JP2006129443A - 高周波電力増幅器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 利得の温度依存性が小さく、入力の整合が良好で、広帯域、低雑音、かつ、小型な高周波電力増幅器を提供する。
【解決手段】 抵抗値が温度に強く依存する抵抗110と通常の抵抗111との並列回路を、増幅部30の入力整合回路中に信号経路に直列に挿入し、各々の抵抗値を適切な値、例えば増幅部の入力インピーダンスの2/3程度に設定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高周波移動体通信用端末に用いられる高周波電力増幅器に関し、特に利得の温度依存性を低減した高周波電力増幅器に関する。
この種の従来例として、特開2000−031746号公報(特許文献1)に、n段増幅器の初段の入力側に、抵抗とサーミスタの並列回路からなる並列型抵抗減衰器を設け、さらにその入力側にアイソレータおよび/または調整回路を設けた温度補償型増幅器が開示されている。
また、他の従来例として特開平11−220334号公報(特許文献2)には、FETのゲート抵抗としてサーミスタを用い、Q値の周囲の温度に対する変動とゲインスロープの周囲の温度に対する利得特性の変動とを互いに打ち消すように働かせ、周囲温度が変化した場合のゲインスロープの特性の温度変動を補償する半導体回路が開示されている。
特開2000−031746号公報 特開平11−220334号公報
高周波移動体通信端末に用いられる電力増幅器においては、基地局からのパイロット信号等を用いてその出力信号強度を制御する必要がある。特に、CDMA(Code Division Multiple Access)等の線形性を要求する通信方式に用いられる電力増幅器の場合、一般的に電力増幅器は一定の電力利得(以下、単に「利得」と称する)で動作し、電力増幅器の入力信号強度を制御することで出力信号強度の制御を行う。このとき、電力増幅器の利得が大きな温度依存性を有すると、通信端末の制御系に電力増幅器利得の温度依存性のデータを記録して、通信端末の温度に応じた入力信号強度の制御を行う必要がある。
ところが、通信端末の検査時にPGの温度依存性のデータを取得して通信端末の制御系に記録する工程は、端末の温度を変化させるために時間がかかる上に、端末価格を上昇させる。そのため、利得の温度依存性の小さい電力増幅器が求められている。
一方、高周波移動体通信端末に用いられる電力増幅器に必要とされる他の重要な特性として、良好な入力整合、送信帯域内で利得偏差が1dB程度以下であるような広帯域性、低雑音性、小型であることがあげられる。
まず、入力整合については、前段の増幅器と電力増幅器との間に著しい不整合が生じると、前段増幅器が不安定になる場合がある。更に、CDMA等の線形性を要求する通信方式の場合には、前段の増幅器と電力増幅器との間に著しい不整合が生じて前段の出力に電力が戻ると、その影響で前段増幅器の出力が歪み、端末に必要とされる線形性を確保しえない場合が生じる。これらを防止するために必要とされる整合度としては、電力増幅器の入力反射係数として0.2以下が望ましい。
次に、広帯域性については、上記温度依存性と同様に、通信端末の検査時に増幅器利得の周波数依存性を記録して、実使用時に制御系がそのデータを読み出して出力制御を行うが、帯域内利得偏差が小さいことが予め分かっていれば少ない制御用データ量で制御が可能になるという利点がある。
また、電力増幅器の雑音については、通信端末からの不要輻射、特に、端末の受信周波数(以下、Rxと称する)帯域における不要輻射を低減する必要から、その最大値が規定される。一般に、移動体通信においては、送信周波数(以下、Txと称する)は数百MHz〜2GHz程度であり、一方、通信端末のTx帯域とRx帯域とは数十MHz程度しか離れていない。そのため、端末のRx帯における電力増幅器の増幅器利得PGと雑音指数(以下、「NF」と称する)はTx帯でのPGとNFにほぼ等しい。したがって、電力増幅器のTx帯域における電力利得PGとNFとを掛け合わせる(dB表示で足し合わせる)ことにより、Rx帯において生じる雑音電力が求められる。
例えば、W−CDMA方式の規格では、通信端末のRx帯域の輻射を−133dBm/Hz以下と規定している。W−CDMA用電力増幅器に要求される利得は25〜30dBであり、室温における熱雑音が−174dBm/Hzであるので、規定を満たすには雑音指数11〜16dB(PG=25dBの場合、−174+NF+25≦−133からNF≦16dBとなる)が必要となる。実際には、電力増幅器の前段の増幅器からの雑音の寄与、製造時ばらつき、あるいは端末特性の温度依存性を考慮すると、最低でも6dB程度の余裕を設ける必要があり、電力増幅器のNFとして5〜10dBが要求される。
上記の要請に対して、特許文献1では入力反射係数が0.2を超えるという問題点や、アイソレータを必要とするために電力増幅器が小型にならないという問題点があった。
特許文献2では、入力整合回路が直列素子のみで構成されているために整合の自由度が小さく、特に、インピーダンスの実数部分(以下、Rinと称する)についてはサーミスタと通常の抵抗との並列接続で構成される合成抵抗のみを用いて整合させる必要がある。一般的に電力増幅器の入力段に用いられるトランジスタのRinは5Ω以下であるので、入力インピーダンスを50Ωに整合させるためには上記合成抵抗は45Ω以上の値が必要となり、その結果、入力整合回路における利得減衰量が過大となり、また、合成抵抗から発生する雑音により雑音指数が過大となるという問題点があった。
