JP3150690U - ガスミスト圧浴用カバー - Google Patents

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Abstract

【課題】少量の炭酸ガス、酸素又は酸素と炭酸ガスとの混合ガスでも効率的に生体の皮膚及び粘膜から吸収させるとともに、カバー内の空気等の排出や、カバー内部の圧力調整を簡単に行うことができるガスミスト圧浴用カバーを提供する。【解決手段】所定濃度の炭酸ガス、酸素又は酸素と炭酸ガスとの混合ガスと液体を破砕溶解させたミストを封入して生体の皮膚及び粘膜に直接接触させるためのガスミスト圧浴用カバー100であって、生体の皮膚及び粘膜を覆う袋状の生体カバー部材101と、生体カバー部材101の開口部に設けられる締付手段102と、ガスミスト圧浴用カバー100内にガスミストを導入するための、内部に逆流防止弁を有するガスミスト供給口103と、ガスミスト圧浴用カバー100内に封入された空気、ガスミスト、及びガスの圧力を調整及び排出する排出部104と、生体カバー部材101内を加圧するための加圧手段105と、を備える。【選択図】図1

Description

本考案は、炭酸ガス、酸素又は酸素と炭酸ガスの混合ガス(本願では、単に「ガス」という)と液体を破砕溶解させたガスミストを生体の皮膚及び粘膜に直接接触させるガスミスト圧浴に用いるガスミスト圧浴用カバーに関する。
従来から、酸素と炭酸ガス(二酸化炭素:CO)は生体の皮膚及び粘膜に触れるだけでその皮下に浸透し、浸透部位の血管を拡張させて血液循環を改善する作用があることが知られている。そしてこの血行促進作用により、血圧降下、代謝の改善、疼痛物質や老廃物の排除促進等、様々な生理的効果を発揮する。また、抗炎症、抗菌作用も有している。このため、近年、酸素や炭酸ガスは医療目的のほか、健康増進、美容促進といった点からも広く注目を集めている。
生体の組織中で二酸化炭素は、赤血球内のヘモグロビンに結合して運ばれた酸素を放出させる働きがある。二酸化炭素濃度の高いところでは、赤血球はより多くの酸素を放出する。このように、赤血球による細胞への酸素の供給は、主に二酸化炭素がコントロールしている。つまり、二酸化炭素なしでは、ヘモグロビンは酸素が結合したままの状態となり、細胞は酸素を受け取ることができなくなってしまう。このように、二酸化炭素は、細胞の活動の結果出てくる老廃物のように思われがちだが、実は体の中で非常に重要な役割を果たしている。
そこで、上記ガスを生体に直接吸収させるため、本考案者は生体の皮膚及び粘膜を覆うガスミスト圧浴用カバーを用いたガスミスト圧浴装置及びガスミスト圧浴システムをこれまでに提案している。
しかしながら、従来の袋状のガスミスト圧浴用カバーでは、カバー内の空気やガスミストを排出するためには、カバーの締付部や止着部をその都度外す手間が必要であるという問題があった。また、ガスミスト圧浴用カバー内の圧力が高くなりすぎた際にも、同様に締付部や止着部を外して一旦開放し、再度ガスミストを送り込まなければならず、非常に煩雑であった。
そこで本考案は、上記状況に鑑みて、少量のガスでも効率的に生体の皮膚及び粘膜から吸収させるとともに、ガスミスト圧浴用カバー内の空気等の排出や、カバー内部の圧力調整を簡単に行うことができるガスミスト圧浴用カバーを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本考案は、所定値以上の濃度の炭酸ガス、酸素又は炭酸ガスと酸素の混合ガスと液体を破砕溶解させたミストを封入して生体の皮膚及び粘膜に直接接触させるためのガスミスト圧浴用カバーであって、前記生体の皮膚及び粘膜を覆う袋状の生体カバー部材と、前記生体カバー部材の開口部に設けられ、その開口部を締め付けて前記ガスミストの放散を防ぐ締付手段と、前記ガスミスト圧浴用カバー内に前記ガスミストを導入するための、内部に逆流防止弁を有するガスミスト供給口と、前記ガスミスト圧浴用カバー内に封入された空気、ガスミスト、及びガスの圧力を調整及び排出する排出部と、前記生体カバー部材内を加圧するための加圧手段と、を備えることを特徴とするガスミスト圧浴用カバーを提供するものである。
なお、本願においては、ガスと液体を接触混合させて破砕し微細な液滴にすることを、破砕溶解という。
