JP3143054B2 - 成形後の降伏強度低下の少ない高強度熱延鋼板、それを用いて成形されたパイプ及びその高強度熱延鋼板の製造方法 - Google Patents
成形後の降伏強度低下の少ない高強度熱延鋼板、それを用いて成形されたパイプ及びその高強度熱延鋼板の製造方法Info
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Description
た後の降伏強度の低下が生じにくく、冷間加工のままで
使用することができる高強度熱延鋼板、これを用いて造
管したパイプ及び前記熱延鋼板の製造方法に関する。
れる鋼板には、これらのパイプが寒冷地で使用されるこ
とが多いため、低温靭性が要求されている。また、石油
輸送のラインパイプでは、水素誘起割れや硫化物誘起割
れを起こさないことも重要である。更に、パイプ等の設
置に際して、パイプに破損・損傷が生じないように強度
を確保することも重要である。
め、特開昭58−77527号公報に開示されているよ
うに、スラブ加熱温度や熱延仕上げ温度を低く設定し
て、オーステナイトの再結晶を抑制しつつ、オーステナ
イトの未再結晶域で圧延し、圧延後、再結晶させること
なく変態させる制御圧延技術が実施されている。かかる
圧延により製造された熱延鋼板は、微細なフェライト組
織を有し、強度、低温脆性および溶接性に優れ、圧延し
たままでラインパイプ等の素材として使用されている。
延により製造された従来の熱延鋼板は、パイプ成形後の
降伏強度(YS)がおよそ80N/mm2 以上と著しく低
下する傾向があり、例えば、ラインパイプの場合では成
形されたパイプの降伏強度がAPI規格の仕様を大きく
下回るおそれがある。降伏強度の低下原因はフェライト
粒径が細粒となり、バウシンガー効果が大きくなるため
と考えられる。
ック防止などのために、成形前の鋼板原板の降伏比(Y
R)も低く設定される傾向があり、パイプ成形後のYS
の仕様を満足するには、益々YSの低下の生じないもの
が求められる傾向にある。
で、成形後に降伏強度が低下し難い高強度熱延鋼板、こ
の鋼板により成形されたパイプ及び前記熱延鋼板の製造
方法を提供することを目的をする。
は、化学組成が重量%で、 C:0.02〜0.25%、 Si:0.6%以下、 Mn:2.5%以下、 P:0.05%以下、 S:0.01%以下、Al:0.01〜0.10% を含み、 残部が実質的にFeからなり、フェライト相を
面積率で50%以上有し、フェライト相以外の第二相の
平均粒径が9μm以下であり、かつフェライト量F(面
積%)と第二相の平均粒径d(μm)との比d(μm)
/F(面積%)が0.15以下の組織を有する。前記鋼
板の化学組成としては、前記成分の他、更にTi:0.
1%以下、Nb:0.1%以下、V:0.1%以下を含
み、更に必要に応じて、 Ni:1.0%以下、 B:0.01%以下、 Cu:1.0%以下、 Ca:0.01%以下、 Mo:1.0%以下、 REM:0.03%以下、 Cr:1.0%以下 のうち少なくとも一種以上を含有してもよい。
すなわち主に炭化物並びに低温変態生成相であるパーラ
イト相、ベイナイト相、マルテンサイト相やこれらの混
合相を意味するが、更には明確に識別できない相であっ
ても、炭化物を含む相や前記明確に識別できる相との混
合相であってもよい。
に占めるフェライト相の面積%を求めたものであり、ま
た第二相の平均粒径は該第二相の面積と同等の円面積の
直径を個々に算出した後、これらの平均を求めたもので
ある。
用いて適宜の造管法により成形されたものである。本発
明のパイプの種類としては、各種の造管法により成形さ
れる種々の鋼管、例えば電縫鋼管、スパイラル鋼管、U
Oプレス鋼管、鍛接鋼管等が含まれる。
分を有する鋼を、1000〜1400℃に加熱後、仕上
温度700〜900℃で熱延した後、熱延終了直後から
第1段冷却として30℃/s以下の平均冷却速度CR1
で2〜20秒冷却した後、引き続いて第2段冷却として
2×CR1以上の平均冷却速度CR2でAr1点〜30
0℃まで冷却した後、300℃以上で巻き取ることによ
り好適に製造される。
化学組成限定理由について説明する。単位はwt%であ
る。
り、この元素により巻取中に第二相が生成され、強度向
上に寄与する。更にTiやNbの添加と相まって、フェ
ライト相中にTiCやNbCが生成し、かかる炭化物に
よっても強度の向上が図られる。0.02%未満では強
度向上作用が過少であり、一方0.25%を越えるとフ
ェライト中に固溶するC量が増大し、低温靭性の低下が
大きくなると共にTiCやNbCが粗大化し、これらが
割れ発生の起点となり、強度が低下するようになる。好
ましくは0.04〜0.20%がよい。
量を増加させると共に第2相組織のサイズを小さくす
る。また、固溶強化元素として強度の向上に寄与する。
しかし、0.6%を越えると、スラブ加熱中に生成する
スケール等により鋼表面を劣化させる。好ましくは0.
