JP3148712U - 段ボール棺 - Google Patents

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Abstract

【課題】箱体の開口部を補強する枠板の信頼性を高め、接着剤の使用量を減らして製造効率を向上させる。【解決手段】段ボール棺10は、強化段ボールの展開シートをV溝に沿って折り曲げてなる箱体12を備えている。箱体12の開口部には展開シートの端部を折り返してなる枠板12Dが設けられる。箱体12の折り返し端部は、縫着機を用いて縫い付けられる縫合糸tにより固定される。縫合糸tは、枠板12Dの一方の端部から他方の端部まで一定の高さ位置で直線上に連なるようにするとよい。【選択図】図2

Description

本考案は、段ボール棺に関するもので、詳しくは、段ボール棺を構成する板材の固定構造に関するものである。
近年、木製棺に代わる棺として、強化段ボールを用いる段ボール棺が注目されている。この種の段ボール棺は、強化段ボールの板材にV溝加工を施して展開シートを作製し、この展開シートを箱状に折り曲げて形成される。
例えば図14に示す段ボール棺1は、箱体2と蓋体3とからなるもので、箱体2が強化段ボールの展開シートP0(図15参照)で形成される。展開シートP0は、底板2Aの左右に側板2B,2B、上下に妻板2C,2Cが配置され、これらの板材の境界にほぼ90゜角の縦V溝yおよび横V溝xが形成される。そして、展開シートP0を縦V溝yおよび横V溝xに沿ってほぼ垂直に折り曲げ、隣り合う板材を接着剤で貼り合わせて固定している。
なお、強化段ボールを用いる段ボール棺の先行技術としては、特許文献1〜3が公知である。
特開2008−22916号公報 特開2008−272135号公報 実用新案登録第3144211号公報
ところで、図14および図15に示す従来の段ボール棺の構造において、本考案者らは、既に箱体2の開口部に展開シートP0の端部を折り返して枠板2Dを形成する技術を開発している(特許文献3参照)。このような枠板2Dは、箱体2の下方にかかる荷重に対し、側板2B,2Bの中央が内向きに折れるように倒れるのを防いでその耐荷重性能を高めるのに役立っている。
しかしながら、このような従来の段ボール棺では、上記のような補強用の枠板12Dが展開シートP0の折り返し面を接着剤で貼り合せて固定されるため、その接着面に過大な負荷が掛かると、段ボール紙面が接着面ごと剥がれることが起こりうる。このため、枠板による補強の信頼性が低下するおそれがある。
また、枠板の接着面が広いため、接着剤の使用量が多くなりその塗布や養生の作業に手間が掛かる。接着剤には合成樹脂などの化学物質が含まれることが多く、環境配慮の面からできるだけその使用量を減らしたいとう要請もある。
本考案は、このような現状に鑑みなされたもので、箱体の開口部を補強する枠板の信頼性を高め、かつ、接着剤の使用量を減らして製造効率を向上させるようにした段ボール棺を提供することを目的としている。
[第1考案]
前記課題を解決するための第1考案の段ボール棺は、強化段ボールの展開シートをV溝に沿って折り曲げて箱体を形成するとともに、この箱体の開口部に前記展開シートの端部を折り返してなる枠板を設けるようにした段ボール棺であって、
前記箱体の折り返し端部は、縫着機を用いて縫い付けられる縫合糸により固定される構成とした。
一般に、段ボール棺に用いられる強化段ボールの板材は15mm程度と比較的厚く、その表面の強化厚紙(ライナー)が固い材質であることから、従来は強化段ボールの板材を縫い合わせるという発想はない。このため、強化段ボールの板材は、接着剤で貼り合わせて固定するという手法が当然の手段として採用されてきた。
本考案者らは、強化段ボールの板材を固定する手段について検討を重ねたところ、接着剤の種類や塗布量の工夫では上述の問題を十分に解消することができず、接着剤に代わる手段として畳製造用の縫着機に着眼するに至った。畳製造用の縫着機は、畳床に畳表や畳縁を縫い付けるために適した構造を備えており、このような縫着機を用いれば強化段ボールの板材を糸で縫い合わせて固定することが可能になる。
