JP3149949B2 - イオン導入送出装置 - Google Patents

イオン導入送出装置

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JP3149949B2 JP51041191A JP51041191A JP3149949B2 JP 3149949 B2 JP3149949 B2 JP 3149949B2 JP 51041191 A JP51041191 A JP 51041191A JP 51041191 A JP51041191 A JP 51041191A JP 3149949 B2 JP3149949 B2 JP 3149949B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、イオン導入法によって、作用薬(agent)
を、経皮的に又は経粘膜的に送出する装置に関するもの
である。更に詳しくは、本発明は、ポリマーに基づく電
極を有する電動イオン導入送出装置に関するものであ
る。
背景技術 Dorland's Illustrated Medical Dictionaryでは、イ
オン導入は、「治療目的のために、電流を用いて、可溶
性塩のイオンを、身体の組織内に導入すること」と定義
されている。イオン導入装置は、1900年代初めから知ら
れている。英国特許明細書第410,009号(1934)には、
その当時の技術において知られている初期のイオン導入
装置の短所の一つ、即ち患者が電源の近くに固定される
必要がある特殊低電圧電源の要求条件を克服するイオン
導入装置が記載されている。前記英国明細書に記載され
ている装置は、電極と経皮的に送出される治療薬(medi
cament)又は薬物(drug)を含む材料から化学電池を成
形することによってつくられた。その化学電池によっ
て、治療薬をイオン導入送出するために必要な電流がつ
くられた。この移動装置によって、患者の日常生活を実
質的に妨げずに、イオン導入薬物送出が可能となった。
更に最近になって、多数の米国特許が、イオン導入分
野において設定された。該特許は、イオン導入法による
薬物送出に関して新たな関心を示している。例えば、Ve
rnonらによって設定された米国特許第3,991,755号;Jaco
bsenらによって設定された米国特許第4,141,359号;Wils
onによって設定された米国特許第4,398,545号;及びJac
obsenらによって設定された米国特許第4,250,878号に
は、イオン導入装置の例と、それらの幾つかの用途が記
載されている。イオン導入法は、塩酸リドカイン、ヒド
ロコルチゾン、フッ化物、ペニシリン、デキサメタゾン
リン酸ナトリウム、インスリン、及び多数の他の薬物を
含む治療薬又は薬物を経皮的に投与するのに有用であ
る、ことが分かった。おそらく、イオン導入法が最も通
常に用いられるのは、ピロカルピン塩をイオン導入で送
出することによって、嚢胞性線維症を診断する場合であ
る。ピロカルピンによって、汗の酸性を刺激して;その
汗を捕集し、汗の塩化物含量を分析して、疾患の存在を
検出する。
現在知られているイオン導入装置では、少なくとも2
つの電極が用いられている。それらの2つの電極は、身
体の皮膚の幾つかの部分と密接に電気的に接触するよう
に配置される。活性電極又はドナー電極と呼ばれる1つ
の電極は、イオン物質、治療薬、医薬前駆物質又は薬物
を、イオン導入法によって、身体の中に送出する電極で
ある。対電極又はリターン電極と呼ばれるもう一方の電
極は、身体中を通る電気回路を閉じるのに役立つ。電極
が接触している患者の皮膚に関して、回路は、電極を電
源に、例えばバッテリーに接続することによって、完成
される。例えば、身体の中に送出されるイオン物質が、
正の電気を有するイオン(即ち、カチオン)である場
合、アノードは活性電極となり、カソードは回路を完成
させるのに役立つ。イオン物質が、負の電気を有するイ
オン(即ち、アニオン)である場合、カソードは活性電
極となり、アノードは対電極となる。
別法として、アノードとカソードの双方を用いて、身
体の中に、反対の電荷を有する薬物を送出することがで
きる。そのような場合には、双方の電極が、活性電極又
はドナー電極であると考えられる。例えば、アノード
は、身体の中に、陽電荷を有するイオン物質を送出する
ことができ、カソードは、身体の中に、陰電荷を有する
イオン物質を送出することができる。
又、イオン導入送出装置を用いて、身体の中に、無電
荷の薬物又は作用薬を送出することができる。前述の事
柄は、電気浸透と呼ばれる方法によって達成される。電
気浸透は、ドナー電極により皮膚を横断するように配置
した電界を存在させることによって誘発される液体溶媒
(例えば、無荷電の薬物又は作用薬を含む溶媒)の経皮
的流れである。本明細書で用いている「イオン導入」と
いう用語は、(1)電気移動による荷電薬物又は荷電作
用薬の送出、(2)電気浸透法による無荷電薬物又は無
荷電作用薬の送出、(3)電気移動と電気浸透とを組合
わせた方法による荷電薬物又は荷電作用薬の送出、及び
/又は(4)電気移動と電気浸透とを組合わせた方法に
よる荷電及び無荷電の薬物又は作用薬の混合物の送出、
を指している。
更に、一般的に、現在のイオン導入装置は、身体の中
にイオン導入送出される(好ましくは、イオン化された
又はイオン化可能な作用薬、又は該物質の前駆物質であ
る)有用な作用薬の溜め又は源を必要とする。イオン化
された又はイオン化可能な作用薬のそのような溜め又は
源の例としては、前記したJacobsenによる米国特許第4,
250,878号に記載されているパウチ、又はWebsterによる
米国特許第4,383,529号とAriuraらによる米国特許第4,4
74,570号とに記載されている予備成形ゲル体が挙げられ
る。そのような薬物溜めは、イオン導入装置のアノード
