を設ける。ここで、ねじ挿入用孔は、蓋体6Cを位置決め部3Ccに配置したときに、位置決め部3Ccに凹設されたねじ溝と対応する位置に、形成する。これにより、蓋体6Cを位置決め部3Ccに配置したときに、ねじ挿入用孔とねじ溝とが深さ方向に連続することとなる。このようなねじ挿入用孔及びねじ溝に、ねじ挿入用孔の上方から固定部材を挿入し、螺合することで、蓋体6Cを固定溝3Cの開口部3Caに固定することができる。
例えば、ねじ挿入用孔とねじ溝とが深さ方向に連続した状態で作り出される空間が、固定部材の全体の形状と合致するようにねじ挿入用孔とねじ溝を形成し、固定部材として、皿ねじなどの頭頂部が平坦なものを用いると、この皿ねじの全体をねじ溝及びねじ挿入用孔に挿入し、螺合したときに、皿ねじの頭頂部と下面部2Csとが略面一となるので、下面部2Csを平坦に均す処理を行わなくて良くなるため好ましい。
なお、熱源Hと干渉するおそれがない位置にねじ挿入用孔とねじ溝を設ける場合、ねじ挿入用孔とねじ溝に固定部材を挿入し、螺合した場合に、固定部材の一部が下面部2Csから突出していても良い。また、固定部材として、頭頂部が平坦なものを用いなくても良い。
2、2B、2C 放熱板
2u、2Bu、2Cu 上面部
2s、2Bs、2Cs 下面部
3、3B、3C 固定溝
4 放熱フィン
5、5C ヒートパイプ
6、6C 蓋体
6a 貫通孔
H 熱源
Claims (5)
- 複数の放熱フィンを立設した放熱板の一側面に凹設した固定溝内にヒートパイプを配置し、前記ヒートパイプの周囲に充填材を充填したヒートパイプ式の放熱器であって、
前記固定溝の開口部に固定され、前記放熱板の前記一側面と面一となる蓋体を有することを特徴とするヒートパイプ式放熱器。 - 前記一側面が、前記放熱板の前記複数の放熱フィンを立設した面であることを特徴とする請求項1に記載のヒートパイプ式放熱器。
- 前記一側面が、前記放熱板の前記複数の放熱フィンを立設した面と反対側の面であることを特徴とする請求項1に記載のヒートパイプ式放熱器。
- 前記蓋体は、その深さ方向に貫通する貫通孔を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のヒートパイプ式放熱器。
- 前記充填材は、実質的に気泡を含まないことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のヒートパイプ式放熱器。
Priority Applications (1)
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JP2009001558U JP3150877U (ja) | 2009-03-17 | 2009-03-17 | ヒートパイプ式放熱器 |
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JP2009001558U JP3150877U (ja) | 2009-03-17 | 2009-03-17 | ヒートパイプ式放熱器 |
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JP3150877U true JP3150877U (ja) | 2009-06-04 |
Family
ID=54855325
Family Applications (1)
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JP2009001558U Expired - Lifetime JP3150877U (ja) | 2009-03-17 | 2009-03-17 | ヒートパイプ式放熱器 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013036718A (ja) * | 2011-08-10 | 2013-02-21 | Kiko Kagi Kofun Yugenkoshi | 放熱ユニット構造及びその製造方法 |
JP2015158196A (ja) * | 2014-02-25 | 2015-09-03 | ツインバード工業株式会社 | 熱交換器 |
JP2015227768A (ja) * | 2014-05-09 | 2015-12-17 | 古河電気工業株式会社 | ヒートパイプの固定構造およびヒートパイプの固定方法 |
WO2017077619A1 (ja) * | 2015-11-05 | 2017-05-11 | 古河電気工業株式会社 | ヒートパイプの固定構造およびヒートパイプの固定方法 |
WO2022181345A1 (ja) * | 2021-02-25 | 2022-09-01 | 日本電産株式会社 | 冷却装置 |
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2009
- 2009-03-17 JP JP2009001558U patent/JP3150877U/ja not_active Expired - Lifetime
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