JP3150112B2 - 半導体回路 - Google Patents

半導体回路

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JP3150112B2
JP3150112B2 JP31923598A JP31923598A JP3150112B2 JP 3150112 B2 JP3150112 B2 JP 3150112B2 JP 31923598 A JP31923598 A JP 31923598A JP 31923598 A JP31923598 A JP 31923598A JP 3150112 B2 JP3150112 B2 JP 3150112B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体回路に関
し、特に、CATV用ハイブリッドIC(HIC)に用
いられる半導体回路に関する。
【0002】
【従来の技術】CATV用HIC広帯域増幅器において
は、接続されるケーブルにおける損失を補うために、周
波数が高くなるにつれて利得が上昇するゲインスロープ
が設定されているが、このゲインスロープは、周囲温度
の変化に応じて変動してしまうという特性を有してい
る。
【0003】そのため、CATVシステム全体で信号レ
ベルを一定に保つためには、周囲温度変化による利得特
性の変動を補償する必要がある。
【0004】図10は、特開昭57−83910号公報
に示される従来より用いられている周囲温度変化による
利得特性の変動を補償する回路の構成を示す回路図であ
る。
【0005】本従来例は図10に示すように、ゲート端
子が整合回路126を介して入力端子121と接続さ
れ、ドレイン端子が整合回路127を介して出力端子1
22と接続され、ソース端子が接地されたFET125
と、一端が入力端子121と接続されたインダクタL1
21と、一端がインダクタL121の入力端子121が
接続されていない端と接続され、他端がゲートバイアス
供給端子123と接続された抵抗R121と、一端がイ
ンダクタL121の入力端子121が接続されていない
端と接続され、他端が接地されたサーミスタR122
と、一端が出力端子122と接続され、他端がドレイン
バイアス供給端子124と接続されたインダクタL12
2とから構成されている。FET125のゲート端子に
は、整合回路126、インダクタL121及び抵抗R1
21を介してゲートバイアス供給端子123からゲート
バイアスが供給され、FET125のドレイン端子に
は、整合回路127及びインダクタL122を介してド
レインバイアス供給端子124からドレインバイアスが
供給されている。
【0006】ここで、抵抗R121の抵抗値において
は、ゲートバイアス供給端子123から供給されるゲー
トバイアスVgs1が通常のゲートバイアスVgsに対し
て、 |Vgs|<|Vgs1| となるように設定されている。
【0007】また、周囲温度が室温よりも高い場合、サ
ーミスタR122の抵抗値は、自己の温度非直線性によ
り周囲温度が室温である場合よりも小さくなり、その時
のゲートバイアスをVgs2とすると、 |Vgs2|<|Vgs1| となる。
【0008】したがって、ゲートバイアスVgs1のとき
の利得をGVgs1、ゲートバイアスVgs2のときの利得を
GVgs2とし、サーミスタR122が設けられていない
バイアス回路を有する増幅器で、ゲートバイアスをVgs
と設定した増幅器の室温よりも高い雰囲気中における利
得をGVgs3とすると、 GVgs3<GVgs2 となり、周囲温度変化による利得特性の変動を補償する
ことができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の回路においては、以下に記載するような
問題点がある。
【0010】(1)バイアス条件によるFETの周波数
対利得特性の変化を利用するためにバイアスに温度補償
をかけており、そのため、高温または低温時にてバイア
ス電圧が大きくなり、FETの消費電流が増加し、それ
により、高温時に素子にかかる熱ストレスが増大してし
まう。