そこで、本発明の目的は、上記の諸問題を解決し、利得の温度依存性が小さく、入力の整合が良好で、広帯域、かつ低雑音で、小型な高周波電力増幅器を提供することにある。
本明細書において開示される発明のうち代表的なものを示せば、下記の通りである。すなわち、本発明に係る高周波電力増幅器は、増幅部と、抵抗値が温度に強く依存する第1の抵抗と通常の抵抗である第2の抵抗との並列回路と、前記並列回路の抵抗の温度変化による損失が前記増幅部の利得の温度依存性(ΔPG)の一部を打ち消す方向の温度変化(ΔG=ΔPG×K:−1<K<0)を有する第1の回路とを含んで成り、入力インピーダンスの実数部(Rin)が50Ωより小さくなるよう前記増幅部の入力側の信号経路に直列に前記第1の回路が設けられ、前記並列回路の合成抵抗Rpの最小値をRpmin、最大値をRpmaxとしたときに、(Rpmin+Rin)/50>2/3、または(Rpmax+Rin)/50<1.5となるように構成されることを特徴とするものである。
本発明の高周波電力増幅器によれば、利得の温度依存性が小さく、入力の整合が良好で、広帯域、かつ低雑音で、小型な高周波電力増幅器を提供することが可能となる。
以下、本発明に係る高周波電力増幅器の実施例について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に係る高周波電力増幅器の第1の実施例を示す回路図である。図1において、参照符号30は増幅部を示し、この増幅部30は初段増幅部10と第2段増幅部20とからなる2段構成である。11は減衰器であり、抵抗値が温度に対して負の依存性を有するサーミスタ110と、通常の使用範囲で抵抗値の温度依存性を無視できる抵抗(以下、通常の抵抗と称する)111との並列回路である。高周波電力増幅器の動作温度範囲を−20℃〜80℃とした時に、増幅部30の利得の温度依存性は、温度に対してほぼ線形に高温側で増幅段一段当たり−2dB程度減少し、2段あわせての利得の温度依存性は−4dBであった。
必要とされる利得の温度偏差の温度補償量については端末仕様から決定されるが、温度補償のない場合の半分の偏差、すなわち、室温の利得±1dB以内の温度偏差を実現するために、サーミスタ110と抵抗111の値を選んだ。その決定方法は、以下の通りである。高周波移動体通信端末に用いられる周波数帯域において、室温における増幅部30の利得は、安定性を考慮すると、最大30dB程度が限度である。線形増幅器に要求される利得として先に述べた25dBと30dBの中間である27.5dBを実現するために減衰器11に許容される減衰量は、室温で2.5dBである。今、サーミスタ110の抵抗値をRt、抵抗111の抵抗値をRn、その両者の並列回路である減衰器11の合成抵抗をRpとし、また、増幅部の初段10を見込んだインピーダンスが実数Rinとなるように増幅部30の入力整合回路を設けた。このとき、減衰器11があることにより入力信号は分圧され、増幅部の入力電圧振幅は減衰器がない場合の{Rin/(Rin+Rp)}であり、電力は電圧振幅の2乗であるので、上記減衰量(−2.5dB以下)の条件から、次の式1が求まる。
Rin/(Rin+Rp)≧0.75 …(式1)
これを変形すると、次の式2となる。
Rin≧3Rp …(式2)
これより、Rin=3Rpとなるように合成抵抗Rpを設定すれば減衰器11の損失が−2.5dBとなる。
一方、サーミスタ110の抵抗値Rtの温度Tへの依存性は温度T0のときにR=R0Ωであるとしたときに、次の(式3)で表される。
R=R0×exp{B(1/T−1/T0)} …(式3)
但し、温度は絶対温度であり、また、Bはサーミスタ材料によって決まる定数で、1500〜4500程度の値となる。
今、サーミスタ110の抵抗値Rtと抵抗111の抵抗値Rnを適当に選ぶことにより並列抵抗減衰器の抵抗値の温度特性を、より線形に近づけることを考慮した。(式2)に基づいて25℃で減衰量が−2.5dBとなるようにRtとRnの組み合わせを変化させた場合の、利得の温度補正のシミュレーション結果を図2に示す。横軸に温度T[℃]を、縦軸に利得変化ΔPGをとり、グラフは25℃での利得補正値を0dBとして示している。サーミスタのみの場合、すなわち抵抗111の値が無限大の場合(特性線a)には低温度側での抵抗値の変化が急激であり、−20℃〜80℃の温度範囲で5dB以上の利得の温度偏差が生じる。一方、並列抵抗の抵抗値として25Ω〜40Ω(特性線d〜f)を選べば温度範囲−20℃〜80℃での増幅器利得の温度偏差を1dB以下に抑制することが可能である。図2に示したサーミスタ110の抵抗値と抵抗111の抵抗値の組み合わせに対する−20℃における並列抵抗減衰器の抵抗値(Rinで規格化した数値)と−20℃〜80℃での利得の温度偏差ΔPGを図3に示す。
同様の計算をさらに詳細に行うことにより、25℃での値に対する利得偏差を±1dBの範囲とするには、Rinが、次の(式4)と(式5)の範囲内であれば良いことが明らかとなった。
0.46<Rt/Rin<1.06 …(式4)
0.49<Rn/Rin<1.22 …(式5)
次に、温度補償をした場合の雑音について考える。本実施例の場合、信号源の50Ωに直列に抵抗が接続されるので、増幅部30の雑音指数NFは(Rp+Rin)/Rinだけ劣化する。今、増幅部30の雑音指数を3dBとすると、電力増幅器に要求される雑音指数5dBに対して、許容される雑音指数劣化は2dBである。これは合成抵抗Rpの最大値Rpmax<0.6Rinに相当する。詳細に検討すると、次の(式6)と(式7)の範囲でRpmax<0.6Rinが成り立つ。
