JP3145449B2 - 画像読取装置 - Google Patents

画像読取装置

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JP3145449B2 JP34160191A JP34160191A JP3145449B2 JP 3145449 B2 JP3145449 B2 JP 3145449B2 JP 34160191 A JP34160191 A JP 34160191A JP 34160191 A JP34160191 A JP 34160191A JP 3145449 B2 JP3145449 B2 JP 3145449B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばファクシミリ装
置、複写機、イメージスキャナ等に用いられる画像読取
装置に関し、特に1個のラインイメージセンサによって
原稿検出と原稿画像の読取を行う画像読取装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ファクシミリ装置等には、1ライ
ン毎に画情報を読み取るラインイメージセンサを用いた
画像読取装置が多用されているが、前記ラインイメージ
センサで、原稿の有無および原稿の先端/後端の位置を
検出する原稿検出動作を兼用するものがある。
【0003】従来のこの種の画像読取装置としては、例
えば特開昭62−151067号公報に記載されたもの
があり、ラインイメージセンサ全体を原稿検出に使用す
るか、原稿画像の読取に使用するか、時間で使い分けて
いる。この画像読取装置においては、ラインイメージセ
ンサの出力をA/D変換するA/D変換器の基準電圧と
して、原稿端検出用レベルと原稿画像読取用レベルとの
2種を持ち、原稿端検出用レベルを低く設定することに
より、原稿端が来たときにA/D変換器をオーバーフロ
ーさせ、このオーバーフロー時間を測定し、原稿端を検
出する。
【0004】ところが、この画像読取装置では、原稿画
像の内容によって、例えば先端部分がベタ黒等の場合、
前記ラインイメージセンサ出力であるビデオ信号が原稿
の先端だから変化したのか、それとも原稿内容に忠実に
変化したのか、判断が難しく、誤検出し易いという欠点
があった。また、この画像読取装置で原稿の有無を検出
するためには、原稿画像を照明する光源を待期中も点灯
しなければならず、電気料金の高騰、および光源の劣化
による短命化等の不具合いがあった。
【0005】そこで、本件と同一出願人は、先に平成2
年9月10日付け出願の特許願(1)にて、ラインイメ
ージセンサを、読取ラインの端部領域で原稿の有無と共
に原稿の先後端を検出する原稿検出部と、前記読取ライ
ンの端部領域以外の有効読取領域で原稿画像を読み取る
画像読取部と、に割り付けて使用する画像読取装置(ビ
デオ信号処理装置)を提案している。
【0006】この画像読取装置は、画像読取部から出力
された信号を処理するビデオ信号処理部を設けておき、
原稿検出部から出力された信号に関しては前記ビデオ信
号処理部での処理を無効にする(処理を行わない)もの
で、シェーディング補正を画像読取部で読み取ったビ
デオ信号のみに対して行う。ピークレベル補正を画像
読取部で読み取ったビデオ信号のみに対して行う。原
稿検出部から出力された信号に関しては、原稿の種類
(2値画像、中間調画像)に関係なく、中間調画像処理
は行わず、単純に2値化処理のみを行う。等の特徴を有
する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の画像
読取装置にあっては、原稿検出部から得られるビデオ信
号に関して2値化以外の処理を無効とすることにより、
1個のラインイメージセンサの原稿検出部と画像読取部
から得られるビデオ信号を同一のビデオ信号処理部で処
理しているが、より一層の原稿検出精度の向上および読
取画像品質の向上が望まれている。
【0008】そこで、請求項1記載の発明は、原稿検出
部から得られたビデオ信号に関して処理条件を変えたう
えで2値化以外の処理を有効とすることにより、原稿検
出精度を向上できる画像読取装置を提供することを目的
としている。また、請求項記載の発明は、原稿検出部
から得られたビデオ信号を適正レベルに増幅することに
より、原稿検出精度を向上できる画像読取装置を提供す
ることを目的としている。
【0009】また、請求項記載の発明は、原稿検出部
から得られたビデオ信号のピークレベルを検出すること
により、原稿検出精度を向上できる画像読取装置を提供