【0011】(2)素子の有するDC特性に基づいて動
作点が決められているため、高周波特性は素子のDC特
性に依存している。そのため、素子のDC特性の違いに
よって高周波特性にばらつきが生じてしまう。
【0012】図11は、周囲温度変化に応じたゲインス
ロープの利得特性の変動を示す図である。
【0013】図11に示すように、CATVシステムの
様に帯域が広い場合、周囲温度が変化すると、ゲインス
ロープを示す利得曲線は、利得方向に平行に変動するば
かりではなく、その傾斜までもが変化してしまう。
【0014】ここで、図10に示した回路においては、
利得方向に平行な変動を補償することはできるが、その
傾斜を補償することはできない。
【0015】(3)バイアスはブリーダー抵抗の分圧比
で設定されているため、温度補償をかけるには複数の素
子が必要となり、回路規模が大型化してしまうととも
に、コストアップが生じてしまう。
【0016】本発明は、上述したような従来の技術が有
する問題点に鑑みてなされたものであって、回路規模を
大型化したりコストアップを生じたりすることなく、周
囲温度が変化した場合にゲインスロープの利得特性の変
動を補償することができる半導体回路を提供することを
目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、ドレイン側が出力端子となる第1のFET
と、該第1のFETのゲート端子と入力端子との間に直
列に接続された第1のインダクタ、第1の抵抗及び第1
のキャパシタとを有し、前記入力端子を介して入力され
た信号を所定量だけ増幅して前記出力端子から出力する
半導体回路において、前記第1の抵抗は、周囲温度に応
じて抵抗値が変化する感温素子であることを特徴とす
る。
【0018】
【0019】また、前記第1のインダクタは、ボンディ
ングワイヤあるいは導体パターンによって形成されてい
ることを特徴とする。
【0020】また、前記第1の抵抗と並列に接続された
第2の抵抗を有することを特徴とする。
【0021】また、前記第1のFETのソース端子と接
地間に並列に接続された第3の抵抗及び第2のキャパシ
タと、前記第1のキャパシタと前記入力端子との間に、
前記第1のキャパシタにドレイン端子が接続され、前記
入力端子にゲート端子が接続されて設けられた第2のF
ETと、該第2のFETのソース端子と接地間に並列に
接続された第4の抵抗及び第3のキャパシタと、前記第
2のFETのドレイン端子と接地間に直列に接続された
第5の抵抗及び第4のキャパシタと、前記第1のFET
と前記出力端子との間に、ゲート端子が接地され、ソー
ス端子が前記第1のFETのドレイン端子に接続され、
ドレイン端子が前記出力端子に接続されて設けられた第
3のFETと、該第3のFETのドレイン端子と前記第
2のFETのドレイン端子との間に直列に接続された第
6の抵抗及び第5のキャパシタと、前記第3のFETの
ドレイン端子と前記出力端子との間に共振回路を有する
ことを特徴とする。
【0022】また、前記共振回路は、第2のインダクタ
と第6のキャパシタとが並列に接続されて構成されてい
ることを特徴とする。
【0023】
【0024】
【0025】(作用)上記のように構成された本発明に
おいては、FETのゲート抵抗として、周囲温度に応じ
て負の温度特性を有して抵抗値が変化する感温抵抗素子
であるサーミスタを用いているが、共振レベルを示すフ
ァクタであるQ値はサーミスタの抵抗値が高くなるほど
小さくなり、サーミスタの抵抗値が低くなるほど大きく
なるので、Q値は、周囲温度が上昇すると大きくなり、
周囲温度が下がると小さくなる。ここで、半導体素子に
おいては、周囲温度が上昇するとゲインスロープの傾斜
が緩やかとなり、また、周囲温度が下がると利得が増加
してゲインスロープ傾斜が急峻になるため、Q値の周囲
温度に対する変動とゲインスロープの周囲温度に対する
利得特性の変動とが互いに打ち消すように働き、それに
より、周囲温度が変化した場合においてもゲインスロー
プの傾斜特性が一定となる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて図面を参照して説明する。
