JP3034440B2 - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング制御装置

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JP3034440B2
JP3034440B2 JP7088442A JP8844295A JP3034440B2 JP 3034440 B2 JP3034440 B2 JP 3034440B2 JP 7088442 A JP7088442 A JP 7088442A JP 8844295 A JP8844295 A JP 8844295A JP 3034440 B2 JP3034440 B2 JP 3034440B2
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  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は内燃機関に設けられた
吸気バルブ及び排気バルブの少なくとも一方のバルブタ
イミングを制御するようにしたバルブタイミング制御装
置に係る。詳しくは、バルブタイミングを内燃機関の運
転状態に応じて連続的に制御するようにしたバルブタイ
ミング制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、基本的な内燃機関(エンジン)で
は、そのエンジンに設けられた吸気バルブ及び排気バル
ブが燃焼室に通じる吸気通路及び排気通路をそれぞれ開
く。これらのバルブタイミングはクランクシャフトの回
転位相、延いてはピストンが上下動するタイミングに一
義的に同期する。従って、燃焼室における吸排気量は吸
気通路に別途設けられたスロットルバルブの開度やエン
ジンの回転速度に依存することになる。
【0003】これに対し、昨今では、燃焼室における吸
排気量を更に自由度をもって調節可能とするために、バ
ルブタイミングを変更可能に構成した装置がある。この
種の装置はバルブタイミングを変更するための可変機構
と、その可変機構の動きを制御するためのコンピュータ
とを備える。コンピュータはエンジンの運転状態に応じ
て可変機構を制御することにより、吸気バルブ及び排気
バルブの少なくとも一方のバルブタイミングを制御し、
もって吸気バルブと排気バルブとのバルブオーバラップ
の大きさを制御する。この制御により、コンピュータは
燃焼室に充填すべき燃料及び空気の混合気を調節し、空
燃比の適正化を図り、もってエンジンの出力を制御す
る。
【0004】例えば、コンピュータはエンジンの回転速
度がある程度高い場合に、バルブオーバラップが相対的
に大きくなるように可変機構を制御する。この制御によ
れば、吸入空気の慣性効果を利用することができ、燃焼
室に対する吸入空気の充填効率が高められ、エンジンの
出力が向上する。一方、コンピュータはエンジンの回転
速度がある程度低い場合に、バルブオーバラップが相対
的に小さくなるように可変機構を制御する。この制御に
よれば、燃焼室から一旦排出された排気ガスが燃焼室に
逆流することが防止され、燃焼室における残留排気ガ
ス、即ち内部EGRの割合が低減して混合気の燃焼不良
が防止される。
【0005】ここで、特開平4−279705号公報は
この種の装置の一例を開示する。この装置はエンジンの
運転状態に応じてバルブタイミングを連続的、且つ任意
に変更することを実現する。図12に示すように、この
装置で、カム位置センサ91はカムシャフト92の回転
位置を検出する。クランク位置センサ93はクランクシ
ャフト94の回転位置を検出する。第1及び第2の油圧
ポンプ95,96はオイルパン97のオイルを吐出す
る。カムシャフト92に設けられた回転位相変化手段
(可変機構:VVT)98は油圧により駆動されること
により、カムシャフト92の回転位相を変更する。この
VVT98はタイミングプーリ98aを備え、その内部
には同プーリ98aとカムシャフト92とを連結するリ
ング状ピストン及び伝達部材(共に図示しない)等を内
蔵する。そして、そのピストンを油圧により移動させる
ことにより、カムシャフト92の回転位相が変わる。油
圧ライン99は第2の油圧ポンプ96とVVT98との
間をつなぐ。油圧ライン99の途中に設けられた第1及
び第2の油圧制御弁100,101はVVT98に対す
る油圧の供給を制御する。電子制御装置102はエンジ
ン103の回転速度等の値に基づいてカムシャフト92
の回転位相に係る、即ちバルブタイミングの制御に係る
目標位相を算出する。電子制御装置102は両センサ9
1,93の出力信号に基づいてバルブタイミングの実位
相を検出する。電子制御装置102は、検出された実位
相と算出された目標位相とを比較することにより、カム
シャフト92の回転位相を変化させるために使用される
べき変化値を算出する。そして、電子制御装置102は
算出された変化値に基づいて両油圧制御弁100,10
1の開度をデューティ制御する。この制御により、VV
T98が連続的に制御され、エンジン103の運転状態
に応じた最適なバルブタイミングが得られる。
【0006】例えば、電子制御装置102はバルブタイ
ミングを現状よりも進める(進角させる)ために、第2
の油圧制御弁101を全閉とし、第1の油圧制御弁10
0の開度を上記変化値に応じてデューティ制御する。そ
して、電子制御装置102はカムシャフト92の回転位
相の変化値が目標値に合致したときに、バルブタイミン
グを保持するために両油圧制御弁100,101を全閉
とする。この制御により、油圧ライン99が密閉状態に
保たれ、カムシャフト92の回転位相の変化値が保持さ
れてバルブタイミングがそのときの状態に保持される。
ここで、油圧ライン99の各部からオイルが洩れること
により、バルブタイミングが変化するおそれがある。そ
こで、電子制御装置102はバルブタイミングを常時検
出することにより、両油圧制御弁100,101を用い
てバルブタイミングをフィードバック制御する。一方、
電子制御装置102はバルブタイミングを現状よりも遅
れさせるために、第1の油圧制御弁100を全閉とし、
第2の油圧制御弁101の開度を変化値に応じてデュー
ティ制御する。そして、電子制御装置102はカムシャ
フト92の回転位相の変化値が目標値に合致したとき
に、同じくバルブタイミングを保持するために両油圧制
御弁100,101を全閉とする。この制御により、カ
ムシャフト92の回転位相の変化値が保持されてバルブ
タイミングがそのときの状態に保持される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記公報の
装置はバルブタイミングを目標の位相に保持するための
保持制御において、その保持制御の結果を評価し、その
評価に基づき保持制御を修正するための学習値を学習す
るような学習制御を行わない。よって、同装置は保持制
御に学習制御を適用したときの最適な学習制御を示唆し
ていない。
【0008】ここで、VVT98及び両油圧制御弁10
0,101等はそれらの出力特性について公差や経時変
化を有する。又、各部材98,100,101等の出力
特性はエンジン103の運転状態によっても異なる。つ
まり、両ポンプ95,96により得られる油圧がエンジ
ン103の回転速度や暖機状態によって異なり、その油
圧の違いが各部材98,100,101の出力特性を変
えることがある。従って、上記公差や経時変化の影響を
保持制御から排除するために、保持制御に学習制御を適
用することが必要になる。更に、この学習制御をどのよ
うに保持制御に適合させるかについて、幾つかの課題が
ある。
【0009】例えば、学習制御を実行するための条件の
設定の仕方によっては、正しい学習値が学習されるより
も前に保持制御が開始されることもある。この場合に、
学習値が誤っているにもかかわらず、その学習値に基づ
いて保持制御が行われてしまうことになる。このため、
学習制御の実行条件がその後に成立しない限り、保持制
御の結果が不良となり、バルブタイミングが目標の位相
