JP3145263B2 - 工事用仮設道路に用いられる排水材 - Google Patents

工事用仮設道路に用いられる排水材

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JP3145263B2 JP01301895A JP1301895A JP3145263B2 JP 3145263 B2 JP3145263 B2 JP 3145263B2 JP 01301895 A JP01301895 A JP 01301895A JP 1301895 A JP1301895 A JP 1301895A JP 3145263 B2 JP3145263 B2 JP 3145263B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は工事用仮設道路に用い
られる排水材に関し、特に、軟弱地盤の改良のための盛
土の底面や、湧水の生じる地盤上に設置される仮設道路
の路盤材中などに配設されて、これらの盛土や路盤材等
の覆土あるいは周囲の地盤から浸出する水を排水するた
めの工事用仮設道路に用いられる排水材に関する。
【0002】
【従来の技術】各種の土木工事現場や建築工事現場で
は、掘削作業によって生じる掘削土砂や品質が管理され
た購入土砂等を用いて、例えば盛土や仮設道路などの土
砂造成物が形成される。
【0003】そして、これらの土砂造成物は、当該造成
物の泥濘化を防止するとともにこれの安定化を図るた
め、当該造成物に含まれる水や雨水あるいは周囲の地盤
から浸出する地下水等を排除することを目的として、こ
れらの内部あるいは底面に排水機能を備えた排水材が敷
設される。
【0004】この排水材は、その排水機能を維持するた
めに、必要な排水能力だけでなく、長期間にわたって周
囲の覆土や地山から多量の土砂を流出させないフィルタ
ー機能と、顕著な目詰まりを防止するフィルター機能と
いうフィルターとしての相反する機能を兼ね備える必要
がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そして、かかる土砂造
成物に配設される排水材としては、従来より、砂礫等の
透水係数の大きい自然材料や、通水性を有する厚さ1cm
程度の排水部材とこれを覆う目の小さいメッシュ状のフ
ィルター部材とからなるいわゆるジオテキスタイル等が
用いられている。
【0006】しかしながら、かかる従来の排水材では、
上記砂礫等の自然材料を用いる場合には、かかる自然材
料について上記排水材としての機能を兼ね備えるための
種々の選定条件が検討されるが、実際には目詰りを生じ
る場合が多く、また排水材に適した良質な材料を入手す
るのが困難な場合も多い。
【0007】一方、上記排水部材とフィルター部材とか
らなる排水材を用いる場合には、目の小さいメッシュ状
のフィルター部材によって、周囲の覆土や地山から多量
の土砂を流出させない機能を長期間にわたって十分に発
揮することができるが、長期間継続して使用されると、
このフィルター材やこれの近傍の覆土や地山に目詰りが
生じて排水機能を十分に果たすことができなくなるとと
もに、覆土の重量やこれの上方を通過する工事用車輛の
重量等の上載荷重により押しつぶされて、排水部材の通
水性を十分に保持することができなくなるという問題が
あった。
【0008】そこで、この発明は、かかる従来の問題点
を鑑みてなされたもので、入手が容易でかつ安定した品
質を有するとともに、長期間にわたって十分な排水機能
と目詰まり耐久性を保持し、かつ上載荷重に抗してその
形状を保持することにより通水性を容易に確保すること
のできる工事用仮設道路に用いられる排水材を提供する
ことを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を
達成するためになされたもので、その要旨は、軟弱地盤
の改良のための盛土の底面や、湧水の生じる地盤上に設
置される仮設道路の路盤材中などに配設されて、これら
の盛土や路盤材等の覆土あるいは周囲の地盤から浸出す
