JP3150692U - ガスミスト圧浴用カバー - Google Patents

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Abstract

【課題】少量の炭酸ガス、酸素又は酸素と炭酸ガスとの混合ガスでも効率的に生体の皮膚及び粘膜から吸収させるとともに、カバー内の空気等の排出や、カバー内部の圧力調整を簡単に行うことができるガスミスト圧浴用カバーを提供する。【解決手段】生体の皮膚及び粘膜を覆う生体カバー部材と、その生体カバー部材の周縁に設けられ生体の皮膚及び粘膜に貼着する貼着部と、ガスミスト圧浴用カバー105内にガスミスト及びガスを導入するための、内部に逆流防止弁を有するガスミスト供給口と、ガスミスト圧浴用カバー105内に封入された気体の圧力を調整及び排出する排出部104と、生体カバー部材内を加圧するための加圧手段と、を備え、生体カバー部材及び貼着部により内部にガスミスト及びガスを貯留可能なフラット形状のパッチを構成する。【選択図】図1

Description

本考案は、炭酸ガス、酸素又は酸素と炭酸ガスの混合ガス(本願では、単に「ガス」という)と液体を破砕溶解させたガスミストを生体の皮膚及び粘膜に直接接触させるガスミスト圧浴に用いるガスミスト圧浴用カバーに関する。
従来から、酸素と炭酸ガス(二酸化炭素:CO)は生体の皮膚及び粘膜に触れるだけでその皮下に浸透し、浸透部位の血管を拡張させて血液循環を改善する作用があることが知られている。そしてこの血行促進作用により、血圧降下、代謝の改善、疼痛物質や老廃物の排除促進等、様々な生理的効果を発揮する。また、抗炎症、抗菌作用も有している。このため、近年、酸素や炭酸ガスは医療目的のほか、健康増進、美容促進といった点からも広く注目を集めている。
生体の組織中で二酸化炭素は、赤血球内のヘモグロビンに結合して運ばれた酸素を放出させる働きがある。二酸化炭素濃度の高いところでは、赤血球はより多くの酸素を放出する。このように、赤血球による細胞への酸素の供給は、主に二酸化炭素がコントロールしている。つまり、二酸化炭素なしでは、ヘモグロビンは酸素が結合したままの状態となり、細胞は酸素を受け取ることができなくなってしまう。このように、二酸化炭素は、細胞の活動の結果出てくる老廃物のように思われがちだが、実は体の中で非常に重要な役割を果たしている。
そこで、上記ガスを生体に直接吸収させるため、本考案者は生体の皮膚及び粘膜を覆うガスミスト圧浴用カバーを用いたガスミスト圧浴装置及びガスミスト圧浴システムをこれまでに提案している。
しかしながら、従来のガスミスト圧浴用カバーでは、カバー内の空気やガスミストを排出するためには、カバーの貼着部や固定部をその都度外す手間が必要であるという問題があった。また、ガスミスト圧浴用カバー内の圧力が高くなりすぎた際にも、同様に貼着部や固定部を外して一旦開放し、再度ガスミストを送り込まなければならず、非常に煩雑であった。
そこで本考案は、上記状況に鑑みて、少量のガスでも効率的に生体の皮膚及び粘膜から吸収させるとともに、ガスミスト圧浴用カバー内の空気等の排出や、カバー内部の圧力調整を簡単に行うことができるガスミスト圧浴用カバーを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本考案は、所定値以上の濃度の炭酸ガス、酸素又は炭酸ガスと酸素の混合ガスと液体を破砕溶解させたミストを封入して生体の皮膚及び粘膜に直接接触させるためのガスミスト圧浴用カバーであって、前記生体の皮膚及び粘膜を覆う生体カバー部材と、その生体カバー部材の周縁に設けられ、生体カバー部材を生体の皮膚及び粘膜に貼着するための貼着部と、前記ガスミスト圧浴用カバー内にガスミスト及びガスを導入するための、内部に逆流防止弁を有するガスミスト供給口と、前記ガスミスト圧浴用カバー内に封入された空気、ガスミスト、及びガスの圧力を調整及び排出する排出部と、前記生体カバー部材内を加圧するための加圧手段と、を備え、前記生体カバー部材及び前記貼着部により内部にガスミスト及びガスを貯留可能なフラット形状のパッチを構成することを特徴とするガスミスト圧浴用カバーを提供するものである。