Rn/Rin<0.72 …(式6)
Rt/Rin>0.62 …(式7)
これを上記(式4)、(式5)と併せて、以下の(式8)、(式9)が、利得偏差±1dBと雑音指数劣化2dB以下を実現するために必要であることが明らかとなった。
0.62<Rt/Rin<1.06 …(式8)
0.49<Rn/Rin<0.72 …(式9)
このときの増幅部30の入力整合について、以下に検討する。
入力インピーダンスはRpとRinとの和になるので、Rpの最小値をRpminとすると、入力インピーダンスの最小値は(Rpmin+Rin)、最大値は(Rpmax+Rin)となる。典型的な線形増幅器においては入力の反射係数が0.2以下、すなわち、入力定在波比(VSWR)<1.5であることが要求される。VSWRは、すなわち入力インピーダンスを基準インピーダンスで除した数値であるので、VSWR<1.5を満たすには(Rpmin+Rin)>33.33Ω、(Rpmax+Rin)<75Ωが必要である。
今、入力整合から許容し得る最小の入力インピーダンスをRinに設定すれば、すなわちRin=33.3Ωを与えれば、(式8)、(式9)に挙げた条件はすべて満たされる。従って、ここで検討したB=2850の場合についてはRt,Rnの値を決定するには利得の温度偏差から決定すればよいことが明らかとなった。
上記の検討から、サーミスタの特性定数Bとして2850、Rt=Rn=25Ω、合成抵抗Rp=12.5Ω、Rin=37.5Ωをえらび、温度特性補償型増幅器を構成したところ、設計どおり利得偏差±1dBと雑音指数劣化2dB以下を同時に実現できた。
図2及び図3に示されたこれまでの検討結果は、サーミスタの特性定数Bが2850の場合についての結果であるが、ここで定数Bの依存性について着目すると、B=4500の場合には次の(式4a)、(式5a)となり、このとき、雑音指数劣化<2dBの条件は満たされている。
0.45<Rt/Rin<0.64 …(式4a)
0.70<Rn/Rin<1.26 …(式5a)
一方、B=1500の場合には利得偏差±1dBの条件は次の(式4b)、(式5b)で与えられる。
1.39<Rt/Rin …(式4a)
0.70<Rn/Rin<1.26…(式5a)
ところが、雑音劣化<2dBの条件は、次の(式6a)となり、(式4b)と同時に成り立たない。従って、B=1500の場合には利得偏差±1dBと雑音指数劣化2dB以下を同時に実現することはできない。
Rt/Rin<1.33 …(式6b)
以上を概観すると、サーミスタ110と抵抗111の個々の抵抗値の範囲については、サーミスタ110の温度依存性定数Bに依存して簡単に条件が定まらないが、合成抵抗Rpの範囲については以下の条件が必要となる。まず、(式2)から、入力インピーダンスを最大75Ωまで許容した場合、室温でRp<19Ωが必要となる。また、利得の温度依存性が室温±1dBになるためには、抵抗減衰器11の室温から低温にかけての減衰量変化が−1〜−3dBにならければならない。さらに、(式2)を満たす条件から、室温から低温にかけての合成抵抗Rpの変化量の最大値が31Ω以下である必要がある。
本実施例によれば、利得の温度依存性を有する増幅部30の入力にサーミスタ110及び抵抗111の2個の素子を追加し、増幅部の入力インピーダンスを50Ωよりも小さい値で、かつ入力VSWRの仕様の条件内であるような値(例えば、33.3Ω)に調整し、サーミスタ110及び抵抗111の抵抗値を最適化し、例えば増幅器入力インピーダンスの2/3の値を各々使用することによって、利得の温度依存性が小さく、入力の整合が良好で、かつ低雑音である様な高周波電力増幅器を提供することが可能である。
図4は、本発明に係る高周波電力増幅器の第2の実施例を示す回路図である。本実施例は、並列抵抗からなる減衰器11と入力端子INとの間に直列容量1を設け、減衰器11と増幅部30の間に並列接続されたインダクタ2を設けた回路構成としている点が、図1に示した実施例1と相違する。直列容量1及び並列インダクタ2は、並列抵抗減衰器11と共に増幅器の入力整合回路を構成する。
その整合の状況を、図5のスミスチャートを用いて説明する。増幅部30を入力側から見込んだインピーダンスをAとする。並列インダクタ2によって等アドミタンス円上でインピーダンスが変換され、並列インダクタ2と並列抵抗減衰器11の接続点から増幅器側を見込んだインピーダンスはBとなる。
次に、並列抵抗減衰器11によりインピーダンスが等リアクタンス円上で変換され、並列抵抗減衰器11と直列容量1の接続点から増幅器側を見込んだインピーダンスはCとなる。さらに直列容量1によって等抵抗円上でインピーダンスが変換され、最終的にDにおいては規格化インピーダンス、すなわち50Ωに変換される。
今、A点のインピーダンスが2−j7Ωであるような増幅部に対して、インダクタンス2として0.6nH、合成抵抗Rpとして24Ω、容量1として30pFとしたところ、W−CDMAの帯域の中心周波数である1.95GHzにおいて50Ω整合が得られた。
本実施例における並列抵抗減衰器の温度特性補償効果は、基本的に実施例1と同様であるが、増幅部30の入力インピーダンスが必ずしも抵抗成分だけでなく、リアクタンス成分を含んでも整合がとれる点で異なっている。
