JP3141830B2 - 音響センサ - Google Patents

音響センサ

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JP3141830B2
JP3141830B2 JP09328961A JP32896197A JP3141830B2 JP 3141830 B2 JP3141830 B2 JP 3141830B2 JP 09328961 A JP09328961 A JP 09328961A JP 32896197 A JP32896197 A JP 32896197A JP 3141830 B2 JP3141830 B2 JP 3141830B2
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宗生 原田
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隆彦 大麻
繁 安藤
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    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R15/00Magnetostrictive transducers
    • H04R15/02Resonant transducers, i.e. adapted to produce maximum output at a predetermined frequency

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  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音声認識処理,音
響信号処理等において音信号の特徴を抽出するための音
響センサに関し、特に、各周波数帯域における音信号の
強度を検出するための音響センサに関する。
【0002】
【従来の技術】音声認識を実行するシステムにおいて、
従来は、音声信号を受信したマイクロフォンの振動を、
アンプにて電気信号に変換・増幅した後、A/D変換器
でアナログ信号をディジタル化して音声ディジタル信号
を得、この音声ディジタル信号にコンピュータ上でソフ
トウェアにより高速フーリエ変換を施し、音声の特徴を
抽出する。このような音声認識のシステムについては、
IEEE Signal ProcessingMagazine, Vol.13, No.5, pp.4
5-57(1996) に開示されている。
【0003】音声信号の特徴を効率良く抽出するために
は、音声信号が定常であると見做せる時間内の音響スペ
クトルを計算する必要がある。音声信号の場合には、通
常10〜20msecの時間内で定常と見做せると考えられてい
る。従って、10〜20msecを周期としてその時間内に含ま
れる音声ディジタル信号に対して、コンピュータ上のソ
フトウェアにより、高速フーリエ変換等の信号処理を実
行する。
【0004】以上のように、従来の音声認識方式では、
瞬時の全帯域を含んだ音声信号をマイクロフォンによっ
て電気信号に変換し、その電気信号のスペクトルを分析
するために、A/D変換を施して各周波数をディジタル
化し、その音声ディジタル信号データを特定の音声波形
のデータと比較して、音声の特徴を抽出している。
【0005】ところで、聴覚機構及び音の心理物理的性
質について、甘利俊一監修、中川聖一・鹿野清宏・東倉
洋一著「ニューロサイエンス&テクノロジーシリーズ
音声・聴覚と神経回路網モデル」(オーム社,1992年)
に詳細な説明がなされている。この文献には、人間が聴
く音の高さ(ピッチ)の尺度が、物理量としての周波数
と線形に対応するものではなく、メルスケールという尺
度に線形に対応することが示されている。このメルスケ
ールとは、音階に表されるような音の高さを表す心理的
属性(心理尺度)を示すものであり、人間に等間隔に聞
こえるピッチと呼ばれる周波数の間隔を直接数量化した
スケールであって、1000Hz,40フォンの音のピッチを
1000melと定義する。そして、500 melの音響信号
は0.5 倍ピッチの音に聞こえ、2000melの音響信号は
2倍ピッチの音に聞こえる。このメルスケールは物理量
としての周波数f〔Hz〕を用いて次の(1)式のよう
に近似できる。また、この近似式における音の高さ〔m
els〕と周波数〔Hz〕との関係を図13に示す。 mel=(1000/log2)log(f/1000+1) …(1)
【0006】そして、音声の特徴を効率良く抽出するた
めに、音響スペクトルの周波数帯をこのようなメルスケ
ールに変換することが良く行われている。この音響スペ
クトルのメルスケールへの変換は、スペクトルの分析と
同様に、通常コンピュータ上でソフトウェアにより実行
される。
【0007】また、音声の特徴を効率良く抽出する手法
として、音響スペクトルの周波数帯をバークスケールに
変換することも良く行われている。このバークスケール
は、人間の心理的な音の大きさ(ラウドネス)に対応す
