JPH09209724A - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング制御装置

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JPH09209724A
JPH09209724A JP1798396A JP1798396A JPH09209724A JP H09209724 A JPH09209724 A JP H09209724A JP 1798396 A JP1798396 A JP 1798396A JP 1798396 A JP1798396 A JP 1798396A JP H09209724 A JPH09209724 A JP H09209724A
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JP
Japan
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liquid
pressure chamber
engine
oil
valve
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Application number
JP1798396A
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Inventor
Takeshi Asakura
健 朝倉
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】部品点数の増加、コスト上昇、大型化を招くこ
となく機関始動時の回転位相変更部材による打音発生を
長期間にわたり抑制する。 【解決手段】タイミングプーリ31、ピストン部材73、第
1圧力室74、第2圧力室75、第1油路79、第2油路81、
オイルコントロールバルブ(OCV)82 、クランク角センサ
52、スロットルセンサ及び電子制御装置(ECU)88 を設け
る。ECU88 はエンジン11の始動後、オイルポンプ76に
よるエンジンオイル70が圧力室74,75 に到達するまで
は、油路79,81 及び圧力室74,75 内の空気を利用してピ
ストン部材73の動きを抑制すべく、カムシャフト26のト
ルク変動によるピストン部材73の移動方向に応じてOCV8
2 を制御する。オイル70の到達後は、センサ52等の検出
値に応じてOCV82 を制御してピストン部材73の位置を調
整することにより、エンジン運転状態に応じた開閉時期
にて吸気バルブを開閉させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関の吸・排気
バルブの開閉時期を機関運転状態に応じて可変制御する
バルブタイミング制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、内燃機関の運転状態に応じて
カムシャフトの回転位相を変化させて、吸気バルブの開
閉時期を早めたり遅らせたりするバルブタイミング制御
装置が種々実用化されている。その一つとして、図9に
示すものがある。この装置では、ピストン部材111
が、タイミングプーリ112に固定されたハウジング1
16と、カムシャフト113に固定されたインナキャッ
プ118とに対しスプライン歯111b,111aにて
噛合している。スプライン歯111b,111aは、カ
ムシャフト113の軸線Lに対し斜めに交差するヘリカ
ルスプラインとなっている。
【0003】ピストン部材111は、その前側(図9の
左側)の第1圧力室114に供給される油圧と、後側の
第2圧力室115に供給される油圧とによって往復動す
る。例えば、第2圧力室115にのみ油圧が供給され、
ピストン部材111に対し後側から加わる油圧が前側か
ら加わる油圧に打ち勝つと、同ピストン部材111は第
1圧力室114の油圧に抗して前方ヘ移動しながら回動
する。このとき、タイミングプーリ112及びカムシャ
フト113に捩じり力が付与される。タイミングプーリ
112に対するカムシャフト113の回転位相が変えら
れ、吸気バルブの作動タイミングが遅らされる。ピスト
ン部材111がハウジング116の内底面に当接して停
止したとき、吸気バルブの開放及び閉鎖のタイミングが
最も遅らされる。
【0004】一方、第1圧力室114にのみ油圧が供給
され、ピストン部材111に対し前側から加わる油圧が
後側から加わる油圧に打ち勝つと、同ピストン部材11
1は第2圧力室115の油圧に抗して後方ヘ移動しなが
ら回動する。このときの捩じり力の付与により、タイミ
ングプーリ112に対するカムシャフト113の回転位
相が変えられ、吸気バルブの作動タイミングが早められ
る。ピストン部材111がタイミングプーリ112に当
接して停止したとき、吸気バルブの開放及び閉鎖のタイ
ミングが最も早められる。
【0005】前述したバルブタイミング制御装置では、
内燃機関の停止とともに両圧力室114,115内への
油圧の供給が停止される。両圧力室114,115内の
エンジンオイルはハウジング116とプラグ117との
隙間や、同ハウジング116とタイミングプーリ112
との隙間等から漏れ出る。このため、機関停止後、時間
の経過に従い両圧力室114,115内のエンジンオイ
ルが減少してゆき、やがてエンジンオイルの無い状態と
なる。この状態で内燃機関を始動させると、カムシャフ
ト113のトルク変動により、ピストン部材111がス
プライン歯111a,111bによりスラスト方向に振
動し、ハウジング116と衝突して打音を発生する。ト
ルク変動は、カムがバルブスプリングの付勢力に抗して
吸気バルブをリフトさせることにより発生するものであ
る。
【0006】そこで、このような不具合を回避するため
の技術が、例えば実開平6−37505号公報において
提案されている。この技術は、ハウジング内にばね等の
緩衝部材を配置し、機関始動時にピストン部材が振動し
ても、その振動にともなう衝撃を緩衝部材の弾性変形に
よって和らげ、打音発生を抑制しようとするものであ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述した公
報の技術では、打音発生の抑制のために緩衝部材を別途
追加しなければならず、その分、バルブタイミング制御
装置を構成する部品の点数が増加する。それにともな
い、同制御装置のコストが上昇するばかりでなく、制御
装置全体が大型になるという問題がある。さらに、緩衝
部材は高温のエンジンオイルに晒されるので経時劣化し
やすく、同緩衝部材による打音発生の抑制効果の低下を
招くおそれがある。
【0008】本発明は前述した事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は部品点数の増加、コスト上昇、大
型化を招くことなく機関始動時の打音発生を長期間にわ
たり抑制することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載の第1の発明は、内燃機関のバルブ駆
動用カムシャフトの外周に設けられ、同内燃機関のクラ
ンクシャフトに駆動連結された回転体と、前記カムシャ
フト及び回転体間に設けられ、同回転体に対するカムシ
ャフトの回転位相を変更するための回転位相変更部材
と、前記クランクシャフトに駆動連結された液体供給源
と、前記回転位相変更部材の移動方向の少なくとも一端
側に設けられた圧力室と、前記液体供給源からの液体を
