JP3144717U - 炭酸ガス浴用カバー - Google Patents

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Abstract

【課題】少量の炭酸ガスでも効率的に人体の皮膚から吸収させることが可能な炭酸ガス浴用カバーを提供する。
【解決手段】所定値以上の濃度の炭酸ガスを水蒸気を含ませた状態で封入して人体の皮膚に直接接触させることにより、その人体の血管を拡張させ血液循環を改善させるための炭酸ガス浴用カバーであって、前記人体の皮膚を覆う袋状のカバー本体11と、前記カバー本体11の開口部に設けられ、この開口部を締め付けて前記炭酸ガス及び水蒸気の放散を防ぐ締付手段12と、前記カバー本体11内部に炭酸ガス及び水蒸気を導入するためこのカバー本体11内部と連通し、内部に逆流防止弁を有する炭酸ガス供給口13と、を備える。
【選択図】図1

Description

本考案は、炭酸ガスを人体(動物も含む)の皮膚に直接接触させて血液循環を改善させるための炭酸ガス浴に用いる炭酸ガス浴用カバーに関する。
従来から、炭酸ガス(二酸化炭素:CO)は生体の皮膚に触れるだけでその皮下に浸透し、浸透部位の血管を拡張させて血液循環を改善する作用があることが知られている。そしてこの血行促進作用により、血圧降下、代謝の改善、疼痛物質や老廃物の排除促進等、様々な生理的効果を発揮する。このため、近年、炭酸ガス浴は医療目的のほか、健康増進、美容促進といった点からも広く注目を集めている。
炭酸ガスを人体に吸収させるための従来技術の例として、最も広く利用されているのは、浴槽内の湯中に投入すると炭酸ガスを発生する入浴剤である。この入浴剤は、湯中に入れると入浴剤中に含まれる炭素塩と酸が反応することにより炭酸ガスを発生させ、湯中に溶解させる。この湯中に溶解した炭酸ガスを入浴する人の皮膚に接触させて皮下に浸透させ、上記のような生理的効果を発揮させる。
さらに、炭酸ガスをより多く人体に接触させる従来技術として、炭酸ガス入浴装置が知られている。これは湯中に炭酸ガスを噴出、拡散させて、高濃度に溶解させる装置である。
しかしながら、上記の従来技術は、何れも入浴時において浴湯の中に炭酸ガスを溶け込ませ、人体の皮膚から炭酸ガスを吸収させようとするものである。そのため、その使用が入浴時に限定されてしまうという難点があった。また、炭酸ガスは水に溶けやすい一方で水から発散しやすいため、多量の炭酸ガスを消費しても皮膚からの吸収率が決して高くないという問題もある。
また、上記の入浴剤は、手軽である一方、市販の炭酸ガス入浴剤を使用して得られる炭酸ガス濃度は通常100ppm程度であり、高濃度(例えば1000ppm)の炭酸湯を作ることは難しい。
さらに、上記の炭酸ガス入浴装置では、高額かつ大型の設備を浴場に設置する必要がある。また、高濃度の炭酸ガスが溶解した浴湯を得られる一方で、炭酸ガスは空気中で濃度が高くなると人体にとって有害となるため、狭い浴場に炭酸ガスが充満しないよう常に配慮する必要がある。
本考案は、上記状況に鑑みて、少量の炭酸ガスでも効率的に人体の皮膚から吸収させることが可能な炭酸ガス浴用カバーを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本考案は、所定値以上の濃度の炭酸ガスを水蒸気を含ませた状態で封入して人体の皮膚に直接接触させることにより、その人体の血管を拡張させ血液循環を改善させるための炭酸ガス浴用カバーであって、前記人体の皮膚を覆う袋状のカバー本体と、前記カバー本体の開口部に設けられ、この開口部を締め付けて前記炭酸ガス及び水蒸気の放散を防ぐ締付手段と、前記カバー本体内部に炭酸ガス及び水蒸気を導入するためこのカバー本体内部と連通し、内部に逆流防止弁を有する炭酸ガス供給口と、を備えることを特徴とする炭酸ガス浴用カバーを提供するものである。
ここで、前記締付手段は、ゴム、紐、または面ファスナーのうち何れか一つまたは複数の組み合わせにより構成されるのが好ましい。また、前記カバー本体内部の人体の皮膚に接触する面に、その人体の皮膚に対して粘着性を有する貼着手段を一つまたは複数設けるのが好適である。
なお、前記カバー本体の形状は、少なくとも人体の手指、手の平、及び手の甲を覆う手袋形状、あるいは、さらに少なくとも前腕を覆う長手袋形状であるのが良い。または、少なくとも人体の足指、足底、及び足の甲を覆う靴下形状、あるいは、さらに少なくとも踝及び下肢を覆う長靴下形状であるのが良い。
また、前記カバー本体は天然ゴム、シリコンゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド系樹脂、ポリテトラフルオロエチレンのうち何れか一つまたは複数の組み合わせにより形成されるのが好ましい。
本考案によれば、従来のように大量の炭酸ガスを必要とせず、効率的に炭酸ガスを皮膚から吸収させることが可能となる。
以下、本考案の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本考案の一実施形態に係る炭酸ガス浴用カバーの全体概略図、図2は、その炭酸ガス浴用カバーの装着状態を示す模式図である。
本実施形態に係る炭酸ガス浴用カバー10は、これらの図に示すように、人体の皮膚を覆う袋状のカバー本体11と、このカバー本体11の開口部に設けられ開口部を締め付けて炭酸ガスの放散を防ぐ締付部12と、カバー本体11の内部に炭酸ガスを導入する炭酸ガス供給口13とから構成される。
カバー本体11は、人体の部位(ここでは例として、手)を被覆できる程度の大きさの袋体から構成される。カバー本体12は、非通気性素材の織布または不織布等から形成される。例えば、天然ゴム、シリコンゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等からなるのが好適である。
