JP2023057946A - ウェットシート包装体 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウェットシート包装体において、ウェットシートの残り枚数が少なくなっても、ウェットシートを取り出し易く、かつ、安価に大量生産することを可能にする。【解決手段】変形部5が、凹形状であるときに、その下面側が所定の大きさ以上の押圧力で押し上げられると、凸形状に変形するようにした。これにより、ウェットシート4の残り枚数が少なくなったときに、ユーザが、底板10の変形部5の下面側を所定の大きさ以上の押圧力で押し上げると、底板10の中央部近傍に配された変形部5が、凸形状に変形して、底板10に載置されたウェットシート4の中心に近い部分が盛り上がる。従って、ウェットシート4の残り枚数が少なくなっても、ユーザが、ウェットシート4を掴み易く、取り出し易い。また、変形部5を、その上面と下面が曲面で構成された一枚の板状の部材としたことにより、変形部5を含むトレー2を安価に大量生産することができる。【選択図】図11
Description
本発明は、液状化粧料等の薬液を含浸させたウェットシートを収納したウェットシート包装体に関する。
従来から、パックシート等のウェットシートを収納したウェットシート包装体において、薬液を含浸させた複数枚のフェイスマスクタイプのウェットシート(以下、「フェイスマスク」と略す)を積み重ねて載置した、フェイスマスクの取り出し口を有するトレーと、上記のトレーを包装するピロー包装袋とを備えたウェットシート包装体(パックシート包装体)が知られている(例えば、特許文献1参照)。このウェットシート包装体では、上記のピロー包装袋が、トレーの取り出し口を開閉可能に密閉できるようにするための蓋部材を有している。また、このウェットシート包装体では、フェイスマスクは、その長さ方向については、折り畳まれる(Z折りにされる)が、その幅方向(トレーの長手方向に対応する方向)については、折り曲げられずに、平積みにされる(上面が平らな状態で積み重ねられる)。
また、この種のシートの収納容器において、底蓋が、その平板部から容器本体の内方へと第1の高さまで突出した第1の状態から、上記の平板部から容器本体の内方へと上記第1の高さよりも高い第2の高さまで突出した第2の状態へと変形可能な伸縮部を備えて、収納容器内部のウェットティッシュ等のシート材が消費されて残り少なくなったときに、底蓋(底板)の伸縮部を第2の状態へと変形し、伸縮部の高さを高くすることにより、底上げをして、取出し口から容易にシート材を取り出すことができるようにしたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、一般に、ウェットシート包装体では、ウェットシートの取り出し口を大きくし過ぎると、気密性を保てないため、ウェットシートの取り出し口を大きくし難いが、上記特許文献1に記載されたウェットシート包装体では、上記のように、Z折りされたフェイスマスクが、平積みにされた(平らな底板に積載された)状態で、トレー内に収容されているので、フェイスマスクが消費されて残り枚数が少なくなると、ユーザが、フェイスマスクを取り出す度に、トレーの取り出し口から、トレーの底の奥深くまで指を入れる必要があり、フェイスマスクを取り出しにくい。また、ユーザが、フェイスマスクの取り出し時に、上記のように、トレーの底の奥深くまで指を入れると、トレーの底には薬液が貯まり易いことから、フェイスマスクを掴む指だけではなく、手の平や、手の甲も、薬液で汚れてしまうという問題があった。
一方、上記特許文献2に記載されたシートの収納容器では、収納容器内部のウェットティッシュ等のシート材が消費されて残り少なくなったときでも、底蓋(底板)の伸縮部の高さを高くすることにより底上げをして、取出し口から容易にシート材を取り出すことができるが、底板の伸縮部の機構が複雑であるため、安価に製造することが難しい。
また、上記特許文献1に記載されたウェットシート包装体では、上記のように、フェイスマスクが、平積みにされた状態で、トレー内に収容されているので、製造時における薬液(液状化粧料)の注入時に、薬液を溜め難い。従って、薬液の注入時に、薬液が溢れるおそれがあり、製造し難かった。
本発明は、上記課題を解決するものであり、ウェットシートの残り枚数が少なくなっても、ウェットシートを取り出し易く、かつ、安価に大量生産をすることが可能で、しかも、薬液の注入時に、薬液が溢れ難いウェットシート包装体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のウェットシート包装体は、液状化粧料等の薬液を含浸させた複数枚のウェットシートを積層した状態で収容し、前記複数枚のウェットシートの各々を取り出すための取り出し口を上面に有するトレーを備えるウェットシート包装体において、前記トレーは、前記複数枚のウェットシートを載置する底板を備え、前記底板は、前記底板の中央部近傍に配されて、その形状を、凹形状と凸形状との間で切り換え可能な樹脂製の変形部と、前記変形部を取り囲み、前記底板の平坦部から立ち上がる周壁部とを含み、前記変形部は、その上面と下面が曲面で構成された一枚の板状の部材であり、前記凹形状であるときに、その下面側が所定の大きさ以上の押圧力で押し上げられると、前記凸形状に変形し、前記凸形状であるときに、その上面側が所定の大きさ以上の押圧力で押し下げられると、前記凹形状に変形し、前記周壁部の高さは、前記凹形状であるときの前記変形部の高さ以上であるものである。
このウェットシート包装体において、前記変形部の上面と下面の曲面は、球面又は楕円面の一部であることが望ましい。
このウェットシート包装体において、前記変形部の外周は、円形または楕円形であることが望ましい。
このウェットシート包装体において、前記底板は、前記変形部と前記周壁部との間に、前記変形部の縁である平坦な縁部を備えていてもよい。
このウェットシート包装体において、前記複数枚のウェットシートの各々は、Z折りにされた状態で積層されており、前記複数枚のウェットシートの各々の端部が、前記トレーの前記変形部の上方であって、前記トレーの取り出し口に対向した位置に配置されることが望ましい。
