JP3144473B2 - 空気環境調整機能付棚 - Google Patents

空気環境調整機能付棚

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JP3144473B2
JP3144473B2 JP29896696A JP29896696A JP3144473B2 JP 3144473 B2 JP3144473 B2 JP 3144473B2 JP 29896696 A JP29896696 A JP 29896696A JP 29896696 A JP29896696 A JP 29896696A JP 3144473 B2 JP3144473 B2 JP 3144473B2
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邦雄 宮崎
知之 河野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、図書館、文化財保
存館、公文書館、資料館、倉庫、書庫、病院、地下貯蔵
庫等における、内部の収納物の保存に適する棚あるいは
移動棚、靴を収納する下足棚等の棚に関し、詳しくは環
境条件を整える機能を有する環境条件調整機能付棚に関
する。
【0002】
【従来の技術】室内に棚等の収納器を設置すると、室内
環境は棚外と棚内、棚上と棚下、棚前と棚奥、棚開放部
と棚閉鎖部とではそれぞれ異なった温湿度環境となる。
従って各部で起こる自然対流は複雑に流れ、棚内部の収
納物に付着した塵埃あるいは外部に浮遊している塵埃等
が、この対流に乗って棚内部に進入、あるいは棚内部か
らの排出を繰り返すこととなり、収納物の品質低下を促
進させてしまうという問題点があった。
【0003】そこで、移動棚の側板に空気清浄機を取り
付け、室内の空気を浄化することにより、移動棚の移動
時あるいは作業者の歩行時等に発生する塵埃の飛散を防
止する技術が実公平6−30734号公報に開示されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公報に開
示された技術では、棚が設置された室内の空気は浄化さ
れるものの棚内部の空気は浄化されず、棚内部に進入し
た塵埃、害虫、菌や黴の胞子等の微生物、あるいは棚内
部に発生した黴やバクテリア等の除去を行うことができ
ないため、棚内部の収納物の品質低下を防止することが
できないという問題点がある。
【0005】本発明は、棚内部の空気環境を調整し、収
納物の品質を低下させることなく長期の収納が可能な空
気環境調整機能付棚の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、空気
環境調整機能付棚であって、収納物を収納し側板を有す
る棚において、前記棚の上部に配設された、棚内部の空
気を吸引して清浄する空気清浄手段と、前記空気清浄手
段より排出された空気を前記棚の下部に向けて送るため
の、前記側板に形成され、前記空気清浄手段と前記棚の
下部とに接続された空気流路と、前記棚の下部に送られ
た空気を前記空気清浄手段に吸引させるべく前記棚内部
空間を通して上部へ向けて送る空気路とを有すること
を特徴とする。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載の空
気環境調整機能付棚において、さらに、前記棚の下部
に、棚内部の空気を加熱する加熱手段を有することを特
徴とする。
【0008】請求項3記載の発明は、請求項1または請
求項2記載の空気環境調整機能付棚において、さらに、
前記空気清浄手段と併用される除湿手段と、棚内部の空
気の湿度を検出するセンサーと、前記センサーの検出結
果に基づいて前記除湿手段の作動を制御する制御手段と
を有することを特徴とする。
【0009】請求項4記載の発明は、請求項3記載の空
気環境調整機能付棚において、さらに、棚内部の空気を
加湿する加湿手段を有することを特徴とする。
【0010】請求項5記載の発明は、請求項4記載の空
気環境調整機能付棚において、さらに、前記加湿手段
は、前記除湿手段によって処理された水分を用いて加湿
