JP3147770B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置

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JP3147770B2
JP3147770B2 JP08800496A JP8800496A JP3147770B2 JP 3147770 B2 JP3147770 B2 JP 3147770B2 JP 08800496 A JP08800496 A JP 08800496A JP 8800496 A JP8800496 A JP 8800496A JP 3147770 B2 JP3147770 B2 JP 3147770B2
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intake
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fuel
injection
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関の制御装置
に係り、より詳しくは、燃焼室へ燃料を直接噴射する燃
料噴射弁と、吸気弁の作動タイミングを調整する可変バ
ルブタイミング機構とを備えた火花点火式の内燃機関に
おいて、前記吸気弁の作動タイミングに応じて燃料噴射
弁による燃料の噴射時期を制御するようにした内燃機関
の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、燃料噴射弁の噴孔から燃料(ガソ
リン)を燃焼室内へ直接噴射する、いわゆる筒内噴射式
の内燃機関が知られている(例えば特開平5−2482
77号公報参照)。この内燃機関では、燃料が吸気行程
で噴射される場合、噴射時期と排気エミッション(H
C、スモーク等の量)との間に一定の関係がみられ、噴
射時期と出力との間に一定の関係がみられる。
【0003】前者においては、クランクシャフトの回転
(クランク角)に関し、HC及びスモークの量の少ない
角度範囲があり、その範囲よりも早いタイミングで燃料
が噴射されても、遅いタイミングで燃料が噴射されても
HC及びスモークの量が増加し、排気エミッションが悪
化する。特に、前記角度範囲よりも遅いタイミングに関
しては、吸気弁による吸気通路の閉鎖時を境にHC及び
スモークの量が急に増加する。また、後者においては、
クランク角に関し出力の高い角度範囲があり、その範囲
よりも遅いタイミングで燃料が噴射されると出力が低下
する。特に、吸気弁による吸気通路の閉鎖時を境に出力
が急に低下する。
【0004】吸気通路の閉鎖時よりも遅く燃料が噴射さ
れた場合に、排気エミッション及び出力がともに急激に
悪化するのは次の理由によるものと考えられる。この時
期に燃料が噴射されると、点火までの時間が短く、十分
に燃料が気化されない。特に、吸気弁によって吸気通路
が閉鎖された後には吸入空気の乱れが急速に弱まる。こ
のため、吸入空気と燃料とのミキシングが不十分とな
り、燃料が偏在し、排気エミッションや出力が悪化す
る。従って、前記角度範囲内、特に吸気通路の閉鎖時よ
りも前のタイミングで燃料を噴射することが、排気エミ
ッションや出力の観点から望ましい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述した技
術を、機関運転状態に応じて吸気弁の作動タイミングを
変化させることにより性能向上を狙った可変バルブタイ
ミング機構(VVT)を搭載した内燃機関に適用した場
合、吸気通路の閉鎖時期が変化するため次に示す不具合
が生ずる。それは、吸気弁による吸気通路の閉鎖時期が
早められた場合、それに従いHC及びスモークの量が急
に増大する際の時期も早められる。この時期の変化を考
慮しないと、吸気通路の閉鎖後にも燃料が噴射され、そ
の結果、排気エミッションや出力が悪化するおそれがあ
る。
【0006】なお、前述した不具合の対策として、高回
転・高負荷域でも噴射期間が十分短くなるように燃料噴
射弁の噴射率(単位時間当たりの噴射流量)を大きくす
ることが考えられる。このようにすれば、吸気弁による
吸気通路の閉鎖時よりも前に燃料噴射を終了させること
が可能である。しかし、この方法では必要燃料量が少な
いときに、その量の燃料を精度よく噴射することが難し
い。
【0007】本発明は前述した事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は内燃機関の運転状態に応じて変化
する吸気弁の作動タイミング、特にその吸気弁による吸
気通路の閉鎖時に応じて燃料の噴射終了時期を制御する
ことにより、混合気を良好に形成することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載の第1の発明は、火花点火式内燃機関
の燃焼室に吸入空気を導くための吸気通路を開閉する吸
気弁と、前記吸気弁の作動タイミングを調整するための
可変バルブタイミング機構と、開弁時間に応じた量の燃
料を前記燃焼室へ直接噴射する燃料噴射弁と、前記内燃
機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、前記吸
気弁が前記運転状態検出手段による運転状態に応じた目
標作動タイミングで吸気通路を開閉するように、前記可
変バルブタイミング機構を制御する第1の制御手段と、
ピストンの移動にともなう負圧により吸入空気が燃焼室
へ吸入される吸気行程において、前記燃料噴射弁が前記
運転状態検出手段による運転状態に応じた目標噴射時期
に開弁して燃料を噴射するように、同燃料噴射弁を制御