圧力室に導き、回転位相変更部材の端部に液体圧を作用
させる液体通路と、前記液体通路に設けられ、前記液体
圧を調整するための液体圧調整弁と、前記内燃機関の始
動後、液体供給源による液体が前記圧力室に到達するま
では、前記液体通路及び圧力室内の気体を利用して回転
位相変更部材の動きを抑制すべく、前記カムシャフトの
トルク変動による回転位相変更部材の移動方向に応じて
前記液体圧調整弁を制御する第1の制御手段と、前記内
燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、前記
液体供給源によって液体が圧力室へ所定量到達した後
は、前記運転状態検出手段による運転状態に応じて液体
圧調整弁を制御して前記液体圧を変化させ、前記回転位
相変更部材の位置を調整することにより回転体に対する
カムシャフトの回転位相を変更し、同運転状態に応じた
開閉時期にて前記バルブを開閉させる第2の制御手段と
を備えている。
【0010】上記第1の発明では、内燃機関の始動後、
液体供給源による液体が圧力室に到達するまでは、第1
の制御手段はカムシャフトのトルク変動による回転位相
変更部材の移動方向に応じて液体圧調整弁を制御する。
すると、機関停止にともなう液体供給源の停止時に液体
が漏出しても、圧力室及び液体通路内の気体によって回
転位相変更部材の動きが抑制される。このため、回転位
相変更部材が移動範囲の端部まで移動して他の部材に当
たった場合の衝撃は小さなものとなる。このように圧力
室及び液体通路内の気体を利用し、既設の液体圧調整弁
の制御内容を考慮するだけで機関始動時の打音を抑制す
ることが可能である。打音抑制のための別部材の追加は
不要である。
【0011】液体供給源によって液体が圧力室へ所定量
到達した後には、第2の制御手段は運転状態検出手段に
よる内燃機関の運転状態に応じて液体圧調整弁を制御し
て液体圧を変化させる。すると、回転位相変更部材の位
置が調整され、回転体に対するカムシャフトの回転位相
が変更される。そして、前記運転状態に応じた開閉時期
にてバルブが開閉させられる。
【0012】請求項2に記載の第2の発明は、第1の発
明の構成に加え、第1の制御手段は、前記トルク変動に
より回転位相変更部材が圧力室とは反対側へ移動すると
き、液体圧調整弁を制御して液体通路を開放するように
している。
【0013】上記第2の発明によると、回転位相変更部
材は液体通路内の気体を吸引しながら、圧力室とは反対
側へ移動しようとする。気体通過時の液体通路の管路抵
抗により回転位相変更部材の反圧力室側への動きが妨げ
られる。
【0014】請求項3に記載の第3の発明は、第1の発
明の構成に加え、前記第1の制御手段は、前記トルク変
動により回転位相変更部材が圧力室側へ移動するとき、
液体圧調整弁を制御して液体通路を閉鎖するようにして
いる。
【0015】上記第3の発明によると、回転位相変更部
材は液体通路及び圧力室内の空気を圧縮しながら移動す
ることになる。この際、圧縮された気体が回転位相変更
部材の圧力室側への動きを妨げる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
の形態について図1〜図6に従って説明する。
【0017】図1に示すように、車両には内燃機関とし
てのガソリンエンジン(以下、単にエンジンという)1
1が搭載されている。エンジン11はシリンダブロック
12及びシリンダヘッド13を備えている。シリンダブ
ロック12には複数の気筒(シリンダ14)が並設さ
れ、各シリンダ14内にピストン15が往復動可能に収
容されている。各ピストン15はコネクティングロッド
16を介しクランクシャフト17に連結されている。各
ピストン15の往復運動はコネクティングロッド16に
よって回転運動に変換された後、クランクシャフト17
に伝達される。
【0018】シリンダブロック12及びシリンダヘッド
13間において、各ピストン15の上側には燃焼室18
が形成されている。シリンダヘッド13には、各燃焼室
18に連通する吸気ポート19及び排気ポート21がそ
れぞれ設けられている。これらの吸・排気ポート19,
21を開放及び閉鎖するために、シリンダヘッド13に
は吸気バルブ22及び排気バルブ23がそれぞれ往復動
可能に支持されている。図3に示すように、吸気バルブ
22はバルブスプリング24によって、吸気ポート19
を閉鎖する方向(略上方)へ付勢され、排気バルブ23
はバルブスプリング25によって、排気ポート21を閉
鎖する方向(略上方)へ付勢されている。シリンダヘッ
ド13において吸気バルブ22の上方には、カム28を
有する吸気側カムシャフト26が回転可能に設けられ、
排気バルブ23の上方にはカム29を有する排気側カム
シャフト27が回転可能に設けられている。図1,2に
示すように、各カムシャフト26,27の端部にそれぞ
れ設けられた回転体としてのタイミングプーリ31,3
2は、タイミングベルト33により前記クランクシャフ
ト17に駆動連結されている。そして、同シャフト17
が回転すると、その回転がタイミングベルト33を介し
て両タイミングプーリ31,32に伝達される。タイミ
ングプーリ31,32の回転にともないカムシャフト2
6,27が回転すると、カム28,29の押し下げ力と
バルブスプリング24,25の付勢力とが釣り合うよう
にバルブ22,23が往復動し、ポート19,21がそ
のバルブ22,23により開放及び閉鎖される。この
際、各カムシャフト26,27には、回転方向又は逆転
方向の正負のトルク変動が交互に発生する。
【0019】図1に示すように、吸気ポート19にはエ
アクリーナ34、スロットルバルブ35、サージタンク
36、吸気マニホールド37等を備えた吸気通路38が
接続されている。エンジン11外部の空気は吸気通路3
8の各部材34,35,36,37を順に通過して燃焼
室18に取り込まれる。
【0020】スロットルバルブ35は、吸気通路38内
に軸35aにより回動可能に支持されている。軸35a
はワイヤ等を介して運転席のアクセルペダル(図示略)
に連結されており、運転者によるアクセルペダルの踏み
込み操作に連動してスロットルバルブ35と一体に回動
する。吸気通路38を流れる空気の量、すなわち吸入空
気量は、スロットルバルブ35の回動角度に応じて決定
される。サージタンク36は吸入空気の脈動、すなわち
圧力変動を平滑化させるためのものである。
【0021】吸気マニホールド37には気筒数と同数の
インジェクタ39が取り付けられている。各インジェク
タ39は電磁弁であり、通電されると開弁して各吸気ポ
ート19へ向けて燃料を噴射する。そして、各インジェ
クタ39から噴射される燃料と吸入空気とからなる混合
気は、各燃焼室18内へ導入される。この混合気に着火
するために、シリンダヘッド13には点火プラグ41が
取り付けられている。点火プラグ41は、ディストリビ
ュータ42によって分配された点火信号に基づいて駆動
される。ディストリビュータ42は、イグナイタ43か
ら出力される高電圧を、クランクシャフト17の回転
角、すなわちクランク角に同期して、点火プラグ41に
分配して印加する。そして、燃焼室18内へ導入された
混合気は点火プラグ41の点火によって爆発・燃焼され
る。このときに生じた高温高圧の燃焼ガスによりピスト
ン15が往復動させられ、クランクシャフト17が回転
してエンジン11の駆動力が得られる。
【0022】排気ポート21には排気マニホールド4
4、触媒コンバータ45等を備えた排気通路46が接続