る水を排水するための工事用の排水材であって、該排水
材が、前記覆土の重量やこれの上方を通過する工事用車
輛の重量等の上載荷重に耐えうる圧縮強度及び前記覆土
内に通水断面を形成し得る通水性と厚さとを備えるコア
材と、該コア材の表面を覆って取り付けた、前記覆土の
0.075mm以下の細粒分を容易に通過させ得る0.3
〜2mmの目の大きさのメッシュ状織布とからなることを
特徴とする工事用仮設道路に用いられる排水材にある。
【0010】ここで、上記記載において、工事用仮設道
路に用いられる排水材を構成するコア材は、例えば、ポ
リプロピレン、ナイロン、ポエチレン、塩化ビニル等
の合成樹脂製の硬い糸状物をヘチマ状に絡ませて所定の
厚さに立体成形した板材や、連続する多数の気泡を有す
るスポンジ状に形成された板状の樹脂成形品、又は波形
状に成形された板材等の通水性の高い部材等を用いるこ
とができる。そして、このコア材は、上方から、盛土や
路盤材等の覆土の重量やこれの上方を通過する工事用の
車輛等の重量などの上載荷重が負荷される場合でも、潰
れることのない又は圧縮変形しても通水断面を保持し得
るような圧縮強度を有するとともに、覆土や周囲の地山
から土砂の細粒分がメッシュ状織布を通過して流入した
後においても、大きな通水断面を確保することができる
程度の厚さを有するものである。
【0011】すなわち、前記コア材は、より具体的に
は、例えば、圧縮歪が20%のときに圧縮強度が5〜6
0tf/m、厚さが1〜10cm、透水係数が100cm/
秒以上のものを用いることが好ましく、さらに好ましく
は、圧縮歪が20%のときに圧縮強度が10〜60tf/
、厚さが2〜6cmのものを用いることができる。圧
縮歪が20%のときに圧縮強度が5tf/m未満では、
覆土の重量やこれの上方を通過する工事用車輛の重量等
の上載荷重により潰れてしまう可能性があり、圧縮歪が
20%のときに圧縮強度が60tf/mをこえるコア材
はコア材の製造、運搬時に剛直になり作業性、取扱性に
問題がでてくる可能性がある。また、厚さが1cm未満の
場合には、通水断面が小さくなって通水量が不足し、十
分な排水ができず路盤に水が浸透してトラフィカビリテ
ーを確保することが困難になり、一方、厚さが10cm
をこえるものは排水性を十分に確保でき、幅も狭いもの
を用いることができるが、前述と同様にコア材の製造、
運搬時に剛直になり作業性、取扱性に問題がでてくる可
能性がある。
【0012】また、前記コア材の表面を覆って取り付け
たメッシュ状織布は、所定のメッシュの目の大きさを有
することにより、排水材を覆う覆土や周囲の地山からの
細粒分を容易に通過させて、該細粒分のメッシュ状織布
の表面やこれの近傍の覆土中における停留を防止する機
能をも備えるものである。
【0013】そして、このメッシュ状織布としては、例
えばポリエステルやポリエチレン製の織布や不織布等か
らなるものを用いることができ、さらに好ましくは略均
等な大きさのメッシュからなる織布を使用する。また、
これらのメッシュの目の大きさは、例えば0.1〜3mm
とすることが好ましく、さらに好ましくは、0.075
mm以下の細粒分の通過を容易にし、表面における目詰ま
りを容易に防止することのできる0.3〜2mmの大きさ
のメッシュ状織布を採用することができる。なお、メッ
シュの目の大きさは、該メッシュを構成する繊維で囲ま
れた繊維間の空隙を表したもので、タテ、ヨコが異なる
場合にはその平均となる値とする。メッシュ状織布のメ
ッシュの目の大きさが0.1mm未満では、細粒分が通過
し難く、すぐに目詰りが発生して排水機能が低下し、ま
た3mmをこえる場合は、大きな土粒子までメッシュ状織
を通過することになり、通過した土粒子がコア材に留
まって排水機能が低下してしまう。
【0014】また、この発明の工事用仮設道路に用いら
れる排水材は、前記コア材の表面を覆って取り付けた
ッシュ状織布の表面には、さらに、これを覆って取り付
けた保護材を備えることが好ましい。
【0015】さらに、この発明の工事用仮設道路に用い