る尺度であり、ある程度以上の大きな音において、人間
が聴き分けられる周波数帯域幅(これを臨界帯域幅とい
う)を示したものであり、この臨界帯域幅内の音は周波
数が異なっていても同じように聞こえる。例えば、その
臨界帯域幅内に大きなノイズが発生すると、信号音がそ
のノイズと周波数が異なっているにも拘らず、ノイズと
信号音とを人間の聴覚では判別できないような周波数帯
域を示すスケールがバークスケールである。
【0008】音声信号処理の分野ではコンピュータ上で
取り扱いが容易な臨界帯域幅が要求され、音響スペクト
ルの周波数軸は1つの臨界帯域を1バーク〔Bark〕
と定義するバークスケールで示される。図14に、臨界帯
域幅とバークスケールとの数値関係を示す。また、これ
らの臨界帯域幅及びバークスケールは、物理量としての
周波数f〔kHz〕を用いて次の(2)及び(3)式の
ように近似できる。 臨界帯域幅:CB〔Hz〕=25+75(1+1.4 f2 0.69 …(2) バークスケール:B〔Bark〕 =13tan-1(0.76f)+3.5 tan-1(f/7.5 )…(3)
【0009】ところで、音声認識の分野で聴覚末梢系の
工学的機能モデルを用いることが知られており、前記文
献「ニューロサイエンス&テクノロジーシリーズ 音声
・聴覚と神経回路網モデル」に詳細な説明がなされてい
る。工学的機能モデルでは、帯域フィルタ群による周波
数スペクトル分析を前処理としており、例えば代表的な
工学的機能モデルの1つであるSeneffのモデルにおける
前処理では130 〜6400Hzの周波数領域に40個の独立し
たチャネルを持つ臨界帯域幅フィルタ群により周波数ス
ペクトル分析がなされる。このとき、音響スペクトルの
周波数帯はバークススケールに変換される。このモデル
ではコンピュータシミュレーションによっ入力音刺激に
対するモデルの出力が求められ、生理データと良く一致
することが示されている。よって、このような工学的機
能モデルを使用することにより、音声自動認識において
雑音中の音声認識率の向上を図ることができる。
【0010】このような臨界帯域幅フィルタ群により周
波数スペクトル分析及び音響スペクトルのメルスケール
への変換は、スペクトルの分析と同様に、通常コンピュ
ータ上でソフトウェアにより実行される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】コンピュータ上のソフ
トウェアにより、ディジタル音響信号に高速フーリエ変
換処理を施して、その音響信号のスペクトルを分析する
従来の手法では、計算量が莫大となって計算負荷が大き
いという問題がある。
【0012】また、従来の方法では、母音のように、時
間の変化と共に音響スペクトルが変化しないような音声
については問題が生じないが、子音と母音との組合せの
音、例えば、「か,き,く,け,こ,さ,た」等のよう
に初めに子音が出てきて時間の経過と共に母音の強度が
大きくなるような音、または、英語のように複雑な子音
と母音との組合せの音では、以下のような問題が生じ
る。従来では、瞬時に音声を記録し、一定時間毎に区切
って全帯域の音響スペクトルを積算して、音声を分析し
ているので、どの時点で子音から母音に変わったのかを
判定することは困難であり、そのために音声認識の判別
率の低下が引き起こされていた。この問題を解消するた
めに、より多くの音声パターンを予めコンピュータに記
憶させておき、これらの音声パターンの何れかにあては
めるようにしているが、このことが計算負荷をますます
増大させる原因となっている。
【0013】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、音響信号の検出及び周波数スペクトル分析を1
つのハードウェア上にて高速かつ正確に行うことができ
る音響センサを提供することを目的とする。
【0014】本発明の他の目的は、高周波側から低周波
側にかけて精度良い周波数スペクトル分析を行える音響
センサを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る音響セン
サは、媒質中を伝搬する音波を受ける第1ダイヤフラム
と、夫々が異なる特定の周波数に共振するような長さを
持つ複数の棒状の共振子を有する共振部分と、該共振部
分を保持する保持部分と、該保持部分に対して前記第1
ダイヤフラムと反対側に位置する第2ダイヤフラムと、
前記各共振子の前記特定の周波数毎の振動強度を検出す
る振動強度検出部分とを備えることを特徴とする。
【0016】請求項2に係る音響センサは、請求項1に
おいて、前記第1ダイヤフラム側から前記第2ダイヤフ
ラム側に向かって、共振する周波数が順次低くなるよう
に前記複数の共振子を配設させたことを特徴とする。
【0017】請求項3に係る音響センサは、媒質中を伝
搬する音波を受けるダイヤフラムと、夫々が異なる特定
の周波数に共振するような長さを持つ複数の棒状の共振
子を有する共振部分と、該共振部分を保持する保持部分
と、前記各共振子の前記特定の周波数毎の振動強度を検
出する振動強度検出部分とを備え、前記ダイヤフラムの