することを目的としている。また、請求項記載の発明
は、原稿検出部から得られたビデオ信号を2値化する際
のスライスレベルを適正化することにより、原稿検出精
度を向上できる画像読取装置を提供することを目的とし
ている。
【0010】また、請求項記載の発明は、原稿検出部
から得られたビデオ信号に関しMTF補正を無効とする
ことにより、原稿検出精度を向上できる画像読取装置を
提供することを目的としている
【0011】
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
上記目的を達成するために、1ライン毎に画情報を読み
取るラインイメージセンサと、前記ラインイメージセン
サで読み取る読取ラインの端部領域で原稿の有無と共に
原稿の先後端を検出する原稿検出部と、前記ラインイメ
ージセンサで読み取る読取ラインの端部領域以外の有効
読取領域で原稿画像を読み取る画像読取部と、前記ライ
ンイメージセンサから出力された信号を増幅する増幅器
と、前記ラインイメージセンサから出力された信号を
別し処理条件を可変して処理する信号処理部と、を備
え、前記信号処理部は、前記原稿検出部で検出された信
号と、前記画像読取部で読み取った信号とを互いに異な
る増幅率で増幅し、前記原稿検出部で検出された信号の
増幅率を前記画像読取部で読み取った信号の増幅率より
大きくしたことを特徴とする。
【0013】また、請求項2記載の発明は、上記目的を
達成するために、ラインイメージセンサから出力された
信号のピークレベルを検出するピークレベル検出器を備
え、前記信号処理部は、画像読取部で読み取った信号に
ついてのみ前記ピークレベル検出器によりピークレベル
を検出するように検出期間を設定することを特徴とす
【0014】また、請求項3記載の発明は、上記目的を
達成するために、ラインイメージセンサから出力された
信号を所定のスライスレベルと比較して2値化する2値
化回路を備え、前記信号処理部は、原稿検出部で検出さ
れた信号を2値化する場合と、画像読取部で読み取った
信号を2値化する場合とで、前記2値化回路のスライス
レベルを各々別個に発生することを特徴とする
【0015】また、請求項4記載の発明は、上記目的を
達成するために、ラインイメージセンサから出力された
信号のMTFを補正するMTF補正演算器と、注目画素
と周囲画素との信号レベル差を比較して、この信号レベ
ル差が所定値より小さい場合に地肌レベルと判定し、前
記MTF補正演算器によるMTF補正を停止して補正無
しのセンサ信号を出力させる地肌レベル検出器と、を備
え、前記信号処理部は、原稿検出部で検出された信号に
ついて地肌レベルを検出する場合と、画像読取部で読み
取った信号について地肌レベルを検出する場合とで、前
記地肌レベル検出器の所定値を可変して、画像読取部で
読み取った信号についてのみ前記MTF補正演算器によ
りMTFを補正するように補正期間を設定することを特
徴とする
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【作用】上記構成を有する請求項1記載の発明において
は、ラインイメージセンサから出力された信号が、画像
読取部で読み取った信号である場合と、原稿検出部で検
出された信号である場合とで、処理条件を可変して共通
の信号処理部で各々の信号を処理する。
【0020】また、上記構成を有する請求項記載の発
明においては、原稿検出部で検出された信号を増幅する
場合と、画像読取部で読み取った信号を増幅する場合と
で、信号処理部としての増幅率可変設定部により増幅器
の増幅率を可変設定する。また、上記構成を有する請求
記載の発明においては、画像読取部で読み取った信
号についてのみピークレベル検出器によりピークレベル
を検出する検出期間を信号処理部としての検出期間設定
部により設定する。
【0021】また、上記構成を有する請求項記載の発
明においては、原稿検出部で検出された信号を2値化す
る場合と、画像読取部で読み取った信号を2値化する場
合とで、それぞれ異なる2値化回路のスライスレベルを
信号処理部としてのスライスレベル発生器により発生す
る。また、上記構成を有する請求項記載の発明におい
ては、原稿検出部で検出された信号について地肌レベル
を検出する場合と、画像読取部で読み取った信号につい
て地肌レベルを検出する場合とで、地肌レベル検出器の
所定値を可変して、画像読取部で読み取った信号につい
てのみMTF補正演算器によりMTFを補正する補正期
間を信号処理部としての補正期間設定部により設定す
る。
【0022】
