JP3144204B2 - コンデンサの初期故障スクリーニング方法 - Google Patents

コンデンサの初期故障スクリーニング方法

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JP3144204B2 JP02171294A JP2171294A JP3144204B2 JP 3144204 B2 JP3144204 B2 JP 3144204B2 JP 02171294 A JP02171294 A JP 02171294A JP 2171294 A JP2171294 A JP 2171294A JP 3144204 B2 JP3144204 B2 JP 3144204B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、バーンイン処理によ
コンデンサの初期故障スクリーニング方法に関するも
ので、特に、バーンイン処理方法を簡略化するための改
良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】たとえばセラミックコンデンサのような
コンデンサの場合、出荷前の段階において、規定時間、
高温高電圧を印加するバーンイン処理を施すことが初期
故障を含むコンデンサを除去するのに有効である。特に
高信頼製品の規格では、この処理が標準工程として規定
されている。
【0003】上述したバーンイン処理の一つの方法は、
現在、次のように行なわれている。コンデンサを1個ず
つ特定のコネクタに接続し、これらコネクタを電圧印加
用のボードに取付け、これらボードに保持された状態で
複数個のコンデンサが試験槽に入れられる。この試験槽
は、各コンデンサに対して、たとえば85〜95℃の高
温を及ぼしながら、ボードおよびコネクタを介して電圧
を印加し続ける。そして、規定時間、このようなエージ
ングを行なった後、試験槽から、コンデンサがボードと
ともに取出され、各コンデンサに残留した電圧を放電さ
せた後、それぞれについて絶縁抵抗が測定される。この
とき、上述したバーンイン処理のため絶縁抵抗が劣化し
たコンデンサは除去される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たバーンイン処理は、コストおよび能率の点で問題があ
り、そのため、高信頼製品に対してのみ適用されている
のが現状である。すなわち、上述したバーンイン処理に
よれば、複数のコンデンサの各々をコネクタに接続する
作業、および処理中にショートが発生したコンデンサを
除去する作業が少なくとも必要である。特に、処理中に
ショートが発生した場合、特定のボードでの電圧印加が
ストップするため、引続いて処理を継続させたい場合に
は、このようにショートが発生したコンデンサを除去し
なければならない。より具体的には、作業者は、特定の
ボード中のコネクタを1つずつ確認し、ショートしたコ
ンデンサを捜さなければならず、このような選別作業が
処理能率を低下させる要因となっている。また、コネク
タに接続する作業を自動化することは、チップタイプの
コンデンサの場合には困難であり、そのため、特にチッ
プタイプのコンデンサの場合には、労務費が比較的高く
つくという問題もある。
【0005】それゆえに、この発明の目的は、信頼性を
維持しながら、低いコストと高い能率をもって、コンデ
ンサをバーンイン処理することによって初期故障スクリ
ーニングを行なう方法を提供しようとすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明では、上述した
技術的課題を解決するため、予め充電したコンデンサ
を、電気絶縁状態としながら、電圧を印加することな
く、高温下に置き、その状態で所定時間放置することが
行なわれる。その後、残留電圧の放電を行ない、さら
に、コンデンサの絶縁抵抗を測定し、絶縁抵抗が劣化し
ているものを除去することが行なわれる。
【0007】
【作用】この発明は、コンデンサを一旦充電すれば、そ
の後電圧を印加し続けなくても、コンデンサの端子間電
圧は、少なくともエージングのための所定時間の間程度
はほぼ維持される、という知見に基づいてなされたもの
である。このように、予め充電したコンデンサは、その
端子間電圧を所定時間の間ほぼ維持することができるの
で、コンデンサに電圧を印加し続ける場合とほぼ同じ条
件がコンデンサに対して与えられることができる。
【0008】
【発明の効果】したがって、この発明によれば、コンデ
ンサに対して電圧を印加し続けることなく、バーンイン
処理を行なうことができるので、バーンイン処理される
べきコンデンサは、電気絶縁状態としながら、高温下で
所定時間放置されるだけでよい。
【0009】このため、バーンイン処理されるべきコン
