JP3145884B2 - 鋸 刃 - Google Patents

鋸 刃

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JP3145884B2
JP3145884B2 JP00331895A JP331895A JP3145884B2 JP 3145884 B2 JP3145884 B2 JP 3145884B2 JP 00331895 A JP00331895 A JP 00331895A JP 331895 A JP331895 A JP 331895A JP 3145884 B2 JP3145884 B2 JP 3145884B2
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昇 草野
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正夫 鳥越
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    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23DPLANING; SLOTTING; SHEARING; BROACHING; SAWING; FILING; SCRAPING; LIKE OPERATIONS FOR WORKING METAL BY REMOVING MATERIAL, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23D61/00Tools for sawing machines or sawing devices; Clamping devices for these tools
    • B23D61/12Straight saw blades; Strap saw blades
    • B23D61/121Types of set; Variable teeth, e.g. variable in height or gullet depth; Varying pitch; Details of gullet

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Dovetailed Work, And Nailing Machines And Stapling Machines For Wood (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋸刃に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、鋸刃としては例えば実開昭60ー
94038号公報が知られている。この従来例にあって
は、切断刃のみを連続して形成して鋸刃を構成してあ
り、このため、切断時に「けば」や「かえり」が発生
し、切断面が奇麗にならないという問題がある。
【0003】ここで、「けば」や「かえり」につき説明
すると、「けば」や「かえり」とは木材やFRP等の繊
維材を含むプラスチック(以下木材等という)の繊維の
片側だけを切断し、その繊維がめくれあがったもの、あ
るいは、その繊維がシャープに切断されず、むしり取ら
れたもの、あるいは、その繊維が切断されず、めくれあ
がったものを言い、「けば」と「かえり」の違いは、め
くれの大きいものを「かえり」、めくれの小さいものを
「けば」と呼んでおり、寸法的に切断巾程度のものを
「けば」、それ以上のものを「かえり」と呼んでいる。
図22において、30が「けば」、31が「かえり」を
示している。Cは木材等を示している。
【0004】しかして、従来例において、「けば」や
「かえり」の発生につき図23に基づいて説明すると、
最初に刃先1′により木材等Cよりなる被切断物を切断
した場合図23(a)のイ部分は繊維が切断されてい
る。そして、次に刃先1″により切断する際、図23
(b)のロ部分を刃先1″により切断するのであるが、
この部分は右側がすでに刃先1′により切断してあるの
で繊維が片持ち状となっており、したがって、刃先1″
により図23のロ部分が切断されにくく、その繊維が立
ち上がって「けば」や「かえり」が発生しやすくなると
いう問題があり、このため、従来にあっては仕上げ加工
が必要となる。
【0005】図24には従来の切断刃1が示してある、
この従来の切断刃1においては、切断刃に一方の側縁が
切断方向に突出するように横掬い角を設けた構造となっ
ているが、このものにおいては、切断方向への突出が一
側端のみであるため、すぐに切断刃1がきて他側端にめ
くれるようなかたちで「けば」や「かえり」が発生して
しまう。つまり、次にくる逆の横掬い角を持った切断刃
1では前の切断刃で発生した「けば」や「かえり」を防
止することができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の従来例
の問題点に鑑みて発明したものであって、「けば」や
「かえり」の発生を防止することができて、仕上げ加工
が必要でなく、しかも、切粉をスムーズに排出できて切
粉が溜まって目詰まりするのを防止でき、また、切断面
の側面の仕上げ加工を行うことができ、また、切断動力
を小さくすることができる鋸刃を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記従来例の問題点を解
決して本発明の目的を達成するため、本発明の鋸刃は、
切断刃1の両側縁が共に切断方向に突出した切込み刃2
となるように横掬い角を設け、この両側縁が切込み刃2
となった切断刃1の前面部の中間部に切断刃1表面の途
中まで切粉逃がし刃20を設けることを特徴とするもの
である。
【0008】また、複数に並んだ切断刃1の両側縁がそ
れぞれ切込み刃2となるように切断刃1の前縁部を切断
方向にV字状又はU字状とし、複数並んだ切断刃のV字
状又はU字状の底部が切断方向に対して変位した位置に
あることが好ましい。
【0009】また、複数に並んだ切断刃1の両側縁がそ
れぞれ切込み刃2となるように切断 刃1の前縁部を切断
