JP3161751B2 - 滅菌検知用インジケータ組成物 - Google Patents
滅菌検知用インジケータ組成物Info
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Description
滅菌するオートクレーブ滅菌処理およびエチレンオキサ
イドガス滅菌処理の滅菌条件の検知、確認に適した滅菌
検知用インジケータ組成物に関するものである。
方法に、高圧蒸気で一定時間加熱するオートクレーブ滅
菌と、エチレンオキサイドガスを利用したガス滅菌とが
普及している。滅菌処理完了を確認する方法としては、
例えば枯草菌(B.Subtilis)や耐熱菌(B.Stearothermophi
lus)等を用いた生物化学的インジケータによって確認す
る方法と、高圧蒸気やエチレンオキサイドガス等の雰囲
気に反応して変色する化学的インジケータによって確認
する方法とがある。
認が可能であるが、処理した菌の培養が必要で滅菌処理
の判定に時間がかかるため、取り扱いが簡単な後者の化
学的インジケータが使われることが多い。化学的インジ
ケータは、例えば紙やプラスチックフィルムのような基
材に、高圧蒸気に反応して変色するインジケータ組成物
や、エチレンオキサイドガスに反応して変色するインジ
ケータ組成物を塗布したものである。その変色により滅
菌処理の良否が判定される。特開昭61−287972号公報お
よび特開平2−180973号公報には、高圧蒸気に反応して
変色するインジケータが開示されている。特公昭52-100
43号公報および特公昭57-40869号公報には、エチレンオ
キサイドガスに反応して変色するインジケータ組成物が
開示されている。
られた組成物は、高圧蒸気とエチレンオキサイドガスと
のいずれか一方にしか反応しない。実際の滅菌処理作業
ではオートクレーブ滅菌処理専用のインジケータとエチ
レンオキサイドガス滅菌処理専用のインジケータとの両
方を用意し、滅菌方法に応じて使い分ける必要があり不
便である。インジケータの用途を誤った場合には滅菌の
確認ができないために再滅菌を行なわなければならず、
無駄と煩雑さを強いられている。また、滅菌方法に応じ
た別々のインジケータを用意する必要があり、在庫管理
が煩雑になりがちである。
解決するためなされたもので、医療分野におけるオート
クレーブ滅菌およびエチレンオキサイドガス滅菌の両方
の滅菌処理に対応し、各滅菌処理条件と整合した変色性
を備えた滅菌検知用インジケータ組成物を提供すること
を目的とする。
めに本発明者等は、オートクレーブ滅菌検知用インジケ
ータとエチレンオキサイドガス滅菌検知用インジケータ
の何れにも使用可能なインジケータ組成物を得るために
鋭意研究を重ねた結果、以下に示す組成物が上記の目的
に合致することを見出し、本発明を完成するに至った。
成物は、組成物100重量部中に、一種または複数種の
遷移金属化合物を2〜15重量部と、硫化亜鉛、チオ尿
素、メチルチオ尿素、1-フェニル−2-チオ尿素、1,3-ジ
フェニル−2-チオ尿素、2,2'−ジトリルチオ尿素、o-ト
リルチオ尿素のいずれかの硫黄化合物および硫黄のうち
の少なくとも一種を5〜30重量部と、一般式
料を0.1〜3.5重量部と、有機酸および有機酸の金
属塩のうちの少なくとも一種を4.8〜15重量部とを
含有している。
たはアシルアミノ基である。R2は水素基、メトキシ基ま
たはエトキシ基である。R3、R4およびR5は水素基、水酸
基、硝酸基、炭素数1〜4のアルキル基、アシルオキシ
基で置換された主鎖炭素数1〜4のアルキル基、シアノ
基で置換された主鎖炭素数1〜4のアルキル基、アルコ
キシ基で置換された主鎖炭素数1〜4のアルキル基であ
る。
硫黄化合物は、高圧蒸気により変色する成分である。
ル、コバルト、銅、鉛、ビスマスの塩基性炭酸塩、水酸
化物、酸化物およびステアリン酸化合物が挙げられる。
遷移金属化合物の適切な含有量は、組成物総量の2〜1
5重量部、好ましくは5〜10重量部である。遷移金属
化合物の含有量が2重量部以下の場合は、変色前後の色
差が小さく、色変化がわかりにくい。15重量部以上の
場合は、インク化したときの被印刷物への接着性が低下
し、滅菌時に被滅菌物を汚染するという問題が生じる。
物が使用可能である。無機硫黄化合物としては、例えば
硫化亜鉛が挙げられる。有機硫黄化合物としては、例え
ばチオ尿素、メチルチオ尿素、1-フェニル−2-チオ尿
素、1,3-ジフェニル−2-チオ尿素、2,2'−ジトリルチオ
尿素およびo-トリルチオ尿素が挙げられる。硫黄や硫黄