本考案者らは、上記の着眼点に基づき畳製造用の縫着機を用いて強化段ボールの展開シートを縫い合わせて段ボール棺を作製する試作試験を行い、その縫い合わせ部分の固定強度が十分に信頼性が高いものであることを確かめ、本考案を完成するに至ったものである。
第1考案の構成によれば、枠板を含む展開シートの折り返し端部が縫合糸により固定される。この折り返し端部では、二枚に重ねられた板材が縫合糸で束ねられて固定されるため、枠板に過大な負荷が掛かっても、段ボール紙面が剥がれて両者が分離するようなことがない。この結果、箱体の折り返し端部の固定強度を高めて枠板による補強の信頼性を高めることができる。
また、第1考案の構成では、箱体の枠板の固定を縫合糸のみで行うことができ、接着剤の使用量を大幅に減らして段ボール棺の製造効率を向上させることができる。
[第2考案]
前述した第1考案では、縫合糸による固定構造を段ボール棺の箱体に採用しているが、同様な固定構造を段ボール棺の蓋体に採用してもよい。
すなわち、第2考案の段ボール棺は、強化段ボールの展開シートをV溝に沿って折り曲げて蓋体を形成するとともに、この蓋体の外周部に前記展開シートの端部を折り返してなる枠板を設けるようにした段ボール棺であって、
前記蓋体の折り返し端部は、縫着機を用いて縫い付けられる縫合糸により固定される構成とした。
第2考案の構成によれば、蓋体の折り返し端部を縫合糸で強固に固定することができ、枠板による補強の信頼性を高めることができる。
また、蓋体の枠板の固定を縫合糸のみで行うことができ、接着剤の使用量を減らして段ボール棺の製造効率を向上させることができる。
[第3考案]
第3考案の段ボール棺は、第1または2考案の構成を有する段ボール棺であって、前記縫合糸が、前記枠板の一方の端部から他方の端部まで一定の高さ位置で直線上に連なる構成とした。
第3考案の構成によれば、上記のように縫合糸の縫い付けを行うことにより次にような効果が得られる。
a.枠板の一方の端部から他方の端部まで縫合糸が最短距離で配置されることになるため、縫合作業の効率化を図ることができる。
b.枠板の長さ方向に均一に縫合糸が縫い付けられるため、枠板の固定強度のバラツキが抑えられる。
c.縫合糸の縫い目が棺側面に一定の高さで直線上に表れるから、この縫い目の凹凸が滑り止めになって段ボール棺を水平状態に保って運びやすくすることができる。
[第4考案]
縫合糸による固定構造は、前述した箱体の折り返し端部の固定に採用する他、箱体の折り曲げ角部の固定に採用することもできる。
すなわち、第4考案の段ボール棺は、強化段ボールの展開シートをV溝に沿って折り曲げて箱体を形成するとともに、この箱体の底端または側端に前記展開シートのV溝面を重ねる折り曲げ角部を設けるようにした段ボール棺であって、
前記箱体の折り曲げ角部は、縫着機を用いて縫い付けられる縫合糸により固定される構成とした。
このような構成によれば、箱体の折り曲げ角部が縫合糸で強固に固定されるため、箱体の耐荷重性を向上させることができる。
また、箱体の折り曲げ角部の固定に接着剤を使用しなくてもよいから、接着剤の塗布や養生の作業を簡略化して段ボール棺の製造効率を高めることができる。
[第5考案]
また、縫合糸による固定構造は、前述した箱体の突き合わせ角部にも適用することができる。
すなわち、第5考案の段ボール棺は、強化段ボールの展開シートをV溝に沿って折り曲げて箱体を形成するとともに、この箱体の底端または側端に前記展開シートの傾斜端面を重ねる突き合わせ角部を設けるようにした段ボール棺であって、
前記箱体の突き合わせ角部は、縫着機を用いて縫い付けられる縫合糸により固定される構成とした。
このような構成によれば、箱体の突き合わせ角部が縫合糸で強固に固定されるため、箱体の耐荷重性を向上させることができる。