されている。燃焼室18で生じた燃焼ガスは、排気通路
46の各部材44,45等を順に通ってエンジン11の
外部へ排出される。
【0023】前記エンジン11にはカム角センサ51、
クランク角センサ52、水温センサ53、スロットルセ
ンサ54、吸気圧センサ55等の各種センサが用いられ
ている。
【0024】カム角センサ51は図2に示すように、吸
気側カムシャフト26上に取り付けられたロータ51a
と、その近傍に対向配置された電磁ピックアップ51b
とを備えている。ロータ51aは円盤状の磁性体からな
り、その外周に多数の歯を有している。電磁ピックアッ
プ51bは、吸気側カムシャフト26の回転にともなっ
てロータ51aが回転して、その歯が同ピックアップ5
1bの前方を通過する毎にパルス状のカム角信号SG2
を出力する。
【0025】クランク角センサ52の構成は前記カム角
センサ51と同様であり、クランクシャフト17上に取
り付けられたロータ(図示略)と、その近傍に対向配置
された電磁ピックアップ(図示略)とを備えている。ロ
ータは円盤状の磁性体からなり、その外周に等角度毎に
多数の歯を有している。電磁ピックアップは、クランク
シャフト17の回転にともないロータが回転してその歯
が同ピックアップの前方を通過する毎にパルス状のクラ
ンク角信号SG1を出力する。
【0026】図1に示すように、水温センサ53はシリ
ンダブロック12に取り付けられ、エンジン11の冷却
水の温度、すなわち冷却水温THWを検出する。スロッ
トルセンサ54は吸気通路38のスロットルバルブ35
の近傍に取り付けられ、そのバルブ35の軸35aの回
動角度、すなわちスロットル開度TAを検出する。吸気
圧センサ55はサージタンク36に取り付けられ、真空
を基準とした場合の同タンク36内の圧力、すなわち吸
気圧PMを検出する。本実施の形態では、前述したクラ
ンク角センサ52及びスロットルセンサ54によって運
転状態検出手段が構成されている。
【0027】前述したエンジン11には可変バルブタイ
ミング機構(以下、VVTという)63が設けられてい
る。VVT63は、タイミングプーリ31、ひいてはク
ランクシャフト17の回転に対する吸気側カムシャフト
(以下、単にカムシャフトという)26の位相を変化さ
せることにより、吸気バルブ22の作動タイミングをク
ランク角に関して連続的に変更するための機構であり、
油圧により駆動される。次に、VVT63の構成につい
て説明する。
【0028】カムシャフト26は、シリンダヘッド13
及びベアリングキャップ64間で回転自在に支持されて
いる。カムシャフト26の前端部(図2の左端部)外周
には前述したタイミングプーリ31が相対回動可能に装
着されている。カムシャフト26の前端には、インナキ
ャップ65が中空ボルト66及びピン67により一体回
転可能に取り付けられている。
【0029】タイミングプーリ31には、ボルト69及
びピン71によりハウジング68が一体回転可能に取り
付けられている。ハウジング68にはプラグ72が取り
外し可能に装着されており、両者68,72によってカ
ムシャフト26の前端部及びインナキャップ65の全体
が覆われている。また、タイミングプーリ31の外周に
は、タイミングベルト33を掛装するための外歯31a
が多数形成されている。
【0030】カムシャフト26及びタイミングプーリ3
1は、ハウジング68及びインナキャップ65間に介在
された、回転位相変更部材としてのピストン部材73に
よって連結されている。ピストン部材73は略円環形状
をなし、タイミングプーリ31、ハウジング68及びイ
ンナキャップ65によって囲まれた空間S内に収容され
ている。ピストン部材73は第1の位置と第2の位置と
の間で往復動する。ピストン部材73は第1の位置に配
置されたとき、図2に示すようにハウジング68の内底
面68aに当接する。このとき、クランクシャフト17
に対するカムシャフト26の回転位相が最も遅れ、吸気
バルブ22の作動タイミングがクランクシャフト17の
回転に対して最も遅くなる。ピストン部材73は第2の
位置に配置されたとき、タイミングプーリ31に当接す
る。このとき、クランクシャフト17に対するカムシャ
フト26の回転位相が最も進み、吸気バルブ22の作動
タイミングが最も早くなる。
【0031】ピストン部材73の内周及び外周にはそれ
ぞれ多数のスプライン歯73a,73bが形成されてい
る。これに対応して、インナキャップ65の外周及びハ
ウジング68の内周にも、それぞれ多数のスプライン歯
65a,68bが形成されている。これらのスプライン
歯73a,73b,65a,68bは、いずれもカムシ
ャフト26の軸線Lに対して交差するヘリカルスプライ
ンからなる。ヘリカルスプラインの歯すじの傾きは、ピ
ストン部材73が回転したときに前方に向かう力が作用
するように設定されている。そして、スプライン歯73
a,65aが互いに噛合し、スプライン歯73b,68
bが互いに噛合している。これらの噛合によって、タイ
ミングプーリ31の回転はハウジング68、ピストン部
材73及びインナキャップ65を介してカムシャフト2
6に伝達される。
【0032】第1圧力室74は前記空間Sにおいてピス
トン部材73の前側に形成され、第2圧力室75は後側
に形成されている。各圧力室74,75に液体圧を供給
するための液体供給源として、エンジン11に既設のオ
イルポンプ76が利用されている。オイルポンプ76は
クランクシャフト17に駆動連結されており、エンジン
11の運転にともない作動し、オイルパン77内に貯留
されている液体としてのエンジンオイル70を吸引及び
吐出する。吐出されたエンジンオイル70中の異物、金
属粉等はオイルフィルタ78によって除去される。そし
て、オイルフィルタ78を通過したエンジンオイル70
はベアリングキャップ64、カムシャフト26、中空ボ
ルト66等に形成された第1油路79を通って第1圧力
室74に供給されるとともに、ベアリングキャップ6
4、カムシャフト26等に形成された第2油路81を通
って第2圧力室75に供給される。これらの第1油路7
9及び第2油路81によって液体通路が構成されてい
る。
【0033】両油路79,81の途中には、各圧力室7
4,75に供給される油圧の大きさを調整するために、
液体圧調整弁としてのオイルコントロールバルブ(以
下、OCVという)82が設けられている。OCV82
のケーシング85は、タンクポート85t、Aポート8
5a、Bポート85b及び一対のリザーバポート85r
を有している。タンクポート85tはオイルフィルタ7
8を介してオイルポンプ76に接続され、Aポート85
aは第1油路79に接続されている。Bポート85bは
第2油路81に接続され、両リザーバポート85rはオ
イルパン77に接続されている。
【0034】ケーシング85内にはスプール84が往復
動可能に収容されている。スプール84の外周には、前
述した2つのポート間でのエンジンオイル70の流れを
遮断する4つのランド84aが形成されている。スプー
ル84の外周において隣接するランド84a間には、2
つのポート間を連通してエンジンオイル70の流れを許
容するパセージ84b,84c,84cが形成されてい
る。そして、スプール84による各ポートの連通状態、
すなわちスプール84の軸線方向における位置を変更す
ることによって、第1圧力室74及び第2圧力室75に
供給される油圧の大きさを調整することが可能である。
【0035】ケーシング85の前部にはスプール84を
後方へ付勢するスプリング86が配置され、後部には通
