JP3144597B2 - 強誘電体不揮発性メモリの構造および製造方法 - Google Patents

強誘電体不揮発性メモリの構造および製造方法

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JP3144597B2 JP26133192A JP26133192A JP3144597B2 JP 3144597 B2 JP3144597 B2 JP 3144597B2 JP 26133192 A JP26133192 A JP 26133192A JP 26133192 A JP26133192 A JP 26133192A JP 3144597 B2 JP3144597 B2 JP 3144597B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、強誘電体不揮発性メ
モリに関するものであり、特に集積度向上に関する。
【0002】
【従来の技術】不揮発性メモリとしては、強誘電体トラ
ンジスタを用いたもの、強誘電体コンデンサを用いたも
の、E2PROM等が知られている。
【0003】[強誘電体トランジスタを用いた不揮発性
メモリ41の構造]特開平2-64993公報に開示されている
強誘電体トランジスタを用いた不揮発性メモリ41を図1
0に示す。不揮発性メモリ41は、P型の基板121の表
面の一部にN型のウェル領域122が形成されている。
ウェル領域122上の所定領域には、強誘電体材料から
なる強誘電体膜123を有している。強誘電体膜123
上には、導電性の材料からなるゲート電極124が形成
されている。ウェル領域122中のゲート膜123下の
両側部分に高濃度のP型の不純物拡散層からなるソース
領域125およびドレイン領域126が形成されてい
る。なお、ウェル領域122の電極領域(高濃度のN型
の不純物拡散層)127とソース領域125とは接続さ
れている。
【0004】[不揮発性メモリ41の動作原理]次に、強
誘電体ゲート膜123を有する不揮発性メモリ41の動作
原理を図9の強誘電体物質のE−Pヒステリシスループ
を参照しつつ説明する。同図において、縦軸は分極Pを
示し、横軸は電界Eを示す。
【0005】図10に示す不揮発性メモリ41に書込む場
合、ゲート電極124に接地電位を与え、かつNウェル
122に抗電圧より十分大きなプログラム電圧を印加す
る。抗電圧とは、強誘電体物質の残留分極を取り除くの
に必要な電界Ecを得る為の電圧をいう。この時、ゲー
ト電極124とNウェル122間に発生する電界によっ
て、強誘電体膜123は発生した電界の方向とほぼ同じ
方向に分極する(図9のR1参照)。すなわち、強誘電
体膜123は、図11Cに示すように、ゲート電極12
4側がプラスに、Nウェル122側がマイナスに分極す
る。
【0006】このような分極状態により、ゲート電極1
24下部の半導体表面に反転層電荷および空乏層電荷か
らなる正電荷が誘起される。残留分極が十分に大きけれ
ば、反転層が形成され、ソース領域125とドレイン領
域126とは電気的に導通する(以下オン状態とい
う)。この状態を、以下書込状態という。なお、プログ
ラム電圧が遮断されても、分極状態はほぼそのままの状
態である(図9のS1)。一方、消去させる場合、書込
時とは反対に、Nウェル122に接地電位を与え、かつ
ゲート電極124に抗電圧より十分大きなプログラム電
圧を印加する。この時、ゲート電極124とNウェル1
22間に書込時とは反対方向の電界が発生する。従っ
て、この電界によって強誘電体膜123の分極状態が反
転する(図9のP1)。すなわち、強誘電体膜123
は、図11Bに示すように、ゲート電極124側がマイ
ナスに、Nウェル122側がプラスに分極する(図9の
Q1)。したがって、ゲート電極124下部の空乏層は
消滅し、負電荷が蓄積層として形成され、ソース領域1
25とドレイン領域126とは電気的に絶縁される(以
下オフ状態という)。この状態を、非書込状態という。
なお、プログラム電圧が遮断されても、分極状態はほぼ
そのままの状態である。
【0007】つぎに、不揮発性メモリ41の読み出し動作
を説明する。強誘電体膜123が書込状態であれば、チ
ャネル形成領域130はオン状態であり、ドレイン12
5の電位をソース126の電位より高くすることによ
り、ドレイン125とソース126間に電流が流れる。
【0008】これに対し、強誘電体膜123が非書込状
態であれば、チャネル形成領域130はオフ状態であ
る。したがって、ドレイン125の電位をソース126
の電位より高くしても、ドレイン125とソース126
間に電流が流れない。
【0009】このように、不揮発性メモリ41は、一旦書
き込み状態とすれば、たとえゲート電極124への電圧
供給を中止しても、書き込み状態は維持される。また、
書き込まれているか否かは、ソース126とドレイン1
25の間に電流が流れるか否かによって判断することが
できる。
【0010】[SRAMとしての不揮発性メモリ41の動
作]不揮発性メモリ41は、SRAM(スタティックR
AM)として使用される。不揮発性メモリ41を複数組
合わせた回路の等価回路15を図11に示す。同図に示
すように、不揮発性メモリ41は、左右に一つずつの選択
トランジスタを設けて使用される。書き込み又は読み出
しを希望するメモリ(以下選択セルという)以外のメモ
リに書き込み又は読み出しをしてしまうことを防止する
為である。
【0011】書き込みは、次のようにして行なわれる。
第1のワード線WL1をVcc電位にしてトランジスタ
T1をオンにし、第2のワード線WL2をVss電位
(接地電位)にしてトランジスタT2をオフにする。ま