方向にV字状又はU字状とすると共に切断刃1の表面を
切断方向と交差する方向において切断刃1の両側が高く
なるように傾斜させ、複数並んだ切断刃1の表面の傾斜
部分の底部の位置を切断方向に対して変位させることが
好ましい。
【0010】また、切断刃1の前縁部をV状又はU状と
してV字状又はU字状の底部の表面部に切込み刃28を
設けることも好ましい。
【0011】また、切断刃1を突設している台金22の
切断刃1を設けていない部分の表面を傾斜させることも
好ましい。
【0012】また、切断刃1側面の切断方向Bに段差2
5又はテーパを設けて成ることも好ましい。
【0013】また、切断刃1側面の切断刃1表面側に段
差26を付けて切込み刃60を突設することも好まし
い。
【0014】また、切断刃1側面に切込み刃60を設
け、この切込み刃60の側面部分に段差27を設けるこ
とも好ましい。
【0015】また、切込み刃2及び切断刃1にそれぞれ
掬い角を設け、切断刃1に設けた掬い角を切込み刃2に
設けた掬い角よりも大きくすることも好ましい。
【0016】また、切込み刃2の刃先角を切断刃1の刃
先角よりも小さくすることも好ましい。
【0017】また、切断刃1の前面部から突出した切粉
逃し刃20が、切断刃1による切断方向Bと直交する方
向の断面が三角形状で且つ切断方向Bの前面が三角形状
面70となった三角錐台形状をしていることも好まし
い。
【0018】
【作用】上記のような構成の本発明によれば、切断刃1
の両側縁が共に切込み刃2となるように横掬い角を設け
てあることで、切断刃1で切断路Aを切断する際に切断
刃1の両側縁を切込み刃2として切断路Aの両側縁部の
繊維を切断することができ、また、両側縁が切込み刃2
となった切断刃1の前面部の中間部に切断刃1表面の途
中まで切粉逃がし刃20を設けることで、切断刃1前面
に溜まろうとする切粉を切粉逃し刃20により逃がすこ
とができる。
【0019】また、複数に並んだ切断刃1の両側縁がそ
れぞれ切込み刃2となるように切断刃1の前縁部をV字
状又はU字状とし、複数並んだ切断刃1のV字状又はU
字状の底部が切断方向に対して変位した位置にあること
で、V字状又はU字状の切断刃1の底部で切断が行われ
ないようにでき、この結果切断動力を小さくできる。
【0020】また、複数に並んだ切断刃1の両側縁がそ
れぞれ切込み刃2となるように切断刃1の前縁部を切断
方向にV字状又はU字状とすると共に切断刃1の表面を
切断方向と交差する方向において切断刃1の両側が高く
なるように傾斜させ、複数並んだ切断刃1の表面の傾斜
部分の底部の位置を切断方向に対して変位させること
で、切断刃1の表面部の切断方向と交差する方向の傾斜
部分の底部の位置では切断されず、この結果切断動力が
小さくなる。
【0021】また、切断刃1の前縁部をV状又はU状と
してV字状又はU字状の底部の表面部に切込み刃28を
設けるものにおいては、V状又はU状の底部付近におい
ては最初に切込み刃28で切断するためV字状又はU字
状の底部で切断が行われることがなく、切断動力が小さ
くなる。
【0022】また、切断刃1を突設している台金22の
切断刃1を設けていない部分の表面を傾斜させること
で、台金22の斜面に沿って切粉がスムーズに排出でき
ることになる。
【0023】また、切断刃1側面の切断方向Bに段差2
5又はテーパを設けることで、切断時に部材との接触面
積が減少し、切断動力を小さくできる。
【0024】また、切断刃1側面の切断刃1表面側に段
差26を付けて切込み刃60を突設することで、切断時
に部材との接触面積が減少し、切断動力を小さくでき
る。
【0025】また、切断刃1側面に切込み刃60を設
け、この切込み刃60の側面部分に段差27を設けるこ
とで、切断時に部材との接触面積が減少し、切断動力を
小さくできる。
【0026】また、切断刃1の両側縁が共に切断方向に
突出する切込み刃2となるように横掬い角を設けたもの
において、切込み刃2及び切断刃1にそれぞれ掬い角を
設け、切断刃1に設けた掬い角を切込み刃2に設けた掬
い角よりも大きくすることで、切断時に切込み刃2の小
さな掬い角で被切断物である木材等Cの側面を切断する
ことになって「けば」や「かけ」などが発生しにくくな
り、また切断刃1の大きな掬い角で被切断物である切断
材料をかき出すため切削抵抗が小さくなる。
【0027】また、切込み刃2の刃先角を切断刃1の刃
先角よりも小さくすることで、切断時に切込み刃2の小
さな刃先角で被切断物である木材等Cのような材料の側
面を切断することになって「けば」や「かけ」などが発
生しにくくなり、また、切込み刃2の刃先角よりも大き
な刃先角の切断刃1により被切断物である切断材料をか
き出すので切削抵抗が小さくなる。
【0028】また、切断刃1の前面部から突出した切粉
逃し刃20が、切断刃1による切断方向Bと直交する方
向の断面が三角形状で且つ切断方向Bの前面が三角形状
面70となった三角錐台形状をしていることで、切粉逃
し刃20によ切断刃1の前面に溜まろうとする切粉を切
粉逃し刃20により逃す際に切粉逃し刃20の前面の三
角形状面70から前方側に逃がして三角形状面70の前
方の台金22上に溜め、切断刃1が被切断物である木材
等Cのような材料から出た時に切粉が外部に排出される
ことになる。このように切粉を切粉逃し刃20により逃
す際に切粉逃し刃20の前面の三角形状面70から前方
側に逃がして三角形状面70の前方の台金22上に溜め
ることができるため、切断刃1を突出している台金22
と切断材料である木材等Cとの隙間に入らないようにで
きて、被切断物である木材等Cのような材料と台金22
との接触抵抗が減少することになる。
【0029】
【実施例】本発明を以下添付図面に示す実施例に基づい
て詳述する。本発明における鋸刃は例えば、ハイス鋼や
超硬合金に、TiNコーティングやダイヤコーティング
やショットピーニングなどのコーティングをしたものが
用いられる。また、製造方法としてはMIM(金属射出
成形法)による成形、研削による成形、あるいは、MI
Mと研削とを併用したものによる成形等が採用できる。
【0030】本発明の鋸刃は切断刃1の両側縁が共に切
