JP3148366B2 - 食器洗浄機 - Google Patents

食器洗浄機

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JP3148366B2
JP3148366B2 JP17347592A JP17347592A JP3148366B2 JP 3148366 B2 JP3148366 B2 JP 3148366B2 JP 17347592 A JP17347592 A JP 17347592A JP 17347592 A JP17347592 A JP 17347592A JP 3148366 B2 JP3148366 B2 JP 3148366B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は業務用の食器洗浄機に係
り、特に、洗浄槽内における洗剤の活性度を向上させた
食器洗浄機の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】食器洗浄機は、洗浄室内に設置された汚
れた食器に、ポンプにより加圧された洗浄液およびすす
ぎ水を上下方向より順次噴射して前記食器を洗浄するも
のである。
【0003】従来の食器洗浄機の例を図13に示す。食
器洗浄機1は箱状をなし、その中央部には洗浄室2が形
成されている。また、洗浄室2は上下に分割され、その
上部は背面に沿って上下動可能な蓋3となっている。一
方、洗浄室2下部の上端には食器4を搭載するラック5
が設置可能とされ、その前後端には、ラック5の設置位
置を規定するためのガイドレール6が設けられている。
【0004】食器洗浄機1の側方には、それぞれテーブ
ル7,8がその側面を食器洗浄機1の側面と平行かつ密
着させた状態で設置されている。これらテーブル7,8
のうち、特に図13中左側のテーブル7には使用済みの
食器4を一時的に貯留する水槽9が形成され、水槽9の
上端にはラック5が設置可能となっている。また、テー
ブル7,8の前後方向の幅および上端の高さはいずれも
洗浄室2下部と同一とされている。
【0005】この食器洗浄機1は例えば図14に示すよ
うな構造とされている。図14において、符号10は洗
浄室2の下方に形成され、洗浄液を貯留する洗浄槽で、
符号11は洗浄液を食器に噴射する主洗浄ノズル、符号
12は洗浄槽10内の洗浄液を主洗浄ノズル11へと供
給する主洗浄ポンプである。また、符号13は水道水等
の原水を余熱する湯沸器で、この湯沸器13としては食
器洗浄機1の外部に設置された市販の家庭用湯沸器が使
用される。
【0006】符号14は湯沸器13より供給された温水
を更に加熱して高温のすすぎ水とするブースター、符号
15はブースター14より供給されたすすぎ水をすすぎ
ノズル16に供給するすすぎポンプである。ここで、洗
浄槽10から主洗浄ノズル11および湯沸器13からす
すぎノズル16に至る経路はいずれも管路17により連
結されている。
【0007】一方、符号18は、洗剤タンク18a内の
洗剤を汲み上げる洗剤ポンプ18bと、汲み上げられた
洗剤を洗浄槽10に供給するホース18cとから構成さ
れた洗剤供給装置で、洗剤ポンプ18bの作動時間はす
すぎポンプ15の作動時間と同期している。
【0008】符号19は、余剰の洗浄液を排出し、洗浄
槽10の水位を一定に維持するための排水路で、その上
端19aは洗浄槽1における適正水位と同一平面上に開
口している。また、符号20は洗浄槽の上部に設置さ
れ、食器に付着した食物のかすを始めとする残滓を漉し
取るための濾器である。
【0009】洗浄作業者は、テーブル7上にラック5を
設置し、水槽9内の食器4をラック5に移した後、蓋3
を手で開け、ラック5を図13中矢印方向に平行移動し
て洗浄室2のガイドレール6間に配置する。その結果、
洗浄室2内におけるラック5の前後位置が位置決めされ
るので、更にラック5の左右位置を目測にて位置決めし
た後、蓋3を閉める。
【0010】すると、蓋3に設置された図示しないリミ
ットスイッチが作動し、主洗浄ポンプ12の作用により
洗浄液が主洗浄ノズル11から食器4に向けて噴射され
る主洗浄行程と、すすぎポンプ15の作用によりすすぎ
水がすすぎノズル16から食器に向けて噴射されるすす
ぎ行程とが、タイマー制御等の方法を用いて一定周期で
繰り返され、食器が自動的に洗浄される。なお、前記洗
浄液およびすすぎ水はいずれも洗浄槽10に流入する
が、その際、食器に付着した残滓は濾器20において濾
し取られる。また、余剰の洗浄液は排水路の上端19a
から流出する。
【0011】一方、洗浄液中の洗剤濃度は、すすぎ行程
にてすすぎノズル16から噴射されたすすぎ水の流入に
より低下するが、前記の通り洗剤供給装置18の作動時
間がすすぎポンプ15の作動時間と同期しているため、
洗剤供給装置18の作用により、すすぎ行程毎に一定量
の洗剤が洗浄槽10に供給される。その結果、洗浄槽1
0における洗剤の濃度低下が防止される。
【0012】洗浄終了後は再び蓋3を開け、洗浄済みの
食器4が搭載されたラック5を図13中矢印方向に平行
移動してテーブル8上に移す。洗浄作業者は洗浄する食
器4の数に応じて、この作業を繰り返す。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】通常、食器洗浄機にお
いては、主洗浄ノズル11から噴射された洗浄液および
すすぎノズル16から噴射されたすすぎ水はいずれも洗
浄槽10内に回収されるが、食器4に付着した汚れが洗
浄とともに洗浄液に混入するため、洗浄の繰り返しに伴
い徐々に洗浄液が汚れ、洗浄液の活性(洗浄能力)が低
下する恐れがある。
【0014】そこで、上記従来の食器洗浄機において
は、前記の通りすすぎ行程に伴い洗浄槽10にすすぎ水
を流入させ、かつすすぎ行程と同期して洗剤を供給する
とともに、すすぎ水の流入により増加した洗浄液を、排
水路上端19aからオーバーフローさせて排出すること