温度特性補償効果は、図5に示したB点のインピーダンスと並列抵抗減衰器の抵抗Rpとで入力信号を分圧する分圧比が、抵抗Rpの温度依存性によって温度依存性を有することで生じる。並列抵抗減衰器11の抵抗をRp、インピーダンスBの実数部をRin、虚数部分をXinとすると、分圧比は[(Rin+Xin)/{(Rp+Rin)+Xin}]0.5となる。電力の比は電圧の二乗なので電力比は次の(式10)で表される。
[(Rin+Xin)/{(Rp+Rin)+Xin}] …(式10)
増幅器の利得の温度偏差低減については実施例1と電力比の式が異なるだけで、同様の議論が成り立つ。但し、雑音については実施例1の単純な議論は成り立たない。その点について検討するためにバイポーラトランジスタを用いた増幅器について、合成抵抗Rp[Ω]と雑音指数NFとの関係を回路シミュレーションで解析した。その結果を示したのが図6である。増幅部の入力インピーダンスは、6.6−j7Ωである。図6より、合成抵抗Rpが10Ω程度で、雑音指数NFが5dBに達しており、Rp<10Ωを実現する必要がある。
一般に、電力増幅器用トランジスタの入力インピーダンスは50Ωと比べて低く、10Ω以下になる場合も多い。そのために特許文献2のように直列抵抗のみで実数部分のインピーダンス整合をとろうとすると、損失と雑音が過大になる。本実施例では、まず並列インダクタンス2でインピーダンス変換を行うことによって低インピーダンス状態Aをある程度の高インピーダンスBに変換し、そこで並列抵抗減衰器11を挿入することで過大な損失が生じることを防ぐことを可能にした。
本実施例の構成によれば、上記以外に以下の効果がある。まず、入力において直列容量1によって外部の直流電位が遮断され、増幅部入力に外部直流電圧が印加されないので増幅部の動作が安定する。さらに、静電気放電によるサージ等の外乱が入力端子に加えられたとき、その交流成分が直列容量1を介して入力されても、並列インダクタ2が外乱信号を接地するために増幅部入力端子に外乱電圧が加わることが無く、増幅素子の破壊を防ぐことが可能である。
なお、本実施例の構成において、図7に示すように並列抵抗減衰器11と並列インダクタ2の位置を入れ替えても同様の効果がある。この場合、インピーダンス整合の形式が変わるため、個々の素子値は代える必要があるが、図4に示した回路と同様にインピーダンス整合をとることが可能である。
また、本実施例において、増幅部30については、その入力段にバイポーラトランジスタ、あるいはエンハンスメント型トランジスタ等の、入力端子にバイアス電位を印加して初めて動作する素子を用いた場合には、並列インダクタ2と入力端子INの間に直流を遮断する素子、すなわち、直列容量を挿入することが必須となる。すなわち、図8に示した構成をとる必要がある。図8において、14は直流信号を遮断するためのキャパシタ、12は初段トランジスタ、13はトランジスタのコレクタ電源端子、15は初段と第2段との間の段間整合回路である。その他の記号は、図4と同様である。なお、ベースに直流電圧を供給するバイアス系は省いてある。また、ここではバイポーラトランジスタを用いたが、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ、MISFET、MESFET等を用いても、次に述べる例外を除いては同様に直流遮断用キャパシタ14が必要となる。
その例外とは、入力段の素子としてディプリーション型トランジスタを用い、そのゲートを接地電位で動作させる場合、すなわち、ゲートに直流電位を加えずに使用する場合であり、その場合には、FETのゲートは並列抵抗回路11およびインダクタ2を通じて接地電位にされるので、直列容量14は不要となる。
図9は、本発明に係る高周波電力増幅器の第3の実施例を示す回路図である。図7における並列インダクタ2に換えて、本実施例では並列容量4と、直列インダクタ5とを設けた。それ以外の参照符号については他の図と同様である。並列列容量4及び直列インダクタ5は並列抵抗減衰器11と共に増幅部の入力整合回路を構成する。その整合の状況を図10のスミスチャートを用いて説明する。増幅部30を入力側から見込んだインピーダンスをAとする。直列インダクタ5によって等抵抗円上でインピーダンスが変換され、直列インダクタ2と並列抵抗減衰器11との接続点から増幅部30側を見込んだインピーダンスはEとなる。
次に、並列抵抗減衰器11によりインピーダンスが等リアクタンス円上で変換され、並列抵抗減衰器11と並列容量4の接続点から増幅部側を見込んだインピーダンスはFとなる。次に、並列容量4によってインピーダンスは等コンダクタンス円上で変換されGとなる。さらに直列容量1によって等抵抗円上でインピーダンスが変換され、最終的にDにおいては規格化インピーダンス、すなわち50Ωに変換される。
今、Aが2−j7Ωであるような増幅部30に対して、直列容量1として6pF、並列容量4として2.4pF、合成抵抗Rpとして10Ω、インダクタ5として2.4nHを実装したところ、W−CDMAの帯域の中心周波数である1.95GHzにおいて50Ω整合が得られた。
本実施例において、直列に接続されたインダクタ5と並列抵抗減衰器11は、その配置を入れ替えて図11に示す構成にしても、全く同じ素子値で50Ω整合を実現できる。
また、本実施例においても電圧の分圧比に関しては前述した(式10)が適用可能である。
本実施例の整合回路は、図4に示した実施例2と形式が異なるために帯域特性が異なり、本実施例の構成の方が帯域が広いという効果がある。具体的には、1.95GHzを中心とする増幅器において、実施例2の構成では、利得ピークから1dB利得が低下する周波数帯域幅で80MHzの帯域が得られるのに対して、本実施例では210MHz帯域となった。