ここで、前記締付手段は、ゴム、紐、または面ファスナーのうち何れか一つまたは複数の組み合わせにより構成されるのが好ましい。また、前記生体カバー部材の生体の皮膚及び粘膜に接触する面に、その生体の皮膚及び粘膜に対して粘着性を有する貼着手段を一つまたは複数設けるのが好適である。
なお、前記生体カバー部材の形状は、少なくとも人体の手指、手の平、及び手の甲を覆う手袋形状、あるいは、さらに少なくとも前腕を覆う長手袋形状であるのが良い。または、少なくとも人体の足指、足底、及び足の甲を覆う靴下形状、あるいは、さらに少なくとも踝及び下肢を覆う長靴下形状であるのが良い。
また、前記生体カバー部材は天然ゴム、シリコンゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド系樹脂、ポリテトラフルオロエチレンのうち何れか一つまたは複数の組み合わせにより形成されるのが好ましい。
そして、前記排出部は排出するガスミストの流量又はガスミストの圧力を調整する手段を備えるようにしている。
ところで、前記加圧手段は、前記生体カバー部材に連通された中空のガス溜部から構成され、そのガス溜部を押圧して該ガス溜部内のガスミスト及びガスを、前記生体カバー部材に排出することにより加圧を行うのが好適である。そして、前記ガス溜部と前記生体カバー部材との間に、内部に逆流防止弁を有する接続部を設けるようにしても良い。
あるいは、前記加圧手段は、前記生体カバー部材の狭窄手段から構成され、該狭窄手段によって前記生体カバー部材を端部から狭窄することにより、前記生体カバー部材内の容積を小さくすることで加圧を行うようにしても良い。
または、前記加圧手段が弾性を有するリング部材から構成され、前記リング部材の収縮力により、前記リング部材の内周で前記生体カバー部材の外周を押圧することにより加圧する構成であっても良い。
さらには、前記加圧手段が、前記生体カバー部材を生体の挿入側とガス溜部とに画成する弾性部材からなる遮蔽膜と、前記ガス溜部に接続されるポンプと、から構成され、前記ポンプから前記ガス溜部内に気体を送出することで前記遮蔽膜を前記ガス溜部から前記生体の挿入部側に膨張させることにより加圧を行う構成であっても良い。
本考案によれば、大量の炭酸ガスや酸素を必要とせず、さらにガスミスト圧浴用カバー内の空気等の排出や、カバー内部の圧力調整を簡単に行いながら、効率的にガスミストを生体の皮膚及び粘膜から吸収させることが可能となる。
本考案のガスミスト圧浴用カバーを適用するガスミスト圧浴用システムの一例を示す模式図である。 本考案の一実施形態に係るガスミスト圧浴用カバーの全体概略図である。 本考案の一実施形態に係るガスミスト圧浴用カバー(手指、手の平、及び手の甲を覆う短い手袋形状)の装着状態を示す模式図である。 本考案の他の実施形態に係るガスミスト圧浴用カバーの、生体の様々な部位への装着状態を示す模式図である。 本考案の他の実施形態に係る、異なる加圧部を有するガスミスト圧浴用カバーの装着状態を示す模式図(その1)である。 本考案の他の実施形態に係る、異なる加圧部を有するガスミスト圧浴用カバーの装着状態を示す模式図(その2)である。 本考案の他の実施形態に係る、異なる加圧部を有するガスミスト圧浴用カバーの装着状態を示す模式図(その3)である。 本考案の他の実施形態に係る、異なる加圧部を有するガスミスト圧浴用カバーの装着状態を示す模式図(その4)である。
以下、本考案の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、本考案のガスミスト圧浴用カバーを適用するガスミスト圧浴用システムの概略について説明する。図1は、ガスミスト圧浴用システムの一例を示す模式図である。この図に示すように、ガスミスト圧浴システムは、ガス供給手段11と、液体供給手段21と、液体と上記ガスを破砕溶解させた状態で供給するガスミスト供給手段31と、供給されたガスミストを内部に封入する空間を形成するガスミスト圧浴用カバー100と、ガスミストの生成及び供給制御を行う制御装置51と、から構成される。
ガス供給手段11は、ガスミスト供給手段31にガスを供給する。ただし、ガスミスト圧浴用カバー100内にミストが十分に供給されている場合は、直接ガス供給手段11から上記ガスのみをガスミスト圧浴用カバー100内に供給する。このガス供給手段11としては酸素ガスボンベや炭酸ガスボンベを用いるのが最適である。なお、ガス供給手段11には、ガスの圧力調整のためのレギュレータ12が設けられている。