られる排水材は、前記メッシュ状織布として、例えばポ
リエステル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン
製の織布等のメッシュ状繊維に、例えば塩化ビニル系、
アクリル系の合成樹脂を使用して、これを含浸又は塗布
して補強したものを用いることもできる。
【0016】ここで、上記記載における保護材、及び合
成樹脂により補強されたメッシュ状織布は、盛土や路盤
材等の覆土と直接接触することによりメッシュ状織布
損傷するのを防止する機能を有するもので、保護材とし
ては、例えば軟弱地盤表層改良工法に用いるテキスタイ
ルグリッド(ポリエステル系を樹脂加工したメッシュ状
のシート)等を用いることができ、またメッシュ状織布
と保護材の両方の機能を兼ね備えた補強されたメッシュ
状織布としては、建築用に使用される、飛散防止、養生
メッシュシート等を用いることができる。
【0017】
【作用】この発明の工事用仮設道路に用いられる排水材
によれば、当該排水材を覆って造成された盛土や路盤材
等の覆土に含まれる水や雨水、あるいは周囲の地山から
浸出する地下水等は、排水材を構成するコア材の内部に
流入するとともに、当該コア材を経て、盛土や工事用仮
設道路等の土砂造成物の周囲に配置した排水施設に向か
って流下することにより排水される。ここで、コア材
は、所定の圧縮強度及び厚さを備えているため、盛土や
路盤材等の覆土や仮設道路上通過する工事用の車輛等に
よる上載荷重が負荷される場合でも、その荷重によって
破損することなくその通水断面を保持するとともに、コ
ア材の表面を覆って取り付けたメッシュからなるメッシ
ュ状織布は、所定の目の大きさのメッシュ状の部材であ
ることにより、覆土や周囲の地山からの細粒分を容易に
コア材内に通過させ、当該メッシュ状織布の表面やこれ
の近傍の覆土内において細粒分が停留するのを回避して
排水材が目詰まりを生じるのを防止する。
【0018】また、前記コア材の表面を覆って取り付け
メッシュ状織布の表面に、これらを覆ってさらに保護
を取り付け、又はメッシュ状織布を合成樹脂で含浸あ
るいは塗布して補強することにより、メッシュ状織布
盛土や路盤材等の覆土と直接接触して損傷するのを防止
し、排水材の耐久性を向上させる。
【0019】
【実施例】以下、この発明の一実施例を、添付図面を参
照して詳細に説明する。図1は、一例として、湧水の発
生する地盤内に、径が約10m程度の大きさの山岳トン
ネル20を構築する際に、インバートコンクリート21
上に路盤材22を敷設して形成した工事用の仮設道路2
3に、排水機能を持たせるべく、この発明にかかる工事
用排水材10を用いた場合の一実施例を示すのもであ
る。
【0020】すなわち、この仮設道路23は、トンネル
切羽部における掘削施工箇所やその他の施工箇所に各種
の資機材を搬送するための運搬車輛や、掘削作業に伴な
う掘削土砂を搬出するためのダンプトラック等を走行さ
せるための搬送路として使用されるものであり、また、
かかる湧水の発生する地盤内におけるトンネル工事で
は、その施工中に使用される工事用水や、トンネル20
の周囲に形成した一次覆工コンクリート24に生じたク
ラックなどを介して、周囲の地盤からトンネル20内に
浸出する地下水等によって、当該仮設道路23が泥濘化
し、そのトラフィカビリティーを確保することが困難に
なりやすいので、これを回避すべく、路盤材22の底面
にこの発明にかかる工事用排水材10が配設されるもの
である。
【0021】そして、この実施例では、工事用排水材1
0は、山岳トンネル20の周囲に形成された一次覆工コ
ンクリート24の底盤部分を構成するインバートコンク
リート21の上面に敷設設置されるとともに、その上方
を、工事用の仮設道路23を構成する路盤材22によっ
て、所定の厚さ、例えば20cm〜90cm程度の厚さで覆
われている。
【0022】ここで、工事用排水材10は、後に詳述す
るように、コア材16と、メッシュ状織布としての織布
17と、保護材18とからなる例えば厚さ3cm、幅30