近位側から遠位側に向かって、共振する周波数が順次低
くなるように前記複数の共振子を配設させてあることを
特徴とする。
【0018】請求項4に係る音響センサは、請求項1〜
3の何れかにおいて、前記保持部分の幅が、前記第1ダ
イヤフラムから遠くなるに従って細くなっていることを
特徴とする。
【0019】本発明の音響センサは、夫々が特定の周波
数に共振するように長さが異なる複数の共振子を有し、
媒質中を伝搬した音波を第1ダイヤフラム及び保持部分
を介してこれらの共振子に伝え、各共振子での振動を振
動強度検出部分で検出する。媒質中を伝搬した音波を第
1ダイヤフラムで受け、その音波が保持部分を伝搬し、
その伝搬した音波の特定の周波数成分がその周波数成分
と共振周波数がほぼ等しい各棒状の共振子で吸収されて
各共振子が共振する。よって、各共振子での振動を検出
することにより、媒質中を伝搬した音波の各周波数成分
の大きさを検出できる。
【0020】ところで、第2ダイヤフラムを設けずに音
波入力すると、保持部分の先端(入力側の反対側)に近
い共振子の共振振幅が、他の共振子に比べて低下し、感
度も低下する場合が多く、一方で、第2ダイヤフラムを
設けると、各共振子の共振振幅がほぼ揃うことが分かっ
た。更によく検討すると、入力される音波が、各共振子
の周波数帯域内のみであると、第2ダイヤフラムがなく
とも、第2ダイヤフラムがある場合とほぼ同等の精度と
感度とを得る場合が時々ある事が分かった。この事は、
第1ダイヤフラムから入力した音波の周波数成分のすべ
てが複数の共振子にて必ずしも吸収されているとは限ら
ない事を示している。すなわち、共振周波数条件に合致
しないで吸収されない周波数成分は、保持部分の先端
(入力側の反対側)まで伝搬し、そこで反射する。この
結果、その反射した周波数成分がノイズとなって検出性
能を劣化させることが考えられる。例えば、複数の共振
子の周波数帯域外の音(例えば、重低音)が入力された
場合には、その周波数成分が持つエネルギを吸収する部
分がない為反射が起こり、各共振子と干渉を起こし、ノ
イズが大きくなる。そこで、本発明では、保持部分の先
端に別の第2ダイヤフラムを設けて、反射を抑え、保持
部分を伝搬してきた不要な周波数成分をこの第2ダイヤ
フラムにて吸収する。よって、入力側に近い共振子から
遠い共振子まで共振振幅をほぼ等しくし、広い周波数帯
域に渡って感度を高め、更に共振子の周波数帯域外の音
波の反射を抑えることで、ノイズの低減を図ることがで
き、各周波数成分の大きさを精度良く検出できる。ま
た、保持部分の両端部に第1,第2ダイヤフラムを設け
ることにより、保持部分の端部での応力を緩和できる。
【0021】このように、第1ダイヤフラムを音波の入
力端とし、第2ダイヤフラムを音波の吸収端とした構成
の音響センサについて各周波数成分の大きさ検出の試行
を繰り返した結果、複数の共振子の共振周波数に対して
高周波側から音波を入力しないと振動エネルギが効率良
く伝搬せず、低周波側から音波を入力すると殆ど振動エ
ネルギが伝搬しないという知見を得た。即ち、高周波側
から音波を入力すると各共振子毎に順次効率良く振動エ
ネルギが吸収されていくが、低周波側から音波を入力す
ると高周波数に対応する共振子まで振動エネルギが伝搬
されず、高周波数成分の大きさを精度良く検出できない
ことがわかった。よって、本発明の音響センサでは、第
1ダイヤフラム側に高周波数に対応する共振子を配置
し、第2ダイヤフラム側に低周波数に対応する共振子を
配置するようにする。複数の各共振子をこのような配置
にすることにより、高周波成分から低周波成分まですべ
ての成分について精度良い検出結果を得ることができ
る。
【0022】また、第1ダイヤフラムから音波が伝搬さ
れる保持部分が一定の幅である場合には、振動エネルギ
が効率良く伝搬しないという知見を得た。よって、本発
明の音響センサでは、入力側である第1ダイヤフラム側
から遠くなるにつれて、保持部分の幅が除々に細くなる
構成とする。保持部分をこのような構成にすることによ
り、複数の各共振子に効率良く振動エネルギが伝搬して
いくので、精度良い検出結果を得ることができる。
【0023】以上のように本発明の音響センサでは、所
望の周波数毎に音の強さを検知できるので、分析処理を
行うことなく、音響スペクトルをリアルタイムで得るこ
とができる。よって、全帯域の音響信号を入力して各周
波数帯域に電気的にフィルタリングする従来の方式に比
べて、このように音響信号を機械的に周波数毎に分解す
る本発明では、電気的なフィルタリングが不要となって
処理速度が速くなる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態を
示す図面に基づいて具体的に説明する。
【0025】(第1の実施の形態)図1は、本発明の音
響センサの第1の実施の形態を示す図、図2は、後述す
るセンサ本体の平面図である。本発明の音響センサは、
半導体シリコン基板1に形成されるセンサ本体2と電極
3と周辺回路である検出回路4とから構成されている。
センサ本体2は、すべての部分が半導体シリコンで形成
されており、長さが異なる複数(本例では12個)の棒状
