JP3146112U - 合わせ毛布 - Google Patents

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Abstract

【課題】毛布生地の起毛がファスナーに絡むことがない合わせ毛布を提供する。
【解決手段】合わせ毛布は、一組の長辺と一組の短辺とを有する矩形の表側毛布生地11と、一組の長辺と一組の短辺とを有し、表側毛布生地11と比べて長辺方向に長い裏側毛布生地12と、ヘム部13と、衿テープと、ヘム部13に備えられ、表側毛布生地11と裏側毛布生地12とを開閉可能に連結するファスナー20と、表側毛布生地11と裏側毛布生地12の間に形成され、内部に掛布団を収納する布団収納部17と、布団収納部17の4隅と一組の長辺の略中心に備えられた布団結束紐とから概略構成される。
【選択図】図2

Description

この考案は、掛布団と併用する毛布のうち、特に合わせ毛布に関するものである。
従来より、毛布を掛布団と併用する方法として、就寝者と掛布団の間に毛布を使用することが一般的に行われている。これは、毛布が「縮絨・起毛を施して暖かな感触を有する(広辞苑第四版2532頁)」こと、また、毛布のドレープ性(就寝者の体型に対する追従性や密着性)により暖かい空気が逃げにくく、冷たい空気が入りにくいことから、快適な寝心地が得られるからである。
しかしながら、就寝者の寝返りや就寝中の動作で、毛布と掛布団がずれてしまったり、掛布団の中で毛布が丸まってしまうことも多く、快適な寝心地が妨げられるばかりでなく、寝冷えによる風邪や体調を崩す原因となることがあった。
また、例えば羽毛布団のように軽い掛布団の場合には、通常の掛布団に比べて寝返り等でずれ易いため、羽毛布団の上に毛布を重ねることがある。
しかしながら、掛布団の上に毛布を重ねた使用方法では、毛布の心地よい肌触りやフィット感を得ることができなかった。
このような、毛布と掛布団がずれてしまったり掛布団の中で毛布が丸まってしまう問題点や、掛布団の上に毛布を重ねることで毛布の心地よい肌触りやフィット感を得ることができない問題点を解決するために、例えば特許文献1には、毛布がずれないように掛布団と一体化する毛布が提案されている。
また、特許文献2には、毛布生地を利用したふとんカバーが提案されている。また、特許文献3には、二枚重ねした毛布生地をファスナーで袋状にし、就寝者がその中に入る毛布が提案されている。
特開平8−187153号公報 実用新案登録第3055639号公報 実用新案登録第3072769号公報
しかしながら、このような特許文献1や特許文献2に開示される毛布では、ファスナーの開閉時に毛布生地の起毛がファスナーに絡んでしまうため、内部に掛布団を収納したり、内部から掛布団を取り出したりする際のファスナーの開け閉めが面倒であるという課題があった。
また、特許文献1や特許文献2に開示される毛布を編み地で製造する際には、ファスナー縫い付け位置に伸び止め処理が必要となる。また、特許文献2の毛布は、高度な縫製技術を要し、縫製可能な工場が限られてくる。
また、特許文献3に開示される毛布では、二枚重ねした毛布生地の中に就寝者が入った場合や毛布の中に掛布団を入れた場合のいずれにおいても、首周りでファスナーが当たってしまうため、毛布の快適な寝心地が得られないという課題もあった。
さらに、特許文献3に開示される毛布で、二枚重ねした毛布生地の中に掛布団を入れた場合に、毛布の中で掛布団が片寄ってしまうという課題もあった。
この考案は、毛布と掛布団がずれてしまったり掛布団の中で毛布が丸まってしまうことがなく、また、掛布団の上にも毛布が重なる構成としながら毛布の心地よい肌触りやフィット感を得ることができる合わせ毛布を提供することを目的とする。
また、この考案は、上記の特許文献1乃至3の課題を解決する合わせ毛布を提供することを目的とする。
上述の課題を解決し、目的を達成するために、この考案の合わせ毛布は、請求項1の記載によると、内部に掛布団を収納する布団収納部を備える表側毛布生地と裏側毛布生地とからなる合わせ毛布であって、前記表側毛布生地と前記裏側毛布生地とに各々予め設けられたヘム部にファスナーを備えることを特徴とする。
また、この考案の合わせ毛布は、請求項2の記載によると、前記布団収納部の少なくとも4隅に布団結束紐を備えることを特徴とする。