cm程度の板状の部材で(図3参照)、図2に示すよう
に、中央軸方向に延長する排水材10を主排水材10a
として配設するとともに、これと垂直方向に延長して、
副排水材10bとしての排水材10を、トンネル11の
軸方向に例えば3m程度の間隔をおいて多数平行に配設
することにより、いわゆるフィシュボーン状にインバー
トコンクリート21の上面に配置されている。
【0023】すなわち、このような形状に配置されるこ
とにより、トンネル工事の施工中に使用される工事用水
や、周囲の地盤からトンネル内に浸出する地下水等は、
トンネルの両側部に設けた側溝25や路盤材22の内部
を経て副排水材10bに流入し、この流入水はインバー
トコンクリート21の横断勾配に沿って中央に向かって
流下することにより、主排水材10aに至り、さらに、
トンネルの縦断勾配に沿って流下することにより排水ピ
ット24に流入して、例えば排水ポンプ等によって容易
に排出されることになる。
【0024】また、路盤材22は、工事用仮設道路23
のトラフィカビリティーを確保し得るような、多量の水
分を含有した場合でも泥濘化の生じることの少ない、透
水係数の大きな各種の土砂を用いることができ、砕石や
クラッシャーラン等の購入良質土を用いることが好まし
いが、掘削現場から発生する土砂が砂礫土や礫質土等の
路盤材料として使用可能な土砂であれば当該現場発土を
そのまま使用することもできる。なお、敷設した路盤材
は、十分な重量車輛を走行させるための十分な所期強度
(固さ)を得るため、転圧施工する。
【0025】そして、路盤材22によ覆われて、イン
バートコンクリート21の上面に配置される、この実施
例に係る排水材10は、図3に示すように、コア材16
と、メッシュ状織布としての織布17と、保護材18と
によって構成される。
【0026】ここで、コア材16は、ポリプロピレンや
ナイロンあるいはポエチレン等の合成樹脂製の硬い糸
状物をヘチマ状に絡ませて所定の厚さに立体成形した、
厚さが約3cm、幅約30cm、圧縮歪が20%のときに
圧縮強度が40tf/mの板材で、仮設道路23上を
工事用の重量車輛が通過する場合でも潰れることなくそ
の圧縮変形量を20%程度に留め、これによってヘチマ
状の立体成形物による大きな通水断面すなわち通水空間
を容易に保持することができる。
【0027】また、コア材16の表面を覆って取り付け
られた織布17は、ポリエステルやポリエチレン等から
なる、メッシュの大きさが約0.5mmの開孔率が大きな
フィルター部材で、路盤材22中の0.075mm以下の
細粒分を容易に通過させるような構成を備えるものであ
る。
【0028】そして、織布17の表面をさらに覆って取
り付けられた保護材18は、例えば、引張強度約7tf/
mのテキスタイルグリッド(ファイバーグリットSH−
40;東洋紡績株式会社製)からなり、織布17が路盤
材22と直接接触することによって損傷するのを防止す
る。
【0029】なお、メッシュ状織布として、例えばポリ
エステル繊維に塩化ビニルを塗布して補強されたメッシ
ュの目の大きさが0.6mm、引張強度が8tf/mの飛散
防止用シート(アローキャッチ5000;東洋紡績株式
会社製)を使用すれば、この飛散防止用シートはメッシ
ュ状織布と保護材の両方の機能を兼ね備えて、保護材を
用いることなく織布17が路盤材22と直接接触するこ
とによって損傷するのを防止することができる。
【0030】なお、織布17及び保護材18は、コア材
16の全周を覆って取り付けることが好ましいが、必ず
しも全周を覆う必要はなく、必要な部分例えばコア材1
6が路盤材22と接触する部分のみを覆って取り付ける
こともできる。
【0031】そして、以上の構成を有する、この実施例
にかかる工事用排水材10が配設された仮設道路23に
よれば、簡易かつ安価な構成により、工事用道路として
のトラフィカビリティーを容易かつ長期間に渡って確保
ないしは維持することができる。
【0032】すなわち、工事用水や、周囲の地盤からト
ンネル内に浸出する地下水等によって路盤材22中に含