このウェットシート包装体において、前記ウェットシートは、フェイスマスクタイプのウェットシートであり、前記フェイスマスクタイプのウェットシートの各々は、顔の幅方向に沿った折り目で折られて、Z折りにされた状態で積層されており、前記フェイスマスクタイプのウェットシートの各々の上端部が、前記トレーの前記変形部の上方であって、前記トレーの取り出し口に対向した位置に配置されることが望ましい。
このウェットシート包装体において、前記トレーは、その幅方向の両端部に、該トレーの長手方向に沿って薬液を通す流路を備えることが望ましい。
このウェットシート包装体において、前記トレーの取り出し口を開閉するための開閉蓋を有し、前記トレーを覆う覆体を備えることが望ましい。
このウェットシート包装体において、前記覆体は、前記開閉蓋が貼り付けられたピロー包装袋であることが望ましい。
本発明のウェットシート包装体によれば、ウェットシートの残り枚数が少なくなったときに、ユーザが、底板の変形部の下面側を所定の大きさ以上の押圧力で押し上げると、底板の中央部近傍に配された変形部が、凹形状から凸形状に変形して、底板に載置されたウェットシートの中心に近い部分が盛り上がる。従って、ウェットシートの残り枚数が少なくなっても、ユーザが、ウェットシートを掴み易く、取り出し易い。また、本発明のウェットシート包装体によれば、上記のように、ウェットシートの残り枚数が少なくなったときでも、ユーザが、ウェットシートにおける盛り上がった部分(中心に近い部分)を掴んで、ウェットシートを取り出すことができるので、ユーザが、ウェットシートの取り出し時に、ウェットシートにおける薬液が溜まり易い部分(トレーの底に近い部分)に触れないようにすることができる。従って、ウェットシートの取り出し時に、ユーザの手における指先以外の部分(手の平や手の甲)が、薬液で汚れるのを防ぐことができる。
また、本発明のウェットシート包装体によれば、製造時に底板の中央部近傍に配された変形部を凹形状にしておくことにより、製造時において、トレーにウェットシートを積層して収納した状態では、底板に載置されたウェットシートの中心部分が窪んだ状態になる。この状態において、ウェットシートの上方から薬液を注入すると、ウェットシートの中心部分における窪んだ部分を中心に、薬液が含浸していくので、上記特許文献1に記載されたウェットシート包装体のように、複数枚のウェットシートを平積みにした(平らな底板に積載した)場合と比べて、薬液の注入時に、薬液が溢れ難いようにすることができる。
また、本発明のウェットシート包装体によれば、上記のように、ウェットシートの残り枚数が少なくなって、ユーザが、底板の変形部の下面側を押し上げて、変形部を凹形状から凸形状に変形(反転)させたときに、変形部における凹形状の部分に溜まっていた薬液が、底板全体に流れるので、残っているウェットシートの細部まで薬液を含浸させることができる。
また、本発明のウェットシート包装体によれば、底板の変形部が凹形状になっているときには、底板の変形部を取り囲む周壁部が、底板から上方向に突き出た状態になる。従って、製品輸送時に、底板の変形部を凹形状にしておくことにより、トレーに収容されたウェットシートが、上記の底板から突き出た周壁部に引っかかるので、ウェットシートがずれてトレー内の一方向に寄ってしまうことを防ぐことができる。
また、本発明のウェットシート包装体によれば、変形部を、その上面と下面が曲面で構成された一枚の板状の樹脂製の部材として、変形部が、凹形状であるときに、その下面側が所定の大きさ以上の押圧力で押し上げられると、凸形状に変形し、凸形状であるときに、その上面側が所定の大きさ以上の押圧力で押し下げられると、凹形状に変形する構成にした。この変形部を用いて底板の中央部近傍を押し上げる機構は、上記特許文献2に記載されたシートの収納容器のように、複数の部品を用いた複雑な機構ではなく、一枚の板状の樹脂製の部材を用いた、簡単な機構であるので、樹脂成型用の型を作成すれば、変形部を含むトレーを安価に大量生産することができ、また、トレー廃棄時における廃棄物の総量を少なくすることができる。
以下、本発明を具体化した実施形態によるウェットシート包装体について、図面を参照して説明する。本実施形態では、本発明のウェットシート包装体が、フェイスマスクタイプのウェットシート(以下、「フェイスマスク」と略す)用のものである場合の例について、説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態によるウェットシート包装体の外観を示す斜視図である。図2及び図3は、図1に示すウェットシート包装体1のピロー包装袋3によって包装される樹脂製のトレー2の本体部分(以下、「トレー本体2a」と言う)の概略の形状を示す斜視図であり、図2と図3は、それぞれ、後述する変形部5が、凹形状である時と、凸形状である時のトレー本体2aの斜視図である。図4(a)は、上記のトレー本体2aの蓋であるトレー蓋2bの上面図であり、図4(b)(c)(d)は、それぞれ、図4(a)のA-A線断面図、B-B線断面図、及びC-C線断面図である。
トレー2は、上記のトレー本体2aと、トレー本体2aの蓋であるトレー蓋2bとから構成されている。このトレー2は、液状化粧料を含浸させた複数枚のフェイスマスクを積層した状態で収容して、図1に示すピロー包装袋3(請求項における「覆体」)によって包装されている。図1及び図4(a)(b)(c)に示すように、トレー2は、複数枚のフェイスマスクの各々を取り出すための取り出し口6を、トレー蓋2bの上面に有している。また、上記のピロー包装袋3は、トレー蓋2bの取り出し口6を開閉するための開閉蓋7を含む蓋部8を有している。この蓋部8には、上記の開閉蓋7と嵌合する枠8aと、台座8bとが含まれている。
上記のピロー包装袋3の材料のフィルムとしては、ピロー包装袋とすることができ、かつ、湿潤したフェイスマスク4を気密に収納することが可能な公知の材料を採用することができる。その材料としては、複数の樹脂層からなる積層フィルム、アルミニウム等の金属層を有する積層フィルム等が挙げられる。