の部分を有する共振部分21と、この共振部分21を共振の
固定端側で保持する板状の保持部分22と、保持部分22の
一方の端部に立設された短寸棒状の伝搬部分26と、伝搬
部分26に連なり空気中を伝搬した音波を受ける板状の第
1ダイヤフラム23と、保持部分22の他方の端部に立設さ
れた短寸棒状の伝搬部分27と、伝搬部分27に連なり保持
部分22を伝搬した不要な成分を吸収する板状の第2ダイ
ヤフラム24とから構成されている。
【0026】保持部分22は、その幅が、第1ダイヤフラ
ム23近傍で最も太く、そこから第2ダイヤフラム24側に
向かうに従って除々に細くなり、第1ダイヤフラム23近
傍で最も細くなっている。
【0027】共振部分21は片持ち梁となっており、それ
ぞれの棒状の部分は特定の周波数に共振するように長さ
が調整された共振子25となっている。これらの複数の共
振子25は、下記(4)式で表される共振周波数fにて選
択的に応答振動するようになっている。
【0028】 f=(CHE1/2 )/(L2 ρ1/2 ) …(4) 但し、C:実験的に決定される定数 H:各共振子の厚さ L:各共振子の長さ E:材料物質(半導体シリコン)のヤング率 ρ:材料物質(半導体シリコン)の密度
【0029】上記(4)式から分かるように、共振子25
の厚さHまたは長さLを変えることにより、その共振周
波数fを所望の値に設定することができ、各共振子25が
固有の共振周波数を持つようにしている。なお、保持部
分22の長手方向の同じ位置に連なる一対の共振子25,25
は、同一の共振周波数を持っている。すべての共振子25
の厚さHは一定とし、その長さLを左側(第1ダイヤフ
ラム23側)から右側(第2ダイヤフラム24側)に向かう
につれて順次長くなるようにしており、左側(第1ダイ
ヤフラム23側)から右側(第2ダイヤフラム24側)に向
かうにつれて各共振子25が固有に振動する共振周波数を
高周波数から低周波数に設定している。具体的には、左
側(第1ダイヤフラム23側)から右側(第2ダイヤフラ
ム24側)に向かって例えば可聴帯域の15Hz〜20kHz
程度の範囲内で高周波数から低周波数まで対応できるよ
うになっている。
【0030】以上のような構成をなすセンサ本体2は、
半導体集積回路製造技術またはマイクロマシン加工技術
を用いて半導体シリコン基板1上に作製される。そし
て、このような構成において、音波が第1ダイヤフラム
23に伝わるとその板状の第1ダイヤフラム23が振動し、
音波を示すその振動は伝搬部分26を経て伝保持部分22に
伝搬し、これに保持された共振部分21の棒状の各共振子
25をそれぞれの特定の周波数にて順次共振させながら図
1の左方から右方へ伝わっていくようになっている。
【0031】センサ本体2には適当なバイアス電圧V
biasが印加されており、共振部分21の各共振子25の先端
部と、該先端部に対向する位置の半導体シリコン基板1
に形成された電極3とにてキャパシタが構成されてい
る。共振子25の先端部は共振子25の振動に伴って位置が
上下する可動電極であって、一方、半導体シリコン基板
1に形成された電極3はその位置が移動しない固定電極
となっている。そして、共振子25がそれぞれの特定の周
波数にて振動すると、両電極間の距離が変動するので、
キャパシタの容量が変化するようになっている。
【0032】各電極3には、このような容量変化を電圧
信号に変換し、変換した電圧信号を所定時間内で積算し
て出力する検出回路4が接続されている。図3は、検出
回路4の構成を示す図であり、検出回路4は、前記キャ
パシタの容量Cs と基準容量Cf とのインピーダンス比
に応じた増幅比にて増幅する演算増幅器41,42と、基準
電圧Vref より高い演算増幅器42の出力信号を所定時間
だけ積算する積算回路43と、積算回路43から出力信号を
取り出して一時的に保持して出力するサンプルホールド
回路44とを備える。このような構成の検出回路4は、例
えばシリコンCMOSプロセスによって形成されてい
る。
【0033】演算増幅器41,積算回路43及びサンプルホ
ールド回路44には、それぞれクロックパルスφ0 ,φ1
及びφ2 が供給され、演算増幅器41,積算回路43及びサ
ンプルホールド回路44はそれぞれこれらのクロックパル
スに同期して動作する。なお、これらのクロックパルス
は、外部から供給するようにしても良いし、同一の半導
体シリコン基板上にカウンタ回路を形成してそこから供
給するようにしても良い。
【0034】次に、動作について説明する。空気中を伝
搬した音波がセンサ本体2の第1ダイヤフラム23に伝わ
ると、板状の第1ダイヤフラム23が振動してその振動が
センサ本体2内を伝搬する。この際、図1の左方から右
方へ音波が、順次長さが長くなっていく(順次共振周波
数が低くなっていく)片持ち梁の各共振子25を振動させ
ながら伝わっていく。各共振子25は固有の共振周波数を
有しており、各共振子25はその固有の周波数の音波が伝
搬すると共振し、その先端部が上下に振動する。この振
動によって、その先端部と電極3との間で構成されるキ
ャパシタの容量が変化する。