まれることになった水は、メッシュ状織布としての織布
17を通過して排水材14の内部に容易に浸出流入する
とともに、コア材16によって形成されている通水空間
を経て流下排水される。したがって、路盤材22が過度
の水分を含むことがないので、路盤状態の悪化を回避し
て容易に仮設道路23のトラフィカビリティーを確保す
ることができる。
【0033】また、排水材10は耐蝕性に優れた材料か
らなりかつ十分な圧縮強度を有するとともに、路盤材料
22中の細粒分は織布17を容易に通過することができ
るため、織布17の表面あるいはこれの近傍に細粒分が
停留することなく排水材10の目詰まりが防止され、こ
れによって長期間排水機能及びフィルター機能を容易に
保持することができる。
【0034】さらに、排水材10のインバートコンクリ
ート21の上面への配置固定作業は、例えば図4に示す
ように、排水材10に、これの織布17や保護材18を
用いて耳部30を設け、これを貫通してコンクリート釘
31をインバートコンクリート21に打ち込むことによ
り、容易に行なうことができる。なお、排水材10の端
部を重ね合わせて接続するには、図5に示すように、ラ
ップ部における下流側の排水材10を下方に、上流側の
排水材10を上方に配置することが流入水の排水の効率
化を図る上で好ましい。また、排水材10の接続には、
図6 (a)及び(b)に示すような専用の接続パーツ
を用いることもできる。さらに、この排水材10は、耐
久性に富むため、当該工事用仮設道路23のための排水
部材として使用した後は、他の土砂造成物のための排水
部材として転用し、繰り返し使用することができるとと
もに、洗浄も容易である。加えて、この発明に用いる排
水材は、図7(a)〜(c)に示すように、棒状のもの
として使用することもでき、またパイプ材33や、プラ
スチックボード34等と組み合わせて構成することもで
きる。
【0035】また、図8〜図10は、この発明にかかる
工事用排水材10を用いた他の実施例を示すもので、軟
弱地盤E上に盛土36を造成し、これの重量により軟弱
地盤Eの圧密沈下を促進して地盤改良を行なう工法にお
いて、軟弱地盤Eに打ち込んだドレーン材35を介して
排出される軟弱地盤E内の間隙水及び降雨等により盛土
30内に含まれることとなった水を効率よく排出すべ
く、工事用排水材10を盛土36の底面に敷設設置した
ものである。
【0036】そして、この実施例にかかる工事用排水材
10は、図9及び図10に示すように、コア材として
の、波形状に成形されたプラスチック製の波形芯材40
と、これの上下面を覆って取り付けた、メッシュ状織布
としての織布41及び保護材42とによって構成され、
前記波形芯材40は、その波形の形状により、盛土36
の重量に耐え得る十分な圧縮強度及び変形に対する剛性
を有し、かつこの波形と直交方向に延長する十分な通水
空間を確保することができるとともに、織布41及び
護材42は、上記図1〜図3に示す実施例に用いたもの
と同様の構成及び機能を備えるものである。なお、図9
において、43は、ドレーン材35を排水材10に接続
固定するためのメタルステッチャであり、44は、隣接
する排水材10を相互に連結する場合に用いるクリップ
ジョイントである。
【0037】そして、この実施例においても、排水材1
0は耐蝕性に優れた材料からなりかつ盛土36の重量に
耐えうる十分な圧縮強度を有するとともに、盛土36中
の細粒分はメッシュ状織布としての織布41を容易に通
過することができるため、織布41あるいはこれの表面
近傍に細粒分が停留することなく排水材10の目詰まり
が防止され、これによって安定した排水機能及びフィル
ター機能を長期間容易に保持することができる。
【0038】[実験例] 次に、この発明の工事用排水材を構成するメッシュ状織
に関する目詰まり耐久性を確認すべく行った、実験の
概要とその結果について記載する。図11は、当該実験
に用いた、排水部材(メッシュ状織布)・土複合透水試
験装置50を示すもので、この試験装置50は、径30
cmの透水容器52を用いた定水位透水試験装置で、十分