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
図1は請求項1〜いずれかに記載された発明の一実施
例に係る画像読取装置を示す図であり、同図(a)はそ
のラインイメージセンサのビデオ信号例を示し、同図
(b)はそのビデオ信号処理部を示す。
【0024】まず、構成を説明する。図1(b)におい
て、1個のラインイメージセンサ11は、1読取ライン
の端部領域で原稿の有無と共に原稿の先後端を検出する
原稿検出部11aと、前記1読取ラインの端部領域以外
の有効読取領域で原稿画像を読み取る画像読取部11b
と、に割り付けられている。ラインイメージセンサ11
から得られるビデオ信号VDは、原稿検出部11aから
得られるものがVDsとして、また画像読取部11bか
ら得られるものがVDp として、図1(a)に示され
る。
【0025】ラインイメージセンサ11から得られるビ
デオ信号VDは、アナログ信号であり、増幅器12によ
って増幅される。増幅器12の増幅率Gは、増幅率可変
設定部13によって可変され、画像読取部11bから得
られるビデオ信号VDp については増幅率G1が、また
原稿検出部11aから得られるビデオ信号VDs につい
ては増幅率G2が各々設定される。A/D変換器14
は、増幅後のビデオ信号VDをデジタルビデオ信号に変
換する。シェーディング補正器15は、図示していない
白基準面を読み取ったときのビデオ信号VDp が均一に
なる補正量を算出し、読み取った原稿画像のビデオ信号
VDp を前記補正量に従って補正する。
【0026】スイッチ16を介して接続されるピークレ
ベル検出器17は、ラインイメージセンサ11から得ら
れるビデオ信号VDのピークレベルを検出する。ここ
で、スイッチ16は、本実施例の検出期間設定部とし
て、画像読取部11bで読み取ったビデオ信号VDp に
ついてのみピークレベル検出器17によりピークレベル
を検出するように、その検出期間を設定する。例えばビ
デオ信号VDp の全域で、またはビデオ信号VDp 内の
所定の期間で、スイッチ16をONし、ピークレベル検
出器17によりピークレベルを検出する。
【0027】スライスレベル:TH1発生器18および
スライスレベル:TH2発生器19は各々、ピークレベ
ル検出器17で検出されたピークレベルを基に画像読取
部11bのビデオ信号VDp を白黒2値化するためのス
ライスレベル:TH1、TH2を発生する。スライスレ
ベル:TH3発生器20は、原稿検出部11aのビデオ
信号VDs を2値化するためのスライスレベル:TH3
を発生する。
【0028】これらのスライスレベルTH1〜3は、2
値化回路としての比較器21、22に入力され、MTF
補正演算器23を経たラインイメージセンサ11のビデ
オ信号VDと比較される。なお、比較器22において
は、ビデオ信号VDp を2値化する際にはスライスレベ
ルTH2が、またビデオ信号VDs を2値化する際には
スライスレベルTH3が各々スイッチ24によって切換
入力される。
【0029】MTF補正演算器23は、画像読取部11
bのビデオ信号VDp に対してMTF(Modulation Tra
nsfer Function)補正の演算、例えば 3E−(B+D+F+H)/2 を行う。地肌レベル検出器25は、図2に示すように、
注目画素Eと周囲画素A〜D、F〜Iとの信号レベル差
を比較して、この信号レベル差が所定値TH4より小さ
い場合に地肌レベルと判定し、MTF補正演算器23に
よるMTF補正を停止して補正無しのビデオ信号VDp
を出力させる。すなわち、画像読取部11bのビデオ信
号VDp の変化幅が小さくときには、例えば |E−B|<TH4 かつ|E−D|<TH4 かつ|E−F|<TH4 かつ|E−H|<TH4のとき、 ビデオ信号の変化はノイズによるものと判断し、注目画
素Eに対してはMTF補正演算器23での補正演算を行
わないようにする。
【0030】このために、補正期間設定部26は、原稿
検出部11aで検出されたビデオ信号VDs について地
肌レベルを検出する場合と、画像読取部11bで読み取
ったビデオ信号VDp について地肌レベルを検出する場
合とで、前記地肌レベル検出器25の所定値TH4を可
変して、画像読取部11bで読み取ったビデオ信号VD
p についてのみ前記MTF補正演算器23によりMTF
を補正するように補正期間を設定する。
【0031】MTF補正演算器23を経たラインイメー
ジセンサ11のビデオ信号VDは、比較器21および2
2に入力され、それぞれのスライスレベルTH1〜TH