により洗浄液の浄化および更新を行っていた。
【0015】ところで、洗浄液の浄化および更新という
観点から、すすぎ水の流入に伴い洗浄槽10から排出さ
れる排水は、数次にわたる使用に伴い汚れて活性が低下
した洗浄液であることが望ましいが、上記従来の食器洗
浄機の場合、すすぎ水および洗剤はいずれも上方から洗
浄槽10に供給されるため、洗浄槽10内では液面に近
い洗浄液ほど使用頻度が低いため活性が高く、汚れて活
性が低下した洗浄液は底部に溜る傾向がある。従って、
排水路上端19aからのオーバーフローによる洗浄液の
排出では、液面付近の最も活性が高い洗浄液が直接排出
される一方、底部に溜った活性の低い洗浄液が排出され
にくく、必ずしも洗浄液の浄化および更新が充分に行わ
れないという問題があった。
【0016】また、主洗浄行程に伴い洗浄液に混入した
残滓は洗浄槽10の上部に設置された濾器20に蓄積さ
れるが、濾器20が洗浄槽1の上部に設置されているた
め、主洗浄行程において洗浄液を循環させる場合、洗浄
液が常時濾器20に蓄積された残滓の層を通過して循環
することとなり、その結果、洗浄液の活性(アルカリ活
性度)が前記残滓との化学反応により低下するという問
題もあった。
【0017】一方、一般に洗剤の活性は液温の上昇とと
もに高くなることが知られている。ところが、上記従来
の食器洗浄機1の場合、洗剤タンク18aは、洗剤の補
給を容易とする目的で通常食器洗浄機1の外部に設置さ
れているため、洗剤タンク18a内の洗剤は通常室温と
なっている。その結果、特に冬季等においては、気温の
低下とともに洗剤の液温も低下し、高活性の洗剤が得に
くい場合があった。
【0018】この場合、洗剤の活性低下を防止するに
は、洗剤タンク18aに予熱装置を取り付け、洗剤タン
ク18a内の洗剤を加熱または保温する方法が考えられ
る。しかしながら、洗剤タンク18aに新たに予熱装置
を取り付けることは、当然のことながら製造コストを上
昇させる要因となるため、上記従来の食器洗浄機1にお
いては、洗剤の液温低下に伴う活性低化を無視し、室温
の洗剤を用いて洗浄を行っていた。
【0019】また、上記食器洗浄機1の場合、洗剤ポン
プ18bの駆動には専用のモータが用いられているた
め、洗剤供給装置18の製造コストおよびランニングコ
ストが上昇するばかりではなく、洗剤供給装置18全体
が大型化して食器洗浄機の小型化に十分対応できないと
いう問題があった。また、前記モータにおける防水およ
び漏電の防止には非常な注意が必要であった。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記事情に鑑
みてなされたもので、上下動する蓋により開閉される洗
浄室内に洗浄対象物を収容したラックを設置し、前記洗
浄室の下方に形成された洗浄槽内の洗浄液を主洗浄ポン
プにより循環させつつ主洗浄ノズルから前記洗浄対象物
に向け噴射する主洗浄行程と、給水源より供給された原
水を加熱手段にて加熱して得たすすぎ水をすすぎポンプ
の圧力によりすすぎノズルから前記洗浄対象物に向け噴
射するすすぎ行程とを行う食器洗浄機において、
【0021】前記洗浄槽の底部に開口部が形成され、ま
た、前記洗浄槽から隔離された空間には、洗剤を収容す
る洗剤タンクと、この洗剤タンクから前記洗浄槽に洗剤
を供給する洗剤ポンプが設けられ、かつ前記洗剤ポンプ
における前記洗浄槽への洗剤の供給が、前記すすぎポン
プの配管系から供給される圧力に応じ変形する部材によ
り行われ、しかも、前記開口部より流出する洗浄液の流
路中には、前記洗浄液中の残滓を漉し取る濾器が設けら
れているとともに、前記主洗浄行程と前記すすぎ行程と
の間に前記開口部を開状態とする開閉制御手段が設けら
れているものである。
【0022】
【作用】本発明の食器洗浄機においては、洗浄槽の底部
に開口部を設けたため、余剰の洗浄液を前記洗浄液の循
環系外に排出する際、前記洗浄槽の底部に溜った活性の
低い洗浄液が優先的かつ自動的に排出される。しかも、
前記洗浄液中の残滓を漉し取る濾器が前記開口部より流
出する洗浄液の流路中に設けられているため、前記洗浄
槽内の洗浄液と前記濾器に蓄積された残滓との接触が防
止される。
【0023】また、洗剤ポンプがすすぎポンプの配管系
から送液されるすすぎ液の圧力により駆動されるため、
前記洗剤ポンプ専用の駆動源が不必要となり、かつ前記
洗剤ポンプ内における洗剤と前記すすぎ液の熱交換によ
り前記洗剤が加熱される。また、前記洗剤ポンプが電気
を使用しないため、前記洗剤ポンプに対する防水の必要
がない。
【0024】更に、前記開口部が、開閉制御手段の作用
により前記主洗浄行程と前記すすぎ行程との間に開状態
とされるので、前記開口部の開放により使用ずみの洗浄
液が排出された後、洗剤ポンプによる洗剤の供給が行わ
れる。
【0025】
【実施例】以下、図面に基づき、本発明の実施例につい
て更に詳しく説明する。図1は、本発明に係る食器洗浄
機30の例を示すものである。図1において、符号31
は食器洗浄機の容器である。この容器31は箱状をな
し、その上部は正面と両側面が一体となって上下に移動
自在な蓋32とされ、蓋32の内部には洗浄室33が形
成されている。
【0026】洗浄室33には食器を搭載するラック34
が設置可能とされ、その前後端には、ラック34の設置
位置を規定する一対のガイドレール35が食器洗浄機3
0の前面に対して平行に設けられている。また、洗浄室
33の上端部および下端部の双方には、一対の主洗浄ノ
ズル36,36およびすすぎノズル37,37がそれぞ
れ下方または上方向きに設置されている。
【0027】洗浄室33の下方には洗浄液を貯留する洗
浄槽38が形成され、その下部には主洗浄ポンプ39が
設置されているとともに、洗浄槽38から主洗浄ポンプ
39を介して主洗浄ノズル36,36に至る経路は洗浄
管40により連結されている。ここで、本発明の食器洗
浄器では、洗浄槽38の底部に開口部41が形成され、
この開口部41は自動開閉弁42により開閉自在とされ