に安定して収束しなくなるおそれがある。このことはバ
ルブタイミングの制御によって得られるエンジンの運転
状態を不安定にするおそれがある。
【0010】この発明は前述した事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、バルブタイミングに係る保
持制御にその制御を修正するための学習制御を適用する
ことにより、装置機構上の公差や経時変化等の影響を保
持制御から排除することを可能にし、併せて、誤った学
習値に基づき保持制御が開始され、その後に学習値が学
習制御により更新されるまでの間で、学習値を修正して
安定した保持制御を達成することを可能にした内燃機関
のバルブタイミング制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載の発明では、図1に示すように、内燃
機関M1の燃焼室M2に通じる吸気通路M3及び排気通
路M4のそれぞれを開くために内燃機関M1の出力軸M
1aの回転に同期して作動する吸気バルブM5及び排気
バルブM6の少なくとも一方のバルブタイミングを内燃
機関M1の運転状態に応じて制御するようにしたバルブ
タイミング制御装置であって、油圧により駆動されるこ
とにより両バルブM5,M6の少なくとも一方のバルブ
タイミングの位相を連続的に変更可能とする可変機構M
7と、その可変機構M7を駆動するために同可変機構M
7に油圧を供給すると共にその油圧を調整可能とした油
圧供給手段M8と、内燃機関M1の運転状態を検出する
ための運転状態検出手段M9と、バルブタイミングの制
御に係る目標の位相を運転状態検出手段M9の検出結果
に基づいて算出するための目標位相算出手段M10と、
可変機構M7により変更されるバルブタイミングの実際
の位相を検出するための実位相検出手段M11と、内燃
機関M1の運転状態に適合したバルブタイミングを得る
ために、実位相検出手段M11により検出される実際の
位相が目標位相算出手段M10により算出される目標の
位相に近似するように油圧供給手段M8を制御すること
により可変機構M7を制御する実位相制御手段M12と
を備えた内燃機関のバルブタイミング制御装置におい
て、実位相制御手段M12の制御により実際の位相と目
標の位相との偏差が所定値以下となったときに、そのと
きのバルブタイミングの位相が保持されるように所要の
制御値に基づいて油圧供給手段M8を制御することによ
り可変機構M7を制御するための保持制御手段M13
と、実位相制御手段M12の制御によりバルブタイミン
グの位相がある一定の状態を継続するときに、目標の位
相と実際の位相とを比較することにより保持制御手段M
13による制御の結果を評価し、その評価に基づいて保
持制御手段M13の制御を修正するために制御値として
適用される学習値を学習するための学習制御手段M14
と、保持制御手段M13の制御により実際の位相が変化
してその実際の位相と目標の位相との偏差が所定値より
も大きくなったときに、学習制御手段M14における学
習値を変更するための学習値変更手段M15とを備えた
ことを趣旨とする。
【0012】
【作用】上記発明の構成によれば、図1に示すように、
内燃機関M1の運転時に吸気バルブM5及び排気バルブ
M6が出力軸M1aの回転に同期して作動する。この作
動により、吸気通路M3及び排気通路M4のそれぞれが
開いて燃焼室M2に対する吸気及び排気が行われる。こ
のとき、目標位相算出手段M10は運転状態検出手段M
9の検出結果に基づいてバルブタイミングの制御に係る
目標の位相を算出する。そして、実位相制御手段M12
は実位相検出手段M11により検出される実際の位相が
上記目標の位相に近似するように油圧供給手段M8を制
御することにより可変機構M7を制御する。この制御に
より、両バルブM5,M6の少なくとも一方のバルブタ
イミングが変更され、そのときどきの内燃機関M1の運
転状態に適合したバルブタイミングが得られる。
【0013】ここで、保持制御手段M13は実際の位相
と目標の位相との偏差が所定値以下となったときに、そ
のときのバルブタイミングの位相が保持されるように所
要の制御値に基づいて油圧供給手段M8を制御すること
により、可変機構M7を制御する。学習制御手段M14
はバルブタイミングの位相がある一定の状態を継続して
いるときに、目標の位相と実際の位相とを比較すること
により、保持制御手段M13による制御の結果を評価す
る。そして、学習制御手段M14はその評価に基づいて
保持制御手段M13の制御を修正するために、制御値と
して適用される学習値を学習する。
【0014】これに対し、学習値変更手段M15は、保
持制御手段M13の制御により実際の位相が変化してそ
の実際の位相と目標の位相との偏差が所定値よりも大き
くなったときに、学習値を適宜に変更する。
【0015】従って、学習制御手段M14により正しい
学習値が学習されるよりも前に誤った学習値、即ち誤っ
た制御値に基づいて保持制御手段M13の制御が開始さ
れたとする。この場合、その制御において学習値が適宜
に変更され、制御値が変更されて保持制御手段M13の
制御が適宜に修正される。
【0016】
【実施例】以下、この発明における内燃機関のバルブタ
イミング制御装置を自動車のガソリンエンジンシステム
に具体化した一実施例を図2〜図11を参照して詳細に
説明する。
【0017】図2はこの実施例のバルブタイミング制御
装置に係るガソリンエンジンシステムを示す概略構成図
である。内燃機関としてのエンジン1は複数のシリンダ
2を備える。各シリンダ2にそれぞれ設けられたピスト
ン3は出力軸としてのクランクシャフト1aにつなが
り、各シリンダ2の中で上下動可能となっている。各シ
リンダ2においてピストン3の上側は燃焼室4を構成す
る。各燃焼室4のそれぞれに対応して設けられた点火プ
ラグ5は燃焼室4に導入された混合気を点火する。各燃
焼室4に対応して設けられた吸気ポート6a及び排気ポ
ート7aのそれぞれは吸気通路6及び排気通路7の一部
を構成する。各燃焼室4に対応して設けられた吸気バル
ブ8及び排気バルブ9のそれぞれは各ポート6a,7a
をそれぞれ開く。これらのバルブ8,9のそれぞれは異
なるカムシャフト10,11の回転に基づいて作動す
る。各カムシャフト10,11の先端にそれぞれ設けら
れたタイミングプーリ12,13はタイミングベルト1
4を介してクランクシャフト1aにつながる。
【0018】エンジン1の運転時には、クランクシャフ
ト1aの回転力がタイミングベルト14及び各タイミン
グプーリ12,13を介して各カムシャフト10,11
に伝わる。各カムシャフト10,11が回転することに
より、各バルブ8,9が作動する。各バルブ8,9はク
ランクシャフト1aの回転に同期して、即ち各ピストン
3の上下動に応じた吸気行程、圧縮行程、爆発・膨張行
程及び排気行程に同期して、所定のタイミングで作動可
能となっている。
【0019】吸気通路6の入口に設けられたエアクリー
ナ15は同通路6に取り込まれる外気を清浄化する。各
吸気ポート6aの近傍にそれぞれ設けられたインジェク
タ16は吸気ポート6aへ向かって燃料を噴射する。エ
ンジン1の運転時には、外気がエアクリーナ15を介し
て吸気通路6に取り込まれる。このとき、各インジェク
タ16が燃料を噴射することにより、その燃料と外気と
の混合気が吸入行程において吸気バルブ8が吸気ポート
6aを開くときに、燃焼室4に吸入される。燃焼室4に
吸入された混合気は、点火プラグ5が作動することによ
り、爆発・燃焼する。その結果、ピストン3が作動して
クランクシャフト1aが回転し、エンジン1に出力が得
られる。燃焼後の排気ガスは、排気行程において排気バ
ルブ9が排気ポート7aを開くときに、燃焼室4から導
出され、排気通路7を通って外部へ排出される。
【0020】吸気通路6に設けられたスロットルバルブ
17は図示しないアクセルペダルの操作に連動して作動
する。このバルブ17の開度が調節されることにより、
吸気通路6に対する外気の取り込み量、即ち吸入空気量
Qが調節される。スロットルバルブ17の下流側に設け
