JP3143333B2 - ティシュー包装体 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、詰め替え容器に入れ
て使用するのに好適なティシュー包装体に関する。

【０００２】

【従来の技術】汚れを拭き取るためにアルコール等の薬
液を含浸させたウェットティシューなどのティシューの
一枚ずつを互いに折り込んで積層し、これを容器から一
枚ずつ連続して取出すことができるようにする技術は周
知である。かかる容器は、繰り返して使用できるように
するため、ティシューを収納するプラスチック製の容器
本体と、該本体に開閉または着脱可能でありティシュー
を取出すための開口を有するプラスチック製の蓋とで構
成する。また、ウェットティシューの薬液の揮散を防止
する必要があるときは、その蓋にさらに外蓋を設けるこ
とができる。ティシューは、本体に収納可能な複数枚を
一単位とする包装体にしてあり、これを使用するには本
体に収納して所要部位を開封し、最上層のティシューを
摘み出してその一部を蓋の開口から外へ露出させ、その
後に蓋を閉じる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この容器には、ティシ
ューが残り僅かになると軽くなった包装体が容器の中で
妄りに動き、ティシューどうしの折り込みが乱れて次に
外へのぞくはずのティシューがうまく引き出されずに蓋
の内側に残り、連続的な取出しが難しくなるという問題
がある。そこで、例えば実開昭６０−１５０９６９号公
報に開示の技術を利用し、容器本体の底の内面に包装体
を押し上げることが可能な復元弾性力を有するベロー状
の支持体を設け、収納した包装体を蓋の内面に常に圧接
しておくとその問題を解決することができる。しかし、
この技術には、ベロー状の支持体を内蔵する本体がその
分だけ大きくなって嵩張るという問題がある。

【０００４】それゆえ、この発明ではティシュー包装体
の側面を高さ方向に伸縮可能にすることによって、前記
問題を一挙に解決することを課題にしている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、この発明が手段とするところは、以下のとおりであ
る。

【０００６】この発明においては、ティシュー包装体を
収納する容器本体と、そのティシューの一枚ずつを取出
し可能な開口を有する蓋とからなるティシュー詰め替え
容器の蓋内面に着脱して使用することが可能であり、か
つ、ティシューを互いに折り込んでなる積層体を外装シ
ートで被覆したティシュー包装体を前提にしている。

【０００７】かかる前提において、この発明の特徴とす
るところは、前記包装体の少なくとも側面に位置する前
記外装シートの部分に高さ方向へ収縮可能な弾性を付与
するため、前記部分の少なくとも一部を前記高さ方向へ
収縮可能な材料で構成してあることにある。

【０００８】かかる包装体の実施態様の一つにおいて、
前記外装シートは収縮可能な弾性材料である。また他の
実施態様においては、前記外装シートが非伸縮性の材料
と高さ方向に収縮可能な弾性材料との組合せである。

【０００９】

【作用】このように構成したティシュー包装体は、ティ
シューが少なくなるにつれてその外装シートが側面にお
いて高さ方向に収縮するからティシューが包装体の中で
妄りに動かない。

【００１０】

【実施例】この発明に係るティシュー包装体の詳細を添
付の図面を参照して説明すると、以下のとおりである。

【００１１】図１は、包装体を詰め替るための容器１の
斜視図であり、容器本体２に対し外蓋７が開いた状態に
ある。

【００１２】図２は、図１のＸ−Ｘ線断面図であるが、
外蓋７は、閉じた状態にある。

【００１３】図１、２において、容器１は、ティシュー
包装体の一例である詰め替え用のウェットティシュー包
装体２０を収納する容器本体２と、本体２に着脱可能な
蓋部材３とからなる。本体２は、プラスチック製の矩形
の容器であって、底板２Ａと四周の側壁２Ｂ〜２Ｅとを
有する。蓋部材３は、側壁２Ｂ〜２Ｅの上縁部に着脱可
能な溝部４を有する周縁部５と、周縁部５の内側にヒン
ジ部６を介して連続する外蓋７と、外蓋７の下にあって
四周が周縁部５の四周につながる内蓋１２とを有する。
外蓋７は、その上面にある摘持部１５を持って上下に開
閉することができ、閉じたときには、前縁部分１６が、
周縁部５の内側突起１７にスナップ係合する。内蓋１２
は、ほぼ中央に後記ウェットティシュー１０を一枚ずつ
取出すことが可能な開口１１を有し、内蓋１２の下面に
その開口１１を挟んで容器１の横方向に延在する平行な
二条の係合溝２０Ａ，２０Ｂを有する。係合溝２０Ａ，
２０Ｂは、内蓋１２と一体に形成され、断面がコの字型
であるが、それらの長さ方向に沿う開口２１Ａと２１Ｂ
とは向きが逆になっている。