05〜0.4%がよい。
に添加するとMnS等の硫化物や偏析帯を生成しやす
く、著しい特性の劣化を招くため、上限を2.5%とす
る。好ましくは0.5〜2.0%がよい。
性などの他の性質が劣化するため、上限を0.05%と
する。好ましくは0.03%以下がよい。
割れの起点となる介在物や硫化物を生成するため少ない
ほどよいが、製鋼上のコストなどを考慮して上限を0.
01%とする。
くとも0.01%以上が必要であるが、一方添加量が過
多になると靭性を劣化させ、鋳造欠陥も顕著となるた
め、上限を0.1%とする。好ましくは0.02〜0.
08%がよい。
分として含有し、残部Feおよび不可避的不純物からな
るが、更に下記Ti、Nb、Vを含有することができ
る。 Ti、Nb、V:各0.1%以下 Ti、Nb、Vは微細な炭窒化物を析出させ、強度を向
上させる。しかし、添加量が過多になると炭窒化物の粗
大化を招来し、引いては割れ等を発生するようになるた
め、その上限を各々0.1%とする。好ましくは各0.
01〜0.08%がよい。
必要に応じて下記成分の一種以上を含有することができ
る。
強度向上に有効であり、所定の強度を確保するために添
加される。添加量については経済性を考慮してそれぞれ
1.0%以下とする。好ましくは0.05〜0.5%が
よい。
03%以下 B、Ca、REM は介在物制御や溶接性の改善のために添
加される。添加量については経済性を考慮してBとCa
は0.01%以下、好ましくは0.0001〜0.00
3%がよい。また、REM は0、03%以下、好ましくは
0.0001〜0.005%がよい。
組織とパイプ成形後の降伏強度YSの低下量との関係に
ついて説明する。パイプ成形後のYSの低下はバウシン
ガー効果によって起こるものと考えられる。バウシンガ
ー効果によるYSの低下は、必ずしも可動転位による効
果だけで説明される訳ではないが、一般にはパイプ成形
というゆるい加工(〜1%程度)が施された場合、フェ
ライト中に導入される可動転位が原因であると考えら
れ、フェライト粒が細粒であれば、塑性域に達した直後
では普通の粒径に比して可動転位が多いと思われる。
シンガー効果が生じにくい鋼板組織を形成すればよく、
本発明者は転位の固着、可動性等を左右すると考えられ
る、種々の組織条件を想定して、これらの組織条件とY
Sの低下との相関関係を調べたところ、後述の実施例か
ら明らかな通り、フェライト相の面積率F(面積%)が
50%以上(好ましくは70%以上)、フェライト相以
外の第二相の平均粒径d(μm )が9μm 以下(好まし
くは7μm 以下)であり、かつd(μm )/F(面積
%)が0.15以下(好ましくは0.10以下)の関係
を満足することにより、YSの変動量が60N/mm2 以
下になることを見い出した。特に、Fを70%以上、d
を7μm 以下で、かつd/Fを0.10以下にすること
により、YSの変動量が40N/mm2 以下と極めて低く
抑えられることが分かった。
μmではこの第二相が原因となって可動転位が生じやす
くなるが、9μm以下とより小さくすることにより、微
細な第二相が可動転位をピン止めする作用が大きくな
り、YSの低下を抑制することができるようになる。ま
た、第二相の量が少ないほど、換言すればフェライト相
の量が多いほど可動転位が導入されにくくなるが、フェ
ライト相の面積率が50%未満では第二相が多くなり、
YSの低下を抑制することが困難になる。更に、組織が
フェライト相と第二相との混合相の場合、各組織の塑性
が異なるため、各組織が等量存在する場合に比してフェ
ライト相の面積率が大きいほど可動転位が導入されにく
くなる。一方、前記第二相のピン止め作用は粒径が9μ
m以下の条件の下、小さい程効果が大きい。従って、Y
S低下量はd/Fに比例し、d/Fが0.15を越える
と、第二相のピン止め作用に比して導入される転位量が
過多になるため、YS低下の抑制が効き難くなる。
ト相以外の相が非常に微細であるために、フェライト粒
径による影響をあまり受けないことも確認された。すな
わち、本発明の組織であれば、制御圧延等によって得ら
れる15μm 以下、更には10μm 以下の細粒化したフ