た、不揮発性メモリ41のゲート電極をVcc/2電位
にする。さらに、ビット線BLからのデータを不揮発性
メモリ41のソース・基板に印加する。これにより、不
揮発性メモリ41はゲート・基板間にVcc/2電位が
印加されて強誘電体膜123(図10参照)が所定の分
極状態になり、データの書込みが可能になる。
【0012】一方、読出し動作に際しては、第2のワー
ド線WL2をVcc電位にしてトランジスタT2をオン
にしておき、第1のワード線WL1をVcc電位にして
トランジスタT1をオンにする。ここで、あらかじめプ
リチャージ回路PRによりビット線BL…をVcc/2
以上の電位にプリチャージしておく。これにより、不揮
発性メモリ41が書込み状態であれば電流が流れ、この
不揮発性メモリ41が接続されているビット線BLの電
位が下がる。これに対して、不揮発性メモリ41が非書
込み状態であれば電流が流れないので、この不揮発性メ
モリ41が接続されているビット線BLの電位は変わら
ない。このように、不揮発性メモリ41が書込み状態か
非書込み状態かで、ビット線BLの電位が変化する。こ
の電位変化を対応するセンスアンプSAにより検出・増
幅することでデータの読出しが可能になる。
【0013】このように、強誘電体膜を用いた不揮発性
メモリ41においては、複数組合わせて使用する場合、
誤読み出しおよび誤書込を防止するため2種類のトラン
ジスタT1,T2を設けている。
【0014】[強誘電体コンデンサを用いた不揮発性メ
モリ30の構造・動作]強誘電体コンデンサを用いた不揮
発性メモリ30を図12を用いて説明する。不揮発性メ
モリ30は、スイッチングトランジスタ31と強誘電体
コンデンサ32を組合わせたものを1ユニットとして構
成されている。強誘電体コンデンサ32は、強誘電体を
電極の間に挟んだコンデンサである。
【0015】不揮発性メモリ30の書き込み、および読
み出し動作原理を図9の強誘電体のE−Pヒステリシス
ループを参照しつつ説明する。
【0016】不揮発性メモリ30に「1」を書込む場
合、強誘電体コンデンサ32の両電極間に、抗電圧以上
の負の電圧を印加する。負の電圧とは、この例において
は端子34側を正、端子35側を負とする。このような
負の電圧が印加されると、発生する電界によって強誘電
体は発生した電界の方向とほぼ同じ方向に分極する(図
9のP1)。この分極状態によって、不揮発性メモリ3
0に「1」が書込状態となる。なお、プログラム電圧が
遮断されても、分極状態はほぼそのままの状態である
(図9のQ1)。
【0017】一方、不揮発性メモリ30に「0」を書込
む場合、強誘電体コンデンサ32の両電極間に、抗電圧
以上の正の電圧を印加する。正の電圧とは、この例にお
いては端子34側を負、端子35側を正とする。このよ
うな正の電圧が印加されると、発生する電界によって、
強誘電体は発生した電界の方向とほぼ同じ方向に分極す
る(図9のR1)。このような分極状態によって、不揮
発性メモリ30に「0」が書込状態となる。なお、プロ
グラム電圧が遮断されても、分極状態はほぼそのままの
状態である(図9のS1)。
【0018】読み出す場合には、強誘電体コンデンサ3
2の両端子間に正の電圧を印加し、蓄積電荷量の変化を
検出する。かりに、強誘電体コンデンサ32に「1」が
書込まれていると、強誘電体の分極状態は、S1からP
1を経由してQ1の位置まで変化する。すなわち、この
ような電圧の印加の前後で、強誘電体コンデンサ32の
電荷蓄積量の変化は、S1とQ1の差の分だけ生ずるこ
ととなる。一方、強誘電体コンデンサ32に「0」が書
込まれていると、強誘電体の分極状態はQ1である。し
たがって、上記のような電圧の印加の前後で、強誘電体
コンデンサ32の電荷蓄積量はほとんど変化しない。こ
のような電荷蓄積量の変化の差を利用して、不揮発性メ
モリ30に「1」が書込まれているか、「0」が書込ま
れているかを区別することができる。
【0019】このように、不揮発性メモリ30は、一旦
書き込み状態とすれば、たとえ強誘電体コンデンサ32
に電圧の供給を中止しても、書き込み状態は維持され
る。また、書き込まれているデータ値は、強誘電体コン
デンサ32に正の電圧を印加し、蓄積電荷量の変化を検
出することによって判断することができる。
【0020】[E2PROMメモリセル50の構造・動
作]つぎに、他の従来例として、E2PROMメモリセ
ル50を、図10を用いて説明する。不揮発性メモリ5
0は、基板内に設けられたp形シリコンウエル2内にn
+形ドレイン102及びn+形ソース101が設けられて
いる。また、p形シリコンウエル2上にシリコン酸化膜
108が設けられている。さらに、シリコン酸化膜10
8上に導電体で構成されたフローティングゲート11
2、シリコン酸化膜113、制御電極114が順に設け
られている。また、ドレイン102とフローティングゲ
ート112に挟まれたシリコン酸化膜108の一部10
8aは、薄膜に(厚さ10nm程度)に形成されてい
る。
【0021】上記の不揮発性メモリ50に対する情報の
書込および消去について説明する。情報「1」を書込む
場合、制御電極114に20V程度の高電圧を印加し、
かつドレイン102に接地電位を与える。制御電極11
4とドレイン102間に発生する電界によって、ドレイ
ン102のいくつかの電子は、シリコン酸化膜の薄膜部
108aをF−Nトンネリングしてフローティングゲー
ト112内に流入する。このように電子が相当数流入す
ることによって、制御電極114下部に反転層が形成さ
れ、チャネル形成領域116にチャネルが形成される
(以下オン状態という)。この状態を、書込状態とい
う。
【0022】一方、不揮発性メモリ50に情報「0」を
記憶させる場合、フローティングゲート112に流入し