を行うことを特徴とする。
【0011】請求項6記載の発明は、請求項1ないし請
求項5のうちの何れか1つに記載の空気環境調整機能付
棚において、さらに、前記棚が移動棚であることを特徴
とする。
【0012】請求項7記載の発明は、請求項6記載の空
気環境調整機能付棚において、さらに、前記移動棚が側
壁と底板とを有し、前記除湿手段が前記側壁に取り付け
られ、前記空気流路の、前記空気清浄手段より排出され
た空気を吐出する吐出口が、前記底板の内部あるいは上
部に設けられていることを特徴とする。
【0013】請求項8記載の発明は、空気環境調整機能
付棚であって、収納物を収納し側板を有する棚におい
て、開放棚である棚本体と、前記棚本体の上部に配設さ
れた、棚内部の空気を吸引して清浄する空気清浄手段
と、前記空気清浄手段より排出された空気を前記棚本体
の下部に向けて送るための、前記側板に形成された、前
記空気清浄手段と前記棚本体の下部とに接続された空気
流路と、前記棚本体の下部に送られた空気を前記空気清
浄手段に吸引させるべく前記棚内部の空間を通して上部
へ向けて送る空気路とを有することを特徴とする。
【0014】
【実施例】図1は、本発明の第1の実施例を採用した空
気環境調整機能付棚を示している。同図において棚1
は、棚本体2、空気清浄手段3、空気流路4から主に構
成されている。
【0015】棚本体2は、図2に示すように、側板5,
6、天板7、底板8、背板9、仕切板10、棚板11か
ら主に構成されている。
【0016】各側板5,6の棚内部に面する内側面に
は、棚板11を支持するための図示しない棚受けが複数
配設されており、一方の側板6には、空気流路4を構成
する通路12が形成されている。
【0017】各側板5,6のそれぞれの上端にその両端
部を取り付けられた天板7には、後述する空気清浄手段
3を取り付けるための開孔7aが形成されている。
【0018】各側板5,6のそれぞれの下端部近傍に、
床面に対して隙間を有する状態でその両端部を取り付け
られた底板8には、通路12より噴出された空気を上方
に向けて循環させるための複数の貫通穴8aが形成され
ている。
【0019】背板9は、棚本体2の1面を閉塞させるべ
く、各側板5,6と天板7の一側面に取り付けられてい
る。
【0020】天板7の略中央部と底板8の略中央部とに
その両端を取り付けられた仕切板10には、各側板5,
6に設けられた棚受けと対応する位置に図示しない棚受
けが複数配設されており、各棚受けが設けられた位置と
位置との間には、空気を循環させるための貫通穴10a
が複数形成されている。
【0021】各側板5,6と仕切板10との間には、複
数の棚板11が配設されている。各棚板11は、各側板
5,6及び仕切板10に設けられた図示しない棚受け
に、その両端部を取り外し可能に支持されている。各棚
板11と各側板5,6及び仕切板10及び背板9との間
には、空気の流通が可能な図示しない隙間が形成されて
おり、また、各棚板11には、空気を循環させるための
貫通穴11aが複数形成されている。各貫通穴8a,1
0a,11a及び図示しない隙間によって空気路が形成
されている。
【0022】開孔7aには、空気清浄手段3が取り付け
られている。空気清浄手段3は、ファン13とフィルタ
ー14とから主に構成されており、フィルター14とし
ては、電子式空気清浄フィルターが用いられる。このフ
ィルター14は通風抵抗が非常に小さく(風速1m/s
ecで空気が通過する場合の圧力損失2mmH2O )、
これを用いることにより、ファン13の風量にほとんど
影響を与えずに1ミクロン以下の微細な粒子(菌や黴の
胞子、バクテリア、花粉、塵埃、ダニの死骸等)を補集
することができる。また、補集できなかった粒子に関し
ても電気的に帯電されることがないため、これらが棚内
部の収納物に電気的に付着することが防止でき、収納物
の品質低下を極力防止することができる。
【0023】空気流路4を構成するダクト15は、その
一端をファン13の上部に設けられた吹出口13aに接
続されており、他端は通路12に接続されている。
【0024】また、ダクト15及び通路12を介して棚