次に、図4(a)(b)(c)(d)を参照して、トレー蓋2bの構造について説明する。上記のように、トレー蓋2bは、その上面に、積層されたフェイスマスクのうちの一枚を取り出すための取り出し口6を有している。図4(a)(b)に示すように、上記の取り出し口6の周辺には、板部21が設けられている。この板部21の外周には、図4(a)(b)(c)(d)に示すように、上方に隆起した取出し口周壁22が設けられており、この取出し口周壁22の外周には、凹部23が設けられている。さらに、この凹部23には、トレー蓋2bの外壁25が設けられている。また、上記の取出し口周壁22にも、凹部24が設けられている。このように、トレー蓋2bを凹凸の多い形状とした理由は、薄いポリプロピレン製のトレー蓋2bにリブ状の部材を多数設けて、トレー蓋2bを補強することにより、ウェットシート包装体1の運搬時等における、トレー蓋2bの型崩れを防ぐためである。
次に、上記図2及び図3に加えて、図5乃至図8を参照して、上記のトレー本体2aの構造について説明する。図5と図8は、それぞれ、トレー本体2aの上面図と、トレー本体2aの側面19の側面図である。図6と図7は、それぞれ、後述する変形部5が凹形状である時と、凸形状である時のトレー本体2aの側面18の側面図である。図2、図3、及び図5に示すように、トレー本体2aは、複数枚のウェットシートを載置するための底板10を備えている。この底板10は、底板10の中央部近傍に配されて、その形状を、凹形状と凸形状との間で切り換え可能な樹脂製の変形部5と、この変形部5を取り囲み、底板10の平坦部10aから立ち上がる周壁部12とを備えている。また、底板10は、上記の変形部5と周壁部12との間に、変形部5の縁である平坦な縁部13を備えている。図5に示すように、上記の変形部5の外周と、この変形部5を取り囲む縁部13の内周及び外周と、周壁部12とは、上方から見て、円形の形状になっている。
上記の変形部5は、その上面と下面が曲面(球面の一部)で構成された一枚の板状の部材であり、図2及び図6に示す凹形状であるときに、その下面側が所定の大きさ以上の押圧力で押し上げられると、図3及び図7に示す凸形状(ドーム型)に変形し、この凸形状であるときに、その上面側が所定の大きさ以上の押圧力で押し下げられると、図2及び図6に示す凹形状に変形する(戻る)。上記の変形部5が凹形状の時に、図6に示す変形部5の最下端5aが、底板10の平坦部10aの下面よりも下側に突出してしまわないようにするために、上記の周壁部12及び縁部13(変形部5の縁)の高さは、凹形状であるときの変形部5の高さH1以上になっている。また、製造時におけるトレー2へのフェイスマスク4の収容枚数を考慮すると、図6に示すように、周壁部12の高さは、トレー本体2aの高さH2の4分の1以下の高さであることが望ましい。
また、図5に示すように、トレー本体2aは、その(底板10における)幅方向の両端部に、トレー本体2aの長手方向に沿って液状化粧料を通す流路9を備えている。さらにまた、トレー本体2aは、図5及び図6に示すように、図2における前面側と後面側の側面18に、リブ14を有しており、図5及び図8に示すように、図5における左右側の側面19に、リブ17を有している。これらのリブ14、及びリブ17は、いずれも、トレー本体2aの補強用のリブである。
次に、図9及び図10を参照して、上記のトレー本体2aに積層された状態で収容されるフェイスマスク4について、説明する。本実施形態のウェットシート包装体1では、フェイスマスク4は、変則的なZ折りにされた状態で積層されて、トレー本体2aに収容される。ここで、Z折りとは、フェイスマスク4等のウェットシートを、2回折り曲げて(3つ折りにして)、Z字状に畳むことを意味する。図9に示されるフェイスマスク4の場合は、例えば、鼻部の下を横に伸びる細線を谷折りにし、目部の上を横に伸びる破線を山折りにすることにより、このフェイスマスク4がZ折りにされる。この図9及び図10に示すZ折りは、変則的なZ折り(変則的な三つ折り(例えば、幅156mm×長さ204mmのフェイスマスク4の頭頂部に相当する部分を、上から50mmの位置で山折りにし、残りの部分を、谷折りにして重ね合わせる折り方))である。
図10は、(変則的な)Z折りにされたフェイスマスク4の側面図である。この図10に示すように、フェイスマスク4の上端部4aが、上に位置する状態で、フェイスマスク4がウェットシート包装体1(のトレー2)に収容されることにより、最上層のフェイスマスク4の上端部4aが、トレー蓋2bの取り出し口6から確認できるようになる。より詳細に言うと、複数枚のフェイスマスク4の各々が、図10に示すように(上端部4aが上に位置するように)Z折りにされた状態で積層されて、フェイスマスク4の各々の上端部4aが、トレー2の取り出し口6に対向した位置に配置されることにより、最上層のフェイスマスク4の上端部4aが、トレー蓋2bの取り出し口6から確認できるようになる。従って、ユーザが、トレー2の取り出し口6から、最上層のフェイスマスク4の上端部4aを指で掴んで、容易にフェイスマスク4を取り出すことができる。
図11は、フェイスマスク4の残り枚数が少ない状態において、トレー2の変形部5を凹形状から凸形状に変形させたときの様子を示す、トレー2とフェイスマスク4の断面図である。また、図12(a)(b)は、それぞれ、変形部5が、凸形状のときと、凹形状のときの、トレー本体2aにフェイスマスク4を積層して載置した状態を示す斜視図である。図11及び図12(a)に示すように、このウェットシート包装体1では、フェイスマスク4の残り枚数が少なくなって、ユーザが、変形部5の下面側を押して凸形状に変形させたときには、底板10に載置されたフェイスマスク4の中心に近い部分(凸形状の変形部5上の部分)が盛り上がる。このため、フェイスマスク4の残り枚数が少なくなっても、ユーザが、フェイスマスク4を掴み易く、取り出し易い。