さらに、本実施例の構成では減衰器11の信号入力端子INが直列容量1、ならびに並列容量4により接地及び入力端子と遮断されているので、実施例2に示した図8の構成で必要とされた直列容量14は必要ない。
図12は、本発明に係る高周波電力増幅器の第4の実施例を示す回路図である。本実施例は図11に相当する回路の内トランジスタと並列抵抗減衰器に相当する素子を集積化した素子の模式図である。図12において、101はトランジスタのエミッタ電極、102はベース電極、103はコレクタ電極であり、3フィンガのトランジスタを示している。
104は3個のエミッタ電極間を接続してチップ外の接地電位に接続するためのエミッタ配線、105は3個のベース電極間を接続してチップ上の抵抗に接続するためのベース配線、106は3個のコレクタ電極間を接続し、チップ外の電源電位に接続するためのコレクタ配線、112は抵抗値が大きな温度依存性を有する薄膜抵抗素子、107はRF入力端子である。
112の抵抗の製造方法は、以下の通りである。
まず、通常の集積回路作製工程のうち、抵抗膜形成工程において、通常の抵抗膜を形成後、サーミスタ膜形成工程を実施した。サーミスタ膜は、Mn1.3Co1.3Cu0.6の組成を有する材料を70%、RuOを30%含むターゲットを用いて、酸素雰囲気中でスパッタリングにより堆積した。
次に、膜は通常のフォトリソグラフィーとイオンミリングにより所望の形状に加工して2層重ねの抵抗体とした。抵抗体全体を保護絶縁膜で覆った後に、通常のフォトリソグラフィーとドライエッチングによりコンタクト部分の保護絶縁膜を除去し、その上から配線層を被着して抵抗体へのコンタクトを形成した。この積層した抵抗素子112の寸法は、幅300μm、長さ50μmとなった。
本実施例では、実施例1〜3で個別の部品として実装する必要のあったサーミスタ110と抵抗111の2個の素子を積層して形成することにより一個の部品とした。さらに、増幅素子と同じ半導体基板上にその部品を半導体製造工程で作製することにより、2個のチップ部品を用いる場合と比較して1/20以下の面積で形成することを可能にした。
また、基板上部品実装領域として、寸法0.6mm×0.3mmのチップ部品2個と、その周囲0.1mmの部品配置不可能領域とを含めて0.8mm×1.0mmだけ減らすことができ、増幅器領域の小型化が可能となった。
図13に本発明に係る高周波電力増幅器の第5の実施例を示す回路図である。本実施例は、図1に示した回路のうち、増幅部30の回路を構成するトランジスタのバイアス回路に、温度補償回路を用いた構成である。
図13において、12および22はそれぞれ初段及び2段目のトランジスタ、25は出力整合回路、24は段間結合キャパシタ、23は第2段のコレクタ電源端子、501は初段バイアス抵抗、502は初段バイアス電流供給用エミッタフォロワトランジスタ、503は初段バイアス電流を決定するカレントミラートランジスタ、504は初段バイアス回路の高周波信号分離用インダクタ、505は初段バイアス制御端子、506は初段バイアス電源端子、601は第2段バイアス抵抗、602は第2段バイアス電流供給用エミッタフォロワトランジスタ、603は第2段バイアス電流を決定するカレントミラートランジスタ、604は第2段バイアス回路の高周波信号分離用インダクタ、605は2段バイアス制御端子、606は第2段バイアス電源端子である。
本実施例のバイアス回路はいわゆるカレントミラー型の構成として、トランジスタ503に流れる電流に比例した電流がトランジスタ12に、トランジスタ603に流れる電流に比例した電流がトランジスタ22に流れ、その比例係数はそれぞれ、トランジスタ503とトランジスタ12のエミッタ面積比、トランジスタ603とトランジスタ22のエミッタ面積比となる。本実施例では、それぞれのトランジスタの電流増幅率がすべて100となるように設計し、トランジスタ503と603のエミッタ面積を50μmとし、トランジスタ12のエミッタ面積を1000μm、トランジスタ22のエミッタ面積を4000μmとした。
また、抵抗501および601を1000Ωとし、バイアス端子505および605には各々室温で1mAの電流が流れ込むように電圧を設定した。このとき、エミッタフォロワトランジスタ502および602のベースには、トランジスタ12及び22の1/10000(電流増幅率の自乗分の1)の電流しか流れないので、トランジスタ503および603にはそれぞれほぼ1mAの電流が流れ、トランジスタ12および22には20mAおよび80mAの電流が流れる。
素子温度が変化したときにトランジスタの接合電圧は、ほぼ−1.3mV/deg.の温度依存性を示すが、抵抗501及び601の電圧降下1V(=1mA×1000Ω)と比較してその接合電圧変化が小さいので、抵抗を流れる電流はほぼ一定となり、従ってトランジスタ12及び22を流れる電流も温度によらずほぼ一定となる。増幅器の利得はバイアス電流に依存して電流が大きいほど利得が増大するので、高温でバイアス電流を増加させることにより利得の温度依存性を補償することができる。
一方、線形増幅器の線形性はバイアス電流に依存し、高い増幅器効率と線形性を両立させることのできるバイアス電流範囲は狭い。本発明者らの実験により、バイアス電流に温度依存性を持たせて利得の温度依存性を補償した場合には高温で線形性が劣化することが分かった。具体的には、W−CDMA用増幅器において60℃以上の温度で歪が増大し、線形性の規格を外れることが明らかとなった。
並列抵抗減衰器11を初段に用いた高周波電力増幅器において、本実施例の利得の温度補償を行い、バイアス電流をほぼ一定に保つことによりこの問題は解決され、利得±1dBを保ったまま全温度範囲で歪が規格内に収まった。