【0035】なお、何れの共振子25にも吸収されなかっ
た周波数成分は、保持部分22の遠位端まで伝搬して第2
ダイヤフラム24に吸収される。よって、不要な周波数成
分に伴う反射波は発生しない。この結果、反射波が容量
変化に影響を及ぼす虞はなく、伝搬した音波のスペクト
ルに合致した正確な容量変化を検出できる。
【0036】得られた容量変化が検出回路4内に送られ
る。図4は、検出回路4内におけるタイミングチャート
を示す図であり、演算増幅器41,積算回路43及びサンプ
ルホールド回路44にそれぞれ供給するクロックパルスφ
0 ,φ1 及びφ2 を示す。なお、本例でのクッロクパル
ス制御は、ローレベルでオン状態とする。
【0037】まず、検出回路4内では、演算増幅器41で
得られたキャパシタの容量Cs と基準容量Cf とのイン
ピーダンス比に応じて増幅比が決まる。例えば、1/ω
f(ω=2πf,f:周波数)に対する1/ωCs
値が1/2である場合には、得られる電圧信号が2倍に
なる。但し、演算増幅器41は、その+入力端子が接地さ
れている反転増幅器であるので、次段の演算増幅器42で
電圧位相を1倍で反転させる。得られた増幅電圧信号が
積算回路43へ入力される。積算回路43では、クロックパ
ルスφ1 に応じた所定の時間内において基準電圧Vref
より高い増幅電圧信号が積算され、その積算信号がサン
プルホールド回路44へ入力される。サンプルホールド回
路44では、クロックパルスφ2 に応じて積算信号のサン
プリングとホールドとを繰り返して外部へ積算信号を出
力する。
【0038】以上のような処理は、長さが異なる共振子
25にそれぞれ対応する検出回路4毎に並列的に行われ
る。なお、図4に示すクロックパルスφ0 ,φ1 及びφ
2 の周期は一例であり、これらの各クロックパルスの周
期は任意に設定しても良いことは勿論である。
【0039】以上のようにして、本発明では、特定の周
波数に共振する共振子25に対応する検出回路4の出力信
号を調べることにより、任意の時間を周期とした、その
特定の周波数の音の強さの経時変化を知ることができ
る。また、複数の共振子25に対応する検出回路4の出力
信号を調べることにより、任意の時間を周期とした、複
数の周波数帯域毎の音の強さの経時変化を知ることがで
きる。この場合、一つの特定の周波数毎にその積算結果
を出力しても良いし、または、複数の特定の周波数毎に
その積算結果を出力しても良い。
【0040】また、一定時間毎に区切ったとしてもどこ
にも音響データの欠落がない。また、一定時間毎に各周
波数毎の音響データが得られるので、時間の経過に合わ
せて各周波数の強度の推移を確認でき、例えば母音と子
音との時間的変化の判別をより正確に行えて、音声認識
の判別率を高めることができる。また、一定時間毎に各
周波数毎の音響データが得られるので、時間の経過に合
わせて各周波数の強度の推移を確認でき、音声の時間的
変化の判別をより正確に行えて、音声認識の判別率を高
めることに寄与できる。
【0041】図5は、特定の周波数に対応する各検出回
路4の関係を示す図である。例えば、n種類の共振周波
数f1 ,f2 ,f3 ,f4 ,…,fn にそれぞれ選択的
に応答振動するように各2本ずつ合計2n本の共振子を
設ける場合には、各共振周波数毎にその共振強度に応じ
た2n個の出力信号V1a,V1b,V2a,V2b,V3a,V
3b,V4a,V4b,…,Vna,Vnbを各検出回路4から得
ることができる。本例では、1つの共振周波数に対して
2個ずつの検出系を備えているので、1個の検出系しか
設けない場合に比べてより検出精度は高くなる。例え
ば、音声認識のための音声入力用マイクロフォンとして
本発明の音響センサを使用する場合には、可聴帯域にお
ける各共振周波数毎の共振強度に応じてその周波数の強
度を求め、求めた分析パターンに基づいて音声を認識す
る。
【0042】なお、音波の任意に選択した周波数のみの
強度を求めたい場合には、必要な共振周波数に対応する
検出回路の出力信号のみを得るようにすれば良い。例え
ば、図5において周波数f1 ,f3 の強度を求める場合
には、対応しない他の検出回路4−2a,4−2b,4−4
a,4−4b,…,4−na,4−nbの出力を遮断するか、
予めこれらの検出回路4−2a,4−2b,4−4a,4−4
b,…,4−na,4−nbは設けないようにするかして、
必要な出力信号V1a,V1b,V3a,V3bが得られて、不
要な出力信号V2a,V2b,V4a,V4b,…,Vna,Vnb
が得られないようにすれば良い。このような音響センサ
の使用例としては、特定の1または複数の周波数の異常
音を検出するための異常音入力用マイクロフォンが好適
である。
【0043】(第2の実施の形態)図6は、本発明の音
響センサの第2の実施の形態を示す図である。第2の実
施の形態では、第1の実施の形態のように保持部分22の
両側に同一の共振周波数を持つ1対ずつの共振子25を設
けるのではなく、特定の周波数に共振するように長さが
調整された複数の共振子25を保持部分22の片側にのみ設
けている。各共振子25の共振周波数の特性は第1の実施
の形態と同様である。即ち、第1の実施の形態と同様