又はカソードと電気的に接続されていて、1つ又はそれ
以上の望ましい作用薬の固定又は交換可能な源を提供す
る。
更に最近では、ドナー電極アセンブリー及び対電極ア
センブリーが「多重ラミネート(multi−laminate)」
構造を有するイオン導入送出装置が開発された。それら
の装置では、ドナー電極アセンブリー及び対電極アセン
リーは、それぞれ、ポリマーマトリックス(通常は)の
多重層によって成形されている。例えば、Parsiによる
米国特許第4,731,049号には、親水性ポリマーに基づく
電解質溜め層と薬物溜め層、皮膚接触ヒドロゲル層、及
び任意に1つ又はそれ以上の半透膜層を有するドナー電
極アセンブリーが記載されている。Sibalisによる米国
特許第4,640,689号は、ドナー電極(204)、第一薬物溜
め(202)、半透膜層(200)、第二薬物溜め(206)、
及び微孔質皮膚接触膜(22′)を含むドナー電極アセン
ブリーを有するイオン導入送出装置を、図6に記載して
いる。電極は、炭化プラスチック金属ホイル、又は金属
化マイラーフィルムのような他の導電性フィルムから成
形することができる。更に、Ariuraらによる米国特許第
4,474,570号には、電極アセンブリーが、導電性樹脂フ
ィルム電極層、親水性ゲル溜め層、電流分布導電層(cu
rrent distribtion and conducting layer)、及び絶縁
支持層を含む装置が記載されている。Ariuraらは、アル
ミニウムホイル電極、炭素繊維不織布電極、及び炭素含
有ラバーフィルム電極を含む幾つかの異なるタイプの電
極層を記載している。
他には、粉末金属のような導電性充填剤を充填したラ
バーマトリックス又は他のポリマーマトリックスを含む
電流分布膜を有する生体医用電極を用いることも提案さ
れている。それについては米国特許第4,367,745号を参
照せよ。しかしながら、上記フィルムは、幾つかの短所
を有している。その第一は、ポリマーマトリックス中に
充填されている金属粒子が、約65容量%に近づくにつれ
て、マトリックスは、分解し始め、非常に脆くなるの
で、取り扱うことができなくなる、ことである。金属粒
子を約50−60容量%充填しただけでも、製造されるフィ
ルムは、極度に堅くなるので、非平面に対して十分に適
合しない。従って、皮膚又は粘膜上に被せるように電極
をデザインする時に、特に不都合である。体表面に被せ
るように適合させたイオン導入電極は、該電極を適用す
る体表面の自然な形状に対して適合するように十分な柔
軟性を有していなければならない。
イオン導入送出装置の薬物及び電解質溜め層は、親水
性ポリマーから成形した。それについては、例えば、Ar
iuraらによる米国特許第4,474,570号;Websterによる米
国特許第4,383,529号及びSasakiによる米国特許第4,76
4,164号を参照せよ。親水性ポリマーを用いる理由は、
幾つかある。第一の理由としては、水は、多数の薬物塩
をイオン化するのに好ましい溶媒であるからである。第
二の理由としては、身体に付着している間に、皮膚から
水(即ち、経皮的水損失又は汗)を吸収することによっ
て、又は粘膜から水(例えば、口の粘膜の場合には唾
液)を吸収することによって、親水性ポリマー部材(即
ち、ドナー電極のところにある薬物溜め、及び対電極の
ところにある電解質溜め)が、水和することができるか
らである。いったん水和すると、該装置は、身体の中
に、イオン化した作用薬を送出し始める。前記の事柄に
よって、薬物溜めを、乾燥状態で製造することが可能と
なり、装置の貯蔵寿命がより長くなる。
又、従来技術は、薬物送出効率とpH極値によって惹起
される皮膚熱傷を最小にするという観点から、ある種の
電極複合材料が好ましい、ことも認めていた。例えば、
米国特許第4,744,787号;第4,747,819号;及び第4,752,
285号には、装置を動作させている間に、酸化又は還元
されるイオン導入電極が記載されている。好ましい電極
材料としては、薬物の塩化物塩を送出するのに用いられ
る銀アノード電極、及び銀/塩化銀カソード(リター
ン)電極がある。アノードで発生する銀イオンは、薬物
対イオン(即ち、塩化物イオン)と結合して、不溶性塩
化銀沈殿を生成させる。それによって、薬物イオンと銀
イオンとの間の競争が減少して、身体の中への送出が容
易になって、装置の効率が増大する。
本発明の説明 イオン導入送出装置のための改良電極を提供すること
は、本発明の目的である。
前記目的と他の目的は、ドナー電極アセンブリー、対
電極アセンブリー、及びドナー電極・対電極アセンブリ
ーを含む電動イオン導入送出装置によって達成される。
ドナー電極・対電極アセンブリーの少なくとも1つは、
体表面に対して送出する作用薬を入れて置くように適合
された作用薬溜め、及び電源と作用薬溜めに電気的に接
続するように適合させた電極を含む。該電極は、装置の
運転中に酸化又は還元される化学種を約5−40容量%、
及びマトリックス中を通る複数のイオン伝導路を形成す
る、液体溶媒(例えば、水)を吸収することができる作
用薬を約10−50容量%含むポリマーマトリックスを含
む。
電極がアノードである場合、化学種は、装置の運転中
に、酸化されるものであり、好ましくは銀又は亜鉛のよ
うな酸化可能な金属である。
電極がカソードである場合、化学種は、装置の運転中
に、還元されるものであり、好ましくは塩化銀又は還元
可能な金属である。溶媒吸収剤は、好ましくは、実質的
に、溶媒中で不溶性である親水性ポリマーからつくる。
図面の簡単な説明 図1は、本発明に従うイオン導入薬物送出装置の概略
図である。
図2は、本発明に従うイオン導入送出装置のもう1つ
の態様を示している概略図である。
本発明を実行する方法 図1は、体表面22を通して有用な作用薬を送出するイ