断方向に突出した切込み刃2となるように横掬い角を設
け、この両側縁が切込み刃2となった切断刃1の前面部
の中間部に切断刃1表面の途中まで切粉逃がし刃20を
設けて構成してある。つまり、切断路Aには木材等Cを
切断するための切断刃1と、この切断刃1とは別に繊維
を切断する切込み刃2を設けてある。このように、切断
刃1と切込み刃2とを設けることで、切込み刃2で繊維
を切断し、切断刃1で切断路A内の木材等Cを切断する
ことになる。
【0031】そして、切込み刃2を切断刃1の両側縁、
つまり切断路Aの両側縁部に設けることで、切断路Aの
両側の木材等Cの繊維を両側縁部に設けた切込み刃2に
より切断できることになって「かえり」や「けば」の発
生を防止できる。なお、MIM成形で成形するとピッチ
を小さくしても刃を形成することが可能となり、この点
でも「かえり」や「けば」の発生をできるだけ防止で
き、したがって、本発明のように切込み刃2を設けるも
のをMIM成形で形成してピッチを小さくすることで、
よりいっそう「かえり」や「けば」の発生を防止できる
ことになる。
【0032】図1には本実施例の鋸刃の全体を示すもの
で、図1(a)は丸鋸刃10を示し、図1(b)は直線
状鋸11を示しており、同図のXで示す部分が図2のよ
うな構成となっている。切断刃1の両側縁が共に切込み
刃2となるように横掬い角を設けてある。すなわち、図
2には切断刃1の切断方向の前端側において切断刃1の
両側縁が共に切込み刃2となるように横掬い角を設ける
ことで切断刃1の両側縁の切断方向の前端部を切断方向
に突出させてある。このように構成することで、切断刃
1により切断路Aを切断する際に切断路Aの両側縁に両
側の切込み刃2となる部分により切断路Aの両側縁の繊
維を切断して切断路Aの両側縁に切込みを入れながら切
断刃1により切断することができて「かえり」や「け
ば」が生じないように切断できることになる。そして、
切断刃1自身に切込み刃2を設けることで、切込み刃2
を設けるといえども切込み刃2を切断刃1間に設ける場
合に比べて切断刃1間の距離を短くできて、切断刃1の
数を増加させることができて、切断抵抗を減少させるこ
とができることになる。また、本発明においては、図2
に示すように、切断刃1の両側縁が共に切断方向に突出
した切込み刃2となるように横掬い角を設け、この両側
縁が切込み刃2となった切断刃1の前面部の中間部に切
断刃1表面の途中まで切粉逃がし刃20を設けて構成し
てあるので、切断刃1で切断した切粉が切断刃1の前面
部分に溜まることなく、スムーズに排出することができ
る。すなわち、切断刃1の両側縁が切込み刃2となるよ
うに横掬い角を設けたものであり、このため切断刃1の
前面はV字状又はU字状としてしてある。このように切
断刃1の前面をV字状又はU字状とすると、切断刃1の
前面に切屑が溜まるおそれがあるが、図2に示すように
切断刃1の前面部の側縁間の中間部に切粉逃し刃20が
形成してある。そして、この切粉逃し刃20は三角錐状
をしていて上端が切断刃1表面までは到らず、表面より
やや下方位置(0.05〜0.5mm程度下方位置)に
上端が位置するように設けてある。このような構成にす
ることで、切断時に発生する切粉は切粉逃し刃20に沿
って切断刃1の両側面方向に排出されることになって、
スムーズな切断を行うことができる。
【0033】図3には本発明の他の実施例が示してあ
り、この実施例では複数に並んだ切断 刃1の両側縁がそ
れぞれ切込み刃2となるように図3(a)に示すように
切断刃1の前面部を切断方向に対してV字状又はU字状
にしてある。しかもこの実施例では、切断刃1の表面を
切断方向と交差する方向において切断刃1の両側が高く
なるように傾斜させてある。そして、複数並んだ切断刃
1の表面の傾斜部分の底部の位置を切断方向に対して変
位させてある。具体的には切断刃1の表面の片側の傾斜
面40aの下端よりも表面の他の片側の傾斜面40bの
下端が下に位置するように両傾斜面の傾斜角度を変えて
ある。つまり、表面の片側が傾斜の急な傾斜面40aと
なり、表面の他の片側が傾斜の緩い傾斜面40bとなっ
ている。ここで、複数並んだ切断刃1は、前の切断刃1
の表面の急な傾斜面40aの切断方向の後方に位置する
切断刃1の表面に緩い傾斜面40bが位置し且つ前に位
置する切断刃1の表面の緩い傾斜面40bの切断方向の
後方に位置する切断刃1の表面の急な傾斜面40aが位
置するように交互に配置してある。このように、傾斜の
急な傾斜面40a、傾斜の緩い傾斜面40bの位置関係
を、切断方向Bにおいて交互に変えることで、複数並ん
だ切断刃1の表面の傾斜部分の底部の位置を切断方向に
対して変位させてある。しかして、切断に当たっては図
4(a)→(b)→(c)→(d)→(e)の順序で切
断するものであり、この場合図4(c)に示すように、
傾斜の急な傾斜面40aの下端部の切断刃1のV字状又
はU字状の底部部分より先に次の切断刃1の傾斜の緩い
傾斜面40bの下端部の切断刃1部分で切断されること
となって、傾斜の急な傾斜面40aの下端の前端部であ
るV字状又はU字状の底部では切断が行われることがな
く、この結果、切断動力を小さくできるものである。な
お、図4において1aは1番目の切断刃を示し、図4
(a)のように被切断物である木材等Cを切断して切断
部5を形成し、1bは2番目の切断刃を示し、図4
(b)のように切断部5を形成する。ここで、鋸刃の移
動がそれぞれ図3(a)のa位置、b位置に進むことで
それぞれ図4(a)、(b)のように切断が進むもので
あり、図3(a)のa位置、b位置がそれぞれ図4
(a)、(b)に対応する。また、1cは3番目の切断
刃を示し、図4(c)のように切断部5を形成し、1d
は4番目の切断刃を示し、図4(d)のように切断部5
を形成するものである。図4(e)が切断完了状態を示
し、「けば」や「かえり」の発生のない状態に切断され
ていることを示している。
【0034】図5には本発明の更に他の実施例が示して
ある。この実施例においては、複数に並んだ切断刃1の
両側縁がそれぞれ切込み刃2となるように図5(a)に
示すように切断刃1の前面部を切断方向に対してV字状