ェライト粒径でも、YSが所期の低下量以下に納まるこ
とが確認された。
後のYSの低下は、パイプの肉厚tと管径Dとの比t/
Dが1%までが最も大きく、この領域ではt/Dの依存
性がないことが確かめられているが、本発明の組織であ
れば、かかる最悪の形状条件においても、YSが所期の
低下量以下に納まることが確認された。勿論、t/D>
1%の条件では、よりYSの低下量が小さくなる。すな
わち、本発明によれば、パイプの管径や肉厚による制限
を受けることなく、YS低下量の小さいパイプを得るこ
とができる。
F、フェライト相以外の第二相の平均粒径d、d/Fと
YSの変動量との関係についての知見を基に、所期の組
織が得られる熱延後の冷却方法を見い出し、下記の熱延
鋼板の製造方法を完成するに至った。すなわち、本発明
の熱延鋼板の製造方法は、前記成分を有する鋼を、10
00〜1400℃に加熱後、仕上温度700〜900℃
で熱延した後、熱延終了直後から第1段冷却として30
℃/s以下の平均冷却速度CR1で2〜20秒冷却した
後、引き続いて第2段冷却として2×CR1以上の平均
冷却速度CR2でAr1点〜300℃まで冷却した後、
300℃以上で巻き取る方法である。
℃にするのは、1000℃未満ではTiやNbなどの元
素が固溶せずに鋼中に残存するため、鋼の特性を著しく
低下させ、一方1400℃を越えるとオーステナイト結
晶粒が粗大化し、靭性などの機械的特性を著しく劣化さ
せるようになるからである。
通圧延を行う場合を含めて700〜900℃とする。仕
上温度は低温になるほど結晶粒が細粒化し、靭性等の機
械的特性の向上に効果的であるが、パイプ等の成形後の
YS低下の少ない組織は、フェライト量と第二相のみで
決定されるため、最終製品の結晶粒径にはあまり影響さ
れない。しかし、700℃未満の低い温度では、加工フ
ェライト粒が混入して特性を劣化させるため、下限を7
00℃、好ましくは750℃とする。また、900℃を
越える高温で圧延すると、オーステナイト粒が粗大化
し、靭性などの特性が著しく劣化するため、上限を90
0℃とする。
例から明らかな通り、第1段冷却における平均冷却速度
CR1はフェライト量F(面積%)と良好な相関があ
り、図4に示すように、下記(1)式の関係が認めら
れ、前記F≧50%好ましくはF≧70%を満足するC
R1は、30℃/s以下好ましくは20℃/s以下であ
ることが理解される。CR1の冷却時間は、2秒未満で
は冷却時間が過少であるため、CR1による冷却の明瞭
な影響が認められにくく、一方20秒を越えるとFやd
が上記の相関からは大きく外れるようになるため、2〜
20秒とされる。尚、式中の記号*は乗を意味する。 F(面積%)=100*10(−0.01*CR1) ……(1)
均冷却速度)は第二相の平均粒径d(μm)と良好な相
関があり、図5に示すように、下記(2)式の関係が認
められる。 d(μm)=10*10
(0.03*CR1−0.02*CR2)…(2) 前
記(1)式と(2)式から、d(μm)/F(面積%)
を示す下記(3)式が得られる。 d/F:0.1*10
−0.02(CR2−2*CR1) ……(3)
前記(2)式と(3)式から前記d≦9μm及びd/F
≦0.15を満足する条件として、CR2−2*CR1
≧0すなわちCR2≧2*CR1の条件式が得られる。
が、冷却停止温度すなわち巻取温度はAr1点以下で30
0℃以上の範囲とされる。Ar1点を越えると、巻取り中
に新たなオーステナイトの発生、成長が起こり、第二相
のサイズや面積率の関係が前記式(2) 、式(3) より大き
く外れるようになる。一方、300℃未満になるとマル
テンサイト変態が生じるようになるため、前記(2) 式、
(3) 式の関係が成り立たなくなるからである。
却をAr1点〜300℃の範囲まで行い、300℃以上で
巻き取ることを前提として、CR1≦30℃/s及びC
R2≧2*CR1の条件を満足することにより、成形後
のYS低下量の少ない最適組織を有する熱延鋼板を得る
ことができる。
本発明の技術的範囲はかかる実施例により限定的に解釈
されるものでないことは勿論である。