電によって励磁されてスプール84を前方へ押圧する電
磁ソレノイド87が配置されている。そして、単位時間
に占める電磁ソレノイド87への通電時間の割合(デュ
ーティ比)を種々変更する、いわゆるデューティ制御を
行うことにより、スプール84をケーシング85内の任
意の位置へ移動させることが可能となっている。
【0036】例えば、100%のデューティ比で電磁ソ
レノイド87が通電されて、スプール84がスプリング
86の付勢力に抗して前方(図の左方)へ移動させられ
ると、パセージ84bによってタンクポート85t及び
Aポート85a間が連通される。すると、オイルポンプ
76から吐出されたエンジンオイル70が、第1油路7
9を通って第1圧力室74に供給され、ピストン部材7
3に前側から加わる油圧が上昇する。これと同時に、後
側のパセージ84cによって、Bポート85b及び後側
のリザーバポート85r間が連通される。すると、第2
圧力室75内のエンジンオイル70は、第2油路81、
Bポート85b、リザーバポート85rを通じてオイル
パン77に排出され、ピストン部材73に後側から加わ
る油圧が低下する。
【0037】ピストン部材73に対し前側から加わる油
圧が後側から加わる油圧に打ち勝つと、スプライン歯7
3a,65a及び73b,68bがヘリカルスプライン
であることから、同ピストン部材73は第2圧力室75
内の油圧に抗して後方ヘ移動しながら回動する。このと
き、インナキャップ65及びハウジング68に捩じり力
が付与される。
【0038】その結果、タイミングプーリ31に対する
カムシャフト26の回転位相が変えられ、吸気バルブ2
2の作動タイミングが早められる。この動作について、
図4(b)のダイヤグラムを参照すると、吸気バルブ2
2の開放期間全体が、そのバルブ22の開放のタイミン
グを早めるようにシフトされる。吸気バルブ22と排気
バルブ23とがともに開いているバルブオーバラップ期
間が拡大される。ピストン部材73の後方への移動にと
もない、そのピストン部材73がタイミングプーリ31
に当接して第2の位置で停止したとき、吸気バルブ22
の開放及び閉鎖のタイミングが最も早められる。
【0039】一方、図2において例えば、電磁ソレノイ
ド87が通電されずデューティ比が0%となって、スプ
リング86によってスプール84が後方(図の右方)へ
移動させられると、パセージ84bによりタンクポート
85t及びBポート85b間が連通される。すると、オ
イルポンプ76からのエンジンオイル70が第2油路8
1を通って第2圧力室75に供給され、ピストン部材7
3に後側から加わる油圧が上昇する。また、前側のパセ
ージ84cによって、Aポート85a及び前側のリザー
バポート85r間が連通される。すると、第1圧力室7
4内のエンジンオイル70は、第1油路79、Aポート
85a、リザーバポート85rを通ってオイルパン77
に排出され、ピストン部材73に前側から加わる油圧が
低下する。
【0040】ピストン部材73に対し後側から加わる油
圧が前側から加わる油圧に打ち勝つと、同ピストン部材
73は第1圧力室74内の油圧に抗して前方ヘ移動しな
がら回動する。このとき、インナキャップ65及びハウ
ジング68に捩じり力が付与される。
【0041】その結果、タイミングプーリ31に対する
カムシャフト26の回転位相が変えられ、吸気バルブ2
2の作動タイミングが遅らされる。この動作について、
図4(a)のダイヤグラムを参照すると、吸気バルブ2
2の開放期間全体が、そのバルブ22の開放のタイミン
グを遅らせるようにシフトされ、バルブオーバラップ期
間が縮小される。ピストン部材73の前方への移動にと
もない、そのピストン部材73がハウジング68に当接
して第1の位置で停止したとき、吸気バルブ22の開放
及び閉鎖のタイミングが最も遅らされる。
【0042】上記のようにVVT63が構成されている
ため、OCV82の電磁ソレノイド87に対するデュー
ティ比を変化させて同VVT63を作動させることによ
り、吸気バルブ22の作動タイミング、ひいてはバルブ
オーバラップ期間を、図4(a)に示す状態と、図4
(b)に示す状態との間で連続的に変更することができ
る。
【0043】ここで、前記VVT63では、エンジン1
1の停止とともにオイルポンプ76が停止され、両圧力
室74,75内へ油圧が供給されなくなる。両圧力室7
4,75内のエンジンオイル70はハウジング68とプ
ラグ72との隙間や、同ハウジング68とタイミングプ
ーリ31との隙間等から漏れ出てオイルパン77へ排出
される。このため、エンジン停止後、時間の経過に従い
両圧力室74,75内のエンジンオイル70が減少して
ゆき、やがてほとんど無い状態となる。このようにピス
トン部材73に前後からの油圧が加わらない状態でエン
ジン11を始動させると、ヘリカルスプラインによる前
方への力によってピストン部材73が前方へ移動する。
そして、ピストン部材73はその移動範囲の前端位置
(第1の位置)の近傍まで移動すると、カムシャフト2
6のトルク変動によりスラスト方向に沿って振動しよう
とする。
【0044】ところで、上述した各種センサ51〜55
による検出値に基づき、各インジェクタ39、イグナイ
タ43及びOCV82を制御するために電子制御装置
(以下、ECUという)88が用いられている。ECU
88は図5に示すように、中央処理装置(CPU)8
9、読出し専用メモリ(ROM)90、ランダムアクセ
スメモリ(RAM)91、バックアップRAM92、外
部入力回路93及び外部出力回路94を備えている。こ
れらの各回路89〜94はバス95によって互いに接続
されている。
【0045】ROM90は所定の制御プログラムや初期
データを予め記憶している。例えば、ROM90は図6
に示すバルブタイミングを制御するためのプログラムを
記憶している。CPU89はROM90に記憶された制
御プログラム及び初期データに従って各種の演算処理を
実行する。RAM91はCPU89による演算結果を一
時的に記憶する。バックアップRAM92はECU88
に対する電力供給が停止された後にも、RAM91内の
各種データを保持する。
【0046】外部入力回路93には前述したカム角セン
サ51、クランク角センサ52、水温センサ53、スロ
ットルセンサ54及び吸気圧センサ55がそれぞれ接続
されている。一方、外部出力回路94には各インジェク
タ39、イグナイタ43及びOCV82がそれぞれ接続
されている。
【0047】そして、各センサ51〜55の検出信号は
外部入力回路93を介してCPU89に入力される。C
PU89はそれらの入力に基づき、エンジン回転速度N
E、変位角θ等を算出する。さらに、CPU89はこれ
らの算出値に基づき、各インジェクタ39、イグナイタ
43及びOCV82を作動させ、燃料噴射制御、点火時
期制御、バルブタイミング制御等を実行する。
【0048】例えば、CPU89は、クランク角センサ
52が出力するクランク角信号SG1の時間間隔を計測
することにより、単位時間当たりのクランクシャフト1
7の回転数であるエンジン回転速度NEを演算する。ま
た、CPU89はカム角信号SG2の発生と同時にクラ
ンク角信号SG1を入力し、その後、予め設定された基
準のクランク角信号SG1を入力するまでの同信号のパ
ルス数に基づき、カムシャフト26の回転位相、すなわ
ち変位角θを演算する。この変位角θとは、吸気バルブ
22の作動タイミングの調整のために、VVT63によ
り変更されるカムシャフト26の角度である。