【0027】(第1の実施の形態)図1は、本発明の半
導体回路の第1の実施の形態を示す回路図であり、主に
ゲインスロープの周囲温度に対する利得特性の変動を補
償する回路を示している。なお、本回路は、本発明の半
導体回路の交流部分のみを抜き出したものである。
【0028】本形態は図1に示すように、ドレイン側が
出力端子となる第1のFETQ1と、一端がFETQ1
のゲート端子に接続された第1のインダクタL1と、一
端がインダクタL1のFETQ1と接続されていない端
と接続され、周囲温度に応じて負の温度特性を有して抵
抗値が変化する感温抵抗素子である第1の抵抗であるサ
ーミスタRtと、サーミスタRtのインダクタL1と接
続されていない端と入力端子との間に接続された第1の
キャパシタC1と、FETQ1のソース端子とGND間
に並行に接続された第3の抵抗R1及び第2のキャパシ
タC2とから構成されている。なお、抵抗R1及び第2
のキャパシタC2は、周波数特性を調整するものであ
り。本発明の必須要件ではない。
【0029】また、FETQ1の入力抵抗として設けら
れたサーミスタRtは、周囲温度が高くなると抵抗値が
低くなり、周囲温度が低くなると抵抗値が高くなるとい
う負の温度特性を有している。
【0030】以下に、上記のように構成された回路の動
作について説明する。
【0031】図2は、一般的な共振回路における周波数
に対する利得特性の一例を示す図である。また、図3
は、図1に示した回路における周波数に対する利得特性
を説明するための図である。
【0032】図2に示すように、一般的な共振回路にお
ける共振点は使用する帯域外に存在し、その共振点レベ
ルを示すファクタであるQ値は、 Q=2πfL/R あるいは Q=1/(2πfCR) で表される。
【0033】ここで、図1に示したように、抵抗Rとし
て、周囲温度が上昇すると抵抗値が小さくなり、周囲温
度が低くなると抵抗値が大きくなるサーミスタRtを用
いた場合、上式から導き出されるように、Q値は、サー
ミスタRtの抵抗値が大きくなるほど小さくなり、サー
ミスタRtの抵抗値が小さくなるほど大きくなるため、
図3に示すように、周囲温度が上昇すると大きくなり、
周囲温度が下がると小さくなる。
【0034】図1に示した回路においては、図3に示す
ような、周囲温度変化による周波数対利得特性が得られ
るが、ゲインスロープを実現する回路においては、周囲
温度が上昇するとゲインスロープの傾斜が緩やかとな
り、また、周囲温度が下がると利得が増加してゲインス
ロープ傾斜が急峻なものとなる。
【0035】そのため、図1に示した回路におけるQ値
の周囲温度に対する変動とゲインスロープの周囲温度に
対する利得特性の変動とが互いに打ち消すように働き、
それにより、周囲温度が変化した場合においてもゲイン
スロープの傾斜特性は一定となる。
【0036】図4は、図1に示した回路を用いた場合の
周囲温度に対するゲインスロープの傾斜特性を示す図で
ある。
【0037】図4に示すように、従来のものにおいて
は、周囲温度の変化に伴ってゲインスロープが変化して
しまっていたのに対して、本形態においては、周囲温度
が変化した場合においてもゲインスロープの傾斜特性は
変化しない。
【0038】(第2の実施の形態)図1に示した回路に
おけるインダクタL1においては、FETQ1のゲート
端子とサーミスタRtとを接続するボンディングワイヤ
あるいは導体パターンによって構成することもできる。
【0039】図5は、図1に示したFETQ1のゲート
入力部分の詳細を示す図である。
【0040】図5に示すように、FETQ1のゲート端
子にインダクタL1を接続しない場合においてもFET
Q1のゲート端子とサーミスタRtとの間においては、
FETQ1のゲート端子とサーミスタRtとを接続する
ボンディングワイヤ等によって微少のL成分が寄生して
おり、また、FETQ1のゲート容量分により共振が発
生する。
【0041】(第3の実施の形態)図6は、本発明の半
導体回路の第3の実施の形態を示す回路図である。な
お、本回路は、本発明の半導体回路の交流部分のみを抜
き出したものである。
【0042】本形態は図6に示すように、図1に示した