鋼)を真空溶解により溶製し、30mm厚のスラブとした
後、加熱温度を1250〜1000℃の任意の温度で約
1時間均熱した後、およそ900℃から855℃までの
任意の温度を仕上げ温度として、およそ5〜13mmの厚
さに制御圧延を行った。熱延終了直後より、空冷又はミ
スト冷却を施し、およそ400〜580℃の温度まで冷
却し、その温度にておよそ1時間保持した後、炉冷によ
り常温まで冷却した。
板)の機械的性質を測定すると共に、フェライト粒径と
フェライト量F(面積%)、微細炭化物やベイナイト等
の第二相の平均粒径d(μm )を調査し、d(μm )/
F(面積%)の値を求めた。第二相の平均粒径は画像解
析装置により、その個々の面積を測定し、各々の面積に
相当する円面積の直径を算出し、その平均値を求め、こ
の値を平均粒径とした。これらの値を表2に示す。尚、
同表では、(d/F)×10の値を示した。
ルベンディング装置を用いて、肉厚tと管径Dの比t/
Dが0.7%±0.2%になるようにスパイラル鋼管を
造管した。パイプ成形後、API規格に従ってパイプC
方向(周方向)に沿って引張試験片を採取し、フラット
ニング後、降伏強度YSを求め、(パイプ成形後のYS
−原板のYS)からYS変化量を求めた。同変化量を表
2に併せて示す。また、表2から整理されたフェライト
量とYS変化量との関係、第二相の大きさ(平均粒径)
とYS変化量との関係および(d/F)×10とYS変
化量との関係を各々図1、図2および図3に示す。尚、
図1および図2中の添付数字は表2の試料番号を示す。
0.7%とYS低下の大きいとされる形状条件のもとで
造管したにも係わらず、フェライト量F、第二相の平均
粒径dおよびd/Fの値が本発明範囲内の実施例(試料
No. 1〜12)では、フェライト粒径の大きさに関係な
く、YS変化量が54N/mm2 以下に納まっており、Y
Sが低下し難いことが分かる。特に、前記各値が各々
F:70%以上、d:7μm 以下、d/Fの値が0.1
0以下の実施例(試料No. 1〜9)では、YS変化量が
28N/mm2 以下と極めて小さい。勿論、実施例の鋼板
のTSはいずれも400N/mm2 以上と高強度である。
い範囲にある比較例(試料No. 13〜16)では、他の
組織条件が本発明範囲内にあるにも係わらず、YS低下
量が62N/mm2 以上である。またフェライト量Fが本
発明範囲内であっても、第二相の平均粒径dが本発明範
囲を越えて大きい比較例(試料No. 17〜19)も、Y
S低下量が70N/mm2 程度以上であり、YSの低下が
大きい。また、F及びdが本発明範囲内でも、d/Fの
値が発明範囲を越えて大きい比較例(試料No.20〜2
2)は、他の比較例に比してYS低下量が小さいもの
の、60N/mm2以下に納まることはなかった。
鋼)を真空溶解により溶製し、30mm厚のスラブとした
後、加熱温度1250℃で約1時間均熱した後、表4の
熱延条件により熱延し、熱延終了直後から同表の冷却条
件で冷却して巻き取った。
板)の機械的性質を測定すると共に、実施例Aと同様に
して、フェライト量F(面積%)、第二相の平均粒径d
(μm)を調査し、d/F値を算出した。また、熱延鋼
板を原板として、実施例Aと同様にして、スパイラル鋼
管を造管し、パイプ成形後の機械的性質を測定し、YS
変化量を求めた。これらの結果を前記表4、表5に示
す。また、表4の試料No.1〜14(No.8を除
く)について、CR1とFとの関係、CR2と第二相の
大きさ(平均粒径)dとの関係、d/FとYS変化量と
の関係、(CR2−2*CR1)とd/Fとの関係を整
理したグラフを各々図4、図5、図6及び図7に示す。
尚、図4については比較例の試料No.9及び10、図
5については比較例の試料No.13及び14について
は省略した。
足する実施例の試料では、F,d,d/Fの所定の条件
を満足しており、YS変化量が約30N/mm2 以下であ
り、TSも400N/mm2 以上が得られた。これに対
し、CR1は本発明範囲を満足するものの、CR2が本
発明範囲未満の試料No. 9,10では第二相が大きく成
長し、d/Fが本発明範囲外となり、YS変化量が85