オン導入送出装置10の該略図である。体表面22は、一般
的には、無傷の皮膚又は粘膜である。イオン導入送出装
置10は、ドナー電極アセンブリー8、対電極アセンブリ
ー9、電源27(例えば、バッテリー)、及び任意の制御
回路19を含む。
ドナー電極アセンブリー8は、ドナー電極11と作用薬
溜め15を含む。作用薬溜め15は、装置10によってイオン
導入送出される有用な作用薬を含む。ドナー電極アセン
ブリー8は、イオン導電性接着層17によって体表面22に
付着する。
イオン導入送出装置10は、電極アセンブリー8から離
れている体表面22上に配置する対電極アセンブリー9を
含む。対電極アセンブリー9は、対電極12と電解質溜め
16を含む。対電極アセンブリー9は、イオン導電性接着
層18によって、体表面22に付着する。ドナー電極・対電
極アセンブリー8と9は、通常は、図には示されていな
いが、電極アセンブリー8と9を体表面22に適用する前
に除去する可剥性剥離ライナーを含む。
電解質溜め16は、薬理学的に受容可能な塩を含む。溜
め16に適当な電解質としては、塩化ナトリウム、アルカ
リ塩、塩化物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、リン酸塩、及
びアスコルビン酸塩、クエン酸塩、酢酸塩及びそれらの
混合物のような有機塩が挙げられる。又、溜め16は、緩
衝剤も含むことができる。対電極12がカソードで、銀/
塩化銀を含んでいる場合には、塩化ナトリウムは適当な
電解質であり、任意にリン酸ナトリウム緩衝剤を有す
る。
装置10が貯蔵状態にある時には、該装置は、開回路を
形成するので、電流は流れない。装置10を患者の皮膚又
は粘膜上に配置して、溜め15と16、層17と18、及び電極
11と12がイオンの伝導を許す程十分に水和したら、電極
間の回路を閉じて、電源から、装置と患者の身体の中に
電流を送り始める。装置10の導電性部分(即ち、電源27
を電極11と12に接続するのに用いられる部分)を流れる
電流は、電子によって運ばれる(電子伝導)。装置10の
水和部分(例えば、電極11と12、作用薬溜め15、電解質
溜め16、及びイオン伝導性接着層17と18)を流れる電流
はイオンによって運ばれる(イオン伝導)。電流が装置
の中を流れるためには、電荷を、それぞれ電極11と12で
起こる酸化・還元電荷移動反応によって、電源27から、
電極11と12のところにある溶液の中の化学種へと移動さ
せる必要がある。
電極11と12は、それぞれ、疎水性ポリマーマトリック
スを含んでいる。該マトリックスは、液体溶媒、一般的
には水性溶媒を吸収でき、それによってマトリッス中に
イオン伝導路を形成することができる作用薬を約10−50
容量%含む。又、該マトリックスは、装置の運転中に、
酸化又は還元される化学種を約5−40容量%含む。電極
11と12のためのマトリックスとして用いられるポリマー
は、好ましくは、溶媒吸収剤、及び酸化又は還元される
化学種と適当に混合することができる疎水性ポリマーか
ら選択される。本発明で用いる場合、疎水性ポリマー
は、約90%を超える相対湿度を有する雰囲気に長期に暴
露した後で、平衡含水率20容量%未満、好ましくは約15
容量%未満、最も好ましくは約10容量%未満を有する任
意のポリマーである。以下のものに限定するものではな
いが、電極11と12のマトリックスとして用いる適当なポ
リマーの例としては、ポリアルケン、ポリイソプレン、
例えばポリイソブチレンのようなラバー、エチレン酢酸
ビニルコポリマー、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ塩
化ビニル、改質セルロースポリマー、高度に架橋された
ポリウレタンオキシド、及びそれらの混合物が挙げられ
る。電極11と12のための好ましい疎水性ポリマーマトリ
ックスとしては、ポリイソブチレン、エチレン酢酸ビニ
ルコポリマー、及びそれらの混合物が挙げられる。
電極11と12のポリマーマトリックスは、装置の運転中
に、酸化又は還元される化学種を約5−40容量%、好ま
しくは約15−30容量%、最も好ましくは約20−25容量%
含む。上記したように電流が装置10の中を流れると、電
極11と12のうちの少なくとも1つの中で、幾らかの化学
種が酸化又は還元される。最も一般的には、被酸化性化
学種の酸化は、アノード中で起こり、被還元性化学種の
還元は、カソード中で起こる。様々な電気化学的反応を
用いることができるが、本発明においては、電極11と12
のうちの少なくとも1つの部分が電荷移動化学反応に関
与するような、即ち電極11と12のうちの少なくとも1つ
において物質が消費されるか又は発生するような一組の
電荷移動反応を用いる。前記反応は、電極中で起こる酸
化及び/又は還元反応によって達成される。好ましい酸
化/還元反応の例としては、以下の: Ag=Ag++e- Zn=Zn+2+2e- Cu=Cu+2+2e- Ag+Cl-=AgCl+e- Zn+2Cl-=ZnCl2+2e- (式中、正反応は、アノード電極中で起こる酸化反応で
あり、逆反応は、カソード電極中で起こる還元反応であ
る)がある。他の標準電気化学的反応とそれらの各還元
電位は、当業において公知である。CRC Handbook of Ch
emistry and Physics,pp D 151−58,67版(1986−198
7)を参照せよ。
電極をアノードとして用いる場合、化学種は、装置の
運転中に酸化されるべきである。酸化可能な適当な化学
種としては、銀、亜鉛、銅、ニッケル、スズ、鉛、鉄、
及びクロムのような導電性材料が挙げられる。他の酸化
可能な化学種は、CRC Handbook of Chemistry and Phys
ics,57版,D−141−D−146に記載されている。酸化可能
な好ましい化学種は、導電性金属であり、好ましくは粉