なお、本願においては、ガスと液体を接触混合させて破砕し微細な液滴にすることを、破砕溶解という。
ここで、前記ガスミスト圧浴用カバーを生体に固定するための固定手段をさらに備えるのが好適である。この固定手段は、ゴム、紐、面ファスナー、ワンタッチバックルのうち何れか一つまたは複数の組み合わせより構成されるのが好ましい。
また、前記カバー部材は、天然ゴム、シリコンゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド系樹脂、ポリテトラフルオロエチレンのうち何れか一つまたは複数の組み合わせにより形成されるのが好適である。
そして、前記排出部は排出するガスミストの流量又はガスミストの圧力を調整する手段を備えるようにしている。
なお、前記加圧手段は、前記生体カバー部材に連通された中空のガス溜部から構成し、そのガス溜部を押圧してガス溜部内のガスミスト及びガスを、前記生体カバー部材に排出することにより加圧を行うのが好適である。このガス溜部と前記生体カバー部材との間に、内部に逆流防止弁を有する接続部を設けるようにしても良い。
あるいは、前記加圧手段は、前記生体カバー部材の狭窄手段から構成し、この狭窄手段によって前記生体カバー部材を端部から狭窄することにより、前記生体カバー部材内の容積を小さくすることで加圧を行うようにしても良い。
本考案によれば、大量の炭酸ガスや酸素を必要とせず、さらにガスミスト圧浴用カバー内の空気等の排出や、カバー内部の圧力調整を簡単に行いながら、効率的にガスミストを生体の皮膚及び粘膜から吸収させることが可能となる。
本考案のガスミスト圧浴用カバーを適用するガスミスト圧浴用システムの一例を示す模式図である。 本考案の一実施形態に係るガスミスト圧浴用カバーの全体概略図である。 本考案の一実施形態に係るガスミスト圧浴用カバーの装着状態を示す模式図である。 本考案の一実施形態に係るガスミスト圧浴用カバーにおけるカバー本体の縦断面模式図である。 本考案の一実施形態に係るガスミスト圧浴用カバーにおける貼着部の形状の一例を示す模式図である。 本考案の一実施形態に係るガスミスト圧浴用カバーにおける固定手段の構成の一例を示す模式図である。 本考案の他の実施形態に係るガスミスト圧浴用カバーの装着状態を示す模式図(その1)である。 本考案の他の実施形態に係るガスミスト圧浴用カバーの装着状態を示す模式図(その2)である。
以下、本考案の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、本考案のガスミスト圧浴用カバーを適用するガスミスト圧浴用システムの概略について説明する。図1は、ガスミスト圧浴用システムの一例を示す模式図である。この図に示すように、ガスミスト圧浴システムは、ガス供給手段11と、液体供給手段21と、液体と上記ガスを破砕溶解させた状態で供給するガスミスト供給手段31と、供給されたガスミストを内部に封入する空間を形成するパッチ状のガスミスト圧浴用カバー100と、ガスミストの生成及び供給制御を行う制御装置51と、から構成される。
ガス供給手段11は、ガスミスト供給手段31にガスを供給する。ただし、ガスミスト圧浴用カバー100にミストが十分に供給されている場合は、直接ガス供給手段11から上記ガスのみをガスミスト圧浴用カバー100に供給する。このガス供給手段11としては酸素ガスボンベや炭酸ガスボンベを用いるのが最適である。なお、ガス供給手段11には、ガスの圧力調整のためのレギュレータ12が設けられている。
液体供給手段21は、ポンプ等から構成され、ガスミスト供給装置31に液体を供給する。この液体としては、水またはイオン水、または生理食塩水を用いるのが良い。液体には、メンソール等の清涼作用を生じさせる薬剤や、血行をより促進させるビタミンE、皮膚組織に吸収されやすく美肌効果の高いビタミンC誘導体、皮膚の角化作用を正常にし粘膜を保護するレチノール、皮膚及び粘膜への刺激を和らげるための麻酔薬、酸素、炭酸ガスの臭気を除去するためのシクロデキストリン、皮膚及び粘膜表面に付着している細菌等を殺菌するための薬剤(例えば光触媒とアパタイトの複合体)、保水力に優れ肌の保湿効果を有するヒアルロン酸、細胞を活性化し免疫力を向上させるコエンザイムQ10、抗酸化物質や多量の栄養素を含むシードオイル、抗酸化作用、抗菌作用、抗炎症作用、鎮痛・麻酔作用、免疫作用等を有するプロポリス等を単独あるいは複数組み合わせて混合してガスミスト供給装置31へ供給し、酸素と炭酸ガスの生理作用との相乗効果を生じさせることも可能である。
