JPH09287496A - 内燃機関の燃料噴射量制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射量制御装置

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JPH09287496A
JPH09287496A JP8096595A JP9659596A JPH09287496A JP H09287496 A JPH09287496 A JP H09287496A JP 8096595 A JP8096595 A JP 8096595A JP 9659596 A JP9659596 A JP 9659596A JP H09287496 A JPH09287496 A JP H09287496A
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    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Abstract

(57)【要約】 【課題】関数データを記憶するための容量を低減し、同
データを記憶するためのメモリ容量を節約すること。 【解決手段】可変機構(VVT)25は吸気バルブのバ
ルブタイミングを変更する。ECU(電子制御装置)8
0はエンジン1の運転状態に基づき目標変位角度VTT
を算出して、その値に基づきVVT25を制御する。R
OM82は吸気圧力PM、エンジン回転速度NE及び実
変位角度VTの関係から燃料目標値TAUを予め設定し
た複数の関数データマップを記憶する。関数データマッ
プは各パラメータPM,NE,VTの値に基づき、目標
変位角度VTTに対する実変位角度VTの偏差量ΔVT
の大きさによって設定される。ECU80はその偏差量
ΔVTに応じた関数データマップを選択して参照するこ
とにより燃料目標値TAUを決定し、その燃料目標値T
AUに基づいてインジェクタ16を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、吸気バルブ及び
排気バルブの少なくとも一方のバルブ特性を可変とする
可変機構を備えた内燃機関に係る。詳しくは、その可変
機構により変更されたバルブ特性に応じて、燃料噴射量
を制御するようにした内燃機関の燃料噴射量制御装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関(エンジン)の運転状態
(負荷、回転速度等)に応じて吸気バルブ又は排気バル
ブのバルブ特性(バルブタイミング、バルブリフト量
等)を変更する技術が知られている。これにより、吸気
通路を通じて燃焼室に吸入される空気量がエンジンの運
転状態に応じた最適なものとなり、運転状態の変化の広
範囲にわたってエンジンの燃費、出力及びエミッション
を向上させることができる。特開平3−3910号公報
はこの種の技術の一例を開示する。
【0003】この公報の技術によれば、エンジンは吸気
バルブ及び排気バルブを駆動する低速用カム及び高速用
カムを有する。電子制御装置(コンピュータ)はエンジ
ンの運転状態に基づいて低速用カムから高速用カムへ、
或いは高速用カムから低速用カムへカムを切換えること
により、吸気バルブ及び排気バルブのバルブ特性を変更
する。バルブ特性の変更に併せて、燃焼室に吸入される
混合気が所定の空燃比となるように、かつカムの切換え
時期の前後における機関の出力の差が所定値以下となる
ようにコンピュータは予め定められた関数データを参照
することにより燃料噴射量が調整される。即ち、コンピ
ュータは、低速用カムを使用している場合には低速用カ
ムに応じた燃料噴射量を決定するための関数データを参
照し、高速用カムを使用している場合には高速用カムに
応じた燃料噴射量を決定するための関数データを参照す
る。燃料噴射量に係る関数データはエンジンの運転状態
に基づき、予め実験的に最適に設定されている。一般
に、燃料噴射量はエンジンの吸入空気量に応じて決定さ
れる。ここでは、コンピュータは吸入空気量に相関する
値を吸気通路における吸気圧力及びエンジン回転速度を
パラメータとして算出する。このように、間接的に算出
される吸入空気量を燃料噴射量の決定に反映させる。
【0004】バルブ特性を変更することにより、吸気圧
力が変わることから、その変更の前後で同一の関数デー
タを使用したのでは最適な燃料噴射量を得ることが困難
となる。従って、最適な燃料噴射量を決定するためにバ
ルブ特性に応じた関数データを持つことが必要となる。
この公報の技術では、バルブ特性が2段階に変更される
ことから、異なるバルブ特性に応じた2つの関数データ
が用いられている。コンピュータはこれらの関数データ
を内蔵するメモリに記憶している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記公報の技術はバル
ブ特性を2段階に変更可能であったが、バルブ特性を多
段階に変更し得る可変機構もある。この場合、各バルブ
特性に対応した多数の関数データが必要となる。また、
バルブ特性を連続的に変更する可変機構においては、関
数データの数が大幅に増大することになる。このため、
これらのデータを記憶するためのメモリ容量が大きくな
るおそれがある。更に、それら関数データはエンジンの
運転状態に基づき、予め実験的に最適に設定する必要が