又はU字状にしてある。しかもこの実施例では、切断刃
1の表面を切断方向と交差する方向において切断刃1の
両側が高くなるように傾斜させてある。そして、複数並
んだ切断刃1の表面の傾斜部分の底部の位置を切断方向
に対して変位させてある。具体的には切断方向Bの前の
切断刃1の表面の片側の傾斜面40aに溝45を設けて
あり、後の切断刃1の表面の他の片側の傾斜面40bに
溝45が設けてある。このように傾斜面への溝45を設
ける切断方向Bにおいて切断刃1ごとに交互に変えるこ
とで、複数並んだ切断刃1の表面の傾斜部分の底部の位
置を切断方向に対して変位させてある。ここで、溝45
の巾は全体の切断刃1の巾の1/6〜1/4程度とする
のが好ましい。しかして、切断に当たっては図6(a)
→(b)→(c)→(d)→(e)の順序で切断するも
のであり、この場合切断時には図5(c)に示すよう
に、溝45部分より先に次の切断刃1の溝45のない部
分で切断されることになり、切断刃1の表面の傾斜部分
の底部である溝45部分では切断されることがなく、こ
の結果、切断動力を小さくできるものである。なお、図
6において1aは1番目の切断刃を示し、図6(a)の
ように被切断物である木材等Cを切断して切断部5を形
成し、1bは2番目の切断刃を示し、図6(b)のよう
に切断部5を形成する。ここで、鋸刃の移動がそれぞれ
図5(a)のa位置、b位置に進むことでそれぞれ図6
(a)、(b)のように切断が進むものであり、図5
(a)のa位置、b位置がそれぞれ図6(a)、(b)
に対応する。また、1cは3番目の切断刃を示し、図6
(c)のように切断部5を形成し、1dは4番目の切断
刃を示し、図6(d)のように切断部5を形成するもの
である。図6(e)が切断完了状態を示し、「けば」や
「かえり」の発生のない状態に切断されている状態を示
している。
【0035】図7には本発明の更に他の実施例が示して
ある。この実施例においては、切断刃1の側面に小さな
凹凸23(図7においてクロスハッチングで示してい
る)を 設けたものである。このように切断刃1の側面に
小さな凹凸23を設けると、小さな凹凸23がやすりの
役目をして切断刃1による切断と同時に切断面の側面の
仕上げ加工を行うことができ、切断面の側面が美しくな
る。
【0036】図8には本発明の更に他の実施例が示して
ある。この実施例においては、切断刃1の掬い面の表面
に溝24を設けたものである。このように掬い面に溝2
4を設けることで、切断時に発生する切粉を溝24部分
でばらばらにすることができ、この結果、切粉が連続し
て発生せず、ばらばらに発生するため、切粉逃がし刃2
0による切粉の側面への排出が容易になり、目詰まりが
防止されることになる。
【0037】図9には本発明の更に他の実施例が示して
ある。この実施例においては、切断刃1の前縁部をV状
又はU状としてあり、また、切断刃1のV字状又はU字
状の底部の表面部に更に切込み刃28を設けてある。こ
の切込み刃28は実施例においては、前の切断刃1の切
込み刃28の傾斜と後ろの切断刃1の切込み刃28の傾
斜とが交差する方向となるように交互に傾斜方向が異な
っている。そして、切断に当たっては最初に切込み刃2
8で切断するため切断刃1のV字状又はU字状の底部で
は切断が行われることがなく、この結果切断動力が小さ
くなるものである。
【0038】図10には本発明の更に他の実施例が示し
てある。この実施例においては、切断刃1を突設してい
る台金22の切断刃1を設けていない部分の表面を側縁
側が低くなるように傾斜させたものである。図10の実
施例では台金22の中央が高く両側縁が低くなるように
略断面山形形状に傾斜しているが、台金22の一側縁が
高く、他側縁が低くなる片側傾斜であってもよい。この
ように台金22の切断刃1を設けていない部分の表面を
側縁側が低くなるように傾斜させることで、台金22の
斜面に沿って切粉がスムーズに排出できるものである。
【0039】図11には本発明の更に他の実施例が示し
てある。この実施例においては、切断刃1側面の切断方
向Bに段差25又はテーパを設けたものである。ここ
で、段差25は0.5mm以上が適しており、全ての切
断刃1に設ける。このように切断刃1側面の切断方向B
に段差25又はテーパを設けることで、切断時に部材と
の接触面積が減少することになり、この結果、切断動力
を小さくできるものである。
【0040】図12には本発明の更に他の実施例が示し
てある。この実施例においては、切断刃1側面の切断刃
1表面側に段差26を付けて切込み刃60を突設したも
のである。ここで、切断刃1の側面と切込み刃60との
段差は0.5mm以上が適している。このように、切断
刃1側面の切断刃1表面側に段差26を付けて切込み刃
60を突設したことで、切断時に部材との接触面積が減
少し、切断動力を小さくできるものである。
【0041】図13には本発明の更に他の実施例が示し
てある。この実施例においては、切断刃1側面に切込み
刃60を設け、この切込み刃60の側面部分に段差27
を設けたものである。図13の実施例では段差27は切
込み刃60の後部に形成してある。段差27はすべての
切込み刃60の側面に設ける。また、段差27は0.5
mm以上が適している。このように、切断刃1側面に切
込み刃60を設け、この切込み刃60の側面部分に段差
27を設けることで、切断時に部材との接触面積が減少
し、切断動力を小さくできるものである。
【0042】図14には本発明の更に他の実施例が示し
てある。この実施例においては、切断刃1の両側縁が共
に切断方向に突出する切込み刃2となるように横掬い角
を設けたものにおいて、切込み刃2及び切断刃1にそれ
ぞれ掬い角を設け、この切断刃1に設けた掬い角を切込
み刃2に設けた掬い角よりも大きくしたものである。す
なわち、図14(b)に示す角度θ1 が切断刃1の掬い
角であり、図14(c)のθ2が切込み刃2の掬い角で
あって、θ1>θ2となっている。ここで、θ1はθ2+1
0°〜θ2+30°が好ましいものであり、また、θ2
−10°〜20°が好ましいものである。このように、
切断刃1に設けた掬い角を切込み刃2に設けた掬い角よ
りも小さくすることで、切込み刃2の小さな掬い角によ
