JP3148666B2 - コーティング剤及びコーティングされた物質 - Google Patents
コーティング剤及びコーティングされた物質Info
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Description
に用いるコーティング剤及び該コーティング剤でコート
した食品や医薬品等の物質に関する。
表的母樹=アメリカネム)に寄生するラック貝殻虫(La
ccifer-lacca KERR.) の分泌する樹脂状物質で、スチッ
クラックが原料である。セラックはアルコールに90%
前後、エーテルに20〜30%、テレピン油に10%前
後溶解し、水には不溶でアルカリ性水溶液に可溶であ
る。また、加熱により融点が上昇し、溶解性は低下す
る。この様な性質を利用し産業分野ではレコード、ワニ
ス、電気絶縁物、封ロウなど広い用途に用いられてい
る。
溶、水不溶の性質を利用したコーテイング剤であり、医
薬品では錠剤のフィルムコーティング、食品分野ではチ
ョコレート、砂糖製品、カカオ製品、コーヒー代用品、
柑橘類の被覆剤、焙焼コーヒー、チューイングガム、糖
衣菓子、キャンディー、果実などのつや出し剤として用
いられている。
ールに溶解後、可塑剤を添加することが一般的で、アル
コールに可溶でセラックとの相溶性が良好なヒマシ油が
医薬品分野で広く用いられている。ところが、ヒマシ油
はわが国では食品添加物に指定されていないため食品に
使用することができない。また、ヒマシ油の代りに大豆
油、ナタネ油、パーム油、やし油、つばき油などの油脂
を使用することもできるが、大豆油、ナタネ油、パーム
油、やし油は低温では固体となり取扱いが困難で、大豆
油、パーム油、やし油は独特の臭いを有する。また、大
豆油などはコーティング後、膜表面に油がにじみ出てく
ることがある。一方、つばき油は高価なため一般的でな
い。また、可塑剤を用いずにセラックのアルコール溶液
のみでコーティングを掛けるとセラック自体の物理的性
質の影響で、強度ならびに膜形成速度が可塑剤を添加し
た場合と比較し著しく劣る。
いヒマシ油の代用品として、アルコール等の溶媒やセラ
ックとの相溶性が良好で、不揮発性、耐寒性、無味、無
臭、無毒で安定性の良い可塑剤を添加したセラック基剤
のコーティング剤、特に食品用に使用できるコーティン
グ剤が求められている。
解決すべく種々検討した結果、可塑剤として中鎖脂肪酸
トリグリセライドを用いることにより、被覆膜が滑らか
で、コーティング剤の付着率が改善され、その効果がヒ
マシ油と同等であることを見出し本発明を完成した。中
鎖脂肪酸トリグリセライドは食品原料であり、セラック
との相溶性が良好で、不揮発性、耐寒性を有しており、
無味、無臭、無毒で酸化はほとんどされない。
脂肪酸トリグリセライドを含むコーティング剤、(2)
セラック及び中鎖脂肪酸トリグリセライドを溶媒に溶解
した状態で含む上記(1)記載のコーティング剤、
(3)溶媒が低級アルコールである上記(2)記載のコ
ーティング剤、(4)セラック10重量部に対し中鎖脂
肪酸トリグリセライドを0.5〜10重量部含む上記
(1)、(2)又は(3)記載のコーティング剤、
(5)食品又は医薬品用の上記(1)、(2)、(3)
又は(4)記載のコーティング剤、(6)食品用の上記
(1)、(2)、(3)又は(4)記載のコーティング
剤、(7)食品又は医薬品が錠剤である上記(5)又は
(6)記載のコーティング剤、(8)上記(1)、
(2)、(3)又は(4)記載のコーティング剤を用い
て表面をコートした物質、(9)表面をコートした物質
が食品又は医薬品である上記(8)記載の物質、(1
0)表面をコートした物質が食品である上記(8)記載
の物質、(11)物質が錠剤である上記(9)又は(1
0)記載の物質、に関する。
リグリセライドは特に限定されず、例えば、 R1 COOCH2 CH(OCOR2 )CH2 OCOR3 (ここで、R1 ,R2 ,R3 はそれぞれ炭素数6〜12
のアルキル基を示す。)で示される中鎖脂肪酸トリグリ
セライドが使用できる。
の植物(豆科、桑科の代表的母樹=アメリカネム)に寄
生するラック貝殻虫の分泌する樹脂状物質を精製したも
の、いわゆる精製セラック、または樹脂状物質を漂白、
精製したいわゆる白セラック等が使用でき、外観や脱ロ
ウの有無等は特に制限はない。
を溶解する溶媒は、これらを溶解するものであれば、い
ずれも使用でき、特にメタノール、エタノール、イソプ
ロピルアルコールなどの低級アルコールを使用すること
が好ましい。
リグリセライドは0.5〜10重量部の範囲で用いるの
が好ましく、特に1〜5重量部の範囲で用いるのが好ま
しい。又、本発明のコーティング剤が、セラック及び中
鎖脂肪酸トリグリセライドを溶媒に溶解した状態で含む
場合、溶媒の使用量は溶媒の種類によって異なるが、溶
媒として低級アルコールを用いる場合は、コーティング
剤中のセラックの濃度は1〜40重量%であることが好
ましく、特に5〜30重量%であることが好ましく、
又、中鎖脂肪酸トリグリセライドの濃度は1〜20重量
%であることが好ましく、特に2〜10重量%であるこ
とが好ましい。
ることにより得ることができ、溶媒を含む場合は、セラ
ック及び中鎖脂肪酸トリグリセライドを溶媒に溶解する
ことにより得ることができる。
ィング物質の表面のコートは公知の方法に従って行なう