回路にサーミスタRtと並列に第2の抵抗R5が付加さ
れた構成となっている。
【0043】図7は、負の温度特性を有するサーミスタ
の特性の一例を示す図である。
【0044】市販されているサーミスタは図7の実線に
示すように、それぞれの特性が互いに連続するものでは
なく、それぞれが予め決められた特性を有するものとな
っている。
【0045】そこで、破線に示すような特性が必要であ
る場合、図6に示すように、サーミスタRtと並列に任
意の抵抗値を有する抵抗R5を接続し、それにより、所
望の特性を得る。
【0046】(第4の実施の形態)図8は、本発明の半
導体回路の第4の実施の形態を示す回路図であり、図1
に示した回路をより具体的にした回路を示す。なお、本
回路は、本発明の半導体回路の交流部分のみを抜き出し
たものである。
【0047】図8に示すように本形態においては、図1
に示した回路の入力側に、入力端子とキャパシタC1と
の間にゲート側を入力端子とし、ドレイン端子がキャパ
シタC1と接続された第2のFETQ2と、FETQ2
のソース端子とGND間に並列に接続された第4の抵抗
R2及び第3のキャパシタC3と、FETQ2のドレイ
ン端子とGND間に直列に接続された第5の抵抗R3及
び第4のキャパシタC4とが設けられ、また、図1に示
した回路の出力側に、ソース端子がFETQ1のドレイ
ン端子に接続され、ゲート端子が接地された第3のFE
TQ3が設けられ、また、FETQ3のドレイン端子と
FETQ2のドレイン端子との間に直列に接続された第
6の抵抗R4及び第5のキャパシタC5が帰還ループと
して設けられ、さらに、出力端子とFETQ3のドレイ
ン端子との間に、共振回路となる第6のキャパシタC6
及び第2のインダクタL2が互いに並列に接続されてい
る。
【0048】上記のように構成された回路においては、
キャパシタC6及びインダクタL2からなる共振回路に
おいて、周囲温度が上昇した場合、傾斜が緩やかなゲイ
ンスロープが発生し、周囲温度が下がった場合、傾斜が
急峻なゲインスロープが発生するが、第1の実施の形態
において説明したように、図1に示した回路におけるQ
値の周囲温度に対する変動とキャパシタC6及びインダ
クタL2からなる共振回路にて発生したゲインスロープ
の周囲温度に対する利得特性の変動とが互いに打ち消す
ように働き、それにより、周囲温度が変化した場合にお
いてもゲインスロープの傾斜特性は一定となる。
【0049】(第5の実施の形態)図9は、本発明の半
導体回路の第5の実施の形態を示す回路図である。
【0050】図9に示すように本形態においては、入力
された信号が2つの異なる信号に分配され、分配された
2つの信号が増幅回路12,13にてそれぞれ増幅さ
れ、増幅回路12,13にて増幅された信号が合成され
て出力される。
【0051】入力端子1を介して入力された信号を位相
の異なる2つの信号に分配する分配手段として、キャパ
シタC34,C35を介して接地されたトランスT1が
設けられ、増幅回路12,13にて増幅された2つの信
号を1つの信号に合成する合成手段として、キャパシタ
C37を介して接地されたトランスT2が設けられてい
る。
【0052】また、増幅回路12は、多段に接続された
FETQ11〜Q13と、2段目のFETとなるFET
Q11のゲート抵抗として互いに並列に接続されて設け
られたサーミスタRt11及び抵抗R13と、サーミス
タRt11及び抵抗R13とFETQ11のゲート端子
との間に設けられたインダクタL13と、増幅回路12
の入力となるFETQ12のゲート端子とドレイン端子
との間に直列に接続された抵抗R11,キャパシタC1
1及びサーミスタRt12と、FETQ12のドレイン
端子と所定電位との間に直列に接続された抵抗R12及
びキャパシタC12と、サーミスタRt11及び抵抗R
13とFETQ12のドレイン端子との間に接続された
キャパシタC13と、FETQ12のドレイン端子とF
ETQ11のソース端子との間に直列に接続されたイン
ダクタL11及び抵抗R17と、インダクタL11と抵
抗R17との接続点と所定電位との間に接続されたキャ
パシタC15と、FETQ12のドレイン端子とFET
