JP3146373B2 - 吸収冷温水機の溶液流量制御方法 - Google Patents

吸収冷温水機の溶液流量制御方法

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JP3146373B2 JP02808592A JP2808592A JP3146373B2 JP 3146373 B2 JP3146373 B2 JP 3146373B2 JP 02808592 A JP02808592 A JP 02808592A JP 2808592 A JP2808592 A JP 2808592A JP 3146373 B2 JP3146373 B2 JP 3146373B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は吸収冷温水機に係り、特
に吸収冷温水機内を循環する溶液流量の最適化を図った
溶液流量制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に吸収冷温水機には、図3に示すよ
うに、高温再生器(HGE)1、セパレータ2、低温再
生器3および吸収器4が設けられている。高温再生器1
は冷媒を吸収した高濃度の溶液を加熱して溶液中から冷
媒蒸気を蒸発させ、セパレータ2はその冷媒蒸気と溶液
とを分離する。また低温再生器3は、高温溶液熱交換器
5を通って冷却された、セパレータ2からの溶液をセパ
レータ2からの冷媒蒸気で再加熱し、溶液中から更に冷
媒蒸気を蒸発させる。低温再生器3からの冷媒蒸気は凝
縮器(図示せず)で凝縮されて冷媒液となったのち、蒸
発器(図示せず)内に散布されて循環水等を冷却する。
吸収器4は、低温溶液熱交換器6を通って冷却された、
低温再生器3からの溶液を散布して、蒸発器内で気化し
た冷媒蒸気を溶液に吸収させる。そして、冷媒蒸気を吸
収して低濃度になった溶液は低温溶液熱交換器6および
高温溶液熱交換器5を通過する間に加熱され、再び高温
再生器に1に流入する。
【0003】また、高温再生器1、セパレータ2、低温
再生器3、吸収器4等に溶液を循環させるために溶液ポ
ンプ7が設けられ、この溶液ポンプ7を駆動するモータ
の結線に対してデルタ結線とスター結線とを切換えてモ
ータの駆動力を調節することにより、溶液の循環量を制
御している。例えば、図4(a)に示すように、負荷が変
動して容量がハイレベルからローレベルに低下した場合
には、ポンプ7を駆動するモータの結線をデルタ結線か
らスター結線へ直ちに切換え、逆にローレベルからハイ
レベルへ容量が増えた場合には、モータの結線をスター
結線からデルタ結線へ直ちに切換えるようにして、負荷
に合わせた溶液流量を循環させている。
【0004】なお、デルタ結線とスター結線とを切換え
る構成がない場合は、図3のように溶液ポンプ7の下流
側に破線で示した電磁弁8を設け、この電磁弁8をハイ
レベルとローレベルとの間で切換える(ハイレベルのと
きは電磁弁8はON、ローレベルのときは電磁弁8はO
FF:図4(a)参照)ことによって溶液流量を制御して
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高温再
生器は、吸収冷温水機の熱交換器の中でも溶液保有量も
多く最も熱容量が大きいために、負荷等の変動に対して
も反応が鈍く、ハイレベルからローレベルに負荷が減少
した場合に、直ちに溶液流量を減らすとセパレータから
高温の蒸気抜けが発生し、冷媒損失が生じて効率が低下
する。またローレベルからハイレベルへ負荷が増えた場
合も、直ちに溶液流量を増加させるとセパレータ内に溶
液が充満しすぎて、冷媒蒸気中に溶液が混入してしま
い、同様に効率低下が生じる。しかも、上記のように溶
液流量を急に増減させることはポンプにキャビテーショ
ンが発生しやすく好ましいことではない。
【0006】これに対して、図4(b)に示すように決め
られたタイマ等を用いて遅延運転等を行うことが提案さ
れているが、運転条件等が変われば最適な時間も変わる
ため対策としては不十分である。さらに、冷却水温度の
変動時などにおいては、容量はハイレベル運転でも、高
温再生器の圧力は図5に示すように500〜700mmHg