3と比較されて2値化される。ここで、スイッチ24
は、比較器22において、画像読取部11bのビデオ信
号VDp を2値化する場合にスライスレベル:TH2発
生器19側に接続され、原稿検出部11aのビデオ信号
VDs を2値化する場合にスライスレベル:TH3発生
器20側に接続される。
【0032】比較器21は、MTF補正演算器23から
のビデオ信号VDとスライスレベルTH1とを比較し、
2値のビデオ信号を出力する。比較器22は、MTF補
正演算器23からのビデオ信号VDと、スイッチ24で
選択されたスライスレベルTH2またはTH3とを比較
し、2値のビデオ信号を出力する。読取レベル判定器2
7は、比較器21および22からの画像読取部11bで
の2値ビデオ信号を比較して、例えば変化点数の多い方
を、適正に原稿画像を読み取ったビデオ信号として判定
する。スイッチ28は、原稿検出部11aのビデオ信号
処理中は比較器22側へ接続され、画像読取部11bの
ビデオ信号処理中は読取レベル判定器27での判定結果
によって比較器21側または比較器22側に選択接続さ
れ、2値ビデオ信号VRを出力する。
【0033】このように、本実施例のビデオ信号処理部
は、画像読取部11bで読み取ったビデオ信号VDp を
処理する場合と、原稿検出部11aで検出されたビデオ
信号VDs を処理する場合とで、処理条件を可変して共
通の回路で信号を処理する。次に、作用を説明する。図
3は図1(b)の実施例の動作を示すフローチャートで
ある。まず、原稿画像読取中であるか否か(ステップS
1)、および原稿画像読取中ならば画像読取部11bか
ら得られるビデオ信号VDp かどうかを判断する(ステ
ップS2)。ステップS1の判断でNOならば、すなわ
ち原稿画像を読み取っておらず、例えば待期中にて原稿
有無の検出のみにラインイメージセンサ11を使用して
いる場合、あるいは原稿画像読取中だが、ステップS2
の判断でNOならば、すなわちビデオ信号VDが原稿検
出部11aから得られたビデオ信号VDs である場合に
は、増幅率可変設定部13によって増幅器12の増幅率
はG2に設定され(ステップS3)、シェーディング補
正(ステップS4)、ピークレベル検出(ステップS
5)、およびMTF補正(ステップS6)は実施され
ず、比較器22のスライスレベルTH3による2値ビデ
オ信号VRを出力する(ステップS7)。
【0034】一方、ステップS2の判断でYESなら
ば、すなわち画像読取部11bから得られたビデオ信号
VDp の場合には、増幅率可変設定部13によって増幅
器12の増幅率はG1に設定され(ステップS8)、シ
ェーディング補正器15によってシェーディング補正が
行われ(ステップS9)、ピークレベル検出器17によ
って所定の区間でのピークレベルの検出が行われ(ステ
ップS10)、地肌レベル検出器25の検出結果によっ
てMTF補正が行われ(ステップS11)、読取レベル
判定器27の判定結果によってスライスレベルTH1ま
たはTH2による2値ビデオ信号VRを出力する(ステ
ップS12)。
【0035】このように、図1(b)の実施例において
は、原稿の有無と共に原稿の先端・後端位置を検出する
原稿検出部11aと、原稿画像を読み取る画像読取部1
1bとに分割された1個のラインイメージセンサ11か
らのビデオ信号VDs およびVDp に対して、それぞれ
の処理条件を可変して共通の回路にて処理を行うので、
ビデオ信号処理部を小型化および低コスト化できる。
【0036】次に、本実施例においては、ビデオ信号V
Ds 、VDp を扱う際に、それぞれ増幅器12の増幅率
Gを異ならせるので、各ビデオ信号に適した処理を行う
ことができ、検出精度の向上および画像品質の向上が図
れる。なお、図3のステップS1で待期中等の原稿画像
を読み取っていない場合、およびステップS2でビデオ
信号VDs の場合には、図3のステップS3に示すよう
に、増幅器12の増幅率を共通なG2に設定したが、例
えば原稿画像を読み取っていない場合にはG21に、ま
たビデオ信号VDs の場合にはG22というように、そ
れぞれ異なる増幅率を設定しても構わない。
【0037】このように、待期中と原稿画像読取中と
で、ビデオ信号VDs の増幅率を可変する本実施例にお
いては、各々の場合に適した処理を行うことができ、原
稿検出の精度向上が図れる。また、ピークレベル検出器
17で検出されたピークレベルによって増幅器12の増
幅率を設定するよう構成しても構わない。
【0038】このように、ピークレベルによって増幅器
12の増幅率を設定する本実施例においては、各ビデオ