1の下部より吹き出される空気の吹出風速が0.5m/
sec程度となるように、ファン13の強さが調整され
ている。
【0025】上述の構成により、ファン13が回転する
と、吹出口13aから空気流路4を介して棚1の下部に
送られた空気は貫通穴8aを通って棚1の内部に送られ
る。さらに、棚内部の空気は、貫通穴11a、貫通穴1
0a、図示しない隙間を通って棚1の内部全般に行き渡
り、ファン13の吸引力によって上部に向かって流れる
際に、棚内部や収納物に付着した微細な粒子を巻き上
げ、フィルター14を通過して浄化される。
【0026】空気が棚1の内部に送り込まれることによ
り、棚内部や収納物に付着した微細な粒子が空気によっ
て除去され、さらにこの空気が空気清浄手段3によって
浄化された後に繰り返して循環されるため、徐々に棚内
部の空気環境が浄化されるという濾過機能による効果を
得ることができる。また、空気清浄手段3によって棚内
部の微生物を除去しながら減少させるという除菌効果を
も同時に達成することができ、収納物の品質低下を防止
することができる。
【0027】図3は、第1の実施例の変形例を示してい
る。この変形例は、第1の実施例と比較すると、棚本体
2の下部に加熱手段としてのヒーター16を有する点に
おいてのみ相違し、他の構成は同一である。
【0028】棚内部における下部から上部への対流をよ
り促進させるため、通路12より噴出された空気を加熱
する電熱線等からなるヒーター16は、底板8の下部に
取り付けられている。ヒーター16には、図示しない電
源からの電力が供給される。なお、ヒーター16による
加熱の程度は、棚内部の収納物に悪影響を及ぼさず、空
気の対流を効果的に行う範囲であればよく、従って、温
度(加熱)コントロール用のセンサー及び制御手段が組
み込まれていることは言うまでもない。
【0029】上述の構成により、ヒーター16に通電さ
れた後にファン13が回転すると、吹出口13aから空
気流路4を介して棚1の下部に送られた空気はヒーター
16によって加熱され、貫通穴8aを通って棚1の内部
に送られる。さらに、加熱された空気は、貫通穴11
a、貫通穴10a、図示しない隙間を通って棚1の内部
全般に行き渡り、加熱されていない内部の空気と対流を
起こすことにより棚内部や収納物に付着した微細な粒子
を巻き上げつつ、棚1の上部においてファン13によっ
て吸引され、フィルター14を通過して浄化される。
【0030】加熱された空気が棚1の内部に送り込まれ
ることにより、棚内部や収納物に付着した微細な粒子が
加熱された空気によって除去され、さらにこの加熱され
た空気が空気清浄手段3によって浄化された後に繰り返
して循環されるため、上述の濾過機能による効果及び除
菌効果を効率よく得ることができ、収納物の品質低下を
より一層防止することができる。
【0031】
【0032】図4は、本発明の第2の実施例を採用した
空気環境調整機能付棚を示している。この第2の実施例
は、第1の実施例と比較すると、除湿手段としての除湿
器17、センサー18、制御手段19を有している点に
おいてのみ相違し、他の構成は同一である。
【0033】除湿器17は、ダクト15の経路中に配設
されている。除湿器17としては、湿式除湿器または乾
式除湿器の何れを用いてもよいが、水捨てが不要な点、
溜まった水分による収納物への影響が少ない点等から乾
式除湿器を用いる方が好ましい。
【0034】センサー18は、棚1の内部の最も湿度の
高い場所、すなわち底板8の下部に配設されている。セ
ンサー18としては、湿度情報を出力するタイプのも
の、あるいは設定湿度に達したら信号を出力するタイプ
のものが用いられる。センサー18からの信号は制御手
段19に向けて出力される。
【0035】周知のマイクロコンピューターから構成さ
れる制御手段19には、センサー18からの信号が入力
される。制御手段19は、この入力信号に基づいて除湿
器17に作動信号を出力する。
【0036】このような構成とすることにより、棚1の
内部の湿度をある一定範囲内に維持するという調湿機能
による効果を得ることができ、高湿度による収納物への
