JP3149112B2 - 滅菌検知用インジケータ組成物 - Google Patents
滅菌検知用インジケータ組成物Info
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Description
滅菌するオートクレーブ滅菌処理およびエチレンオキサ
イドガス滅菌処理の滅菌条件の検知、確認に適した滅菌
検知用インジケータ組成物に関するものである。
方法に、高圧蒸気で一定時間加熱するオートクレーブ滅
菌と、エチレンオキサイドガスを利用したガス滅菌とが
普及している。滅菌処理完了を確認する方法としては、
例えば枯草菌(B.Subtilis)や耐熱菌(B.Stearothermophi
lus)等を用いた生物化学的インジケータによって確認す
る方法と、高圧蒸気やエチレンオキサイドガス等の雰囲
気に反応して変色する化学的インジケータによって確認
する方法とがある。
認が可能であるが、処理した菌の培養が必要で滅菌処理
の判定に時間がかかるため、取り扱いが簡単な後者の化
学的インジケータが使われることが多い。化学的インジ
ケータは、例えば紙やプラスチックフィルムのような基
材に、高圧蒸気に反応して変色するインジケータ組成物
や、エチレンオキサイドガスに反応して変色するインジ
ケータ組成物を塗布したものである。その変色により滅
菌処理の良否が判定される。特開昭61−287972号公報お
よび特開平2−180973号公報には、高圧蒸気に反応して
変色するインジケータが開示されている。特公昭52-100
43号公報および特公昭57-40869号公報には、エチレンオ
キサイドガスに反応して変色するインジケータ組成物が
開示されている。
られた組成物は、高圧蒸気とエチレンオキサイドガスと
のいずれか一方にしか反応しない。実際の滅菌処理作業
ではオートクレーブ滅菌処理専用のインジケータとエチ
レンオキサイドガス滅菌処理専用のインジケータとの両
方を用意し、滅菌方法に応じて使い分ける必要があり不
便である。インジケータの用途を誤った場合には滅菌の
確認ができないために再滅菌を行なわなければならず、
無駄と煩雑さを強いられている。また、滅菌方法に応じ
た別々のインジケータを用意する必要があり、在庫管理
が煩雑になりがちである。
解決するためなされたもので、医療分野におけるオート
クレーブ滅菌およびエチレンオキサイドガス滅菌の両方
の滅菌処理に対応し、各滅菌処理条件と整合した変色性
を備えた滅菌検知用インジケータ組成物を提供すること
を目的とする。
めに本発明者等は、オートクレーブ滅菌検知用インジケ
ータとエチレンオキサイドガス滅菌検知用インジケータ
の何れにも使用可能なインジケータ組成物について鋭意
研究を重ねた結果、変色成分としてモノアゾ染料を含有
し、変色の促進や変色条件を調整する成分として有機酸
やその金属塩を含有する組成物が上記の目的に合致する
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
組成物は、
レッド58 、C.I.ディスパースレッド88 、C.I.ディスパ
ースレッド110 、C.I.ディスパースレッド117 、C.I.デ
ィスパースレッド137 、C.I.ディスパースバイオレット
43 、C.I.ディスパースブルー102から選ばれるモノアゾ
染料の0.01〜3重量部と、有機酸および有機酸の金
属塩のうちの少なくとも一種の9〜12重量部とを含有
している。
重量部、好ましくは 0.5〜1.5 重量部である。含有量が
少ない場合には、印刷時の着色力が低下してインジケー
タそのものの色が薄い。含有量が多い場合にはオートク
レーブ滅菌やエチレンオキサイドガス滅菌での変色性が
低下し、滅菌処理による色の変化が小さくなる。
レーブ滅菌処理やエチレンオキサイドガス滅菌処理にお
いて、上記のモノアゾ染料との反応による変色を促進す
るとともに変色条件を調整する成分である。この目的に
有効な有機酸としては、例えば、アクリル酸、アジピン
酸、L-アスパラギン酸、アゼライン酸、安息香酸、アン
トラニル酸、イソフタル酸、イタコン酸、ウンデシレン
酸、クエン酸、グルタコン酸、クレソチン酸、サリチル
酸、シアヌル酸、ジグリコール酸、DL−酒石酸、スルフ