ている。自動開閉弁42としては、例えば電磁弁等が用
いられる。そして、この自動開閉弁42の開閉は、図示
しない開閉制御手段により制御されている。更に、自動
開閉弁42の下方には前記洗浄液中の残滓を漉し取る濾
器43が設けられている。この濾器43は例えばステン
レス等からなる取り外し可能な籠状のもので、液体は通
過可能であるが固形物は通過不可能な構造となってい
る。なお、符号44は濾器43を支持する廃水槽であ
る。
【0028】また、符号45は水道等の給水源、符号4
6は熱水器である。この熱水器46は給水原45から供
給された原水を加熱して高温のすすぎ水とするもので、
容器47内に収容されている。
【0029】熱水器46の構造を図2に示す。図2にお
いて、符号48は前記原水の熱水器46への流入を調節
する給水弁で、符号49は原水の流入量を測定する流量
センサ、符号50は原水の温度を測定するサーミスタで
ある。ここで、流量センサ49は空焚き防止装置をも兼
ねている。すなわち、原水流量がの設定流量以下となる
と流量センサ49の作用により自動的に熱水器46にお
ける原水の加熱が停止され、空焚きが防止される。
【0030】符号51は燃焼室で、燃焼室51内には、
ガスを燃料とし、上端に形成されたセラミックブレード
52からフレームを上方に放出させるバーナー53が設
置されている。また、符号54は前記フレームの有無を
検知する立ち消え安全装置(フレームロッド)、符号5
5はバーナー53にガスを供給するとともにその供給量
を調節する均圧弁、符号56は燃焼室の給気および排気
を行うファンモーターである。
【0031】燃焼室51の上部には加熱室57が形成さ
れ、この加熱室57の周囲および内部には、給水弁48
と接続された加熱管58が蛇行しつつ配設されている。
なお、符号59は加熱室57の過熱を防止するための温
度ヒューズ、符号60は低温時における加熱管58内の
凍結を防止する凍結防止ヒーター、符号61は加熱管5
8内におけるすすぎ水の沸騰を防止する沸騰防止装置、
符号62は加熱後のすすぎ水の温度を測定するサーミス
タである。
【0032】加熱室57の近傍にはタンク63が配設さ
れている。このタンク63は熱水器46にて加熱された
高温のすすぎ水を貯留するためのもので、その容量は、
タンク63へのすすぎ水の流入速度、熱水器46の作動
時間およびすすぎ行程(後述)の所要時間に応じて設定
される。また、符号64はフロートスイッチである。こ
れは、タンク63内の貯水量が一定の値以上となるとこ
れを検知して給水弁48を自動的に閉鎖させることによ
り、すすぎ水の過剰供給を防止するものである。更に、
タンク63底部の近傍にはすすぎポンプ65が設置さ
れ、給水源45から熱水器46およびタンク63からす
すぎポンプ65を経てすすぎノズル37,37に至る経
路はいずれも給水管66を介して連結されている。
【0033】一方、符号67は洗剤供給装置である。こ
の洗剤供給装置67は洗剤タンク67aと、その底部に
設置された洗剤ポンプ67bと、この洗剤ポンプ67b
に接続されたホース67cとからなり、更にホース67
cの末端は洗浄槽38の洗浄液液面上に開口している。
更に、すすぎポンプ65とすすぎノズル37,37とを
連結する給水管66中の任意の位置には分岐68が形成
され、この分岐68から伸びる管路69の先端は洗剤ポ
ンプ67bに接続されている。
【0034】洗剤ポンプ67bの構造を図3に示す。図
3において、符号100は円筒状をなす外部容器で、そ
の上端は円盤状をなす上蓋101で封止されている。上
蓋101の中央にはその軸線に沿ってネジ孔101aが
形成され、ネジ孔101aには外方から洗剤供給量調節
ネジ102が螺合されている。また、洗剤供給量調節ネ
ジ102の先端はネジ孔101aより外部容器100内
に突出している。上蓋101には更にすすぎ水注入口1
03が形成され、すすぎ水注入口103に螺合されたノ
ズル104には前記管路69の先端が接続されている。
そして、この管路69を介して、外部容器100内にす
すぎ水が注入可能となっている。
【0035】外部容器100の内周は下端部において摺
鉢状に縮径され、その下端部軸線上には貫通孔105が
形成されている。更に、外部容器100にはその側面に
軸方向に伸縮可能なベローズ106が形成された有底円
筒状の内部容器107がその底部を上方に向けた状態で
挿入されている。この内部容器107はその先端部10
7aにおいて肉厚となるとともに縮径され、上方から貫
通孔105に挿入支持されている。
【0036】外部容器100の下端面には環状をなす支
持板108がネジ等により当接固定され、この支持板1
08の中央部には貫通孔108aが、前記先端部107
aの内径と同径かつ同軸をなすように形成されている。
また、外部容器100の下端面と支持板108とは、O
−リング109により密閉されている。
【0037】符号110は先端部材である。この先端部
材110は円筒状をなし、その一端側は縮径され、かつ
周囲にはネジが切られて雄ネジ部110aを形成すると
ともに、他端側は拡径されてフランジ部110bを形成
している。一方、符号111は先端部材110を軸線方
向に貫通する送液口で、この送液口111はフランジ部
110bの端面側で向けて漸次縮径され、フランジ部1
10bの端面から開口している。そして、この送液口1
11内を移動可能に設置された鋼球112と、鋼球11
2の過度の移動を規制するネジ113とにより、送液口
111内においてフランジ部110b端面方向への液体
の流通を防止する逆止弁114を形成している。
【0038】フランジ部110b側面の、逆止弁114
の影響を受けない位置には洗剤供給口110cが形成さ
れ、洗剤供給口110cに螺合されたノズル115には
洗浄槽38へと伸びる前記ホース67cの先端が接続さ
れている。そして、前記先端部107aの内周面に形成
された雌ネジに雄ネジ部110aを螺合させることによ
り、内部容器107内と送液口111とを連結させた状