する第2の制御手段と、前記第2の制御手段での目標噴
射終了時期が、前記第1の制御手段での吸気弁による吸
気通路の閉鎖時期に対応する所定時期よりも遅いときに
は、前記目標噴射時期を補正することにより、前記目標
噴射終了時期を前記所定時期よりも早める噴射時期補正
手段とを備えている。
【0009】上記第1の発明によると、運転状態検出手
段は内燃機関の運転状態を検出する。第1の制御手段
は、検出された運転状態に応じた目標作動タイミングに
従い、吸気弁が吸気通路を開閉するように可変バルブタ
イミング機構を制御する。また、第2の制御手段は、吸
気行程において、燃料噴射弁が運転状態検出手段による
運転状態に応じた目標噴射時期に開弁して燃料を噴射す
るように同燃料噴射弁を制御する。さらに、目標噴射終
了時期が吸気弁による吸気通路の閉鎖時期に対応する所
定時期よりも遅いとき、噴射時期補正手段は目標噴射時
期を補正することにより、目標噴射終了時期を所定時期
よりも早める。従って、可変バルブタイミング機構によ
って吸気弁の作動タイミングが変更されて、吸気通路の
閉鎖時期が変化しても、混合気形成が急激に悪化する所
定時期よりも前に、燃料噴射を終了させることが可能と
なる。
【0010】請求項2に記載の第2の発明は、前記第1
の発明における噴射時期補正手段が、前記目標噴射終了
時期の前記所定時期に対する遅延量を算出し、前記目標
噴射時期をその遅延量だけ早めるようにしている。
【0011】上記第2の発明によると、噴射時期補正手
段は目標噴射終了時期が所定時期に対しどれだけ遅れて
いるか、その遅延量を算出する。そして、目標噴射時期
をその算出した遅延量だけ早めるよう補正する。このよ
うに必要最少量だけ目標噴射時期が早められる。従っ
て、燃料噴射弁による燃料の噴射開始時期が極端に早く
なると混合気の形成が悪化するものの、この悪化を最小
限にとどめることが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、第1,2の発明を具体化し
た一実施の形態を図面に従って説明する。図1に示すよ
うに、車両には内燃機関としてのガソリンエンジン(以
下、単にエンジンという)11が搭載されている。エン
ジン11のシリンダブロック12には複数のシリンダボ
ア14が並設され、各シリンダボア14内にピストン1
5が往復動可能に収容されている。各ピストン15はコ
ネクティングロッド16を介しクランクシャフト17に
連結されている。各ピストン15の往復運動はコネクテ
ィングロッド16によって回転運動に変換された後、ク
ランクシャフト17に伝達される。
【0013】シリンダブロック12及びシリンダヘッド
13間において、各ピストン15の上側には燃焼室18
が形成されている。シリンダヘッド13には、各燃焼室
18に開口する吸気ポート19及び排気ポート20がそ
れぞれ設けられている。シリンダヘッド13には、吸気
弁21及び排気弁22がそれぞれ往復動可能に支持され
ている。吸気弁21はバルブスプリング(図示略)によ
って、吸気ポート19を閉鎖する方向である斜め右上方
へ付勢され、排気弁22はバルブスプリング(図示略)
によって、排気ポート20を閉鎖する方向である斜め左
上方へ付勢されている。シリンダヘッド13において吸
気弁21の上方には吸気側カムシャフト23が回転可能
に設けられ、排気弁22の上方には排気側カムシャフト
24が回転可能に設けられている。
【0014】各カムシャフト23,24の端部にそれぞ
れ設けられたタイミングプーリ25,26は、タイミン
グベルト27により前記クランクシャフト17に駆動連
結されている。タイミングベルト27はクランクシャフ
ト17の回転を両タイミングプーリ25,26に伝達す
る。タイミングプーリ25,26の回転にともないカム
シャフト23,24が回転すると、カムの押し下げ力と
バルブスプリングの付勢力とが釣り合うように吸気弁2
1及び排気弁22が往復動し、ポート19,20がその
弁21,22により開放及び閉鎖される。
【0015】吸気ポート19にはエアクリーナ28、ス
ロットルバルブ29、サージタンク30、吸気マニホー
ルド31等を備えた吸気通路32が接続されている。エ
ンジン11の外部の空気は吸気通路32の各部材28,
29,30,31を順に通過して燃焼室18に取り込ま
れる。
【0016】スロットルバルブ29は、吸気通路32内
に軸29aにより回動可能に支持されている。軸29a
はワイヤ等を介して運転席のアクセルペダル(図示略)
に連結されており、運転者によるアクセルペダルの踏み
込み操作に連動してスロットルバルブ29と一体に回動
する。吸気通路32を流れる空気(吸入空気)の量は、
スロットルバルブ29の回動角度に応じて決定される。
【0017】吸気ポート19の下方近傍には、気筒数と
同数の燃料噴射弁としてのインジェクタ33が配設され
ている。各インジェクタ33は吸気ポート19に沿って
配置され、シリンダボア14の中心軸線L1に対し傾斜
している(図3参照)。各インジェクタ33はソレノイ
ドコイル及びニードルバルブを備えている。ニードルバ
ルブは、ソレノイドコイルへの通電により作動して噴孔
を開放(開弁)する。すると、噴孔から燃料が吸気ポー
ト19を通過せず燃焼室18へ直接噴射される。この際
の噴射量はニードルバルブが開いている間に燃料が噴射
される時間、すなわちニードルバルブを作動させるため
のソレノイドコイルへの通電時間によって決定される。
通電時間が長くなるほど開弁時間が長くなり、噴射燃料
量が多くなる。
【0018】燃料の噴射方向は、ピストン15が図3に
示すように下死点まで移動したときにも、燃料噴霧10
がシリンダボア14の壁面に直接衝突しないように設定