また、図1に示すように、複数の液体供給手段21A、21Bを配置し、それぞれ異なる液体を供給するようにしても良い。この液体供給手段21には、供給圧調整のための圧力計22(22A、22B)をそれぞれ設ける。また、液体を加温する(例えば水を40℃程度の湯にする)ためのヒータ(図示せず)や、温度制御のための温度計(図示せず)をそれぞれ設けるのが望ましい。
ガスミスト供給装置31は、液体供給手段21から供給された液体とガス供給手段11から供給されたガスとを破砕溶解させたミスト状態でガスミスト圧浴用カバー100に加圧供給する装置である。炭酸ガス、酸素又は酸素と炭酸ガスとの混合ガスは、液体と破砕溶解させたミスト状態で供給することで、皮膚及び粘膜からの吸収が促進される。この際、ミストの粒径は10μm以下であるのが最適である。ここでは、流体ノズル32を備え、ガス供給手段11から供給されたガスの高速流を利用して液体を破砕溶解させてミストとし、ガスミスト圧浴用カバー100に供給する例を示している。このほか、液体中にガスを高圧で噴射することによりガスミストを生成する装置等、様々な方式のガスミスト供給装置を用いることができる。
制御装置51は、CPU、メモリ、ディスプレイを備えたコンピュータから構成される。そして、ガス供給手段11から供給されるガスの圧力やオン・オフ切替、ガスミスト供給装置31/ガスミスト圧浴用カバー100へのガスの供給切替、液体供給手段21からの液体の供給圧や温度、供給のオン・オフ切替、ガスミスト供給装置31からのガスミストの供給のオン・オフ切替等の各種制御を行い、最適な状態でガスミスト圧浴が行えるようにする。
ガスミスト圧浴用カバー100は、生体(ここでは例として人体の下肢)の皮膚及び粘膜を覆い、ガスミスト及びガスを内部に封入する空間を形成できるパッチ状のカバーである。図2は、本考案の一実施形態に係るガスミスト圧浴用カバーの全体概略図、図3は、そのガスミスト圧浴用カバーの装着状態を示す模式図である。また図4は、そのガスミスト圧浴用カバーにおけるカバー本体の縦断面模式図である。
ガスミスト圧浴用カバー100は、これらの図に示すように、圧浴用カバー本体107と、この圧浴用カバー本体107を生体に固定するための固定部110から構成されている。圧浴用カバー本体107は、生体の皮膚及び粘膜(ここでは例として、人体の下肢)を覆うフラット形状のパッチを構成する生体カバー部材101と、その生体カバー部材101の周縁に設けられる生体の皮膚及び粘膜への貼着部102と、内部に逆流防止弁103を備え、圧浴用カバー本体107にガスミスト及びガスを供給可能にするガス供給口103と、圧浴用カバー本体107の内部の空気やガスミスト、ガスの圧力を調整し排出するための排出部104と、生体カバー部材101内を加圧するための加圧部105と、から構成される。ここで、排出部104は、排出するガスミストの流量又はガスミストの圧力を調整する手段を備えるようにしている。また、固定部110は、止着ベルト108と、ベルト止め部109とから構成される。なお、図示106は、加圧部105と生体カバー部材101とを接続する接続部である。この接続部106内には、加圧部105から生体カバー部材101への気体の流れの逆流を防ぐ逆流防止弁106aが設けられている。
生体カバー部材101は、生体の皮膚及び粘膜を覆い、図4に示すように圧浴用カバー本体107と皮膚及び粘膜との間にガスミスト及びガスを溜める空間111を形成可能にする。生体カバー部材101は、非通気性素材の織布または不織布等から構成される。例えば、天然ゴム、シリコンゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等からなるのが好適である。