末形態である。最も好ましくは、銀粉末と亜鉛粉末であ
る。非導電性の酸化可能な化学種を用いることもできる
が、その場合には、ポリマーマトリックスに対して追加
の導電性充填剤を添加することが必要である。適当な導
電性充填剤としては、炭素繊維又は黒鉛繊維、炭素粉末
又は黒鉛粉末、及び粉末金属がある。
電極をカソードとして用いる場合、化学種は、装置の
運転中に還元されるべきである。還元可能な適当な化学
種としては、塩化銀、臭化銀、ヘキサシアノ鉄酸銀、硫
黄第二銅、塩化第二銅、及びCRC Handbook of Chemistr
y and Physics,57版,D−141−D−146に記載されている
他の還元可能な化学種が挙げられる。好ましくは、還元
可能な化学種は、導電性でもある。それらの中で最も好
ましいのは、塩化銀である。非導電性の還元可能な化学
種(例えば、硫黄第二銅、塩化第二銅)を用いることも
できるが、その場合には、ポリマーマトリックスに対し
て追加の導電性充填剤を添加することが必要である。適
当な導電性充填剤としては、炭素繊維又は黒鉛繊維、炭
素粉末又は黒鉛粉末、及び粉末金属がある。
いったん水和すると、電極11と12は、それぞれ、その
中を通る複数の液体溶媒含有路を有する。それらの経路
は、電極11と12のマトリックス全域で、水のような溶媒
を吸収することができる作用薬を、十分な量、即ち一般
的には約10−50容量%、好ましくは約20−35容量%、最
も好ましくは約25−30容量%混合することによって、形
成することができる。電極11と12は、非水和条件で製造
することができ、それによって電極と装置は、より長く
て且つより安定な貯蔵寿命を得ることができる。使用時
には、水、及び/又は別の液体溶媒を、電極に適用する
ことができる。作用薬溜め15と電解質溜め16も、乾燥
(例えば、非水和)状態で製造するある種の状態では、
それらの同じ経路を用いて、液体溶媒を、非水和薬物及
び/又は電解質溜め及び/又はイオン伝導性接着層の中
に導き、それらの追加の層を水和させて、装置を運転
(例えば、水和)状態にすることができる。
液体溶媒を吸収することができ、それによって電極11
と12の中を通るイオン伝導路を形成することができる作
用薬は、一般的には、水吸収剤である。なぜならば、経
皮的に薬物をイオン導入送出するのに好ましい媒体は水
性ベースのものであるからである。好ましい溶媒吸収剤
は、実質的に水に対して不溶性の親水性ポリマーであ
る。本発明で用いる場合、親水性ポリマーは、約90%を
超える相対湿度を有する雰囲気に長期に暴露した後で、
平衡含水率が少なくとも20重量%、好ましくは少なくと
も約30重量%、最も好ましくは少なくとも約40重量%で
あるポリマーである。適当な水不溶性ポリマーの例とし
ては、ポリビニルピロリドン、例えばポリエチレンオキ
シド、Polyox(登録商標)、ポリアクリル酸又はCarbop
ol(登録商標)を配合したPolyox Carbowaxes(登録商
標)、高結晶化ポリビニルアルコールのようなヒドロゲ
ル、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒド
ロキシプロピルセルロース、高結晶化ポリビニルアルコ
ールとヒドロキシプロピルメチルセルロースとの混合物
のようなセロース誘導体、例えばアイオア州Muscatine
にあるGrain Processing Corp.からWaterlock(登録商
標)という商標名で市販されている澱粉・グラフトポリ
(Naアクリレート コ・アクリルアミド)ポリマーのよ
うな不溶性澱粉誘導体など、及びそれらの配合物が挙げ
られる。
図2には、番号20で示したもう1つのイオン導入送出
装置を記載している。装置10と同様に、装置20も、電源
27(例えば、バッテリー)と任意の制御回路19を含む。
しかしながら、装置20においては、ドナー電極アセンブ
リー8と対電極アセンブリー9は、絶縁体26に物理的に
結合していて、単一自蔵ユニットを形成している。絶縁
体26は、電極アセンブリー8と9との間の電気及び/又
はイオンの移動を妨げることによって、電極アセンブリ
ー8と9がショートするのを防止する。絶縁体26は、好
ましくは、イオンと水の双方の通路に対して不透過性で
ある疎水性非導電性ポリマー材料から成形する。好まし
い絶縁材料は、非孔質のエチレン酢酸ビニルコポリマー
である。
別法として、ドナー電極アセンブリー8と対電極アセ
ンブリー9の双方を用いて、体表面22を通して異なる有
用な作用薬をイオン導入送出することができる。例え
ば、正の作用薬イオンは、アノード電極アセンブリーか
ら体表面22を通して送出することができ、負の作用薬イ
オンは、カソード電極アセンブリーから送出することが
できる。又、中性の薬物は、電気浸透によって、どちら
の電極アセンブリーからも導入することができる。
図2に示したドナー電極アセンブリー、絶縁体26、及
び対電極アセンブリー9の並列アライメントに対する別
法として、電極アセンブリーを、中心に配置された対電
極アセンブリーと同軸的に整列させ、更に絶縁体26とド
ナー電極アセンブリーとによって、その周囲を取囲むこ
とができる。もし望むならば、電極アセンブリーを、中
心に配置されたドナー電極アセンブリーを取囲んでいる
対電極アセンブリーと置き換えることができる。電極ア
センブリーの同軸アライメントは、円形、長四角形、又
は様々な幾何学的形状のうちのいずれかであることがで
きる。
電源27は、一般的に、1つ又はそれ以上のバッテリー
である。バッテリーの代わりに、異種の電気化学的対物
質を含んでいて、互いに電気的に接触するように配置さ
れている、ドナー電極11と対電極12とにより形成される
電池対物質(galvanic couple)によって、装置10に動
力を供給することができる。カチオン作用薬を、身体の