り被切断物である木材等Cのような材料の側面を切断す
ることになり、「けば」や「かけ」などが発生しにくく
なる。また、切込み刃2の大きな掬い角により木材Cの
ような材料をかき出すため、切削抵抗を小さくできるも
のである。
【0043】図15には本発明の更に他の実施例が示し
てある。この実施例においては、切断刃1の両側縁が共
に切断方向に突出する切込み刃2となるように横掬い角
を設けたものにおいて、切込み刃2の刃先角を切断刃1
の刃先角よりも小さくしたものである。すなわち、図1
(b)において角度γ1、角度γ2が切断刃1の刃先角
であり、また、図15(b)において角度γ3、角度γ4
が切込み刃2の刃先角であり、γ1、γ2>γ3、γ4とな
っている。ここで、γ1、γ2は35°〜80°、γ3
γ4は30°〜65°が好ましく、また、γ1はγ3より
も5〜15°大きいのが適しており、また、γ2はγ4
りも5〜15°大きいのが適している。また、図15
(b)において示す切込み刃2の刃先角の巾M1は刃厚
2に対して1/30〜1/10とするのが好ましい。
このように、切込み刃2の刃先角を切断刃1の刃先角よ
りも小さくすることで、切断時に切込み刃2の小さな刃
先角で被切断物である木材等Cのような材料の側面を切
断することになり、「けば」や「かけ」などが発生しに
くくなる。また、切込み刃2の刃先角よりも大きい刃先
角の切断刃1により木材等Cのような材料をかき出すた
め、切削抵抗を小さくできるものである。そして、切断
刃1の刃先角が大きくなるため刃の強度が向上してチッ
ピング防止となる。
【0044】ところで、図15(b)においては、切断
刃1の両側縁がそれぞれ切込み刃2となるように切断刃
1の前縁部をV字状又はU字状としたものにおいて、複
数並んだ切断刃1のV字状又はU字状の底部が切断方向
に対して変位して位置している。このように複数並んだ
切断刃1のV字状又はU字状の底部が切断方向に対して
変位して位置していることで、切断の際、V字状又はU
字状の底部より先に次の切断刃1の底部以外の部分が切
断に寄与することになって、V字状又はU字状の底部で
は切断が行われることがなく、この結果、切断動力を小
さくできるもの である。
【0045】図16には本発明の更に他の実施例が示し
てある。この実施例においては、両側縁が切込み刃2と
なった切断刃1の前面部の中間部に切断刃1表面の途中
まで切粉逃がし刃20を設けて、切断刃1前面に溜まろ
うとする切粉を切粉逃し刃20により逃がすようにした
ものにおいて、該切断刃1の前面部から突出した切粉逃
し刃20が、図16(a)に示すように、切断刃1によ
る切断方向と直交する方向の断面が三角形状で且つ切断
方向の前面が三角形状面70となった三角錐台形状に形
成してある。ここで、切粉逃し刃20の前面の三角形状
面70は切込み刃2よりも少し後方に引き込んで位置す
るか、あるいは少し前方に飛び出して位置しているが、
この切粉逃し刃20の前面と三角形状面70との前後方
向の段差Nは±1.0mmが好ましいものである。ここ
で、切断刃1の前面部に突出した切粉逃し刃20の形状
図16(d)のように三角錐形状とし、本実施例のよ
うに前面部に三角形状面70を設けない場合、切断刃1
前面に溜まろうとする切粉を切粉逃し刃20により逃が
すことはできても、切粉が図16(d)の矢印のように
流れ、切断刃1を突出している台金22と切断材料であ
る木材等Cとの隙間に切粉が入って、被切断物である木
材等Cのような材料と台金22との接触抵抗を増大する
おそれがあるが、本実施例においては、このようなおそ
れを解消できるものである。つまり、本実施例のよう
に、切粉逃し刃20の形状を、断刃1による切断方向と
直交する方向の断面が三角形状で且つ切断方向の前面が
三角形状面70となった三角錐台形状とすることで、切
断時に切断刃1前面に溜まろうとする切粉は切粉逃し刃
20により図16(c)の矢印のような流れ方をするこ
ととなり(つまり、切粉逃し刃20によ切断刃1の前面
に溜まろうとする切粉を切粉逃し刃20により逃す際に
切粉逃し刃20の前面の三角形状面70から前方側に逃
がすこととなり)、この結果、切粉が三角形状面70の
前方の台金22上に溜まり、切断刃1が被切断物である
木材等Cのような材料から出た時に切粉が外部に排出さ
れることになる。このように切粉を切粉逃し刃20によ
り逃す際に切粉逃し刃20の前面の三角形状面70から
前方側に逃がして三角形状面70の前方の台金22上に
溜めることができるため、切断刃1を突出している台金
22と切断材料である木材等Cとの隙間に入らないよう
にできて、被切断物である木材等Cのような材料と台金
22との接触抵抗が減少することになる。
【0046】図17には本発明の更に他の実施例が示し
てある。この実施例では、切断刃1の両側縁が共に切断
方向に突出する切込み刃2となるように横掬い角を設け
たものにおいて、切込み刃2及び切断刃1にそれぞれ掬
い角を設け、この切断刃1に設けた掬い角を切込み刃2
に設けた掬い角よりも大きくし、また、切込み刃2の刃
先角を切断刃1の刃先角よりも小さくし、更に、切断刃
1の前面部の中間部に切断刃1表面の途中まで切粉逃が
し刃20を設け、該切粉逃し刃20を、切断刃1による
切断方向と直交する方向の断面が三角形状で且つ切断方
向の前面が三角形状面70となった三角錐台形状に形成
した実施例が示してある。ここで、切込み刃2及び切断
刃1にそれぞれ設けた掬い角の角度は前述の図14に示
す実施例で説明したのと同じように設定し、また、ま
た、切込み刃2及び切断刃1にそれぞれ設けた刃先角は
図15に示す実施例で説明したのと同じように設定し、
また、切込み刃2と三角形状面70との前後方向の段差
図16に示す実施例で説明したのと同じように設定す
る。そして、本実施例においては、切断刃1に設けた掬
い角を切込み刃2に設けた掬い角よりも大きくし、更
に、切込み刃2の刃先角を切断刃1の刃先角よりも小さ
くすることで、切断時に切込み刃2の小さな掬い角及び
刃先角で被切断物である木材等Cの側面を切断すること
になって「けば」や「かけ」などが発生するのをより確
実に防止し、また切断刃1の大きな掬い角及び刃先角で