生体カバー部材101の周縁には、圧浴用カバー本体107内のガスミスト及びガスの漏出を防ぐために、貼着部102が設けられている。貼着部102の生体の皮膚及び粘膜に接触する側には、生体の皮膚及び粘膜に粘着する素材が配置されている。この粘着素材は、例えばポリウレタンやシリコンゴム等からなる粘弾性ゲルであるのが好ましい。また、この粘着素材は取り外し可能なものを用いて、使用の都度あるいは粘性が弱くなれば交換できる構成が最適である。
ガスミスト供給口103は、圧浴用カバー本体107内部にガスミスト及びガスを導入するために、圧浴用カバー本体107に連通して設けられている。このガスミスト供給口103にガスミスト供給装置31やガス供給手段11等のガスミスト及びガスの供給手段を接続して、圧浴用カバー本体107内にガスミスト及びガスを供給する。ガスミスト及ガスの逆流を防止するため、このガスミスト供給口103内部には逆流防止弁103aが配置されている。なお、本実施形態のガスミスト圧浴用カバー100では、ガスミスト供給装置31とガス供給手段11からのガスミスト及びガスは、まず供給部103から加圧部105に供給され、接続部106を介して生体カバー部材101内に供給される。
排出部104は、圧浴用カバー本体107内の空気を抜く際や、圧浴用カバー本体107内のガスミストやガスを抜いて圧力を調整する際に、それら空気やガスミスト及びガスを排出するための通気口である。排出部104は、通常時は弁やキャップ等で通気を防止しており、上記排出を行う際にのみ開弁させたりキャップを外したりすることにより通気が可能になる構造を有している。
加圧部105は、生体カバー部材101内を加圧する手段であり、ここでは生体カバー部材101と接続部106を挟んで連通している中空のガス溜から構成されている。生体カバー部材101内にガスミスト及びガスを導入した後、さらに加圧部105にガスミストまたはガスを溜め、図3の矢印に示す通り加圧部105を押し潰すように加圧すると、接続部106を介して加圧部105内のガスミストまたはガスが生体カバー部材101へ排出される。これにより生体カバー部材101内が加圧される。
なお、加圧部105は、手動で押圧する構成としても良いし、駆動装置等を用いて制御手段51の制御で機械的に行っても良い。ガスミスト圧浴における加圧は、所定のインターバルでパルス状に行うことにより効果が高まるため、加圧部105を一定のリズムで間歇的に押圧させても良い。その際の加圧の間隔は、脈の拍動にほぼ同期させると効果が高くなる。
固定部110は、ここでは例として止着ベルト108とベルト止め部109から構成している。止着ベルト108は、様々な使用者の体型や使用個所に対応するために、ゴム等の伸縮性を有する素材から構成するのが好ましい。図では四本の止着ベルト108を配置し、上下二か所で固定する例を示しているが、圧浴用カバー本体107の形状や圧浴用カバー本体107を使用する生体の箇所等に合わせて配置する数や位置を変更しても良い。ベルト止め部109は、止着ベルト108の着脱が容易なワンタッチバックル等が望ましい。また、止着ベルト108のベルト長さを容易に調節できるアジャスター等をさらに備えるようにしても良い。
圧浴用カバー本体107には、その内部の圧力を計測するための圧力計61が設置されている。制御装置51は、圧浴用カバー本体107内の圧力値を1気圧以上(より好適には1.05乃至2.5気圧程度)に保つため、この圧力計61の計測値に基づき、ガスミスト及びガスの供給を制御する。また、圧浴用カバー本体107の内部には圧浴用カバー本体107内の温度を計測するための温度計62が設置されている。制御装置51は、圧浴用カバー本体107内を温浴効果が得られる設定温度(例えば38℃程度)に保つため、温度計62の計測値に基づき液体供給手段21に設けられたヒータのオン・オフ等を行う。