られたサージタンク18は吸入空気の脈動を平滑化す
る。エアクリーナ15の近傍に設けられた吸気温センサ
71は吸気温度THAを検出し、その検出値に応じた信
号を出力する。スロットルバルブ17の近傍に設けられ
たスロットルセンサ72は、同バルブ17の開度(スロ
ットル開度)TAを検出し、その検出値に応じた信号を
出力する。このセンサ72はスロットルバルブ17が全
閉の状態となったときに、そのことを検出して出力す
る。サージタンク18に設けられた吸気圧センサ73
は、同タンク18における吸入空気の圧力(吸気圧力)
PMを検出し、その検出値に応じた信号を出力する。
【0021】一方、排気通路7の途中に設けられた触媒
コンバータ19は内蔵された三元触媒20により排気ガ
スを浄化する。排気通路7に設けられた酸素センサ74
は排気ガス中の酸素濃度Oxを検出し、その検出値に応
じた信号を出力する。エンジン1に設けられた水温セン
サ75は、エンジン1を冷却するための冷却水の温度
(冷却水温度)THWを検出し、その検出値に応じた信
号を出力する。
【0022】ディストリビュータ21は、イグナイタ2
2から出力される高電圧を、各点火プラグ5を作動させ
るための点火信号として各点火プラグ5へ分配する。従
って、各点火プラグ5を作動させるタイミングはイグナ
イタ22が高電圧を出力するタイミングにより決まる。
【0023】ディストリビュータ21に内蔵されたロー
タ(図示しない)は、クランクシャフト1aに同期して
回転するカムシャフト11により回転させられる。ディ
ストリビュータ21に設けられた回転速度センサ76
は、エンジン1の回転速度(エンジン回転速度)NEを
ロータの回転に基づいて検出し、その検出値をパルス信
号として出力する。ディストリビュータ21に設けられ
た気筒判別センサ77はクランク角度(°CA)の基準
位置GPをロータの回転に応じて所定の割合で検出し、
その検出値を同じくパルス信号として出力する。この実
施例において、エンジン1の一連の4行程に対してクラ
ンクシャフト1aは2回転する。クランクシャフト1a
が2回転する間に、回転速度センサ76は30°CA毎
に1パルスの信号を出力する。気筒判別センサ77は3
60°CA毎に1パルスの信号を出力する。
【0024】この実施例で、タイミングプーリ12に設
けられた油圧駆動式の可変機構(以下単に「VVT」と
書き表す。)25は吸気バルブ8に係るバルブタイミン
グを変更する。VVT25とそれを駆動するための本発
明の油圧供給手段の構成について詳しく説明する。
【0025】図3,4はVVT25及びそれに付随する
リニアソレノイドバルブ(LSV)55の構造を示す。
エンジン1のシリンダヘッド26及びベアリングキャッ
プ27はカムシャフト10をそのジャーナル10aにお
いて回転可能に支持する。VVT25はカムシャフト1
0の先端に設けられたタイミングプーリ12と一体をな
す。ジャーナル10aに設けられた二つの油溝31,3
2はジャーナル10aの外周に沿って延びる。ベアリン
グキャップ27に設けられた油路33,34はジャーナ
ル10a及び各油溝31,32に潤滑油を供給する。こ
の実施例で、図2に示すように、エンジン1に設けられ
たオイルパン28、オイルポンプ29及びオイルフィル
タ30等はエンジン1の各部を潤滑するための潤滑装置
を構成する。この潤滑装置はVVT25を駆動するため
に同VVT25に油圧を供給する。LSV55はVVT
25に供給される油圧を調節可能とする。この潤滑装置
及びLSV55は本発明の油圧供給装置を構成する。
【0026】エンジン1の運転に連動してオイルポンプ
29が作動することにより、オイルパン28から吸い上
げられた潤滑油がオイルポンプ29より吐出される。吐
出された潤滑油はオイルフィルタ30を通り、LSV5
5により各油路33,34へ選択的に圧送され、各油溝
31,32及びジャーナル10aに供給される。
【0027】略円板状をなすタイミングプーリ12と同
プーリ12に取り付けられたカバー35はハウジング3
6を構成する。有底円筒状をなすカバー35はプーリ1
2の一側面及びカムシャフト10の先端を覆う。プーリ
12はその外周に複数の外歯37を有し、中央にボス3
8を有する。ボス38においてカムシャフト10に装着
されたプーリ12は、同シャフト10と相対回動可能と
なっている。前述したタイミングベルト14は外歯37
につながる。
【0028】カバー35はその外周にフランジ39を有
し、その底部中央に孔40を有する。複数のボルト41
及びピン42はフランジ39をプーリ12の一側面に固
定する。孔40に装着された蓋43は取り外し可能であ
る。カバー35はその内周に複数の内歯35aを有す
る。
【0029】プーリ12及びカバー35により囲まれた
空間44は円筒状をなすインナキャップ45等を収容す
る。中空ボルト46及びピン47はキャップ45をカム
シャフト10の先端に固定する。キャップ45の周壁4
5aはボス38を包み、両者45,38は相対回動可能
となっている。周壁45aはその外周に複数の外歯45
bを有する。
【0030】ハウジング35とキャップ45との間に介
在されたリングギヤ48はハウジング35とカムシャフ
ト10とを連結する。空間44に収容されたリングギヤ
48は環状をなし、カムシャフト10の軸方向に沿って
移動可能となっている。リングギヤ48はその内外周に
複数の歯48a,48bを有し、その両方がヘリカル歯
をなす。リングギヤ48はカムシャフト10に沿って移
動することにより、同シャフト10に対して相対的に回
動する。リングギヤ48の内歯48aはキャップ45の
外歯45bに、リングギヤ48の外歯48bはカバー3
5の内歯35aにそれぞれ噛み合う。
【0031】プーリ12が回転することにより、リング
ギヤ48により連結されたハウジング35とキャップ4
6とが一体に回転し、もってカムシャフト10とハウジ
ング35とが一体的に回転する。
【0032】図3,4に示すように、空間44はリング
ギヤ48により区画された第1及び第2の油圧室49,
50を含む。第1の油圧室50はリングギヤ48の左端
とカバー37の底壁との間に位置する。第2の油圧室5
0はリングギヤ48の右端とプーリ12との間に位置す
る。
【0033】ここで、第1の油圧室49に潤滑油による
油圧を供給するために、カムシャフト10はその内部に
軸方向に沿って延びる油路51を有する。この油路51
の先端は中空ボルト46の孔46aを通じて第1の油圧
室49に連通する。この油路51の基端はカムシャフト
10の半径方向へ延びる油孔52を介して油溝31に通
じる。
【0034】一方、第2の油圧室50に潤滑油による油
圧を供給するために、カムシャフト10はその内部に油
路51と平行に延びる別の油路53を有する。ボス38
に形成された油孔54は第2の油圧室50と油路53と
の間を連通する。
【0035】上記の構成において、油路33、油孔5
2、油路51及び孔46a等は、第1の油圧室50に潤
滑油による油圧を供給するための第1の油圧供給通路を
構成する。油路34、油路53及び油孔54等は、第2
の油圧室51に潤滑油による油圧を供給するための第2
の油圧供給通路を構成する。ここで、両油圧供給通路の
途中に設けられたLSV55はその開度がデューティ制
御されることにより、各油圧室49,50に供給される
油圧を制御する。図2にはこのLSV55とオイルパン
28、オイルポンプ29及びオイルフィルタ30との接
続の関係が示されている。
【0036】図3,4に示すように、LSV55を構成
するケーシング56は、第1〜第5のポート57,5
8,59,60,61を有する。第1のポート57は油
路33に連通し、第2のポート58は油路34に連通す
る。第3及び第4のポート59,60はオイルパン28
に連通し、第5のポート61はオイルフィルタ30を介
してオイルポンプ29の吐出側に連通する。ケーシング
56の内部に設けられた串形のスプール62は円筒状の
4つの弁体62aを有する。スプール62はその軸方向
に沿って往復動可能となっている。ケーシング56に設