カバー本体11の開口部には、炭酸ガスの漏出を防ぐための締付部12が設けられている。ここでは一例として、締付部12は紐12aと紐止め12bから構成される。締付部12は上記のような紐のほか、ゴム、面ファスナー等を単独あるいは複数組み合わせて構成しても良い。
カバー本体11の開口部には、上記の締付部12のほか、カバー本体11内の密閉性を高めるためにさらに、貼着部14が設けられている。貼着部14は使用者の皮膚に粘着する素材からなり、カバー本体11の開口部や締付部12の内側面のほか、使用者の皮膚が接触する面に複数設けても良い。貼着部14は、例えばポリウレタンやシリコンゴム等からなる粘弾性ゲルであるのが好ましい。また、取り外し可能であり、使用の都度あるいは粘性が弱くなれば交換できる構成とするのが最適である。
炭酸ガス供給口13は、カバー本体11内部に炭酸ガスを導入するためにカバー本体11と連通して設けられている。この炭酸ガス供給口13に炭酸ガスボンベ等の炭酸ガスの供給手段を接続して、カバー本体11内に炭酸ガスを供給する。炭酸ガスの逆流を防止するため、この炭酸ガス供給口13内部には逆流防止弁が配置されている。
カバー本体11内には、例えば炭酸ガスボンベ等からの炭酸ガスを供給する。なお、炭酸ガスは水蒸気とともに供給されることにより皮膚からの吸収が高まることが従来から知られている。そこで炭酸ガスは水蒸気を含んだ状態で供給する。水蒸気は、微細なミスト状にして供給するのが好ましく、そのミストの粒径は10μm以下であるのが最適である。また、水蒸気には、メンソール等の清涼作用を生じさせる薬剤や、血行をより促進させるビタミンE、美肌効果の高いビタミンC、炭酸ガスの臭気を除去するためのシクロデキストリン、皮膚表面に付着している細菌等を殺菌するための薬剤(例えば光触媒とアパタイトの複合体)等をさらに混合して供給し、炭酸ガスの生理作用との相乗効果を生じさせることも可能である。
また、カバー本体11内には、炭酸ガス濃度計や圧力計を挿入しても良い。
以下、本実施形態に係る炭酸ガス浴カバーを用いた炭酸ガス浴の方法を説明する。まず、袋状のカバー本体11を広げ、炭酸ガス浴を行いたい部位(ここでは手)をカバー本体11内に挿入する。さらに、炭酸ガスボンベ等の炭酸ガス供給手段を、チューブ等を介して炭酸ガス供給口13に接続する。次いで、カバー本体11内の空気をできるだけ抜いた状態で、締付部12の紐12aを引いて締め付け、そのままの状態で紐12aを紐止め12bで固定する。さらに、カバー本体11の開口部の貼着部14を手首周りに貼り付けて、カバー本体11内部を略密閉状態とする。次に、炭酸ガス及び水蒸気を、炭酸ガス供給口13を介してカバー本体11内に供給する。カバー本体11内に炭酸ガス及び水蒸気が充填されたら炭酸ガス及び水蒸気の供給を停止し、この状態で炭酸ガス浴を行う。
上記実施形態では、炭酸ガス浴を行う人体の部位として、手(手指、手の平、及び手の甲)を例に挙げて説明したが、本考案の炭酸ガス浴カバーはその他足等の様々な部位に適用することができる。図3〜図5は、本考案の他の実施形態に係る炭酸ガス浴用カバーの装着状態を示す模式図である。
図2が手指、手の平、及び手の甲を覆う短い手袋形状の炭酸ガス浴カバーであったのに対し、図3では、手に加えてさらに前腕も覆う長手袋形状の炭酸ガス浴カバー20を示している。この長手袋形状の炭酸ガス浴カバー20も、カバー本体21と、締付部22と、炭酸ガス供給口23と、貼着部24から構成される。
次に、図4は、足(足指、足底、及び足の甲)用の靴下形状の炭酸ガス浴カバー30を示している。この靴下形状の炭酸ガス浴カバー30も、カバー本体31と、締付部32と、炭酸ガス供給口33と、貼着部34から構成される。
図4が足指、足底、及び足の甲を覆う短い靴下形状の炭酸ガス浴カバー30であったのに対し、図5では、足に加えてさらに踝、下肢も覆う長靴下形状の炭酸ガス浴カバー40を示している。この長靴下形状の炭酸ガス浴カバー40も、カバー本体41と、締付部42と、炭酸ガス供給口43と、貼着部44から構成される。
なお、上記図3〜図5に係る実施形態においては、カバー本体21、31、41の形状が異なる以外は、上記図1に係る実施形態と同様の構成を有するため、各部の説明は省略する。
上記実施形態では、炭酸ガス浴用カバーを人体に適用する例を示したが、本発明の炭酸ガス浴用カバーは、人体以外に動物に用いても良い。
上記のように構成したため、本考案によれば、従来のように大量の炭酸ガスを必要とせず、効率的に炭酸ガスを皮膚から吸収させることが可能となる。
以上、本考案の実施形態について説明したが、本考案は上記実施形態に限定されるものではなく、本考案の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本考案の範囲から排除するものではない。
本考案は、炭酸ガスを人体の皮膚に直接接触させて血液循環を改善させるための炭酸ガス浴に用いる炭酸ガス浴用カバーに関し、産業上の利用可能性を有する。
本考案の一実施形態に係る炭酸ガス浴用カバーの全体概略図である。 本考案の一実施形態に係る炭酸ガス浴用カバー(手指、手の平、及び手の甲を覆う短い手袋形状)の装着状態を示す模式図である。 本考案の他の実施形態に係る炭酸ガス浴用カバー(手指、手の平、手の甲、及び前腕を覆う長手袋形状)の装着状態を示す模式図である。 本考案の他の実施形態に係る炭酸ガス浴用カバー(足指、足底、及び足の甲を覆う短い靴下形状)の装着状態を示す模式図である。 本考案の他の実施形態に係る炭酸ガス浴用カバー(足指、足底、足の甲、踝、及び下肢を覆う長靴下形状)の装着状態を示す模式図である。
符号の説明
10、20、30、40 炭酸ガス浴用カバー
11、21、31、41 カバー本体
12、22、32、42 締付部
12a 紐
12b 紐止め
13、23、33、43 炭酸ガス供給口
14、24、34、44 貼着部