た電子をドレイン102に戻してやればよい。制御電極
114とドレイン102間に情報の書込時とは反対方向
の20V程度の電圧を印加する。これにより、書込時と
は反対方向の電界が発生し、F−N(Fowler-Nordheim)
トンネリングにより電子がドレイン102に注入され
る。このような電子の流入によって、制御電極114下
部の反転層が消滅し、チャネル形成領域116のチャネ
ルがカットされる(以下オフ状態という)。この状態
を、非書込状態という。
【0023】次に、不揮発性メモリ50における情報の
読み出し動作を説明する。もし、書込状態であれば、制
御電極114下部には反転層が形成され、チャネル形成
領域116にチャネルが形成されている。したがって、
ドレイン102の電位をソース101の電位より高くす
ることにより、ドレイン102とソース101間に電流
が流れる。
【0024】これに対し、非書込状態であれば、制御電
極114下部の反転層が消滅し、チャネル形成領域11
6のチャネルがカットされている。したがって、ドレイ
ン102の電位をソース101の電位より高くしても、
ドレイン102とソース101間に電流が流れない。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような不揮発性メモリ30、41、50においては、次
のような問題があった。
【0026】図12に示す不揮発性メモリ30において
は、強誘電体コンデンサ32に正の電圧を印加し、蓄積
電荷量の変化を検出することにより、読み出しを行な
う。すなわち、いわゆる破壊読み出しで読み出しを行な
う。したがって、強誘電体コンデンサ32に「1」が書
込まれていた場合、読み取り後、再度「0」を書込む必
要があり、動作が複雑となる。
【0027】また、図13に示す不揮発性メモリ50に
おいては、シリコン酸化膜の薄膜部108aから電子を
F−Nトンネリングさせることにより、書込を行う。し
かし、書込には相当数の電子を移動させる必要があり、
狭い領域である薄膜部108aを通路として、相当数の
電子を移動させるには、時間がかかる。したがって、書
込速度が低速である(消去時も同様である)。さらに、
F−Nトンネリングさせる際に、電界ストレスによる疲
労により、薄膜部108aが損傷し、書き換え可能な回
数を制限する。
【0028】また、図10に示す不揮発性メモリ41に
おいては、誤書込、誤読み出し防止のため、1セルにつ
き2つの選択トランジスタが必要であった。したがっ
て、セル面積の縮小化に限界があった。
【0029】この発明は、上記のような問題点を解決
し、非破壊読み出しが可能な為読み取り後再書込が不要
で、書込動作が高速かつ書き換え可能な回数も多く、さ
らにセル面積を縮小することができ、集積度を向上させ
た強誘電体不揮発性メモリを提供することを目的とす
る。
【0030】
【課題を解決するための手段】請求項1にかかる強誘電
体不揮発性メモリは、第1領域、第1領域に隣接して順
次形成された第1,第2,第3の電路形成可能領域、第
3の電路形成可能領域に隣接して形成された第2領域、
第3の電路形成可能領域上に設けられた電路形成用制御
電極、少なくとも第2の電路形成可能領域を覆うととも
に、電路形成用制御電極の一部を覆う強誘電体膜、強誘
電体膜上に設けられており、少なくとも第2の電路形成
可能領域を覆うとともに、電路形成用制御電極の一部を
覆う分極用制御電極、第1の電路形成可能領域上に、分
極用制御電極の側壁に隣接して設けられ、第1領域に読
み出し電圧が印加された場合には、前記読み出し電圧印
加により生じた空乏層が前記第2の電路形成可能領域に
生じる空乏層とつながり、かつ、前記第2領域に書き込
み禁止電圧が印加された場合には、前記第1領域に生じ
ている空乏層が第2の電路形成可能領域に生じる空乏層
とつながらない程度の幅を有する絶縁性側壁を備えたこ
とを特徴とする。
【0031】請求項2にかかる強誘電体不揮発性メモリ
は、電路形成可能領域と強誘電体膜の間に絶縁膜を備え
ていることを特徴とする。
【0032】請求項3にかかる強誘電体不揮発性メモリ
は、電路形成可能領域と強誘電体膜の間に設けている絶
縁膜に、基板表面を酸化処理することにより形成される
シリコン酸化膜よりも比誘電率の高い物質を用いたこと
を特徴とする。
【0033】請求項4にかかる強誘電体不揮発性メモリ
の製造方法は、半導体基板上に電路形成用制御電極を形
成する第一の工程、半導体基板および電路形成用制御電
極を覆う強誘電体膜を形成する第二の工程、前記強誘電
体膜上に、電路形成用制御電極の一部を覆うように分極
用制御電極を形成する第三の工程、前記強誘電体膜と分
極用制御電極の側壁に、第1領域に読み出し電圧が印加
された場合には、前記読み出し電圧印加により生じた空
乏層が前記第2の電路形成可能領域に生じる空乏層とつ
ながり、かつ、前記第2領域に書き込み禁止電圧が印加
された場合には、前記第1領域に生じている空乏層が第
2の電路形成可能領域に生じる空乏層とつながらない
度の幅を有する絶縁性側壁を形成する第四の工程、前記
半導体基板内に第1領域、および第2領域を形成する第
五の工程、を備えたことを特徴とする。
【0034】請求項5の強誘電体不揮発性メモリの製造
方法は、請求項4の製造方法の第一の工程と第二の工程
の間に、絶縁膜を形成する工程を備えたことを特徴とす
る。請求項6の強誘電体不揮発性メモリの製造方法は、
請求項5の製造方法において前記絶縁膜は基板表面を酸
化処理することにより形成されるシリコン酸化膜よりも
比誘電率の高い物質であることを特徴とする。
【0035】
【作用】請求項1にかかる強誘電体不揮発性メモリおよ
び請求項4にかかる強誘電体不揮発性メモリの製造方法