N/mm2 以上と大きい。また、CR1が本発明範囲を越
え、CR2が本発明範囲未満の試料No. 13,14では
第二相サイズdが本発明範囲よりやや大きく、フェライ
ト量Fが少ないため、d/Fが本発明範囲外となり、Y
S変化量が90N/mm2 以上と大きい。また、CR1の
保持時間tが大きい試料No. 27、巻取温度(第2段冷
却の停止温度)CTが280℃と低い試料No. 31は第
二相が著しく成長し、その結果d/Fが大きくなり、Y
S変化量が約110N/mm2 と大きい。
て、フェライト量F(面積%)、第二相の平均粒径d
(μm )およびd(μm )/F(面積%)の値を所定の
範囲に規定したので、たとえ制御圧延によりフェライト
粒径が細粒となっても強度を損なわず、400N/mm2
以上の高強度を有し、しかも成形後の降伏強度(YS)
の低下を60N/mm2 以下に抑えることができ、YSの
著しい低下により成形後の強度が規定範囲から外れない
ようにすることができる。また、本発明の鋼板を使用す
ると、従来のようにYSの大きな低下量を考慮して、パ
イプ成形用の原板として高YSの鋼板を使用する必要が
なくなり、所定のYS低下量を考慮する必要があるもの
の、YSの低い原板を使用することができるようにな
り、成形時のスプリングバックを軽減することができ、
生産性の向上に資することができる。また、本発明の製
造方法によると、F,d,d/Fが所期の条件を満足す
る組織を有する、降伏強度低下の少ない高強度熱延鋼板
を容易に得ることができる。
係を示すグラフである。
関係を示すグラフである。
(μm )との比(d/F)×10の値とYS変化量との
関係を示すグラフである。
とフェライト量F(面積%)との関係を示すグラフであ
る。
と第二相平均粒径d(μm )との関係を示すグラフであ
る。
ある。
示すグラフである。
Claims (5)
- 【請求項1】 化学組成が重量%で、 C:0.02〜0.25%、 Si:0.6%以下、 Mn:2.5%以下、 P:0.05%以下、 S:0.01%以下、Al:0.01〜0.10% を含み、 残部が実質的にFeからなり、フェライト相を
面積率で50%以上有し、フェライト相以外の第二相の
平均粒径が9μm以下であり、かつフェライト量F(面
積%)と第二相の平均粒径d(μm)との比d(μm)
/F(面積%)が0.15以下の組織を有する成形後の
降伏強度低下の少ない高強度熱延鋼板。 - 【請求項2】 請求項1に記載した成分を含み、更に重
量%で、Ti:0.1%以下、 Nb:0.1%以下、 V:0.1%以下、 を含む請求項1に記載した高強度熱延鋼板。 - 【請求項3】 請求項2に記載した成分を含み、更に重
量%で、 Ni:1.0%以下、 B:0.01%以下、 Cu:1.0%以下、 Ca:0.01%以下、 Mo:1.0%以下、 REM:0.03%以下、 Cr:1.0%以下 のうち少なくとも一種以上を含む請求項2に記載した高
強度熱延鋼板。 - 【請求項4】 請求項1から3のいずれか1項に記載さ
れた高強度熱延鋼板を用いて成形されたパイプ。 - 【請求項5】 請求項1から3のいずれか1項に記載さ
れた成分を有する鋼を、1000〜1400℃に加熱
後、仕上温度700〜900℃で熱延した後、熱延終了
直後から第1段冷却として30℃/s以下の平均冷却速
度CR1で2〜20秒冷却した後、引き続いて第2段冷
却として2×CR1以上の平均冷却速度 CR2でAr 1
点〜300℃まで冷却した後、300℃以上で巻き取る
成形後の降伏強度低下の少ない高強度熱延鋼板の製造方
法。
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JP15681295 | 1995-05-30 | ||
JP07328371A JP3143054B2 (ja) | 1995-05-30 | 1995-11-21 | 成形後の降伏強度低下の少ない高強度熱延鋼板、それを用いて成形されたパイプ及びその高強度熱延鋼板の製造方法 |
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