デンサは、予め充電した後、たとえば電気絶縁プレート
上に置かれるだけでよいので、複数のコンデンサを容易
にかつ能率的に取扱うことができる。このことは、特に
チップタイプのコンデンサにとって有利である。また、
従来のように、バーンイン処理を行なっている間にショ
ートが発生したコンデンサを除去する必要がないので、
能率的にバーンイン処理を進めることができる。
【0010】このようなことから、この発明によれば、
低コストおよび高能率でコンデンサのバーンイン処理を
行なうことができる。また、電圧の印加が必要でないの
で、バーンイン処理装置を安価に提供することができ、
また、バーンイン処理の自動化を図ることが容易にな
る。そして、コストにとらわれることなく、バーンイン
処理を高信頼製品以外のコンデンサにも適用することが
できようになり、したがって、安価で信頼性の高いコン
デンサを市場に供給することができるようになる。
【0011】
【実施例】まず、この発明によるバーンイン処理方法の
信頼性を確認するため、以下のような実験を行なった。
【0012】CR積22000(F・Ω)のチップ積層
セラミックコンデンサを95℃の試験槽に入れ、このコ
ンデンサに直流64Vを印加して充電した後、放置し
て、コンデンサの端子間電圧の推移を調査した。その結
果が図1に示されている。図1に示すように、充電後の
放置時間が0分後、1分後、5分後、10分後、15分
後、20分後、25分後、30分後のそれぞれにおいて
端子間電圧を測定した。また、コンデンサに対する充電
時間を、1秒、3秒、10秒、120秒というように変
えたときのそれぞれの条件下で、上述した端子間電圧の
測定を行なった。
【0013】図1からわかるように、充電時間がコンデ
ンサの自己放電特性に与える影響はほとんど確認するこ
とができない。また、充電後の放置時間が30分経過し
た後であっても、端子間電圧の変動は最大3%程度であ
ることがわかる。このようなことから、予め充電したコ
ンデンサを、電気絶縁状態としながら、電圧を印加する
ことなく、高温下に置き、その状態で所定時間放置する
ことにより、コンデンサのバーンイン処理を十分に行な
えることがわかる。なお、この発明に係るバーンイン処
理方法は、CR積がより大きなコンデンサほど、高い信
頼性をもって実施することができる。
【0014】以下に、この発明の一実施例について説明
する。 1.充電 バーンイン処理されるべきコンデンサに所定の電圧を所
定の時間だけ印加し、充電を行なう。たとえば、10μ
Fのコンデンサでは、約3秒程度、電圧が印加される。
【0015】2.絶縁プレート上に放置 電気絶縁プレートが用意され、その上に充電されたコン
デンサが置かれる。この絶縁プレートは、その表面の絶
縁抵抗がコンデンサの絶縁抵抗より十分高いものを使用
し、高温放置中に絶縁プレート上で放電されることを避
ける必要がある。なお、絶縁プレートに代えて、コンデ
ンサを電気絶縁材料中に置いても(埋設)よい。
【0016】3.高温放置 上述のコンデンサは、絶縁プレートとともに、たとえば
85〜95℃の高温に保たれた試験槽に入れられ、そこ
で、所定時間放置される。
【0017】4.冷却 上述のようにしてエージングを終えた後、コンデンサ
は、常温中に放置され、冷却される。
【0018】5.放電 次いで、コンデンサの残留電圧を放電させることが行な
われる。
【0019】6.選別 このように放電されたコンデンサの絶縁抵抗が測定さ
れ、それが劣化したコンデンサについては除去される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるコンデンサのバーンイン処理方
法の信頼性を裏付けるために実施された実験によって得
られた充電時間と自己放電特性の関係を示す図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め充電したコンデンサを、電気絶縁状
    態としながら、電圧を印加することなく、高温下に置
    き、その状態で所定時間放置するバーンイン処理工程
    と、 前記コンデンサの残留電圧を放電する残留電圧放電工程
    と、 前記残留電圧放電工程によって放電された前記コンデン
    サの絶縁抵抗を測定し、前記絶縁抵抗が劣化したコンデ
    ンサを除去する選別工程とを含む 、 コンデンサの初期故障スクリーニング方法。
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CN103854860B (zh) * 2014-03-12 2016-08-24 中国振华(集团)新云电子元器件有限责任公司 一种耐高温钽电容器的老炼方法

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