においては、第1領域に読み出し電圧が印加された場合
には、前記読み出し電圧印加により生じた空乏層が前記
第2の電路形成可能領域に生じる空乏層とつながり、
つ、前記第2領域に書き込み禁止電圧が印加された場合
には、前記第1領域に生じている空乏層が第2の電路形
成可能領域に生じる空乏層とつながらない程度の幅を有
する絶縁性側壁が、第1の電路形成可能領域上に、分極
用制御電極の側壁の側壁に隣接して設けられている。こ
のため、第1領域に読み出し電圧が印可された場合に
は、第1の電路形成可能領域に電路が形成されるが、第
1領域に読み出し電圧が印加されない場合には、読み出
し電圧による空乏層が生じないため、第1の電路形成可
能領域に電路が形成されない。したがって、絶縁性側壁
下部を、一種のオフセット領域として利用することがで
き、1セルにつき1つの選択トランジスタを設けるだけ
で強誘電体不揮発性メモリを構成することができる。
【0036】請求項2にかかる強誘電体不揮発性メモリ
および請求項5にかかる強誘電体不揮発性メモリの製造
方法においては、電路形成可能領域と強誘電体膜の間に
絶縁膜を設けている。したがって、絶縁膜の上に強誘電
体膜を形成する際の発生する障害から、電路形成可能領
域を保護することができる。
【0037】請求項3にかかる強誘電体不揮発性メモリ
および請求項6にかかる強誘電体不揮発性メモリの製造
方法においては、電路形成可能領域と強誘電体膜の間に
設けている絶縁膜に、基板表面を酸化処理することによ
り形成されるシリコン酸化膜よりも比誘電率の高い物質
を用いている。したがって、分極用制御電極に電圧を印
加した場合に、強誘電体膜の分圧比を上げることができ
る。
【0038】
【実施例】[強誘電体不揮発性メモリ1の構造]本発明
の一実施例を図面に基づいて説明する。まず、図1に、
本発明の一実施例による強誘電体不揮発性メモリ1を示
す。強誘電体不揮発性メモリ1は、同図に示すように、
Pウェル2内に、第1領域であるソース4、および第2
領域であるドレイン3が形成されている。ドレイン3、
ソース4ともn+層である。ドレイン3、ソース4の間
には、第1の電路形成可能領域であるオフセット領域2
0a、第2の電路形成可能領域であるチャネル形成領域
10b、および第3の電路形成可能領域であるチャネル
形成領域10cが形成されている。
【0039】チャネル形成領域10cは、絶縁膜8で覆
われており、絶縁膜8の上には、電路形成用制御電極で
ある選択ゲート電極9が設けられている。チャネル形成
領域10bは、比誘電率の高い物質で構成された絶縁体
膜26で覆われている。絶縁体膜26はさらに、選択ゲー
ト電極9の一部も覆っている。さらに、絶縁体膜26
は、強誘電体材料であるPZTからなる強誘電体膜6で
覆われている。強誘電体膜6の上部で、かつチャネル形
成領域10bおよび選択ゲート電極9の上部には、分極
用制御電極であるコントロールゲート電極5が設けられ
ている。
【0040】オフセット領域20aの上部には、絶縁性
側壁である絶縁性サイドウォール23が設けられてい
る。なお、コントロールゲート電極5と絶縁性サイドウ
ォール23は、同図に示すように隣接している。
【0041】絶縁性サイドウォール23、コントロール
ゲート電極5、および選択ゲート電極9は、保護膜であ
る層間膜24で覆われている。層間膜24上には、アルミ
ニウム膜であるビットライン29が設けられており、マ
トリックス接続に必要な各ドレイン3を接続する。
【0042】[強誘電体不揮発性メモリ1の動作原理]
強誘電体不揮発性メモリ1の書き込み、および消去動作
原理を説明する。強誘電体不揮発性メモリ1に書込む場
合、Pウェル2に接地電位を与え、かつコントロールゲ
ート電極5に抗電圧より十分大きなプログラム電圧を印
加する。この時、コントロールゲート電極5とPウェル
2間に発生する電界によって、強誘電体膜6は発生した
電界の方向とほぼ同じ方向に分極する。分極状態によっ
て、コントロールゲート電極5下部は空乏化する。この
状態を以下書込状態という。なお、プログラム電圧が遮
断されても、分極状態は、ほぼそのままの状態である。
【0043】一方、消去させる場合には、書込時とは反
対に、コントロールゲート電極5に接地電位を与え、か
つPウェル2に抗電圧より十分大きなプログラム電圧を
印加する。この時、コントロールゲート電極5とPウェ
ル2間に、書込時とは反対方向の電界が発生する。従っ
て、この電界によって強誘電体膜6の分極状態は反転す
る。プログラム電圧が遮断されても、反転した分極状態
は維持される。
【0044】つぎに、強誘電体不揮発性メモリ1の読み
出し動作を説明する。選択ゲート電極9に、しきい値を
越える電圧を印加する。これにより、選択ゲート電極9
の下部には反転層が形成される。さらに、ソース4にP
ウェル2より高い読み出し電圧を印加する。これによ
り、ソース4とPウェル2間の空乏層が拡大する。なお
Pウェル2およびドレイン3には、接地電圧を印加す
る。
【0045】ここで、強誘電体膜6が図2Bに示すよう
に分極していれば(以下マイナス方向の分極という)、
コントロールゲート電極5下部は空乏化する。したがっ
て、ソース4とPウェル2間の空乏層、コントロールゲ
ート電極5下部の空乏層、および選択ゲート電極9下部
の空乏層がつながり、オフセット領域20a,チャネル
形成領域10b,10cすべてがオン状態となる。ここ
で、ソース4の電位はドレイン3の電位より高いので、
ソース4とドレイン3間に電流が流れる。
【0046】このように、読み出す際に、ソース4に読
み出し電圧を印加することにより、オフセット領域20
aの空乏層が拡大するとともに、この電圧を書き込み状