あることから、同データを設定するための作業に多大な
労力が必要となる。
【0006】この発明は前述した事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、吸気バルブ及び排気バルブ
の少なくとも一方のバルブ特性の変更に併せて内燃機関
に噴射される燃料量を予め定めた関数データに基づいて
決定するようにした装置において、その関数データの数
を低減し、同データを記憶するための記憶手段の容量を
節約することを可能とした内燃機関の燃料噴射量制御装
置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明では、図1に示すように、
燃焼室M1に吸入される空気が流れる吸気通路M2を選
択的に開閉するための吸気バルブM3と、燃焼室M1か
ら排出されるガスが流れる排気通路M4を選択的に開閉
するための排気バルブM5と、吸気バルブM3及び排気
バルブM5の少なくとも一方に係るバルブ特性を多段階
又は無段階に可変とするための可変機構M6と、燃焼室
M1に燃料を噴射するための燃料噴射手段M7とを備え
た内燃機関M8に適用され、燃焼室M1に吸入される空
気量に相関する相関値及び内燃機関M8の回転速度をパ
ラメータとして含む内燃機関M8の運転状態を検出する
ための運転状態検出手段M9と、可変機構M6により変
えられる実際のバルブ特性状態を検出するための特性状
態検出手段M10と、検出される運転状態に基づきバル
ブ特性に係る特性目標値を算出し、その算出された特性
目標値に基づき可変機構M6を制御するための第1の制
御手段M11と、燃焼室M1に噴射されるべき燃料量に
係る燃料目標値を、空気量の相関値、回転速度及びバル
ブ特性状態との関係から予め定められた関数データを記
憶する記憶手段M12と、検出される空気量の相関値、
回転速度及びバルブ特性状態に基づき、関数データを参
照することにより燃料目標値を決定し、その決定された
燃料目標値に基づき燃料噴射手段M7を制御するための
第2の制御手段M13とを備えた制御装置において、記
憶手段M12は、特性目標値とバルブ特性状態との偏差
の大きさによって異なる複数の関数データを予め記憶す
ることと、第2の制御手段M13は、算出される特性目
標値と検出されるバルブ特性状態との偏差を算出し、そ
の偏差の大きさに応じた関数データを選択して参照する
ことにより燃料目標値を決定することを趣旨とする。
【0008】上記の構成によれば、第1の制御手段M1
1は運転状態出手段により検出される内燃機関M8の運
転状態に基づいてバルブ特性を変更するために特性目標
値を算出し、その目標値に向かって可変機構M6を制御
する。これにより、吸気バルブM3及び排気バルブM5
の少なくとも一方のバルブ特性が多段階又は無段階に変
更される。バルブ特性が変更される際、特性状態検出手
段M10は実際のバルブ特性状態を検出し、第2の制御
手段M13は特性目標値に対する実際のバルブ特性状態
の偏差を算出する。第2の制御手段M13はその偏差の
大きさに基づき、燃料目標値に係る関数データを選択
し、空気量の相関値、機関回転速度及び実際のバルブ特
性状態に基づき、その関数データを参照することにより
燃料目標値を決定する。第2の制御手段M13は決定さ
れた燃料目標値に基づき燃料噴射手段M7を制御するこ
とにより、実際のバルブ特性状態に応じた適切な量の燃
料が燃焼室M1に噴射される。これにより、内燃機関M
8は所定の機関回転速度をもって動作する。一般的に、
燃料目標値に係る関数データはパラメータである空気量
の相関値、機関回転速度及び実際のバルブ特性状態の全
領域にわたって設定されていることが考えられる。
【0009】ところが、通常、バルブ特性は目標値へ向
かって制御されているため、実際のバルブ特性状態は特
性目標値の近傍にある。このため、実際のバルブ特性状
態が特性目標値から大幅にずれていることは稀であり、
その目標値に対する実際のバルブ特性状態の偏差は小さ
な値であることが多い。
【0010】従って、パラメータである空気量の相関
値、機関回転速度及び実際のバルブ特性状態の全領域に
わたって関数データが設定される場合とは異なり、特性
目標値に対する実際のバルブ特性状態の偏差の大きさに
よって複数の関数データが設定されるため、関数データ
の数を少なくすることが可能となる。特性目標値に対す
る実際のバルブ特性状態の偏差が常に小さくなるように
可変機構M6を制御することにより、参照される関数デ
ータの数が更に少なくなる可能性があり、記憶手段M1
2により記憶される関数データの数を更に低減すること
が可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る内燃機関の
燃料噴射量制御装置を自動車のガソリンエンジンシステ
ムに具体化した1つの実施形態を図2〜図9に基づいて
詳細に説明する。
【0012】図2はこの実施形態の燃料噴射量制御装置
に係るガソリンエンジンシステムを示す概略構成図であ
る。内燃機関としてのエンジン1は複数のシリンダ2を
備える。各シリンダ2にそれぞれ設けられたピストン3
はクランクシャフト1aに連結し、各シリンダ2の中で
上下動可能となっている。各シリンダ2において、ピス
トン3の上側は燃焼室4を構成する。各燃焼室4のそれ
ぞれに対応して設けられた点火プラグ5は、燃焼室4に