態で、先端部材110が外部容器100に固定されてい
る。なお、内部容器107の材質としては、高温条件下
における耐久性に優れた樹脂、例えばポリプロピレン等
が使用される。
【0039】一方、符号75は容器31の背面31aに
自らの軸線を中心に回転自在に支持された軸で、軸75
には第一のアーム74が固定されている。この第一のア
ーム74は、図4に示すように蓋32の周囲に配設さ
れ、蓋32の両側面中央部に回転自在に支持された第二
のアーム76を介して蓋32に連結されるとともに、第
一のアーム74の食器洗浄機30前面側に位置する辺
は、蓋32を開閉する把手として使用されている。更
に、前記背面31aの下端部と軸75との間は一対のバ
ネ77,77により連結されている。しかも、前記背面
31aの上端部と軸75との間には蓋開閉装置78が設
置され、前記背面31aと軸75により食器洗浄機30
に支持されている。
【0040】蓋開閉装置78の構造を図5ないし図7に
示す。符号201は蓋開閉装置78の駆動機構を支持す
るフレームで、フレーム201は、その上端部側方に形
成された取付部201aを介して前記背面31aに固定
されている。
【0041】フレーム201には正転、逆転可能な電動
モータ202が固定されている。電動モータ202の駆
動軸203は前記食器洗浄機の背面と平行にフレーム2
01から突出し、その先端部には平歯車(電動モータ側
の歯車)204が駆動軸203と同軸をなすように取り
付けられている。
【0042】また、図5および図7に示すように、フレ
ーム201の下面には一対の軸受部材205がネジ止め
等の方法で固定され、軸受部材205の下面にそれぞれ
形成された半円状の凹部206には、軸75がその軸線
を中心として回転可能に当接している。その結果、フレ
ーム201は取付部201aを介して前記背面31aに
固定されるとともに、軸75によっても支持される。こ
こで、軸受部材205には、例えば真鍮等の摩擦係数の
少ない金属が用いられる。
【0043】一方、軸75には、図5および図6に示す
ように、半円状をなす歯車(軸側の歯車)207が、軸
75と同軸をなし、かつ平歯車204と噛み合うよう、
取付部材208を介してネジ止め等の方法で取り外し可
能に固定されている。この場合、軸75上における歯車
207の位置は、軸75を回転させ、蓋32が下降限界
点および上昇限界点に到達した場合に、歯車207の幅
方向の一端および他端(図6中符号AおよびB)がそれ
ぞれ平歯車204と噛み合うような位置とする。また、
歯車207の径が平歯車204より大径とされているた
め、平歯車204の回転に対する歯車207の回転量は
小さくなる。
【0044】なお、符号209a,209bはいずれも
マイクロスイッチで、軸75の外周面に取り付けられた
円盤状部材210との相互作用により蓋32の下降限界
点および上昇限界点を検知し、電動モータ202のON
/OFFを行うものである。
【0045】更に、本実施例の食器洗浄機30の場合、
前記背面31a内側には、ラック17の左右位置を適正
な位置に規定するためのラックストッパー79が固定さ
れている。このラックストッパー79の構造を図8に示
す。
【0046】図8において、符号301はラックストッ
パー79のフレームで、フレーム301は前記背面31
aの内側にネジ等で固定されている。また、符号302
は、フレーム301を前記背面31aに平行かつ水平に
貫通しする軸で、軸302は、フレーム301の側面3
01a,301bに設けられた孔に回転自在かつその軸
洗に沿って移動可能に挿通されている。
【0047】軸302の一端はフレーム301の側面3
01aからテーブルから突出し、その先端部には軸30
2の他端方向への移動を規制するストッパー(規制部
材)303が設けられている。一方、軸302の他端は
フレーム301の側面301bから突出後食器洗浄機3
0の前面側に屈曲し、前記背面31a側のガイドレール
35を越えて前記前面側に突出する第一のレバー304
となっている。ここで、第一のレバー304の前記他端
方向への移動量Cは、側面301aとストッパー303
が接触した場合における第一のレバー304の前記他端
側の面が、洗浄室33内における適正位置にラック34
を設置した場合のラック側面34aの位置と重なるよう
に調節されている。
【0048】また、符号305は、第一のレバー304
が食器洗浄機30の前面側を向いた場合に、前記背面3
1a側を向くよう軸302に取り付けられた第二のレバ
ー、符号306は第二のレバー305のテーブル20側
に設けられ、軸302の前記一端方向への移動を規制す
るストッパーである。
【0049】符号307は磁石で、この磁石307は、
第二のレバー305同様、第一のレバー304を食器洗
浄機30の前面側に向けた場合に、その磁力線が前記背
面31a側を向くよう軸302に取り付けられている。
また、前記背面31a外側の、フレーム側面301aと
ストッパー303が接触するまで軸302を前記他端方
向に移動した場合に前記背面31aを挟んで磁石307
と対向する位置には、磁石307の磁気を検知する磁気
センサ(磁気検知手段)308が設置されている。
【0050】しかも、この磁気センサ308には、前記
蓋開閉装置78のモータ202が、シークエンサ等によ
り、磁気センサ308が磁気を検知した時点から一定の
タイムラグを持たせて自動的に蓋を閉鎖するよう連動し
ている。また、磁石307の第一のレバー304側にあ
たる軸302の周囲にはばね309が巻回され、このば
ね309の作用により、軸302は前記一端側に常時押
圧されている。
【0051】次に、上記構成を有する食器洗浄機による
食器(洗浄対象物)の洗浄工程について、図12に示す
タイミングチャートとともに以下に述べる。
【0052】食器洗浄機を稼働する場合には、自動開閉
弁42を閉状態とし、洗浄槽38内に予め所定量の洗浄
液を貯留させるとともに、図9に示すように、食器洗浄