被切断物である切断材料をかき出すためよりいっそう切
削抵抗が小さくなるものであり、更に、切粉を切粉逃し
刃20により逃す際に切粉逃し刃20の前面の三角形状
面70から前方側に逃がして三角形状面70の前方の台
金22上に溜め、このことにより、切断刃1を突出して
いる台金22と切断材料である木材等Cとの隙間に入ら
ないようにできて、被切断物である木材等Cのような材
料と台金22との接触抵抗が減少するものである。
【0047】図18乃至図20には更に他の実施例が示
してある。この実施例においては、基本的構造は図17
に示す実施例と同じであるので、重複する説明は省略す
る。この実施例では切断刃1及び切込み刃2を備えたチ
ップ100を台金22に取付ける一例が示してある。こ
こでチップ100の材質としてはハイス鋼、超硬合金粉
末を用い、MIN法により成形して製造するものであ
り、また台金22は炭素工具鋼、合金工具鋼を切断、研
削加工したもので、後述のように台金22にチップ10
0をレーザで接合するものである。すなわち、台金22
の外周端部にはチップ取付け用凹部80が多数一定間隔
で形成してあり、この台金22のチップ取付け用凹部8
0にチップ100を嵌め込んで位置決めし、レーザ接合
によりチップ100と台金22とを接合している。図1
(b)において、符号81で示す部分がレーザ接合部
である。台金22のチップ取付け用凹部80の前下部に
は更に下溝部82が設けてあり、また、チップ取付け用
凹部80の後部にチップ100を嵌め込んだ場合にチッ
プ100の前面とチップ取付け用凹部80の前面との間
に隙間83が生じるようになっており、上記下溝部82
及び隙間83はレーザ接合によりチップ100を台金2
2に接合する際に、レーザ接合の際に熱歪が発生するこ
とを防止するためのものであり、この実施例のように切
断刃1と切込み刃2とを有するチップ状とせず、切断刃
1及び切込み刃2が台金22と一体のものを研削により
成形するもの、あるいはMIMと研削とを併用して成形
して得た鋸刃にも、鋸刃の使用時に熱膨張して熱歪が発
生するのを防止するためのものでもある。つまり、下溝
部82及び隙間83が無いとレーザ接合の際にチップ1
00や台金22に熱歪みが発生するが、下溝部82及び
隙間83を設けることで、この熱歪みの発生を防止して
いる。また、チップ100を成形した場合のゲート跡1
01がチップ100に残るが、このゲート跡101がチ
ップ100の下面前部に位置するように設定し、チップ
100をチップ取付け用凹部80に嵌め込んで組み込ん
だ場合に、該チップ100の下面前部に残るゲート跡1
01が下溝部82に面するようにしてあり、このことに
より、ゲート跡101を下溝部82に逃がし、チップ1
00をゲート跡101に邪魔されることなくチップ取付
け用凹部80に正確に組み込むことができることにな
る。
【0048】ところで、台金22の外周端部に多数一定
間隔で形成したチップ取付け用凹部80としては、図1
8、図19(b)、図20(a)に示すようにチップ1
00を嵌め込む部分の形状の異なる2種類のチップ取付
け用凹部80a、80bがあり、このチップ100を嵌
め込む部分の形状の異なる2種類のチップ取付け用凹部
80a、80bを一つおきに交互に配置してある。実施
例ではチップ取付け用凹部80のコーナ部の傾斜面部8
4の角度を異ならせてある。また、チップ100として
は形状の異なる2種類のチップ100a、100bを用
意してある。ここで、形状の異なるチップ100として
は例えば図18に示すように横掬い角の異なるものであ
り、横掬い角の異なる2種類のチップ100a、100
bの下後部のコーナ部の傾斜面部85の角度を異なら
せ、チップ100aがチップ取付け用凹部80aにぴっ
たりと合致するように組み込まれ、チップ100bがチ
ップ取付け用凹部80bにぴったりと合致するように組
み込まれるものであり、このようにすることで、一つ置
きに形状の違ったチップ100を間違い無く組み込んで
レーザ接合ができるようにしている。
【0049】図21(a)(b)(c)(d)(e)に
は図17に示す実施例や、図18乃至図20に示す実施
例の切断順序が示してある。図21において1aは1番
目の切断刃を示し、図21(a)のように被切断物であ
る木材等Cを切断して切断部5を形成し、1bは2番目
の切断刃を示し、図21(b)のように切断部5を形成
する。ここで、鋸刃の移動がそれぞれ図15(b)のa
位置、b位置に進むことでそれぞれ図21(a)、
(b)のように切断が進むものであり、図15(b)の
a位置、b位置がそれぞれ図21(a)、(b)に対応
する。また、1cは3番目の切断刃を示し、図21
(c)のように切断部5を形成し、1dは4番目の切断
刃を示し、図21(d)のように切断部5を形成するも
のである。図21(e)が切断完了状態を示し、「け
ば」や「かえり」の発生のない状態に切断されているこ
とを示している。
【0050】ところで、上記した本発明の各実施例にお
いて被切断物として木材等Cの例につき説明し、本発明
の各実施例の鋸刃が木材等Cの切断に対して有効である
ことを述べたが、ここで言う木材等Cとは木材だけでな
く、FRP等の繊維材を含むプラスチック等の複合材を
含むものである。したがって、上記した本発明の各実施
例の鋸刃は木材だけではなく、FRP等の繊維材を含む
プラスチック等の複合材の切断に対しても有効である。
【0051】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の発明にあって
は、切断刃の両側縁が共に切断方向に突出した切込み刃
となるように横掬い角を設け、この両側縁が切込み刃と
なった切断刃の前面部の中間部に切断刃表面の途中まで
切粉逃がし刃を設けてあるので、切断刃で切断路を切断
する際に切断刃の両側縁を切込み刃として切断路の両側
縁部の繊維を切り込みながら切断刃で切断路中の木材等
の繊維を切断できるものであり、この結果、「かえり」
や「けば」がなく、切断面が美しく、仕上げ加工が必要
でなくなるものであり、しかも、切込み刃を設けるとい
えども切込み刃を切断刃間に設ける場合に比べて切断刃