悪影響を極力防止することができる。
【0037】図5は、本発明の第2の実施例の変形例を
示している。この変形例は、第2の実施例と比較する
と、空気清浄手段3及び除湿器17に代えて、除湿手段
としての乾式除湿器21を有する空気清浄手段20を用
いる点においてのみ相違し、他の構成は同一である。
【0038】空気清浄手段20は、フィルター14と乾
式除湿器21とから主に構成されている。乾式除湿器2
1としては、ドライボーイ800またはドライボーイW
20(共に商品名)が用いられる。この乾式除湿器21
は、吸入口21a、第1排出口21b、第2排出口21
cを有しており、取付部材22を介してフィルター14
の上部に取り付けられている。
【0039】また、乾式除湿機21は、その内部に図示
しないファン、ヒーター、吸湿ローターを有しており、
このファンによって乾式除湿機21内に吸引された空気
は、ヒーター、吸湿ローターを通って加熱された後、第
1排出口21b及び第2排出口21cに送られる。
【0040】取付部材22には空気取入口22aが形成
されており、この空気取入口22aと吸入口21aとに
は、フィルター14を通過した空気を乾式除湿器21に
送り込むためのダクト23が接続されている。
【0041】上記構成とすることにより、ファン13を
省略することができ、構成を簡略化すると共に省スペー
ス化を図ることができる。また、乾式除湿機21の吸湿
ローターを通って加熱乾燥された空気が棚1の内部に供
給されることにより、加熱されていない内部の空気との
間で対流作用を起こしつつ棚内部の環境を均一化して調
湿機能による効果を得ることができると共に、棚内部や
収納物に付着した微細な粒子を除去して濾過機能による
効果及び除菌効果を得ることができる。
【0042】さらに、対流作用と調湿機能との相乗作用
により、棚内部の湿度を最適湿度に集束させる清浄空気
定湿化を達成することができ、これにより、棚内部にお
ける微生物の生育を抑制する静菌効果、並びに湿度や微
生物による収納物の劣化速度を抑制する劣化遅延効果を
得ることができる。
【0043】この第2の実施例及び変形例においても、
図6、7に示すように、底板8の下部にヒーター16を
取り付けた構成としてもよい。これにより対流作用がよ
り顕著に行われ、上述の各効果を効率よく得ることがで
きる。
【0044】図8は、本発明の第3の実施例を採用した
空気環境調整機能付棚を示している。この第3の実施例
は、図4に示した第2の実施例と比較すると、加湿手段
としての加湿器24を有する点においてのみ相違し、他
の構成は同一である。
【0045】加湿器24は、天板7に形成された開孔7
bに取り付けられており、棚1の内部に向けて水蒸気を
放散する周知の構成である。この加湿器24は、センサ
ー18からの湿度情報に基づいて、その作動を制御手段
19によって制御される。
【0046】このような構成とすることにより、清浄空
気定湿化の精度が向上し、静菌効果、劣化遅延効果の効
率を向上させることができる。
【0047】図9は、本発明の第3の実施例の変形例を
示している。この変形例は、上述の第3の実施例と比較
すると、加湿器24に代えて、加湿手段としての調湿剤
25を用いた点においてのみ相違し、他の構成は同一で
ある。
【0048】調湿剤25は、天板7に形成された開孔7
bに取り付けられており、その一面を棚1の内部に、他
面を棚1の外部に臨ませている。調湿剤25は、シリカ
ゲル(二酸化珪素)より主に構成されており、湿度が高
い場合には大気中の水分をその内部に貯留し、湿度の低
下に伴って内部に貯留した水分を大気中に放散するとい
う性能を有する。調湿剤25としては、アートソーブ
(商品名)等が挙げられる。
【0049】このような調湿剤25を用いることによ
り、加湿器24を用いた場合のように制御手段を必要と
することなく、調湿剤25のみで棚内部の加湿を行うこ
とができ、制御及び構成を簡略化することができる。
【0050】図10は、本発明の第3の実施例の他の変
形例を示している。この変形例は、第3の実施例と比較
すると、空気清浄手段3及び除湿器17に代えて乾式除