ァニル酸、セバシン酸、ソルビン酸、テレフタル酸、ナ
フテン酸、ニコチン酸、馬尿酸、バルビツール酸、ピバ
リン酸、ピルビン酸、フタル酸、フマル酸、ベンジル
酸、マレイン酸、マロン酸、メタクリル酸およびメタニ
ル酸が挙げられる。
有機酸のカルシウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、ナト
リウム塩、カリウム塩が挙げられる。
アジピン酸、マレイン酸、サリチル酸カルシウム、サリ
チル酸亜鉛、安息香酸亜鉛およびo-クレソチン酸が好適
である。
材料とインキ用ビヒクルとをボールミル、ロールミル、
サンドミル等の分散機を用いて混合、インキ化して得ら
れる。
な有色色素や発色増強剤、防錆剤、界面活性剤をはじ
め、従来の専用インジケータ組成物に用いられている各
種の添加剤を加えても良い。例えば、シリカ、硫酸バリ
ウム、クレイ、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等を
添加すれば、印刷された組成物皮膜へのエチレンオキサ
イドガスの透過性を向上することができる。また、耐熱
性、耐ガス性に優れた色素の添加により、変色前の色と
変色後の色を調整することもできる。
物は、印刷インキの形にし、上質紙、クレープ紙のよう
な紙や、プラスチックフィルムのような適当な基材に印
刷して検知カードや検知テープとしたり、被滅菌物の包
装用材に直接印刷して使用する。
ロソルブ類に可溶なため、インキ用ビヒクルには、アル
コール類やセロソルブ類を主溶剤としたもので、インジ
ケータの変色性を損なわず、且つ被印刷物への付着性が
優れた樹脂を使用する。例えばエチルセルロース、ニト
ロセルロース、ブチラール樹脂、アクリル酸エステル樹
脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂およびロジン変性
マレイン酸樹脂等が挙げられる。上記の条件を満たして
いる市販のインキ用ビヒクルを使用しても良い。
機酸の働きにより、高圧蒸気にもエチレンオキサイドガ
スにも反応して変色し、任意の基材に塗布するだけでオ
ートクレーブ滅菌処理と、エチレンオキサイド滅菌処理
における滅菌条件に整合したインジケータが製造され
る。高圧蒸気に触れると、組成物中のモノアゾ染料が有
機酸の働きにより昇華し、退色変化を起して無色とな
る。エチレンオキサイドガスに触れると、組成物中のモ
ノアゾ染料が構造変化を起して変色する。インジケータ
の変色条件(変色温度と変色までの時間)は、使用する
有機酸や有機酸の金属塩の種類と配合量を変えることに
より任意に調整することができる。
キを得た。このインキを上質紙にスクリーン印刷した印
刷物は、 121℃、20分間のオートクレーブ滅菌処理によ
り黄色に変色した。また、同一の印刷物をエチレンオキ
サイド20%、炭酸ガス80%の混合ガス(ガス圧 1.0kg/
cm2 、温度50℃、相対湿度50%RH)で4時間滅菌処理し
たところ、緑色に変色した。
ンキを得た。このインキを滅菌紙にグラビア印刷した印
刷物は、 121℃、10分間のオートクレーブ滅菌処理によ
り黒褐色に変色した。また、同一の印刷物をエチレンオ
キサイド20%、炭酸ガス80%の混合ガス(ガス圧 1.0kg
/cm2 、温度50℃、相対湿度50%RH)で2時間滅菌処理
したところ、青色に変色した。
キを得た。このインキを上質紙にスクリーン印刷した印
刷物は、 121℃、10分間のオートクレーブ滅菌処理によ
り無色に変色した。また、同一の印刷物をエチレンオキ
サイド20%、炭酸ガス80%の混合ガス(ガス圧 1.0kg/
cm2 、温度50℃、相対湿度50%RH)で1時間滅菌処理し
たところ、青色に変色した。
キを得た。このインキを滅菌紙にグラビア印刷した印刷
物は、 121℃、25分のオートクレーブ滅菌処理により黄
色に変色した。また、同一の印刷物をエチレンオキサイ
ド20%、炭酸ガス80%の混合ガス(ガス圧 1.0kg/cm
2 、温度50℃、相対湿度50%RH)で3時間滅菌処理した
ところ、緑色に変色した。
キを得た。このインキを滅菌紙にフレキソ印刷した印刷
物は、 121℃、30分のオートクレーブ滅菌処理により緑