本実施例の構成を、図14および図15を用いて説明する。図14は実施例2の高周波電力増幅器と同様に、サーミスタ110と通常の抵抗との並列抵抗からなる減衰器11と入力端子RFinとの間に直列容量1を設け、減衰器11と増幅段との間に並列接続されたインダクタ2を設けた、2段増幅器構成の高周波電力増幅器を1個のパッケージに構成した高周波電力増幅器モジュールの斜視図であり、図15はその回路図である。
図15において、参照符号231及び232は各々初段及び終段のベースバイアス電圧供給用RF信号アイソレーションインダクタ、241及び261は各々初段及び終段の電源用チョークインダクタ、242及び262は電源電圧安定化用バイパスコンデンサ、285及び286は出力整合用伝送線路であり、280、281及び283は出力整合用キャパシタ、100は初段増幅トランジスタ、200は最終段増幅トランジスタ、202は前記増幅用トランジスタならびに入力結合容量3及び段間整合容量251を集積化したMMIC(Microwave Monolithic IC)、RFinはRF信号入力端子、RFoutはRF信号出力端子、Vbb1及びVbb2は各々初段及び終段のベースバイアス端子、Vccは電源端子である。
図14に示すように、MMIC202に集積化した伝送線路以外の回路素子については、チップ部品の形で多層セラミック基板204上に搭載し、伝送線路については基板上の伝送線路として形成して、高周波電力増幅器モジュールを構成した。チップ部品はすべて0.6×0.3mmのいわゆる0603部品を用い、増幅用MMIC202の寸法は0.7mm角、モジュール基板は5層アルミナセラミクス、基板厚さは0.5mm、基板寸法は4mm角である。前記図14に示していない樹脂封止を含んだモジュール寸法は、4×4×1.4mmである。
本実施例の特徴は、サーミスタ110と抵抗111からなる並列抵抗減衰器11をチップ部品で構成することにより、占有面積1mm以下で実現し、さらに直流遮断容量3と段間整合容量251とをMMIC202に集積化することでチップ部品数を削減して、利得と線形性の温度依存性が小さい高周波電力増幅器モジュールを、4×4×1.4mmという小さな容積で構成したことである。
本モジュールの利得の温度依存性は、実施例1と同様に、サーミスタの温度依存性定数Bとして2850、Rt=Rn=25Ω、合成抵抗Rp=12.5Ω、Rin=37.5Ωを選び、温度特性補償型増幅器を構成したところ、設計どおり利得偏差±1dBと雑音指数劣化2dB以下とを同時に実現できた。
上記のように、本実施例の構成によれば、小型で利得の温度依存性の小さい高周波電力増幅器を提供できる。なお、本実施例では実施例2の回路をモジュールとしたが、実施例3の回路については、MMIC202の外部に必要とする素子数が変わらないためチップ部品数は変わらない。チップ部品の占有する面積が変わらないので、同一の容積でモジュール化することが可能であることはいうまでもない。
また、本実施例では基板材料としてアルミナセラミクスを用いたが、上記説明において明らかなように、基板はチップ部品を搭載し、増幅器を構成するために必要な配線を提供することと、出力整合回路に用いられる伝送線路を形成するために用いている。したがって、これらの機能を果たす基板であれば、樹脂基板、樹脂多層基板等を用いても同様のモジュールが構成可能であるのは勿論である。その場合、上記伝送線路の損失が電力増幅器としての効率を劣化させるので、伝送線路の損失を決定する伝送線路材料、ならびに伝送線路を構成する基板材料の誘電正接が小さいことが望ましい。
図16は、実施例2の回路を実施例6と同様に1個のパッケージに構成した高周波電力増幅モジュールの斜視図であり、図17はその回路図である。図15においてMMIC202の外側にあった抵抗111及びサーミスタ110を、本実施例ではMMIC203に集積化した。そのため、MMIC203の寸法は0.7×0.9mmと増大したが、基板204に搭載する部品を2個削減した。本実施例では、さらに、チョークインダクタ241を基板内層の線路で実現し、また、電源電圧安定化用バイパスコンデンサ242を省略することにより、さらにチップ部品を2個削減した。そのためにモジュール寸法を4×3mmまで小型化することができた。
上記のように本実施例によれば、いっそう小型でかつ利得の温度依存性が小さい高周波電力増幅器を提供できる
図18は、本実施例の回路構成図である。図18において、参照符号741はバイアス回路の電源電圧安定化用バイパスコンデンサ、205は温度補償バイアス回路を集積化した増幅用MMICである。501〜503、505、601〜603および605は実施例5の図13に示したものと同じ回路素子であり、同じ参照符号を付してある。それ以外の回路素子は、実施例6の図14および図15で示したものと同じ回路素子であり、実施例6と同じ参照符号を付してある。
本実施例は、実施例6において、ベースバイアス回路として実施例5のカレントミラー型のバイアス構成の温度特性補償回路を適用し、その回路をMMIC205に集積化した構成である。バイアス回路をMMIC205に集積化したことにより、MMIC205のチップの大きさは0.8×0.7mmと実施例6よりも増大したが、素子の配置を最適化することにより、樹脂封止を含んだモジュール寸法は、実施例6と同じく4×4×1.4mmに収めることができた。