導入された空気と燃料の混合気を点火する。各燃焼室4
に対応して設けられた吸気ポート6a及び排気ポート7
aのそれぞれは吸気通路6及び排気通路7の一部を構成
する。各燃焼室4に設けられた吸気バルブ8及び排気バ
ルブ9のそれぞれは、各ポート6a,7aを選択的に開
閉する。これらのバルブ8,9のそれぞれは異なるカム
シャフト10,11の回転に基づいて作動する。各カム
シャフト10,11の先端にそれぞれ設けられたタイミ
ングプーリ12,13は、タイミングベルト14を介し
てクランクシャフト1aに連結される。
【0013】エンジン1の運転時には、クランクシャフ
ト1aの回転力はタイミングベルト14及び各プーリ1
2,13を介して各カムシャフト10,11に伝達す
る。各カムシャフト10,11が回転することにより、
各バルブ8,9が作動する。各バルブ8,9はクランク
シャフト1aの回転に同期して、即ち各ピストン3の上
下動に応じた所定のバルブタイミング及びバルブリフト
量で作動可能となっている。
【0014】吸気通路6の入口に設けられたエアクリー
ナ15は、同通路6に取り込まれる外気を清浄化する。
各吸気ポート6aの近傍にそれぞれ設けられた燃料噴射
手段としてのインジェクタ16は吸気ポート6aへ向か
って燃料を噴射する。エンジン1の運転時には、外気が
エアクリーナ15を介して吸気通路6に取り込まれる。
このとき、各インジェクタ16が燃料を噴射することに
より、その燃料と外気との混合気が吸入行程において吸
気バルブ8により吸気ポート6aが開かれるときに、燃
焼室4に吸入される。燃焼室4に吸入された混合気は、
点火プラグ5が作動することにより、爆発・燃焼する。
その結果、ピストン3が作動してクランクシャフト1a
が回転し、エンジン1に出力が得られる。燃焼後の排気
ガスは、排気行程において排気バルブ9により排気ポー
ト7aが開かれるときに、燃焼室4から導出され、排気
通路7を通って外部へ排出される。
【0015】吸気通路6に設けられたスロットルバルブ
17はアクセルペダル(図示しない)の操作に連動して
作動する。このバルブ17の開度が調節されることによ
り、吸気通路6に対する外気の取り込み量、即ち吸入空
気量QAが調節される。スロットルバルブ17の下流側
に設けられたサージタンク18は吸入空気の脈動を平滑
化する。エアクリーナ15の近傍に設けられた吸気温セ
ンサ71は吸気温度THAを検出し、その検出値に応じ
た信号を出力する。スロットルバルブ17の近傍に設け
られたスロットルセンサ72は、同バルブ17の開度
(スロットル開度)TAを検出し、その検出値に応じた
信号を出力する。サージタンク18に設けられた吸気圧
センサ73は、同タンク18における吸入空気の圧力
(吸気圧力)PMを検出し、その検出値に応じた信号を
出力する。一方、排気通路7の途中に設けられた触媒コ
ンバータ19は内蔵された三元触媒20により排気ガス
を浄化する。
【0016】ディストリビュータ21は、イグナイタ2
2から出力される高電圧を、各点火プラグ5を作動させ
るために点火プラグ5へ分配する。従って、各点火プラ
グ5を作動させるタイミングはイグナイタ22が高電圧
を出力するタイミングにより決まる。
【0017】ディストリビュータ21に内蔵されたロー
タ(図示しない)は、クランクシャフト1aに同期して
回転するカムシャフト11により回転させられる。ディ
ストリビュータ21に設けられた回転速度センサ76
は、エンジン回転速度NEをロータの回転に基づいて検
出し、その検出値をパルス信号として出力する。ディス
トリビュータ21に設けられた気筒判別センサ77はク
ランク角度CAの基準位置GPをロータの回転に応じて
所定の割合で検出し、その所定値を同じくパルス信号と
して出力する。この実施形態において、エンジン1の一
連の4行程に対してクランクシャフト1aは2回転す
る。クランクシャフト1aが2回転する間に、回転速度
センサ76は30°CAに1パルスの信号を出力する。
気筒判別センサ77は360°CA毎に1パルスの信号
を出力する。
【0018】カムシャフト10に設けられた特性状態検
出手段としてのカムセンサ78は、カムシャフト10の
回転に係る実際の変位角度(実変位角度)VTを検出
し、その検出値に応じた信号を出力する。このカムセン
サ78はカムシャフト10上に等角度間隔をもって配置
された複数の突起と、各突起に対向可能に配置されたピ
ックアップコイルとを含む。カムシャフト10が回転し
て各突起がピックアップコイルを横切ることにより、同
コイルが起電力を発生する。カムセンサ78はその起電
力を実変位角度VTを示すパルス信号として出力する。
本発明の運転状態検出手段は各センサ73,76,78
を含む。
【0019】タイミングプーリ12に設けられた本発明
の可変機構(以下、「VVT」と書き表す。)25は油
圧力により駆動されることによって吸気バルブ8に係る
バルブ特性としてのバルブタイミングを進めたり遅らせ
たりする。
【0020】エンジン1に設けられたオイルパン28、
オイルポンプ29及びオイルフィルタ30等はエンジン
1の各部を潤滑するための潤滑装置を構成する。この潤
滑装置はVVT25を駆動するために同VVT25に油
圧力を供給する。オイル制御弁(OCV)55はVVT
25に供給される油圧力を調節可能とする。エンジン1
の運転に連動してオイルポンプ29が作動することによ
