JP3143960B2 - シートリクライニング装置 - Google Patents

シートリクライニング装置

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JP3143960B2 JP03168341A JP16834191A JP3143960B2 JP 3143960 B2 JP3143960 B2 JP 3143960B2 JP 03168341 A JP03168341 A JP 03168341A JP 16834191 A JP16834191 A JP 16834191A JP 3143960 B2 JP3143960 B2 JP 3143960B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両等に搭載されるシ
ートのリクライニング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のリクライニング装置とし
ては、1990年5月に発行された「新型車解説書 N
O.1037030 三菱 DIAMANTE」に記載
されたものが知られている。これは、シートクツシヨン
が固定されるロアアームと、ロアアームに回動自在に支
持されシートバツクが固定されるアツパアームと、ロア
アームに回転自在に支持され且つアツパアームを一体回
転するように支持する偏心シヤフトと、アツパアームに
形成され偏心シヤフトの偏心部を中心とした内歯歯車
と、ロアアームに形成され内歯歯車より少なくとも1歯
少なく内歯歯車と噛合する偏心シヤフトの正心部を中心
とした外歯歯車と、偏心シヤフトに連結され偏心シヤフ
トを回転させてアツパアームをロアアームに対して回動
させシートバツクのシートクツシヨンに対する傾斜角を
調整作動させるモータとを有するもので、シートバツク
のシートクツシヨンに対する傾斜角の調整範囲つまりア
ツパアームのロアアームに対する回動範囲は、アツパア
ーム及びロアアームの前傾斜限度及び後傾斜限度位置に
夫々設けられた凸部同士の当接により過負荷を発生さ
せ、この過負荷を検知してモータへの通電を遮断するこ
とにより設定していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したリク
ライニング装置であると、アツパアーム及びロアアーム
に形成された凸部同士の当接によつてモータの停止を指
令する過負荷を発生させているので、凸部同士が当接し
た際つまりモータの通電を遮断するための指令となる過
負荷が発生した際、大きな減速による大荷重が発生する
こととなる。このため、偏心シヤフトの面圧が大幅に増
大して異常摩耗が発生し、ガタの増加や耐久性の悪化等
を招くものであつた。
【0004】故に、本発明は、モータの通電を遮断する
ための指令となる過負荷が発生した際における大荷重の
発生を防止することを、その技術的課題とするものであ
る。
【0005】
【発明の構成】
【0006】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
るために本発明において講じた技術的手段は、偏心シヤ
フトとモータとの間に配設されアツパアームのロアアー
ムに対する回動範囲を規定するストツパ機構を有したこ
とである。
【0007】
【作用】上記技術的手段は次のように作用する。モータ
の通電を遮断するための指令となる過負荷は、大きな減
速が行われる前の偏心シヤフトとモータとの間で発生す
る。これにより、モータの通電を遮断するための指令と
なる過負荷が発生した際、大荷重が発生するのを防止し
得る。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0009】図1に示されるように、シートクツシヨン
1の後部にはロアアーム2が固定されている。シートク
ツシヨン1の後部付近上にはシートバツク3が配設され
ており、このシートバツク3にはアツパアーム4が固定
されている。このアツパアーム4はロアアーム2に後述
する偏心シヤフト5を介して回動自在に支持されてお
り、これにより、シートバツク3はシートクツシヨン1
に対して回動自在に支持される。
【0010】図2及び図3に示されるように、偏心シヤ
フト5には偏心部5a,偏心部5aを挟んで位置する正
心部5b,5c,正心部5cより先端部側に位置する2
面幅部5d及び二面幅部5dの先端部に位置するネジ部
5eとが連続して形成されている。偏心シヤフト5は正
心部5bにてロアアーム2に回転自在に支持され偏心部