間の距離を短くできて、この結果、切断刃の数を増加さ
せることができて、切断抵抗を減少させることができる
ものでり、また、両側縁が切込み刃となった切断刃の前
面部の中間部に切断刃表面の途中まで切粉逃がし刃を設
けてあるので、切断時に切粉が両側縁方向に排出されて
目詰まりが発生せず、スムーズに切断することができる
ものである。
【0052】また、請求項2記載の発明にあっては、請
求項1記載の効果に加えて、複数に並んだ切断刃の両側
縁がそれぞれ切込み刃となるように切断刃の前縁部を切
断方向にV字状又はU字状とすると共に切断刃の表面を
切断方向と交差する方向において切断刃の両側が高くな
るように傾斜させ、複数並んだ切断刃の表面の傾斜部分
の底部の位置を切断方向に対して変位させてあるので、
V字状又はU字状の切断刃のV字状又はU字状の底部付
近では切断がおこなわれず、切断動力が小さくなるもの
である。
【0053】また、請求項3記載の発明にあっては、請
求項1記載の効果に加えて、複数に並んだ切断刃の両側
縁がそれぞれ切込み刃となるように切断刃の前縁部を切
断方向にV字状又はU字状とすると共に切断刃の表面を
切断方向と交差する方向において切断刃の両側が高くな
るように傾斜させ、複数並んだ切断刃の表面の傾斜部
の底部の位置を切断方向に対して変位させてあるので、
切断刃の表面部の切断方向と交差する方向の傾斜部分の
底部の位置では切断されず、この結果切断動力が小さく
なるものである。
【0054】また、請求項4記載の発明にあっては、請
求項1記載の効果に加えて、切断刃の前縁部に設けたV
状又はU状の切込み刃に対向する後縁部を非直線状にす
るので、切粉の受入れ体積を増すことができて、目詰ま
りが発生しないようにできるものである。
【0055】また、請求項5記載の発明にあっては、
求項1記載の効果に加えて、切断刃の前縁部をV状又は
U状としてV字状又はU字状の底部の表面部に切込み刃
を設けてあるので、V状又はU状の底部で切断が行われ
ず、切断動力が小さくできるものである。
【0056】また、請求項6記載の発明にあっては、
求項1記載の効果に加えて、切断刃を突設している台金
の切断刃を設けていない部分の表面を傾斜させてあるの
で、基盤表面の傾斜面に沿って切粉をスムーズに排出で
きて目詰まりが発生せず、スムーズに切断を行うことが
できるものである。
【0057】また、請求項7記載の発明にあっては、
求項1記載の効果に加えて、切断刃側面の切断方向に段
差又はテーパを設けてあるので、切断時に部材との接触
面積が減少し、切断動力が小さくなるものである。
【0058】また、請求項8記載の発明にあっては、
求項1記載の効果に加えて、切断刃側面の切断刃表面側
に段差をつけて切込み刃を突設してあるので、切断時に
部材との接触面積が減少し、切断動力が小さくなるもの
である。
【0059】また、請求項9記載の発明にあっては、
求項1記載の効果に加えて、切断刃側面に切込み刃を設
け、この切込み刃の側面部分に段差を設けてあるので、
切断時に部材との接触面積が減少し、切断動力が小さく
なるものである。
【0060】また、請求項10記載の発明にあっては、
請求項1記載の効果に加えて、切込み刃及び切断刃にそ
れぞれ掬い角を設け、切断刃に設けた掬い角を切込み刃
に設けた掬い角よりも大きくしたので、切断時に切込み
刃の小さな掬い角で被切断物である木材等の側面を切断
することになって「けば」や「かけ」などが発生しにく
くなり、また切断刃の大きな掬い角で被切断物である切
断材料をかき出すため切削抵抗が小さくなるものであ
る。
【0061】また、請求項11記載の発明にあっては、
請求項1記載の効果に加えて、切込み刃の刃先角を切断
刃の刃先角よりも小さくしたので、切断時に切込み刃の
小さな刃先角で被切断物である木材等のような材料の側
面を切断することになって「けば」や「かけ」などが発
生しにくくなり、また、切込み刃の刃先角よりも大きな
刃先角の切断刃により被切断物である切断材料をかき出
すので切削抵抗が小さくなるものである。
【0062】また、請求項12記載の発明にあっては、
請求項1記載の効果に加えて、切断刃の前面部から突出
した切粉逃し刃が、切断刃による切断方向と直交する方
向の断面が三角形状で且つ切断方向の前面が三角形状面
となった三角錐台形状をしているので、切粉逃し刃によ
切断刃の前面に溜まろうとする切粉を切粉逃し刃により
逃す際に切粉逃し刃の前面の三角形状面から前方側に逃
がして三角形状面の前方の基盤上に溜めることができ、
この結果、切断刃を突出している基盤と切断材料である
木材等との隙間に切粉が入らないようにできて、被切断
物である木材等のような材料と基盤との接触抵抗を減少
することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)(b)はそれぞれ本発明の刃先部分を備
えた鋸刃の全体図を示す側面図である。
【図2】 本発明の実施例の刃先部分を示し、(a)は斜
視図であり、(b)は(a)のYーY線断面図である。
【図3】 本発明の他の実施例を示し、(a)は平面図で
あり、(b)は正面図であり、(c)は切断のメカニズ
ムを示す説明のための正面図である。
【図4】 (a)乃至(e)は同上の切断順序を示す説明
図である。
【図5】 本発明の更に他の実施例を示し、(a)は平面
図であり、(b)は正面図であり、(c)は切断のメカ
ニズムを示す説明のための正面図である。
【図6】 (a)乃至(e)は同上の切断順序を示す説明
図である。
【図7】本発明の更に他の実施例の刃先部分の斜視図で
ある。
【図8】 本発明の更に他の実施例の刃先部分を示し、
(a)は斜視図であり、(b)は(a)のYーY線断面
図である。
【図9】 本発明の更に他の実施例の刃先部分の斜視図で
ある。
【図10】 本発明の更に他の実施例の刃先部分の斜視図
である。
【図11】 本発明の更に他の実施例を示し、(a)は斜
視図であり、(b)は平面図である。
【図12】 本発明の更に他の実施例を示し、(a)は斜
視図であり、(b)は正面図である。
【図13】 本発明の更に他の実施例の刃先部分を示し、
(a)は斜視図であり、(b)は (a)のYーY線断面