されている。これは、シリンダボア14の壁面に燃料が
付着し、その付着燃料によってエンジンオイルが希釈さ
れるのを防止するとともに、同付着燃料が未燃HCとし
て排出され、排気エミッションを悪化させるのを防止す
るためである。
【0019】また、これに関連して本実施の形態では、
ピストン15の頂部に凹所15aが形成されている。こ
れは、頂面が平らなピストンでは、インジェクタ33か
ら噴射された燃料噴霧10がピストンの頂面に衝突した
後、同頂面上を移動しシリンダボア14の壁面に達し油
膜に吸着されるからである。そのため、ここでは、ピス
トン15の頂部に凹所15aを設けることで、その凹所
15aの周囲に環状の壁15bを形成している。そし
て、ピストン15頂面上の燃料が凹所15aの周辺に達
したとき、壁15bによって燃料の移動方向をピストン
15の上方へ切り替え、燃料がシリンダボア14の壁面
に達しないようにしている。
【0020】インジェクタ33から噴射された燃料噴霧
10は燃焼室18内の空気と混ざり合って混合気とな
る。この混合気に着火するために、シリンダヘッド13
においてシリンダボア14の中心軸線L1の近傍には点
火プラグ(点火栓)34が取り付けられている。図1に
示すように点火プラグ34は、ディストリビュータ35
によって分配された点火信号に基づいて駆動される。デ
ィストリビュータ35は、イグナイタ36から出力され
る高電圧を、クランクシャフト17の回転角(クランク
角)に同期して点火プラグ34に分配して印加する。そ
して、燃焼室18内の混合気は点火プラグ34の点火に
よって爆発・燃焼される。このときに生じた高温高圧の
燃焼ガスによりピストン15が往復動させられ、クラン
クシャフト17が回転してエンジン11の駆動力が得ら
れる。
【0021】排気ポート20には排気マニホールド3
7、触媒コンバータ38等を備えた排気通路39が接続
されている。燃焼室18で生じた燃焼ガスは、排気通路
39の各部材37,38等を順に通ってエンジン11の
外部へ排出される。
【0022】前記エンジン11においては、混合気が燃
焼室18内で生成されて燃焼ガスが排出されるまでの期
間、すなわち1サイクルの間に、ピストン15が2往復
してクランクシャフト17が2回転する。このサイクル
は吸気行程、圧縮行程、爆発行程及び排気行程の4つの
行程からなる。ここで、燃焼室18内に供給される燃料
と空気とのミキシング、特に燃料量の多い高負荷時での
ミキシングが重要である。ミキシングが不十分であると
燃焼が悪化し、出力、燃費、排気エミッション等が悪化
する。また、混合気のミキシングには燃焼室18内での
吸入空気の乱れや、噴射された燃料の微粒化が必要であ
り、これらは燃料の噴射時期の影響を大きく受ける。燃
料が燃焼室18に直接供給されるため、燃料噴射は排気
弁22の閉弁時から点火までの期間に行われなければな
らない。そこで、本実施の形態では吸気行程中で燃料を
噴射するようにしている。
【0023】燃料を吸気行程で噴射する場合、燃料の噴
射時期と排気エミッション(HC、スモーク等の量)と
の間には図7で示す傾向が見られ、噴射時期と出力との
間には図8で示す傾向が見られる。両図7,8の横軸は
クランク角であり、TDCは、シリンダボア14を往復
動するピストン15が最も上に移動したときの位置(上
死点)である。また、横軸上の数字は、TDCを基準と
したとき、そのTDCから何度前の角度(BTDC)で
あるかを示している。
【0024】図7によると、HC及びスモークの量の少
ない角度範囲があり、その範囲よりも早いタイミングで
燃料が噴射されても、遅いタイミングで燃料が噴射され
てもHC及びスモークの量が増加し、排気エミッション
が悪化する。特に、前記角度範囲よりも遅いタイミング
に関しては、吸気弁21による吸気通路の閉鎖時期を境
にHC及びスモークの量が急に増加する。なお、図中の
αはHC及びスモークの量が最も少ないときのクランク
角を示している。
【0025】また、図8によると、出力の高い角度範囲
があり、その範囲よりも遅いタイミングで噴射されると
出力が低下する。特に、吸気弁21によって吸気通路3
2が閉鎖されたときには、その閉鎖時期を境に出力が急
に低下する。なお、図中のβは出力が最大となるときの
クランク角を示している。
【0026】前記角度範囲よりも早く燃料が噴射された
場合に、排気エミッション等が悪化するのは次の理由に
よるものと考えられる。このときにはピストン15が上
死点近傍に位置しており、燃料を噴射する空間が狭く、
燃料は十分に分裂(霧化)される前にピストン15に衝
突し、微粒化の悪い燃料が発生する。また、ピストン1
5の頂面や燃焼室18に燃料が付着して燃料が偏在し、
排気エミッションが悪化する。一方、早い時期に燃料が
噴射されるので、点火までの時間が長い。また、燃料噴
射後に燃焼室18内に入ってくる空気の流れを十分に利
用できるため、燃焼室18内に広がった燃料と空気との
ミキシングが良く、出力や燃費は比較的良い。
【0027】吸気通路32の閉鎖時よりも遅く燃料が噴
射された場合に、排気エミッション及び出力がともに急
激に悪化するのは次の理由によるものと考えられる。ピ
ストン15が下死点近傍に位置するときに燃料が噴射さ
れると、燃料を噴射する空間が広く、燃料が十分に分裂
し霧化される利点があるものの、点火までの時間が短
く、十分に燃料が気化されない。特に、吸気通路32が
閉鎖された後には吸入空気の乱れが急速に弱まる。この
ため、吸入空気と燃料とのミキシングが不十分となり、
燃料が偏在し、排気エミッションや出力が悪化する。
【0028】従って、これらの排気エミッションや出力
の観点から、単に吸気行程で燃料を噴射するだけでな