ことができ、例えば噴霧コーティング法、手掛け法、浸
漬法、ハケ塗り等により被コーティング物質を被覆し次
いで乾燥することにより行なうことが出来る。
る被コーティング物質としては、チョコレート、チュー
イングガム、果実、焙焼コーヒー、キャンディ、糖衣菓
子、錠菓、食物繊維(例えばキトサン)等の錠剤やソフ
トカプセル等の健康食品等の食品や錠剤やカプセル剤等
の医薬品等を挙げることが出来、又、その形状は特に限
定されず種々の形状のものにコートすることができる
が、特に錠剤等のコーティングに有用である。
ートした食品又は医薬品等の物質において、コート膜の
厚さは特に限定されないが、通常20〜200μm、好
ましくは30〜80μm、特に好ましくは40〜60μ
mである。
物として認められているものであり、安全性に優れ、
又、中鎖脂肪酸トリグリセライドは不揮発性、耐寒性に
優れ、無味、無臭、無毒であり、安定性に優れ、又、本
発明のコーティング剤は付着率が良好で、更に、これを
用いることにより外観、表面の状態、質の点で優れた膜
を得ることが出来、油脂の滲みも抑えることができる。
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
トリグリセライドを加え、100メッシュの篩いでろ過
して、それぞれ表1に示した組成を有する処方1〜6の
6種類のコーティング剤を得た。
5.9mm、厚さ1.3mmのガラス板を1秒間浸漬
し、5分間室温で放置する。この作業を15回繰り返し
た後、1日室温で放置・乾燥してセラック膜を作成し
た。作成したセラック膜について、膜の外観、表面の状
態、膜の厚さ、膜の質、油脂の滲みを評価した。
ク状で固く、表面の凹凸がある。また、大豆油の処方4
は膜質は軟らかいが、表面に凹凸があり油も滲んでい
る。ツバキ油の処方5では表面の状態は良好だが、膜質
が固く膜の厚さが薄い。ナタネ油の処方6では表面に凹
凸があり、油の滲みもある。一方、中鎖脂肪酸トリグリ
セライドの処方2では表面が滑らかで油脂の滲みも少な
く、膜質も軟かで厚くなり、ヒマシ油と同等の効果が得
られている。この結果より、中鎖脂肪酸トリグリセライ
ドはセラックの可塑剤としてすぐれた性質を有すること
が判明した。
脂肪酸トリグリセライド20kgを加え100メッシュ
の篩いでろ過しコーティング剤を得た。
鎖脂肪酸トリグリセライド10kgを加え100メッシ
ュの篩いでろ過しコーティング剤を得た。
gを溶解し中鎖脂肪酸トリグリセライド5kgを加え1
00メッシュの篩いでろ過しコーティング剤を得た。
じ評価試験を行なったところ、実施例1の処方2の場合
と同様な結果が得られた。
医薬品をコートした場合、外観、表面の状態、質等の点
で優れたコート膜を得ることが出来、又、本発明のコー
ティング剤の成分は食品添加物として認められている成
分を用いているため安全性に優れている。
Claims (6)
- 【請求項1】セラック及び中鎖脂肪酸トリグリセリドを
溶媒に溶解した状態で含むコ−ティング剤であって、そ
れが食品用のものであり、その食品が錠剤であり、その
食品が食物繊維であるコ−ティング剤。 - 【請求項2】溶媒がエタノ−ルである請求項1記載のコ
−ティング剤。 - 【請求項3】セラック10重量部に対し中鎖脂肪酸トリ
グリセライドを0.5〜10重量部含む請求項1又は2
に記載のコ−ティング剤。 - 【請求項4】食物繊維がキトサンである請求項1〜3の
いずれか1項に記載のコ−ティング剤。 - 【請求項5】セラック及び中鎖脂肪酸トリグリセリドを
溶媒に溶解した状態で含むコ−ティング剤を用いて表面
をコ−トした食品であって、その食品が錠剤であり、そ
の食品が食物繊維である食品。 - 【請求項6】食物繊維がキトサンである請求項5に記載
の食品。
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JP04282897A JP3148666B2 (ja) | 1997-02-13 | 1997-02-13 | コーティング剤及びコーティングされた物質 |
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Publication Number | Publication Date |
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---|---|---|---|
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JP5908295B2 (ja) * | 2012-02-03 | 2016-04-26 | カバヤ食品株式会社 | メントールを含む新規清涼菓子およびその製造方法 |
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-
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- 1997-02-13 JP JP04282897A patent/JP3148666B2/ja not_active Expired - Fee Related
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