この考案により、毛布生地の起毛がファスナーに絡むことがなくなるので、内部に掛布団を収納したり、内部から掛布団を取り出したりする際のファスナーの開け閉めが容易な合わせ毛布を提供することが可能となる。
また、この考案により、ファスナー縫い付け位置に別途の伸び止め処理を施す必要もなく、高度な縫製技術を要しないため、大量生産に向く合わせ毛布を提供することが可能となる。
さらに、この考案により、掛毛布として単独で使用しても、外観上も機能上も毛布本来の良さを損なわない合わせ毛布を提供することが可能となる。
さらにまた、この考案により、内部に収納した掛布団が片寄ることがない合わせ毛布を提供することが可能となる。
<第1の実施の形態例>
この考案の第1の実施の形態例を、図面を用いて以下に説明する。なお、この考案の実施の形態例で説明する素材や手段等はこれに限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲に記載した範囲を逸脱しない広範囲の実施形態を包含するものである。
図1は、この考案の第1の実施の形態例における合わせ毛布の全体図である。図2は、合わせ毛布のヘム部とファスナーの一部断面斜視図である。
図1、図2によると、この考案の第1の実施の形態例における合わせ毛布10は、一組の長辺と一組の短辺とを有する矩形の表側毛布生地11と、一組の長辺と一組の短辺とを有し、表側毛布生地11と比べて長辺方向に長い裏側毛布生地12と、ヘム部13、14、15と、衿テープ16と、ヘム部13に備えられ、表側毛布生地11と裏側毛布生地12とを開閉可能に連結するファスナー20と、表側毛布生地11と裏側毛布生地12の間に形成され、内部に掛布団を収納する布団収納部17と、布団収納部17の4隅と一組の長辺の略中心に備えられた布団結束紐18とから概略構成される。
表側毛布生地11及び裏側毛布生地12は、主に編み地を起毛したものが利用される。また、表側毛布生地11及び裏側毛布生地12は、綿、毛等の天然繊維、または、アクリル、ポリエステル、ナイロン等の合成繊維、またはそれらの混紡糸等で作られたタオル地、長毛、短毛、起毛無し等、どのような生地でも利用可能である。なお、もちろん、編み地以外の生地も利用可能である。
ヘム部13は、表側毛布生地11の一組の長辺の一方の縁(図1における毛布10紙面右側の縁)と、裏側毛布生地12の一組の長辺の一方の縁を各々別個に、いわゆるヘム処理(縁処理)を予め施したものである。
また、ヘム部14は、表側毛布生地11と裏側毛布生地12の一組の長辺の他方の縁(図1における毛布10紙面左側の縁)を縫い合わせた後に、ヘム処理を施したものである。また、ヘム部15は、表側毛布生地11と裏側毛布生地12の一組の短編の一方の縁(図1における毛布10紙面下側の縁)を縫い合わせた後に、ヘム処理を施したものである。
このヘム処理には様々な方法があるが、この考案におけるヘム部13、14、15のヘム処理は、例えぱ図2のように、帯状の生地を2つ折りにして毛布生地の縁を覆った状態で縫い付ける方法で行っている。なお、図2における19は、ヘム部13にファスナー20を縫い付けた際の縫い目である。
なお、この考案において、ヘム処理で使用する帯状の生地は、比較的伸びが少なく、起毛が薄い、もしくは無いものが好適である。
また、衿テープ16は、表側毛布生地11と裏側毛布生地12の一組の短編の他方の縁を縫い合わせた箇所に縫い付けた、縫い代処理や装飾のためのテープである。
また、布団結束紐18は、ヘム部に挟み込む、または縫い付けることで取り付けた、例えば2本一組の織り紐である。布団結束紐18を取り付ける場所は、少なくとも布団収納部17の4隅であり、必要に応じて、図1のように一組の長辺の略中心に設けると良い。
また、ファスナー20は、ファスナー・テープ21に植え付けられた務歯22が図示しないスライダーで開閉する一般的なファスナーである。この考案では、図2に示すとおり、表側毛布生地11と裏側毛布生地12の各々に設けられたヘム部13にファスナー・テープ21が縫い付けられることで、2枚の毛布生地が開閉可能に連結されている。
次に、この考案の第1の実施の形態例における毛布10の製造手順について説明する。なお、この縫製手順は、毛布10を製造する一例を示すものであり、縫製可能な範囲で他の手順を採用しても良い。