中に送出するための一般的な手段としては、亜鉛ドナー
電極11と銀/塩化銀対電極12が挙げられる。Zn−Ag/AgC
l電池対物質によって、約1ボルトの電位が提供され
る。
作用約溜め15と電解質溜め16は、例えば溶融配合、溶
液流円、又は溶媒押出によって、希望する作用薬、薬
物、電解質、又は他の成分をポリマーと配合して、成形
することができる。ポリマーマトリックスにおける薬物
及び/又は電解質の配合量は、一般的に、約10−60容量
%であるが、前記範囲以外の配合量を用いることもでき
る。
溜め15と16のマトリックスとして用いるのに適当なポ
リマーとしては、以下のものに限定する訳ではないが、
例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレ
ン、及びポリアルケンのような疎水性ポリマー、例えば
ポリイソブチレンのようなラバー、例えばKraton(登録
商標)、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニルコポリマ
ーのようなコポリマー、ナイロンを含むポリアミド、ポ
リウレタン、ポリ塩化ビニル、酢酸セルロース、酢酸酪
酸セルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース、及
びそれらの配合物;及び例えばヒドロゲル、ポリビニル
ピロリドン、ポリエチレンオキシド、Polyox(登録商
標)、ポリアクリル酸又はCarbopol(登録商標)を配合
したPolyoxのよな親水性ポリマー、例えばヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ペクチン、澱粉、グアールゴム(guar gum)、イナ
ゴマメのさやのゴム(locust bean gum)のようなセル
ロース誘導体など、及びそれらの配合物が挙げられる。
溜め15と16の接着特性は、樹脂状粘着付与剤を加える
ことによって、向上させることができる。この事は、不
粘着性ポリマーマトリックスを用いる場合には、特に重
要である。適当な粘着付与剤の例としては、デラウェア
州ウィルミントンにあるHercules,Inc.からStaybelite
Ester #5と#10,Regal−RezとPiccotacという商標名
で市販されている製品がある。更に、マトリックスは、
流動学的作用薬を含むことができ、その例としては、鉱
油とシリカがある。
薬物と電解質に加えて、溜め15と16は、緩衝剤、染
料、顔料、不活性充填剤、及び他の付形剤のような他の
従来の材料を含むこともできる。
任意に制御回路19が提供される。制御回路19は、「即
時応答」薬物送出(例えば、疼痛制御のための鎮痛薬の
即時応答送出)のためのオンオフスイッチ、タイマー、
固定又は可変電気抵抗器、望ましい周期で自動的に装置
をオンオフして身体の自然パターン又は概日パターンと
調和させる制御器、又は当業において公知の他のより精
巧な電子制御装置の形態を取ることができる。例えば、
装置10から、予め決めた一定レベルの電流を送出するこ
とが望ましいと考えられる。その理由は、一定の電流レ
ベによって、皮膚を通って薬物又は作用薬が一定速度で
確実に送出される、からである。電流のレベルは、様々
な公知の手段、例えば抵抗器又は電界効果トランジスタ
又は限流ダイオードによって制御することができる。制
御回路19は、有用な作用薬の一回の投薬量を制御した
り、又は一回の投薬量を調節するためのセンサーの信号
に応答して予め決めた一回の投薬量管理を維持するよう
にプログラムすることができるマイクロチップを含むこ
ともできる。比較的単純な制御器又はマイクロプロセッ
サは、時間の関数として電流を制御することができ、且
つもし望むならば、パルス又は正弦波のような複合電流
波形を発生させることができる。更に制御回路19は、生
体信号を監視するバイオフィードバックシステムを用い
ることができ、療法の評価を提供し、それに応じて薬物
送出を調節する。その一般的な例としては、糖尿病患者
に対するインスリン投与を制御するための血糖量のモニ
タリングがある。
本明細書では、ドナー電極アセンブリー及び/又は電
解質塩に言及する場合、及び対電極アセンブリーに言及
する場合、「作用薬」という用語は、薬物又は他の有用
な治療薬(therapeutic agent)を指している。「薬
物」及び「治療薬」という用語は、互いに交換して用い
ることができ、且つ生物有機体に送出して、望ましい、
通常は有用な効果を作り出す任意の治療活性物質を示す
ことを意図している。一般的に、前記用語は、以下のも
のに限定するものではないが、例えば抗生物質及び抗ウ
イルス薬のような抗感染薬、鎮痛薬と鎮痛薬を併用した
もの、麻酔薬、食欲減退薬(anorexics)、抗関節炎
薬、抗喘息薬、抗痙攣薬、抗鬱薬、抗糖尿病薬、下痢止
め薬、抗ヒスタミン薬、抗炎症薬、抗片頭痛製剤、抗動
揺病製剤、制吐薬、抗腫瘍薬、抗パーキンソン薬、かゆ
み止め薬、抗精神病薬、解熱薬、胃腸と泌尿器を含む鎮
痙薬、抗コリン作用薬、交感神経作用薬、キサンチン誘
導体、カルシウムチャネル遮断薬、ベータ遮断薬、抗不
整脈剤、抗高血圧薬、利尿薬、全身、心臓、末梢、及び
脳を含む血管拡張薬、中枢神経系刺激薬、せき及びかぜ
製剤、うっ血除去薬、診断薬、ホルモン、催眠薬、免疫
抑制薬、筋弛緩薬、副交感神経遮断薬、副交感神経作用
薬、プロテイン、ペプチド、精神刺激薬、鎮痛薬、及び
精神安定剤を含む主要な治療学分野の全てにおいて用い
られている治療薬を包含している。
又、本発明は、ペプチド、ポリペプチド、プロテイ
ン、及び他の高分子を制御送出するのにも有用である。
それらの高分子物質は、一般的には、少なくとも約300
ダルトン、更に一般的には、約300−40,000ダルトンの
分子量を有する。前記サイズのペプチド及びプロテイン