Q13のドレイン端子との間に直列に接続された抵抗R
14,キャパシタC14及びサーミスタRt13と、F
ETQ13のゲート端子に接続された抵抗R16と、F
ETQ13のドレイン端子と増幅回路12の出力端子と
の間に互いに並列に接続されて設けられた抵抗R15、
インダクタL12及びキャパシタC16とから構成され
ており、FETQ11のドレイン端子とFETQ13の
ソース端子とが接続されている。
【0053】また、増幅回路13は、多段に接続された
FETQ21〜Q23と、2段目のFETとなるFET
Q21のゲート抵抗として互いに並列に接続されて設け
られたサーミスタRt21及び抵抗R23と、サーミス
タRt21及び抵抗R23とFETQ21のゲート端子
との間に設けられたインダクタL23と、増幅回路13
の入力となるFETQ22のゲート端子とドレイン端子
との間に直列に接続された抵抗R21,キャパシタC2
1及びサーミスタRt22と、FETQ22のドレイン
端子と所定電位との間に直列に接続された抵抗R22及
びキャパシタC22と、サーミスタRt21及び抵抗R
23とFETQ22のドレイン端子との間に接続された
キャパシタC23と、FETQ22のドレイン端子とF
ETQ21のソース端子との間に直列に接続されたイン
ダクタL21及び抵抗R27と、インダクタL21と抵
抗R27との接続点と所定電位との間に接続されたキャ
パシタC25と、FETQ22のドレイン端子とFET
Q23のドレイン端子との間に直列に接続された抵抗R
24,キャパシタC24及びサーミスタRt23と、F
ETQ23のゲート端子に接続された抵抗R26と、F
ETQ23のドレイン端子と増幅回路22の出力端子と
の間に互いに並列に接続されて設けられた抵抗R25、
インダクタL13及びキャパシタC26とから構成され
ており、FETQ21のドレイン端子とFETQ23の
ソース端子とが接続されている。
【0054】なお、FETQ13のゲート端子とFET
Q23のゲート端子とは抵抗R16,R26を介して互
いに接続されている。
【0055】また、トランスT1の入力側には、トラン
スT1と入力端子1との間に直列に接続されたキャパシ
タC33及びインダクタL31と、キャパシタC33と
インダクタL31との接続点と所定電位との間に直列に
接続されたキャパシタC31及び抵抗R31と、キャパ
シタC33とインダクタL31との接続点と所定電位と
の間に接続されたキャパシタC32とが設けられてお
り、さらに、トランスT2の出力側には、トランスT2
と出力端子2との間に直列に接続されたインダクタL3
2及びキャパシタC39と、インダクタL32とキャパ
シタC39との接続点と所定電位との間に接続されたキ
ャパシタC38とが設けられている。
【0056】また、増幅回路12と増幅回路13との間
には、FETQ11のソース端子とFETQ21のソー
ス端子との間に接続された抵抗R41と、FETQ11
のゲート端子とFETQ21のゲート端子との間に直列
に接続された抵抗R39,R40と、抵抗R39と抵抗
R40との接続点とトランスT1との間に直列に接続さ
れた抵抗R33,R34と、抵抗R33とトランスT1
との接続点と所定電位との間に直列に接続された抵抗R
32及びサーミスタRt31,Rt32と、抵抗R3
9,R40の接続点と抵抗R34との接続点と所定電位
との間に接続された抵抗R35と、FETQ12のソー
ス端子とFETQ22のソース端子との間に接続された
抵抗R37と、FETQ12のソース端子と所定電位と
の間に接続された抵抗R36と、FETQ22のソース
端子と所定電位との間に接続された抵抗R38と、抵抗
R16と抵抗R26との接続点とトランスT2との間に
接続された抵抗R42,R43と、抵抗R42と抵抗R
43との接続点と所定電位との間に並列に接続された抵
抗R44及びキャパシタC40と、抵抗R42とトラン
スT2との接続点と所定電位との間に接続されたキャパ
シタC36とが設けられており、さらに、抵抗R33と
抵抗R34との接続点、並びに抵抗R42とトランスT
2との接続点は、電源電圧Vddが印加されている。