く、吸気弁21の作動タイミングを考慮して燃料を噴射
する必要がある。
【0029】図1に示すように、前記エンジン11には
運転状態検出手段としてカム角センサ41、クランク角
センサ42、水温センサ43、スロットルセンサ44、
吸気圧センサ45等の各種センサが設けられている。カ
ム角センサ41は図2に示すように、吸気側カムシャフ
ト23上に取り付けられたロータ41aと、その近傍に
対向配置された電磁ピックアップ41bとを備えてい
る。ロータ41aは円盤状の磁性体からなり、その外周
に多数の歯を有している。電磁ピックアップ41bは、
吸気側カムシャフト23の回転にともなってロータ41
aが回転して、その歯が同ピックアップ41bの前方を
通過する毎にパルス状のカム角信号SG2を出力する。
【0030】クランク角センサ42の構成は前記カム角
センサ41と同様であり、クランクシャフト17上に取
り付けられたロータ(図示略)と、その近傍に対向配置
された電磁ピックアップ(図示略)とを備えている。電
磁ピックアップは、クランクシャフト17の回転にとも
ないロータが回転してその歯が同ピックアップの前方を
通過する毎にパルス状のクランク角信号SG1を出力す
る。
【0031】図1に示すように、水温センサ43はシリ
ンダブロック12に取り付けられ、エンジン11の冷却
水の温度(冷却水温THW)を検出する。スロットルセ
ンサ44は吸気通路32のスロットルバルブ29の近傍
に取り付けられ、そのバルブ29の軸29aの回動角度
(スロットル開度TA)を検出する。吸気圧センサ45
はサージタンク30に取り付けられ、真空を基準とした
場合の同タンク30内の圧力(吸気圧PM)を検出す
る。
【0032】前述したエンジン11には可変バルブタイ
ミング機構(VVT)51が搭載されている。VVT5
1はタイミングプーリ25、ひいてはクランクシャフト
17の回転に対する吸気側カムシャフト23の位相を変
化させることにより、吸気弁21の作動タイミングをク
ランク角に関して連続的に変更するための機構であり、
油圧により駆動される。次に、VVT51の構成を図2
に従って説明する。
【0033】吸気側カムシャフト23は、シリンダヘッ
ド13及びベアリングキャップ52間で回転自在に支持
されている。吸気側カムシャフト23の前端部(図2の
左端部)外周には前述したタイミングプーリ25が相対
回動可能に装着されている。吸気側カムシャフト23の
前端には、インナキャップ53が中空ボルト54及びピ
ン55により一体回転可能に取り付けられている。
【0034】タイミングプーリ25には、ボルト56及
びピン57によりハウジング58が一体回転可能に取り
付けられている。ハウジング58にはプラグ59が取り
外し可能に装着されており、両者58,59によって吸
気側カムシャフト23の前端部及びインナキャップ53
の全体が覆われている。タイミングプーリ25の外周に
は、タイミングベルト27を掛装するための外歯25a
が多数形成されている。
【0035】吸気側カムシャフト23及びタイミングプ
ーリ25は、ハウジング58及びインナキャップ53間
に介在されたピストン部材60によって連結されてい
る。ピストン部材60は略円環形状をなし、タイミング
プーリ25、ハウジング58及びインナキャップ53に
よって囲まれた空間S内に収容されている。ピストン部
材60は第1の位置と第2の位置との間で往復動する。
ピストン部材60は第1の位置に配置されたとき、図2
に示すようにハウジング58の内底面58aに当接す
る。このとき、クランクシャフト17に対する吸気側カ
ムシャフト23の回転位相が最も遅れ、吸気弁21の作
動タイミングがクランクシャフト17の回転に対して最
も遅くなる。ピストン部材60は第2の位置に配置され
たとき、タイミングプーリ25に当接する。このとき、
クランクシャフト17に対する吸気側カムシャフト23
の回転位相が最も進み、吸気弁21の作動タイミングが
最も早くなる。
【0036】ピストン部材60の内周及び外周にはそれ
ぞれ多数のスプライン歯60a,60bが形成されてい
る。これに対応して、インナキャップ53の外周及びハ
ウジング58の内周にも、それぞれ多数のスプライン歯
53a,58bが形成されている。これらのスプライン
歯60a,60b,53a,58bは、いずれも吸気側
カムシャフト23の軸線L2に対して交差するヘリカル
スプラインからなる。そして、スプライン歯60a,5
3aが互いに噛合し、スプライン歯60b,58bが互
いに噛合している。これらの噛合によって、タイミング
プーリ25の回転はハウジング58、ピストン部材60
及びインナキャップ53を介して吸気側カムシャフト2
3に伝達される。
【0037】第1圧力室61は前記空間Sにおいてピス
トン部材60の前側に形成され、第2圧力室62は後側
に形成されている。各圧力室61,62に油圧を供給す
るために、エンジン11に既設のオイルポンプ63が利
用されている。オイルポンプ63はクランクシャフト1
7に駆動連結されており、エンジン11の運転にともな
い作動し、オイルパン64内に貯留されているエンジン
オイル65を吸引及び吐出する。吐出されたエンジンオ
イル65中の異物、金属粉等はオイルフィルタ66によ
って除去される。そして、オイルフィルタ66を通過し
たエンジンオイル65はベアリングキャップ52、吸気
側カムシャフト23、中空ボルト54等に形成された第
1油路67を通って第1圧力室61に供給されるととも
に、ベアリングキャップ52、吸気側カムシャフト23
等に形成された第2油路68を通って第2圧力室62に
供給される。
【0038】両油路67,68の途中には、各圧力室6
1,62に供給される油圧の大きさを調整するためのオ