機30の側方に、それぞれテーブル80,81を、その
側面を食器洗浄機30の側面と平行かつ密着させた状態
で食器洗浄機30と並列に設置する。ここで、テーブル
80には使用済みの食器を一時的に貯留する水槽82が
形成され、かつテーブル80,81の上面の前後端には
ラック34設置用の一対のレール83がテーブル80,
81の前面に対して平行に設けられている。また、テー
ブル20,23の前後方向の幅および上端の高さはいず
れも洗浄室33の上端と同一とされている。
【0053】食器洗浄機30の蓋32が閉鎖されている
場合、蓋開閉装置78の歯車207は図6中符号Aの位
置で平歯車204と噛み合い、かつマイクロスイッチ2
09aは円盤状部材210により軸75の径方向外方に
押圧され、ONの状態である。この状態で、作業者の判
断またはシークエンス制御等により電動モータ202を
正転させると、駆動軸203および平歯車204を介し
て、歯車207が図6中符号B方向に回転する。
【0054】従って、歯車207が固定された軸75は
図7中X方向に回転するが、第一のアーム74は軸75
に軸支され、かつ第二のアーム76を介して蓋32と連
結されているので、軸75の回転ともに蓋32が上昇し
て蓋32が開かれる。
【0055】蓋32が十分開くと、今度はマイクロスイ
ッチ209bが円盤状部材210により軸75の径方向
外方に押圧されてONとなり、第一のアーム74の上昇
限界点が検知されて電動モータ202の回転が停止し、
蓋32は全開した状態で停止する。そこで、洗浄作業者
は、テーブル80のレール83上にラック34を設置
し、水槽82内の食器をラック34内に移した後、ラッ
ク34をレール83に沿って図9中矢印方向に平行移動
させる。その結果、ラック34はガイドレール35間に
移動し、洗浄室33内におけるラック34の前後位置が
自動的に適正位置に規定される。
【0056】そして、そのまま更にラック34を更にガ
イドレール35に沿って前記矢印方向に平行移動させる
と、ラック側面34aが第一のレバー304のテーブル
80側の面を押圧し、第一のレバー304が図8に示す
状態からラック34とともにテーブル81方向に移動す
る。
【0057】やがて、フレーム301の側面301aと
ストッパー303が接触すると、第一のレバー304の
移動がストッパー303により規制され、それに伴いラ
ック34の移動も停止する。この状態を図10に示す。
この場合、前述の通り第一のレバー304のテーブル8
0側の面が洗浄室33内におけるラック側面34aの適
正位置と重なっているため、洗浄室33内におけるラッ
ク34の左右位置が自動的に適正位置に規定され、その
結果、ラック34が洗浄室33内の適正位置に設置され
る。
【0058】更に、前記背面31a外側の、ストッパー
303により停止するまで軸302をテーブル81方向
に移動した場合に磁石307と対向する位置には磁気セ
ンサ308が設けられているため、ラック34が洗浄室
33内の適正位置に設置されると、磁石307の磁気が
前記背面31aを介して磁気センサ308に検知され
る。ここで、この磁気センサ308には、蓋開閉装置7
8のモータ202が蓋32を閉鎖するよう連動している
ので、一定のタイムラグを経て電動モータ202が逆転
し、駆動軸203および平歯車204を介して、歯車2
07が図6中符号A方向に回転する。その結果、軸75
が図7中Y方向に回転し、軸75の回転とともに蓋32
が自動的に下降を開始する。
【0059】蓋32が完全に下降し洗浄室33が閉鎖さ
れると、マイクロスイッチ209aの作用により電動モ
ータ202の逆転が自動的に停止するとともに、第二の
レバー34の上端が蓋32下端面により上方から押圧さ
れ、軸302が図10中矢印D方向に回転する。その結
果、第一のレバー304は食器洗浄機30の前面方向か
ら上方へとその向きを変え、第一のレバー304が前記
背面31a方向に移動してラック側面34aから外され
る。ところが、軸302はばね309の作用によりテー
ブル80側に押圧されているため、第一のレバー304
をラック側面34aから外すと、軸302は、図11に
示すように、フレーム側面301bとストッパー306
が接触するまでテーブル80方向に引き戻される。
【0060】洗浄室33の閉鎖が完了すると、蓋32に
設置された図示しないリミットスイッチの信号を受けて
主洗浄ポンプ39が作動し、その結果、洗浄槽39内の
洗浄液が洗浄管40を通り主洗浄ノズル36,36から
ラック34内の食器に向けて噴射され、食器の洗浄が行
われる。これが主洗浄行程である。
【0061】ここで、本実施例の食器洗浄機において
は、主洗浄行程の開始と同時に熱水器46の電源がON
となり、かつ給水弁48が開状態とされて、給水源45
の水圧により、室温の原水が給水源45から給水管66
を経て熱水器47に流入する。原水の流入は流量センサ
49により検知され、その結果バーナー53の使用が可
能となる。
【0062】また、前記主洗浄行程の開始と同時にファ
ンモーター56による送風が開始されて燃焼室51およ
び加熱室57内の空気が外気と交換(プリパージ)され
るとともに、バーナー53点火用のスパーカが作動し、
スパーカ作動の直後に均圧弁55が開いてバーナー53
にガスが供給され、バーナー53が点火される。バーナ
ー53の点火は、立ち消え安全装置54により検知され
る。
【0063】この場合、ファンモーター56の送風量は
バーナー53の点火時に一旦前記プリパージ時の半分程
度に弱められ、以後段階的に最大まで復帰する。これ
は、ファンモーター56の送風量を弱めることにより、
前記スパーカによりバーナー53に点火する際、ファン
モーター56からの風により点火が妨害されないように
するためである。また、前記スパーカはバーナー53点
火後も数秒間作動し続けるが、これは、前記スパーカの
作動時間が短いと、バーナー53への点火が確実に行わ
れない可能性があるためである。こうして加熱管58内
に流入した原水は、加熱室57にてバーナー53により