程度に変動するため、溶液ポンプの運転を常にハイレベ
ルとしていると上記と同様な問題が生じる(このことは
ローレベル運転時の冷却水温度等の変動時においても発
生し同様な問題となっている)。
【0007】本発明の目的は、溶液の冷媒蒸気への混
入、蒸気抜け及びポンプのキャビテーションを防止する
ことができる吸収冷温水機の溶液流量制御方法を提供す
ることである。
【0008】
【問題点を解決するための手段】上記目的を達成するた
めに、本発明は、溶液ポンプを駆動するモータに電力を
供給する場合に、デルタ結線とスター結線との切換えを
行って前記モータの駆動力を調節することにより、循環
溶液の流量を制御する吸収冷温水機の溶液流量制御方法
において、前記デルタ結線とスター結線との切換えまた
はスター結線と電力供給停止との切換えを繰り返して連
続的に行うとともに、前記切換えの時間間隔を高温再生
器内の温度に基づいて設定することである。
【0009】
【作用】デルタ結線とスター結線との切換えまたはスタ
ー結線と電力供給停止との切換えを繰り返して連続的に
行うと、溶液流量の急な増減を回避することができる。
そして、高温再生器へ流れ込む溶液の流量は高温再生器
内の圧力によって支配され、その圧力は高温再生器内の
温度にほぼ比例しているので、上記デルタ結線とスター
結線との切換えまたはスター結線と電力供給停止との切
換えのタイミングを高温再生器内の温度に基づいて設定
することにより、最適な溶液循環量が維持されて、溶液
の冷媒への混入、蒸気抜け及びポンプのキャビテーショ
ンの発生を防ぐことが可能となる。
【0010】
【実施例】以下に本発明の一実施例を図面に従って説明
する。なお、従来の技術と同一の箇所には同一符号を記
し、その詳細な説明は省略する。
【0011】図1は本発明が適用された吸収冷温水器の
概略構成を示している。図に示すように、本実施例で
は、高温再生器1に温度センサ10が取付けられ、高温
再生器1内の温度を検出している。また溶液ポンプ7を
駆動するモータ(図示せず)の回転を制御する切換器1
1が設けられ、この切換器11は温度センサ10に接続
されている。そして、切換器11は、温度センサ10か
らの温度情報に基づいて、前記モータに対してデルタ結
線とスター結線との切換え及びスター結線と供給電力の
停止との切換えを行うようになっている。
【0012】次に本実施例の作用について説明する。高
温再生器1への溶液流量は高温再生器1内の圧力によっ
て決定され、その圧力はほぼ高温再生器1内の温度に比
例している。すなわち、高温再生器1内の温度を検出し
て流量を決定すれば、高温再生器1内の圧力に見合った
最適な流量制御を行なうことができる。具体的には、図
2に示すように、高温再生器1内の温度が150℃以上
ならば常にハイレベル運転、150℃未満145℃以上
ならハイレベル運転10秒・ローレベル運転2秒の繰り
返し運転、145℃未満140℃以上ならハイレベル運
転8秒・ローレベル運転3秒の繰り返し運転、140℃
未満135℃以上ならハイレベル運転5秒・ローレベル
運転5秒の繰り返し運転、という具合に高温再生器1の
温度が低くなるに応じてハイレベル運転時間を短くロー
レベル運転時間を長くする。
【0013】そして、常にローレベル運転になり、さら
に高温再生器1内の温度が低くなった場合は、ローレベ
ル運転と電力供給停止の繰り返しを行なうとともに、高
温再生器1内の温度低下に応じてローレベル運転と停止
の時間間隔を変化させる。例えば115℃未満110℃
以上ならローレベル運転2秒・電力供給停止10秒の繰
り返し運転、110℃未満なら完全に電力の供給を停止
する。
【0014】以上のように、溶液ポンプ7を駆動するモ
ータに対してハイレベル運転、ローレベル運転および電
力供給停止の最適なタイムチャートを設定することによ
り、高温再生器1に対する最適流量が決まる。したがっ
て、例えば冷却水温度が低下して高温再生器1内の温度
が低下した場合、容量制御の信号はハイレベルである
が、溶液ポンプ7から高温再生器1へ送られる溶液の流
量は、ハイレベル運転とローレベル運転との組合せ運転
へ高温再生器1の温度に従って変化して、最適な流量が
確保される。
【0015】さらに、容量がハイレベルからローレベル