化合物の適切な含有量は、組成物総量の5〜30重量
部、好ましくは8〜15重量部である。硫黄や硫黄化合
物の含有量が5重量部以下の場合は、変色前後の色の差
が小さく、色変化がわかりにくい。30重量部以上の場
合は、インク化したときの被印刷物への接着性が低下
し、滅菌時に被滅菌物を汚染するという問題が生じる。
有機酸の金属塩は、エチレンオキサイドガスにより変色
する成分である。
は、例えば、C.I.(カラーインデックス)ディスパース
レッド58、C.I.ディスパースレッド88、C.I.ディスパー
スレッド110 、C.I.ディスパースレッド117 、C.I.ディ
スパースレッド137 、C.I.ディスパースバイオレット4
3、C.I.ディスパースブルー102 が挙げられる。モノア
ゾ染料の適切な含有量は、組成物総量の0.1〜3.5
重量部、好ましくは0.5〜1.5重量部である。モノ
アゾ染料の含有量が0.1重量部以下の場合には、印刷
時の着色力が低下してインジケータそのものの色が薄く
なる。3.5重量部以上の場合には変色性が低下し、滅
菌処理による色の変化が小さくなる。
ジピン酸、L-アスパラギン酸、アゼライン酸、安息香
酸、アントラニル酸、イソフタル酸、イタコン酸、ウン
デシレン酸、クエン酸、グルタコン酸、クレソチン酸、
サリチル酸、シアヌル酸、ジグリコール酸、DL−酒石
酸、スルファニル酸、セバシン酸、ソルビン酸、テレフ
タル酸、ナフテン酸、ニコチン酸、馬尿酸、バルビツー
ル酸、ピバリン酸、ピルビン酸、フタル酸、フマル酸、
ベンジル酸、マレイン酸、マロン酸、メタクリル酸およ
びメタニル酸が挙げられる。
有機酸のカルシウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、ナト
リウム塩、カリウム塩が挙げられる。
アジピン酸、マレイン酸、サリチル酸カルシウム、サリ
チル酸亜鉛、安息香酸亜鉛およびo-クレソチン酸が好適
である。これら有機酸および有機酸の金属塩の適切な含
有量は組成物総量の4.8〜15重量部、好ましくは
4.8〜10重量部である。有機酸および有機酸の金属
塩の含有量がこの範囲以下の場合は、エチレンオキサイ
ドガスによる変色が悪くなり、検知能力が低下するとい
う問題が生じる。15重量部以上の場合は、インク状態
での保存安定性が低下する。
材料とインキ用ビヒクルとをボールミル、ロールミル、
サンドミル等の分散機を用いて混合、インキ化して得ら
れる。
な有色色素や発色増強剤、防錆剤、界面活性剤をはじ
め、従来の専用インジケータ組成物に用いられている各
種の添加剤を加えても良い。例えば、シリカ、硫酸バリ
ウム、クレイ、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等を
添加すれば、印刷された組成物皮膜へのエチレンオキサ
イドガスの透過性を向上することができる。また、耐熱
性、耐ガス性に優れた色素の添加により、変色前の色と
変色後の色を調整することもできる。
物は、印刷インキの形にし、上質紙、クレープ紙のよう
な紙や、プラスチックフィルムのような適当な基材に印
刷して検知カードや検知テープとしたり、被滅菌物の包
装用材に直接印刷して使用する。
タの変色性を損なわず、且つ被印刷物への付着性が優れ
た樹脂を使用する。例えばエチルセルロース、ニトロセ
ルロース、ブチラール樹脂、アクリル酸エステル樹脂、
ポリアミド樹脂、フェノール樹脂およびロジン変性マレ
イン酸樹脂等が挙げられる。上記の条件を満たしている
市販のインキ用ビヒクルを使用しても良い。
圧蒸気とエチレンオキサイドガスとの両方に反応して変
色し、任意の基材に塗布するだけでオートクレーブ滅菌
処理と、エチレンオキサイド滅菌処理における滅菌条件
に整合したインジケータが製造される。インジケータを
オートクレーブ滅菌すると、その湿熱条件下で遷移金属
化合物が硫黄や硫黄化合物と反応して金属硫化物が生成
し、組成物の色が変化する。エチレンオキサイドガス滅
菌すると、モノアゾ染料とエチレンオキサイドガスとが
反応し、組成物の色が変化する。有機酸や有機酸の金属
塩は、エチレンオキサイドガスとモノアゾ染料との反応
を促進するとともに、変色条件(変色温度と変色までの
時間)を調整する働きをする。
キを得た。このインキを上質紙にスクリーン印刷した印
刷物は、 121℃、10分間のオートクレーブ滅菌処理によ
り黒色に変色した。また、同一の印刷物をエチレンオキ
サイド20%、炭酸ガス80%の混合ガス(ガス圧 1.0kg/