の特有な例としては、以下のものに限定する訳ではない
が、LHRH、例えばブゼレリン、ゴナドレリン、ナフレリ
ン、及びロイプロライドのようなLHRH類似体、GHRH、イ
ンスリン、ヘパリン、カルシトニン、エンドルフィン、
TRH、NT−36(化学名;N=[[(s)−4−オキソ−2
−アゼチジニイル]カルボニル]−L−ヒスチジイル−
L−プロリンアミド)、リプレシン、下垂体ホルモン
(例えばHGH、HMG、HCG、デスモプレシンアセテートな
ど)、卵胞ルテオイド(Follicle luteoid)、αANF、
成長因子放出因子(GFRF)、βMSH、ソマトスタチン、
ブラジキニン、ソマトトロピン、血小板誘導成長因子、
アスパラギナーゼ、硫酸ブレオマイシン、キモパパイ
ン、コレシストキニン、絨毛性ゴナドトロピン、コルチ
コトロピン(ACTH)、エリトロポイエチン、エポプロス
テノール(血小板凝集阻害薬)、グルカゴン、ヒアルロ
ニダーゼ、インターフェロン、インターロイキン−2、
メノトロピン(ウロホリトロピン(FSH)とLH)、オキ
シトシン、ストレプトキナーゼ、組織プラスミノゲン活
性薬、ウロキナーゼ、バソプレッシン、ACTH類似体、AN
P、ANPクリアランス阻害薬、アンギオテンシンII拮抗
薬、抗利尿ホルモン作用薬、抗利尿ホルモン拮抗薬、ブ
ラジキニン拮抗薬、CD4、セレダーゼ、CSF's、エンケフ
ァリン、FABフラグメント、IgEペプチド抑制薬、IGF−
1、神経栄養因子、副甲状腺ホルモン及び作用薬、副甲
状腺ホルモン拮抗薬、プロスタグランジン拮抗薬、ペン
チゲタイド、プロテインC、プロテインS、レニン阻害
薬、サイモシンα−1、血栓崩壊薬、TNF、ワクチン、
バソプレシン拮抗薬類自体、α−1抗トリプシン(組換
え型)が挙げられる。最も好ましくは、送出する薬物又
は作用薬の水溶性塩を用いる。
電極アセンブリー8と9の合計皮膚接触面積は、1cm2
未満から200cm2を超える面積まで、変化させることがで
きる。しかしながら、平均的な装置10は、合計皮膚接触
面積約5−50cm2の電極アセンブリーを有する。
図1と図2に示したイオン伝導性接着層17と18の代わ
りとして、イオン導入送出装置10と20を、接着上塗を用
いて皮膚に接着させることができる。その場合、受動経
皮的送出装置を固定するのに用いられる従来の接着上塗
のうちのいずれかのものを用いることができる。イオン
伝導性接着層17と18の代わりとして用いられるもう1つ
のものは、溜め15及び/又は16を取囲んでいる外周接着
層であり、それによって、溜め15及び/又は16は、患者
の皮膚と直接に接触する表面を有することになる。
上記のように本発明を説明して来たが、更に、以下の
実施例によって、本発明の好ましい態様を説明する。
実施例I 粉末銀と架橋ポリビニルピロリドンを、ポリイソブチ
レンマトリックスに混合することによって、アノード電
極を作った。まず最初に、分子量1,200,000を有する
(テキサス州IrvingにあるExxon Corp.から市販されて
いる)ポリイソブチレン(PIB)11.4gを、50cm3ブラベ
ンダーミキサー(ニュージャージー州South Hackensack
にあるBrabender instruments,Inc.製)に加えた。ミキ
サーボウルを80℃まで予熱し、ブレード速度を30回転/
分に設定した。分子量35,000を有する(テキサス州Irvi
ngにあるExxon Corp.から市販されている)ポリイソブ
チレン(PIB)11.4gを、そのミキサーにゆっくりと加え
た。それらが十分に混合されるまで約5分間混合した。
その後、ニュージャージー州WayneにあるGAF Corp.から
市販されている、架橋度10%のポリビニルピロリドン1
1.3gを、約5分間にわたって、ミキサーにゆっくりと加
えた。更にそこに、平均粒子サイズ約8ミクロンを有す
る銀粉末118.1gを、約15分間にわたって、ミキサーにゆ
っくりと加え、更に30分間、混合し続けた。
材料の5バッチ(約250cm3)を、0.75インチスクリュ
ーを有するブラベンダー押出機の中に装填した。スクリ
ューにおける温度は、約110℃であった。幅4インチの
ダイ開口を有し、1−40ミルの間で高さを調節すること
ができる可変シート押出ダイを、押出機の末端に取付け
た。ダイにおけるフィルムの温度は、110℃であった。
押出した後、フィルム約105℃まで加熱した対向カレン
ダーロールの間に通した。圧延フィルムは、厚さ6ミル
であった。
該フィルムは、電流密度100μA/cm2の直流電流をフィ
ルムに流した場合、0.5ボルト未満の電圧低下を示し
た。
純粋な銀を含む電極の電気化学的性能と比較して、ア
ノードフィルム電極の電気化学的性能を評価するため
に、実験を行った。電極の電気化学的性能を測定するの
に用いた装置は、セルを含んでおり、該セルは、電解質
溶液と、セルの中にあるアノードとカソードを接続する
手段とを含んでいた。セルの電極は、回路の中に100μA
/cm2の一定レベルの電流を維持するのに必要な電圧を供
給するように設定してあるポテンシオスタットと直列に
接続する。セル中の液体電解質溶液としては、塩水を用
いた。100μA/cm2の電流を通すのに必要なセル電圧を、
24時間、時間の関数としてモニターした。
対照実験には、アノードとして純粋な銀、カソードと
して塩化銀、及び電解質として塩水を用いた。24時間に
わたって、セル電圧をモニターし記録した。再現実験
は、Ag/PVP/PIBアノードフィルム電極を用いて行った。
対照実験と実際の実験の双方で用いたカソード電極は、
AgClを含んでいた。全24時間の試験にわたって、測定さ
れたアノードフィルム電極のセル電圧は、0.3ボルト未
満であり、且つ測定された純粋な銀電極のセル電圧を超
えていた。測定されたセル電圧のその小さな増加は、経
皮的イオン導入送出装置において用いられる電極にとっ