に、すべての共振子25の厚さHは一定とし、その長さL
を左側(第1ダイヤフラム23側)から右側(第2ダイヤ
フラム24側)に向かうにつれて順次長くなるようにして
おり、左側から右側に向かうにつれて各共振子25が固有
に振動する共振周波数を高周波数から低周波数に設定し
ている。第2の実施の形態における他の構成及び検出動
作は第1の実施の形態と同様であるので、それらの説明
は省略する。
【0044】第2の実施の形態では、保持部分22の片側
にのみ共振子25を設けるようにしたので、第1の実施の
形態と比べて、構成をより簡単にした低コストの音響セ
ンサを提供できる。
【0045】(第3の実施の形態)図7は、本発明の音
響センサの第3の実施の形態を示す図、図8は、第3の
実施の形態におけるセンサ本体の平面図である。第3の
実施の形態では、第1の実施の形態の構成から第2ダイ
ヤフラム24及び伝搬部分27を除去した構成をなし、保持
部分22の他端部が半導体シリコン基板1に完全に固定さ
れている。隣合う共振子25の共振周波数の差があまり大
きくない場合、または、第1ダイヤフラム23で受けられ
た音波の強さがあまり大きくない場合等では、ほとんど
の成分が共振子25で吸収され、吸収されることなく保持
部分22の他端まで伝搬するものは少ないと考えられる。
また、入力される音波の成分が、本センサの設定周波数
帯域内にのみある場合も、ほとんど成分が共振子25で吸
収されると考えられる。このような場合には、反射によ
るノイズの影響を無視しても、検出精度はあまり変わら
ないと言える。第3の実施の形態はこのような状況時に
適した音響センサである。
【0046】なお、各共振子25の共振周波数の特性は第
1の実施の形態と同様である。即ち、第1の実施の形態
と同様に、すべての共振子25の厚さHは一定とし、その
長さLを左側(第1ダイヤフラム23の近位側)から右側
(第1ダイヤフラム23の遠位側)に向かうにつれて順次
長くなるようにしており、左側から右側に向かうにつれ
て各共振子25が固有に振動する共振周波数を高周波数か
ら低周波数に設定している。第3の実施の形態における
他の構成及び検出動作は第1の実施の形態と同様である
ので、それらの説明は省略する。
【0047】第3の実施の形態では、第1の実施の形態
と比べて、第2ダイヤフラム24を設けない分だけ構成を
小型化でき低コスト化を実現できる。
【0048】以下、上述した第1の実施の形態(保持部
分22の入力側と反対側に第2ダイヤフラム24を設けた構
成)と第3の実施の形態(保持部分22の入力側と反対側
の端部を半導体シリコン基板1に完全に固定させた構
成)とにおける具体的な特性の測定結果について説明す
る。各実施の形態における単結晶シリコン製のセンサ本
体2(第1,第2ダイヤフラム23,24、複数の共振子2
5、保持部分22)の設計寸法は、以下の通りである。但
し、第3の実施の形態では、第2ダイヤフラム24が存在
しない。
【0049】 第1,第2ダイヤフラム23,24の大きさ 3000×4000(μm×μm) 共振子25の本数 15(本) 各共振子25の長さ(L) 1400〜2150(μm) 各共振子25の幅 80(μm) 各共振子25の厚さ(H) 10(μm) 保持部分22の幅 100 〜237(μm) 保持部分22における共振子25ピッチ 200(μm) 保持部分22の厚さ 10(μm)
【0050】図9は、このような構成をなす第1の実施
の形態と第3の実施の形態とに対して、3〜6kHzの
周波数で振幅1.0 Paの正弦波の音を入力した場合の、
各共振子25における共振時の振幅を有限要素法によって
解析した結果を示すグラフである。図9で、横軸は各共
振子25の番号(低周波側から順に番号付けしている)、
縦軸は各共振子25での共振振幅(μm)を示し、●は第
1の実施の形態での特性、□は第3の実施の形態での特
性を表す。
【0051】第3の実施の形態では、第1の実施の形態
に比べて、固定端に近い低周波側の数本の共振子25での
共振振幅が小さくなっていることが分かる。これは、保
持部分22の入力側と反対側の端部が半導体シリコン基板
1に完全に固定されており、音響エネルギが効率良く低
周波側の数本の共振子25まで伝搬されなかったことに起
因している。
【0052】図10は、上述したような構成をなす第1の
実施の形態と第3の実施の形態とについて、自重による
応力を有限要素法によって解析した結果を示すグラフで
ある。図10で、横軸は保持部分22の低周波側端からの距
離(cm)、縦軸は自重での応力(MPa)を示し、●
は第1の実施の形態での特性、□は第3の実施の形態で
の特性を表す。第1の実施の形態では、第3の実施の形
態に比べて、局所的な応力が緩和されていることが分か
る。
【0053】(第4の実施の形態)次に、各共振子25に
おける共振周波数を、音階に表されるような音の高さを
表す心理的属性であるメルスケールにて線形に分布させ
るようにした第4の実施の形態について説明する。な
お、この第4の実施の形態の音響センサの基本構成は上
述した第1,第2または第3の実施の形態の構成と同様