また、箱体の突き合わせ角部の固定に接着剤を使用しなくてもよいから、接着剤の塗布や養生の作業を簡略化して段ボール棺の製造効率を高めることができる。
[第6考案]
縫合糸による固定構造については、第1〜5考案の他、強化段ボールからなる二以上のの板材を固定する場合にも適用することができる。
すなわち、第6考案の段ボール棺は、強化段ボールからなる二以上の板材を組み合せてなる段ボール棺であって、
前記二以上の板材は、縫着機を用いて縫い付けられる縫合糸により互いに重ねて固定される構成とした。
このような構成によれば、強化段ボールの板材同士が縫合糸で固定されるため、これらの固定部分に過大な負荷が掛かっても、段ボール紙面が剥がれて両者が分離することがない。このため、耐久性に優れた高品質の段ボール棺に仕上げることができる。
また、強化段ボールの板材の固定に接着剤を用いなくてもよいから、接着剤の塗布や養生の作業を簡略化して段ボール棺の製造効率を高めることができる。
[第7考案]
従来、段ボール棺の表面に化粧布を張り合わせる手段としては接着剤、両面テープ、金属針(タッカー)等が採用されてきた。棺表面に沿って化粧布を引っ張りながら所定箇所を上記手段で留めて行くのが通例である。
しかしながら、このように棺表面に接着剤、両面テープ、金属針(タッカー)等を多用するのは、段ボール棺による環境配慮の面から見れば本来望ましいものではない。
第7考案の段ボール棺は、強化段ボールの展開シートをV溝に沿って折り曲げて箱体を形成するとともに、この箱体の表面に化粧布を張り合わせるようにした段ボール棺であって、
前記化粧布は、縫着機を用いて縫い付けられる縫合糸により前記箱体の表面に固定される構成とした。
このような構成によれば、箱体の表面に縫合糸によって化粧布が固定される。このため、接着剤、両面テープ、金属針(タッカー)等の使用量を減らして棺表面に化粧布を固定することができる。
[第8考案]
また、第8考案の段ボール棺は、第7考案の構成を有する段ボール棺であって、前記化粧布の一端が前記箱体の開口部に、前記化粧布の他端が前記箱体の底部にそれぞれ前記縫合糸により固定される構成とした。
このような構成によれば、箱体の開口部と底部の縫合糸で化粧布を棺表面に沿って引っ張り上げるように固定することができる。この結果、接着剤、両面テープ、金属針(タッカー)等をほとんど使用しないで化粧布の張り合わせ作業を行うことができ、さらに環境への負担の少ない段ボール棺に仕上げることが可能になる。
また、箱体の折り返し端部(開口部)と折り曲げ角部(底部)を固定する縫合糸で化粧布を同時に固定することで、縫合作業の効率化を図ることができる。
[第1〜8考案]
第1〜8考案は、強化段ボールの板材からなる段ボール棺に適用することができ、その形状は問わない。例えば、上方から見た外形が四角形である通常タイプの他、棺の角を面取りした八角形タイプの棺にも適用することができる。
第1〜8考案のうち、箱体に関する考案は、展開シートを箱状に折り曲げてなる蓋体に適用してもよい。
また、強化段ボールと同等な硬さで縫着機の縫い針が貫通可能な材料であれば、他の材料を採用してもよい。例えば、インシュレーションボードや天然素材繊維ボードなどの木質ボードの板材からなる木質ボード棺にも適用することができる。このような木質ボードについても強化段ボールと同様にV溝加工を施して展開シートを作製し、その固定部分を縫着機で縫い合わせることで箱体および蓋体を形成することができる。
縫合糸の材料については、特に限定されないが、望ましくは木綿や麻、絹などの天然繊維のものを採用する。必要に応じてポリプロピレン、ポリエチレン、ビニロン、ポリエステルなどの合成繊維の畳糸を使用してもよい。
また、棺の用途(人用、ペット用等)や種類(寝棺、座棺等)についても特に限定されることはない。
第1〜8考案は、単独で適用してもよいし、本明細書に記載される他の考案を組み合わせることもできる。第1〜8考案を組み合わせることで接着剤を一切使用しないで、優れた耐荷重性をもつ段ボール棺を製造することが可能になる。