り、オイルパン28から吸い上げられた潤滑油がオイル
ポンプ29により吐出される。吐出された潤滑油はオイ
ルフィルタ30を通り、OCV55により選択的に圧送
され、VVT25に供給される。
【0021】図3はVVT25の構造を示す断面図であ
る。カムシャフト10はシリンダヘッド26に回転可能
に支持されている。カムシャフト10上にはプーリ12
が装着され、同プーリ12はカムシャフト10に対して
相対的に回転可能となっている。プーリ12に固定され
た有底円筒状のカバー35は、その外周にフランジ39
を有し、底部中央に孔40を有する。複数のボルト41
及びピン42はフランジ39をプーリ12の一側面に固
定する。孔40に装着された蓋43は取り外し可能であ
る。カバー35はその内周に内歯35aを有する。
【0022】中空ボルト46及びピン47は、カムシャ
フト10の先端にインナキャップ45を固定する。キャ
ップ45はその外周に外歯45aを有する。カバー35
とキャップ45との間に介装されたリングギア48は、
両者35,45に対して相対的に回転可能となってい
る。リングギア48はその内周と外周に、それぞれヘリ
カルスプラインよりなる内歯48aと外歯48bを有す
る。内歯48aはキャップ45の外歯45aに噛み合
い、外歯48bはカバー35の内歯35aに噛み合って
いる。
【0023】カバー35の内部において、リングギア4
8の図面左右両側のそれぞれに形成された第1の油圧室
49と第2の油圧室50は、カムシャフト10の内部に
形成された油路51,53に連通している。
【0024】ベルト14はカムシャフト10のプーリ1
2とクランクシャフト1aのプーリ12とを連結する。
クランクシャフト1aが回転することにより、ベルト1
4等を介してプーリ12が回転する。プーリ12が回転
することにより、リングギア48を介してキャップ45
及びカムシャフト10がプーリ12と一体的に回転す
る。
【0025】ここで、油路51を通じて第1の油圧室4
9に油圧力を供給することにより、リングギア48に油
圧力が加わる。その油圧力に基づいて、リングギア48
がカムシャフト10の軸線方向において図面右方へ移動
しながら回転する。このとき、カムシャフト10とプー
リ12との間で回転位相が相対的に変わる。この場合、
カムシャフト10の回転位相がプーリ12のそれよりも
進む。この結果、吸気バルブ8のバルブタイミングの位
相がクランクシャフト1aの回転位相よりも進む。
【0026】この場合、図4(b)に示すように、吸気
バルブ8のバルブタイミングが相対的に進み、吸気行程
におけるバルブオーバラップが相対的に大きくなる。こ
のように、第1の油圧室49に供給される油圧力を制御
することにより、図3に示すリングギア48をタイミン
グプーリ12に接近する終端位置まで移動させることが
できる。リングギア48がその終端位置に達したとき、
吸気バルブ8のバルブタイミングが最も進み、バルブオ
ーバラップが最も大きくなる。
【0027】一方、リングギア48が図面右方へ移動し
た状態において、油路53を通じて第2の油圧室50に
油圧力を供給することにより、リングギア48に油圧力
が加わる。その油圧力に基づいて、リングギア48がカ
ムシャフト10の軸線方向において図面左方へ移動す
る。このとき、カムシャフト10とプーリ12との間で
回転位相が上記と反対の方向へ相対的に変わる。この場
合、カムシャフト10の回転位相がプーリ12のそれよ
りも遅れる。この結果、吸気バルブ8のバルブタイミン
グがクランクシャフト1aの回転位相よりも遅れる。
【0028】この場合、図4(a)に示すように、吸気
バルブ8のバルブタイミングが相対的に遅れ、吸気行程
におけるバルブオーバラップが相対的に小さくなる。こ
のように、第2の油圧室50に供給される油圧力を制御
することにより、図3に示すリングギア48をカバー3
5に接近する終端位置まで移動させることができる。リ
ングギア48が終端位置に達したとき、吸気バルブ8の
バルブタイミングが最も遅れる。
【0029】この実施形態では、各油圧室49,50に
対する油圧力の供給がOCV55により制御される。こ
こで、各油圧室49,50に対する油圧力のバランスを
適宜に制御することにより、リングギア48が図面左方
へ移動したり、図面右方へ移動したりする。あるいは、
その移動ストローク上の中間位置においてリングギア4
8が保持される。これにより、VVT25を適宜に制御
して吸気バルブ8のバルブタイミングを図4(a)に示
す位置から図4(b)に示す位置まで連続的(無段階)
に変更することができる。即ち、VVT25を作動させ
ることにより、吸気バルブ8の位相を0〜60°CAの
範囲において変更することが可能となっている。
【0030】この実施形態では、所要の駆動デューティ
比DVTの値に基づいてOCV55制御することによ
り、バルブタイミングが制御される。このとき、バルブ
タイミングを目標値に一致させるために、OCV55を
制御するためのパラメータとして駆動デューティ比DV
Tが使用される。
【0031】ここで、ECU(電子制御装置)80は前
述した各種センサ等71〜73,76〜78から出力さ
れる信号を入力する。ECU80はそれらの入力信号に
基づき各部材16,22,55等を制御する。
【0032】図5にブロック図で示すように、ECU8
0は中央処理装置(CPU)81、記憶手段としての読