信号に適した処理を行うことができ、検出精度の向上お
よび画像品質の向上が図れる。次に、本実施例において
は、ピークレベル検出器17によるピーク検出を、画像
読取部11bから得られたビデオ信号VDp 内の所定の
区間にのみ限定しているので、原稿検出部11aから得
られたビデオ信号VDs の影響がビデオ信号VDp に及
ばず、画像品質の向上が図れる。
【0039】また、ピークレベル検出器17によるピー
ク検出を、画像読取部11bから得られたビデオ信号V
Dp 全域で行っても、待期中および原稿検出部11aの
みを動作させたときに、ビデオ信号VDp に及ぼすビデ
オ信号VDs の影響を排除でき、画像品質の向上が図れ
る。次に、本実施例においては、原稿検出部11aのビ
デオ信号VDs を2値化するためのスライスレベルTH
3と、画像読取部11bのビデオ信号VDp を2値化す
るためのスライスレベルTH1およびTH2とを個別に
設定するので、ビデオ信号VDs とVDp 各々に適した
処理を行うことができ、検出精度の向上および画像品質
の向上が図れる。
【0040】なお、図3のステップS1で待期中等の原
稿画像を読み取っていない場合、およびステップS2で
ビデオ信号VDs の場合には、共に図3のステップS7
に示すように、ビデオ信号VDs を2値化するためのス
ライスレベルTH3を設定したが、例えば原稿画像を読
み取っていない場合にはTH31に、またビデオ信号V
Ds の場合にはTH32というように、それぞれ異なる
スライスレベルを設定しても構わない。
【0041】このように、スライスレベルTH3を待期
中と原稿画像読取中とで個別に設定する本実施例におい
ては、各々の場合に適した処理を行うことができ、原稿
検出の精度向上が図れる。また、本実施例において、読
取レベル判定器27は、ビデオ信号VDp のみについ
て、比較器21、22から出力される最適なビデオ信号
を選定するので、ビデオ信号VDs の影響がビデオ信号
VDp に及ばず、画像品質の向上が図れる。
【0042】さらに、本実施例においては、ビデオ信号
VDp を2値化するためのスライスレベルTH1および
TH2はピークレベル検出器17で検出されたピークレ
ベルに基づいて設定され、またビデオ信号VDs を2値
化するためのスライスレベルTH3はピークレベル検出
器17でのピークレベルに無関係に設定されるので、各
ビデオ信号VDp 、VDs に適した2値化処理を行うこ
とができ、検出精度の向上および画像品質の向上が図れ
る。
【0043】次に、本実施例においては、ビデオ信号V
Ds 、VDp によって地肌レベル検出器25の所定値T
H4を可変することにより、注目画素Eと周囲画素B、
D、F、Hとの信号レベル差を比較し、この信号レベル
差が所定値TH4より小さい場合にMTF補正演算器2
3に補正演算を行わせないようにするので、ビデオ信号
VDp についてのみMTF補正を行うことができ、ビデ
オ信号VDs の影響がビデオ信号VDp に及ばず、各々
のビデオ信号VDs 、VDp に適した処理を行うことが
でき、検出精度の向上および画像品質の向上が図れる。
また、MTF補正演算を原稿読取中のみでの動作にして
いるので、仮に原稿画像読取用の光源のON/OFFに
よってビデオ信号VDs の信号レベルが変化してしまっ
ても、変化するビデオ信号VDs をMTF補正によって
誤補正することがなく、原稿検出の誤動作を防ぐことが
できる。
【0044】なお、地肌レベル検出器25の所定値TH
4を、例えば待期中か原稿画像読取中かによって可変し
ても構わない。このように、待期中と原稿画像読取中と
で所定値TH4を個別に設定する本実施例においては、
各々の場合に適した処理を行うことができ、原稿検出の
精度向上が図れる。
【0045】なお、地肌レベル検出器25の所定値TH
4により、MTF補正を実施しないようにするために
は、その値を大きくするとよい は画像読取装置を
示す図であり、同図(a)はそのラインイメージセンサ
のビデオ信号例を示し、同図(b)はそのビデオ信号処
理部を示す。なお、本実施例において上述例と同一の構
成については、同一符号を付してその具体的な説明を省
略する。
【0046】まず、構成を説明する。図4(b)におい
て、原稿検出信号処理部31は、ラインイメージセンサ
11の原稿検出部11aで検出されたビデオ信号VDs
のみを処理する。読取画像信号処理部32は、ラインイ
メージセンサ11の画像読取部11bで読み取ったビデ
オ信号VDp のみを処理する。各々別個に備えられた処