Claims (8)

  1. 所定値以上の濃度の炭酸ガスを水蒸気を含ませた状態で封入して人体の皮膚に直接接触させることにより、該人体の血管を拡張させ血液循環を改善させるための炭酸ガス浴用カバーであって、
    前記人体の皮膚を覆う袋状のカバー本体と、
    前記カバー本体の開口部に設けられ、該開口部を締め付けて前記炭酸ガス及び水蒸気の放散を防ぐ締付手段と、
    前記カバー本体内部に炭酸ガス及び水蒸気を導入するため該カバー本体内部と連通し、内部に逆流防止弁を有する炭酸ガス供給口と、
    を備えることを特徴とする炭酸ガス浴用カバー。
  2. 前記締付手段が、ゴム、紐、または面ファスナーのうち何れか一つまたは複数の組み合わせにより構成されることを特徴とする請求項1に記載の炭酸ガス浴用カバー。
  3. 前記カバー本体内部の人体の皮膚に接触する面に、該人体の皮膚に対して粘着性を有する貼着手段を一つまたは複数設けることを特徴とする請求項1または2に記載の炭酸ガス浴用カバー。
  4. 前記カバー本体の形状が、少なくとも人体の手指、手の平、及び手の甲を覆う手袋形状であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の炭酸ガス浴用カバー。
  5. 前記カバー本体の形状が、さらに少なくとも前腕を覆う長手袋形状であることを特徴とする請求項4に記載の炭酸ガス浴用カバー。
  6. 前記カバー本体の形状が、少なくとも人体の足指、足底、及び足の甲を覆う靴下形状であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の炭酸ガス浴用カバー。
  7. 前記カバー本体の形状が、さらに少なくとも踝及び下肢を覆う長靴下形状であることを特徴とする請求項6に記載の炭酸ガス浴用カバー。
  8. 前記カバー本体は天然ゴム、シリコンゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド系樹脂、ポリテトラフルオロエチレンのうち何れか一つまたは複数の組み合わせにより形成されることを特徴とする請求項1に記載の炭酸ガス浴用カバー。
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