5aにてアツパアーム4を一体回転するように支持して
いる。アツパアーム4には偏心部5aを中心とした内歯
歯車4aが形成されており、ロアアーム2には正心部5
bを中心とした少なくとも内歯歯車4aよりも1歯少な
い外歯歯車2aが形成されている。又、偏心シヤフト5
の正心部5cにはロアアーム2に固定された支持プレー
ト6が支持されており、アツパアーム4は、ロアアーム
2と支持プレート6との間に挟まれた状態で且つ内歯歯
車4aと外歯歯車2aとが噛合された状態で配置され
る。尚、支持プレート6の偏心シヤフト5周りには突部
6aが形成されており、支持プレート6はこの突部6a
を介してアツパアーム4と当接し、アツパアーム4の軸
方向の動きを規制している。
【0011】偏心シヤフト5の二面幅部5dには、第1
ギヤ7が一体回転するように、第2ギヤ8がブツシユ9
を介して相対回転自在に夫々支持されている。第1ギヤ
7と第2ギヤ8とはモジユール等の歯形諸元が等しく且
つ歯数が異なるものとなつている。尚、偏心シヤフト5
のネジ部5eにはナツト10が螺合されており、このナ
ツト10によつて偏心シヤフト1に支持される各部材の
抜けが防止されている。第1ギヤ7には偏心シヤフト5
を中心とした円弧状の長穴11が形成されており、第2
ギヤ8にはピン12が植設されている。このピン12は
長穴11内に摺動自在に挿通されている。ロアアーム2
にはモータ13が支持されており、このモータ13の出
力軸には減速機構14を介してピニオンギヤ15が連結
されている。このピニオンギヤ15は第1ギヤ7及び第
2ギヤ8と同一の歯形諸元となつており、第1ギヤ7及
び第2ギヤ8と噛合している。尚、第1ギヤ7及び第2
ギヤ8の内の少なくとも一方はピニオンギヤ15と噛合
しやすいように転位歯車となつている。
【0012】次に作動について説明する。
【0013】モータ13を作動させると、減速機構14
を介してピニオンギヤ15が回転する。このピニオンギ
ヤ15の回転は第1ギヤ7に伝達され偏心シヤフト5が
回転する。この時、ピニオンギヤ15の回転は第2ギヤ
8にも伝達され第2ギヤは第1ギヤ7と第2ギヤ8との
歯数が異なることから第1ギヤ7に対して相対回転する
と共にピン12が長穴11内を摺動する。この偏心シヤ
フト5の回転により、アツパアーム4が内歯歯車4aと
外歯歯車2aとの噛合によつて内歯歯車4a及び外歯歯
車2aの歯数差分だけロアアームに対して回動する。こ
れにより、シートバツク3がシートクツシヨン1に対し
て回動し、シートバツク3のシートクツシヨン1に対す
る傾斜角が前後方向に調整される。このシートバツク3
の傾斜角を調整するためのモータ13の作動が続いてゆ
くと、最終的にピン12が長穴11の端壁に当接する。
これにより、偏心シヤフト5(第1ギヤ7)の回転が強
制的に停止させられ、モータ13に過負荷が発生する。
この結果、この過負荷を検知してモータ13への通電が
遮断されるつまりこのピン12と長穴11の端壁との当
接位置がシートバツク3の前傾斜限度及び後傾斜限度と
なる。
【0014】このように、モータ13の通電を遮断する
ための指令となる過負荷は、モータ13と偏心シヤフト
5(第1ギヤ7)との間に配設されたピン12と長穴1
1との当接によつて発生させられる。これにより、偏心
シヤフト5が強制に停止した際つまりモータ13の通電
を遮断するための指令となる過負荷を検知した際に、内
歯歯車4aと外歯歯車2aとの噛合による大減速による
大荷重が発生することがない。このため、この大荷重に
よる偏心シヤフト5の異常摩耗が防止され、ガタが増加
したり耐久性が悪化したりすることがない。又、この大
荷重によつて内歯歯車4aと外歯歯車2aとの噛合に開
きが発生するようなこともなく、アツパアーム4の軸方
向の動きを規制する支持プレート6を低剛性のものや薄
幅のものとすることができ、軽量化が成される。更に、
部品点数も少なく、大きなスペースを必要とせずに配置
が可能となる。
【0015】尚、図4に示される如く、ピニオンギヤ1
5を第1ギヤ7にのみ噛合させ、支持プレート6に回転
自在に支持されたアイドルギヤ16を第1ギヤ7及び第
2ギヤ8に噛合させるようにしてもよい。又、第1ギヤ
7及び第2ギヤ8の歯数を等し且つ歯形諸元を異なるも
のとしてもよい。この場合、第1ギヤ7及び第2ギヤ8
に噛合するピニオンギヤ15又はアイドルギヤ16は2
種類の歯形諸元を持つこととなる。
【0016】
【発明の効果】本発明は、シートクツシヨンが固定され
るロアアームと、該ロアアームに回動自在に支持されシ