最初に、表側毛布生地11と裏側毛布生地12の一組の短編の他方の縁を縫い合わせて衿テープ16を縫い付ける。
次に、表側毛布生地11の一組の長辺の一方の縁と裏側毛布生地12の一組の長辺の一方の縁とに、連続してヘム処理を施してヘム部13とし、その後、裏側毛布生地12を衿幅分表側に折り返す。
次に、表側のヘム部13と裏側のヘム部13にファスナー・テープ21を各々縫い付ける。この結果、表側毛布生地11と裏側毛布生地12は、ファスナー20で開閉可能に連結されることになる。
次に、表側毛布生地11と裏側毛布生地12とを一組の短辺の一方の側で面合わせして縫い合わせ、ヘム処理を施してヘム部15とする。
最後に、表側毛布生地11と裏側毛布生地12とを一組の長辺の他方の側で面合わせして縫い合わせ、ヘム処理を施してヘム部14とする。
なお、布団結束紐18は、上記の縫製手順のうちでヘム部への挟み込みや縫い付けが容易なところで適宜行えばよい。
この縫製の結果、表側毛布生地11と裏側毛布生地12との間に、ヘム部14、15、裏側毛布生地12を表側毛布生地11の側へ折り返した箇所とファスナー20で、布団収納部17としての袋状の空間が形成される。この布団収納部17に掛け布団を収納したり、掛布団を取り出したりする際には、ファスナー20を開け閉めして行う。
以上のようにして製造された、この考案の第1の実施の形態例の合わせ毛布10は、図2のようにダブルヘムとなっている。このダブルヘム、即ち、2枚の毛布生地に各々予め設けたヘム部13、にファスナー20が縫い付けられているので、務歯22が毛布生地の起毛に接触することがなくなり、ファスナー20の開閉時に毛布生地の起毛が絡むことがない。
また、表側毛布生地11と裏側毛布生地12は、各々予めヘム処理が施されてヘム部13が設けられているため、ファスナー20を縫い付けるための別途の伸び止め処理が不要になる。
また、表側毛布生地11と裏側毛布生地12とに各々予めヘム処理を施すことによりファスナー付けが簡単になり、大量生産が容易となった。
また、この考案では、布団収納部17に布団結束紐18を設けているので、内部に収納した掛布団が片寄ることがなくなる。
なお、この考案の第1の実施の形態例の毛布は、通常の合わせ毛布と全く同じ外観を有し、また通常の合わせ毛布と同じく、どのような毛布生地でも利用することが可能であるため、掛布団を布団収納部に収納しない状態においては、通常の合わせ毛布と同様に使用できる。
また、この考案の第1の実施の形態例の毛布の内部に掛布団を収納した際には、就寝者と掛布団との間に毛布を使用する通常の使用方法より、その内部に暖かな空気をたくさん確保できるために、より暖かい状態で就寝することができる、快適な睡眠を提供することが可能となった。
以上のように、この考案により、従来の類似の毛布と比べて、ファスナーの開け閉めの際に毛布生地の起毛がファスナーに絡むことがない優れた合わせ毛布でありながら、高度な縫製技術を要することなく製造できる合わせ毛布の提供が可能となった。
<第2の実施の形態例>
以下に図3を用いて、この考案の第2の実施の形態例の合わせ毛布を説明する。
図3は、この考案の第2の実施の形態例における合わせ毛布の全体図である。なお、第1の実施の形態例と同一又は同様となる構成には、同じ符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図3によると、この考案の第2の実施の形態例における合わせ毛布10は、一組の長辺と一組の短辺とを有する矩形の表側毛布生地11及び裏側毛布生地12と、ヘム部13、14、15a、15bと、ヘム部13に備えられ、表側毛布生地11と裏側毛布生地12とを開閉可能に連結するファスナー20と、表側毛布生地11と裏側毛布生地12の間に形成される、内部に掛布団を収納する布団収納部17と、布団収納部17の4隅と一組の長辺の略中心に備えられた布団結束紐18とから概略構成される。
ヘム部13は、表側毛布生地11の一組の長辺の一方の縁(図3における毛布10紙面右側の縁)と、裏側毛布生地12の一組の長辺の一方の縁を各々別個にヘム処理(縁処理)を予め施したものである。