イルコントロールバルブ(以下、OCVという)69が
設けられている。OCV69のケーシング70には第1
ポート70a、第2ポート70b、第3ポート70c、
第4ポート70d及び第5ポート70eがそれぞれ設け
られている。第1ポート70aはオイルフィルタ66を
介してオイルポンプ63に接続され、第2ポート70b
は第1油路67に接続され、第3ポート70cは第2油
路68に接続されている。第4ポート70d及び第5ポ
ート70eはともにオイルパン64に接続されている。
【0039】ケーシング70内には、円筒状の4つの弁
体71aを有するスプール71が往復動可能に収容され
ている。スプール71の前側(図2の左側)にはスプリ
ング72が配設され、後側には電磁ソレノイド73が配
設されている。そして、単位時間に占める電磁ソレノイ
ド73への通電時間の割合(デューティ比)を種々変更
する、いわゆるデューティ比制御を行うことにより、ス
プール71をケーシング70内の任意の位置へ移動さ
せ、第1圧力室61及び第2圧力室62の油圧の大きさ
を調整することが可能である。
【0040】例えば、100%のデューティ比で電磁ソ
レノイド73が通電されて、スプール71が前方へ移動
させられると、第1ポート70a及び第2ポート70b
間が連通されるとともに、第3ポート70c及び第5ポ
ート70eが連通される。これらの連通により、オイル
ポンプ63から吐出されたエンジンオイル65が第1油
路67を通って第1圧力室61に供給され、ピストン部
材60に前側から加わる油圧が上昇する。また、第2圧
力室62内のエンジンオイル65が第2油路68を通っ
てオイルパン64に戻され、ピストン部材60に後側か
ら加わる油圧が低下する。
【0041】ピストン部材60に対し前側から加わる油
圧が後側から加わる油圧に打ち勝つと、同ピストン部材
60は後方ヘ移動しながら回動する。このとき、吸気側
カムシャフト23及びタイミングプーリ25に捩じり力
が付与される。その結果、タイミングプーリ25に対す
る吸気側カムシャフト23の回転位相が変えられ、吸気
弁21の作動タイミングが早められる。この動作につい
て、図4(b)のダイヤグラムを参照すると、吸気弁2
1の開放期間全体が、その吸気弁21の開放のタイミン
グを早めるようにシフトされる。吸気弁21と排気弁2
2とがともに開いているバルブオーバラップ期間が拡大
される。ピストン部材60がタイミングプーリ25に当
接して第2の位置で停止したとき、吸気弁21の開放及
び閉鎖のタイミングが最も早められる。
【0042】一方、電磁ソレノイド73が通電されず
(デューティ比0%となって)、スプリング72によっ
てスプール71が後方へ移動させられると、第1ポート
70a及び第3ポート70c間が連通される。すると、
オイルポンプ63からのエンジンオイル65が第2油路
68を通って第2圧力室62に供給され、ピストン部材
60に後側から加わる油圧が上昇する。また、第2ポー
ト70b及び第4ポート70d間が連通される。この連
通により、第1圧力室61内のエンジンオイル65が第
1油路67を通ってオイルパン64に戻され、ピストン
部材60に前側から加わる油圧が低下する。
【0043】ピストン部材60に対し後側から加わる油
圧が前側から加わる油圧に打ち勝つと、同ピストン部材
60は前方ヘ移動しながら回動する。このとき、吸気側
カムシャフト23及びタイミングプーリ25に捩じり力
が付与される。その結果、タイミングプーリ25に対す
る吸気側カムシャフト23の回転位相が変えられ、吸気
弁21の作動タイミングが遅らされる。この動作につい
て、図4(a)のダイヤグラムを参照すると、吸気弁2
1の開放期間全体が、その吸気弁21の開放のタイミン
グを遅らせるようにシフトされ、バルブオーバラップ期
間が縮小される。ピストン部材60がハウジング58の
内底面58aに当接して第1の位置で停止したとき、吸
気弁21の開放及び閉鎖のタイミングが最も遅らされ
る。
【0044】上記のようにVVT51が構成されている
ため、OCV69の電磁ソレノイド73に対するデュー
ティ比を調整することにより、吸気弁21の作動タイミ
ングを、図4(a)に示す状態と、図4(b)に示す状
態との間で連続的に変更することができる。
【0045】上述した各種センサ41〜45による検出
値に基づき、各インジェクタ33、イグナイタ36及び
OCV69を制御するために電子制御装置(ECUとい
う)74が用いられている。ECU74は図5に示すよ
うに、中央処理装置(CPU)75、読出し専用メモリ
(ROM)76、ランダムアクセスメモリ(RAM)7
7、バックアップRAM78、外部入力回路79及び外
部出力回路80を備えている。これらの各回路75〜8
0はバス81によって互いに接続されている。
【0046】ROM76は所定の制御プログラムや初期
データを予め記憶している。例えば、ROM76は図6
に示すプログラムを記憶している。CPU75はROM
76に記憶された制御プログラム及び初期データに従っ
て各種の演算処理を実行する。RAM77はCPU75
による演算結果を一時的に記憶する。バックアップRA
M78はECU74に対する電力供給が停止された後に
も、RAM77内の各種データを保持する。
【0047】外部入力回路79には前述したカム角セン
サ41、クランク角センサ42、水温センサ43、スロ
ットルセンサ44及び吸気圧センサ45がそれぞれ接続
されている。外部出力回路80には各インジェクタ3
3、イグナイタ36及びOCV69がそれぞれ接続され
ている。
【0048】そして、各センサ41〜45の検出信号は
外部入力回路79を介してCPU75に入力される。C
PU75はそれらの入力に基づき、エンジン回転速度N