【0057】なお、サーミスタRt11,Rt21,R
t31は、周囲温度に応じて負の温度特性を有して抵抗
値が変化する感温抵抗素子であり、サーミスタRt1
2,Rt13,Rt22,Rt23,Rt32は、周囲
温度に応じて正の温度特性を有して抵抗値が変化する感
温抵抗素子である。
【0058】上記のように構成された半導体回路におい
ては、増幅回路12内のキャパシタC13、サーミスタ
Rt11、インダクタL13及びFETQ11によっ
て、図1に示した、キャパシタC1、サーミスタRt、
インダクタL1及びFETQ1からなる回路が構成され
ており、増幅回路12内のインダクタL12及びキャパ
シタC16からなる共振回路にて発生するゲインスロー
プの周囲温度に対する利得特性の変動と、キャパシタC
13、サーミスタRt11、インダクタL13からなる
回路におけるQ値の周囲温度に対する変動とが互いに打
ち消すように働き、それにより、周囲温度が変化した場
合においても、増幅回路12から出力されるゲインスロ
ープの傾斜特性は一定となる。
【0059】また、増幅回路13内においても同様に、
キャパシタC23、サーミスタRt21、インダクタL
23及びFETQ21によって、図1に示した、キャパ
シタC1、サーミスタRt、インダクタL1及びFET
Q1からなる回路が構成されており、増幅回路13内の
インダクタL22及びキャパシタC26からなる共振回
路にて発生するゲインスロープの周囲温度に対する利得
特性の変動と、キャパシタC23、サーミスタRt2
1、インダクタL23からなる回路におけるQ値の周囲
温度に対する変動とが互いに打ち消すように働き、それ
により、周囲温度が変化した場合においても、増幅回路
13から出力されるゲインスロープの傾斜特性は一定と
なる。
【0060】実際に、上記のように構成された増幅器が
50〜860MHzのCATV増幅器であれば、サーミ
スタRt11,Rt21にそれぞれ、周囲温度に応じて
B定数=800の負の温度係数を有して抵抗値が変化す
るサーミスタを用いた場合、30〜100℃の温度範囲
で利得傾斜を0.8dB以内の変化に抑制することがで
きる。
【0061】また、本形態においては、ゲインスロープ
が発生する共振回路を構成するインダクタL12及びキ
ャパシタC16、並びにインダクタL22及びキャパシ
タC26がそれぞれ帰還ループの外部に設けられてい
る。
【0062】そのため、インピーダンスの変化が出力側
においてしか生じず、インピーダンスの修正を容易に行
うことができる。
【0063】また、本形態においては、抵抗R33とト
ランスT1との接続点と所定電位との間にサーミスタR
t31,Rt32が直列に接続されている。
【0064】それにより、所定の温度付近における電流
値が最小値をとり、所定の温度から周囲温度が下がるに
つれて回路電流が増加し、かつ、所定の温度から周囲温
度が上昇するにつれて回路電流が増加するようになり、
温度変化により生じる歪み特性の劣化を防止することが
できる。
【0065】また、本形態においては、抵抗R16と抵
抗R26との接続点と抵抗R42との間に10〜100
Ωの抵抗値を有する抵抗R43が設けられ、かつ、抵抗
R42と抵抗R43との接続点と所定電位との間にキャ
パシタC40が設けられており、それらの回路定数が終
端条件に設定されている。
【0066】それにより、図中のA点において電位変動
が生じた場合、該電位変動(波)が抵抗R43に吸収さ
れ、定在波が発生せず、それが原因となって生じる偶数
次歪み(主にCSO)の劣化を防ぐことができる。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように本発明においては、
FETのゲート抵抗として、周囲温度に応じて負の温度
特性を有して抵抗値が変化する感温抵抗素子を用いたた
め、Q値の周囲温度に対する変動とゲインスロープの周
囲温度に対する利得特性の変動とが互いに打ち消すよう
に働き、それにより、周囲温度が変化した場合における
ゲインスロープ特性の変動を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体回路の第1の実施の形態を示す