そこで、上記のガスミスト圧浴システムと本考案のガスミスト圧浴用カバー100を用いたガスミスト圧浴の方法を説明する。まず、貼着部102により圧浴用カバー本体107をガスミスト圧浴を行いたい生体の部位(ここでは人体の下肢)に貼り付けて、圧浴用カバー本体107内部を略密閉状態とする。次いで、止着ベルト108をベルト止め部109で止着して、圧浴用カバー本体107を生体に固定する。また、排出部104から内部の空気をできるだけ排出しておく。それからガス供給手段11からガスを、液体供給手段21から液体を、ガスミスト供給装置31へ供給する。その際制御装置51は、液体及びガスの供給圧や量、温度等の調整を行う。ガスミスト供給装置31はガスと液体の破砕溶解ミストを生成し、これを供給口103、加圧部105、接続部106を介して生体カバー部材101内へ供給する。圧浴用カバー本体107内にミストが十分に充填された場合は、ガス供給手段11から直接ガスのみを圧浴用カバー本体107内に供給する。このとき、圧浴用カバー本体107内にはガスが約95−97%、液体が約3−5%の割合で存在するようにする。ミスト中には約40ppmの濃度でガスが溶解しており、その気泡サイズは約232pmとなる。また制御装置51は、温度計62の計測値から、生体カバー部材101内が最適な加温状態(約38℃)となるよう制御する。そして、生体カバー部材101と加圧部105に最適な量のガスミストまたはガスが溜まったところで制御装置51はガスミストまたはガスの供給を一旦停止する。次いで、加圧部105を押し潰すように押圧することで加圧部105内のガスミスト及びガスを生体カバー部材101内に排出し、生体カバー部材101内を適度(約1.05乃至2.5気圧)に加圧する。圧力が高くなりすぎた場合や内部のガスミスト及びガスを入れ替えたい場合は、排出部104から簡便に排気しその調整が可能である。このようにして最適なガスミスト圧浴を行う。
なお、上記実施形態では、圧浴用カバー本体107を矩形に図示したが、貼着する生体の箇所に合わせて様々な形状(例えば肩及び背中用にコの字形状等)を採用することができる。また、貼着部102の形状も様々なものが考えられる。図5に貼着部102の形状の一例を示す。図5(a)に示すように、生体カバー部材101Aと貼着部102Aの周縁部の形状を略相似にしても良いし、図5(b)、図5(c)に示すように生体カバー部材101B、101Cと貼着部102B、102Cの周縁部を全く別の形状としても良い。さらに、図5(d)に示すように、生体カバー部材101Dを囲んで複数(ここでは例として二つ)の貼着部102D−1、102D−2を設けるようにしても良い。
また、上記実施形態では、圧浴用カバー本体107の固定部110を止着ベルト108とベルト止め部109から構成したが、このほかにも様々な態様を採用することができる。図6に固定部110の構成の一例を示す。図6(a)は、紐108Aを設け、これを適切な位置で結んで圧浴用カバー本体107を固定する例である。図6(b)は、ゴムベルト108Bと面ファスナー109Bを設け、面ファスナー109Bを適切な位置で貼り合わせて圧浴用カバー本体107を固定する例である。図6(c)は、伸縮性を有するとともに、少なくともガスミスト供給口103と排出部104、加圧部105とを露出する開口109Cが設けられたサポーター108Cを圧浴用カバー本体107に被せて固定する例である。
なお、上記実施形態では加圧部を、接続部を介して生体カバー部材に連通して設けられる中空のガス溜としたが、このほか、生体カバー生体カバー部材内を簡便に加圧できるものであればどのようなものを用いても良い。以下、他の加圧部の構成について説明する。
図7は、本考案の他の実施形態に係るガスミスト圧浴用カバーの装着状態を示す模式図である。ここでは、加圧部505が生体カバー部材501を狭窄させる狭窄リングから構成されるガスミスト圧浴用カバー500について説明する。なお、本実施形態において、生体カバー部材501、供給口503、加圧部505の構成が異なる以外は、上記図1に係る実施形態と同様の構成を有するため、上記以外の各部の詳細な説明は省略する。
このガスミスト圧浴用カバー200は、圧浴カバー本体201と、この圧浴用カバー本体201を生体に固定するための固定部210から構成されている。圧浴用カバー本体207は、生体の皮膚及び粘膜を覆うフラット形状のパッチを構成する生体カバー部材201と、その生体カバー部材201の周縁に設けられる生体の皮膚及び粘膜への貼着部202と、内部に逆流防止弁を備え、圧浴用カバー本体207にガスミスト及びガスを供給可能にするガス供給口203と、圧浴用カバー本体207の内部の空気やガスミスト、ガスの圧力を調整し排出するための排出部204と、生体カバー部材201内を加圧するための加圧部(狭窄リング)205と、から構成される。また、固定部210は、止着ベルト208と、ベルト止め部209とから構成される。