液体供給手段21は、ポンプ等から構成され、ガスミスト供給装置31に液体を供給する。この液体としては、水またはイオン水、または生理食塩水を用いるのが良い。液体には、メンソール等の清涼作用を生じさせる薬剤や、血行をより促進させるビタミンE、皮膚組織に吸収されやすく美肌効果の高いビタミンC誘導体、皮膚の角化作用を正常にし粘膜を保護するレチノール、皮膚及び粘膜への刺激を和らげるための麻酔薬、酸素、炭酸ガスの臭気を除去するためのシクロデキストリン、皮膚及び粘膜表面に付着している細菌等を殺菌するための薬剤(例えば光触媒とアパタイトの複合体)、保水力に優れ肌の保湿効果を有するヒアルロン酸、細胞を活性化し免疫力を向上させるコエンザイムQ10、抗酸化物質や多量の栄養素を含むシードオイル、抗酸化作用、抗菌作用、抗炎症作用、鎮痛・麻酔作用、免疫作用等を有するプロポリス等を単独あるいは複数組み合わせて混合してガスミスト供給装置31へ供給し、酸素と炭酸ガスの生理作用との相乗効果を生じさせることも可能である。
また、図1に示すように、複数の液体供給手段21A、21Bを配置し、それぞれ異なる液体を供給するようにしても良い。この液体供給手段21には、供給圧調整のための圧力計22(22A、22B)をそれぞれ設ける。また、液体を加温する(例えば水を40℃程度の湯にする)ためのヒータ(図示せず)や、温度制御のための温度計(図示せず)をそれぞれ設けるのが望ましい。
ガスミスト供給装置31は、液体供給手段21から供給された液体とガス供給手段11から供給されたガスとを破砕溶解させたミスト状態でガスミスト圧浴用カバー100内に加圧供給する装置である。炭酸ガス、酸素又は酸素と炭酸ガスとの混合ガスは、液体と破砕溶解させたミスト状態で供給することで、皮膚及び粘膜からの吸収が促進される。この際、ミストの粒径は10μm以下であるのが最適である。ここでは、流体ノズル32を備え、ガス供給手段11から供給されたガスの高速流を利用して液体を破砕溶解させてミストとし、ガスミスト圧浴用カバー100内に供給する例を示している。このほか、液体中にガスを高圧で噴射することによりガスミストを生成する装置等、様々な方式のガスミスト供給装置を用いることができる。
制御装置51は、CPU、メモリ、ディスプレイを備えたコンピュータから構成される。そして、ガス供給手段11から供給されるガスの圧力やオン・オフ切替、ガスミスト供給装置31/ガスミスト圧浴用カバー100へのガスの供給切替、液体供給手段21からの液体の供給圧や温度、供給のオン・オフ切替、ガスミスト供給装置31からのガスミストの供給のオン・オフ切替等の各種制御を行い、最適な状態でガスミスト圧浴が行えるようにする。
ガスミスト圧浴用カバー100は、生体(ここでは例として人体の手部)の皮膚及び粘膜を覆い、ガスミスト及びガスを内部に封入する空間を形成できるカバーである。図2は、本考案の一実施形態に係るガスミスト圧浴用カバーの全体概略図、図3は、そのガスミスト圧浴用カバーの装着状態を示す模式図である。
ガスミスト圧浴用カバー100は、これらの図に示すように、生体の皮膚及び粘膜を覆う袋状の生体カバー部材101と、この生体カバー部材101の開口部に設けられ、開口部を閉じてガスミスト及びガスの放散を防ぐ締付部102と、内部に逆流防止弁を備え、ガスミスト圧浴用カバー100の内部にガスミスト及びガスを導入するガスミスト供給口103と、ガスミスト圧浴用カバー100の内部の空気やガスミスト、ガスの圧力を調整し排出するための排出部104と、生体カバー部材101内を加圧するための加圧部105と、から構成される。ここで、排出部104は、排出するガスミストの流量又はガスミストの圧力を調整する手段を備えるようにしている。なお、図示107は、加圧部105と生体カバー部材101とを接続する接続部である。この接続部107内には、加圧部105から生体カバー部材101への気体の流れの逆流を防ぐ逆流防止弁が設けられている。
生体カバー部材101は、生体の部位(ここでは例として、人体の手部)を被覆できる程度の大きさの袋体から構成される。また、生体カバー部材101は、非通気性素材の織布または不織布等から形成される。例えば、天然ゴム、シリコンゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等からなるのが好適である。