けられた電磁ソレノイド63はスプール62を図3に示
す第1の位置と図4に示す第2の位置との間で移動させ
る。第1の位置とは、図3,4において、スプール62
がケーシング56に対して最も右側に達したときの位
置、即ちスプール62のストロークが最も小さくなる位
置を意味する。第2の位置とは、図3,4において、ス
プール62がケーシング56に対して最も左側に達した
ときの位置、即ちスプール62のストロークが最も大き
くなる位置を意味する。ケーシング56に設けられたス
プリング64はスプール62を第1の位置へ向けて付勢
する。
【0037】そして、図4に示すように、スプリング6
4の付勢力に抗してスプール62が第2の位置に配置さ
れることにより、即ちスプール62のストロークが最も
大きくなることにより、オイルポンプ29の吐出側と油
路33とが連通し、油路34とオイルパン28とが連通
する。これにより、第1の油圧室49に油圧が供給さ
れ、リングギヤ48が第2の油圧室50に残る油に抗し
て軸方向へ移動しながら回動する。第2の油圧室50の
中の油はオイルパン28へとドレンされる。この結果、
カムシャフト10とハウジング36との間で回転位相が
相対的に変わる。ここでは、カムシャフト10の回転位
相がプーリハウジング36のそれよりも進む。その結
果、吸気バルブ8のバルブタイミングの位相がクランク
シャフト1aの回転位相よりも進む。
【0038】この場合、図6(b)に示すように、吸気
バルブ8のバルブタイミングが相対的に進み、吸気行程
における吸気バルブ8と排気バルブ9とのバルブオーバ
ラップが相対的に大きくなる。このように、第1の油圧
室49に供給される油圧を制御することにより、図4に
示すようにリングギヤ48をタイミングプーリ12に接
近する終端位置まで移動させることができる。リングギ
ヤ48がその終端位置に達したとき、吸気バルブ8のバ
ルブタイミングは最も進み、バルブオーバラップは最も
大きくなる。
【0039】一方、図3に示すように、スプール62が
第1の位置に配置されることにより、即ちスプール62
のストロークが最も小さくなることにより、オイルポン
プ29の吐出側と油路34とが連通し、油路33とオイ
ルパン28とが連通する。これにより、第2の油圧室5
0に油圧が供給され、リングギヤ48が第1の油圧室4
9に残る油に抗して軸方向へ移動しながら回動する。第
1の油圧室49の中の油はオイルパン28へとドレンさ
れる。この結果、カムシャフト10とハウジング36と
の間で回転位相が上記と反対の方向へ相対的に変わる。
ここでは、カムシャフト10の回転位相がハウジング3
6のそれよりも遅れる。その結果、吸気バルブ8のバル
ブタイミングの位相がクランクシャフト1aの回転位相
よりも遅れる。
【0040】この場合、図6(a)に示すように、吸気
バルブ8のバルブタイミングが相対的に遅れ、吸気行程
におけるバルブオーバラップが相対的に小さくなる。こ
の実施例では、バルブオーバラップが無くなる。このよ
うに、第2の油圧室50に供給される油圧を制御するこ
とにより、図3に示すように、リングギヤ48をカバー
35に接近する終端位置まで移動させることができる。
リングギヤ48が終端位置に達したとき、吸気バルブ8
のバルブタイミングは最も遅れ、バルブオーバラップは
最も小さくなる。
【0041】スプール62が第1及び第2の位置の間の
任意な位置に配置されることにより、各油圧室49,5
0に対する油の流路面積が変わり、バルブタイミングが
進む速度(進角速度)及び遅れる速度(遅角速度)がそ
れぞれ微妙に変わる。ここで、スプール62が第1及び
第2の位置のほぼ中間に配置されることにより、油路3
3,34とオイルポンプ29及びオイルパン28との間
が遮断される。その結果、各油圧室49,50に対する
油圧の供給が規制され、VVT25の駆動が停止してバ
ルブタイミングの変位が停止する。
【0042】上記のようにVVT25を適宜に制御する
ことにより、吸気バルブ8のバルブタイミング、延いて
はバルブオーバラップを、図6(a)に示す範囲から図
6(b)に示す範囲の間で連続的(無段階)に変更する
ことができる。
【0043】ここで、LSV55の特性を図8のグラフ
に示す。このグラフにおいて横軸はスプール62のスト
ロークの大きさを示し、縦軸はVVT25により得られ
るバルブタイミングの変位速度(進角速度及び遅角速
度)の大きさを示す。尚、横軸のストロークの大きさは
LSV55を制御するための駆動デューティ比DVTの
大きさに比例すると共に、電磁ソレノイド63に供給さ
れる電流値の大きさに比例する。この実施例では、所要
の駆動デューティ比DVTの値に基づいてLSVを制御
することにより、バルブタイミングが制御される。この
実施例において、バルブタイミングを目標値に一致させ
るために、LSV55を制御するためのパラメータとし
て駆動デューティ比DVTを使用する。この駆動デュー
ティ比DVTの値を変化させることにより、バルブタイ
ミングはその変位速度が決定されるのであって、その変
位角度が決定されるのではない。即ち、駆動デューティ
比DVTに基づきLSV55を制御してスプール62を
移動させたときに、そのデューティ比DVTの積分量が
スプール62を動かした後のバルブタイミングの変位角
度となるのである。
【0044】ここで、図2に示すように、カムシャフト
10に設けられたカムセンサ78はカムシャフト10の
回転に係る実際の変位角度(実変位角度)VTを検出
し、その検出値に応じた信号を出力する。このカムセン
サ78はカムシャフト10上に等角度間隔をもって配置
された複数の突起と、各突起に対向可能に配置されたピ
ックアップコイルとを含む。そして、カムシャフト10
が回転して各突起がピックアップコイルを横切ることに
より、ピックアップコイルが起電力を発生する。カムセ
ンサ78はその起電力を実変位角度VTを示すパルス信
号として出力する。このカムセンサ78は本発明の実位
相検出手段を構成する。この実施例では、上記の各セン
サ等71〜78が本発明の運転状態検出手段を構成す
る。
【0045】ここで、電子制御装置(ECU)80は本
発明における目標位相算出手段、実位相制御手段、保持
制御手段、学習制御手段及び学習値変更手段を構成す
る。図2に示すように、ECU80は前述した各センサ
等71〜78から出力される信号を入力する。ECU8
0はこれらの信号に基づいて各部材16,22,55を
それぞれ制御する。
【0046】図5にブッロック図で示すように、ECU
80は中央処理装置(CPU)81、読み出し専用メモ
リ(ROM)82、ランダムアクセスメモリ(RAM)
83及びバックアップRAM84等を備える。ECU8
0はこれら各部81〜84と、A/D変換器を含む外部
入力回路85と、外部出力回路86等とをバス87によ
って接続してなる論理演算開路を構成する。この実施例
で、CPU81は演算機能の他にカウンタの機能を兼ね
備える。ROM82は所定の制御プログラム等を予め記
憶する。RAM83はCPU81の演算結果等を一時記
憶する。バックアップRAM84は予め記憶されたデー
タを保存する。前述した各センサ等71〜78は外部入
力回路85につながる。前述した各部材16,22,5
5は外部出力回路86につながる。このECU80は電
源用のバッテリ(図示しない)から電力の供給を受け
る。
【0047】CPU81は外部入力回路85を介して入
力される各センサ等71〜78の信号を入力値として読
み込む。CPU81はそれらの入力値に基づき燃料噴射
量制御、点火時期制御及びバルブタイミング制御等を実
行するために各部材16,22,55等を制御する。
【0048】ここで、燃料噴射量制御とは、エンジン1
の運転状態に応じて算出される目標値に基づき各インジ
ェクタ16を制御することにより、燃焼室4へ供給され
る燃料量を制御することである。点火時期制御とは、エ
ンジン1の運転状態に応じて算出される目標値に基づき
イグナイタ22を制御することにより、各点火プラグ5
の点火タイミングを制御することである。バルブタイミ
ング制御とは、エンジン1の運転状態に応じて算出され