て許容することができると考えられる。一般的に、必要
とされる量の電流を送出するのに最少量の追加電圧を必
要とする電極材料が、最も好ましい。従って、本発明の
アノードフィルム電極は、純粋な銀を含むアノード電極
の性能をわずかに下回る電気化学的性能を示す。
実施例II 塩化銀粉末と架橋ポリビニルピロリドンを、ポリイソ
ブチレンマトリックスに混合することによって、カソー
ド電極を作った。まず最初に、分子量1,200,000を有す
るポリイソブチレン(PIB)11.4gを、50cm3ブラベンダ
ーミキサーに加えた。ミキサーボウルを80℃まで予熱
し、ブレード速度を30回転/分に設定した。分子量35,0
00を有するPIB11.4gを、そのミキサー中にゆっくりと加
えた。それらが十分に混合されるまで約5分間混合し
た。その後で、架橋ポリビニルピロリドン(PVP)11.3g
を、約5分間にわたって、ミキサーにゆっくりと加え
た。更にそこに、粒子サイズ100ミクロン未満を有する
粒状塩化銀2.6gを、約5分間にわたって、ミキサーにゆ
っりと加えた。更に30分間、ブレード速度を30回転/分
に保って、混合し続けた。
材料の5バッチ(約250cm3)を、実施例Iに記載した
ものと同じ押出機/ダイに装填した。スクリューにおけ
る温度は、約105℃であった。ダイにおけるフィルムの
温度は、約130℃であった。押出した後、フィルムを、
約160℃まで加熱した対向カレンダーロールの間に通し
た。圧延フィルムは、厚さ6ミルであった。
該カソードフィルムは、電流密度100μA/cm2の直流電
流をフィルムに流した場合、0.5ボルト未満の電圧低下
を示した。
実施例Iに記載したものと同じ装置と手順を用いて、
焼結塩化銀を含む電極の電気化学的性能と比較して、Ag
Cl/PVP/PIBカソードフィルム電極の電気化学的性能を評
価するために、実験を行った。対照実験と実際の実験の
双方で用いたアノード電極は、純粋な銀を含んでいた。
全24時間の試験にわたって、測定されたカソードフィル
ム電極のセル電圧は、0.3ボルト未満であり、且つ測定
された焼結塩化銀電極のセル電圧を超えていた。測定さ
れたセル電圧のその小さな増加は、経皮的イオン導入送
出装置において用いられる電極にとって許容することが
できると考えられる。一般的に、必要とされる量の電流
を送出するのに最少量の追加電圧を必要とする電極材料
が、最も好ましい。したがって、本発明のカソードフィ
ルム電極は、焼結塩化銀カソード電極の性能をわずかに
下回る電気化学的性能を示す。
本発明を概説し、本発明のある種の好ましい態様を詳
述して来たが、本発明の範囲から逸脱せずに、当業社に
とって、本発明に対して様々な改良を施すことができ
る、ことは容易に理解されるだろう。本発明は、以下に
記載した請求項によってのみ限定される。
本発明の実施態様は次の通りである。
1. ドナー電極アセンブリー、対電極アセンブリー、及
びドナー電極アセンブリーと対電極アセンブリーとに電
気的に接続できるように適合させた電源を含み、且つ該
電極アセンブリーのうちの少なくとも1つが、体表面に
対して作用薬を送出することができる位置に配置するこ
とができるように適合させた作用薬含有溜めと、装置の
運転中に酸化又は還元される化学種を少なくとも幾分か
含む電極とを含み、且つ該電極が、電源及び作用薬溜め
に電気的に接続できるように適合していて、更に該電極
が;疎水性ポリマーマトリックス; 液体溶媒を吸収し、それによってマトリックス中を通
る複数のイオン伝導路を形成することができる作用薬を
約10−50容量%;及び 装置の運転中に、酸化又は還元される化学種を約5−
40容量% を含むことを特徴とする; 電動イオン導入送出装置。
2. 電極がアノードであり、化学種が装置の運転中に酸
化されることのできる導電性金属である上記1記載の装
置。
3. 該金属が、銀と亜鉛から成る群より選択される上記
2記載の装置。
4. 電極がカソードであり、化学種が装置の運転中に還
元される導電性金属である上記1記載の装置。
5. 還元される化学種が、AgCl、AgBr、及びAg4Fe(C
N)から成る群より選択され導電性塩である上記4記
載の装置。
6. 還元される化学種が非導電性であり、マトリックス
が更に導電性充填材も含む上記4記載の装置。
7. 非導電性の還元可能な化学種がCuCl2とCuSO4から成
る群より選択されるものであり、導電性充填材が金属又
は炭素を含む上記6記載の装置。
8. 溶媒吸収材が、実質的に、溶媒において不溶である
上記1記載の装置。
9. 溶媒吸収材が、水不溶性親水性ポリマーを含む上記
1記載の装置。
10. 親水性ポリマーが、ポリビニルピロリドン、ポリ
エチレンオキシド、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコ
ール、セルロースポリマー、及不溶性澱粉誘導体から成
る群より選択されるものである上記9記載の装置。
11. 疎水性ポリマーマトリックスが、エチレン酢酸ビ
ニルコポリマー、ポリアルキレン、ポリイソプレン、ポ
リイソブチレンを含むラバー、ポリアミド、ポリウレタ
ン、ポリ塩化ビニル、改質セルロースポリマー、及びそ
れらの混合物から成る群より選択されるものである上記
1記載の装置。
12. 疎水性ポリマーマトリックスが、フィルムの形態
である上記1記載の装置。
13. 対電極アセンブリーが、電源と電気的に接続でき
るように適合させた対電極と、体表面に対して電解質を
送出する位置に配置できるように適合させた電解質溜め
とを含み、該対電極が電解質溜めと電気的に接触して;
且つ該対電極が:疎水性ポリマーマトリックス; 液体溶媒を吸収し、それによってマトリックス中を通
る複数のイオン伝導路を形成することができる作用約を
約10−50容量%;及び 装置の運転中に、酸化又は還元させる化学種を約5−