【0049】燃料噴射制御のために、CPU89は吸気
通路38を通って燃焼室18へ導かれる吸入空気の量を
求め、その吸入空気によって燃焼される燃料の質量、す
なわち燃料噴射量を求める。ここで、燃料噴射量はイン
ジェクタ39のニードルバルブ(図示略)が開いている
間に燃料が噴射される噴射時間、すなわち、ニードルバ
ルブを作動させるためのソレノイドコイル(図示略)へ
の通電時間によって決定される。そのため、CPU89
はそのときのエンジン11の運転状態に基づき、燃料噴
射量に関連するパラメータとしてインジェクタ通電時間
TAUを算出する。この時間TAUにわたり各インジェ
クタ39のソレノイドコイルに通電し、同インジェクタ
39から噴射される燃料量を制御する。
【0050】また、点火時期の制御のために、ROM9
0にはエンジン11の運転状態に応じた最適な点火時期
に関するデータが予め記憶されている。CPU89は各
センサからの検出信号によりエンジン11の運転状態、
例えば、エンジン回転速度NE、吸気圧PM、暖機状態
等を検知する。そして、ROM90内のデータを参照し
て最適な点火時期を割り出し、イグナイタ43に一次電
流の遮断信号を出力して点火時期を制御する。
【0051】次に、バルブタイミング制御ルーチンの内
容を、図6のフローチャートに従って説明する。このル
ーチンはエンジン11の始動とともに開始され、その後
は所定時間が経過する毎に起動される。同ルーチンの各
処理はカウンタに基づいて実行される。カウンタはエン
ジン始動後におけるバルブタイミング制御ルーチンの実
行回数をカウントし、そのカウント値Cを記憶する。カ
ウント値Cはエンジン始動後の経過時間に対応してい
る。
【0052】CPU89はまずステップ101におい
て、クランク角センサ52によるクランク角信号SG1
と、カム角センサ51によるカム角信号SG2とを読み
込む。ステップ102において、両信号SG1,SG2
から今回制御周期での変位角θ(i)を求める。すなわ
ち、カム角信号SG2の発生と同時にクランク角信号S
G1を入力する。予め設定された基準のクランク角信号
SG1を入力するまでの同信号のパルス数をカウントす
る。そのカウント値と、クランク角信号SG1の角度間
隔とから、カムシャフト26の回転位相である変位角θ
(i)を演算する。
【0053】次に、ステップ103においてカウンタを
「1」インクリメントし、ステップ104でカウント値
Cが第1の所定値α以上であるか否かを判定する。第1
の所定値αは、エンジン11が始動されてからオイルパ
ン77内のエンジンオイル70が両圧力室74,75に
到達するまでの時間(数秒)に対応した値である。この
ステップ104の判定条件が満たされていなければ(C
<α)、エンジン11の始動直後であり、エンジンオイ
ル70が両圧力室74,75にまで達していないと判断
し、ステップ105において前回の処理で記憶した変位
角θ(i-1) を読み出す。
【0054】ステップ106において、今回の変位角θ
(i) から前回の変位角θ(i-1) を減算して、変位角の変
動量Δθ(=θ(i) −θ(i-1) )を求める。その変動量
Δθが「0」以上であるか否かを判定する。この判定条
件が満たされていれば(Δθ≧0)、カムシャフト26
のトルク変動によりピストン部材73が、吸気バルブ2
2の作動タイミングを早める方向(図2の右方)へ移動
していると判断し、ステップ107でOCV82のAポ
ート85a及びリザーバポート85r間を連通させて第
1油路79を開放し、Bポート85b及びリザーバポー
ト85r間を連通させて第2油路81を開放する。
【0055】これに対しステップ106の判定条件が満
たされていないと(Δθ<0)、カムシャフト26のト
ルク変動によりピストン部材73が、吸気バルブ22の
作動タイミングを遅らせる方向(図2の左方)へ移動し
ていると判断し、ステップ108において、前記カウン
ト値Cが第2の所定値β以上であるか否かを判定する。
第2の所定値βは、エンジン11が始動されてからオイ
ルパン77内のエンジンオイル70がOCV82に到達
するまでの時間(数秒)に対応した値であり、前記第1
の所定値αよりも小さい。第2の所定値βはエンジン1
1の種類、使用条件、温度等を考慮して決定されてい
る。
【0056】ステップ108の判定条件が満たされてい
ないと(C<β)、エンジンオイル70がOCV82ま
で達していないと判断し、ステップ109においてOC
V82のAポート85a及びBポート85bをともにタ
ンクポート85tに連通させて、第1油路79及び第2
油路81をともに閉鎖する。同判定条件が満たされてい
ると(C≧β)、エンジンオイル70がOCV82を通
過していると判断し、ステップ110においてOCV8
2のAポート85a及びタンクポート85t間を連通さ
せて第1油路79を閉鎖し、Bポート85b及びリザー
バポート85r間を連通させて第2油路81を開放す
る。
【0057】前記ステップ107,109,110の処
理後、ステップ111へ移行し、次回の制御周期での演
算に備えて今回の変位角θ(i) を前回の変位角θ(i-1)
とし、RAM91に記憶する。その後、このルーチンを
一旦終了する。
【0058】一方、前記ステップ104の判定条件が満
たされていると(C≧α)、オイルパン77内のエンジ
ンオイル70が両圧力室74,75に達しており、同エ
ンジンオイル70により打音の発生が抑制されると判断
し、ステップ112〜114においてバルブタイミング
をフィードバック制御する。
【0059】ステップ112においてスロットルセンサ
54によるスロットル開度TAと、別のルーチンにおい
てクランク角センサ52から求めたエンジン回転速度N
Eとをそれぞれ読み込む。ステップ113において、予
め用意された制御マップを用い、前記スロットル開度T
A及びエンジン回転速度NE等に基づき目標変位角θV
TAを算出する。そして、ステップ114において、変
位角θ(i)が目標変位角θVTAに合致するようにO
CV82のポートの開放割合をフィードバック制御す
る。この制御により、VVT63の両圧力室74,75
へ供給される油圧が調整される。そして、吸気バルブ2
2の作動タイミングがエンジン11の運転状態に応じて
連続的に変更され、もってバルブオーバラップ区間が連
続的に調整される。ステップ114の処理を実行した
後、このルーチンを終了する。
【0060】本実施の形態では、前記ステップ101〜
111の処理が第1の制御手段に相当し、ステップ10
4,112〜114の処理が第2の制御手段に相当す
る。このバルブタイミング制御ルーチンによると、エン
ジン始動後の経過時間とピストン部材73の移動方向と
に応じてOCV82の制御内容が切替えられて、両油路
79,81が次に示す(i) ,(ii),(iii) ,(iv),(v) のよ
うに開放又は閉鎖される。
【0061】(i) エンジン始動後、エンジンオイル70
がOCV82に到達するまでの期間であって、ピストン
部材73が吸気バルブ22の作動タイミングを早める方
向(第2圧力室75側)へ移動している場合。
【0062】この場合には、ステップ101〜107,
111の処理が順に行われ、第1油路79及び第2油路
81がともに開放される。 第1油路79が開放される
と、ピストン部材73は同油路79内外の空気を吸引し
ながら、第2圧力室75側へ移動しようとする。第1油
路79は空気通過時の抵抗となり(絞りとして作用
し)、ピストン部材73の動きを妨げる。
【0063】この際、仮に第1油路79を閉鎖しても、