回路図である。
【図2】一般的な共振回路における周波数に対する利得
特性の一例を示す図である。
【図3】図1に示した回路における周波数に対する利得
特性を説明するための図である。
【図4】図1に示した回路を用いた場合の周囲温度に対
するゲインスロープの傾斜特性を示す図である。
【図5】図1に示したFETのゲート入力部分の詳細を
示す図である。
【図6】本発明の半導体回路の第3の実施の形態を示す
回路図である。
【図7】負の温度特性を有するサーミスタの特性の一例
を示す図である。
【図8】本発明の半導体回路の第4の実施の形態を示す
回路図である。
【図9】本発明の半導体回路の第5の実施の形態を示す
回路図である。
【図10】特開昭57−83910号公報に示される従
来より用いられている周囲温度変化による利得特性の変
動を補償する回路の構成を示す回路図である。
【図11】周囲温度変化に応じたゲインスロープの利得
特性の変動を示す図である。
【符号の説明】
1 入力端子 2 出力端子 12,13 増幅回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田口 雄一 東京都港区芝浦三丁目18番21号 日本電 気エンジニアリング株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−91008(JP,A) 特開 平11−220333(JP,A) 実公 昭44−16255(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03F 1/00 - 3/72

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドレイン側が出力端子となる第1のFE
    Tと、 該第1のFETのゲート端子と入力端子との間に直列に
    接続された第1のインダクタ、第1の抵抗及び第1のキ
    ャパシタとを有し、 前記入力端子を介して入力された信号を所定量だけ増幅
    して前記出力端子から出力する半導体回路において、 前記第1の抵抗は、周囲温度に応じて抵抗値が変化する
    感温素子であることを特徴とする半導体回路。
  2. 【請求項2】 請求項に記載の半導体回路において、 前記第1のインダクタは、ボンディングワイヤあるいは
    導体パターンによって形成されていることを特徴とする
    半導体回路。
  3. 【請求項3】 請求項または請求項に記載の半導体
    回路において、 前記第1の抵抗と並列に接続された第2の抵抗を有する
    ことを特徴とする半導体回路。
  4. 【請求項4】 請求項乃至のいずれか1項に記載の
    半導体回路において、 前記第1のFETのソース端子と接地間に並列に接続さ
    れた第3の抵抗及び第2のキャパシタと、 前記第1のキャパシタと前記入力端子との間に、前記第
    1のキャパシタにドレイン端子が接続され、前記入力端
    子にゲート端子が接続されて設けられた第2のFET
    と、 該第2のFETのソース端子と接地間に並列に接続され
    た第4の抵抗及び第3のキャパシタと、 前記第2のFETのドレイン端子と接地間に直列に接続
    された第5の抵抗及び第4のキャパシタと、 前記第1のFETと前記出力端子との間に、ゲート端子
    が接地され、ソース端子が前記第1のFETのドレイン
    端子に接続され、ドレイン端子が前記出力端子に接続さ
    れて設けられた第3のFETと、 該第3のFETのドレイン端子と前記第2のFETのド
    レイン端子との間に直列に接続された第6の抵抗及び第
    5のキャパシタと、 前記第3のFETのドレイン端子と前記出力端子との間
    に共振回路を有することを特徴とする半導体回路。
  5. 【請求項5】 請求項に記載の半導体回路において、 前記共振回路は、第2のインダクタと第6のキャパシタ
    とが並列に接続されて構成されていることを特徴とする
    半導体回路。
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