態の有無を調べる検出電圧として利用することができ
る。
【0047】これに対し、強誘電体膜6が、図2Dに示
すように分極していると(以下プラス方向の分極とい
う)、コントロールゲート電極5下部は、空乏化しな
い。したがって、ソース4とPウェル2間の空乏層と選
択ゲート電極9下部の空乏層がつながらず、ソース4の
電位をドレイン3の電位より高くしても、ソース4とド
レイン3間には電流が流れない。
【0048】なお、ソース4とPウェル2間の空乏層と
コントロールゲート電極5下部の空乏層をつなげること
ができる電圧を読み出し電圧という。
【0049】このように、強誘電体不揮発性メモリ1
は、一旦書き込み状態とすれば、たとえコントロールゲ
ート電極5に電圧の供給を中止しても、書き込み状態は
維持される。また、書き込まれているか否かは、チャネ
ル形成領域10cをオン状態とするとともに、ソース4
に読み出し電圧を印加することにより、オフセット領域
20aをオン状態とし、ソース4とドレイン3の間に電
流が流れるか否かによって判断することができる。
【0050】消去の場合は、Pウェル2にコントロール
ゲート電極5より高い電位を印加する。これにより、強
誘電体膜6の分極状態が反転し、書き込み状態を解除で
きる。
【0051】[マトリックス状に接続された強誘電体不
揮発性メモリ1の動作]上記、強誘電体不揮発性メモリ
1は、マトリックス状に接続されて使用される。強誘電
体不揮発性メモリ1を複数組合わせたマトリックス回路
の等価回路21を図4Aに示す。ここで、同図に示すよ
うにマトリックス状に組合わせた場合、行方向、列方向
に各コントロールゲート電極5、選択ゲート電極9、ド
レイン3が各々接続されており、さらに、全てのソース
4が接続されている。したがって、非選択セルに書き込
み、または、読み出しをしてしまうおそれがある。そこ
で、等価回路21においては、次に述べるようにして、
確実に選択セルと非選択セルを区別できるようにしてい
る。
【0052】同図Bに、セルC11を選択セルとする場合
に、書き込み時および読み出し時に印加する電圧の一例
を示す。まず書き込む場合には、一括消去を行い分極の
向きを非書込状態としておく。つぎに、ワードラインW
L1n,WL2n、ビットラインBLn+1にVcc、
その他には、0Vを印加する。これにより、図2Aに示
すように、選択セルC11については、コントロールゲ
ート電極5および選択ゲート電極9に、ソース4および
ドレイン3の電位よりVccだけ高い電位が与えられ
る。したがって、コントロールゲート電極5とPウェル
2間に電界が発生し、強誘電体膜6は、マイナス方向
(図2B参照)に分極する。
【0053】一方、ワードラインWL1nにVccを印
加することにより、図2Cに示すように、非選択セルで
あるセルC12の選択ゲート電極9にもVccが印加さ
れる。したがって、チャネル形成領域10cはオン状態
となる。さらにドレイン3にはVccが印加されている
ことから、チャネル形成領域10bにVccが転送され
る。このため、コントロールゲート電極5にVccが印
加されていても、コントロールゲート電極5とPウェル
2間に電位差が生じない。したがって、強誘電体膜6は
分極せず、書き込み状態となることはない。
【0054】なお、書き込みを防止する為、ビットライ
ンBLn+1に印加されている書き込み禁止電圧Vcc
(図4参照)については、セルC11〜C14のオフセ
ット領域20aがオフ状態であるので、コントロールゲ
ート電極5下のチャネル形成領域10bにおいても保持
される。
【0055】読み出しについては、次のようにして行
う。図4Bに示すように、ワードラインWL1nにVc
c、ソースラインSLにVcc(読み出し電圧)、その
他は0Vを印加し、ビットラインBLnにセンスアンプ
を接続する。
【0056】選択セルC11については、ソースライン
SLに読み出し電圧としてVccを印加することによ
り、図3Aに示すように空乏層が拡大し、オフセット領
域20aがオン状態となる。また、ワードラインWL1
nにVccを印加することにより、選択ゲート9にVc
cが印加され、チャネル形成領域10cはオン状態とな
る。ここで、強誘電体膜6がマイナス方向(図2B参
照)に分極していると、チャネル形成領域10bはオン
状態となる。すなわち、オフセット領域20a、および
チャネル形成領域10b、10cともオン状態となる。
したがって、ソースラインSLとビットラインBLnに
電流が流れ、この電流をセンスアンプで検出することが
できる。
【0057】これに対して、強誘電体膜6がプラス方向
に分極していると(図2D参照)、図3Bに示すように
チャネル形成領域10bがオン状態とならない。したが
って、オフセット領域20a、およびチャネル形成領域
10cがオン状態であっても、ソースラインSLとビッ
トラインBLn間に電流が流れない。
【0058】非選択セルC12については、オフセット
領域20a、およびチャネル形成領域10b、10cと
もオン状態であったとしても、センスアンプを接続して
いるのは、ビットラインBLnであるから、誤って読み
出されることはない。なおビットラインBLn+1をオ
ープンとしても、同様である。
【0059】その他の非選択セルC13、C14につい
て見てみると、ワードラインWL2nに0Vが印加され
ていることから、チャネル形成領域10cは、ともにオ
フ状態である。したがって、ソースラインSLとビット
ラインBLn間、ソースラインSLとビットラインBL
n+1間に電流が流れない。
【0060】このように、強誘電体不揮発性メモリ1を
マトリックス状に接続した場合でも、図4Bに示すよう
な電圧を印加することにより、選択セルのみに書き込む