一方、このウェットシート包装体1は、製造時には、底板10の中央部近傍に設けられた変形部5が、凹形状になっているので、図12(b)に示すように、マスク型シート(フェイスマスク4)は、凹形状の変形部5に沿って、その中心に近い部分が窪んだ状態で、トレー本体2aに収容される。この状態において、フェイスマスク4の上方からトレー本体2aに液状化粧料を注入すると、フェイスマスク4の中心部分における窪んだ部分を中心に、液状化粧料が含浸していくので、上記特許文献1に記載されたウェットシート包装体のように、複数枚のフェイスマスクを平積みにした(平らな底板に積載した)場合と比べて、トレー本体2aへの液状化粧料の注入時に、液状化粧料が溢れ難いようにすることができる。
次に、図13のフローチャートに沿って、上記ウェットシート包装体1の製造方法について、説明する。まず、繊維素材シート(有機化合物又は無機化合物から構成される織布、不織布、ガーゼ等のシート)を、マスク型シート(例えば、幅156mm×長さ204mm)に裁断し(S1)、このマスク型シート(フェイスマスク4)を、図10に示すような変則的なZ折り(変則的な三つ折り)にして積層させる(S2)。そして、これらの積層したマスク型シート(フェイスマスク4)を、例えば、縦178.4mm×横100.1mm×高さ36.6mmで、厚さ5mmのトレー本体2aに、トレー本体2aの形状に沿うように収納する(S3及びS4)。
具体的には、製造時には、底板10の中央部近傍に設けられた変形部5は、凹形状になっているので、マスク型シート(フェイスマスク4)は、図12(b)に示すように、凹形状の変形部5に沿って、その中心に近い部分が窪んだ状態で、トレー本体2aに収容される。なお、トレー蓋2b及びトレー本体2aは、それ自体が形状を保持でき、かつ薬液(液状化粧料)が浸透しない材料及び構造を有することが必要である。それにより、包装体全体として、保管時、運搬時、使用時における十分な強度を備えることができる。トレー蓋2b及びトレー本体2aの具体的な材料の例としては、例えば、ポリプロピレンが挙げられる。
次に、上記S4で述べたように、トレー本体2aの形状に沿うように収納された複数枚のマスク型シート(フェイスマスク4)の上方から、図14(a)に示すように、液状化粧料をシャワーして含浸させることにより、これらのマスク型シートを、フェイスマスクタイプのウェットシートにする(S5)。そして、図14(b)に示すように、液不透過性シート20でトレー蓋2bの取り出し口6(穴)を塞いだ上で(S6)、トレー本体2aの開口部上に、トレー蓋2bを被せて固定する(トレー蓋2bを閉める)(S7)。上記の液不透過性シート20は、例えば、CPP(無延伸ポリプロピレン)で形成された、縦80mm×横120mmの大きさのものである。このような液不透過性シート20でトレー蓋2bの取り出し口6(穴)を塞ぐことにより、保管時、流通時に、ウェットシート包装体1が回転・反転した場合に、トレー2外のピロー包装袋3内に薬液(液状化粧料)が漏れることを防止することができる。
上記S6及びS7の処理により、図14(b)に示すように、フェイスマスク4を収容してトレー蓋2bが閉められたトレー2は、図14(c)に示すように、上下を反転して、トレー蓋2bを下にした状態で、コンベアで搬送される。そして、ラミネートフィルムに、樹脂キャップである蓋部8(図1参照)を、熱圧着機により貼り付けた上で、このラミネートフィルムの上に、上記の上下反転させたトレー2を載せて、逆ピロー包装機でトレー2をピロー包装する(ピロー包装袋3で包装する)。そして、耳折り装置で、上記のピロー包装袋3内の脱気、ピロー包装袋3端部の熱によるシール(貼付)、及びピロー包装袋3端部の耳の部分へのホットメルト塗布と接着を行って、ウェットシート包装体1の製造を完了した後、製造後のウェットシート包装体1を梱包する(S8)。梱包されたウェットシート包装体1は、店舗等に移送(運送)されて、保管される(S9)。そして、ユーザによる使用開始時には、ユーザは、ピロー包装袋3の開閉蓋7を開いて、液不透過性シート20を取り除いて、フェイスマスク4を取り出す(S10)。
次に、上記図1に加えて、図15乃至図17を参照して、上記のウェットシート包装体1の使用方法について、説明する。図1におけるウェットシート包装体1は、ピロー包装袋3の開閉蓋7がユーザの指等により開かれ、かつ、トレー蓋2bの取り出し口6も、それを封止していた液不透過性シート20が除去されて、開口した状態である。
図15は、ユーザが、フェイスマスク4の上端部4aを指Fで摘まんでいる状態を示している。トレー蓋2bの取り出し口6とピロー包装袋3の開閉蓋7は、ユーザがフェイスマスク4の上端部4aを指Fで摘まむことができる程度の大きさになっている。この図15の例では、ユーザが、両手の合計4本の指でフェイスマスク4の上端部4aを摘まんでいるが、この例に限定されることはなく、ユーザは、片手の2本の指でフェイスマスク4の上端部4aを摘まむようにしてもよい。
図16は、ユーザが、指Fで摘まんだフェイスマスク4を、ウェットシート包装体1から摘まみ上げる段階を示している。この時、Z折りにされたフェイスマスク4は、上方に引き上げられるに連れて、展開されて拡げられる。
図17は、ウェットシート包装体1から引き上げられたフェイスマスク4を示している。このように、十分に引き上げられた状態では、フェイスマスク4は、確実に展開されて拡げられる。
上記のように、このウェットシート包装体1によれば、ウェットシート包装体1からフェイスマスク4を1枚だけ取り出すことができるので、間違えて2枚以上取り出してしまうことを防ぐことができる。また、ユーザが、必要以上に指を使用しなくても、フェイスマスク4を取り出すことができるので、ウェットシート包装体1を快適に使用することができる。
そして、取り出したフェイスマスク4の下に収納されていた、Z折りにされた状態のフェイスマスク4も、取り出したフェイスマスク4と同様に、その上端部4aが、ピロー包装袋3の開閉蓋7とトレー2の取り出し口6に対向した位置に配置されているので、取り出した(最上層の)フェイスマスク4と同様に、ユーザが、トレー2の取り出し口6から、フェイスマスク4の上端部4aを指で掴んで、容易に取り出すことができる。