生体カバー部材101の開口部には、ガスミスト及びガスの漏出を防ぐための締付部102が設けられている。ここでは一例として、締付部102は紐102aと紐止め102bから構成される。締付部102は上記のような紐のほか、ゴム、面ファスナー等を単独あるいは複数組み合わせて構成しても良い。
生体カバー部材101の開口部には、上記の締付部102のほか、生体カバー部材101内の密閉性を高めるためにさらに、貼着部106が設けられている。貼着部106は生体の皮膚及び粘膜に粘着する素材からなり、生体カバー部材101の開口部や締付部102の内側面のほか、生体の皮膚及び粘膜が接触する面に複数設けても良い。貼着部106は、例えばポリウレタンやシリコンゴム等からなる粘弾性ゲルであるのが好ましい。また、取り外し可能であり、使用の都度あるいは粘性が弱くなれば交換できる構成とするのが最適である。
ガスミスト供給口103は、ガスミスト圧浴用カバー100内部にガスミスト及びガスを導入するためにガスミスト圧浴用カバー100と連通して設けられている。このガスミスト供給口103にガスミスト供給装置31やガス供給手段11等の供給手段を接続して、ガスミスト圧浴用カバー100内にガスミスト及びガスを供給する。ガスミスト及びガスの逆流を防止するため、このガスミスト供給口103内部には逆流防止弁が配置されている。なお、本実施形態のガスミスト圧浴用カバー100では、ガスミスト供給装置31とガス供給手段11からのガスミスト及びガスは、まず供給部103から加圧部105に供給され、接続部107を介して生体カバー部材101内に供給される。
排出部104は、ガスミスト圧浴用カバー100内の空気を抜く際や、ガスミスト圧浴用カバー100内のガスミストやガスを抜いて圧力を調整する際に、それら空気やガスミスト及びガスを排出するための通気口である。排出部104は、通常時は弁やキャップ等で通気を防止しており、上記排出を行う際にのみ開弁させたりキャップを外したりすることにより通気が可能になる構造を有している。
加圧部105は、生体カバー部材101内を加圧する手段であり、ここでは生体カバー部材101と接続部107を挟んで連通している中空のガス溜から構成されている。生体カバー部材101内にガスミスト及びガスを導入した後、さらに加圧部105にガスミストまたはガスを溜め、図3の矢印に示す通り加圧部105を押し潰すように加圧すると、接続部107を介して加圧部105内のガスミストまたはガスが生体カバー部材101へ排出される。これにより生体カバー部材101内が加圧される。
なお、加圧部105は、手動で押圧する構成としても良いし、駆動装置等を用いて制御手段51の制御で機械的に行っても良い。ガスミスト圧浴における加圧は、所定のインターバルでパルス状に行うことにより効果が高まるため、加圧部105を一定のリズムで間歇的に押圧させても良い。その際の加圧の間隔は、脈の拍動にほぼ同期させると効果が高くなる。
生体カバー部材101内には、その内部の圧力を計測するための圧力計61が設置されている。制御装置51は、ガスミスト圧浴用カバー100内の圧力値を1気圧以上(より好適には1.05乃至2.5気圧程度)に保つため、この圧力計61の計測値に基づき、ガスミスト及びガスの供給と加圧部105での加圧を制御する。また、ガスミスト圧浴用カバー100の内部にはガスミスト圧浴用カバー100内の温度を計測するための温度計62が設置されている。制御装置51は、ガスミスト圧浴用カバー100内を温浴効果が得られる設定温度(例えば38℃程度)に保つため、温度計62の計測値に基づき液体供給手段21に設けられたヒータのオン・オフ等を行う。
そこで、上記のガスミスト圧浴システムと本考案のガスミスト圧浴用カバーを用いたガスミスト圧浴の方法を説明する。まず、袋状の生体カバー部材101を広げ、ガスミスト圧浴を行いたい生体の部位(ここでは人体の手部)を生体カバー部材101内に挿入する。次いで、締付部102の紐102aを引いて締め付け、紐102aを紐止め102bで固定する。さらに、生体カバー部材101の開口部の貼着部106を手首周りに貼り付けて、生体カバー部材101内部を略密閉状態とする。また、排出部104から内部の空気をできるだけ排出しておく。それからガス供給手段11からガスを、液体供給手段21から液体を、ガスミスト供給装置31へ供給する。その際制御装置51は、液体及びガスの供給圧や量、温度等の調整を行う。