こと、および読み出すことが可能となる。
【0061】なお、消去の際は、ワードラインWL2
n,WL2n+1に−Vccを、その他には0Vを印加
する。これにより、強誘電体膜6の分極状態が反転し、
一括消去可能となる。
【0062】以上述べたように、強誘電体不揮発性メモ
リ1は、絶縁性サイドウォール23を設けたことにより
オフセット領域20aを形成する。そして、読み出す際
には、ソース4に読み出し電圧印加することにより、空
乏層を拡大し、オフセット領域20aにチャネルを形成
するとともに、この電圧を書き込み状態の有無を調べる
検出電圧として利用することができる。
【0063】[強誘電体不揮発性メモリ1の製造方法]
つぎに、強誘電体不揮発性メモリ1の製造方法を説明す
る。まず、素子分離を行うため、LOCOS法によりフ
ィールド酸化層を図5Aに示すように形成する。なお、
同図Bは、同図AのI−Iにおける断面を示すものであ
る。また、この実施例においては、フィールド酸化層を
600nmの厚さに形成した。
【0064】次に、同図Cに示すように、15nmのシ
リコン酸化膜81を酸化形成する。その上にポリサイド
を成膜し、フォトレジストによるパターンを形成した
後、エッチングにより、不要部分を取り除く。これによ
り、絶縁膜8および選択ゲート電極9が形成される(同
図D)。なお、同図Eは、同図Dの線X−Xにおける断
面図である。
【0065】つぎに、全面にSrTiO3(チタン酸ス
トロンチウム)からなる絶縁体層56をスパッタリング
法により形成する。なお、絶縁体層56の形成はメタル
オルガニックCVD(MOCVD)法等で行ってもよ
い。また本実施例においては絶縁体層56の材質として
SrTiO3を用いている。しかし、比誘電率の高い物
質であればどのようなものでもよく、たとえば、MgA
24,SrF2,TiO2等を採用してもよい。とく
に、これらは、後工程において、絶縁体層56の上に形
成される強誘電体層66との整合性もよいので、より容
易に強誘電体層66を形成することができる。
【0066】さらに、その上に、PZTから成る強誘電
体層66をスパッタリング法により形成した後、熱処理
を行う。なお強誘電体層66の形成はMOCVD法,S
ol−Gel(ゾルゲル)法等を用いてもよい。絶縁体
層56の上に強誘電体層66を形成した状態を同図Fに示
す。
【0067】ところで、強誘電体層66を形成する際、
熱処理がなされる。もし絶縁体層56がなければ、この
ような熱処理より、PZTに含まれるPb等が半導体基
板中へ拡散する等して、界面に表面準位等が生成され
る。これにより、デバイスの動作を妨げるという問題が
発生する。
【0068】そこで、本実施例においては、強誘電体層
66と基板表面との間に、絶縁体層56を形成するよう
にしている。これにより、強誘電体層66形成の際に行
なう熱処理によりPZTに含まれるPb等が半導体基板
中へ拡散することを防止でき、基板表面を保護すること
ができる。また、絶縁体層56の方が、基板表面が酸化
処理することにより形成されるシリコン酸化膜よりも、
誘電率が高いため、強誘電体膜6の分圧比を上げること
もできる。
【0069】その後、ポリサイド57を成膜し(図6
A)、選択ゲート9の一部を覆うように、フォトレジス
トによるパターンを形成した後、エッチングにより、不
要部分を取り除き、絶縁体膜26、強誘電体膜6および
コントロールゲート電極5を形成する(図6C)。な
お、同図Cは、同図Bの線X−Xにおける断面図であ
る。その上に、同図D、Eに示すように全面に絶縁層3
3を形成する。同図Eは、同図Dの線X−Xにおける断
面図である。なお、本実施例においては、絶縁層33を
シリコン酸化膜で構成したが、異方性エッチングが可能
な絶縁物質であればどのようなものであってもよい。
【0070】この状態から、リアクティブイオンエッチ
ング(RIE)を用いた異方性エッチングにより、図7
Aに示すように絶縁性サイドウォール22、23が残る
ようにエッチバックを行う。
【0071】さらに、同図Bに示すように、ソース4と
隣接する部分の絶縁性サイドウォール23をレジスト2
7によって覆い、エッチングを行ってドレイン3および
選択ゲート電極9と隣接する部分の絶縁性サイドウォー
ル22を取り除く。レジストを取り除いた後、イオン注
入を行って、熱処理し、n+層を形成する(同図C)。な
お、絶縁性サイドウォール23下部のオフセット領域2
0aは、一種のスイッチとしての役割を有するため、安
定に作動させる必要がある。ここで、スイッチとしての
特性は、Pウェル2、およびソース4の不純物濃度、お
よび絶縁性サイドウォール23下部のチャネル形成領域
10bの幅Dによって決定される。したがって、基板の
不純物濃度および、ソース4に不純物を打込む濃度およ
びその加速エネルギー、さらに熱処理条件等を考慮し、
上記幅Dを決定すればよい。
【0072】上記エッチバックは、従来の半導体プロセ
スでLDDゲート構造を形成する際に用いられる技術を
用いればよい。これにより、絶縁性サイドウォールの幅
D、すなわちオフセット領域20aの幅D(図7C参
照)を正確に制御することができる。これにより、絶縁
性サイドウォール23下部を、一種のオフセット領域と
して利用する際、安定的に作動させることができ、信頼
性の高い強誘電体不揮発性メモリを提供することができ
る。
【0073】なお、選択ゲート電極9およびコントロー
ルゲート電極5の形成工程において、アライメント許容
度および加工精度により、選択ゲート電極9およびコン
トロールゲート電極5の幅を小さくすることには限界が
ある。しかし、本実施例においては、選択ゲート電極9
の一部をコントロールゲート電極5が覆っている。した