ユーザは、図17の状態でフェイスマスク4を取り出して、取り出したフェイスマスク4を、持ち替えることなく、そのままの状態で顔面を覆うことができる。従って、フェイスマスク4をウェットシート包装体1から取り出して使用するまでの処理を、簡単かつ確実に、行うことができ、摘まんだ指(4本または2本)以外の指や手を汚さないようにすることが可能になる。
上記のように、本実施形態のウェットシート包装体1によれば、フェイスマスク4の残り枚数が少なくなったときに、ユーザが、底板10の変形部5の下面側を所定の大きさ以上の押圧力で押し上げると、底板10の中央部近傍に配された変形部5が、凹形状から凸形状に変形して、底板10に載置されたフェイスマスク4の中心に近い部分が盛り上がる。従って、フェイスマスク4の残り枚数が少なくなっても、ユーザが、フェイスマスク4を掴み易く、取り出し易い。また、本実施形態のウェットシート包装体1によれば、上記のように、フェイスマスク4の残り枚数が少なくなったときでも、ユーザが、フェイスマスク4における盛り上がった部分(中心に近い部分)を掴んで、フェイスマスク4を取り出すことができるので、ユーザが、フェイスマスク4の取り出し時に、フェイスマスク4における液状化粧料が溜まり易い部分(トレー2の底に近い部分)に触れないようにすることができる。従って、フェイスマスク4の取り出し時に、ユーザの手における指先以外の部分(手の平や手の甲)が、液状化粧料で汚れるのを防ぐことができる。
また、本実施形態のウェットシート包装体1によれば、製造時に底板10の中央部近傍に配された変形部5を凹形状にしておくことにより、製造時において、トレー本体2aにフェイスマスク4を積層して収納した状態では、底板10に載置されたフェイスマスク4の中心部分(凹形状になった変形部5上の部分)が窪んだ状態になる。この状態において、フェイスマスク4の上方からトレー本体2aに液状化粧料を注入すると、フェイスマスク4の中心部分における窪んだ部分を中心に、液状化粧料が含浸していくので、上記特許文献1に記載されたウェットシート包装体のように、複数枚のフェイスマスクを平積みにした(平らな底板に積載した)場合と比べて、トレー本体2aへの液状化粧料の注入時に、液状化粧料が溢れ難いようにすることができる。
また、本実施形態のウェットシート包装体1によれば、上記図11に示すように、フェイスマスク4の残り枚数が少なくなって、ユーザが、底板10の変形部5の下面側を押し上げて、変形部5を凹形状から凸形状に変形(反転)させたときに、変形部5における凹形状の部分に溜まっていた液状化粧料が、底板10全体に流れるので、残っているフェイスマスク4の細部まで液状化粧料を含浸させることができる。
また、本実施形態のウェットシート包装体1によれば、底板10の変形部5が凹形状になっているときには、底板10の変形部5を取り囲む周壁部12及び縁部13が、底板10から上方向に突き出た状態になる。従って、製品輸送時に、底板10の変形部5を凹形状にしておくことにより、トレー2に収容されたフェイスマスク4が、上記の底板10から突き出た周壁部12及び縁部13に引っかかるので、フェイスマスク4がずれてトレー本体2a内の一方向(例えば、図5の幅方向の一方)に寄ってしまうことを防ぐことができる。
また、本実施形態のウェットシート包装体1によれば、変形部5を、その上面と下面が曲面(球面の一部)で構成された一枚の板状の樹脂製の部材として、変形部5が、凹形状であるときに、その下面側が所定の大きさ以上の押圧力で押し上げられると、凸形状に変形し、凸形状であるときに、その上面側が所定の大きさ以上の押圧力で押し下げられると、凹形状に変形する構成にした。この変形部5を用いて底板10の中央部近傍を押し上げる機構は、上記特許文献2に記載されたシートの収納容器のように、複数の部品を用いた複雑な機構ではなく、一枚の板状の樹脂製の部材を用いた、簡単な機構であるので、樹脂成型用の型を作成すれば、変形部5を含むトレー本体2aを安価に大量生産することができ、また、トレー2の廃棄時における廃棄物の総量を少なくすることができる。
また、本実施形態のウェットシート包装体1によれば、底板が、変形部5と周壁部12との間に、変形部5の縁である平坦な縁部13を備えるようにした。これにより、底板10に載置されたフェイスマスク4の残り枚数が多い時でも、周壁部12の型崩れを防ぐことができる。
また、本実施形態のウェットシート包装体1によれば、フェイスマスク4の各々が、顔の幅方向に沿った折り目で折られて、Z折りにされた状態で積層されており、フェイスマスク4の各々の上端部が、トレー本体2aの変形部5の上方であって、トレー2の取り出し口6に対向した位置に配置されるようにした。これにより、ユーザが、トレー2の取り出し口6から、最上層のフェイスマスク4の上端部4aを指で掴んで、容易にフェイスマスク4を取り出すことができる。
また、上記のように、フェイスマスク4の各々を、顔の幅方向に沿った折り目で折って、Z折りにされた状態で積層するようにしたことにより、次の効果を得ることができる。すなわち、製造時に、トレー本体2aに液状化粧料を注入する時には、底板10の中央部近傍に配された変形部5が凹形状にされるので、この凹形状の部分に液状化粧料が溜まることになる。この底板10の中央部近傍に形成された凹形状の部分には、Z折りにされたフェイスマスク4の中心部分(ユーザの目、鼻、及び口の周囲に対応する部分)が載置されるので、このフェイスマスク4の中心部分が液状化粧料の溜まった部分に浸かることになり、フェイスマスク4における、最も液状化粧料を含浸させたい部分に、より多くの液状化粧料を含浸させることができる。
また、本実施形態のウェットシート包装体1によれば、トレー2(トレー本体2a)が、その幅方向の両端部に、トレー2(トレー本体2a)の長手方向に沿って液状化粧料を通す流路9を備えるようにした。これにより、製造時における液状化粧料の注入時に、液状化粧料が、上記の流路9を通って流れて、複数枚のフェイスマスク4全体に、万遍なく、液状化粧料を含浸させることができる。