み出し専用メモリ(ROM)82及びランダムアクセス
メモリ(RAM)83等を備える。ECU80はこれら
各部81〜83と、A/D変換器を含む外部入力回路8
5と、外部出力回路85等とをバス86により接続して
なる論理演算回路を構成する。この実施形態で、CPU
81はオートインクリメントカウンタを含む各種カウン
タの機能を兼ね備える。ROM82は所定の制御プログ
ラム、関数データ等を予め記憶する。RAM83はCP
U81の演算結果等を一時記憶する。前述した各センサ
等71〜73,76〜78は外部入力回路85に接続さ
れる。前述した各部材16,22,55は外部出力回路
86に接続される。このECU80は電源用のバッテリ
(図示しない)から電力の供給を受ける。CPU81は
外部入力回路85を介して入力される各センサ等71〜
73,76〜78の信号を入力値として読み込む。CP
U81はそれらの入力値に基づき、バルブタイミング制
御及び燃料噴射量制御を実行するために各部材16,5
5等を制御する。ECU80は本発明の第1及び第2の
制御手段を構成する。
【0033】ここで、バルブタイミング制御とは、エン
ジン1の運転状態に応じて算出される駆動デューティ比
DVTの値に基づきOCV55を制御することにより、
VVT25を制御して吸気バルブ8のバルブタイミン
グ、延いてはバルブオーバラップを制御することであ
る。燃料噴射量制御とは、エンジン1の運転状態に応じ
て算出される目標値に基づき各インジェクタ16を制御
することにより、燃焼室に噴射される燃料の量を制御す
ることである。
【0034】次に、バルブタイミング制御の処理内容に
ついて説明する。図6は、「バルブタイミング制御ルー
チン」を示すフローチャートである。ECU80はこの
ルーチンを所定の時間間隔をもって周期的に実行する。
【0035】ステップ100において、ECU80は各
センサ72,73,76,78からの信号に基づきスロ
ットル開度TA、吸気圧力PM、エンジン回転速度NE
及び実変位角度VTの値をそれぞれ読み込む。
【0036】ステップ110において、ECU80は今
回読み込まれた各種パラメータTA,PM,NEの値に
基づき、VVT25を制御するための目標変位角度VT
Tの値を算出する。ECU80はこの目標変位角度VT
Tの値を図7にグラフで示す関数データを参照すること
により算出する。この関数データにおいて、目標変位角
度VTTは吸気圧力PM及びエンジン回転速度NEより
求められるエンジン1の負荷LDと、エンジン回転速度
NEとの関係から予め実験的に最適に定められている。
この関数データにおいて、目標変位角度VTTの値は最
遅角側の値である「0°CA」から最進角側の値である
「60°CA」までの範囲をもって設定されている。こ
の「0〜60°CA」の値は一例に過ぎない。この関数
データにおいて、エンジン1のアイドル運転時には、吸
気バルブ8と排気バルブ9とのバルブオーバラップがゼ
ロとなるように、目標変位角度VTTの値が設定されて
いる。その他、各パラメータTA,PM,NEの値に応
じた、即ちエンジン1の運転状態に応じた最適な目標変
位角度VTTの値が得られるように関数データが設定さ
れている。この実施形態で、ステップ110の処理を実
行するECU80は、エンジン1の運転状態に応じたバ
ルブタイミングに係る目標変位角度VTTを算出するた
めの算出手段に相当する。
【0037】ステップ120において、ECU80は算
出された目標変位角度VTTをRAM83に一時記憶す
る。ステップ130において、ECU80は以下の計算
式に従い、OCV55を制御するための駆動デューティ
比DVTの値を算出する。
【0038】DVT=(VTT−VT)*KP ここで、「KP」は定数であり、目標変位角度VTTと
実変位角度VTとの差を駆動デューティ比DVTの値に
換算するための値に相当する。この実施形態で、ステッ
プ130の処理を実行するECU80は、バルブタイミ
ング制御に係る目標値をOCV55を制御するための指
令値に換算するための換算手段に相当する。
【0039】ステップ140において、ECU80はV
VT25を制御するために今回算出された駆動デューテ
ィ比DVTの値に基づきOCV55をデューティ制御
し、その後の処理を一旦終了する。これにより、吸気バ
ルブ8のバルブタイミングが調整され、エンジン1の運
転状態に応じたバルブオーバラップが得られる。この実
施形態で、ステップ110〜140の処理を実行するE
CU80は、各センサ72,73,76の検出結果に基
づき目標変位角度VTTを算出して、その目標変位角度
VTTに基づきVVT25を制御するための本発明の第
1の制御手段に相当する。ステップ140の処理を終了
した後、その後の処理を一旦終了する。
【0040】次に、燃料噴射量制御の処理内容について
説明する。図8は、「燃料噴射量制御ルーチン」を示す
フローチャートである。ECU80はこのルーチンを所
定の時間間隔をもって周期的に実行する。
【0041】ステップ200において、ECU80は各
センサ73,76,78からの信号に基づき吸気圧力P
M、エンジン回転速度NE及び実変位角度VTの値をそ
れぞれ読み込むと共に、RAM83に記憶されている目
標変位角度VTTの値を読み込む。
【0042】ステップ210において、ECU80は実
変位角度VTの値から目標変位角度VTTの値を差し引