湿器21を有する空気清浄手段20を用いた点と、加湿
器24に代えて調湿剤25を用いた点においてのみ相違
し、他の構成は同一である。
【0051】開孔7bに取り付けられた調湿剤25の上
面には、開孔26aを有するカバー26が配置されてお
り、この開孔26aには、一端を乾式除湿器21の第2
排出口21cに接続されたダクト27の他端が接続され
ている。
【0052】この構成により、夏場等の湿度の高い時期
に乾湿除湿器21によって除去された棚内部の水分を調
湿剤25に貯留し、冬場等の湿度の低い時期に調湿剤2
5より水分を放散させることにより、簡単な構成で長期
間にわたって棚内部の湿度を一定に保つことができる。
【0053】また、上述の第3の実施例及び各変形例に
おいても、底板8の下部にヒーター16を取り付けた構
成としてもよい。
【0054】第1ないし第3の各実施例及び各変形例で
は、棚1として、棚本体2の背面に背板9を有する、1
面が閉塞されたものを用いたが、本発明はこれに限られ
ず、棚本体2の前面に扉を有する2面が閉塞されたも
の、あるいは背板9を有さない2面が開放された棚にも
適用が可能である。この場合、2面が閉塞されたもので
は、棚内部の空気が外部に流れることがないため、各棚
板11と各側板5,6及び仕切板10及び背板9との間
に図示しない隙間が形成されていれば各貫通穴10a,
11aは必ずしも必要ではない。また、2面が開放され
たものでは、棚内部の空気が外部に流れるため、各貫通
穴10a,11aが形成されている方が好ましいが、時
間をかければ棚内部の空気は均一となるため、2面が開
放されたものでも各貫通穴10a,11aは必ずしも必
要ではない。
【0055】第1ないし第3の各実施例及び各変形例で
は、一方の側板6にのみ通路12を設けた構成とした
が、各側板5,6に通路12を形成し、各通路12を空
気清浄手段3、あるいは空気清浄手段20と接続する構
成としてもよい。
【0056】また、第1ないし第3の各実施例及び各変
形例では、棚1として、床面に載置あるいは固定された
棚を示したが、本発明はこれに限られず、図11に示す
ように、床面に固定された2本のレール28,29上に
移動自在に配置され、ハンドル31によって移動され
る、背板9を有さない複数の棚本体2からなる移動棚3
0に適用することも可能である。この場合、棚本体2の
2面が開放されているので、空気清浄手段3、あるいは
空気清浄手段20は棚本体2に対して1個ずつ設ける必
要はなく、何ブロックかの棚本体2に対して1個配置す
ればよい。
【0057】さらに、図12に、側板5に乾式除湿器2
1を配設し、底板8の上部に排出ダクト40の排出口4
0aを配置した移動棚41の例を示す。なお、この排出
ダクト40は、完全に底板8の内部に収納してもよい。
【0058】さらに、本発明の空気環境調整機能付棚と
しては、図13に示すように、底板8の前面上部にレー
ル32,33を有し、このレール上を摺動して棚本体2
の前面を開閉自在な扉34,35を有する下足棚として
の靴箱36、あるいは図14に示すように、複数の仕切
板10及び複数の棚板11で仕切られた空間37の前面
に、取手38aを有する開閉自在な扉38を具備した下
足棚としての靴箱39に適用してもよい。このように、
本発明を靴箱に適用することにより、靴への黴の発生の
防止、及び防臭効果を得ることができる。
【0059】上述した清浄空気定湿化、対流作用、静菌
効果及び除菌効果の比較確認試験を図5に示した棚1と
略同様の空気環境調整機能付棚と通常棚とを用いて行っ
た。なお、各実験データを示すグラフは、各棚について
の複数のデータのうちの最大値と最小値とをそれぞれ示
している。
【0060】図15、図16(a)に示すように、通常
棚では棚内部の湿度が67〜78%の範囲で推移し、棚
の各部位によって異なった湿度変化を示しているのに対
し、図15、図16(b)に示すように、空気環境調整
機能付棚では棚内部の湿度が55〜60%の狭い範囲で
推移し、棚の各部位における湿度変化が一定となってい
ることが判る。これにより、収納物に対して最適な湿度
環境を棚内部に作り出していることが判明し、清浄空気