る駆動デューティ比DVTの値に基づきLSV55を制
御することにより、VVT25を制御して吸気バルブ8
のバルブタイミング、延いてはバルブオーバラップを制
御することである。この実施例で、バルブタイミング制
御は保持制御とその保持制御のための学習制御を含む。
保持制御とは、バルブタイミングをある位相で一定に保
持するための制御である。学習制御とは、その保持制御
の結果を評価し修正するための学習値としての保持デュ
ーティ学習値GDVTHを学習する制御である。ROM
82はこれらの制御を実行するためのプログラム等を予
め記憶する。
【0049】次に、前述したバルブタイミング制御の内
容について詳しく説明する。図10は「バルブタイミン
グ制御ルーチン」を示すフローチャートである。ECU
80はこのルーチンを所定の時間間隔をもって周期的に
実行する。
【0050】処理がこのルーチンへ移行すると、ステッ
プ110において、ECU80は各センサ72,73,
76,78からの信号に基づきスロットル開度(スロッ
トルバルブ17の全閉状態を含む)TA,吸気圧力P
M、エンジン回転速度NE及び実変位角度VTの値をそ
れぞれ読み込む。
【0051】続いて、ステップ112において、ECU
80は今回読み込まれた各パラメータTA,PM,NE
の値に基づいてVVT25を制御するための目標変位角
度VTTの値を算出する。ECU80はこの目標変位角
度VTTの値を図7にグラフで示す関数データを参照す
ることにより算出する。この関数データにおいて、目標
変位角度VTTは吸気圧力PM及びエンジン回転速度N
Eより求められるエンジン1の負荷LDと、エンジン回
転速度NEとの関係から予め実験的に最適に定められて
いる。この実施例でステップ112の処理を実行するE
CU80は、本発明の目標位相算出手段に相当する。
【0052】そして、ステップ113において、ECU
80は今回算出された目標変位角度VTTの値が「0°
CA」であるか否か、即ちバルブタイミングを最も遅れ
た状態(最遅角の状態)に制御すべきか否かを判断す
る。この実施例でステップ113の処理を実行するEC
U80は、バルブタイミングを最遅角に制御するか否か
を判断するための判断手段に相当する。ここで、目標変
位角度VTTの値が「0°CA」である場合には、ステ
ップ115において、ECU80はバルブタイミングを
最遅角の状態に制御するために、ステップ115,11
7,150の処理を実行する。
【0053】即ち、ステップ115において、ECU8
0はLSV55をデューティ制御するために使用される
駆動デューティ比DVTの値を「0%」に設定する。更
に、ステップ117において、ECU80は保持フラグ
XDVTの値を「0」にリセットする。このフラグXD
VTは保持デューティ学習値GDVTHが駆動デューテ
ィ比DVTの値として設定されたときに「1」に設定さ
れるものである。そして、ステップ150において、E
CU80は今回設定された駆動デューティ比DVTの値
に基づいてLSV55をデューティ制御することによ
り、カムシャフト10の変位角度を制御する。ここで、
ECU80は「0%」の駆動デューティ比DVTをLS
V55をデューティ制御するための電流値に換算するこ
とにより、LSV55を制御する。この制御により、V
VT25によってバルブタイミングが最遅角の状態に制
御され、バルブオーバラップが無い状態に制御される。
この実施例でステップ113,115,150の処理を
実行するECU80は、目標変位角度VTTが「0°C
A」となった場合に、バルブタイミングを最遅角の状態
に制御するための制御手段に相当する。一方、ステップ
113において、目標変位角度VTTの値が「0°C
A」でない場合には、ECU80は処理をステップ12
0へ移行する。
【0054】ステップ120において、ECU80は今
回算出された目標変位角度VTTの値と今回読み込まれ
た実変位角度VTの値との偏差値(絶対値)が所定の基
準値α以下であるか否かを判断する。ここで、基準値α
として「3°CA」を当てはめることができる。この実
施例でステップ120の処理を実行するECU80は、
目標変位角度VTTに対する実変位角度VTの偏差の大
きさを判断するための判断手段に相当する。このステッ
プ120において、両パラメータVTT,VTの偏差値
が基準値α以下である場合には、その時点の実変位角度
VTの値が目標変位角度VTTの値にほぼ合致している
ことになる。そこで、ECU80はその時点のバルブタ
イミングの位相を保持するために、ステップ121,1
22,150の処理を実行する。即ち、ステップ121
において、ECU80は現在までに学習された保持デュ
ーティ学習値GDVTHを駆動デューティ比DVTの値
として設定する。この学習値GDVTHの学習について
は後述する。更に、ステップ122において、ECU8
0は保持フラグXDVTの値を「1」に設定する。そし
て、ステップ150において、ECU80は設定された
駆動デューティ比DVTの値に基づいて上記と同様にL
SV55をデューティ制御する。つまり、実変位角度V
Tの値が目標変位角度VTTの値にほぼ合致したとき、
ECU80はLSV55に出力すべき駆動デューティ比
DVTの値をカムシャフト10の回転位相を変化させる
値から、その回転位相を一定に保持するための保持デュ
ーティ学習値GDVTHに切り換える。この学習値GD
VTHはVVT25の両圧力室49,50に対する油圧
の供給状態を現状から変化させないために、LSV55
に出力されるべき指令値である。そして、バルブタイミ
ングに係る保持制御からLSV55及びVVT25に係
る公差及び経時変化等の影響を排除するために、ECU
80は後述するように学習値GDVTHを学習する。E
CU80がこの学習値GDVTHに基づいてLSV55
を制御することにより、カムシャフト10の変位角度は
進みも遅れもせず、保持が開始される直前の目標変位角
度VTTの値に保たれる。つまり、バルブタイミングの
位相は保持が開始される直前の位相に保持されるのであ
る。この制御が保持制御である。この実施例でステップ
120,121,150の処理を実行するECU80
は、本発明の保持制御手段に相当する。
【0055】一方、ステップ120において、両パラメ
ータVTT,VTの偏差値が基準値αよりも大きい場合
には、ECU80はフィードバック制御、学習値GDV
THの変更、或いは学習制御を実行するためにステップ
124〜150の処理を実行する。
【0056】即ち、ステップ124において、ECU8
0は保持フラグXDVTが「1」であるか否か、即ち前
回の制御が保持制御であったか否かを判断する。ここ
で、保持フラグXDVTが「0」である場合には、前回
の制御が保持制御でなかったことから、ECU80は処
理をそのままステップ128へ移行する。保持フラグX
DVTが「1」である場合には、前回の制御が保持制御
であったことから、ECU80は今回のフィードバック
制御で学習値GDVTHを変更するために処理をステッ
プ125へ移行する。
【0057】ステップ125において、ECU80は実
変位角度VTの値が目標変位角度VTTの値よりも大き
いか否かを判断する。そして、実変位角度VTが目標変
位角度VTTよりも大きい場合には、前回までの学習値
GDVTHが真の値よりも大きいことから、ECU80
は処理をステップ126へ移行する。ステップ126に
おいて、ECU80は学習値GDVTHから所定値bを
減算し、その減算結果を新たな学習値GDVTHとして
設定することにより、学習値GDVTHを変更する。一
方、実変位角度VTが目標変位角度VTT以下である場
合には、前回までの学習値GDVTHが真の値よりも小
さいことから、ECU80は処理をステップ127へ移
行する。ステップ127において、ECU80は学習値
GDVTHに所定値bを加算し、その加算結果を新たな
学習値GDVTHとして設定することにより、学習値G
DVTHを変更する。即ち、ステップ124〜127に
おいて、ECU80は保持制御からフィードバック制御