いた値を偏差ΔVTとして算出する。この実施形態で、
ステップ210の処理を実行するECU80は、吸気バ
ルブ8の目標変位角度VTTに対する実変位角度VTの
偏差ΔVTを算出するための算出手段に相当する。
【0043】ステップ220において、ECU80は偏
差ΔVTに基づき、ROM82に記憶された燃料目標値
TAUに係る複数の関数データマップから偏差ΔVTの
大きさに応じた特定の関数データマップを選択する。図
9は複数の関数データマップを示す。各関数データマッ
プは、カムシャフト10の実変位角度(吸気バルブ8の
進角量)VT、吸気圧力PM及びエンジン回転速度NE
をパラメータとする3次元の関数であり、それら各パラ
メータに基づいて燃料目標値TAUの値が予め実験的に
最適に設定されている。この図では、エンジン回転速度
NEがそれぞれ所定値A,B,C,Dである場合のみの
関数データマップが便宜的に示されている。図9におい
て、各関数データマップは個別の曲線グラフで示され
る。実線で示すグラフはカムシャフト10の実変位角度
VTと目標変位角度VTTとの偏差ΔVTが「0」とな
る場合のものである。鎖線で示す他の4つの曲線グラフ
は、目標変位角度VTTに対する偏差ΔVTの大きさに
よって設定されている。即ち、実線で示す「ΔVT=
0」の曲線グラフから、横軸にそれぞれ偏差ΔVTが
「−20」,「−10°」,「10」,「20」(単位
はそれぞれ「°CA」)だけ偏って設定されている。各
関数データマップを構成する個々の関数データは四角の
記号で示される。個々の関数データは吸気圧力PM、エ
ンジン回転速度NE及び実変位角度VTの値の組み合わ
せにつき、エンジン1の運転状態において、実際にあり
得る組み合わせに対してのみ燃料目標値TAUが設定さ
れている。ECU80は、例えば、偏差ΔVTが「2
0」である場合、最も左側に位置する関数データマップ
を選択し、偏差ΔVTが「0」である場合、実線で示す
関数データマップを選択する。この実施形態で、ステッ
プ220の処理を実行するECU80は偏差ΔVTに基
づき関数データマップを選択する選択手段に相当する。
【0044】ステップ230において、ECU80は吸
気圧力PM、エンジン回転速度NE及び実変位角度VT
に基づき、選択された関数データマップから個々の関数
データを参照することにより、燃料目標値TAUを決定
する。例えば、ΔVTが0である状態において、各パラ
メータPM,NE,VTの検出結果がそれぞれ吸気圧力
PM1,エンジン回転速度A,実変位角度50である場
合、ECU50はそれらに対応した1つの関数データD
1を決定する。この関数データD1には予め燃料目標値
TAUが定められている。個々の関数データは1つの関
数データマップに対して数点しか設定されていないが、
設定されていない領域における関数データは、隣接する
個々の関数データを補間することにより燃料目標値TA
Uを決定する。この実施形態で、ステップ230の処理
を実行するECU80は、個々の関数データを参照する
ことにより燃料目標値TAUを決定する噴射量決定手段
に相当する。
【0045】ステップ240において、ECU80は決
定された燃料量を燃焼室4へ噴射するようにインジェク
タ16を制御する。即ち、インジェクタ16の開弁時間
を制御する。この実施形態で、ステップ230,240
の処理を実行するECU80は、決定された燃料目標値
TAUに基づいてインジェクタ16を制御する本発明の
第2の制御手段に相当する。ステップ240の処理を終
了した後、ECU80はその後の処理を一旦終了する。
【0046】以上説明したように、この実施形態の構成
によれば、ECU80はエンジン1の運転状態に基づい
て吸気バルブ8のバルブタイミングを変更するために、
目標変位角度VTTを算出し、その目標変位角度VTT
に向かってVVT25を制御する。これにより、吸気バ
ルブ8のバルブタイミングが変更される。
【0047】バルブタイミングが変更される際、カムセ
ンサ78は実変位角度VTを検出し、ECU80は目標
変位角度VTTに対する実変位角度VTの偏差ΔVTを
算出する。ECU80はその偏差ΔVTの大きさに基づ
き、参照すべき関数データマップを選択する。ECU8
0は、参照する関数データマップにおいて、吸気圧力P
M、エンジン回転速度NE及び実変位角度VTの値に基
づき個々の関数データを参照することにより燃料目標値
TAUを決定する。これにより、バルブタイミングに応
じた最適な量の燃料が燃焼室4に噴射され、燃焼に供さ
れる。このため、エンジン1は所定の回転速度をもって
作動する。
【0048】通常、吸気バルブ8の実変位角度VTはそ
の目標変位角度VTTへ向かって制御されているため、
実変位角度VTは目標変位角度VTTの近傍にある。こ
のため、実変位角度VTTが実変位角度VTから大きく
ずれていることは稀であり、目標変位角度VTTに対す
る実変位角度VTの偏差ΔVTは小さな値であることが
多い。実際、過渡的には偏差ΔVTが「20°CA」以
上となる場合もあり得るが、この場合にはバルブタイミ
ングを大幅に変更する要求があるため、通常の燃料噴射
量制御を実行するよりも、別途の過渡制御を実行するこ
とにより、対処することができる。ここでは、その制御
の説明を省略する。
【0049】従って、この実施形態では、変わり得る各
パラメータPM,NE,VTの関係における全領域にわ