理部31、32により処理された原稿検出処理信号VR
s と、読取画像処理信号VRp とは、各々別個に出力さ
れる。
【0047】前記原稿検出信号処理部31において、入
力されるビデオ信号VDは、ラインイメージセンサ11
からのアナログビデオ信号またはデジタル信号に変換さ
れたデジタルビデオ信号である。原稿検出部スライスレ
ベル発生器33は、ビデオ信号VD中のビデオ信号VD
s を2値化するためのスライスレベルを発生する。2値
化回路としての比較器34は、原稿検出部スライスレベ
ル発生器33で発生されたスライスレベルとビデオ信号
VDs とを比較し、ビデオ信号VDs を2値化する。ラ
ッチ35は、比較器34からの2値化信号を、1ライン
中の原稿検出タイミングでラッチし、原稿検出処理信号
VRs として出力する。
【0048】前記読取画像信号処理部32において、画
像部ピークレベル検出器36は、ビデオ信号VD中のビ
デオ信号VDp のピークレベルを検出する。画像部スラ
イスレベル発生器37は、画像部ピークレベル検出器3
6によって検出されたビデオ信号VDp のピークレベル
によって、ビデオ信号VDp を白黒2値化するためのス
ライスレベルを発生する。2値化回路としての比較器3
8は、画像部スライスレベル発生器37からのスライス
レベルとビデオ信号VDp とを比較し、ビデオ信号VD
p の白黒2値信号である読取画像処理信号VRp を出力
する。
【0049】次に、作用を説明する。図5は図4(b)
の実施例の動作を示すフローチャートである。まず、ラ
インイメージセンサ11のビデオ信号VDがビデオ信号
VDs か否かを判断し(ステップT1)、原稿の有無や
原稿の先端・後端位置を検出するビデオ信号VDs の場
合には、原稿検出信号処理部31から出力される原稿検
出処理信号VRs の「1」、「0」で原稿検出を判断す
る(ステップT2)。
【0050】一方、ステップT1の判断がNOで原稿画
像の白黒を読み取る場合には、読取画像信号処理部32
から出力される読取画像処理信号VRp の「1」、
「0」で白黒を判断する(ステップT3)。このよう
に、本実施例においては、1個のラインイメージセンサ
11中の原稿検出部11aと画像読取部11bから得ら
れるビデオ信号VDs 、VDp を処理する処理部31、
32を各々別個にしているので、各々独立して構成で
き、装置の単純化ができる。
【0051】また、本実施例においては、1個のライン
イメージセンサ11中の原稿検出部11aと画像読取部
11bから得られるビデオ信号VDs 、VDp 各々の処
理結果信号すなわち原稿検出処理信号VRs と読取画像
処理信号VRp を別個に出力するようにしているので、
原稿検出部11aと画像読取部11bとの処理結果を各
々独立して検出できる。
【0052】なお、本実施例を示す図4(b)では、前
記実施例に示した増幅器12、シェーディング補正器1
5、MTF補正演算器23等を省略しているが、本実施
例においてもこれらの構成要素を備えているものとす
る。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明に係る画像読取装置によれば、ラインイメージセンサ
から出力された信号が、画像読取部で読み取った信号で
ある場合と、原稿検出部で検出された信号である場合と
で、処理条件を可変して共通の信号処理部で各々の信号
を処理するので、ビデオ信号処理部を小型化および低コ
スト化できる。
【0054】また、請求項記載の発明に係る画像読取
装置によれば、原稿検出部で検出された信号を増幅する
場合と、画像読取部で読み取った信号を増幅する場合と
で、増幅率可変設定部により増幅器の増幅率を可変設定
するので、各信号に適した処理を行うことができ、検出
精度の向上および画像品質の向上が図れる。また、請求
記載の発明に係る画像読取装置によれば、画像読取
部で読み取った信号についてのみピークレベル検出器に
よりピークレベルを検出する検出期間を検出期間設定部
により設定するので、原稿検出部から得られた信号の影
響が画像読取部から得られた信号に及ばず、画像品質の
向上が図れる。
【0055】また、請求項記載の発明に係る画像読取
装置によれば、原稿検出部で検出された信号を2値化す
る場合と、画像読取部で読み取った信号を2値化する場
合とで、それぞれ異なる2値化回路のスライスレベルを
スライスレベル発生器により発生するので、原稿検出部
および画像読取部の信号をそれぞれ2値化するためのス
ライスレベルを個別に設定でき、各信号に適した2値化
処理を行うことができ、検出精度の向上および画像品質