図である。
【図14】 本発明の更に他の実施例を示し、(a)は斜
視図であり、(b)は(a)のYーY線断面図であり、
(c)は側面図である。
【図15】 本発明の更に他の実施例を示し、(a)は斜
視図であり、(b)は平面図である。
【図16】 本発明の更に他の実施例を示し、(a)は斜
視図であり、(b)は(a)のYーY線断面図であり、
(c)は切粉の流れを示す説明図であり、(d)は切粉
の流れを示す比較例の説明図である。
【図17】 本発明の更に他の実施例を示し、(a)は斜
視図であり、(b)は(a)のYーY線断面図である。
【図18】 本発明の更に他の実施例の斜視図である。
【図19】 (a)は同上の正面図であり、(b)は同上
の平面図であり、(c)は同上の側面図である。
【図20】 (a)は同上の全体を示す一部省略正面図で
あり、(b)は全体を示す断面図である。
【図21】 (a)乃至(e)は同上の切断順序を示す説
明図である。
【図22】 けばやかえりを示す斜視図である。
【図23】 (a)(b)は従来例におけるけばやかえり
の発生を説明する説明図である。
【図24】 従来例の切断刃を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 切断刃 2 切込み刃 3 孔 20 切粉逃がし刃 21 切粉逃がしの溝 22 基盤 23 小さな凹凸 24 溝 25 段差 26 段差 27 段差 28 切込み刃 60 切込み刃 70 三角形状面 A 切断路 B 切断方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 草野 昇 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (72)発明者 池上 正弘 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (72)発明者 鳥越 正夫 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (72)発明者 本郷 彰一 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−24001(JP,A) 特開 昭58−53401(JP,A) 特開 昭59−31101(JP,A) 特開 昭56−15918(JP,A) 特開 昭62−138201(JP,A) 実開 昭59−166904(JP,U) 実開 昭62−153015(JP,U) 実開 昭61−192803(JP,U) 実開 昭56−138529(JP,U) 実開 昭59−131802(JP,U) 実開 平2−139020(JP,U) 実開 平1−166502(JP,U) 実開 昭61−192802(JP,U) 実開 昭63−21003(JP,U) 実開 昭63−50614(JP,U) 実開 平6−74304(JP,U) 実公 昭36−16189(JP,Y1) 米国特許3204674(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B27B 33/08 B23D 61/02 - 61/04

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 切断刃の両側縁が共に切断方向に突出し
    た切込み刃となるように横掬い角を設け、この両側縁が
    切込み刃となった切断刃の前面部の中間部に切断刃表面
    の途中まで切粉逃がし刃を設けることを特徴とする鋸
    刃。
  2. 【請求項2】 複数に並んだ切断刃の両側縁がそれぞれ
    切込み刃となるように切断刃の前縁部を切断方向にV字
    状又はU字状とし、複数並んだ切断刃のV字状又はU字
    状の底部が切断方向に対して変位した位置にあることを
    特徴とする請求項1記載の鋸刃。
  3. 【請求項3】 複数に並んだ切断刃の両側縁がそれぞれ
    切込み刃となるように切断刃の前縁部を切断方向にV字
    状又はU字状とすると共に切断刃の表面を切断方向と交
    差する方向において切断刃の両側が高くなるように傾斜
    させ、複数並んだ切断刃の表面の傾斜部分の底部の位置
    を切断方向に対して変位させて成ることを特徴とする請
    求項1記載の鋸刃。
  4. 【請求項4】 切断刃の前縁部をV状又はU状としてV
    字状又はU字状の底部の表面部に切込み刃を設けて成る
    ことを特徴とする請求項1記載の鋸刃。
  5. 【請求項5】 切断刃を突設している台金の切断刃を設
    けていない部分の表面を傾斜させて成ることを特徴とす
    る請求項1記載の鋸刃。
  6. 【請求項6】 切断刃側面の切断方向に段差又はテーパ
    を設けて成ることを特徴とする請求項1記載の鋸刃。
  7. 【請求項7】 切断刃側面の切断刃表面側に段差をつけ
    て切込み刃を突設して成ることを特徴とする請求項1記
    載の鋸刃。
  8. 【請求項8】 切断刃側面に切込み刃を設け、この切込
    み刃の側面部分に段差を設けて成ることを特徴とする請
    求項1記載の鋸刃。
  9. 【請求項9】 切込み刃及び切断刃にそれぞれ掬い角を
    設け、切断刃に設けた掬い角を切込み刃に設けた掬い角
    よりも大きくしたことを特徴とする請求項1記載の鋸
    刃。
  10. 【請求項10】 切込み刃の刃先角を切断刃の刃先角よ
    りも小さくしたこと を特徴とする請求項1記載の鋸刃。
  11. 【請求項11】 切断刃の前面部から突出した切粉逃し
    刃が、切断刃による切断方向と直交する方向の断面が三
    角形状で且つ切断方向の前面が三角形状面となった三角
    錐台形状をしていることを特徴とする請求項1記載の鋸
    刃。
JP00331895A 1994-02-23 1995-01-12 鋸 刃 Expired - Fee Related JP3145884B2 (ja)

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