本実施例によれば、温度補償バイアス回路の効果により、実施例5と同様に、初段バイアス制御端子505、2段バイアス制御端子605に与える電圧を一定にしたまま回路のアイドリング電流を温度に依存せずにほぼ一定に保つことが可能である。その結果、線形性の温度変動を小さくするための外部からの高周波電力増幅器モジュールへのバイアス制御を簡略にすることができた。
また、実施例6と同様の4×4×1.4mmという小さな容積で高周波電力増幅器モジュールを構成できた。さらに、サーミスタ110と抵抗111からなる並列抵抗減衰器の効果により、利得の温度依存性を小さくすることができた。
すなわち、本実施例の構成によれば、小型でかつ利得の温度依存性が小さく、さらにアイドリング電流の温度依存性も小さい高周波電力増幅器モジュールを提供できる。
実施例7におけるMMICの回路構成を、図19に示すように変更して3段増幅器を構成した。図19において、参照符号150は2段目の増幅素子、252は2−3段間の整合容量、Vbb1,Vbb2,Vbb3は各々初段、2段、終段のベースバイアス端子、233は2段目のベースバイアス電圧供給用RF信号アイソレーションインダクタ、253は2段目の電源用チョークインダクタであり、それ以外の回路素子とその参照符号は実施例7と同様である。これにより、MMICチップ203の寸法は0.9×0.8mmと増大したが、以下に述べる利点が得られた。
3段アンプとすることにより、増幅器の利得が増加し、実施例7の2段増幅器では25dBであった利得が、本実施例では最大35dB程度まで実現可能となった。これにより前段増幅器の出力を最大10dB低減することが可能になったため、前段増幅器の歪を著しく減少させることが可能となった。実施例7の増幅器モジュールを用いた場合の前段増幅器の歪は、W−CDMA信号の隣接チャネル漏洩電力(ACPR)の3GPP規格が−33dBcであるのに対して、−40dBcであり、設計上の余裕が十分でなかった。
一方、本実施例の3段電力増幅器においては前段増幅器出力を10dB下げても同一の出力電力が得られるので、前段増幅器を、より線形性の良好な出力領域での使用を可能とし、ACPRで−45dBcが得られて、3GPP規格に対して十分な余裕をとることが可能となった。
本実施例の構成に拠れば、小型/高利得でかつ利得の温度依存性が小さい高周波電力増幅器を提供できる。
本発明に係る高周波電力増幅器の第1の実施例を示す回路図。 図1に示した増幅器の利得偏差の温度依存性の図。 図2に示した利得偏差の温度依存性の数表。 本発明に係る高周波電力増幅器の第2の実施例を示す回路図。 図4の入力整合回路の入力整合を示すスミスチャート。 図4の増幅器の雑音の直列抵抗依存性を示す図。 実施例2の増幅器の変形例を示す回路図。 図7の初段増幅部の入力部分と整合回路を示す回路図。 本発明に係る高周波電力増幅器の第3の実施例を示す回路図。 図9の入力整合回路の入力整合を示すスミスチャート。 実施例3の増幅器の変形例を示す回路図。 本発明に係る高周波電力増幅器の第4の実施例を示す回路図。 本発明に係る高周波電力増幅器の第5の実施例を示す回路図。 本発明に係る高周波電力増幅器の第6の実施例である高周波電力増幅器モジュールの斜視図。 図14に示した高周波電力増幅器モジュールの回路図。 本発明に係る高周波電力増幅器の第7の実施例である高周波電力増幅器モジュールの斜視図。 図16に示した高周波電力増幅器モジュールの回路図。 本発明に係る高周波電力増幅器の第8の実施例を示す回路図。 本発明に係る高周波電力増幅器の第9の実施例を示すMMICの回路構成図。
符号の説明
1…直列入力容量、2…並列インダクタ、3…直列結合容量、4…並列容量、5…直列インダクタ、10…初段増幅器、11…並列抵抗減衰器、12,22…トランジスタ、13,23…コレクタ電源端子、14…直流信号遮断キャパシタ、15,25…段間整合回路、20…第2段増幅器、30…増幅部、100…初段増幅トランジスタ、110…負温度係数サーミスタ、111…抵抗、200…最終段増幅トランジスタ、202,203…MMIC、204…多層セラミック基板、205…MMIC、231,232,233…ベースバイアス電圧供給用RF信号アイソレーションインダクタ、241,261…電源用チョークインダクタ、242,262…電源電圧安定化用バイパスコンデンサ、280,281,283…出力整合用キャパシタ、285,286…出力整合用伝送線路、RFin…RF信号入力端子、RFout…RF信号出力端子、Vbb1、Vbb2、Vbb3…ベースバイアス端子、Vcc…電源端子。

Claims (16)

  1. 増幅部と、
    抵抗値が温度に強く依存する第1抵抗と通常の抵抗である第2抵抗との並列回路とを具備して成り、
    前記並列回路は、抵抗の温度変化による損失が前記増幅部の利得の温度依存性(ΔPG)の一部を打ち消す方向の温度変化ΔG=ΔPG×K(Kは、−1<K<0)を有し、
    入力インピーダンスの実数部Rinが50Ωより小さくなるよう前記増幅部の入力側の信号経路に直列に前記並列回路が設けられ、
    前記並列回路の合成抵抗Rpの最小値をRpmin、最大値をRpmaxとしたときに、(Rpmin+Rin)/50>2/3、または(Rpmax+Rin)/50<1.5となるように構成されることを特徴とする高周波電力増幅器。
  2. 請求項1において
    前記合成抵抗Rpの室温における値が19Ω以下であり、室温から前記増幅部の使用最低温度までの前記合成抵抗Rpの変化量が31Ω以下であることを特徴とする高周波電力増幅器。
  3. 利得の温度依存性を有する増幅部と、