e、実バルブタイミングRCAT等を算出する。さら
に、CPU75はこれらの算出値に基づき、各インジェ
クタ33、イグナイタ36及びOCV69を作動させ、
燃料噴射制御、点火時期制御、バルブタイミング制御等
を実行する。
【0049】例えば、CPU75は、クランク角センサ
42からのクランク角信号SG1の時間間隔を計測する
ことにより、単位時間当たりのクランクシャフト17の
回転数であるエンジン回転速度Neを演算する。
【0050】また、点火時期の制御のために、ROM7
6にはエンジン11の運転状態に応じた最適な点火時期
に関するデータが予め記憶されている。CPU75は各
センサからの検出信号によりエンジン11の運転状態、
例えば、エンジン回転速度Ne、吸気圧PM、暖機状態
等を検知する。そして、ROM76内のデータを参照し
て最適な点火時期を割り出し、イグナイタ36に一次電
流の遮断信号を出力して点火時期を制御する。
【0051】次に、CPU75によって実行される各種
処理のうち、吸気弁21の作動タイミングに応じて燃料
噴射時期を変更するためのルーチンの内容を、図6のフ
ローチャートに従って説明する。このルーチンは、吸気
弁21の作動タイミング(バルブタイミング)を制御す
るための処理(ステップ100〜130)と、燃料の目
標噴射時期を算出するための処理(ステップ140,1
50)と、目標噴射時期を補正するための処理(ステッ
プ160〜180)とからなる。
【0052】まず、ステップ100において目標作動タ
イミングとしての目標バルブタイミングTCATを算出
する。この算出に際しては、エンジン回転速度Neとエ
ンジン負荷と目標バルブタイミングTCATとの関係を
予め規定したマップを用いる。そして、このマップを参
照し、そのときのエンジン回転速度Ne及びエンジン負
荷に対応する目標バルブタイミングTCATを求める。
エンジン負荷は例えば1気筒、1サイクル当たりの吸入
空気量Gnで表される。この吸入空気量Gnはエンジン
回転速度Ne、スロットル開度TA及び吸気圧PMに基
づき求められる。
【0053】ステップ110において、クランク角信号
SG1及びカム角信号SG2に基づき実バルブタイミン
グRCATを算出する。例えば、カム角信号SG2の発
生と同時にクランク角信号SG1を入力した後、予め設
定された基準のクランク角信号SG1を入力する迄に入
力された同信号SG1のパルス数に基づき、吸気側カム
シャフト23の回転位相、すなわち実バルブタイミング
RCATを演算する。このタイミングRCATとは、吸
気弁21の作動タイミングの調整のためにVVT51に
より変更される吸気側カムシャフト23の角度である。
【0054】ステップ120において、前記目標バルブ
タイミングTCATと実バルブタイミングRCATとの
偏差ΔCATを求める。この偏差ΔCATが零となるよ
うに、すなわち実バルブタイミングRCATが目標バル
ブタイミングTCATと一致するようにOCV69をデ
ューティ比制御する。この制御により、VVT51の両
圧力室61,62へ供給される油圧が調整される。そし
て、吸気弁21の作動タイミングがエンジン11の運転
状態に応じて連続的に変更される。
【0055】ステップ130において、前記実バルブタ
イミングRCATに基づき、所定の演算式又はマップを
用いて、吸気弁21が吸気通路32を閉鎖する目標タイ
ミング、すなわち実吸気弁閉弁時期RICTを算出す
る。
【0056】次に、ステップ140において、エンジン
回転速度Ne、エンジン負荷及び目標空燃比(例えば理
想空燃比)に基づき必要燃料量Gfを算出するととも
に、その燃料量Gfに基づき噴射時間TAUを算出す
る。噴射時間TAUはインジェクタ33のニードルバル
ブを作動させるためのソレノイドコイルへの通電時間で
あり、燃料噴射量に関連するパラメータである。
【0057】ステップ150において燃料の目標噴射開
始時期SOIを算出する。より詳しくは予め規定したマ
ップを参照し、そのときのエンジン回転速度Ne及びエ
ンジン負荷に対応する目標噴射開始時期SOIを求め
る。ここで、目標噴射開始時期SOIを最初に(目標噴
射終了時期EOIよりも前の時期に)決定するのは、大
半の領域では噴射期間が後述する限界燃料噴射終了時期
EOILに達するほど長くないからである。また、前述
したように排気エミッションや出力が悪化しなければ、
できるだけ早い時期で燃料を噴射した方が点火までの時
間が長くなり、吸入空気乱れを有効に利用できる。混合
気のミキシングを促進し、性能、燃費を向上できる。そ
のため、吸気行程の早い時期に燃料を噴射できるよう
に、目標噴射開始時期SOIを最初に設定するようにし
ている。
【0058】また、ステップ150では、エンジン回転
速度Ne、噴射時間TAU及び目標噴射開始時期SOI
に基づき、目標噴射終了時期EOIを算出する。詳しく
は、噴射時間TAUにエンジン回転速度Neを乗算する
ことによって、同噴射時間TAUを角度に換算する。こ
の換算値を前記目標噴射開始時期SOIに加算し、その
加算結果を目標噴射終了時期EOIとする。
【0059】ステップ160において、前記ステップ1
30での実吸気弁閉弁時期RICTに基づき所定時期と
しての限界燃料噴射終了時期EOILを求める。この終
了時期EOILは燃料の噴射終了時期のうち、排気エミ
ッションや出力の急激な悪化を招くことのない最も遅い
ときの値であり、実吸気弁閉弁時期RICTにほぼ一致
する。より正確には、同終了時期EOILは、吸気ポー
ト19の形状に応じて変化する吸入空気の流れや、イン
ジェクタ33による燃料の微粒化度合により変化する。
従って、仮に実吸気弁閉弁時期RICTが同一であった