また、本実施形態のウェットシート包装体1によれば、トレー2を覆う覆体を、開閉蓋7を含む蓋部8が貼り付けられたピロー包装袋3とした。これにより、例えば、トレー2を覆う覆体が、箱である場合と異なり、コーティングする必要がない。また、上記のように、ピロー包装袋3に、開閉蓋7を含む蓋部8を貼り付けたことにより、ユーザが、ウェットシート包装体1を簡単に開閉することができる。従って、ユーザが、ウェットシート包装体1から、フェイスマスク4を容易に取り出すことができる。
次に、図18乃至図21を参照して、本発明の第2の実施形態のウェットシート包装体1について説明する。図18と図21は、それぞれ、第2の実施形態におけるトレー本体32aの上面図と、トレー本体32aの側面49の側面図である。図19と図20は、それぞれ、第2の実施形態における変形部35が凹形状である時と、凸形状である時のトレー本体32aの側面48の側面図である。上記第1の実施形態では、図5に示すように、変形部5の外周と、この変形部5を取り囲む縁部13の内周及び外周と、縁部13の外周と接する周壁部12とが、上方から見て、円形の形状になっていたが、第2の実施形態では、図18に示すように、変形部35の外周と、この変形部35を取り囲む縁部43の内周及び外周と、周壁部42とが、上方から見て、楕円形の形状になっている。また、第1の実施形態では、図2、図3、及び図5乃至図8に示すように、変形部5の上面と下面が、球面の一部で構成されていたが、第2の実施形態では、図18乃至図21に示すように、変形部35の上面と下面が、楕円面の一部で構成されている。
第2の実施形態のウェットシート包装体1の構成は、上記の点以外は、第1の実施形態のウェットシート包装体1と同様であり、図18乃至図21に示す流路39、底板40、平坦部40a、リブ44、リブ47、側面48、及び側面49は、それぞれ、第1の実施形態のトレー本体2aにおける、流路9、底板10、平坦部10a、リブ14、リブ17、側面18、及び側面19に相当する部材である。
次に、図22乃至図25を参照して、本発明の第3の実施形態のウェットシート包装体1について説明する。図22と図25は、それぞれ、第3の実施形態におけるトレー本体52aの上面図と、トレー本体52aの側面69の側面図である。図23と図24は、それぞれ、第3の実施形態における変形部55が凹形状である時と、凸形状である時のトレー本体52aの側面68の側面図である。上記第1の実施形態では、図5に示すように、変形部5の外周と、この変形部5を取り囲む縁部13の内周及び外周と、縁部13の外周と接する周壁部12の全てが、上方から見て、円形の形状になっていた。これに対して、第3の実施形態では、図22に示すように、変形部55の外周と、この変形部55を取り囲む縁部63の内周は、第1の実施形態と同様に、上方から見て、円形の形状であるが、縁部63の外周と、周壁部62とは、上方から見て、楕円形の形状になっている。
第3の実施形態のウェットシート包装体1の構成は、上記の点以外は、第1の実施形態のウェットシート包装体1と同様であり、図22乃至図25に示す流路59、底板60、平坦部60a、リブ64、リブ67、側面68、及び側面69は、それぞれ、第1の実施形態のトレー本体2aにおける、流路9、底板10、平坦部10a、リブ14、リブ17、側面18、及び側面19に相当する部材である。
次に、図26を参照して、上記第1乃至第3の実施形態のウェットシート包装体1の各々における、変形部5、35、55を凹形状から凸形状に変形させるのに必要な押圧力(図26における「押力」)と、変形部5、35、55を凸形状から凹形状に変形させる(戻す)のに必要な押圧力(図26における「戻力」)とを、比較する。図26では、表の左側から順に、トレー本体2aの材料をポリプロピレンにした場合における、第2の実施形態、第3の実施形態、及び第1の実施形態のトレー本体の押力と戻力とを示している。この表では、第2の実施形態のトレー本体32aと、第3の実施形態のトレー本体52aについては、厚みtが0.5mmの時の押力と戻力とを示し、第1の実施形態のトレー本体2aについては、厚みtが0.5mm、0.6mm、及び0.8mmの時の押力と戻力とを示している。この表から、トレー本体の厚みtが0.5mmという、同じ条件で比較すると、変形部を凹形状から凸形状に変形させるのに必要な押圧力(押力)は、第1の実施形態のトレー本体2aについては、平均値で14.6Nであり、第2の実施形態のトレー本体32aについては、平均値で6Nであり、第3の実施形態のトレー本体52aについては、平均値で19.1Nであった。また、トレー本体の厚みtが0.5mmという同じ条件で比較すると、変形部を凸形状から凹形状に戻すのに必要な押圧力(戻力)は、第1の実施形態のトレー本体2aについては、平均値で13.5Nであり、第2の実施形態のトレー本体32aについては、平均値で2.5Nであり、第3の実施形態のトレー本体52aについては、平均値で20.5Nであった。
上記のように、第2の実施形態のトレー本体32aは、第1の実施形態のトレー本体2a及び第3の実施形態のトレー本体52aに比べて、押力も、戻力も、小さくて済むが、このように戻力が小さいと、フェイスマスク4の残り枚数が少なくなって、ユーザが、変形部35を凸形状に変形させた状態で、フェイスマスク4を取り出そうとすると、変形部35が凹形状に戻ってしまい易い。これに比べて、第1の実施形態のトレー本体2a及び第3の実施形態のトレー本体52aは、戻力が、ある程度の大きさであるため、ユーザが、変形部5、55を凸形状に変形させた状態で、フェイスマスク4を取り出そうとした場合でも、変形部5、55が容易に凹形状に戻ってしまうことはない。