以下、本考案の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、説明上、棺の前後方向は棺の長手方向を意味し、棺の左右方向は棺の短手方向を意味する。また、段ボール棺の断面図において、強化段ボールの板材の向きは、その波形状の見える方向のみに限定されるものではない。
[第1実施形態]
図1に示すように、段ボール棺10は、縦長の箱体12とその上方に載置される蓋体13とからなる。箱体12および蓋体13はそれぞれ強化段ボールの展開シートを折り曲げることにより形成される(図2参照)。蓋体13の前寄りの位置には観音扉式の窓14が設けられており、この窓14から棺内を覗けるようになっている。
段ボール棺10の寸法は、例えば前後長さが170〜200cm程度、左右幅が50〜70cm程度、箱体12と蓋体13を含めた高さが40〜50cm程度である。
箱体12は、底板12Aの左右に側板12B,12B、前後に妻板12C,12Cが設けられる。側板12B,12Bと妻板12C,12Cの上部内側には、箱体12の展開シートの端部を一定幅で折り返すことで枠板12Dが形成される。
蓋体13は、矩形の天板13Aを有する。天板13Aの外周部には、蓋体13の展開シートの端部を一定幅で折り返すことで枠板13Dが形成される(図2参照)。
これらの枠板12Dおよび枠板13Dは、それぞれ箱体12の開口部および蓋体13の外周部を補強し、段ボール棺10の強度を高める役割を果たす。
段ボール棺10を形成する強化段ボールには、例えば板厚10〜20mm程度の三層強化段ボール(トライウォール社製)が用いられる。三層強化段ボールは、図2R部分の拡大図に示すように、2枚の強化厚紙(ライナー)Rf,Rbとの間に、3層の波板r1〜r3が仕切り板r4およびr5を介して積層されてなるもので、優れた耐圧性・耐水性をもつ。
強化段ボールの展開シートにV溝を形成する際には、その強化厚紙Rf,Rbのいずれかを残して他の層を回転刃等を用いて切削する。展開シートを折り曲げるときには、残した片方の強化厚紙(ライナー)のみを折り曲げて、V溝の傾斜する溝面を互いに重ねて密着させる。V溝の溝角がほぼ90゜になるようにV溝加工を施せば、隣り合う板材がほぼ垂直に折れ曲がる。ほぼ90゜角のV溝を2列に隣接させた二重V溝を形成すれば、隣り合う板材が180゜折り返されて重なり合う。なお、V溝の形成方法としては、上記の切削加工の他、プレス機等で段ボール面を断面V字状に圧縮して形成してもよい。
箱体12の折り返し端部は、縫着機を用いた縫合糸tにより固定される。側板12B,12Bおよび妻板12C,12Cの各板材にそれぞれ枠板12Dが重なった状態で縫合糸tで束ねられる。
縫合糸tは、各枠板12Dの一方の端部から他方の端部まで一定の高さ位置で直線上に沿って連なる。箱体12の開口部には縫合糸tの縫い目が矩形をなすように表れる。
縫合糸tの縫い目の位置は、枠板12Dの板幅(上下幅)の中間よりも下端側にあり、これにより、折り返し端部が袋綴じ状態になってその展開が効果的に防止されている。
箱体12を製造する手順としては、例えば下記に示す(1)〜(3)の工程によることができる(図3参照)。
(1)展開シートの作製工程
最初に強化段ボールの原板を矩形にカットし、この矩形板の前後左右の端部に枠板12Dを折り返す二重V溝(ほぼ90゜角のV溝を2列に隣接させたもの)を形成する。
これらの二重V溝に沿って矩形板の端部を180゜折り返して枠板12Dとした後、この矩形板に縦V溝yおよび横V溝xのV溝加工を施して、底板12A、側板12B,12Bおよび妻板12C,12Cを形成する。
このように矩形板にV溝加工を施した後、縦V溝yおよび横V溝xの中心線に沿って矩形板の四隅の板材をカットし、展開シートP1とする。
(2)展開シートの縫合工程
次に、展開シートP1において、枠板12Dを含む折り返し端部を縫合糸tで縫い合わせて固定する。