であるが、第4の実施の形態では、各共振子25における
共振周波数を、数学的に線形なスケールで分布させるの
ではなく、メルスケールにて線形に分布させるようにし
ている。つまり、各共振子25における共振周波数を
1 ,f2 ,f3 ,…,fn とした場合、 f1 〔Hz〕=αf2 〔Hz〕=…………=αn-1 n 〔Hz〕 のように設定するのではなく、 f1 〔mel〕=αf2 〔mel〕=…………=αn-1 n 〔mel〕 のように設定する。なお、αは任意に設定可能な係数で
ある。
【0054】各共振子25の共振周波数は、前記(4)式
にて決められ、また、実際の振動周波数とメルスケール
との対応は、前述したように、前記(1)式及び図13に
基づいて決められるので、メルスケールでの任意の共振
周波数を各共振子25に容易に割り当てることができる。
本例では、すべての共振子25の厚さHは一定とし、その
長さLを異ならせて、メルスケール上で等間隔になるよ
うな周波数に対応した共振周波数を得ている。
【0055】従来では、音響信号のスペクトルを高速フ
ーリエ変換し、かつ、メルスケールに変換する一連の処
理を、コンピュータ上のソフトウェアで行っていたが、
その場合には、計算量が莫大となって計算負荷が大きか
った。しかしながら、第4の実施の形態では、各共振子
25の共振周波数をメルスケールにて分布するようにし、
メルスケール仕様に合わせた各共振子25での振動を検出
するので、極めて簡易かつ容易に、音響信号のスペクト
ルに相当する物理量をメルスケールで検出できる。この
結果、人間の耳に聞こえるオクターブ音,半音等を選択
的にリアルタイムで認識でき、人間の聴覚により近似さ
せた状態で音声を認識でき、音声認識時に音声の特徴を
効率良く抽出することが可能となり、人間の聴覚に合わ
せた周波数特性を持つマイクロフォンの製作を実現でき
る。オクターブ音,半音等のピッチ音の時間的変化をよ
り正確に判別できるので、音声認識,異常音検出に効果
を奏することは勿論、朗読,和歌等の抑揚がある音声、
楽曲等の音階がある音に対する識別性に優れた音声入力
用マイクロフォンを構成できる。
【0056】(第5の実施の形態)次に、各共振子25に
おける共振周波数を、音の大きさを表す心理的属性であ
るバークスケールにて線形に分布させるようにした第5
の実施の形態について説明する。なお、この第5の実施
の形態の音響センサの基本構成は上述した第1,第2ま
たは第3の実施の形態の構成と同様であるが、第5の実
施の形態では、各共振子25における共振周波数を、数学
的に線形なスケールで分布させるのではなく、バークス
ケールにて分布させるようにしていると共に、各共振子
25における共振周波数の帯域幅を臨界帯域幅になるよう
にしている。
【0057】図14で示されるバークスケールと実周波数
との対応関係に基づいて、各共振子25の共振周波数が決
定される。そして、各共振子25の共振周波数は前記
(4)式にて決められるが、本例では、すべての共振子
25の厚さHは一定とし、その長さLを異ならせることに
より、バークスケールでの任意の共振周波数を各共振子
25に割り当てている。
【0058】各共振子25の共振周波数の帯域幅は、共振
部分21を振動エネルギが伝送していく過程において、隣
合う共振子25との相互作用に依存する。即ち、隣合う共
振子25の共振周波数の変化率,隣合う共振子25までの距
離のような構造上の設計値、及び、隣合う共振子25間の
気体の粘性等により、その帯域幅は決定されるが、本例
では、隣合う共振子25間の距離を変えることにより、各
共振子25の共振周波数の帯域幅を制御している。実際の
振動周波数とバークスケールとの対応、及び、臨界帯域
幅を決める遮断周波数は、前記(2),(3)式及び図
14に基づいて決められるので、各共振子25の設計仕様は
容易に決定できる。
【0059】図11は、共振周波数が3kHzである単結
晶シリコン製の共振子25について、隣合う共振子25まで
の距離D(横軸)を変化させた場合の帯域幅(縦軸)の
変化を示すグラフである。図12は、共振子25における長
さL,厚さH,幅W及び距離Dの関係を表す図であり、
この共振子25の設計値は長さL=1706μm、厚さH=10
μm、幅W=80μmであって、隣合う共振子25間の気体
は空気である。隣合う共振子25までの距離Dを調整する
ことにより、所望の帯域幅を設定できることが、図11か
ら理解される。よって、このことを考慮して、本例で
は、各共振子25の帯域幅が図14に示す臨界帯域幅になる
ように、隣合う共振子25間の距離Dを決定している。
【0060】従来では、音響信号のスペクトルを臨界帯
域幅フィルタ群により周波数スペクトル分析し、かつ、
バークスケールに変換する一連の処理をコンピュータ上
のソフトウェアで行っていたが、その場合には、計算量
が莫大となって計算負荷が大きかった。しかしながら、
第5の実施の形態では、各共振子25の共振周波数をバー
クスケールにて分布させると共に、各共振周波数の帯域
幅が臨界帯域幅になるようにしたので、音響信号のスペ
クトルに相当する物理量を臨界帯域幅を持ってバークス
ケールで検出できる。この結果、人間の聴覚により近似