へ移ったときに、実変位角度VTの値が目標変位角度V
TTの値よりも大きいときに、実変位角度VTの値を今
よりも小さくするために、即ち今よりも遅角側の値に変
えるために、学習値GDVTHを所定値bだけ減少させ
る。一方、実変位角度VTの値が目標変位角度VTTの
値よりも小さいときには、実変位角度VTの値を今より
も大きくするために、即ち今よりも進角側の値に変える
ために、学習値GDVTHを所定値bだけ増大させる。
この実施例でステップ124〜127の処理を実行する
ECU80は、保持制御により実変位角度VTの値が変
化してその値と目標変位角度VTTの値との偏差が所定
の基準値αよりも大きくなったときに、保持デューティ
学習値GDVTHを変更するための本発明の学習値変更
手段に相当する。
【0058】そして、ステップ124,126,127
から移行してステップ128において、ECU80は保
持フラグXDVTを「0」にリセットする。更に、ステ
ップ130において、ECU80は実変位角度VTの値
がある値に収束し、その値の状態が所定時間だけ継続し
たか否かを判断する。ここで、実変位角度VTがある値
の状態で所定時間継続しない場合には、その角度VTの
値が変化していることから、ECU80はステップ14
5,150の処理を実行する。実変位角度VTがある値
の状態で所定時間継続した場合には、その角度VTの値
がある値に収束していることから、ECU80は処理を
ステップ135へ移行する。この実施例でステップ12
0,130の処理を実行するECU80は、実変位角度
VTの値が目標変位角度VTTの値に一致しないで、あ
る値に収束したか否かを判断するための判断手段に相当
する。
【0059】ステップ135において、ECU80は駆
動デューティ比DVTの値がある値に収束し、その値の
状態が所定時間だけ継続したか否かを判断する。ここ
で、駆動デューティ比DVTがある値の状態で所定時間
だけ継続しない場合には、その比DVTが変化している
ことから、ECU80はステップ145,150の処理
を実行する。駆動デューティ比DVTがある値の状態で
所定時間だけ継続した場合には、その比DVTがある値
に収束していることから、ECU80は処理をステップ
140へ移行する。この実施例でステップ120,13
5の処理を実行するECU80は、実変位角度VTの値
が目標変位角度VTTの値に一致しないで、駆動デュー
ティ比DVTがある値に収束したか否かを判断するため
の判断手段に相当する。
【0060】ステップ130,135から移行してステ
ップ145において、ECU80は以下の計算式に従っ
て駆動デューティ比DVTの値を算出する。 DVT=(VTT−VT)*KP+GDVTH ここで、「KP」は定数であり、比例制御のゲインに相
当する。
【0061】更に、ステップ150において、ECU8
0は前述したと同様、算出された駆動デューティ比DV
Tの値に基づいてLSV55を制御することにより、V
VT25によってバルブタイミング、バルブオーバラッ
プをフィードバック制御する。ここで、ステップ12
0,130,145,150の処理を実行するECU8
0は、本発明の実位相制御手段に相当する。又、ステッ
プ135,145,150の処理を実行するECU80
は、駆動デューティ比DVTの値が変化している場合
に、その比DVTがある値に収束するようにVVT25
を制御するための制御手段に相当する。
【0062】一方、ステップ135からステップ140
へ処理が移行した場合には、実変位角度VTの値が目標
変位角度VTTの値に対して偏差を持った状態で、実変
位角度VT及び駆動デューティ比DVTの値がある値に
収束していることになる。そこで、ECU80は学習制
御を実行するためにステップ140,145,150の
処理を実行する。
【0063】即ち、ステップ140において、ECU8
0は前回算出された駆動デューティ比DVTの値を保持
デューティ学習値GDVTHとして設定する。ECU8
0はその保持デューティ学習値GDVTHを駆動デュー
ティ比DVTの値により更新することにより、同学習値
GDVTHを学習するのである。つまり、ECU80は
両パラメータVTT,VTの値を比較することにより保
持制御の結果を評価し、その評価に基づいて保持制御を
修正するための保持デューティ学習値GDVTHを学習
するのである。この実施例でステップ120,130,
135,140の処理を実行するECU80は、本発明
の学習制御手段に相当する。ステップ140の処理を終
了した後、ECU80は前述したと同様にステップ14
5,150の処理を実行する。ここで、ステップ14
0,145の処理を実行するECU80は、新たな保持
デューティ学習値GDVTHに基づいて駆動デューティ
比DVTを算出するための算出手段に相当する。
【0064】そして、ステップ150の処理を実行した
後、ECU80は次の制御周期を待ってステップ110
からの処理を再開する。上記のように構成したバルブタ
イミング制御装置は以下のように作用する。
【0065】エンジン1の運転時に、吸気バルブ8及び
排気バルブ9はクランクシャフト1aの回転に同期して
作動する。この作動により、吸気ポート6a及び排気ポ
ート7aのそれぞれが開いて燃焼室4に対する吸気及び
排気が行われる。このとき、ECU80は図7に示す関
数データを参照することにより、バルブタイミングの制
御に係る最適な目標変位角度VTTの値を算出する。そ
して、ECU80は算出された目標変位角度VTTの値
に基づいて駆動デューティ比DVTの値を算出する。E
CU80はこの駆動デューティ比DVTの値に基づいて
LSV55を制御することにより、VTT25を制御す
る。この結果、吸気バルブ8のバルブタイミングが変更
され、そのときのエンジン1の運転状態に適合したバル
ブオーバラップが得られる。
【0066】ここで、エンジン回転速度NEがある程度
高く負荷LDがある程度大きい場合には、バルブオーバ
ラップが大きくなるようにVVT25が制御される。こ
の制御により、吸気通路6における吸入空気の慣性効果
を利用して燃焼室4に対する吸入空気の充填効率を高め
ることができ、エンジン1の出力を向上させることがで
きる。一方、エンジン回転速度NEが低く負荷LDが小
さい場合には、バルブオーバラップが小さくなるように
VVT25が制御される。この制御により、燃焼室4に
おける内部EGRの割合を低減させることができ、混合
気の燃焼不良を防止することができる。エンジン回転速
度NEと負荷LDとのその他の関係においても、最適な
バルブオーバラップを得ることができ、エンジン1の出
力向上と混合気の燃焼不良の防止を図ることができる。
【0067】更に、ECU80は実変位角度VTの値が
目標変位角度VTTの値に近似したときに、その時点の
バルブタイミングの位相が保持されるようにLSV55
を制御することによりVTT25を制御する。つまり、
ECU80はバルブタイミングに係る保持制御を行う。
ECU80はバルブタイミングの位相がある一定の状態
を継続しているとき、両パラメータVTT,VTの値を
比較することにより保持制御の結果を評価し、そのの評
価に基づき保持制御を修正するための保持デューティ学
習値GDVTHを学習する。
【0068】ここで、目標変位角度VTT、実変位角度
VT、駆動デューティ比DVT及び保持デューティ学習
値GDVTH等の関係の一例を図8,9を参照して説明
する。図8はLSV55の特性を示すグラフである。図
9は目標変位角度VTTの値を一定としたときの各パラ
メータVT,DVT,GDVTHの挙動を示すタイミン
グチャートである。この事例は、図8に示すように、現
時点における保持デューティ学習値GDVTHがその
「真値」よりも小さい「誤値」であるときを想定する。
そして、その学習値GDVTHが誤値から真値に更新
(学習)されるまでの間の各パラメータVT,DVT,
GDVTHの動きを図9に従い説明する。
【0069】時刻t1と時刻t2との間では、実変位角
度VTは目標変位角度VTTよりも遅角側の値である。
従って、フィードバック制御の結果、実変位角度VTの