に低下した場合は、高温再生器1の温度変化に伴い、ハ
イレベル運転、ハイレベル運転とローレベル運転との繰
返し運転、ローレベル運転と電力供給停止との繰返し運
転、運転停止へと溶液流量が順次変化し安定する。ま
た、容量がローレベルからハイレベルへ増加した場合に
も、逆に高温再生器1の温度に応じて、運転停止、ロー
レベル運転と電力供給停止との繰返し運転、ハイレベル
運転とローレベル運転との繰返し運転、ハイレベル運転
へと溶液流量が順次変化し安定する。これにより、負荷
変動時、冷却水変動時の溶液混入及び冷媒蒸気抜けによ
る効率低下を防止することができる。
【0016】また、運転立上がり時及び停止時等の急激
な負荷変動時にも、上記の制御を用いることにより、溶
液混入及び冷媒蒸気抜け等の同様な問題を防止すること
ができる。
【0017】本実施例によれば、デルタ結線とスター結
線及びスター結線と電力供給停止の結線切換方法でモー
タの駆動力を調節するようにしたので、無接触方式であ
るサイリスタによる切換えが可能となり、従来の電磁開
閉器の切換方式あるいは電磁弁のオンオフ方式に比べ、
切換器11の耐久性が大であることも大きな利点である
(本実施例の制御方法は、ハイレベル運転もしくはロー
レベル運転以外は、常時ハイレベル運転とローレベル運
転、またはローレベル運転と停止の繰り返しになるた
め、耐久性が重要な因子となる)。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
負荷変動時あるいは運転立上がり・運転停止時に、溶液
の混入及び蒸気抜けが発生するのを防止できるので、部
分負荷効率が向上し、また冷却水変動時等にポンプにキ
ャビテーションが発生せず、信頼性の高い吸収冷温水機
を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶液流量制御方法による吸収冷温水機
の概略構成図である。
【図2】高温再生器温度に応じた吸収冷温水機の運転タ
イムチャートである。
【図3】従来の溶液流量制御方法による吸収冷温水機の
概略構成図である。
【図4】従来の溶液流量制御方法による容量切換時の運
転タイムチャートである。
【図5】冷却水温度とセパレータ内圧力との相関を示し
た図である。
【符号の説明】
1 高温再生器 2 セパレータ 3 低温再生器 4 吸収器 5 高温溶液熱交換器 6 低温溶液熱交換器 7 溶液ポンプ 10 温度センサ 11 切換器

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶液ポンプを駆動するモータに電力を供
    給する場合に、デルタ結線とスター結線との切換えを行
    って前記モータの駆動力を調節することにより、循環溶
    液の流量を制御する吸収冷温水機の溶液流量制御方法に
    おいて、 前記デルタ結線とスター結線との切換えまたはスター結
    線と電力供給停止との切換えを繰り返して連続的に行う
    とともに、前記切換えの時間間隔を高温再生器内の温度
    に基づいて設定することを特徴とする吸収冷温水機の溶
    液流量制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の溶液流量制御方法におい
    て、 前記デルタ結線とスター結線との切換えでは、前記高温
    再生器内の温度が高くなるにつれて前記デルタ結線の時
    間間隔を大きく前記スター結線の時間間隔を小さくし、
    前記高温再生器内の温度が低くなるにつれて前記デルタ
    結線の時間間隔を小さくスター結線の時間間隔を大きく
    し、さらにスター結線と電力供給停止との切換えでは、
    前記高温再生器内の温度が高くなるにつれて前記スター
    結線の時間間隔を大きく前記電力供給停止の時間間隔を
    小さくし、前記高温再生器内の温度が低くなるにつれて
    前記スター結線の時間間隔を小さく前記電力供給停止の
    時間間隔を大きくすることを特徴とする吸収冷温水機の
    溶液流量制御方法。
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