としても、限界燃料噴射終了時期EOILはエンジン1
1毎に微妙に相違する。
【0060】ステップ170において、目標噴射終了時
期EOIが限界燃料噴射終了時期EOILよりも大きい
か否かを判定する。この判定条件が満たされている(E
OI>EOIL)と、限界燃料噴射終了時期EOILと
なっても燃料噴射が終わらず、排気エミッション及び出
力がともに急激に悪化すると判断し、ステップ180に
おいて、両者の偏差(EOI−EOIL)を遅延量とし
て、前記ステップ150での目標噴射開始時期SOIか
ら減算する。その減算結果、すなわち前記偏差(EOI
−EOIL)分だけ早められた値を新たな目標噴射開始
時期SOIとして設定する。この時期SOIに従って燃
料が噴射されると、噴射期間全体が偏差(EOI−EO
IL)分だけタイミングを早める方向へシフトし、限界
燃料噴射終了時期EOILになるのとほぼ同じに燃料噴
射が終了することになる。このようにして目標噴射開始
時期SOIを補正すると、このルーチンを終了する。
【0061】一方、前記ステップ170の判定条件が満
たされていない(EOI≦EOIL)と、限界燃料噴射
終了時期EOILとなる前に燃料噴射が終了し、排気エ
ミッションや出力の急激な悪化が起きないと判断し、前
述したステップ180の補正を行わず、このルーチンを
終了する。
【0062】このようにして目標噴射開始時期SOIや
目標噴射終了時期EOIが設定されると、CPU75は
別途用意されたルーチンにおいて、燃料噴射を実行す
る。すなわち、目標噴射開始時期SOIになるとインジ
ェクタ33のソレノイドコイルに通電して開弁させ、同
インジェクタ33の噴孔から燃焼室18へ燃料を噴射さ
せる。そして、目標噴射終了時期EOIになると、前記
通電を停止してインジェクタ33を閉弁させる。する
と、限界燃料噴射終了時期EOILよりも前に燃料噴射
が終了する。
【0063】前述したCPU75によるステップ100
〜130の処理は第1の制御手段を構成し、ステップ1
40,150の処理は第2の制御手段に相当し、ステッ
プ160〜180の処理は噴射時期補正手段に相当す
る。
【0064】このように本実施の形態によると、エンジ
ン11の運転状態に応じた目標バルブタイミングTCA
Tが求められ、実バルブタイミングRCATが目標バル
ブタイミングTCATに一致するようにOCV69が制
御される(ステップ100〜120)。吸気弁21の作
動タイミングがエンジン11の運転状態に応じて連続的
に変更される。一方で、ピストン15の下降にともなう
負圧により吸入空気が燃焼室18へ吸入される吸気行程
において、エンジン11の運転状態に応じた噴射時間T
AU、目標噴射開始時期SOI、目標噴射終了時期EO
Iがそれぞれ求められ(ステップ140,150)、そ
れらの時期に基づきインジェクタ33のソレノイドコイ
ルへの通電が制御される。この通電により、目標噴射開
始時期SOIから目標噴射終了時期EOIまでの期間に
わたり燃料が噴射される。
【0065】さらに、吸気弁21による吸気通路32の
閉鎖時期とインジェクタ33からの燃料の噴射終了時期
との関係が監視される。実バルブタイミングRCATに
基づき実吸気弁閉弁時期RICTが求められ(ステップ
130)、その時期RICTに対応する限界燃料噴射終
了時期EOILが求められる(ステップ160)。目標
噴射終了時期EOIが限界燃料噴射終了時期EOILよ
りも遅く、そのまま目標噴射開始時期SOIから目標噴
射終了時期EOIにわたって燃料を噴射したのでは排気
エミッションや出力が急激に悪化すると予測されるとき
には、燃料噴射時期(この場合、目標噴射開始時期SO
I)を補正することにより目標噴射終了時期EOIが限
界燃料噴射終了時期EOILよりも早められる。
【0066】従って、VVT51によって吸気弁21の
作動タイミングが変更されて、吸気通路32の閉鎖時期
が変化しても、混合気形成が急激に悪化する所定時期
(限界燃料噴射終了時期EOIL)よりも前に、燃料噴
射を終了させることが可能となる。その結果、限界燃料
噴射終了時期EOILになっても燃料噴射が継続される
ことによる不具合、すなわち混合気形成の悪化に起因す
る排気エミッション及び出力の低下を未然に防止するこ
とができる。
【0067】さらに、本実施の形態では目標噴射終了時
期EOIが限界燃料噴射終了時期EOILに対しどれだ
け遅れているか、その遅延量(EOI−EOIL)が求
められる。そして、目標噴射時期(目標噴射開始時期S
OI)がその遅延量だけ早められる。このように必要最
少量だけ目標噴射時期が早められる。従って、インジェ
クタ33による目標噴射開始時期SOIが極端に早くな
ると混合気の形成が悪化するものの、この悪化を最小限
にとどめることができる。
【0068】このように本実施の形態によれば、VVT
51によって限界燃料噴射終了時期EOILが変化した
場合でも、目標噴射終了時期EOIが同終了時期EOI
Lを越えず、大幅な性能、燃費の悪化を防止することが
できる。
【0069】なお、本発明は次に示す別の実施の形態に
具体化することができる。 (1)前記実施の形態では演算(図6のステップ18
0)により目標噴射時期の補正量を求めたが、予めマッ
プを作成しておき、このマップを参照して補正量を求め
るようにしてもよい。
【0070】(2)本発明はインジェクタ33をシリン
ダボア14の中心軸線L1上、あるいはその近傍に配置
したタイプのエンジン11にも適用できる。 (3)本発明は吸気圧センサ45に代えて吸気通路にエ
アフロメータを配設し、そのエアフロメータによって吸
入空気量を直接検出するようにしたエンジンにも適用で
きる。この場合、1気筒、1サイクル当たりの吸入空気