加圧部(狭窄リング)205は、ゴム等の弾性部材から形成された、細孔を有するリングである。その細孔に生体カバー部材201の先端部(中央部)201aを通して加圧部(狭窄リング)205を図7の矢印方向にスライドさせると、先端部(中央部)201aは加圧部(狭窄リング)205の細孔によって狭窄され、ガスミスト及びガスは生体カバー部材201の先端部(中央部)201a近傍から生体カバー部材201の生体を挿入した側へ移動する。このように加圧部(狭窄リング)205は、スライドすることにより、先端部(中央部)201a近傍からガスミスト及びガスを抜きながら、生体カバー部材201内を加圧(約1.05乃至2.5気圧)する。
なお、本実施形態では、加圧部205として上記の狭窄リングに代えてクリップ等を用いることもできる。つまり、生体カバー部材201の先端部(中央部)201aから狭窄することによってガスミスト及びガスを抜き、生体カバー部材201内の加圧を行うことができるものであれば、何を用いても良い。加圧部205は手動でスライド、固定させる構成であっても良いし、制御手段51の制御により駆動装置等でこれらの動作を機械的に行うものであっても良い。また、加圧部205のスライド動作による加圧は、所定のインターバルでパルス状に行うようにしても良い。さらに、上記実施形態では適用する生体の部位として人体の下肢を例に図示したが、このほか様々な部位に適用できることは言うまでもない。
次に、加圧部305が略球状の中空のガス溜からなるガスミスト圧浴用カバー300について説明する。図8は、本考案の他の実施形態に係るガスミスト圧浴用カバーの装着状態を示す模式図である。なお、本実施形態において、生体カバー部材301、供給口303、加圧部305の構成が異なる以外は、上記図1に係る実施形態と同様の構成を有するため、上記以外の各部の詳細な説明は省略する。
このガスミスト圧浴用カバー300は、圧浴カバー本体301と、この圧浴用カバー本体301を生体に固定するための固定部310から構成されている。圧浴用カバー本体307は、生体の皮膚及び粘膜を覆うフラット形状のパッチを構成する生体カバー部材301と、その生体カバー部材301の周縁に設けられる生体の皮膚及び粘膜への貼着部302と、内部に逆流防止弁を備え、圧浴用カバー本体307にガスミスト及びガスを供給可能にするガス供給口303と、圧浴用カバー本体307の内部の空気やガスミスト、ガスの圧力を調整し排出するための排出部304と、生体カバー部材301内を加圧するための加圧部(ガス溜)305と、から構成される。また、固定部310は、止着ベルト308と、ベルト止め部309とから構成される。
加圧部(ガス溜)305は、生体カバー部材301と連通して設けられた略球状のガス溜から構成される。生体カバー部材301とは縊れ部301aにより区切られている。そして、この加圧部(ガス溜)305を押し潰すように押圧することによりガスミストまたはガスを生体カバー部材301内に排出し、生体カバー部材101内を適度(約1.05乃至2.5気圧)に加圧する。
なお、加圧部305には専用のカバーを設けるようにしても良い。また、加圧部305の押圧は手動であっても制御手段51により駆動装置等で機械的に行うものであっても良い。また、加圧部305による加圧は、所定のインターバルでパルス状に行うようにしても良い。さらに、上記実施形態では適用する生体の部位として人体の下肢を例に図示したが、このほか様々な部位に適用できることは言うまでもない。
上記のように構成したため、本考案によれば、大量のガスを必要とせず、さらにガスミスト圧浴用カバー内の空気等の排出や、カバー内部の圧力調整を簡単に行いながら、効率的にガスミストを生体の皮膚及び粘膜から吸収させることが可能となる。
なお、上記実施形態では、ガスミスト圧浴用カバーを人体に適用する例を示したが、本考案のガスミスト圧浴用カバーは、人体に限らず動物等に用いても良い。
以上、本考案の実施形態について説明したが、本考案は上記実施形態に限定されるものではなく、本考案の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本考案の範囲から排除するものではない。