ガスミスト供給装置31はガスと液体の破砕溶解ミストを生成し、これを供給口103、加圧部105、接続部107を介して生体カバー部材101内へ供給する。生体カバー部材101内にミストが十分に充填された場合は、ガス供給手段11から直接ガスのみを生体カバー部材101内に供給する。このとき、生体カバー部材101内にはガスが約95−97%、液体が約3−5%の割合で存在するようにする。ミスト中には約40ppmの濃度でガスが溶解しており、その気泡サイズは約232pmとなる。また制御装置51は、温度計62の計測値から、生体カバー部材101内が最適な加温状態(約38℃)となるよう制御する。そして、生体カバー部材101と加圧部105に最適な量のガスミストまたはガスが溜まったところで制御装置51はガスミストまたはガスの供給を一旦停止する。次いで、加圧部105を押し潰すように押圧することで加圧部105内のガスミストまたはガスを生体カバー部材101内に排出し、生体カバー部材101内を適度(約1.05乃至2.5気圧)に加圧する。圧力が高くなりすぎた場合や内部のガスミスト及びガスを入れ替えたい場合は、排出部104から簡便に排気しその調整が可能である。このようにして最適なガスミスト圧浴を行う。
上記実施形態では、ガスミスト圧浴を行う生体の部位として、人体の手部(手指、手の平、及び手の甲)を例に挙げて説明したが、本考案のガスミスト圧浴用カバーは、その他様々な部位に適用することができる。図4は、本考案の他の実施形態に係るガスミスト圧浴用カバーの装着状態を示す模式図である。なお、図4に係る実施形態においては、生体カバー部材201、301、401の形状が異なる以外は、上記図1に係る実施形態と同様の構成を有するため、各部の詳細な説明は省略する。
図3が手指、手の平、及び手の甲を覆う短い手袋形状のガスミスト圧浴用カバーであったのに対し、図4(a)では、手に加えてさらに前腕も覆う長手袋形状のガスミスト圧浴用カバー200を示している。この長手袋形状のガスミスト圧浴用カバー200も、生体カバー部材201と、締付部202と、ガスミスト供給口203と、排出部204と、加圧部205と、貼着部206と、接続部207から構成される。
次に、図4(b)は、足(足指、足底、及び足の甲)用の靴下形状のガスミスト圧浴用カバー300を示している。この靴下形状のガスミスト圧浴用カバー300も、生体カバー部材301と、締付部302と、ガスミスト供給口303と、排出部304と、加圧部305と、貼着部306と、接続部307から構成される。
図4(b)が足指、足底、及び足の甲を覆う短い靴下形状のガスミスト圧浴用カバー300であったのに対し、図4(c)では、足に加えてさらに踝、下肢も覆う長靴下形状のガスミスト圧浴用カバー400を示している。この長靴下形状のガスミスト圧浴用カバー400も、生体カバー部材401と、締付部402と、ガスミスト供給口403と、排出部404と、加圧部405と、貼着部406と、接続部407から構成される。
なお、上記実施形態では加圧部を、接続部を介して生体カバー部材に連通して設けられる中空のガス溜としたが、このほか生体カバー部材内を簡便に加圧できるものであればどのようなものを用いても良い。以下、他の加圧部の構成例について説明する。
図5は、本考案の他の実施形態に係るガスミスト圧浴用カバーの装着状態を示す模式図である。ここでは、加圧部505が生体カバー部材を狭窄させる狭窄リングから構成されるガスミスト圧浴用カバー500について説明する。なお、本実施形態において、生体カバー部材501、供給口503、加圧部505の構成が異なる以外は、上記図1に係る実施形態と同様の構成を有するため、上記以外の各部の詳細な説明は省略する。
このガスミスト圧浴用カバー500は、袋状の生体カバー部材501と、この生体カバー部材501の開口部に設けられ、ガスミスト及びガスの放散を防ぐ締付部502と、内部に逆流防止弁を備え、ガスミスト圧浴用カバー500の内部にガスミスト及びガスを導入するガスミスト供給口503と、ガスミスト圧浴用カバー500の内部の空気やガスミスト、ガスの圧力を調整し排出するための排出部504と、生体カバー部材501内を加圧するための加圧部(狭窄リング)505と、から構成される。