たって個々の関数データが設定される場合とは異なり、
偏差ΔVTに応じた個々の関数データを含む複数の関数
データマップのみが設定されている。このため、関数デ
ータマップの数を少なくすることが可能となり、それら
関数データマップを記憶するためのROM82の容量を
節約することができる。
【0050】この実施形態では、個々の関数データに係
り、各パラメータPM,NE,VTの値の組み合わせに
つき、実際にあり得る組み合わせに対してのみ燃料目標
値TAUが設定されている。従って、通常ではほぼ有り
得ないエンジン1の運転状態における個々の関数データ
を省略することができる。例えば、吸気圧力PMが比較
的に大きな状態では、実変位角度VTを小さくする要求
はほとんどなく、吸気圧力PMが比較的に小さな状態で
は、実変位角度VTを大きくする要求はほとんどない。
図9に示すように、上記各状態に対応する領域には、個
々の関数データが設定されておらず、その分だけ個々の
関数データの数は少なくなっている。
【0051】この実施形態では、ROM82に記憶すべ
き個々の関数データの数を少なくできるので、各パラメ
ータPM,NE,VTの組み合わせに対して最適な燃料
目標値TAUを設定するための作業を軽減することがで
きる。
【0052】尚、この発明は次のような別の実施形態に
具体化することもできる。以下の別の実施形態でも、前
記実施形態と同等の作用及び効果を得ることができる。 (1)上記実施形態では、目標変位角度VTTに対して
それぞれ「−20,−10,10,20°CA」の偏差
ΔVTを有する4つの関数データマップを設定した。こ
れに対して、目標変位角度VTTの近傍では関数データ
マップを他の領域よりも密に設定してもよい。例えば、
目標変位角度の近傍では、「5°CA」の偏差ΔVT毎
に関数データマップを設定し、それ以外では、「10°
CA」の偏差ΔVT毎に関数データマップを設定しても
よい。この場合、図10に示すように、エンジン回転速
度NEが所定値Aである場合、「−15,−5,5,1
5°CA」の偏差ΔVT毎に関数データマップを設定す
る。これにより、通常のVVT25の制御時に生じるよ
うな偏差ΔVTが小さな領域では、燃料目標値TAUを
より精度良く決定することができる。また、VVT25
の制御性を向上させて偏差ΔVTを小さくすることによ
り、目標変位角度VTTに対する偏差ΔVTの大きい関
数データは参照されない傾向となる。従って、偏差ΔV
Tが小さい場合の関数データを設定すればよく、個々の
関数データの数を少なくすることが可能となる。この意
味で、各関数データを記憶するためのROM82の容量
を更に節約することができる。
【0053】(2)上記実施形態では、バルブ特性とし
て吸気バルブ8のバルブタイミングを変更するようにし
た。これに対して、排気バルブ9のバルブタイミングの
みを変更するようにしてもよく、両バルブ8,9のバル
ブタイミングを変更してもよい。また、吸気バルブ8又
は排気バルブ9のバルブリフト量を変更するようにして
もよい。バルブリフト量を変更する場合には、ROM8
2に目標のバルブリフト量と実際のバルブリフト量が一
致した状態の関数データマップを基準として、目標のバ
ルブリフト量に対する実際のバルブリフト量の偏差の大
きさによって複数の関数データマップが設定される。こ
れらの構成により、エンジン1の運転状態をより広範囲
に調節することができる。
【0054】(3)上記実施形態では、吸入空気量QA
の相関値として吸気圧力PMを吸気圧センサ73により
検出し、その値を燃料目標値TAUの決定に反映させ
た。これに対して、吸気圧力PMに代えて、吸入空気量
QAの相関値としてスロットル開度TAをスロットルセ
ンサ72により検出し、その値を燃料目標値TAUの決
定に反映させてもよい。この構成によれば、運転者のア
クセルペダル(図示しない)の操作に対する応答性が向
上し、燃料目標値TAUをより速く決定することができ
る。
【0055】(4)上記実施形態では、インナキャップ
45とカバー35との間に両者45,35に対して噛合
するリングギア48を備えたVVT25を用いた。これ
に対して、本発明をロータリー式の可変機構に具体化し
てもよい。即ち、ロータリー式の可変機構は、ベーンを
有するロータがカムシャフトに固定され、そのロータの
外周にカムシャフト及びロータに対して相対回転可能な
ハウジングが設けられる。ロータの回転方向において、
ベーンの両側にそれぞれ油圧室が形成され、ベーンをそ
の始動位置又は終動位置において係止するロックピンが
設けられる。
【0056】(5)上記実施形態では、第1及び第2の
油圧室49,50に供給する油圧力を制御することによ
り、吸気バルブのバルブタイミングを連続的(無段階)
に変更可能とした。これに対し、第1及び第2の油圧室
49,50に供給する油圧力を多段階に制御し、吸気バ
ルブのバルブタイミングを多段階に変更可能としてもよ
い。
【0057】更に、上記実施形態には、特許請求の範囲
に記載した技術的思想に係る次の実施態様が含まれるこ
とを、以下にその効果と共に記載する。 (イ)請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射量制御装置
において、前記バルブ特性は吸気バルブ及び排気バルブ
の少なくとも一方のバルブタイミングを変更して調整さ
れることを特徴とする内燃機関の燃料噴射量制御装置。