値は目標変位角度VTTの値に徐々に近づくように進角
側へ変わる。つまり、偏差(VTT−VT)により決ま
る比例項と学習値GDVTHとの和である駆動デューテ
ィ比DVTの値は、同値が学習値GDVTHよりも大き
い間は徐々に減少し、実変位角度VTの値も徐々に進角
側の値に変わる。又、比例項は偏差(VTT−VT)が
減少するに連れて減少する。
【0070】そして、時刻t2において、駆動デューテ
ィ比DVTの値が学習値GDVTHの真値と等しくな
り、その時点の偏差(VTT−VT)の絶対値が基準値
αりも大きかったとする。この場合、時刻t3までの間
で、実変位角度VTは偏差(VTT−VT)を残したま
ま、即ち目標変位角度VTTの値に収束しないまま一定
値を継続する。この間、駆動デューティ比DVTも一定
値を継続する。
【0071】そして、時刻t3において、両パラメータ
VT,DVTの値が一定となって所定時間を経過する
と、その時点の駆動デューティ比DVTの値が学習値G
DVTHの真値であると判断することができることか
ら、その値が学習値GDVTHとして更新される。この
とき、駆動デューティ比DVTの値は比例項の分だけ学
習値GDVTHよりも大きくなる。その後、駆動デュー
ティ比DVTの値が学習値GDVTHへ向かって徐々に
減少すると、実変位角度VTの値は最終的に目標変位角
度VTTの値に収束する。そして、実変位角度VTの
値、即ちバルブタイミングの位相は保持制御によって目
標変位角度VTTの値に保持される。
【0072】上記のように学習値GDVTHに係る学習
制御が行われ、その学習結果に基づいて保持制御が修正
されるのである。このように、バルブタイミングに係る
保持制御に学習制御を適用することにより、VVT25
やLSV55等の公差の影響を保持制御から排除するこ
とができる。
【0073】上記の学習制御とは別に、ECU80は保
持制御により実変位角度VTの値が変化し、その偏差
(VTT−VT)の絶対値が基準値αよりも大きいとき
に、学習制御に代わって、保持デューティ学習値GDV
THを適宜に変更する。即ち、ECU80は両パラメー
タVTT,VTの大小の違いに基づいて学習値GDVT
Hを所定値bだけ増減することにより、その学習値GD
VTHを真値へ近づけるように変更する。
【0074】従って、学習制御により正しい保持デュー
ティ学習値GDVTHが学習されるよりも前に、誤った
学習値GDVTHに基づき駆動デューティ比DVTが設
定され、そのデューティ比DVTの値に基づき保持制御
が開始されたとする。この場合、保持制御において学習
値GDVTHが所定値bだけ適宜に変更され、駆動デュ
ーティ比DVTの値が変更されて保持制御が適宜に修正
される。
【0075】図11は正しい学習値GDVTHが学習さ
れるよりも前に、誤った学習値GDVTHに基づき保持
制御が開始されたときの各パラメータVTT,VT,D
VT,GDVTH等の関係の一例を示すタイミングチャ
ートである。図11は目標変位角度VTTの値を一定と
したときの各パラメータVT,DVT,GDVTHの挙
動を示す。ここでは、最初に学習値GDVTHがその
「真値」より小さい「誤値」である場合を想定する。そ
して、その学習値GDVTHが誤値から真値へ変更され
る過程での各パラメータVT,DVT,GDVTHの動
きを説明する。
【0076】時刻t1において、実変位角度VTの値が
進角側から目標変位角度VTTの値に近づき、その偏差
(VTT−VT)が基準値α以下になったとする。この
とき、その時点の学習値GDVTHは駆動デューティ比
DVTの値として設定され、そのデューティ比DVTの
値がその後の保持制御のために使われる。しかし、その
時点で、学習値GDVTHは真の値ではないことから、
その後に保持制御が実行されるにも拘らず、実変位角度
VTは目標変位角度VTTの値を過って遅角側へ変わ
る。
【0077】時刻t2において、実変位角度VTの変化
に伴い偏差(VTT−VT)が基準値αよりも大きくな
ると、学習値GDVTHが所定値bだけ加算されて変更
され、その加算された学習値GDVTHに比例項a、即
ち「(VTT−VT)*KP」の分が加算され、その加
算結果が駆動デューティ比DVTの値として設定され
る。このデューティ比DVTの値がフィードバック(F
/B)制御のために使われる。このフィードバック制御
により、実変位角度VTの値が目標変位角度VTTの値
に近づくように進角側へ変わる。
【0078】そして、時刻t3において、実変位角度V
Tの変化に伴い偏差(VTT−VT)が基準値α以下に
なると、時刻t2で変更された学習値GDVTHが保持
制御で駆動デューティ比DVTの値として使われる。し
かし、この時点でも、学習値GDVTHは未だ真の値で
はないことから、その後に保持制御が実行されるにも拘
らず、実変位角度VTは目標変位角度VTTの値から離
れるように遅角側へ変わる。
【0079】その後、時刻t4において、実変位角度V
Tの変化に伴い偏差(VTT−VT)が基準値αよりも
大きくなると、再び学習値GDVTHが所定値bだけ変
更され、その学習値GDVTHに比例項aの分が加算さ
れることにより、駆動デューティ比DVTの値が設定さ
れる。
【0080】その後、時刻t4〜t6の間で、上記と同
様にフィードバック制御が実行され、保持制御が実行さ
れることにより、実変位角度VTの値が更に目標変位角
度VTTの値に近づく。
【0081】そして、時刻t6において、三たび学習値
GDVTHが変更されてその学習値GDVTHが真の値
に近似したとする。このとき、駆動デューティ比DVT
が補正されると、時刻t6〜t7において、その補正さ
れたデューティ比DVTの値に基づきフィードバック制
御が実行され、時刻t7以降では、時刻t6で変更され
た学習値GDVTHが保持制御のために駆動デューティ
比DVTの値として使われる。そして、この時点では、
学習値GDVTHが真の値に近似していることから、そ
れ以降の保持制御によって実変位角度VTの値が目標変
位角度VTTの値に安定的に収束することになる。
【0082】上記のようにこの実施例では、誤った保持
デューティ学習値GDVTHに基づき保持制御が開始さ
れ、その後に学習値GDVTHが学習制御によって更新
されるまでの間で、保持制御に使われる学習値GDVT
Hを適宜に修正することができる。そして、その修正さ
れた学習値GDVTHに基づき保持制御を実行すること
により、実変位角度VTの値を目標変位角度VTTの値
に収束させることができ、安定した保持制御を達成する
ことができる。
【0083】更に、この実施例では、ECU80が必要
に応じて保持制御を実行することにより、VVT25に
よるカムシャフト10の変位角度を保持制御が開始され
る直前の目標変位角度VTTの値に安定して保つことが
できる。しかも、ECU80は保持制御で使用される保
持デューティ学習値GDVTHを学習する。従って、そ
の学習値GDVTHからLSV55及びVVT25に係
る公差や経時変化等の影響を排除することができ、常に
最適な保持制御の実行を図ることができる。
【0084】加えて、この実施例では、保持制御以外の
フィードバック制御の際にも、ECU80は駆動デュー
ティ比DVTを算出するための一つのパラメータとして
保持デューティ学習値GDVTHを使用する。従って、
フィードバック制御の際にも、駆動デューティ比DVT
の値からLSV55及びVVT25に係る公差や経時変
化等の影響を排除することができ、常に最適なフィード
バック制御の実行を図ることができる。
【0085】尚、この発明は次のような別の実施例に具
体化することもできる。以下の別の実施例でも前記実施
例と同等の作用及び効果を得ることができる。 (1)前記実施例では、吸気側のカムシャフト10に設
けられたVVT25により吸気バルブ8のバルブタイミ
ングだけを変更することにより、バルブオーバラップを
変更するようにした。これに対し、排気側のカムシャフ
ト11にVVTを設け、そのVVTにより排気バルブ9
のバルブタイミングだけを変更することにより、バルブ