量Gnはエンジン回転速度Neと、エアフロメータによ
る吸入空気量とに基づき求められる。
【0071】(4)VVT51は、タイミングプーリ2
5をタイミングスプロケットに変更し、タイミングベル
ト27をタイミングチェーンに変更した構成を有するも
のであってもよい。また、ピストン部材60のスプライ
ン歯60a,60bの一方のみをヘリカルスプラインと
した構成のVVTであってもよい。
【0072】以上、本発明の各実施の形態について説明
したが、各形態から把握できる請求項以外の技術的思想
について、以下にそれらの効果とともに記載する。 (イ)請求項1に記載の制御装置において、前記第2の
制御手段は運転状態検出手段による運転状態に応じた噴
射時間及び目標噴射開始時期を算出し、その後、これら
の噴射時間及び目標噴射開始時期に基づき目標噴射終了
時期を算出するものである内燃機関の制御装置。
【0073】このように目標噴射終了時期よりも前に目
標噴射開始時期を算出すると、噴射期間が短く所定時期
よりも前に燃料噴射が終了するような場合、例えば内燃
機関が低負荷域で運転されている場合には、排気エミッ
ションが悪化しない範囲内において、できるだけ早いタ
イミングで燃料噴射を行うことが可能となる。すると、
第1の発明の効果に加え、点火までの時間を長くし、吸
入空気乱れを利用できるようになるため、混合気のミキ
シングを促進し、性能や燃費の向上を図ることができ
る。
【0074】
【発明の効果】第1の発明によれば、可変バルブタイミ
ング機構により吸気弁の作動タイミングが変更されて吸
気通路の閉鎖時期が変化しても、混合気を常に良好に形
成でき、排気エミッション及び出力の急激な悪化を未然
に防止できる。
【0075】第2の発明によれば、第1の発明の効果に
加え、目標噴射時期の補正量を必要最小限にし、燃料の
噴射開始時期が早められたときの混合気形成の悪化を最
小限にとどめることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジンの制御装置の概略構成図。
【図2】VVTの概略構成図。
【図3】エンジンにおけるピストン、インジェクタ、吸
気弁等の位置関係を示す部分断面図。
【図4】(a),(b) は吸気弁及び排気弁の開放期間を示す
ダイヤグラム。
【図5】ECUの電気的構成を示すブロック図。
【図6】CPUによって実行される処理を示すフローチ
ャート。
【図7】噴射時期と排気エミッションとの対応関係を示
す線図。
【図8】噴射時期と出力との対応関係を示す線図。
【符号の説明】
11…内燃機関としてのガソリンエンジン、15…ピス
トン、18…燃焼室、21…吸気弁、32…吸気通路、
33…燃料噴射弁としてのインジェクタ、41…カム角
センサ、42…クランク角センサ、43…水温センサ、
44…スロットルセンサ、45…吸気圧センサ(41〜
45は運転状態検出手段に相当する)、51…VVT
(可変バルブタイミング機構)、75…第1の制御手
段、第2の制御手段及び噴射時期補正手段として機能す
るCPU、TCAT…目標作動タイミングとしての目標
バルブタイミング、EOI…目標噴射終了時期、EOI
L…限界燃料噴射終了時期。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−248277(JP,A) 特開 昭60−230545(JP,A) 特開 昭62−288333(JP,A) 特開 平7−217478(JP,A) 特開 平4−143431(JP,A) 特開 平2−264140(JP,A) 特開 平4−86355(JP,A) 特表 平4−506391(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/04 335 F02D 41/04 320 F02D 13/02 F02D 41/34

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 火花点火式内燃機関の燃焼室に吸入空気
    を導くための吸気通路を開閉する吸気弁と、 前記吸気弁の作動タイミングを調整するための可変バル
    ブタイミング機構と、 開弁時間に応じた量の燃料を前記燃焼室へ直接噴射する
    燃料噴射弁と、 前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段
    と、 前記吸気弁が前記運転状態検出手段による運転状態に応
    じた目標作動タイミングで吸気通路を開閉するように、
    前記可変バルブタイミング機構を制御する第1の制御手
    段と、 ピストンの移動にともなう負圧により吸入空気が燃焼室
    へ吸入される吸気行程において、前記燃料噴射弁が前記
    運転状態検出手段による運転状態に応じた目標噴射時期
    に開弁して燃料を噴射するように、同燃料噴射弁を制御
    する第2の制御手段と、 前記第2の制御手段での目標噴射終了時期が、前記第1
    の制御手段での吸気弁による吸気通路の閉鎖時期に対応
    する所定時期よりも遅いときには、前記目標噴射時期を
    補正することにより、前記目標噴射終了時期を前記所定
    時期よりも早める噴射時期補正手段とを備えた内燃機関
    の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記噴射時期補正手段は、前記目標噴射
    終了時期の前記所定時期に対する遅延量を算出し、前記
    目標噴射時期をその遅延量だけ早めるものである請求項
    1に記載の内燃機関の制御装置。
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