定湿化が確認された。
【0061】また、各棚内部の隅で湿度を測定した結
果、図17に示すように、空気環境調整機能付棚では全
体の湿度が下がり、湿度変化も一定となっていることが
判り、対流作用により調湿された空気が棚内部の隅にま
で行き渡っていることが確認された。
【0062】さらに、各棚内部を結露状態とし、各棚板
上に、ポテトデキストロース寒天の入ったシャーレ上に
敷かれた濾紙の中央に黴を植え付けた試料を置き、落下
菌の影響を極力避けた状態で実験を行った結果、図18
に示すように、通常棚では、湿度45〜99%と大きな
湿度変化を示したと共に、試料中央の黴の生育が確認さ
れ、付着しにくい落下菌の生育も確認されたが、空気環
境調整機能付棚では、湿度を65〜85%の範囲に集束
させると共に、試料中央の黴の生育が抑えられ、静菌効
果が確認された。
【0063】また、上述と同様の条件で、各棚板上に、
ポテトデキストロース寒天の入ったシャーレを置き、落
下菌の数で除菌効果を評価した結果、通常棚では落下菌
の数が多く、シャーレ全面に生育したが、空気環境調整
機能付棚では落下菌の数は少なく、生育もしていないと
ころから、除菌効果も確認することができた。
【0064】第2、第3の各実施例及び各変形例におけ
る調湿機能は、棚1が設置されている環境が空調機によ
りある程度の湿度範囲に調節されていることを前提とし
ている。これは、背板9を有さない、棚本体2の2面が
開放された棚についても同様であるが、図13、図14
に示すような、背板9と前面扉とを有する密閉された棚
(靴箱)36,39では空調設備は必ずしも必要ではな
い。また、図11に示すような移動棚30では、各棚本
体2を、互いの間隔が20mm以下程度となるように集
束させた状態とすると、環境条件に左右されることなく
調湿機能による効果を得ることができる。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、空気が棚の内部に送り
込まれることにより、対流作用によって棚内部や収納物
に付着した微細な粒子が除去され、さらにこの空気が空
気清浄手段の濾過機能によって浄化された後に空気流路
を通って繰り返し循環されるため、徐々に棚内部の空気
環境が浄化されて微生物等が除去される除菌効果が得ら
れ、収納物の品質低下を防止することができる。また、
除湿手段を用いることにより、収納物の保存環境に合わ
せた湿度環境を作る調湿機能と対流作用との相乗作用に
よって棚内部の湿度を最適湿度に集束させる清浄空気定
湿化を達成することができ、これにより棚内部での微生
物の生育を抑える静菌効果、湿度や微生物による収納物
の劣化速度を抑える劣化遅延効果を得ることができるの
で、収納物の品質低下をより一層防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を採用した空気環境調整
機能付棚の正面図である。
【図2】本発明の第1ないし第3の実施例に用いられる
棚本体を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施例の変形例を示す空気環境
調整機能付棚の正面図である。
【図4】本発明の第2の実施例を示す空気環境調整機能
付棚の正面図である。
【図5】本発明の第2の実施例の変形例を示す空気環境
調整機能付棚の正面図である。
【図6】本発明の第2の実施例の他の変形例を示す空気
環境調整機能付棚の正面図である。
【図7】本発明の第2の実施例の他の変形例を示す空気
環境調整機能付棚の正面図である。
【図8】本発明の第3の実施例を示す空気環境調整機能
付棚の正面図である。
【図9】本発明の第3の実施例の変形例を示す空気環境
調整機能付棚の正面図である。
【図10】本発明の第3の実施例の他の変形例を示す空
気環境調整機能付棚の正面図である。
【図11】本発明の第1ないし第3の実施例の変形例を
示す移動棚の斜視図である。
【図12】本発明の第1ないし第3の実施例の他の変形
例を示す移動棚の斜視図である。
【図13】本発明の第1ないし第3の実施例の他の変形
例を示す靴箱の斜視図である。