第1圧力室74内の空気の圧力を減少させ、前記と同様
にしてピストン部材73を動きにくくさせることが可能
である。しかし、同空気の圧力が第2圧力室75内の空
気の圧力(大気圧)よりも低くなると、両圧力室74,
75での空気の圧力差により、ピストン部材73には第
1圧力室74へ向かう力が働く。その結果、次回にピス
トン部材73が吸気バルブ22の作動タイミングを遅ら
せる方向へ移動しようとしたときに、同ピストン部材7
3がハウジング68の内底面68aに強く当たる。従っ
て、そのときの衝撃により打音発生のおそれがある。第
1油路79を開放して空気通過時の抵抗(管路抵抗)を
利用すれば、このような不具合は起こりにくい。
【0064】また、第2油路81が開放されると、ピス
トン部材73は第2圧力室75内及び同油路81内の空
気を押し出しながら、第2圧力室75側へ移動しようと
する。第2油路81は空気通過時の抵抗となり(絞りと
して作用し)、ピストン部材73の動きを妨げる。
【0065】この際、仮に第2油路81を閉鎖すれば、
ピストン部材73の移動により第2圧力室75内の空気
の圧力を上昇させ、前記と同様にしてピストン部材73
を動きにくくさせることが可能である。しかし、次回に
ピストン部材73が吸気バルブ22の作動タイミングを
遅らせる方向へ移動しようとしたときに、第2圧力室7
5内の圧縮された空気がばねとして作用し、同ピストン
部材73がハウジング68の内底面68aに強く当た
る。従って、そのときの衝撃により打音発生のおそれが
ある。第2油路81を開放して空気通過時の抵抗(管路
抵抗)を利用すれば、このような不具合は起こりにく
い。
【0066】このように両油路79,81の開放によ
り、ピストン部材73の第2圧力室75側への移動を抑
制することができ、また同ピストン部材73が次回に第
1圧力室74側へ移動する際に、その移動が助長される
のを未然に防止できる。
【0067】(ii)エンジン始動後、エンジンオイル70
がOCV82に到達するまでの期間であって、ピストン
部材73が吸気バルブ22の作動タイミングを遅らせる
方向(第1圧力室74側)へ移動している場合。
【0068】この場合には、ステップ101〜106,
108,109,111の処理が順に行われ、第1油路
79及び第2油路81がともに閉鎖される。 第1油路
79が閉鎖されると、ピストン部材73は同油路79及
び第1圧力室74内の空気を圧縮しながら移動しなけれ
ばならず、同圧縮空気がエアクッションとして作用し、
ピストン部材73の動きを妨げる。
【0069】また、第2油路81が閉鎖されると、第2
圧力室75内に外部から空気が入り込まなくなり、同圧
力室75内の空気の圧力が減少する。同空気の圧力が第
1圧力室74内の空気の圧力より低下する。両圧力室7
4,75での空気の圧力差により、ピストン部材73に
は第2圧力室75へ向かう力が働く。この力はピストン
部材73の動きを妨げる。
【0070】このように両油路79,81の閉鎖によ
り、ピストン部材73の第1圧力室74側への移動を抑
制することができる。 (iii) エンジンオイル70がOCV82を通過した後、
両圧力室74,75に到達するまでの期間であって、ピ
ストン部材73が吸気バルブ22の作動タイミングを早
める方向(第2圧力室75側)へ移動している場合。
【0071】この場合には、前述した(i) と同様にして
ステップ101〜107,111の処理が順に行われ、
第1油路79及び第2油路81がともに開放される。従
って、ピストン部材73の第2圧力室75側への移動を
抑制することができ、また同ピストン部材73が次回に
第1圧力室74側へ移動する際に、その移動が助長され
るのを未然に防止できる。
【0072】(iv)エンジンオイル70がOCV82を通
過した後、両圧力室74,75に到達するまでの期間で
あって、ピストン部材73が吸気バルブ22の作動タイ
ミングを遅らせる方向(第1圧力室74側)へ移動して
いる場合。
【0073】この場合には、ステップ101〜106,
108,110,111の処理が順に行われ、第1油路
79が閉鎖されるとともに第2油路81が開放される。
第1油路79が閉鎖されると、ピストン部材73は同油
路79及び第1圧力室74内の空気を圧縮しながら移動
しなければならず、同圧縮空気がエアクッションとして
作用し、ピストン部材73の動きを妨げる。
【0074】第2油路81が開放されると、OCV82
を通過したエンジンオイル70の同油路81及び第2圧
力室75への流入が許容される。また、同エンジンオイ
ル70が第2圧力室75内へ流入する前には、ピストン
部材73は同圧力室75内の空気及び第2油路81内の
空気を吸引しながら、第1圧力室74側へ移動しようと
する。第2油路81は空気通過時の抵抗となり(絞りと
して作用し)、ピストン部材73の動きを妨げる。
【0075】(v)エンジンオイル70が両圧力室7
4,75に到達した後。この場合には、ステップ101
〜104,112〜114の処理が順に行われ、OCV
82の各ポートの開放割合がフィードバック制御され
て、そのときのエンジン11の運転状態に応じたタイミ
ングで吸気バルブ22が開閉される。
【0076】上述したように、本実施の形態によると、
エンジン11の始動後、エンジンオイル70が圧力室7
4,75に到達するまでは、カムシャフト26のトルク
変動によるピストン部材73の移動方向に応じてOCV
82の制御内容が切替えられる。すると、エンジン11
の停止時にエンジンオイル70が漏出しても、圧力室7
4,75内及び油路79,81内の空気によってピスト
ン部材73の動きが抑制される。このため、ピストン部
材73が移動範囲の前端部まで移動して振動し、ハウジ
ング68の内底面68aに当たっても、そのときの衝撃
は小さなものとなる。このように圧力室74,75内及
び油路79,81内の空気を利用することにより、既設
のOCV82の制御内容を変更するだけでエンジン始動
時の打音を抑制することが可能となる。従来技術とは異
なり、打音抑制のための別部材の追加は不要である。従
って、その別部材の追加に付随する不具合、すなわち、
バルブタイミング制御装置のコスト上昇や、制御装置全
体の大型化や、経時劣化による打音抑制効果の低下を防
止できる。
【0077】本実施の形態は前述した事項以外にも次に
示す特徴を有する。 (a)ピストン部材73が吸気バルブ22の作動タイミ
ングを遅らせる方向(第1圧力室74側)へ移動してい
るとき、エンジンオイル70がOCV82を通過してい
るか否かによって同OCV82の制御内容を異ならせて
いる。このため、エンジンオイル70がOCV82に到
達するまでは、両圧力室74,75内及び両油路79,
81内の空気によってピストン部材73の動きを妨げて
打音の発生を抑制できる。エンジンオイル70がOCV
82を通過した後両圧力室74,75に到達するまで
は、第1圧力室74内及び第1油路79内の空気によっ
てピストン部材73の動きを妨げて打音の発生を抑制す
るとともに、第2油路81の管路抵抗によってピストン
部材73の動きを抑制しつつエンジンオイル70の第2
圧力室75への流入を確保できる。
【0078】(b)カウント値Cが第1の所定値αとな
ったとき、すなわちエンジン始動後、所定時間が経過し
たとき、エンジンオイル70が圧力室74,75に到達
したものと推定するようにしている。このため、簡単な
構成でOCV82の制御内容の切替時期を把握できる。
【0079】(c)カム角センサ51及びクランク角セ