色に変色した。また、同一の印刷物をエチレンオキサイ
ド20%、炭酸ガス80%の混合ガス(ガス圧 1.0kg/cm
2 、温度50℃、相対湿度50%RH)で1時間滅菌処理した
ところ、青緑色に変色した。
ールミルで24時間混練し、橙色のインキを得た。このイ
ンキを上質紙にスクリーン印刷した印刷物は、121℃、3
0分間のオートクレーブ滅菌処理において変色は認めら
れなかった。また、同一の印刷物をエチレンオキサイド
20%、炭酸ガス80%の混合ガス(ガス圧1.0kg/cm2 、
温度50℃、相対湿度50%RH)で4時間滅菌処理したが、
変色は認められなかった。
ミルで30分間混練し、赤紫色のインキを得た。このイン
キを上質紙にグラビア印刷した印刷物は121℃、20分間
のオートクレーブ滅菌処理において変色は認められなか
った。また、同一の印刷物をエチレンオキサイド20%、
炭酸ガス80%の混合ガス(ガス圧 1.0kg/cm2 、温度50
℃、相対湿度50%RH)で3時間滅菌処理したが、変色は
認められなかった。
レンオキサイドガス滅菌に用いた混合ガスは、大同酸素
社製のダイサイド H20である。
菌検知用インジケータ組成物は、医療分野におけるオー
トクレーブ滅菌と、エチレンオキサイドガス滅菌との両
方の滅菌処理の処理条件と整合した変色性を備えてい
る。被滅菌物と本発明の組成物を用いたインジケータと
を一緒に滅菌処理した後、インジケータの変色状態を観
察することにより、被滅菌物が適性な条件で滅菌された
か否かを容易に検知することができる。その際には従来
のように滅菌方法に応じたインジケータを選択する必要
がなく、インジケータの誤使用が回避される。また、滅
菌方法に応じた別々のインジケータを用意する必要がな
く、在庫管理の簡略化が図れる。
Claims (1)
- 【請求項1】 C.I.(カラーインデックス)ディスパ
ースレッド58 、C.I.ディスパースレッド88 、C.I.ディ
スパースレッド110 、C.I.ディスパースレッド117 、C.
I.ディスパースレッド137 、C.I.ディスパースバイオレ
ット43 、C.I.ディスパースブルー102から選ばれるモノ
アゾ染料の0.01〜3重量部と、有機酸および有機酸
の金属塩のうちの少なくとも一種の9〜12重量部とを
含有することを特徴とする滅菌検知用インジケータ組成
物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13886491A JP3149112B2 (ja) | 1991-06-11 | 1991-06-11 | 滅菌検知用インジケータ組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13886491A JP3149112B2 (ja) | 1991-06-11 | 1991-06-11 | 滅菌検知用インジケータ組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04364854A JPH04364854A (ja) | 1992-12-17 |
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Family
ID=15231917
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13886491A Expired - Lifetime JP3149112B2 (ja) | 1991-06-11 | 1991-06-11 | 滅菌検知用インジケータ組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3149112B2 (ja) |
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-
1991
- 1991-06-11 JP JP13886491A patent/JP3149112B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
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