【0058】この構成によれば、第1の制御手段は吸気
バルブ及び排気バルブの少なくとも一方のバルブタイミ
ングを進角させたり遅角させたりして内燃機関の運転状
態を最適に調節する。関数データはバルブタイミングの
目標値に対する実際のバルブタイミングの偏差の大きさ
によって異なり、予め記憶手段により記憶される。これ
により、記憶手段により記憶される関数データの数が低
減されるため、関数データを記憶するための容量を節約
することができる。
【0059】(ロ)請求項1に記載の内燃機関の燃料噴
射量制御装置において、前記特性目標値の近傍では前記
関数データが他の領域よりも密に設定されることを特徴
とする内燃機関の燃料噴射量制御装置。
【0060】この構成によれば、特性目標値の近傍、即
ち偏差の小さな領域では関数データが密に設定されるた
め、その領域における燃料目標値をより精度良く決定す
ることができる。
【0061】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、記憶手
段は、特性目標値とバルブ特性状態との偏差の大きさに
よって異なる複数の関数データを予め記憶し、第2の制
御手段は、算出される特性目標値と検出されるバルブ特
性状態との偏差を算出し、その偏差の大きさに応じた関
数データを選択して参照することにより燃料目標値を決
定している。
【0062】従って、パラメータである空気量の相関
値、機関回転速度及び実際のバルブ特性の全領域にわた
って関数データが設定される場合とは異なり、特性目標
値に対する実際のバルブ特性状態の偏差の大きさによっ
て関数データが設定されるため、関数データの数を低減
することが可能となる。このため、関数データを記憶す
るための記憶手段の容量を節約することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基本的な概念構成を示す概念構成
図。
【図2】 ガソリンエンジンシステムを示す概略構成
図。
【図3】 VVTを示す断面図。
【図4】 バルブオーバラップの変化を示す説明図。
【図5】 ECUの構成を示すブロック図。。
【図6】 「バルブタイミング制御ルーチン」を示すフ
ローチャート。
【図7】 目標変位角度に係る関数データを示すグラ
フ。
【図8】 「燃料噴射量制御ルーチン」を示すフローチ
ャート。
【図9】 燃料噴射量に係る関数データマップを示すグ
ラフ。
【図10】 燃料噴射量に係る関数データマップを示す
別のグラフ。
【符号の説明】
1…内燃機関としてのエンジン、4…燃焼室、6…吸気
通路、7…排気通路、8…吸気バルブ、9…排気バル
ブ、16…燃料噴射手段としてのインジェクタ、25…
可変機構(VVT)、73…吸気圧センサ、76…回転
速度センサ、78…特性状態検出手段としてのカムセン
サ(73,76,78は運転状態検出手段を構成す
る。)、80…ECU(80は第1及び第2の制御手段
を構成する。)、82…記憶手段としてのROM。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02D 43/00 301 F02D 43/00 301H 301Z

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼室に吸入される空気が流れる吸気通
    路を選択的に開閉するための吸気バルブと、 前記燃焼室から排出されるガスが流れる排気通路を選択
    的に開閉するための排気バルブと、 前記吸気バルブ及び前記排気バルブの少なくとも一方に
    係るバルブ特性を多段階又は無段階に可変とするための
    可変機構と、 前記燃焼室に燃料を噴射するための燃料噴射手段とを備
    えた内燃機関に適用され、 前記燃焼室に吸入される空気量に相関する相関値及び前
    記内燃機関の回転速度をパラメータとして含む前記内燃
    機関の運転状態を検出するための運転状態検出手段と、 前記可変機構により変えられる実際のバルブ特性状態を
    検出するための特性状態検出手段と、 前記検出される運転状態に基づき前記バルブ特性に係る
    特性目標値を算出し、その算出された特性目標値に基づ
    き前記可変機構を制御するための第1の制御手段と、 前記燃焼室に噴射されるべき燃料量に係る燃料目標値
    を、前記空気量の相関値、前記回転速度及び前記バルブ
    特性状態の関係から予め定められた関数データを記憶す
    る記憶手段と、 前記検出される空気量の相関値、回転速度及びバルブ特
    性状態に基づき、前記関数データを参照することにより
    前記燃料目標値を決定し、その決定された燃料目標値に
    基づき前記燃料噴射手段を制御するための第2の制御手
    段とを備えた制御装置において、 前記記憶手段は、前記特性目標値と前記バルブ特性状態
    との偏差の大きさによって異なる複数の関数データを予
    め記憶することと、 前記第2の制御手段は、前記算出される特性目標値と前
    記検出されるバルブ特性状態との偏差を算出し、その偏
    差の大きさに応じた関数データを選択して参照すること
    により前記燃料目標値を決定することを特徴とする内燃
    機関の制御装置。
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