加熱され、約85℃前後のすすぎ水となってタンク63
に貯留される。その結果、タンク64内の水位は図12
に示すように漸次増加する。
【0064】更に、主洗浄行程の終了とともに、給水弁
48が閉じられて給水源45から熱水器46への原水の
流入が停止する。その結果、熱水器46内における原水
の流量が0となり、流量センサ49の作用により均圧弁
55が閉じてバーナー53へのガス供給が停止され、バ
ーナー53が消火されるとともに、加熱管58からタン
ク63へのすすぎ水の流入も停止される。
【0065】なお、ファンモーター56の送風量は、バ
ーナー53の消火とともにバーナー53燃焼時の半分程
度まで低下し、しばらくの間その状態を維持した後に0
となる。これがポストパージで、ポストパージにより、
燃焼室51および加熱室57内の空気が外気と交換され
る。
【0066】一方、前記開閉制御手段の作用により、主
洗浄行程終了後の休止時間に対応して自動開閉弁42が
開状態になる。その結果、特に洗浄槽38底部周辺の洗
浄液が開口部41から重力により濾器43へと排出さ
れ、残滓のみが濾器43において漉し取られる。休止時
間が終了すると、やはり前記開閉制御手段の作用によ
り、自動開閉弁42が閉状態へと戻されて洗浄槽38か
ら濾器43への洗浄液の排出が停止される。なお、開口
部41の開口による洗浄液の排出量は、後述するすすぎ
行程に伴うすすぎ水の流入量と一致しているため、洗浄
槽38の水位は常時一定に維持される。また、濾器43
にて漉し取られた残滓は適宜廃棄する。
【0067】次いで、すすぎポンプ66が作動し、タン
ク63に貯留された高温のすすぎ水がすすぎポンプ65
の圧力によりすすぎノズル37,37から食器に向けて
噴射され、食器のすすぎが行われる。これがすすぎ行程
である。すすぎ行程の結果、タンク63内のすすぎ水は
急速に減少し、タンク63内におけるすすぎ水の水位
は、すすぎ行程終了時には主洗浄行程開始前と同一程度
にまで低下する。
【0068】そして、上記主洗浄行程とすすぎ行程とを
休止時間を挟んで一定の周期で繰り返すことにより、食
器が自動的に洗浄される。なお、主洗浄ノズル36,3
6から噴射された洗浄液およびすすぎノズル37,37
から噴射されたすすぎ水はいずれも洗浄槽38に流入
し、主洗浄ポンプ39の作用により再度主洗浄行程にて
使用される。
【0069】一方、すすぎ行程においてすすぎポンプ6
5から吐出されたすすぎ水の一部は、分岐68から管路
69を経てノズル104より洗剤ポンプ67bの外部容
器100内に流入される。すると、外部容器100内へ
のすすぎ水の流入により外部容器100内の圧力が増加
し、それに伴い内部容器107のベローズ106がその
軸線方向に収縮され、内部容器107が元の位置(図3
中符号107で示した位置)から例えば図3中符号Eで
示す位置まで収縮する。
【0070】やがて、主洗浄行程となると、管路69か
ら外部容器100内へのすすぎ水の流入が停止し、外部
容器100内の圧力が低下する。その結果、ベローズ1
06がその軸線方向に伸長し、内部容器107が収縮位
置から元の位置へと膨張する。すると、内部容器107
の膨張に伴い逆止弁114が開状態となるが、洗剤ポン
プ67bは洗剤タンク67aの底部に設置されているた
め、逆止弁114が開くと、洗剤タンク67a内の洗剤
が送液口111を経て内部容器107内に流入する。
【0071】そして、すすぎ行程が再開されると、すす
ぎポンプ65から吐出されたすすぎ水の一部が再度管路
69を経て外部容器100内に流入し、それに伴う外部
容器100内の圧力増加によりベローズ106が再度そ
の軸線方向に収縮され、内部容器107が収縮する。そ
の結果、逆止弁114が閉じ、内部容器107内の洗剤
が送液口111からノズル115を経てホース67cへ
と送液される。ホース67cの末端は洗浄槽38の洗浄
液液面上に開口しているため、洗剤が洗浄槽38に供給
される。
【0072】この場合、内部容器107の収縮による洗
剤の供給量は、洗剤供給量調節ネジ102先端の外部容
器100内への突出量に応じて任意に決定することがで
きる。すなわち、洗剤供給量調節ネジ102を回動し、
外部容器100内への洗剤供給量調節ネジ102先端の
突出量を増加させると、内部容器107の収縮量が減少
し、その結果洗剤の供給量が減少する。
【0073】上記一連の動作は食器洗浄機30の運転中
連続的に行われ、そのため、すすぎ行程毎に洗剤供給装
置67から一定量の洗剤が洗浄槽38に供給される。そ
の結果、すすぎ水の流入に伴う洗浄槽38内における洗
剤濃度の低下が防止され、洗浄槽38内における洗剤の
濃度が常時一定に保たれる。
【0074】洗浄終了後、作業者は第一のアーム74を
持ち上げて再び蓋32を開け、洗浄済みの食器が搭載さ
れたラック34を再度図9中矢印方向に平行移動してテ
ーブル81のレール83上に移す。すると、それまでラ
ック34の背面により上方を向いた状態で支持されてい
た第一のレバー304が、第一のレバー304の自重に
より食器洗浄機30の前面側を向く。その結果、ラック
ストッパー79が再度図8に示す状態へと戻り、洗浄室
33への新たなラック34の設置が可能となる。
【0075】一方、電動モータ202の電源を切り、第
一のアーム74を上下させると、軸75が回転し、その
回転が歯車207および平歯車204を経て駆動軸20
3に伝達され、駆動軸203が空転するとともに、蓋3
2が開閉する。従って、この蓋開閉装置78では、蓋3
2の開閉を手動で行うことが可能である。駆動軸203
と平歯車204間にクラッチを介在させ、蓋32の開閉
を手動で行う際には予めこのクラッチを切ることによ
り、駆動軸203の空転に伴う負荷を除去し、手動によ
る蓋32の開閉をより容易とすることもできる。
【0076】なお、主洗浄ポンプ39、すすぎポンプ6
5、および熱水器46の作動時間は、いずれも例えばシ
ークエンサー等を用いた図示しない制御手段により制御