縫合糸tの縫い合わせには畳製造用の縫着機を用いることができる。一般に畳縫いには、框(かまち)縫い、平刺し縫い、返し縫い、隅縫いの4工程があり、これらの工程を経て畳床に畳表と畳縁が縫い付けられる。これらの工程うち、平刺しは、畳床に畳表と畳縁を重ね、垂直に縫い針を通してこれらを縫い合わせる工程であり、畳製造用の縫着機が広く使用されている。このような平刺し工程の縫着機を用いることで、強化段ボールの板材を重ねた折り曲げ端部を縫合糸tにより強固に縫い合わせることが可能になる。
縫着機による縫合作業は、側板12B,12Bまたは妻板12C,12Cに4枚の枠板12Dをそれぞれ重ねて直線方向に送ることで行う。4枚の枠板12Dの縫合の順序は特に限定されない。
(3)展開シートの組立工程
図3に示す展開シートP1の底板12A、側板12B,12Bおよび妻板12C,12Cの隣り合う接触面(V溝面および傾斜端面)に接着剤を塗布し、展開シートP1を縦V溝yおよび横V溝xに沿って箱状に折り曲げる。そして、これらの接着面を養生して箱体2を完成させる。
第1実施形態の構成によれば、箱体12の折り返し端部が縫合糸tにより強固に固定されるため、枠板12Dに過大な負荷が掛かっても、段ボール紙面が剥がれるようなことがない。このため、枠板12Dによる補強の信頼性が高まって段ボール棺10の耐荷重性を向上させることができる。
また、枠板12Dを縫合糸tのみで固定することができるため、接着剤の使用量が大幅に減って環境への負担が少ない段ボール棺10に仕上げることができる。
さらには、接着剤の塗布や養生といった作業の手間が少なくなるため、段ボール棺10を短時間で効率よく製造することが可能になる。
さらに、段ボール棺10では、縫合糸tが枠板12Dの一方の端部から他方の端部まで一定の高さ位置で直線上に連なるため、縫着機による縫合を最短距離で迅速に行うことができる。
また、枠板12Dの長さ方向に均一に縫合糸tが縫い付けられるため、枠板12Dの固定強度のバラツキが少なくなる。
さらに、縫合糸tの縫い目が段ボール棺10の側面に一定の高さで直線上に表れるため、段ボール棺10を水平状態に保って持ち上げるときにこの縫い目の凹凸が滑り止めになる。これにより、段ボール棺10の移動や持ち上げの作業を快適に行うことが可能になる。
[第2実施形態]
第2実施形態による段ボール棺を図4および図5に示した。
段ボール棺20は、箱体12の折り返し端部に加えて折り曲げ角部および突き合わせ角部を縫合糸tにより固定したものである。
箱体12の折り曲げ角部は、図3に示す展開シートP1を縦V溝yおよび横V溝xに沿って折り曲げるとき、これらのV溝面を重ねることで箱体12の底端に沿ってほぼ90゜角に形成される。すなわち、底板12Aと側板12B,12Bとがなす角部分、および底板12Aと妻板12C,12Cとがなす角部分がそれぞれ折り曲げ角部となる。
箱体12の突き合わせ角部は、図3に示す展開シートP1を縦V溝yおよび横V溝xに沿って折り曲げるとき、箱体12の側端に沿ってほぼ90゜角に形成される。すなわち、側板12B,12Bと妻板12C,12Cとがなす角部分が突き合わせ角部となる。
折り曲げ角部および突き合わせ角部は、縫着機を用いて縫い付けられる縫合糸tにより固定される。これらの角部の側面から縫合糸tが斜め方向に通されて角部で重なる板材を束ねる。
折り曲げ角部および突き合わせ角部を縫い合わせる縫着機としては、前述した畳の製造工程のうち、框縫いを行うための縫着機を用いることができる。框縫いは、畳床に畳表を縫い付ける工程であって、畳床の縁(側端面)に畳表を張った状態で畳床の側端面と裏面とに斜めに糸を通して両者を縫い付ける。展開シートP1を箱状に折り曲げた後、折り曲げ角部と突き合わせ角部をそれぞれ畳の角部に見立てて框縫い工程の縫着機で縫い合わせる。これにより、これらの角部を縫合糸tで強固に縫い合わせることができる。
また、第2実施形態では、蓋体13の折り返し端部、および窓14の窓枠部が縫合糸tにより固定される。これらの縫合糸tは、箱体12の折り返し端部と同様に平刺し工程の縫着機で縫い付けられる。