ンサ52の検出値に基づき、クランクシャフト17に対
するカムシャフト26の実際の回転位相の変化を求め、
同カムシャフト26のトルク変動によるピストン部材7
3の移動方向を決定するようにしている。このように移
動方向の決定に既設のセンサを利用しているので、別
途、専用のセンサ等を付加しなくてもすむ。
【0080】(d)エンジン始動後にエンジンオイル7
0が両圧力室74,75に到達するまでは、第1油路7
9及び第2油路81の両方を開放又は閉鎖するようにし
ている。このため、一方の油路79(又は81)のみを
開放又は閉鎖する場合に比べ、ピストン部材73の振動
をより効果的に抑制することができる。
【0081】なお、本発明は次に示す別の実施の形態に
具体化することができる。 (1)第1〜第3の発明はロータリタイプのVVTにも
適用できる。このタイプでは、図7,8に示すようにカ
ムシャフト26の外周にスリーブ96が配置され、その
先端部(図7の左端部)に、回転体としてのタイミング
スプロケット97及びハウジング98が順に取り付けら
れている。ハウジング98の内周面には複数(図8では
3つ)の溝部99が等角度毎に形成されている。また、
カムシャフト26の先端には、外周に複数のベーン10
0を有する回転位相変更部材としての羽根車101が一
体回転可能に取り付けられている。各ベーン100は対
応する溝部99内に回動可能に収容されている。各溝部
99においてベーン100の回動方向両側の空間は第1
圧力室102及び第2圧力室103となっている。シリ
ンダヘッド13、ベアリングキャップ64、スリーブ9
6、カムシャフト26及び羽根車101には、オイルパ
ン77内のエンジンオイル70を第1圧力室102に導
く第1油路104と、同オイルパン77内のエンジンオ
イル70を第2圧力室103に導く第2油路105とが
それぞれ形成されている。第1油路104及び第2油路
105によって液体通路が構成されている。両油路10
4,105の途中には前記実施の形態と同一構成のOC
V82が配置されている。
【0082】前記した構成のVVT106ではOCV8
2が制御されることにより、各圧力室102,103に
供給される油圧が調整される。そして、羽根車101の
回動により、両圧力室102,103の油圧が釣り合う
位置へベーン100が移動し、タイミングスプロケット
97(クランクシャフト)に対するカムシャフト26の
回転位相、すなわち吸気バルブの開閉タイミングが変更
される。
【0083】そして、このタイプでもエンジン始動後、
エンジンオイル70が両圧力室102,103に到達す
るまでは、両油路104,105及び両圧力室102,
103内の空気を利用してベーン100の動きを抑制す
べく、カムシャフト26のトルク変動によるベーン10
0の移動方向に応じてOCV82の制御内容を切替え
る。このようにすれば、前記実施の形態と同様に、部品
点数の増加、コスト上昇、大型化を招くことなく始動時
のベーン100による打音発生を長期間にわたり抑制す
ることができる。
【0084】(2)第1〜第3の発明は、第2圧力室7
5内にエンジンオイル70に代えてリターンスプリング
を配置し、ピストン部材73に対し前方から油圧を作用
させ、後方からばね力を作用させ、両力の釣り合う位置
へピストン部材73を移動させるようにしたVVTにも
適用可能である。
【0085】このタイプのVVTでは、エンジン始動時
の打音発生を抑制する対策として、リターンスプリング
のばね定数を大きくすることが考えられる。このように
すればピストン部材73がハウジング68の内底面68
aに強く押し付けられ、振動による打音が抑制される。
しかし、この対策では、ピストン部材73の第2圧力室
75側への移動速度が遅くなり、エンジン11の運転状
態の変化に応じたバルブタイミングの制御応答性が悪化
する問題が新たに生ずる。
【0086】これに対し、前記実施の形態において説明
したようにOCV82を制御すればピストン部材73の
動きを抑制できるので、前記リターンスプリングのばね
定数を大きくしなくてもすむ。従って、同ばね定数の増
大にともなう制御応答性の悪化を回避できる。
【0087】(3)本発明は、回転体としてのタイミン
グプーリ31をタイミングスプロケットに変更し、タイ
ミングベルト33をタイミングチェーンに変更した構成
を有するVVTや、排気バルブ23の作動タイミングを
変更するように構成したVVTにも適用できる。また、
本発明は、ピストン部材73のスプライン歯73a,7
3bの一方のみをヘリカルスプラインとした構成のVV
Tにも適用できる。
【0088】(4)ピストン部材73が吸気バルブ22
の作動タイミングを遅らせる方向へ移動している場合、
エンジンオイル70がOCV82を通過しているか否か
にかかわらず、同OCV82の制御内容を前記(iv)と同
一、すなわち、第1油路79を閉鎖し、第2油路81を
開放するようにしてもよい。
【0089】(5)前記実施の形態では、オイルポンプ
76によるエンジンオイル70が圧力室74,75に到
達したかどうかを、エンジン始動後からの経過時間によ
って推定したが、同圧力室74,75内におけるエンジ
ンオイル70の有無をセンサによって検出してもよい。
【0090】また、エンジンオイル70がOCV82に
到達したかどうかに関しても、上記と同様にセンサを用
いて検出してもよい。 (6)油路79,81毎にOCVを設け、これらを別々
に制御するようにしてもよい。
【0091】以上、本発明の各実施の形態について説明
したが、各形態から把握できる請求項以外の技術的思想
について、以下にそれらの効果とともに記載する。 (イ)請求項1に記載の制御装置において、前記第1及
び第2の制御手段は機関始動後の経過時間が所定値とな
ったとき、液体供給源による液体が圧力室に到達したも
のと推定するものである内燃機関のバルブタイミング制
御装置。このようにすることにより、液体圧調整弁の制
御内容の切替時期を簡単な構成で把握できる。
【0092】(ロ)請求項1に記載の制御装置におい
て、前記圧力室は回転位相変更部材の移動方向の両端側
に設けられた第1圧力室及び第2圧力室からなり、前記
液体通路は第1圧力室に液体を導く第1液体通路、及び
第2圧力室に液体を導く第2液体通路からなり、回転位
相変更部材は機関始動時に第1圧力室側端部に位置する
ものであり、前記第1の制御手段は前記内燃機関の始動
後、液体供給源による液体が両圧力室に到達するまで
は、両液体通路及び両圧力室内の気体を利用して回転位
相変更部材の動きを抑制すべく、前記カムシャフトのト
ルク変動による回転位相変更部材の移動方向に応じて前
記液体圧調整弁を制御するものである内燃機関のバルブ
タイミング制御装置。
【0093】上記実施の形態では第1油路79が第1液
体通路に相当し、第2油路81が第2液体通路に相当す
る。このような構成とすることにより、一方の液体通路
のみを開放又は閉鎖する場合に比べ、回転位相変更部材
の振動をより効果的に抑制することができる。
【0094】(ハ)上記(ロ)に記載の制御装置におい
て、前記第1の制御手段は、前記トルク変動により回転
位相変更部材が第2圧力室側へ移動するとき、液体圧調
整弁を制御して第1液体通路及び第2液体通路をともに
開放する内燃機関のバルブタイミング制御装置。
【0095】このような構成とすると、両液体通路が気
体通過時の抵抗となって回転位相変更部材の動きを妨げ
るので、打音の発生を確実に抑制できる。 (ニ)上記(ロ)に記載の制御装置において、前記第1