させた状態で音声を認識でき、音声認識時に音声の特徴
を効率良く抽出することが可能である。また、人間の聴
力に合った周波数特性と帯域幅を持たせることができ、
雑音中に隠れている音響信号を選別することが容易にな
り、雑音が多い状況の中での音声認識の判別率を向上さ
せることが可能となる。更に、人間の聴覚により近いセ
ンサを提供できる。
【0061】なお、上述した例では、複数の共振子25で
の特定の共振周波数の帯域を15Hz〜20kHzの範囲と
したが、これは例示であり、他の周波数範囲でも良いこ
とは勿論である。但し、音波であるので、その周波数範
囲は、数Hz〜50kHz(最大でも100 kHzまで)で
ある。
【0062】
【発明の効果】以上のように、本発明の音響センサで
は、電気信号に変換する前に、音波が各周波数帯域毎に
機械的に分解されるので、従来のようなソフトウェアを
用いた電気的なフィルタリング処理は不要になり、処理
速度が速くなる。また、半導体基板上に容易に作製可能
であって、従来のシステムに比べて占有面積を縮小で
き、低コスト化も図ることがきる。更に、所望の周波数
毎に音の強さを検知できるので、分析処理を行うことな
く、音響スペクトルをリアルタイムで得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の音響センサの第1の実施の形態を示す
図である。
【図2】本発明の音響センサ(第1の実施の形態)のセ
ンサ本体の平面図である。
【図3】本発明の音響センサにおける検出回路の構成を
示す図である。
【図4】本発明の音響センサにおける検出回路のタイミ
ングチャートを示す図である。
【図5】特定の周波数に対応する各検出回路の関係を示
す図である。
【図6】本発明の音響センサの第2の実施の形態を示す
図である。
【図7】本発明の音響センサの第3の実施の形態を示す
図である。
【図8】本発明の音響センサ(第3の実施の形態)のセ
ンサ本体の平面図である。
【図9】各共振子の共振振幅の測定結果を示すグラフで
ある。
【図10】保持部分における応力の測定結果を示すグラ
フである。
【図11】共振子間距離と帯域幅との関係を示すグラフ
である。
【図12】本発明の音響センサにおける共振子の長さ,
厚さ,幅及び距離の関係を表す図である。
【図13】実際の周波数とメルスケール値との関係を示
すグラフである。
【図14】臨界帯域幅とバークスケールとの数値関係を
示す図表である。
【符号の説明】
1 半導体シリコン基板 2 センサ本体 3 電極 4 検出回路 21 共振部分 22 保持部分 23 第1ダイヤフラム 24 第2ダイヤフラム 25 共振子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大麻 隆彦 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 安藤 繁 千葉県千葉市緑区誉田町1−647 (72)発明者 田中 健司 千葉県千葉市花見川区幕張本郷7−39− 21−303B (56)参考文献 特開 昭63−61920(JP,A) 特開 昭62−251670(JP,A) 実開 昭53−45069(JP,U) 実開 平6−31298(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01H 3/08 G01H 11/06 G10L 15/28

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 媒質中を伝搬する音波を受ける第1ダイ
    ヤフラムと、夫々が異なる特定の周波数に共振するよう
    な長さを持つ複数の棒状の共振子を有する共振部分と、
    該共振部分を保持する保持部分と、該保持部分に対して
    前記第1ダイヤフラムと反対側に位置する第2ダイヤフ
    ラムと、前記各共振子の前記特定の周波数毎の振動強度
    を検出する振動強度検出部分とを備えることを特徴とす
    る音響センサ。
  2. 【請求項2】 前記第1ダイヤフラム側から前記第2ダ
    イヤフラム側に向かって、共振する周波数が順次低くな
    るように前記複数の共振子を配設させた請求項1記載の
    音響センサ。
  3. 【請求項3】 媒質中を伝搬する音波を受けるダイヤフ
    ラムと、夫々が異なる特定の周波数に共振するような長
    さを持つ複数の棒状の共振子を有する共振部分と、該共
    振部分を保持する保持部分と、前記各共振子の前記特定
    の周波数毎の振動強度を検出する振動強度検出部分とを
    備え、前記ダイヤフラムの近位側から遠位側に向かっ
    て、共振する周波数が順次低くなるように前記複数の共
    振子を配設させてあることを特徴とする音響センサ。
  4. 【請求項4】 前記保持部分の幅が、前記第1ダイヤフ
    ラムから遠くなるに従って細くなっている請求項1〜3
    の何れかに記載の音響センサ。
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