第2実施形態の構成によれば、箱体12の折り返し端部に加えて、折り曲げ角部および突き合わせ角部が縫合糸tで強固に固定されるため、箱体12の耐荷重性を向上させることができる。
また、蓋体13の折り曲げ端部および窓枠部が縫合糸tにより強固に固定されるため、蓋体13の耐久性を向上させることができる。
さらには、箱体12および蓋体13の固定部分に接着剤が不要になるため、接着剤の塗布や養生の作業を省略して効率よく段ボール棺20を量産することが可能になる。
なお、折り曲げ角部および突き合わせ角部は、これらの側面に縫合糸tを真っ直ぐに通して縫い合わせる他、図5(B)に示すように、縫合糸tを円弧状に通して縫い合わせてもよい。このような円弧縫いを行うことで、これら角部の固定強度をさらに高めることが可能になる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態による段ボール棺を図6および図7に示した。第3実施形態は、落とし錠部材を用いた組立式段ボール棺に縫合糸による固定構造を採用したものである。
図6に示すように、段ボール棺30は、箱体12と落とし錠部材15とを有する。蓋体については図示されないが、例えば第1または第2実施形態と同様な構成のものが使用される。
箱体12は、強化段ボールの展開シートP3を縦V溝yおよび横V溝xに沿って折り曲げて形成される(図7参照)。箱体12の開口部には展開シートP3の端部を折り返すことで補強用の枠板12Dが形成される。枠板12Dを含む箱体12の折り返し端部は、縫着機を用いて縫い付けられる縫合糸tにより固定される。
箱体12の妻板12Cは、三角形の底妻部12Caと側妻部12Cb,12Cbに三分割されており、底妻部12Caが底板12Aと、側妻部12Cb,12Cbが側板12B,12Bとそれぞれ展開シートP3で繋がっている。展開シートP3を縦V溝yおよび横V溝xで折り曲げることで底妻部12Caと側妻部12Cb,12Cbとが合体して妻板12Cとなる。
底妻部12Caと側妻部12Cb,12Cbとの隣接部分には、パズルピース片12pと、パズルピース嵌合部12hとが設けられる(図7参照)。パズルピース片12pは、左右の側妻部12Cb,12Cbの傾斜辺から底妻部12Caに向けて延び、底妻部12Caの傾斜辺に切り欠かれたパズルピース嵌合部12hに嵌まる(図6参照)。パズルピース片12pとパズルピース嵌合部12hの根元付近は、両端から内向きに湾曲状にくびれており、これらのくびれ部分が引っ掛かって両者の係合状態を保つ。
落とし錠部材15は、強化段ボールの展開シートをコの字状に折り曲げてなるもので、コの字状の隙間に強化段ボールのロック片15F,15Fおよび15Gが挟持される。各ロック片15F,15Fおよび15Gは、妻板12Cと同一の厚みになっており、落とし錠部材15のコの字状の隙間が妻板12Cの厚みにほぼ一致している。落とし錠部材15には各ロック片の長さ方向に縫合糸tが縫い付けられる。すなわち、落とし錠部材15の展開シートとロック片15F,15Fおよび15Gの重合部で三枚の強化段ボールの板材が縫着機で縫い合わされて固定される。
妻板12Cの上部には、スリットS1,S1およびS2が縦方向に三本開放し、これらのスリットS1,S1およびS2の長さと間隔が落とし錠部材15のロック片15F,15Fおよび15Gの長さと間隔に一致している。
妻板12Cの上方から落とし錠部材15を落とし込むと、スリットS1,S1およびS2にロック片15F,15Fおよび15Gが嵌合し、底妻部12Caと側妻部12Cb,12Cbとが互いに連結される。一方、妻板12Cから落とし錠部材15を抜き取ると、底妻部12Caと側妻部12Cb,12Cbとの連結が解かれて元の展開シートP3の状態に戻る。
第3実施形態の段ボール棺30によれば、落とし錠部材15の嵌め込みと抜き出しによって箱体12の組立状態と展開状態を自在に切り替えることができる。このため、段ボール棺30の運搬・保管時には展開シートP3をコンパクトに畳んでおき、遺体の収容時には展開シートP3を組み立てるといった使い方が可能になる。