上記のように、第1の実施形態のトレー本体2a及び第3の実施形態のトレー本体52aは、変形部5、55が容易に凹形状に戻ってしまわないという点において、第2の実施形態のトレー本体32aと比べた優位性を有している。そして、第1の実施形態のトレー本体2aと第3の実施形態のトレー本体52aを、トレー本体の厚みtが0.5mmという同じ条件で比較すると、図26に示すように、第1の実施形態のトレー本体2aは、第3の実施形態のトレー本体52aに比べて、押力が小さいので、ユーザが、容易に、変形部5を凸形状に変形させることができるという優位性を有している。また、構造面から、第1の実施形態のトレー本体2aと、第3の実施形態のトレー本体52aとを比較すると、図22乃至図25に示す第3の実施形態のトレー本体52aは、その(外周が楕円形の)縁部63の面積が、図5乃至図8に示す第1の実施形態のトレー本体2aにおけるリング状の縁部13の面積よりも、はるかに大きいので、第1の実施形態のトレー本体2aに比べて、容積が小さい。このため、第3の実施形態のトレー本体52aを用いたトレーは、第1の実施形態のトレー本体2aを用いたトレー2に比べて、トレー内に収容可能なフェイスマスク4の枚数が少なくなってしまう。
上記のように、第1の実施形態のトレー本体2aは、第2の実施形態のトレー本体32a及び第3の実施形態のトレー本体52aと比べた優位性を有している。
また、トレー本体の材料をポリプロピレンにした場合に、第1の実施形態のトレー本体2aの厚みtは、0.5mmが望ましい。この理由は、トレー本体2aの厚みtが、0.6mm以上になると、図26に示すように、かなりの大きさの押力が必要になるからである。トレー本体2aの厚みtを、0.5mmにすることにより、変形部5を凸形状に変形させるのに必要な押圧力(押力)を、適度な大きさ(14.6N程度)にすることができるので、ユーザが、容易に、変形部5を凸形状に変形させることができると共に、変形部5を凸形状から凹形状に戻すのに必要な押圧力(戻力)を、13.5N程度にすることができるので、変形部5が容易に凹形状に戻ってしまわないようにすることができる。
変形例:
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。次に、本発明の変形例について説明する。
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。次に、本発明の変形例について説明する。
変形例1:
上記の各実施形態では、請求項における覆体が、ピロー包装袋3である場合の例について示したが、本発明における覆体は、これに限られず、例えば、図27に示すウェットシート包装体71のように、包装箱73であってもよい。なお、図27に示すウェットシート包装体71は、上記の各実施形態のウェットシート包装体1と同様に、トレーにおける取り出し口76と、この取り出し口76を開閉するための開閉蓋77を含む蓋部78とを有している。
上記の各実施形態では、請求項における覆体が、ピロー包装袋3である場合の例について示したが、本発明における覆体は、これに限られず、例えば、図27に示すウェットシート包装体71のように、包装箱73であってもよい。なお、図27に示すウェットシート包装体71は、上記の各実施形態のウェットシート包装体1と同様に、トレーにおける取り出し口76と、この取り出し口76を開閉するための開閉蓋77を含む蓋部78とを有している。
また、上記の各実施形態では、ウェットシート包装体1が、請求項における(開閉蓋を有する)覆体として、ピロー包装袋3を備える場合の例を示したが、本発明のウェットシート包装体は、必ずしも、開閉蓋を有する覆体を備える必要はなく、例えば、フェイスマスク等のウェットシートを収容したトレーの上面に、封止フィルムを貼っただけのものであってもよい。
変形例2:
また、上記第1の実施形態では、底板10が、変形部5と周壁部12との間に、変形部5の縁である平坦な縁部13を備える場合の例を示したが、本発明のウェットシート包装体におけるトレーの底板の構成は、これに限られず、底板が、必ずしも、変形部と周壁部との間に、縁部を備えている必要はない。すなわち、底板上において、変形部の外周と周壁部の上端とが接する構成であっても良い。
また、上記第1の実施形態では、底板10が、変形部5と周壁部12との間に、変形部5の縁である平坦な縁部13を備える場合の例を示したが、本発明のウェットシート包装体におけるトレーの底板の構成は、これに限られず、底板が、必ずしも、変形部と周壁部との間に、縁部を備えている必要はない。すなわち、底板上において、変形部の外周と周壁部の上端とが接する構成であっても良い。
変形例3:
また、上記第1の実施形態では、フェイスマスク4の各々の上端部4aが、トレー2(トレー本体2a)の変形部5の上方であって、トレー2の取り出し口6に対向した位置に配置されるようにした。けれども、これに限られず、例えば、フェイスマスクの各々の下端部が、トレー(トレー本体)の変形部の上方であって、トレーの取り出し口に対向した位置に配置されるようにしてもよい。この構成においても、ユーザが、トレーの取り出し口から、最上層のフェイスマスクの下端部を指で掴んで、容易にフェイスマスクを取り出すことができる。
また、上記第1の実施形態では、フェイスマスク4の各々の上端部4aが、トレー2(トレー本体2a)の変形部5の上方であって、トレー2の取り出し口6に対向した位置に配置されるようにした。けれども、これに限られず、例えば、フェイスマスクの各々の下端部が、トレー(トレー本体)の変形部の上方であって、トレーの取り出し口に対向した位置に配置されるようにしてもよい。この構成においても、ユーザが、トレーの取り出し口から、最上層のフェイスマスクの下端部を指で掴んで、容易にフェイスマスクを取り出すことができる。
変形例4:
また、上記の各実施形態では、請求項におけるウェットシートが、フェイスマスクタイプのウェットシート(フェイスマスク4)である場合の例を示したが、本発明のウェットシート包装体が収容するウェットシートは、これに限られず、薬液を含浸させたウェットシートであれば、フェイスマスクタイプ以外の形状のウェットシートであってもよい。また、上記の実施形態では、請求項におけるウェットシートが、全顔用のフェイスマスク4である場合の例を示したが、顔の一部に使用されるフェイスマスクであってもよい。
また、上記の各実施形態では、請求項におけるウェットシートが、フェイスマスクタイプのウェットシート(フェイスマスク4)である場合の例を示したが、本発明のウェットシート包装体が収容するウェットシートは、これに限られず、薬液を含浸させたウェットシートであれば、フェイスマスクタイプ以外の形状のウェットシートであってもよい。また、上記の実施形態では、請求項におけるウェットシートが、全顔用のフェイスマスク4である場合の例を示したが、顔の一部に使用されるフェイスマスクであってもよい。