40容量% を含む; 上記1記載の装置。
14. 電解質溜めが、親水性ポリマーを約10−60重量
%、疎水性ポリマーを約10−60重量%、及び電解質を約
50重量%以下含むポリマーマトリックスである上記13記
載の装置。
15. ドナー電極アセンブリーが、電源と電気的に接続
できるように適合させたドナー電極と、体表面に対して
薬物を送出する位置に配置できるように適合させた薬物
溜めとを含み、且つ該ドナー電極が薬物溜めと電気的に
接触していて、更に該ドナー電極が;疎水性ポリマーマ
トリックス; 液体溶媒を吸収し、それによってマトリックス中を通る
複数のイオン伝導路を形成することができる作用約を約
10−50容量%;及び 装置の運転中に、酸化又は還元される化学種を約5−40
容量% を含む; 上記1記載の装置。
16. 薬物溜めが、親水性ポリマーを約10−60重量%、
疎水性ポリマーを約10−60重量%、及び薬物を約50重量
%以下含むポリマーマトリックスである上記15記載の装
置。
17. 電源が、バッテリーを含む上記1記載の装置。
18. 作用薬が、薬物を含む上記1記載の装置。
19. 薬物が、水溶性薬物塩である上記18記載の装置。
20. 作用薬が、電解質を含む上記1記載の装置。
21. 電解質が、水溶性電解質塩を含む上記20記載の装
置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ランドロー,フェリックス・アントニオ アメリカ合衆国カリフォルニア州95148, サン・ホセ,グレン・キーツ・コート 2847 (72)発明者 ジョリー,ジェイ・リチャード アメリカ合衆国カリフォルニア州95118, サン・ホセ,ブーレット・ドライブ 1388 (56)参考文献 米国特許4846185(US,A) 米国特許4640689(US,A) 国際公開90/3825(WO,A1) 欧州特許出願公開322098(EP,A 2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61N 1/30

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ドナー電極アセンブリー、対電極アセンブ
    リー、及びドナー電極アセンブリーと対電極アセンブリ
    ーとに電気的に接続できるように適合させた電源を含
    み、且つ該電極アセンブリーのうちの少なくとも1つ
    が、体表面に対して作用薬を送出することができる位置
    に配置することができるように適合させた作用薬含有溜
    めと、装置の運転中に酸化又は還元される化学種を少な
    くとも幾分か含む電極とを含み、且つ該電極が、電源及
    び作用薬溜めに電気的に接続できるように適合してい
    て、更に該電極が;疎水性ポリマーマトリックス; 液体溶媒を吸収し、それによってマトリックス中を通る
    複数のイオン伝導路を形成することができる作用薬を
    10−50容量%;及び 装置の運転中に、酸化又は還元される化学種を 5−40
    容量% を含むことを特徴とする; 電動イオン導入送出装置。
  2. 【請求項2】電極がアノードであり、化学種が装置の運
    転中に酸化されることのできる導電性金属である請求項
    1記載の装置。
  3. 【請求項3】電極がカソードであり、化学種が装置の運
    転中に還元される導電性金属である請求項1記載の装
    置。
  4. 【請求項4】還元される化学種が非導電性であり、マト
    リックスが更に導電性充填材も含む請求項4記載の装
    置。
  5. 【請求項5】溶媒吸収剤が、実質的に、溶媒において不
    溶性である請求項1記載の装置。
  6. 【請求項6】疎水性ポリマーマトリックスが、エチレン
    酢酸ビニルコポリマー、ポリアルキレン、ポリイソプレ
    ン、ポリイソブチレンを含むラバー、ポリアミド、ポリ
    ウレタン、ポリ塩化ビニル、改質セルロースポリマー、
    及びそれらの混合物から成る群より選択されるものであ
    る請求項1記載の装置。
  7. 【請求項7】疎水性ポリマーマトリックスが、フィルム
    の形態である請求項1記載の装置。
  8. 【請求項8】対電極アセンブリーが、電源と電気的に接
    続できるように適合させた対電極と、体表面に対して電
    解質を送出する位置に配置できるように適合させた電解
    質溜めとを含み、該対電極が電解質溜めと電気的に接触
    していて;且つ該対電極が:疎水性ポリマーマトリック
    ス; 液体溶媒を吸収し、それによってマトリックス中を通る
    複数のイオン伝導路を形成することができる作用薬を
    10−50容量%;及び 装置の運転中に、酸化又は還元される化学種を 5−40
    容量% を含む; 請求項1記載の装置。
  9. 【請求項9】ドナー電極アセンブリーが、電源と電気的
    に接続できるように適合させたドナー電極と、体表面に
    対して薬物を送出する位置に配置できるように適合させ
    た薬物溜めとを含み、且つ該ドナー電極が薬物溜めと電
    気的に接触していて、更に該ドナー電極が;疎水性ポリ
    マーマトリックス; 液体溶媒を吸収し、それによってマトリックス中を通る
    複数のイオン伝導路を形成することができる作用薬を
    10−50容量%;及び 装置の運転中に、酸化又は還元される化学種を 5−40
    容量% を含む; 請求項1記載の装置。
  10. 【請求項10】該作用薬及び該化学種は、同じ物質であ
    る、請求項1記載の装置。
  11. 【請求項11】前記同じ物質は、塩化銀を含む請求項10
    記載の装置。
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