の向上が図れる。
【0056】また、請求項記載の発明に係る画像読取
装置によれば、原稿検出部で検出された信号について地
肌レベルを検出する場合と、画像読取部で読み取った信
号について地肌レベルを検出する場合とで、地肌レベル
検出器の所定値を可変して、画像読取部で読み取った信
号についてのみMTF補正演算器によりMTFを補正す
る補正期間を補正期間設定部により設定するので、原稿
検出部で検出された信号の影響が画像読取部で読み取っ
た信号に及ばず、各々の信号に適した処理を行うことが
でき、検出精度の向上および画像品質の向上が図れる。
【0057】
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1〜いずれかに記載された発明の一実
施例に係る画像読取装置を示す図であり、同図(a)は
そのラインイメージセンサのビデオ信号例を示し、同図
(b)はそのビデオ信号処理部を示す。
【図2】MTF補正演算および地肌レベル検出を説明す
るための画素配列図である。
【図3】図1(b)の実施例の動作を示すフローチャー
トである。
【図4】像読取装置を示す図であり、同図(a)はそ
のラインイメージセンサのビデオ信号例を示し、同図
(b)はそのビデオ信号処理部を示す。
【図5】図4(b)の実施例の動作を示すフローチャー
トである。
【符号の説明】
11 ラインイメージセンサ 11a 原稿検出部 11b 画像読取部 12 増幅器 13 増幅率可変設定部 16 スイッチ(検出期間設定部) 17 ピークレベル検出器 18、19、20 スライスレベル発生器 21、22 比較器(2値化回路) 23 MTF補正演算器 25 地肌レベル検出器 26 補正期間設定部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1ライン毎に画情報を読み取るラインイメ
    ージセンサと、 前記ラインイメージセンサで読み取る 読取ラインの端部
    領域で原稿の有無と共に原稿の先後端を検出する原稿検
    出部と、前記ラインイメージセンサで読み取る 読取ラインの端部
    領域以外の有効読取領域で原稿画像を読み取る画像読取
    部と、前記ラインイメージセンサから出力された信号を増幅す
    る増幅器と、 前記ラインイメージセンサから出力された信号を識別し
    処理条件を可変して処理する信号処理部と、 を備え、前記信号処理部は、前記原稿検出部で検出された信号
    と、前記画像読取部で読み取った信号とを互いに異なる
    増幅率で増幅し、前記原稿検出部で検出された信号の増
    幅率を前記画像読取部で読み取った信号の増幅率より大
    きくした ことを特徴とする画像読取装置。
  2. 【請求項2】ラインイメージセンサから出力された信号
    のピークレベルを検出するピークレベル検出器を備え、 前記信号処理部は、画像読取部で読み取った信号につい
    てのみ前記ピークレベル検出器によりピークレベルを検
    出するように検出期間を設定することを特徴とする請求
    項1記載の画像読取装置。
  3. 【請求項3】ラインイメージセンサから出力された信号
    を所定のスライスレベルと比較して2値化する2値化回
    路を備え、 前記信号処理部は、原稿検出部で検出された信号を2値
    化する場合と、画像読取部で読み取った信号を2値化す
    る場合とで、前記2値化回路のスライスレベルを各々別
    個に発生することを特徴とする請求項1又は2に記載の
    画像読取装置。
  4. 【請求項4】ラインイメージセンサから出力された信号
    のMTFを補正するMTF補正演算器と、 注目画素と周囲画素との信号レベル差を比較して、この
    信号レベル差が所定値より小さい場合に地肌レベルと判
    定し、前記MTF補正演算器によるMTF補正を停止し
    て補正無しのセンサ信号を出力させる地肌レベル検出器
    と、 を備え、 前記信号処理部は、原稿検出部で検出された信号につい
    て地肌レベルを検出する場合と、画像読取部で読み取っ
    た信号について地肌レベルを検出する場合とで、前記地
    肌レベル検出器の所定値を可変して、画像読取部で読み
    取った信号についてのみ前記MTF補正演算器によりM
    TFを補正するように補正期間を設定することを特徴と
    する請求項1〜3いずれかに記載の画像読取装置。
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