な水の供給及び排水を行なうことのできる、径20mmの
配管51と接続している。試験は、従来のジオテキスタ
イルの本体部分、すなわち通水性を有する厚さ1cm程度
の排水部材の表面に、この発明の排水材を構成する、所
定のメッシュの目の大きさを有するメッシュ状織布を取
り付けたものを排水部材53として、これの上に、厚さ
10cmの試料土54を所定の密度で締め固めて行った。
なお、水頭差は10cm(動水勾配i=1)とした。
【0039】使用したメッシュ状織布は、ポリエステル
素材の織布で、そのメッシュの目の大きさ、すなわち有
効径O(=フィルター通過土のD95)は、O
=0.6mmである。なお、有効径Oと対象土の粒径
との関係は、メッシュ状織布の選定条件の1つである下
記の式を満足している。
【0040】4d15≦O≦1.25d85 図12は、この実験による流量の経時的変化を示すチャ
ートである。時間の経過に伴って流量が17日目頃まで
低下するが、その後は流量がほぼ一定量となり変化が少
ないことが判明する。なお、試験開始直後の流量の減少
は、土質試料自身の透水性の変化によるもので、メッシ
ュ状織布の目詰まりによる結果ではないものと考えられ
る。
【0041】図13は、透水試験後深さごとに採取した
試料の粒度試験結果のうち、0.075mm以下の細粒分
含有率の分布を示したチャートである。一般的にフィル
ター材の目詰まりは、土から流出してくるシルトや粘土
の細粒分がフィルター内やその表面に停留しその結果目
詰まりが発生することと考えられるが、試験の結果では
メッシュ状織布の近傍約2cmの範囲で細粒分含有率がそ
の直上に比べ20〜40%減少している。メッシュ状織
のメッシュの目の大きさが細粒分の径より大きく、
ッシュ状織布に流入する細粒分は留まることなく通過で
きるため、メッシュ状織布の近傍では細粒分は減少した
と考えられる。この状態は、メッシュ状織布の耐目詰り
性から考えれば、良好な状態であると考えられる。ま
た、細粒分の流出範囲を、メッシュ状織布を通過した土
の重量から試算すると、細粒分が流出する範囲は、メッ
シュ状織布の隣接部2cm程度と考えられ、細粒分の減少
範囲は比較的メッシュ状織布の直上部分に限定されるも
のと推定することができる。
【0042】なお、図中には、メッシュ状織布の目詰り
耐久性とメッシュ状織布のメッシュの目の大きさとの関
係を示すため、比較試験として、土質材料は同様の砂質
土を、またフィルター材はろ紙を用いた場合の(ろ紙通
過土無し)試験結果も付記した。ろ紙の試験結果は、ろ
紙の近傍で細粒分が多くなり、目詰まりを起こしやすい
状況が生じていることが判明する。すなわち、メッシュ
の目の大きさOが小さなメッシュ状織布を用いる
と、ろ紙を用いた試験結果と同様のメカニズムで、目詰
まりしやすい状態が発生することが予想される。
【0043】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、この発明の
工事用仮設道路に用いられる排水材は、覆土の重量やこ
れの上方を通過する工事用車輛の重量等の上載荷重に耐
える圧縮強度及び前記覆土内に通水断面を形成し得る通
水性と厚さとを備えるコア材と、該コア材の表面を覆っ
て取り付けた、前記覆土の0.075mm以下の細粒分を
容易に通過させる0.3〜2mmの目の大きさのメッシュ
からなるメッシュ状織布とからなるので、入手が容易で
かつ安定した品質を有するとともに、長期間にわたって
十分な排水機能と目詰まり耐久性を保持し、かつ上載荷
重に対してその形状を保持して通水性を容易に確保する
ことができる。
【0044】また、前記コア材の表面を覆って取り付け
メッシュ状織布の表面に、これらを覆ってさらに保護
を取り付け、又はメッシュ状織布を合成樹脂で含浸あ
るいは塗布して補強することにより、メッシュ状織布
盛土や路盤材等の覆土と直接接触して損傷するのを防止
し、排水材の耐久性をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】湧水の発生する地盤内に形成したトンネルに、