オーバラップを変更するようにしてもよい。或いは、吸
気側及び排気側の両カムシャフト10,11にVVTを
それぞれ設け、それら各VVTにより吸気バルブ8及び
排気バルブ9のバルブタイミングをそれぞれ変更するこ
とにより、バルブオーバラップを変更するようにしても
よい。
【0086】(2)前記実施例では、バルブタイミング
を制御することによりバルブオーバラップを制御するよ
うに構成した。これに対し、バルブオーバラップにかか
わりなく単にバルブタイミングだけを制御するように構
成してもよい。
【0087】更に、上記各実施例には、特許請求の範囲
に記載した技術的思想に係る次のような実施態様が含ま
れることを以下にその効果と共に記載する。 (イ)請求項1に記載の発明において、前記学習値変更
手段は前記実際の位相が前記目標の位相よりも進角側に
あるときに、前記実際の位相を現状よりも遅角側へ変更
するために前記学習値を所定値だけ減少させ、前記実際
の位相が前記目標の位相よりも遅角側にあるときには、
前記実際の位相を現状よりも進角側へ変更するために前
記学習値を所定値だけ増大させる内燃機関のバルブタイ
ミング制御装置。
【0088】この構成によれば、学習値を正しい学習値
に近づけることができ、実際の位相を目標の位相に近づ
けることができる。
【0089】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、バルブ
タイミングを内燃機関の運転状態に応じて可変機構によ
り連続的に制御するようにしたバルブタイミング制御装
置を前提とする。そして、実際の位相と目標の位相との
偏差が所定値以下となったときに、その時点の位相を保
持するように所要の制御値に基づき可変機構を制御す
る。又、位相がある一定の状態を継続するときに、保持
制御の評価に基づき同制御を修正するための学習値を学
習する。そして、保持制御によって実際の位相が変化し
てその位相と目標の位相との偏差が所定値よりも大きく
なったときに、学習値を変更するようにしている。
【0090】従って、学習制御により正しい学習値が学
習されるよりも前に誤った学習値(制御値)に基づき保
持制御が開始されても、その制御で学習値(制御値)が
適宜に変更されることから、保持制御が適宜に修正され
る。その結果、バルブタイミングに係る保持制御にその
制御を修正するための学習制御を適用することにより、
装置機構上の公差等の影響を保持制御から排除すること
ができる。併せて、誤った学習値に基づき保持制御が開
始され、その後に学習値が学習制御により更新されるま
での間で、学習値を修正することができ、安定した保持
制御を達成することができるという効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の基本的な概念構成を示す概念構成
図。
【図2】 一実施例に係るガソリンエンジンシステムを
示す概略構成図。
【図3】 VVT及びLSVの構造等を示す断面図。
【図4】 VVT及びLSVの構造等を示す断面図。
【図5】 ECUの構成を示すブロック図。
【図6】 (a)(b)はバルブオーバラップの変化を
示す説明図。
【図7】 目標変位角度に係る関数データを示すグラ
フ。
【図8】 LSVの特性を示すグラフ。
【図9】 各種パラメータの挙動を示すタイミングチャ
ート。
【図10】 「バルブタイミング制御ルーチン」を示す
フローチャート。
【図11】 各種パラメータの挙動を示すタイミングチ
ャート。
【図12】 従来の装置を示す概略構成図。
【符号の説明】
1…内燃機関としてのエンジン、1a…出力軸としての
クランクシャフト、4…燃焼室、6…吸気通路、7…排
気通路、8…吸気バルブ、9…排気バルブ、25…可変
機構(VVT)、55…LSV(55は油圧供給手段を
構成する)、72…スロットルセンサ、73…吸気圧セ
ンサ、76…回転速度センサ(72,73,76等は運
転状態検出手段を構成する)、78…カムセンサ(78
は実位相検出手段を構成する)、80…ECU(80は
目標位相算出手段、実位相制御手段、保持制御手段、学
習制御手段及び学習値変更手段を構成する)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大川 信尚 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車 株式会社 内 (72)発明者 篠島 政明 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装 株式会社 内 (56)参考文献 特開 平6−159105(JP,A) 特開 平6−299813(JP,A) 特開 平6−299876(JP,A) 特開 平7−269380(JP,A) 特開 平8−74530(JP,A) 特開 平8−177535(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 13/02 F01L 1/34

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の燃焼室に通じる吸気通路及び
    排気通路のそれぞれを開くために前記内燃機関の出力軸
    の回転に同期して作動する吸気バルブ及び排気バルブの
    少なくとも一方のバルブタイミングを前記内燃機関の運
    転状態に応じて制御するようにしたバルブタイミング制
    御装置であって、 油圧により駆動されることにより前記両バルブの少なく
    とも一方のバルブタイミングの位相を連続的に変更可能
    とする可変機構と、 前記可変機構を駆動するために同可変機構に油圧を供給
    すると共にその油圧を調整可能とした油圧供給手段と、 前記内燃機関の運転状態を検出するための運転状態検出
    手段と、 前記バルブタイミングの制御に係る目標の位相を前記運
    転状態検出手段の検出結果に基づいて算出するための目
    標位相算出手段と、 前記可変機構により変更されるバルブタイミングの実際
    の位相を検出するための実位相検出手段と、 前記内燃機関の運転状態に適合した前記バルブタイミン
    グを得るために、前記実位相検出手段により検出される
    前記実際の位相が前記目標位相算出手段により算出され
    る前記目標の位相に近似するように前記油圧供給手段を
    制御することにより前記可変機構を制御する実位相制御
    手段と を備えた内燃機関のバルブタイミング制御装置におい
    て、 前記実位相制御手段の制御により前記実際の位相と前記
    目標の位相との偏差が所定値以下となったときに、その
    ときのバルブタイミングの位相が保持されるように所要
    の制御値に基づいて前記油圧供給手段を制御することに
    より前記可変機構を制御するための保持制御手段と、 前記実位相制御手段の制御により前記バルブタイミング
    の位相がある一定の状態を継続するときに、前記目標の
    位相と前記実際の位相とを比較することにより前記保持
    制御手段による制御の結果を評価し、その評価に基づい
    て前記保持制御手段の制御を修正するために前記制御値
    として適用される学習値を学習するための学習制御手段
    と、 前記保持制御手段の制御により前記実際の位相が変化し
    てその実際の位相と前記目標の位相との偏差が所定値よ
    りも大きくなったときに、前記学習制御手段における前
    記学習値を変更するための学習値変更手段とを備えたこ
    とを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
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JP4858619B2 (ja) * 2010-02-08 2012-01-18 株式会社デンソー 機関バルブの制御装置

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