また、箱体12の折り返し端部、および落とし錠部材15のロック部がそれぞれ縫合糸tによって強固に固定されるため、箱体12の組立形状が安定し、その耐荷重性を大幅に高めることができる。
さらに、箱体12および落とし錠部材15に接着剤を使用しなくてもよいから、環境に配慮した段ボール棺30を効率よく製造することが可能になる。
[化粧布の固定構造]
次に、段ボール棺における化粧布の固定構造を説明する。
前述した第1〜第3実施形態の段ボール棺は、段ボール紙面を露出させたままでも使用することできるが、棺表面に化粧布を張り合わせて段ボール紙面を覆い隠すようにしてもよい。
従来、段ボール棺の表面に化粧布を張り合わせる場合、強化段ボールの展開シートで箱体12および蓋体13を組み立てた後、棺表面に化粧布を張り合わせて接着剤、両面テープ、金属針(タッカー)等を用いて固定していた。
前記第1〜第3実施形態の構成では、箱体12および蓋体13の表面に縫着機を用いて化粧布を縫い合わせて固定することができる。
具体的な手順としては、例えば図8および図9に示すように、化粧布としての外布および内布を箱体12の外側と内側に張り合わせる。この場合、まず図8に示すように、展開シートの端部で枠板12Dを折り返し、この上に外布16の一端を重ねて縫合糸tで縫い合わせる。続いて外布16の上に内布17を重ねて縫合糸tで縫い合わせる。
このように枠板12Dに外布16と内布17を縫い付けた後、図9に示すように、底板12Aに対し側板12Bおよび妻板12C(図示省略)を垂直に立ち上げ、箱体12の外側に外布16を取り出して下方に引っ張り、箱体12の折り曲げ角部に外布16の他端を重ねて縫合糸tで縫い合わせる。一方、箱体12の内側には適度な弛みをもたせて内布17を敷き詰める。
このような化粧布の固定構造によれば、箱体12の表面に外布16と内布17を縫合糸tにより強固に固定することができる。この結果、化粧布の張り合わせに接着剤、両面テープ、金属針(タッカー)等を使用しない環境に配慮した段ボール棺に仕上げることが可能になる。
[その他の実施形態]
前記第1〜3実施形態を説明したが、本考案の実施形態は、これらに限られることなく、必要に応じてこれらの構成部分を変更してもよい。
例えば図10(A)に示すように、箱体12とは別個の強化段ボールの板材で枠板12Dを作製し、両者を重ねて縫合糸tで固定するようにしてもよい。
また、図10(B)に示すように、箱体12の外側に別個の板材からなる枠板12D,12Dを重ねて縫合糸tで固定してもよい。この場合、箱体12の上下に一定幅の枠板12D,12Dを固定することで、これらの枠板12D,12Dが洋棺に見られる装飾用の段差部を形成し、棺の外観に高級感を与えることができる。
蓋体13については、図11(A)に示すように、左右の枠板13Dを延長して縫合糸tで固定する構造、図11(B)に示すように、蓋体13の外周部に別個の板材からなる枠板13Dを重ねて縫合糸tで固定する構造、図11(C)に示すように、蓋体13と同寸法の板材を重ねて縫合糸tで固定する構造等を採用することができる。
また、図12(A)および(B)に示すように、展開シートで箱状に形成された蓋体13の開口部で枠板13Dを折り返し、この折り返し端部を縫合糸tで固定してもよい。
さらに、図13(A)〜(C)に示すように、蓋体13の展開シートとは別個の板材で補助板13Eを形成し、天板13Aと補助板13Eを重ねて縫合糸tで固定してもよい。この場合、複雑な立体形状の蓋体13を比較的簡単に製造することが可能になる。
図10〜図13のいずれの実施形態においても、縫合糸tの縫い合わせに縫着機を用いることで、強化段ボールの板材同士が強固に固定されて耐久性に優れた高品質の段ボール棺に仕上げることができる。