されている。また、本実施例の場合、主洗浄行程、休止
時間およびすすぎ行程の所要時間はそれぞれ50秒、5
秒および10秒とした。
【0077】ところで、一般に洗浄槽38においては、
液面に近い洗浄液ほど活性が高く、汚れて活性が低下し
た洗浄液は底部に溜る傾向があるが、本実施例に示す食
器洗浄機30においては、洗浄液が洗浄槽38の底部に
設けられた開口部41から排出されるため、排出される
洗浄液は、主に活性が低下した洗浄液となる。従って、
洗浄槽38内においては、清浄で活性が高い洗浄液が上
方から供給されるとともに、汚れて活性が低下した洗浄
液が底部から排出され、その結果、洗浄液の浄化および
更新が充分に行われ、洗浄液の活性低下が防止される。
【0078】しかも、洗浄液中の残滓を漉し取る濾器4
3が自動開閉弁42の末端に設けられているため、濾器
43に蓄積された残滓が洗浄槽38内の洗浄液と分離さ
れ、その結果、前記残滓との接触に伴う化学反応による
洗浄液の活性低下が防止される。
【0079】また、洗剤ポンプ67bがすすぎ水の圧力
により駆動されるため、洗剤ポンプ67b専用の駆動源
が不要となる。従って、洗剤供給装置67の製造コスト
およびランニングコストが低減され、かつ洗剤ポンプ6
7bの大幅な小型化が可能となる。その結果、洗剤ポン
プ67bの部品に使用される資材の量が減少し、かつ洗
剤ポンプ67bの主要部分をなす内部容器107の材質
として樹脂が使用されているため、上記製造コストが更
に低減される。しかも、洗剤供給装置67が電気を使用
しないので洗剤供給装置67に対する防水の必要もな
い。
【0080】更に、外部容器100内では高温のすすぎ
水が常時流入と流出を繰り返しているため、すすぎ行程
の終了とともに内部容器107内に流入した洗剤は、主
洗浄行程の間内部容器107の壁面を介して自動的にす
すぎ水と熱交換され、次のすすぎ行程ではすすぎ水とほ
ぼ同温度まで予熱された状態で洗浄槽38に供給され
る。従って、室温の高低に係わらず、洗剤が常時高い活
性を保った状態で洗浄槽38に供給される。
【0081】しかも、開口部41が、前記開閉制御手段
の作用により主洗浄行程とすすぎ行程との間に設けられ
た休止時間にのみ開状態とされるので、洗剤供給装置6
7による洗剤の供給は、常に開口部41の開放により前
回の主洗浄行程で使用済みの洗浄液が排出された後とな
る。その結果、次回の主洗浄行程では、休止時間後、洗
剤供給装置67から新たに供給された高活性の洗剤が主
に使用されることとなり、より効果的な洗浄が可能とな
る。
【0082】なお、洗剤ポンプ67bは、支持板108
等により洗剤タンク67aの底部に固定してもよく、管
路69およびホース67cを接続した状態で、洗剤タン
ク67a内に投げ込み式に配置してもよい。
【0083】一方、上記実施例の食器洗浄機30にはラ
ックストッパー79が設置されているため、特に洗浄室
33内におけるラック34の左右位置の位置決めを極め
て容易かつ確実に行うことが可能となり、その結果、洗
浄室33内におけるラック34の設置位置の不良に起因
するラック34あるいはラック34内の食器の破損が防
止される。
【0084】また、蓋開閉装置78の設置により蓋32
の開閉を自動化し、特に、蓋32の下降行程をラックス
トッパー79と連動させた為、第一のアーム74の下降
作業を行う必要がなくなり、食器洗浄機30の運転が省
力化される。しかも、磁石307および磁気センサ30
8により、前記背面31aを介して下降行程制御を行っ
ているため、多量の水が使用される洗浄室33内に直接
センサを設置する必要がなく、センサへの水分の付着に
よる漏電や故障等の心配がない。
【0085】しかも、上記実施例の食器洗浄機30に設
置された蓋開閉装置78は、蓋開閉装置78を設置した
場合でも手動による蓋32の開閉が可能で、かつ小型で
あるため設置スペースが少なくて済む。また、食器洗浄
機30への着脱が容易であるという効果をも有する。
【0086】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の食器洗浄機
にあっては、洗浄槽の底部に開口部を設けたため、余剰
の洗浄液を前記洗浄液の循環系外に排出する際、前記洗
浄槽の底部に溜った活性の低い洗浄液が優先的かつ自動
的に排出される。従って、すすぎ行程に伴う前記洗浄槽
へのすすぎ液の流入による前記洗浄液の浄化および更新
を確実に実施することが可能である。更に、前記洗浄液
中の残滓を漉し取る濾器が前記開口部より流出する洗浄
液の流路中に設けられているため、前記残滓との接触に
よる洗浄液の活性低下が防止される。
【0087】また、前記洗浄槽に洗剤を供給する洗剤ポ
ンプがすすぎポンプの配管系から送液されるすすぎ液の
圧力により駆動されるため、前記洗剤ポンプ専用の駆動
源が不必要となり、製造コストおよびランニングコスト
が低減される。しかも、前記洗剤ポンプの大幅な小型化
が可能となるため、部品として使用される資材の量が減
少し、上記製造コストが更に低減されるという効果を有
する。一方、前記洗剤ポンプ内における洗剤と前記すす
ぎ液の熱交換により前記洗剤が加熱されるため、洗浄液
の活性が常時高水準に維持される。
【0088】更にまた、前記開口部が前記主洗浄行程と
前記すすぎ行程との間に開状態とされるので、前記洗剤
ポンプによる洗剤の供給は、常時前記開口部の開放によ
り使用ずみの洗浄液が排出された後となる。その結果、
次回の主洗浄行程では、前記洗剤供給装置から新たに供
給された高活性の洗剤が主に使用されることとなり、よ
り効果的な洗浄が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例に係る食器洗浄機の構造を
示す図である。
【図2】本発明の第一実施例に使用される熱水器の構造
の例を示す図である。
【図3】本発明の第一実施例に使用される洗剤ポンプの
構造の例を示す洗剤ポンプの縦断面図である。
【図4】本発明の第一実施例に使用される蓋開閉装置の