本考案は、炭酸ガス、酸素又は酸素と炭酸ガスの混合ガスと液体を破砕溶解させたガスミストを生体の皮膚及び粘膜に直接接触させて血液循環を改善させるためのガスミスト圧浴に用いるガスミスト圧浴用カバーに関し、産業上の利用可能性を有する。
11 ガス供給手段
12 レギュレータ
21、21A、21B 液体供給手段
22、22A、22B 圧力計
31 ガスミスト供給手段
32 流体ノズル
51 制御装置
61 圧力計
62 温度計
100、200、300 ガスミスト圧浴用カバー
101、101A、101B、101C、101D、201、301 生体カバー部材
102、102A、102B、102C、102D−1、102D−2、202、302 貼着部
103、203、303 ガスミスト供給口
103a、106a 逆流防止弁
104、204、304 排出部
105、205、305 加圧部
106 接続部
107、207、307 圧浴用カバー本体
108、208、308 止着ベルト
108A 紐
108B ゴムベルト
109、209、309 ベルト止め部
109B 面ファスナー
109C 開口
110、210、310 固定部
111 空間
201a 先端部(中央部)
301a 縊れ部

Claims (8)

  1. 所定値以上の濃度の炭酸ガス、酸素又は酸素と炭酸ガスとの混合ガス(以下、「ガス」という)と液体を破砕溶解させたガスミストを封入して生体の皮膚及び粘膜に直接接触させるためのガスミスト圧浴用カバーであって、
    前記生体の皮膚及び粘膜を覆う生体カバー部材と、
    該生体カバー部材の周縁に設けられ、該生体カバー部材を生体の皮膚及び粘膜に貼着するための貼着部と、
    前記ガスミスト圧浴用カバー内にガスミスト及びガスを導入するための、内部に逆流防止弁を有するガスミスト供給口と、
    前記ガスミスト圧浴用カバー内に封入された空気、ガスミスト、及びガスの圧力を調整及び排出する排出部と、
    前記生体カバー部材内を加圧するための加圧手段と、
    を備え、
    前記生体カバー部材及び前記貼着部により内部にガスミスト及びガスを貯留可能なフラット形状のパッチを構成することを特徴とするガスミスト圧浴用カバー。
  2. 前記ガスミスト圧浴用カバーを生体に固定するための固定手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のガスミスト圧浴用カバー。
  3. 前記固定手段が、ゴム、紐、面ファスナー、ワンタッチバックルのうち何れか一つまたは複数の組み合わせにより構成されることを特徴とする請求項2に記載のガスミスト圧浴用カバー。
  4. 前記カバー部材は天然ゴム、シリコンゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド系樹脂、ポリテトラフルオロエチレンのうち何れか一つまたは複数の組み合わせにより形成されることを特徴とする請求項1に記載のガスミスト圧浴用カバー。
  5. 前記排出部は、排出するガスミストの流量又はガスミストの圧力を調整する手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載のガスミスト圧浴用カバー。
  6. 前記加圧手段が、前記生体カバー部材に連通された中空のガス溜部から構成され、
    該ガス溜部を押圧して該ガス溜部内のガスミスト及びガスを、前記生体カバー部材に排出することにより加圧を行うことを特徴とする請求項1に記載のガスミスト圧浴用カバー。
  7. 前記ガス溜部と前記生体カバー部材との間に、内部に逆流防止弁を有する接続部を設けることを特徴とする請求項6に記載のガスミスト圧浴用カバー。
  8. 前記加圧手段が、前記生体カバー部材の狭窄手段から構成され、
    該狭窄手段によって前記生体カバー部材を端部から狭窄することにより、前記生体カバー部材内の容積を小さくすることで加圧を行うことを特徴とする請求項1に記載のガスミスト圧浴用カバー。
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