がって、選択ゲート電極9およびコントロールゲート電
極5が形成される領域の合計寸法を、小さくすることが
できる。これにより、よりセル面積の小さな強誘電体不
揮発性メモリを提供することができる。
【0074】また、オフセット領域20aを絶縁体膜2
6、および強誘電体膜6で覆うように形成して、その上
に絶縁性サイドウォール23を形成してもよい。この場
合は、絶縁体膜26、および強誘電体膜6上にコントロ
ールゲート電極5を形成する際、絶縁性サイドウォール
23形成の分だけ残してコントロールゲート電極5を形
成することとなる。
【0075】なお、本実施例では、強誘電体膜6と基板
表面との間に、比誘電率の高い絶縁体膜26を設けてい
るが、強誘電体層66形成の際の熱処理で生ずるPb等
が半導体基板中へ拡散することを防止できる絶縁物質で
あれば、どのようなものであってもよい。さらに、場合
によっては基板表面に強誘電体膜6を直接形成してもよ
い。
【0076】また、本実施例では、強誘電性物質として
PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、を使用したが、Pb
TiO3、チタン酸バリウム、チタン酸ビスマス、PL
ZT等の強誘電性を示す物質であれば、他の物質を用い
てもよい。さらに、ソフトライトの問題を避けるため活
性化電界の大きい物質を用いるとともに、活性化電界が
大きくなるように形成することが望ましい。
【0077】ここで、ソフトライトとは、書込時に、非
選択セルのコントロールゲート電極5にプログラム電圧
を印加するたびに、チャネル形成領域10b上の強誘電
体膜6の分極状態が少しずつ反転することをいう。ソフ
トライトが繰り返されると、分極状態がついには完全に
反転し、そのセルのデータが誤ったデータとなってしま
すおそれがある。
【0078】なお、チャネル形成領域10bにチャネル
(反転層)を形成するためのしきい値電圧(Vth)を
強誘電体薄膜の抗電圧より低く設定するとともに、非選
択セルのコントロールゲート電極5に、図8Bに示すよ
うな立上がり波形をなだらかにした電圧を与えるように
してもよい。これにより、非選択セルの強誘電体膜6が
誤って書き込み状態となることおよびソフトライトをよ
り完全に防止することができる。
【0079】なぜなら、一般的に、強誘電体膜6は抗電
界に相当する電圧以上の電圧を印加した場合に急激に分
極が生じ、抗電界に相当する電圧でなければ、短時間の
間にはほとんど分極は起こらないという性質を有する
(図9の強誘電体膜のE−Pヒステリシスループ参
照)。一方、コントロールゲート電極5に前記しきい値
電圧(Vth)以上の電圧を印加すると、すぐにチャネ
ルが形成される。したがって、隣接するチャネル形成領
域10cの反転層を通じて、ドレイン3から速やかに電
子が供給される。これにより、チャネル形成領域10b
に反転層が形成される。この部分の電位はドレイン電位
に等しい。したがって、実質的に強誘電体膜6に抗電界
に相当する電圧が印加されないこととなるからである。
【0080】このように、しきい値電圧を調整し立上が
り波形をなだらかにした電圧を印加することにより、非
選択セルにおいて、強誘電体膜6の分極状態が反転する
際に、チャネル形成領域10bに反転層を形成し、誤書
込およびソフトライトをより確実に防止することができ
る。
【0081】なお、本実施例においては、Nチャネルト
ランジスタにて説明したが、Pチャネルトランジスタに
採用してもよい。
【0082】
【発明の効果】請求項1にかかる強誘電体不揮発性メモ
リおよび請求項4にかかる強誘電体不揮発性メモリの製
造方法においては、強誘電体膜および分極用制御電極
が、少なくとも第2の電路形成可能領域を覆うととも
に、電路形成用制御電極の一部を覆っている。したがっ
て、強誘電体膜および分極用制御電極が形成される領域
と電路形成用制御電極が形成される領域の合計寸法をア
ライメント許容度により決定される最小寸法より、小さ
くすることができる。
【0083】また、第1領域に読み出し電圧が印加され
た場合には、前記読み出し電圧印加により生じた空乏層
が前記第2の電路形成可能領域に生じる空乏層とつなが
り、かつ、前記第2領域に書き込み禁止電圧が印加され
た場合には、前記第1領域に生じている空乏層が第2の
電路形成可能領域に生じる空乏層とつながらない程度の
幅を有する絶縁性側壁が、第1の電路形成可能領域上
に、分極用制御電極の側壁の側壁に隣接して設けられて
いる。このため、第1領域に読み出し電圧が印可された
場合には、第1の電路形成可能領域に電路が形成される
が、第1領域に読み出し電圧が印加されない場合には、
読み出し電圧による空乏層が生じないため、第1の電路
形成可能領域に電路が形成されない。したがって、絶縁
性側壁下部を、一種のオフセット手段として利用するこ
とができ、1セルにつき1つの選択トランジスタを設け
るだけで不揮発性メモリを構成することができる。
【0084】そのため、読み取り後再書込が不要で、書
込動作が高速かつ書き換え可能な回数も多く、さらにセ
ル面積を縮小することができ、集積度を向上させた強誘
電体不揮発性メモリを提供することができる。
【0085】請求項2にかかる強誘電体不揮発性メモリ
および請求項5にかかる強誘電体不揮発性メモリの製造
方法においては、電路形成可能領域と強誘電体膜の間に
絶縁膜を設けている。したがって、絶縁膜の上に強誘電
体膜を形成する際に発生する障害から、電路形成可能領
域を保護することができる。このため、より信頼度の高
い強誘電体不揮発性メモリを提供することができる。
【0086】請求項3にかかる強誘電体不揮発性メモリ
および請求項6にかかる強誘電体不揮発性メモリの製造