食器洗浄機への装着例を示す上方斜視図である。
【図5】本発明の第一実施例に使用される蓋開閉装置の
構造の例を示す側面図である。
【図6】本発明の第一実施例に使用される蓋開閉装置の
構造の例を示すVI方向からの矢視図である。
【図7】本発明の第一実施例に使用される蓋開閉装置の
構造の例を示すVII方向からの矢視図である。
【図8】本発明の第一実施例に使用されるラックストッ
パーの構造を示す図である。
【図9】本発明の第一実施例に係る食器洗浄機の使用状
況を示す図である。
【図10】本発明の第一実施例に使用されるラックスト
ッパーの作動状況を示す図である。
【図11】本発明の第一実施例に使用されるラックスト
ッパーの作動状況を示す図である。
【図12】本発明の第一実施例に係る食器洗浄機の作動
状況を経時的に示すタイミングチャートである。
【図13】従来の食器洗浄機の使用状況を示す図であ
る。
【図14】従来の食器洗浄機の構造の例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1,30 食器洗浄機 2,33 洗浄室 3,32 蓋 4 食器 5,34 ラック 6,35 ガイドレール 7,8,80,81 テーブル 9,82 水槽 10,38 洗浄槽 11,36 主洗浄ノズル 12,39 主洗浄ポンプ 13 湯沸器 14 ブースター 15,65 すすぎポンプ 16,37 すすぎノズル 17,69 管路 18,67 洗剤供給装置 18a,67a 洗剤タンク 18b,67b 洗剤ポンプ 18c,67c ホース 19 排水路 19a 排水路上端 20,43 濾器 31,47 容器 31a 容器の背面 34a ラック側面 40 洗浄管 41 開口部 42 自動開閉弁 44 廃水槽 45 給水源 46 熱水器 48 給水弁 49 流量センサ 50,62 サーミスタ 51 燃焼室 52 セラミックブレード 53 バーナー 54 立ち消え安全装置(フレームロッド) 55 均圧弁 56 ファンモーター 57 加熱室 58 加熱管 59 温度ヒューズ 60 凍結防止ヒーター 61 沸騰防止装置 63 タンク 64 フロートスイッチ 66 給水管 68 分岐 74 第一のアーム 75,302 軸 76 第二のアーム 77,309 バネ 78 蓋開閉装置 79 ラックストッパー 83 レール 100 外部容器 101 上蓋 102 供給量調節ネジ 103 すすぎ水供給口 104,115 ノズル 105,108a 貫通孔 106 ベロ−ズ 107 内部容器 107a 内部容器の先端部 108 支持板 109 O−リング 110 先端部材 110a 雄ネジ部 110b フランジ部 110c 洗剤供給口 111 送液口 112 鋼球 113 ネジ 114 逆止弁 201,301 フレーム 201a 取付部 202 電動モータ 203 駆動軸 204 平歯車 205 軸受部材 206 凹部 207 歯車 208 取付部材 209a,209b マイクロスイッチ 210 円盤状部材 301a,301b フレームの側面 303,306 ストッパー 304 第一のレバー 305 第二のレバー 307 磁石 308 磁気センサ A 蓋開閉装置の歯車の一端部 B 蓋開閉装置の歯車の他端部 C ラックストッパーの軸の移動量 D ラックストッパーの軸の回転方向 E 洗剤ポンプの内部容器の収縮時の位置
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−184516(JP,A) 実開 平5−63456(JP,U) 特公 平5−33620(JP,B2) 実公 平7−27013(JP,Y2) 実公 平7−27012(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47L 15/44

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下動する蓋により開閉される洗浄室内
    に洗浄対象物を収容したラックを設置し、前記洗浄室の
    下方に形成された洗浄槽内の洗浄液を主洗浄ポンプによ
    り循環させつつ主洗浄ノズルから前記洗浄対象物に向け
    噴射する主洗浄行程と、給水源より供給された原水を加
    熱手段にて加熱して得たすすぎ水をすすぎポンプの圧力
    によりすすぎノズルから前記洗浄対象物に向け噴射する
    すすぎ行程とを行う食器洗浄機において、 前記洗浄槽の底部に開閉自在な開口部が形成されるとと
    もに、前記主洗浄行程と前記すすぎ行程との間に前記開
    口部を開状態とする開閉制御手段を備え、更に、前記洗
    浄槽から隔離された空間には、洗剤を収容する洗剤タン
    クと、この洗剤タンクから前記洗浄槽に洗剤を供給する
    洗剤ポンプが設けられ、かつ前記洗剤ポンプは、前記す
    すぎポンプの配管系から供給される圧力により変形する
    部材により前記洗剤タンク内の洗剤を前記洗浄槽へ供給
    することを特徴とする食器洗浄機。
  2. 【請求項2】 前記開口部より流出する洗浄液の流路中
    に、前記洗浄液中の残滓を漉し取る濾器が設けられてい
    ることを特徴とする請求項1記載の食器洗浄機。
  3. 【請求項3】 前記洗剤ポンプが吐出量可変型のポンプ
    であることを特徴とする請求項1または記載の食器洗
    浄機。
  4. 【請求項4】 前記開口部より流出する洗浄液の量と前
    記すすぎ行程中に前記洗浄槽に供給されるすすぎ水の量
    とが等しいことを特徴とする請求項1ないし3のいずれ
    か1項記載の食器洗浄機。
  5. 【請求項5】 前記主洗浄行程中に、次回のすすぎ工程
    に使用される所定量のすすぎ水を調製することを特徴と
    する請求項1ないし4のいずれか1項記載の食器洗浄
    機。
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