加圧部(狭窄リング)505は、ゴム等の弾性部材から形成された、細孔を有するリングである。その細孔に袋状の生体カバー部材501の先端部(袋底部)501aを通して図5の矢印方向にスライドさせると、先端部(袋底部)501aは加圧部(狭窄リング)505の細孔によって狭窄され、ガスミスト及びガスは生体カバー部材501の先端部(袋底部)501a近傍から生体カバー部材501の生体を挿入した側へ移動する。このように加圧部(狭窄リング)505は、スライドすることにより、先端部(袋底部)501a近傍からガスミスト及びガスを抜きながら、生体カバー部材501内を加圧(約1.05乃至2.5気圧)する。
なお、本実施形態では、加圧部505として上記の狭窄リングに代えてクリップ等を用いることもできる。つまり、生体カバー部材501の先端部501aから狭窄することによってガスミスト及びガスを抜き、生体カバー部材501内の加圧を行うことができるものであれば、何を用いても良い。加圧部505は手動でスライド、固定させる構成であっても良いし、制御手段51の制御により駆動装置等でこれらの動作を機械的に行うものであっても良い。また、加圧部505のスライド動作による加圧は、所定のインターバルでパルス状に行うようにしても良い。さらに、上記実施形態では適用する生体の部位として人体の手部を例に図示したが、このほか様々な部位に適用できることは言うまでもない。
次に、加圧部605が略球状の中空のガス溜からなるガスミスト圧浴用カバー600について説明する。図6は、本考案の他の実施形態に係るガスミスト圧浴用カバーの装着状態を示す模式図である。なお、本実施形態において、生体カバー部材601、供給口603、加圧部605の構成が異なる以外は、上記図1に係る実施形態と同様の構成を有するため、上記以外の各部の詳細な説明は省略する。
このガスミスト圧浴用カバー600は、袋状の生体カバー部材601と、この生体カバー部材601の開口部に設けられ、ガスミスト及びガスの放散を防ぐ締付部602と、内部に逆流防止弁を備え、ガスミスト圧浴用カバー600の内部にガスミスト及びガスを導入するガスミスト供給口603と、ガスミスト圧浴用カバー600の内部の空気やガスミスト、ガスの圧力を調整し排出するための排出部604と、生体カバー部材601内を加圧するための加圧部(ガス溜)605と、から構成される。
加圧部(ガス溜)605は、生体カバー部材601と連通して設けられた略球状のガス溜から構成される。生体カバー部材601とは縊れ部605aにより区切られている。そして、この加圧部(ガス溜)605を押し潰すように押圧することによりガスミストまたはガスを生体カバー部材601内に排出し、生体カバー部材101内を適度(約1.05乃至2.5気圧)に加圧する。
なお、加圧部605には専用のカバーを設けるようにしても良い。また、加圧部605の押圧は手動であっても制御手段51により駆動装置等で機械的に行うものであっても良い。また、加圧部605による加圧は、所定のインターバルでパルス状に行うようにしても良い。さらに、上記実施形態では適用する生体の部位として人体の手部を例に図示したが、このほか様々な部位に適用できることは言うまでもない。
次に、加圧部705が生体カバー部材701を外側から押圧する押圧リングからなるガスミスト圧浴用カバー700について説明する。図7は、本考案の他の実施形態に係るガスミスト圧浴用カバーの装着状態を示す模式図である。なお、本実施形態において、生体カバー部材701、供給口703、加圧部705の構成が異なる以外は、上記図1に係る実施形態と同様の構成を有するため、上記以外の各部の詳細な説明は省略する。
このガスミスト圧浴用カバー700は、袋状の生体カバー部材701と、この生体カバー部材701の開口部に設けられ、ガスミスト及びガスの放散を防ぐ締付部702と、内部に逆流防止弁を備え、ガスミスト圧浴用カバー700の内部にガスミスト及びガスを導入するガスミスト供給口703と、ガスミスト圧浴用カバー700の内部の空気やガスミスト、ガスの圧力を調整し排出するための排出部704と、生体カバー部材701内を加圧するための加圧部(押圧リング)705と、から構成される。
加圧部(押圧リング)705は、ゴムやコイルばね等の弾性部材から構成された、中央に孔を有するリングである。その孔に袋状の生体カバー部材701の先端部(袋底部)701aを通し、生体カバー部材701を加圧部(押圧リング)705の収縮力によって外側から押圧する。なお、生体カバー部材701には加圧部(押圧リング)705のズレを防ぐために、縊れ部701bが形成されている。この縊れ部701bに加圧部(押圧リング)705を掛けてその収縮力によって外側から押圧することにより、生体カバー部材701内を適度(約1.05乃至2.5気圧)に加圧する。