ートバツクが固定されるアツパアームと、前記ロアアー
ムに回転自在に支持され且つ前記アツパアームを一体回
転するように支持する偏心シヤフトと、前記アツパアー
ムに形成され前記偏心シヤフトの偏心部を中心とした内
歯歯車と、前記ロアアームに形成され前記内歯歯車より
少なくとも1歯少なく前記内歯歯車と噛合する前記偏心
シヤフトの正心部を中心とした外歯歯車と、前記偏心シ
ヤフトに連結され前記偏心シヤフトを回転させて前記ア
ツパアームを前記ロアアームに対して回動させ前記シー
トバツクの前記シートクツシヨンに対する傾斜角を調整
作動させるモータとを有するシートリクライニング機構
において、前記偏心シヤフトと前記モータとの間に配設
され前記アツパアームの前記ロアアームに対する回動範
囲を規定するストツパ機構を有してシートリクライニン
グ装置を構成したので、以下の如く効果を有する。
【0017】モータの通電を遮断するための指令となる
過負荷を検知した際に、大減速による大荷重が発生する
ことがなく、偏心シヤフトの異常摩耗を防止することが
できる。これにより、ガタの増加や耐久性が悪化等を防
止することができる。
【0018】内歯歯車と外歯歯車との噛合に開きが発生
することがなく、アツパアームの軸方向の動きを規制す
る部材を低剛性のものや薄幅のものとすることができ
る。これにより、装置全体として軽量化を計ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るリクライニング装置を採用したシ
ートの側面図である。
【図2】図1に示されるA−A線断面図である。
【図3】本発明に係るリクライニング装置の分解斜視図
である。
【図4】他の実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 シートクツシヨン 2 ロアアーム 3 シートバツク 4 アツパアーム 5 偏心シヤフト 7 第1ギヤ(ストツパ機構) 8 第2ギヤ(ストツパ機構) 11 長穴(ストツパ部材) 12 ピン(ストツパ部材) 13 モータ 15 ピニオンギヤ(ストツパ機構) 16 アイドルギヤ(ストツパ機構) 2a 外歯歯車 4a 内歯歯車

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートクツシヨンが固定されるロアーム
    と、該ロアームに回動自在に支持されシートバツクが固
    定されるアツパアームと、前記ロアアームと、前記ロア
    アームに回転自在に支持され且つ前記アツパアームを一
    体回転するように支持する偏心シヤフトと、前記アツパ
    アームに形成され前記内歯歯車より少なくとも1歯少な
    く前記内歯歯車と噛合する前記偏心シヤフトの正心部を
    中心とした外歯歯車と、前記偏心シヤフトに連結され前
    記偏心シヤフトを回転させて前記アツパアームを前記ロ
    アアームに対して回転させ前記シートバツクの前記シー
    トクツシヨンに対する傾斜角を調整作動させるモータと
    を有するシートリクライニング機構において、前記偏心
    シヤフトと前記モータとの間に配設され前記偏心シヤフ
    トに一体回転するように支持された第1ギヤと、前記偏
    心シヤフトに相対回転自在に支持され前記第1ギヤと歯
    数の異なる第2ギヤと、前記モータに連結され前記第1
    ギヤと前記第2ギヤと噛合するピニオンギヤと、前記第
    1ギヤと前記第2ギヤとの間に配設され第1ギヤと前記
    第2ギヤの所定範囲以上の相対回転を規定するストツパ
    部材を含み、前記アッパアームの前記ロアアームに対す
    る回動範囲を規定するストッパ機構を有するシートリク
    ライニング機構。
  2. 【請求項2】 前記ストツパ機構は、前記偏心シヤフト
    に一体回転するように支持された第1ギヤと、前記偏心
    シヤフトに相対回転自在に支持され前記第1ギヤと歯数
    が異なる第2ギヤと、前記モータに連結され前記第1ギ
    ヤと噛合するピニオンギヤと、前記ロアアームに回転自
    在に支持され前記第1ギヤ及び前記第2ギヤと噛合する
    アイドルギヤと、前記第1ギヤと前記第2ギヤとの間に
    配設され前記第1ギヤと前記第2ギヤの所定範囲以上の
    相対回転を規制するストツパ部材とを有する請求項1記
    載のシートリクライニング装置。
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