の制御手段は、液体供給源による液体が液体圧調整弁に
到達する前であって、前記トルク変動により回転位相変
更部材が第1圧力室側へ移動するときには、液体圧調整
弁を制御して第1液体通路及び第2液体通路をともに閉
鎖する内燃機関のバルブタイミング制御装置。
【0096】このような構成とすると、第1液体通路及
び第1圧力室内の気体が回転位相変更部材の動きを妨げ
る。また、第2圧力室内の気体の圧力が第1圧力室の気
体圧力よりも低くなり、回転位相変更部材には第2圧力
室に向かう力が働き、同変更部材の動きを妨げる。従っ
て、回転位相変更部材の振動に起因する打音の発生を確
実に抑制できる。
【0097】(ホ)上記(ロ)に記載の制御装置におい
て、前記第1の制御手段は、液体供給源による液体が液
体圧調整弁を通過した後両圧力室に到達するまでであっ
て、前記トルク変動により回転位相変更部材が第1圧力
室側へ移動するときには、液体圧調整弁を制御して第1
液体通路を閉鎖するとともに第2液体通路を開放する内
燃機関のバルブタイミング制御装置。
【0098】このような構成とすると、第1液体通路内
及び第1圧力室内の圧縮された気体が回転位相変更部材
の動きを妨げる。また、第2液体通路の開放により、液
体圧調整弁を通過した液体の第2圧力室への流入が許容
される。特に、液体が第2圧力室内へ流入する前には、
第2液体通路が気体通過時の抵抗となり、回転位相変更
部材の動きを妨げる。従って、打音発生を抑制しつつ、
液体を第2圧力室へ確実に流入させることができる。
【0099】(ヘ)請求項1に記載の制御装置におい
て、前記回転位相変更部材は、内外周面にスプライン歯
を有し、かつ少なくともその一方がヘリカルスプライン
である円筒状のピストン部材であり、同ピストン部材は
前記液体供給源による液体の圧力が同ピストン部材に加
えられるとカムシャフトの軸線に沿って移動し、回転体
及びカムシャフトの回転位相を変化させてバルブの開閉
時期を調整するものであり、さらに前記ヘリカルスプラ
インの歯すじの傾きは回転位相変更部材に液体圧が加わ
らないとき、同変更部材に圧力室へ向かう力が作用する
ように設定されている内燃機関のバルブタイミング制御
装置。
【0100】このような構成とすると、回転位相変更部
材に液体圧が加わらない機関始動時には同変更部材が圧
力室側へ移動して振動するが、この振動を妨げて打音発
生を効果的に抑制できる。
【0101】
【発明の効果】以上詳述したように第1の発明によれ
ば、圧力室及び液体通路内の気体を利用することによ
り、既設の液体圧調整弁を制御するだけで回転位相変更
部材の振動を抑制できる。このため、部品点数の増加、
コスト上昇、大型化を招くことなく機関始動時の回転位
相変更部材による打音発生を長期間にわたり抑制するこ
とが可能となる。
【0102】第2及び第3の発明によれば、第1の発明
の効果に加え、回転位相変更部材の動きを確実に抑制で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】バルブタイミング制御装置を搭載したエンジン
の概略構成図。
【図2】バルブタイミング制御装置の概略構成図。
【図3】エンジンの動弁機構の断面図。
【図4】吸・排気バルブの開放期間を示すダイヤグラ
ム。
【図5】ECUの内部構成を示すブロック図。
【図6】バルブタイミング制御ルーチンを示すフローチ
ャート。
【図7】バルブタイミング制御装置の別の実施形態を示
す概略構成図。
【図8】図7のVIII-VIII 線断面図。
【図9】従来のバルブタイミング制御装置を示す断面
図。
【符号の説明】
11…内燃機関としてのエンジン、17…クランクシャ
フト、22…吸気バルブ、23…排気バルブ、26…吸
気側カムシャフト、27…排気側カムシャフト、31…
回転体としてのタイミングプーリ、52…運転状態検出
手段の一部を構成するクランク角センサ、54…運転状
態検出手段の一部を構成するスロットルセンサ、70…
液体としてのエンジンオイル、73…回転位相変更部材
としてのピストン部材、74,102…第1圧力室、7
5,103…第2圧力室、76…液体供給源としてのオ
イルポンプ、79,104…液体通路としての第1油
路、81,105…液体通路としての第2油路、82…
液体圧調整弁としてのOCV、97…回転体としてのタ
イミングスプロケット、101…回転位相変更部材とし
ての羽根車。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関のバルブ駆動用カムシャフトの
    外周に設けられ、同内燃機関のクランクシャフトに駆動
    連結された回転体と、 前記カムシャフト及び回転体間に設けられ、同回転体に
    対するカムシャフトの回転位相を変更するための回転位
    相変更部材と、 前記クランクシャフトに駆動連結された液体供給源と、 前記回転位相変更部材の移動方向の少なくとも一端側に
    設けられた圧力室と、 前記液体供給源からの液体を圧力室に導き、回転位相変
    更部材の端部に液体圧を作用させる液体通路と、 前記液体通路に設けられ、前記液体圧を調整するための
    液体圧調整弁と、 前記内燃機関の始動後、液体供給源による液体が前記圧
    力室に到達するまでは、前記液体通路及び圧力室内の気
    体を利用して回転位相変更部材の動きを抑制すべく、前
    記カムシャフトのトルク変動による回転位相変更部材の
    移動方向に応じて前記液体圧調整弁を制御する第1の制
    御手段と、 前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段
    と、 前記液体供給源によって液体が圧力室へ所定量到達した
    後は、前記運転状態検出手段による運転状態に応じて液
    体圧調整弁を制御して前記液体圧を変化させ、前記回転
    位相変更部材の位置を調整することにより回転体に対す
    るカムシャフトの回転位相を変更し、同運転状態に応じ
    た開閉時期にて前記バルブを開閉させる第2の制御手段
    とを備えた内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の制御手段は、前記トルク変動
    により回転位相変更部材が圧力室とは反対側へ移動する
    とき、液体圧調整弁を制御して液体通路を開放する請求
    項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の制御手段は、前記トルク変動
    により回転位相変更部材が圧力室側へ移動するとき、液
    体圧調整弁を制御して液体通路を閉鎖する請求項1に記
    載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030026729A (ko) * 2001-09-28 2003-04-03 현대자동차주식회사 차량용 엔진의 가변 밸브 시스템 및 그 제어 방법
US7628127B2 (en) 2005-02-10 2009-12-08 Hitachi, Ltd. Apparatus and method for controlling variable valve actuation mechanism
CN104420916A (zh) * 2013-08-22 2015-03-18 株式会社电装 气门正时控制装置

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