【図14】本発明の第1ないし第3の実施例のさらに他
の変形例を示す靴箱の斜視図である。
【図15】本発明の空気環境調整機能付棚と通常棚との
比較確認試験データを示す図である。
【図16】本発明の空気環境調整機能付棚と通常棚との
比較確認試験データを示す(a)通常棚内部の各部位に
おける湿度(b)空気環境調整機能付棚内部の各部位に
おける湿度を示す図である。
【図17】本発明の空気環境調整機能付棚と通常棚との
比較確認試験データを示す図である。
【図18】本発明の空気環境調整機能付棚と通常棚との
比較確認試験データを示す図である。
【符号の説明】
1 棚 3 空気清浄手段 4 空気流路 16 加熱手段(ヒーター) 17 除湿手段(除湿器) 18 センサー 19 制御手段 20 空気清浄手段 21 除湿手段(乾式除湿器) 24 加湿手段(加湿器) 25 加湿手段(調湿剤) 30 移動棚 36 下足棚(靴箱) 39 下足棚(靴箱) 41 移動棚
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F24F 7/007 F24F 7/007 D 7/013 101 7/013 101G (72)発明者 池永 一郎 熊本県熊本市上熊本3丁目8番1号・金 剛株式会社内

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】収納物を収納し側板を有する棚において、 前記棚の上部に配設された、棚内部の空気を吸引して清
    浄する空気清浄手段と、 前記空気清浄手段より排出された空気を前記棚の下部に
    向けて送るための、前記側板に形成され、前記空気清浄
    手段と前記棚の下部とに接続された空気流路と、 前記棚の下部に送られた空気を前記空気清浄手段に吸引
    させるべく前記棚内部の空間を通して上部へ向けて送る
    空気路とを有することを特徴とする空気環境調整機能付
    棚。
  2. 【請求項2】前記棚の下部に、棚内部の空気を加熱する
    加熱手段を有することを特徴とする請求項1記載の空気
    環境調整機能付棚。
  3. 【請求項3】前記空気清浄手段と併用される除湿手段
    と、棚内部の空気の湿度を検出するセンサーと、前記セ
    ンサーの検出結果に基づいて前記除湿手段の作動を制御
    する制御手段とを有することを特徴とする請求項1また
    は請求項2記載の空気環境調整機能付棚。
  4. 【請求項4】棚内部の空気を加湿する加湿手段を有する
    ことを特徴とする請求項3記載の空気環境調整機能付
    棚。
  5. 【請求項5】前記加湿手段は、前記除湿手段によって処
    理された水分を用いて加湿を行うことを特徴とする請求
    項4記載の空気環境調整機能付棚。
  6. 【請求項6】前記棚が移動棚であることを特徴とする請
    求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載の空
    気環境調整機能付棚。
  7. 【請求項7】前記移動棚が側板と底板とを有し、前記除
    湿手段が前記側板に取り付けられ、前記空気流路の、前
    記空気清浄手段より排出された空気を吐出する吐出口
    が、前記底板の内部あるいは上部に設けられていること
    を特徴とする請求項6記載の空気環境調整機能付棚。
  8. 【請求項8】収納物を収納し側板を有する棚において、 開放棚である棚本体と、 前記棚本体の上部に配設された、棚内部の空気を吸引し
    て清浄する空気清浄手段と、 前記空気清浄手段より排出された空気を前記棚本体の下
    部に向けて送るための、前記側板に形成され、前記空気
    清浄手段と前記棚本体の下部とに接続された空気流路
    と、 前記棚本体の下部に送られた空気を前記空気清浄手段に
    吸引させるべく前記棚内部の空間を通して上部へ向けて
    送る空気路とを有することを特徴とする空気環境調整機
    能付棚。
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