方法においては、電路形成可能領域と強誘電体膜の間に
設けられている絶縁膜に基板表面を酸化処理することに
より形成されるシリコン酸化膜よりも比誘電率の高い物
質を用いている。したがって、強誘電体膜の分圧比を上
げることができる。これにより、比較的低いプログラム
電圧であっても、第2の電路形成可能領域に確実に電路
を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】強誘電体不揮発性メモリ1を示す構造図であ
る。
【図2】書込時における強誘電体不揮発性メモリ1を示
す図である。A,Cは書込状態の空乏層の状態を示す図
である。Aは選択セル、Cは非選択セルを示す。また、
B,Dは強誘電体膜6の分極状態を示す図であり、Bが
マイナス方向、Dがプラス方向に分極している状態を示
す。
【図3】読み出し時における強誘電体不揮発性メモリ1
の空乏層の状態を示す図である。Aは書込状態である場
合、Bは非書込状態である。
【図4】強誘電体不揮発性メモリ1の使用状態図であ
る。Aは、マトリックス状に組合わせた等価回路図であ
り、Bは、各動作における電圧を表わした一例である。
【図5】強誘電体不揮発性メモリ1の製造工程を示す図
である。
【図6】強誘電体不揮発性メモリ1の製造工程を示す図
である。
【図7】強誘電体不揮発性メモリ1の製造工程を示す図
である。
【図8】書込時にコントロールゲート電極5に与えるパ
ルス波形を示す図である。Aは、方形パルス、Bはラン
プ形状パルスを示す図である。
【図9】強誘電体のヒステリシスループを示す図であ
る。
【図10】従来の不揮発性メモリ41の図である。
【図11】従来の不揮発性メモリ41を複数組合わせた等
価回路を示す図である。
【図12】従来の不揮発性メモリ30の等価回路を示す図
である。
【図13】従来の不揮発性メモリ50の図である。
【符号の説明】
3・・・ドレイン 4・・・ソース 5・・・コントロールゲート電極 6・・・強誘電体膜 9・・・選択ゲート電極 10b,10c・・・チャネル形成領域 20a・・・オフセット領域 23・・・絶縁性サイドウォール 26・・・絶縁体膜
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/8247 H01L 27/105 H01L 29/788 H01L 29/792

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1領域、 第1領域に隣接して順次形成された第1,第2,第3の
    電路形成可能領域、 第3の電路形成可能領域に隣接して形成された第2領
    域、 第3の電路形成可能領域上に設けられた電路形成用制御
    電極、 少なくとも第2の電路形成可能領域を覆うとともに、電
    路形成用制御電極の一部を覆う強誘電体膜、 強誘電体膜上に設けられており、少なくとも第2の電路
    形成可能領域を覆うとともに、電路形成用制御電極の一
    部を覆う分極用制御電極、 第1の電路形成可能領域上に、分極用制御電極の側壁に
    隣接して設けられ、第1領域に読み出し電圧が印加され
    た場合には、前記読み出し電圧印加により生じた空乏層
    が前記第2の電路形成可能領域に生じる空乏層とつなが
    り、かつ、前記第2領域に書き込み禁止電圧が印加され
    た場合には、前記第1領域に生じている空乏層が第2の
    電路形成可能領域に生じる空乏層とつながらない程度の
    幅を有する絶縁性側壁、 を備えたことを特徴とする強誘電体不揮発性メモリ。
  2. 【請求項2】請求項1の強誘電体不揮発性メモリにおい
    て、 電路形成可能領域と強誘電体膜の間に絶縁膜を備えてい
    ること、 を特徴とする強誘電体不揮発性メモリ。
  3. 【請求項3】請求項2の強誘電体不揮発性メモリにおい
    て、 電路形成可能領域と強誘電体膜の間に設けている絶縁膜
    に基板表面を酸化処理することにより形成されるシリコ
    ン酸化膜よりも比誘電率の高い物質を用いたこと、 を特徴とする強誘電体不揮発性メモリ。
  4. 【請求項4】半導体基板上に電路形成用制御電極を形成
    する第一の工程、 半導体基板および電路形成用制御電極を覆う強誘電体膜
    を形成する第二の工程、 前記強誘電体膜上に、電路形成用制御電極の一部を覆う
    ように分極用制御電極を形成する第三の工程、 前記強誘電体膜と分極用制御電極の側壁に、第1領域に
    読み出し電圧が印加された場合には、前記読み出し電圧
    印加により生じた空乏層が前記第2の電路形成可能領域
    に生じる空乏層とつながり、かつ、前記第2領域に書き
    込み禁止電圧が印加された場合には、前記第1領域に生
    じている空乏層が第2の電路形成可能領域に生じる空乏
    層とつながらない程度の幅を有する絶縁性側壁を形成す
    る第四の工程、 前記半導体基板内に第1領域、および第2領域を形成す
    る第五の工程、 を備えた強誘電体不揮発性メモリの製造方法。
  5. 【請求項5】請求項4の強誘電体不揮発性メモリの製造
    方法において、 前記第一の工程と前記第二の工程の間に、絶縁膜を形成
    する工程、 を備えた強誘電体不揮発性メモリの製造方法。
  6. 【請求項6】請求項5の強誘電体不揮発性メモリの製造
    方法において、 前記絶縁膜は基板表面を酸化処理することにより形成さ
    れるシリコン酸化膜よりも比誘電率の高い物質であるこ
    と、 を特徴とする強誘電体不揮発性メモリの製造方法。
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