変形例5:
また、上記の各実施形態では、請求項におけるウェットシートが、図9に示される形状のフェイスマスク4である場合の例を示したが、本発明のウェットシート包装体が収容するウェットシートの形状は、これに限られず、例えば、円形、楕円形、勾玉形、多角形等任意の形状のものでよく、折り畳まれたウェットシートの方が、指で摘んで引き上げた際に自然と折り畳み部が拡がり、展開させることができるので好ましいが、必ずしも折り畳まれていなくてもよい。
また、上記の各実施形態では、請求項におけるウェットシートが、図9に示される形状のフェイスマスク4である場合の例を示したが、本発明のウェットシート包装体が収容するウェットシートの形状は、これに限られず、例えば、円形、楕円形、勾玉形、多角形等任意の形状のものでよく、折り畳まれたウェットシートの方が、指で摘んで引き上げた際に自然と折り畳み部が拡がり、展開させることができるので好ましいが、必ずしも折り畳まれていなくてもよい。
変形例6:
また、上記の各実施形態では、ウェットシートに含浸させる薬液が、液状化粧料である場合の例を示したが、本発明のウェットシート包装体が収容するウェットシートに含浸させる薬液は、これに限られず、例えば、除菌用の薬剤(例えば、防腐剤とアルコールを含んだ薬剤)であってもよい。
また、上記の各実施形態では、ウェットシートに含浸させる薬液が、液状化粧料である場合の例を示したが、本発明のウェットシート包装体が収容するウェットシートに含浸させる薬液は、これに限られず、例えば、除菌用の薬剤(例えば、防腐剤とアルコールを含んだ薬剤)であってもよい。
1、71 ウェットシート包装体
2 トレー
3 ピロー包装袋(覆体)
4 フェイスマスク(ウェットシート)
4a 上端部(ウェットシートの各々の端部、ウェットシートの各々の上端部)
5、35、55 変形部
6、76 取り出し口
7、77 開閉蓋
9、39、59 流路
10、40、60 底板
10a、40a、60a 平坦部
12、42、62 周壁部
13、43、63 縁部
73 包装箱(覆体)
2 トレー
3 ピロー包装袋(覆体)
4 フェイスマスク(ウェットシート)
4a 上端部(ウェットシートの各々の端部、ウェットシートの各々の上端部)
5、35、55 変形部
6、76 取り出し口
7、77 開閉蓋
9、39、59 流路
10、40、60 底板
10a、40a、60a 平坦部
12、42、62 周壁部
13、43、63 縁部
73 包装箱(覆体)
Claims (9)
- 液状化粧料等の薬液を含浸させた複数枚のウェットシートを積層した状態で収容し、前記複数枚のウェットシートの各々を取り出すための取り出し口を上面に有するトレーを備えるウェットシート包装体において、
前記トレーは、前記複数枚のウェットシートを載置する底板を備え、
前記底板は、
前記底板の中央部近傍に配されて、その形状を、凹形状と凸形状との間で切り換え可能な樹脂製の変形部と、
前記変形部を取り囲み、前記底板の平坦部から立ち上がる周壁部とを含み、
前記変形部は、その上面と下面が曲面で構成された一枚の板状の部材であり、前記凹形状であるときに、その下面側が所定の大きさ以上の押圧力で押し上げられると、前記凸形状に変形し、前記凸形状であるときに、その上面側が所定の大きさ以上の押圧力で押し下げられると、前記凹形状に変形し、
前記周壁部の高さは、前記凹形状であるときの前記変形部の高さ以上であるウェットシート包装体。 - 前記変形部の上面と下面の曲面は、球面又は楕円面の一部であることを特徴とする請求項1に記載のウェットシート包装体。
- 前記変形部の外周は、円形または楕円形であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のウェットシート包装体。
- 前記底板は、前記変形部と前記周壁部との間に、前記変形部の縁である平坦な縁部を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のウェットシート包装体。
- 前記複数枚のウェットシートの各々は、Z折りにされた状態で積層されており、
前記複数枚のウェットシートの各々の端部が、前記トレーの前記変形部の上方であって、前記トレーの取り出し口に対向した位置に配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のウェットシート包装体。 - 前記ウェットシートは、フェイスマスクタイプのウェットシートであり、
前記フェイスマスクタイプのウェットシートの各々は、顔の幅方向に沿った折り目で折られて、Z折りにされた状態で積層されており、
前記フェイスマスクタイプのウェットシートの各々の上端部が、前記トレーの前記変形部の上方であって、前記トレーの取り出し口に対向した位置に配置されることを特徴とする請求項5に記載のウェットシート包装体。 - 前記トレーは、その幅方向の両端部に、該トレーの長手方向に沿って薬液を通す流路を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のウェットシート包装体。
- 前記トレーの取り出し口を開閉するための開閉蓋を有し、前記トレーを覆う覆体を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載のウェットシート包装体。
- 前記覆体は、前記開閉蓋が貼り付けられたピロー包装袋であることを特徴とする請求項8に記載のウェットシート包装体。
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JP2021167710A JP2023057946A (ja) | 2021-10-12 | 2021-10-12 | ウェットシート包装体 |
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