この発明の一実施例にかかる工事用排水材を用いて仮設
道路を造成する状況を示す断面図である。
【図2】図1における工事用仮設道路内における、工事
用排水材の配設状況を示す平面図である。
【図3】この発明の一実施例にかかる工事用排水材の構
成を拡大して示す一部破断斜視図である。
【図4】この発明の一実施例にかかる工事用排水材を、
トンネルのインバートコンクリートに固定する状況を示
す説明図である。
【図5】この発明の一実施例にかかる工事用排水材を、
トンネルのインバートコンクリートに配置する状況を示
す説明図である。
【図6】(a)及び(b)は排水材の接続パーツを例示
した破断斜視図である。
【図7】(a)〜(c)は、排水材の他の実施態様を示
す破断斜視図である。
【図8】軟弱地盤を改良するための盛土内に、この発明
の工事用排水材を配設した場合の実施例を示す略示断面
図である。
【図9】図8の実施例に用いた工事用排水材の構成を拡
大して示す斜視図である。
【図10】図8の実施例に用いた工事用排水材の構成を
拡大して示す断面図である。
【図11】この発明の工事用排水材を構成するメッシュ
状織布に関する目詰まり耐久性の実験に用いた透水試験
装置の概略の構成を示す説明図である。
【図12】流量の経時的変化に関する実験結果を示すチ
ャートである。
【図13】試験後の細粒分含有率の深度分布に関する実
験結果を示すチャートである。
【符号の説明】
10 工事用排水材 16、40 コア材 17、41 織布(メッシュ状織布) 18、42 保護材 22 路盤材 23 工事用仮設道路 36 盛土 E 軟弱地盤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 勝 東京都品川区西五反田4−11−9 (72)発明者 西林 清茂 東京都清瀬市下清戸4丁目640番地 株 式会社大林組技術研究所内 (72)発明者 高橋 真一 東京都清瀬市下清戸4丁目640番地 株 式会社大林組技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭51−143962(JP,A) 特開 昭52−8566(JP,A) 特開 昭64−90308(JP,A) 実開 平4−9430(JP,U) 実開 平2−6735(JP,U) 実開 昭60−45737(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02B 11/00 E02D 3/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟弱地盤の改良のための盛土の底面や、
    湧水の生じる地盤上に設置される仮設道路の路盤材中な
    どに配設されて、これらの盛土や路盤材等の覆土あるい
    は周囲の地盤から浸出する水を排水するための工事用の
    排水材であって、 該排水材が、前記覆土の重量やこれの上方を通過する工
    事用車輛の重量等の上載荷重に耐えうる圧縮強度及び前
    記覆土内に通水断面を形成し得る通水性と厚さとを備え
    るコア材と、該コア材の表面を覆って取り付けた、前記
    覆土の0.075mm以下の細粒分を容易に通過させ得る
    0.3〜2mmの目の大きさのメッシュ状織布とからなる
    ことを特徴とする工事用仮設道路に用いられる排水材。
  2. 【請求項2】 前記コア材の表面を覆って取り付けた
    ッシュ状織布の表面には、これを覆って取り付けた保護
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の工
    事用仮設道路に用いられる排水材。
  3. 【請求項3】 前記メッシュ状織布が、合成樹脂で含浸
    又は塗布されてなることを特徴とする請求項1又は請求
    項2に記載の工事用仮設道路に用いられる排水材。
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