    抵抗値が温度に強く依存する第1抵抗と通常の抵抗である第2抵抗との並列回路と、
    入力端子と前記並列回路との間に信号経路に直列に接続された第1キャパシタと、
    前記並列抵抗回路と前記増幅部との間に信号経路に並列に接続された第1インダクタとを有して成り、
    前記並列回路の抵抗の温度変化による損失が前記増幅部の利得の温度依存性(ΔPG)の一部を打ち消す方向の温度変化(ΔG=ΔPG×K:−1<K<0)を有することを特徴とする高周波電力増幅器。
  4. 請求項3において、
    前記第1キャパシタに代えて第2インダクタに、
    前記第1インダクタに代えて第2キャパシタに、それぞれ置き換えたことを特徴とする高周波電力増幅器。
  5. 利得の温度依存性を有する増幅部と、
    抵抗値が温度に強く依存する第1抵抗と通常の抵抗である第2抵抗との並列回路と、
    入力整合用の素子とを含んで成り、
    前記並列回路の温度変化による損失が前記増幅部の利得の温度依存性(ΔPG)の一部を打ち消すような温度変化(ΔG=ΔPG×K:−1<K<0)を有して成り、
    前記増幅部を構成する増幅素子であるトランジスタのバイアス電流が温度変化に対して実質的に一定であることを特徴とする高周波電力増幅器。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の高周波電力増幅器において、
    前記第1抵抗は、前記増幅部を構成する増幅素子と同じ半導体基板上に形成された抵抗であることを特徴とする高周波電力増幅器。
  7. 請求項3において、
    前記増幅部は初段増幅素子と、第2キャパシタを介して初段増幅素子と接続された終段の増幅素子とで構成され、
    前記初段増幅素子の入力と前記並列回路とが第3キャパシタを介して接続され、
    前記初段および終段の増幅素子にそれぞれ接続された第1および第2バイアス電圧供給用RF信号アイソレーションインダクタと、
    前記初段および終段の増幅素子に接続された第1および第2電源用チョークインダクタと、
    出力整合用伝送線路及び出力整合用キャパシタとを具備し、
    前記第2及び第3キャパシタと前記初段及び終段増幅素子とは第1MMICに集積化され、
    前記第1MMIC以外の回路部品はチップ部品の形で多層セラミクス基板上に、前記第1MMICと共に搭載されて1個のパッケージにモジュールとして構成されることを特徴とする高周波電力増幅器。
  8. 請求項7において、
    前記並列回路が前記第1MMIC内に集積化され、
    前記初段電源用チョークインダクタが前記多層セラミクス基板内層の線路で形成されて成ることを特徴とする高周波電力増幅器。
  9. 請求項7において、
    カレントミラー型のバイアス構成の温度特性補償回路を、前記増幅部の増幅素子のバイアス回路に用いると共に前記第1MMIC内に集積化されて成ることを特徴とする高周波電力増幅器。
  10. 請求項3において、
    前記増幅部は、初段増幅素子と、第2キャパシタを介して初段増幅素子と接続された2段目増幅素子と、第4キャパシタを介して前記2段目増幅素子と接続された終段の増幅素子とで構成され、
    前記初段増幅素子の入力と前記並列回路とが第3キャパシタを介して接続され、
    前記初段、2段目、および終段の増幅素子にそれぞれ接続された第1、第2および第3バイアス電圧供給用RF信号アイソレーションインダクタと、
    前記初段、2段目および終段の増幅素子にそれぞれ接続された第1、第2および第3電源用チョークインダクタと、
    出力整合用伝送線路及び出力整合用キャパシタとを具備し、
    前記第2、第3および第4キャパシタと前記初段、2段目および終段増幅素子とは第2MMICに集積化され、
    前記第2MMIC以外の回路部品はチップ部品の形で多層セラミクス基板上に、前記第2MMICと共に搭載されて1個のパッケージにモジュールとして構成されることを特徴とする高周波電力増幅器。
  11. 請求項9において、
    前記並列回路が前記第2MMIC内に集積化され、
    前記初段電源用チョークインダクタが前記多層セラミクス基板内層の線路で形成されて成ることを特徴とする高周波電力増幅器。
  12. 請求項1において、
    前記第1抵抗はサーミスタであることを特徴とする高周波電力増幅器。
  13. 請求項7において、
    前記初段および終段増幅素子はバイポーラトランジスタであり、
    前記第1および第2バイアス電圧供給用RF信号アイソレーションインダクタはベースバイアス電圧供給用RF信号アイソレーションインダクタであることを特徴とする高周波電力増幅器。
  14. 請求項7において、
    前記第1および第2電源用チョークインダクタに、電源電圧安定化用バイパスコンデンサが接続されて成ることを特徴とする高周波電力増幅器。
  15. 請求項10において、
    前記初段、2段目および終段増幅素子はバイポーラトランジスタであり、
    前記第1、第2および第3バイアス電圧供給用RF信号アイソレーションインダクタはベースバイアス電圧供給用RF信号アイソレーションインダクタであることを特徴とする高周波電力増幅器。
  16. 請求項10において、
    前記第1、第2および第3電源用チョークインダクタに、電源電圧安定化用バイパスコンデンサが接続されてなることを特徴とする高周波電力増幅器。
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