cm2、温度50℃、相対湿度50%RH)で1時間滅菌処理し
たところ、青色に変色した。
キを得た。このインキを滅菌紙にグラビア印刷した印刷
物は、 121℃、5分間のオートクレーブ滅菌処理により
黒色に変色した。また、同一の印刷物をエチレンオキサ
イド20%、炭酸ガス80%の混合ガス(ガス圧 1.0kg/cm
2、温度50℃、相対湿度50%RH)で3時間滅菌処理した
ところ、青色に変色した。
キを得た。このインキを上質紙にスクリーン印刷した印
刷物は、 121℃、10分間のオートクレーブ滅菌処理によ
り黒色に変色した。また、同一の印刷物をエチレンオキ
サイド20%、炭酸ガス80%の混合ガス(ガス圧 1.0kg/
cm2、温度50℃、相対湿度50%RH)で1時間滅菌処理し
たところ、青色に変色した。
のインキを得た。このインキを滅菌紙にグラビア印刷し
た印刷物は、 121℃、10分のオートクレーブ滅菌処理に
より黒色に変色した。また、同一の印刷物をエチレンオ
キサイド20%、炭酸ガス80%の混合ガス(ガス圧 1.0kg
/cm2、温度50℃、相対湿度50%RH)で3時間滅菌処理
したところ、緑色に変色した。
キを得た。このインキを滅菌紙にフレキソ印刷した印刷
物は、 121℃、20分のオートクレーブ滅菌処理により黒
色に変色した。また、同一の印刷物をエチレンオキサイ
ド20%、炭酸ガス80%の混合ガス(ガス圧 1.0kg/c
m2、温度50℃、相対湿度50%RH)で1時間滅菌処理した
ところ、青色に変色した。
除いた配合物をボールミルで24時間混練し、赤色のイン
キを得た。このインキを上質紙にスクリーン印刷した印
刷物は、 121℃、30分間のオートクレーブ滅菌処理にお
いて変色は認められなかった。また、同一の印刷物をエ
チレンオキサイド20%、炭酸ガス80%の混合ガス(ガス
圧 1.0kg/cm2 、温度50℃、相対湿度50%RH)で3時間
滅菌処理したところ青色に変色した。
ドミルで30分間混練し、赤色のインキを得た。このイン
キを上質紙にグラビア印刷した印刷物は121℃、5分間
のオートクレーブ滅菌処理により黒色に変色した。ま
た、同一の印刷物をエチレンオキサイド20%、炭酸ガス
80%の混合ガス(ガス圧 1.0kg/cm2 、温度50℃、相対
湿度50%RH)で3時間滅菌処理したところ、変色が認め
られなかった。
レンオキサイドガス滅菌に用いた混合ガスは、大同酸素
社製のダイサイド H20である。
菌検知用インジケータ組成物は、医療分野におけるオー
トクレーブ滅菌と、エチレンオキサイドガス滅菌との両
方の滅菌処理の処理条件と整合した変色性を備えてい
る。被滅菌物と本発明の組成物を用いたインジケータと
を一緒に滅菌処理した後、インジケータの変色状態を観
察することにより、被滅菌物が適性な条件で滅菌された
か否かを容易に検知することができる。その際には従来
のように滅菌方法に応じたインジケータを選択する必要
がなく、インジケータの誤使用が回避される。また、滅
菌方法に応じた別々のインジケータを用意する必要がな
く、在庫管理の簡略化が図れる。
Claims (1)
- 【請求項1】 組成物100重量部中に、一種または複
数種の遷移金属化合物を2〜15重量%と、硫化亜鉛、
チオ尿素、メチルチオ尿素、1-フェニル−2-チオ尿素、
1,3-ジフェニル−2-チオ尿素、2,2'−ジトリルチオ尿
素、o-トリルチオ尿素のいずれかの硫黄化合物および硫
黄のうちの少なくとも一種を5〜30重量部と、一般式 【化1】 [式中、R1は水素基、メチル基、エチル基またはアシル
アミノ基、R2は水素基、メトキシ基またはエトキシ基、
R3、R4およびR5は水素基、水酸基、硝酸基、炭素数1〜
4のアルキル基、アシルオキシ基で置換された主鎖炭素
数1〜4のアルキル基、シアノ基で置換された主鎖炭素
数1〜4のアルキル基、アルコキシ基で置換された主鎖
炭素数1〜4のアルキル基]で示される一種または複数
種のモノアゾ染料を0.1〜3.5重量部と、有機酸お
よび有機酸の金属塩のうちの少なくとも一種を4.8〜
15重量部とを含有することを特徴とする滅菌検知用イ
ンジケータ組成物。
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-
1991
- 1991-06-11 JP JP13886591A patent/JP3161751B2/ja not_active Expired - Lifetime
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