なお、上記実施形態では適用する生体の部位として人体の手部を例に図示したが、このほか様々な部位に適用できることは言うまでもない。
次に、加圧部805が主に生体カバー部材801に隣接したガス溜805bとポンプ(シリンジ)805cから構成されるガスミスト圧浴用カバー800について説明する。図8は、本考案の他の実施形態に係るガスミスト圧浴用カバーの装着状態を示す模式図である。なお、本実施形態において、生体カバー部材801、供給口803、加圧部805の構成が異なる以外は、上記図1に係る実施形態と同様の構成を有するため、上記以外の各部の詳細な説明は省略する。
このガスミスト圧浴用カバー800は、袋状の生体カバー部材801と、この生体カバー部材801の開口部に設けられ、ガスミスト及びガスの放散を防ぐ締付部802と、内部に逆流防止弁を備え、ガスミスト圧浴用カバー800の内部にガスミスト及びガスを導入するガスミスト供給口803と、ガスミスト圧浴用カバー800の内部の空気やガスミスト、ガスの圧力を調整し排出するための排出部804と、生体カバー部材801内を加圧するための加圧部805と、から構成される。
加圧部805は、生体カバー部材801内にガス溜805bを画成するように設けられた遮蔽膜805aと、この遮蔽膜805aによって生体カバー部材801内に形成されたガス溜805bと、このガス溜805bに空気を注入するシリンジ805cから構成される。なお、805dはガス溜805bとシリンジ805cとが接続される空気注入口である。
遮蔽膜805aは、弾性及び非通気性を有する素材(例えばシリコンゴム、ラテックスゴム等)から構成され、生体カバー部材801内にガス溜805bを画成する。ガス溜805bにはシリンジ805cと接続するための空気注入口805dが形成されている。そして、遮蔽膜805aで区切られたガス溜805bに、シリンジ805cによって空気を送気することによって、弾性素材からなる遮蔽膜805aを生体の挿入側に風船状に膨張させる。これにより生体カバー部材701内を適度(約1.05乃至2.5気圧)に加圧する。
なお、本実施形態では、加圧部805のシリンジ805cは手動でガス溜805bに空気を送出する構成であっても良いし、制御手段51の制御により駆動装置等でこれらの動作を機械的に行うものであっても良い。また、シリンジ805cの動作は、所定のインターバルでパルス状に行うようにしても良い。さらに、上記実施形態では適用する生体の部位として人体の手部を例に図示したが、このほか様々な部位に適用できることは言うまでもない。
なお、上記した各実施形態では、ガスミスト圧浴用カバーを人体に適用する例を示したが、本考案のガスミスト圧浴用カバーは、人体に限らず動物等に用いても良い。
上記のように構成したため、本考案によれば、大量のガスを必要とせず、さらにガスミスト圧浴用カバー内の空気等の排出や、カバー内部の圧力調整を簡単に行いながら、効率的にガスミストを生体の皮膚及び粘膜から吸収させることが可能となる。
以上、本考案の実施形態について説明したが、本考案は上記実施形態に限定されるものではなく、本考案の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本考案の範囲から排除するものではない。
本考案は、炭酸ガス、酸素又は酸素と炭酸ガスの混合ガスと液体を破砕溶解させたガスミストを生体の皮膚及び粘膜に直接接触させて血液循環を改善させるためのガスミスト圧浴に用いるガスミスト圧浴用カバーに関し、産業上の利用可能性を有する。
11 ガス供給手段
12 レギュレータ
21、21A、21B 液体供給手段
22、22A、22B 圧力計
31 ガスミスト供給手段
32 流体ノズル
51 制御装置
61 圧力計
62 温度計
100、200、300、400、500、600、700、800 ガスミスト圧浴用カバー
101、201、301、401、501、601、701、801 生体カバー部材
102、202、302、402、502、602、702、802 締付部
102a 紐
102b 紐止め
103、203、303、403、503、603、703、803 ガスミスト供給口