第1実施形態の段ボール棺を示す分解斜視図である。 同段ボール棺の箱体および蓋体を示す断面図およびR部分の拡大断面である。 同段ボール棺の箱体を作製するための展開シートを示す平面図および側面図である。 第2実施形態の段ボール棺を示す分解斜視図である。 同段ボール棺を示すもので、(A)は箱体および蓋体の断面図、(B)は箱体の折り曲げ角部を円弧縫いとした変形例を示す部分拡大図である。 第3実施形態の段ボール棺の箱体を示す部分斜視図である。 同段ボール棺の箱体を作製するための展開シートを示す平面図および側面図である。 第1〜3実施形態の段ボール棺に化粧布を張り合わせる手順を説明するもので、展開シートの折り返し端部に化粧布を縫い合わせた状態を示す部分断面図である。 第1〜3実施形態の段ボール棺に化粧布を張り合わせる手順を説明するもので、箱体の開口部と底部に化粧布を縫い合わせた状態を示す部分断面図である。 他の実施形態による箱体を示す断面図である。 他の実施形態による蓋体を示す断面図である。 他の実施形態による蓋体を示す断面図である。 他の実施形態による蓋体を示す断面図である。 従来形態の段ボール棺を示す分解斜視図である。 同段ボール棺の箱体を作製するための展開シートを示す平面図および側面図である。
符号の説明
10 段ボール棺
12 箱体
12A 底板
12B,12B 側板
12C,12C 妻板
12D 枠板
13 蓋体
13A 天板
13D 枠板
14 窓
t 縫合糸
x 横V溝(V溝)
y 縦V溝(V溝)

Claims (9)

  1. 強化段ボールの展開シートをV溝に沿って折り曲げて箱体を形成するとともに、この箱体の開口部に前記展開シートの端部を折り返してなる枠板を設けるようにした段ボール棺であって、
    前記箱体の折り返し端部は、縫着機を用いて縫い付けられる縫合糸により固定されることを特徴とする段ボール棺。
  2. 強化段ボールの展開シートをV溝に沿って折り曲げて蓋体を形成するとともに、この蓋体の外周部に前記展開シートの端部を折り返してなる枠板を設けるようにした段ボール棺であって、
    前記蓋体の折り返し端部は、縫着機を用いて縫い付けられる縫合糸により固定されることを特徴とする段ボール棺。
  3. 請求項1または2記載の段ボール棺であって、前記縫合糸が、前記枠板の一方の端部から他方の端部まで一定の高さ位置で直線上に連なる、段ボール棺。
  4. 強化段ボールの展開シートをV溝に沿って折り曲げて箱体を形成するとともに、この箱体の底端または側端に前記展開シートのV溝面を重ねる折り曲げ角部を設けるようにした段ボール棺であって、
    前記箱体の折り曲げ角部は、縫着機を用いて縫い付けられる縫合糸により固定されることを特徴とする段ボール棺。
  5. 強化段ボールの展開シートをV溝に沿って折り曲げて箱体を形成するとともに、この箱体の底端または側端に前記展開シートの傾斜端面を重ねる突き合わせ角部を設けるようにした段ボール棺であって、
    前記箱体の突き合わせ角部は、縫着機を用いて縫い付けられる縫合糸により固定されることを特徴とする段ボール棺。
  6. 強化段ボールからなる二以上の板材を組み合せてなる段ボール棺であって、前記二以上の板材は、縫着機を用いて縫い付けられる縫合糸により互いに重ねて固定されることを特徴とする段ボール棺。
  7. 強化段ボールの展開シートをV溝に沿って折り曲げて箱体を形成するとともに、この箱体の表面に化粧布を張り合わせるようにした段ボール棺であって、
    前記化粧布は、縫着機を用いて縫い付けられる縫合糸により前記箱体の表面に固定されることを特徴とする段ボール棺。
  8. 請求項7記載の段ボール棺であって、前記化粧布の一端が前記箱体の開口部に、前記化粧布の他端が前記箱体の底部にそれぞれ前記縫合糸により固定される、段ボール棺。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項記載の段ボール棺であって、強化段ボールの板材に代えて、縫着機の縫い針が貫通可能な木質ボードの板材が用いられる、木質ボード棺。
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