また、ヘム部14、15a、15bは、表側毛布生地11と裏側毛布生地12の相対する縁を縫い合わせた後に、ヘム処理を施したものである。
次に、この考案の第2の実施の形態例における合わせ毛布10の製造手順について説明する。なお、この縫製手順は、合わせ毛布10を製造する一例を示すものであり、縫製可能な範囲で他の手順を採用しても良い。
最初に、表側毛布生地11の一組の長辺の一方の縁と裏側毛布生地12の一組の長辺の一方の縁とに、各々別個に予めヘム処理を施してヘム部13とする。
次に、表側毛布生地11のヘム部13と裏側毛布生地12のヘム部13にファスナー20を縫い付ける。この結果、表側毛布生地11と裏側毛布生地12は、ファスナー20で開閉可能に連結されることになる。
次に、表側毛布生地11と裏側毛布生地12との相対する縁を各々面合わせして縫い合わせ、ヘム処理を施してヘム部14、15a、15bとする。
この縫製の結果、表側毛布生地11と裏側毛布生地12との間に、ヘム部14、15a、15bとファスナー20で、布団収納部17としての袋状の空間が形成される。この布団収納部17に掛け布団を収納したり、掛布団を取り出したりする際には、ファスナー20を開け閉めして行う。
以上のように構成された、この考案の第2の実施の形態例における合わせ毛布10における効果は、上述した第1の実施の形態例と同様である。
なお、上述した第1の実施の形態例及び第2の実施の形態例において、ダブルヘムとしてのヘム部13は、表側毛布生地11と裏側毛布生地12の各々の一組の長辺の一方の縁に設けると説明したが、このダブルヘムの構成は、就寝者の首周りとなる一組の短編の他方の縁以外であれば、どこに設けても良い。
また、上述した第1の実施の形態例及び第2の実施の形態例において、ファスナー20は、ダブルヘムとしてのヘム部13が設けられている箇所であれば、その全体に縫い付けても良いし一部に縫い付けても良い。また、ヘム部13が就寝者の首周りとなる一組の短編の他方の縁以外の複数の縁に設けられている場合においては、その複数の縁に設けられたヘム部13の全体、または一部にファスナー20を縫い付けても良い。
また、上述した第1の実施の形態例及び第2の実施の形態例において、布団結束紐18を取り付ける場所は、少なくとも布団収納部17の4隅と、必要に応じて一組の長辺の略中心に設けると説明したが、例えば、一組の短辺の略中心にも設けることや、長辺、短辺を問わずどこに何箇所でも設けても良いことは言うまでもない。
なお、特許文献3には、ファスナーの両側にファスナーカバーを設ける構成が開示されているが、この考案のダブルヘムとしてのヘム部13とは目的や構成、また縫製手順も全く異なり、この考案の進歩性を否定するものではない。この考案のダブルヘムは、ファスナーの開け閉めの際に毛布生地の起毛がファスナーに絡むことがないようにするためのものであるが、特許文献3の毛布はファスナーが就寝者に触らないようにするためのものである。即ち、特許文献3の毛布はファスナーを直接毛布に縫い付けているため、この考案の効果であるファスナーが毛布の起毛に接触することでファスナーが絡んでしまうことは何ら解決していない。
また、この考案において、簡単な縫製とするために、予め毛布の縁をヘム処理する縫製手順について、特許文献3には示唆も開示もなく、当業者であっても容易に想達することは不可能である。
第1の実施の形態例における合わせ毛布の全体図 ヘム部とファスナーの一部断面斜視図 第2の実施の形態例における合わせ毛布の全体図
符号の説明
10・・合わせ毛布、11・・表側毛布生地、12・・裏側毛布生地、13、14、15、15a、15b・・ヘム部、16・・衿テープ、17・・布団収納部、18・・布団結束紐、19・・縫い目、20・・ファスナー、21・・ファスナー・テープ、22・・務歯

Claims (2)

  1. 内部に掛布団を収納する布団収納部を備える表側毛布生地と裏側毛布生地とからなる合わせ毛布であって、
    前記表側毛布生地と前記裏側毛布生地とに各々予め設けられたヘム部にファスナーを備えることを特徴とする合わせ毛布。
  2. 前記布団収納部の少なくとも4隅に布団結束紐を備えることを特徴とする請求項1に記載の合わせ毛布。
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