107、207、307、407 接続部
104、204、304、404、504、604、704、804 排出部
105、205、305、405、505、605、705、805 加圧部
106、206、306、406、506、606、706、806 貼着部
501a、701a 先端部(袋底部)
605a、701b 縊れ部
805a 遮蔽膜
805b ガス溜
805c シリンジ
805d 空気注入口

Claims (12)

  1. 所定値以上の濃度の炭酸ガス、酸素又は酸素と炭酸ガスとの混合ガス(以下、「ガス」という)と液体を破砕溶解させたガスミストを封入して生体の皮膚及び粘膜に直接接触させるためのガスミスト圧浴用カバーであって、
    前記生体の皮膚及び粘膜を覆う袋状の生体カバー部材と、
    前記生体カバー部材の開口部に設けられ、該開口部を締め付けて前記ガスミストの放散を防ぐ締付手段と、
    前記ガスミスト圧浴用カバー内に前記ガスミストを導入するための、内部に逆流防止弁を有するガスミスト供給口と、
    前記ガスミスト圧浴用カバー内に封入された空気、ガスミスト、及びガスの圧力を調整及び排出する排出部と、
    前記生体カバー部材内を加圧するための加圧手段と、
    を備えることを特徴とするガスミスト圧浴用カバー。
  2. 前記締付手段が、ゴム、紐、または面ファスナーのうち何れか一つまたは複数の組み合わせにより構成されることを特徴とする請求項1に記載のガスミスト圧浴用カバー。
  3. 前記生体カバー部材の生体の皮膚及び粘膜に接触する面に、該生体の皮膚及び粘膜に対して粘着性を有する貼着手段を一つまたは複数設けることを特徴とする請求項1または2に記載のガスミスト圧浴用カバー。
  4. 前記生体カバー部材の形状が、少なくとも人体の手指、手の平、及び手の甲を覆う手袋形状、又は少なくとも前腕を覆う長手袋形状であることを特徴とする請求項3に記載のガスミスト圧浴用カバー。
  5. 前記生体カバー部材の形状が、少なくとも人体の足指、足底、及び足の甲を覆う靴下形状、又は少なくとも踝及び下肢を覆う長靴下形状であることを特徴とする請求項3に記載のガスミスト圧浴用カバー。
  6. 前記生体カバー部材は天然ゴム、シリコンゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド系樹脂、ポリテトラフルオロエチレンのうち何れか一つまたは複数の組み合わせにより形成されることを特徴とする請求項1に記載のガスミスト圧浴用カバー。
  7. 前記排出部は、排出するガスミストの流量又はガスミストの圧力を調整する手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載のガスミスト圧浴用カバー。
  8. 前記加圧手段が、前記生体カバー部材に連通された中空のガス溜部から構成され、
    該ガス溜部を押圧して該ガス溜部内のガスミスト及びガスを、前記生体カバー部材に排出することにより加圧を行うことを特徴とする請求項1に記載のガスミスト圧浴用カバー。
  9. 前記ガス溜部と前記生体カバー部材との間に、内部に逆流防止弁を有する接続部を設けることを特徴とする請求項8に記載のガスミスト圧浴用カバー。
  10. 前記加圧手段が、前記生体カバー部材の狭窄手段から構成され、
    該狭窄手段によって前記生体カバー部材を端部から狭窄することにより、前記生体カバー部材内の容積を小さくすることで加圧を行うことを特徴とする請求項1に記載のガスミスト圧浴用カバー。
  11. 前記加圧手段が弾性を有するリング部材から構成され、
    前記リング部材の収縮力により、前記リング部材の内周で前記生体カバー部材の外周を押圧することにより加圧することを特徴とする請求項1に記載のガスミスト圧浴用カバー。
  12. 前記加圧手段が、前記生体カバー部材を生体の挿入側とガス溜部とに画成する弾性部材からなる遮蔽膜と、前記ガス溜部に接続されるポンプと、から構成され、
    前記ポンプから前記ガス溜部内に気体を送出することで前記遮蔽膜を前記ガス溜部から前記生体の挿入部側に膨張させることにより加圧を行うことを特徴とする請求項1に記載のガスミスト圧浴用カバー。
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