【００１４】ウェットティシュー包装体２０は、複数枚
のウェットティシュー１０を互いに折り込んで積層体と
なし、それを外装シート２７である非伸縮性の防湿紙で
気密に包装したものであって、容器本体２よりもやや小
さい矩形をなし、上底２６Ａ、下底２６Ｂ、側壁２６Ｃ
〜２６Ｆを有する。側壁２６Ｃは２６Ｅと、２６Ｄは２
６Ｆと対向している。上底２６Ａでは、所要の部位で開
封すると取出し口２２ができるから、そこからティシュ
ー１０の最上層の一枚を摘み出すと、その後、連続的に
取出すことができる。上底２６Ａの外面には、取出し口
２２を挟み、横方向に延在する平行な二条の係合部２３
Ａ，２３Ｂがある。係合部２３Ａ，２３Ｂは、プラスチ
ックの成形部材を上底２６Ａに接合することにより長さ
方向に沿う開口２４Ａ，２４Ｂが互いに向き合う断面コ
の字型の溝を形成しており、かかる係合部２３Ａ，２３
Ｂは、内蓋１２の係合溝２０Ａ，２０Ｂにその端部から
摺動させて嵌合し、図示の状態にすることができる。ま
た、包装体２０を取り替えるときなど、包装体２０を内
蓋１２から外すときには、横方向へ摺動させて係合部２
３Ａ，２３Ｂを係合溝２０Ａ，２０Ｂから離脱させれば
よい。ちなみに、これら包装体２０の嵌合と離脱とは、
蓋部材３を本体２から外してなす。

【００１５】ウェットティシュー包装体２０において、
外装シート２７からなる二対の対向側壁２６Ｃと２６
Ｅ、および２６Ｄと２６Ｆの少なくともいずれか一方の
対には、側壁の高さ方向へ収縮可能なシート状、リボン
状、または糸状の弾性部材２５がホットメルト接着剤３
０により伸長状態で防湿紙に接合してある。したがっ
て、ウェットティシュー１０が減ると部材２５が収縮
し、包装体２０は、側面にギャザーが生じて丈が低くな
り、その中にウェットティシュー１０が踊り得るような
空隙が生じない。なお、図２には、弾性部材２５を側壁
２６Ｃと２６Ｅとに接合した例を示し、部材２５が収縮
したときの状態を仮想線で模式的に示してある。かかる
包装体２０は、非伸縮性の防湿紙と弾性部材２５との組
合せに代えて側壁２６Ｃ〜２６Ｆの少なくとも対向する
一対を伸長状態の弾性伸縮シートにしたり、防湿紙の全
体を伸長状態の弾性伸縮シートにしたりすることも可能
であるが、伸縮性の材料は一般に高価であるから、それ
をリボン状や糸状のものにして使用量を極力減らすこと
が好ましい。なお、そのような形状の弾性部材２５は、
その長さを側壁２６Ｃ〜２６Ｆの上下両端から延出する
ようにし、その延出する部分を折曲して上底２６Ａと下
底２６Ｂの各々の外面に接合することにより側壁２６Ｃ
〜２６Ｆに伸縮性をもたせてもよい。

【００１６】

【発明の効果】この発明に係るティシュー包装体は、外
装シートからなるその側壁を高さ方向へ収縮可能にして
あるから、ティシューは残りが少なくなっても中で妄り
に動くことがなく、確実に連続して取出すことができ
る。かかる包装体の詰め替え容器は、側壁を収縮させる
ために特別のつくりを必要としないから、嵩張ることが
なく狭隘な場所でも扱い易い。

【図面の簡単な説明】

【図１】詰め替え容器の斜視図。

【図２】外蓋が閉じた状態にあるときの図１のＸ−Ｘ線
断面図。

【符号の説明】

１ 詰め替え容器 ２ 本体 １０ ウェットティシュー １１ 開口 １２ 蓋（内蓋） ２０ 包装体 ２６Ｃ〜２６Ｆ 側壁 ２５ 弾性部材 ２７ 外装シート

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ティシュー包装体を収納する容器本体と、
   そのティシューの一枚ずつを取出し可能な開口を有する
   蓋とからなるティシュー詰め替え容器の前記蓋内面に着
   脱して使用することが可能であり、かつ、前記ティシュ
   ーの一枚ずつを互いに折り込んでなる積層体を外装シー
   トで被覆したティシュー包装体であって、 前記包装体の少なくとも側面に位置する前記外装シート
   の部分に高さ方向へ収縮可能な弾性を付与するため、前
   記部分の少なくとも一部を前記高さ方向へ収縮可能な材
   料で構成してあることを特徴とする前記包装体。
2. 【請求項２】前記外装シートが高さ方向へ収縮可能な弾
   性材料である請求項１記載の包装体。
3. 【請求項３】前記外装シートが非伸縮性材料と前記高さ
   方向へ収縮可能な弾性部材との組合せである請求項１記
   載の包装体。