JP3284968B2 - 話速変換機能を有する補聴器 - Google Patents

話速変換機能を有する補聴器

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JP3284968B2
JP3284968B2 JP11680998A JP11680998A JP3284968B2 JP 3284968 B2 JP3284968 B2 JP 3284968B2 JP 11680998 A JP11680998 A JP 11680998A JP 11680998 A JP11680998 A JP 11680998A JP 3284968 B2 JP3284968 B2 JP 3284968B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、老齢化等により
衰えた聴覚機能を補助する補聴器に関し、特に取り込ん
だ音声信号を時間軸上で伸長する話速変換処理を行っ
て、装用者にゆっくり、はっきり聴かせる話速変換機能
を有する補聴器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、聴力が低下した人物の聴覚機
能を補助するものとして補聴器が使用されている。とこ
ろで、聴力の低下が老齢化による場合等では、最小可聴
信号レベルの上昇や高音域の聴取機能の低下のみならず
音声識別臨界速度(音声を識別することができる最大の
話速)も低下しており、このような人物には、単に音声
の増幅や周波数特性のみ加工するだけではなく、時間特
性も同時に加工することが望ましい。このため、最近で
は取り込んだ音声信号を時間軸上で伸長する話速変換処
理を行って、この補聴器の装用者にゆっくり、はっきり
聴かせることができる補聴器が考えられている。
【0003】音声信号を時間軸上で伸長させる技術とし
ては、「高品質話速変換型受聴システム」NHK放送技
術研究所(日本音響学会聴覚研究会資料H−92−5
4:1992年11月20日)に記載されているものが
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、人間が会話
をする場合には、自己が発する声を聞きながら次の声の
発声タイミングを計るなど、自己の発する声を聴取する
ことによるフィードバック処理を無意識に行っているも
のである。
【0005】ところが、上記従来の話速変換機能を有す
る補聴器では、装用者自身が発した声も話速変換処理を
されたのち、装用者に聴取される構成になっているた
め、話速変換機能を有する補聴器を装着している者は、
話速変換処理により遅延された自己の声を聴いて次の発
声にフィードバックをかけることになる。しかし、遅延
された自分が発した声を聴いて次の発声にフィードバッ
クをかけると、正常に発声を行うことができなくなると
いう問題点があった。
【0006】この発明の目的は、取り込んだ音声が装用
者が発した声かどうかを識別して、装用者が発した声で
あるときには話速変換処理を行わないで出力する補聴器
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、取り
込んだ音声信号を時間軸上で伸長する話速変換手段を備
えた補聴器において、装用者の音声信号の特徴情報を記
憶する特徴記憶手段と、該特徴情報に基づいて取り込ん
だ音声信号が装用者の発した音声であるかどうかを識別
する音声識別手段と、前記音声識別手段で装用者の音声
であることを識別したときには、前記話速変換手段を禁
止する話速変換禁止手段と、を備えたことを特徴とす
る。
【0008】請求項2の発明は、取り込んだ音声信号を
時間軸上で伸長する話速変換手段を備えた補聴器におい
て、装用者の音声信号を入力し、該音声信号の特徴情報
を抽出する特徴抽出手段と、抽出された特徴情報を記憶
する特徴記憶手段と、該特徴情報に基づいて取り込んだ
音声信号が装用者の発した音声であるかどうかを識別す
る音声識別手段と、前記音声識別手段で装用者の音声で
あることを識別したときには、前記話速変換手段を禁止
する話速変換禁止手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】この発明の話速変換機能を有する補聴器に
おいては、装用者の音声信号の特徴情報を特徴記憶手段
に記憶している。請求項2の発明では、装用者の音声信
号を入力してその音声信号の特徴情報を抽出し、これを
特徴記憶手段に記憶する。
【0010】そして、取り込んだ音声信号をこの特徴情
報に基づいて判断することにより、装用者が発した声で
あるかどうかを識別する。この識別において、取り込ん
だ音声が、装用者の発した声であると識別すると、この
取り込んだ音声信号に対して話速変換処理を行わずに出
力する。
【0011】したがって、補聴器は取り込んだ音声信号
が装用者が発した声である時には話速変換処理を行わず
にこの音声信号を出力し、取り込んだ音声信号が装用者
が発した声でない時には話速変換処理を行ってこの音声
信号を出力する。よって、補聴器の装用者は、話速変換
されていない自分の発した声を聴いて次の発生にフィー
ドバックをかけるので、次の発声を正常に行うことがで
きる。また、話速変換処理された他人が発した声を聴く
ことになるので、これをゆっくり、はっきり聴くことが
できる。
【0012】
【発明の実施の形態】図面を参照してこの発明の実施形
態である話速変換機能を有する補聴器の構成について説
明する。図1〜図5は、話速変換機能を有する補聴器に
おいて、自己発話時に話速変換を禁止する技術を説明す
る図である。
【0013】図1は、話速変換機能を有する補聴器の構
成を示すブロック図である。この補聴器は、マイクロホ
ン1から入力された音声信号が装用者が発した声の信号
であるか否かを判断し、装用者が発した声の場合には、
増幅のみして出力し、装用者以外の者が発した声の場合
にはこの音声信号を時間的に伸長して出力することによ
り装用者に聞きやすくしている。話声の信号を時間的に
伸長する場合、単に均一に伸長するのみでは自然な話声
にすることができない。これは人がゆっくり話す場合、
発音の間隔すなわち無音区間が長くなるとともに母音の
発音時間が多少長くなるが、子音の発音時間は殆ど変化
しないからである。したがって、この補聴器では、無音
区間と母音区間(有声音区間)は伸長し、子音区間(無
声音区間)は伸長せずに出力することで自然な話声の伸
長を実現している。なお、無音区間と母音区間はそれぞ
れ個別に伸長する倍率を設定することができる。
【0014】図1において、補聴器は、マイクロホン
1,アンチエリアシングフィルタ2,A/D変換回路3
からなる入力部、DSP回路12,メモリ回路13から
なる信号処理部6、D/A変換回路7,ローパスフィル
タ8,イコライザ9,アンプ10,レシーバ11からな
る出力部、クロックジェネレータ4,サンプリングクロ
ック発生回路5からなるクロック回路、および、マイク
ロホン1で受信した音声信号が装用者が発した声である
かどうかを識別する話者識別部14からなっている。
【0015】マイクロホン1は空気振動を音声信号とし
て取り込みこれをアナログの電気信号に変換して出力す
る。アンチエリアシングフィルタ2は、いわゆるローパ
スフィルタであり、A/D変換回路3のA/D変換にと
もなう歪みの発生を防止するため、前記マイクロホン1
から入力されるアナログ信号からA/D変換回路3のサ
ンプリング周波数(f=16kHz)の1/2である8
kHz以上の高音域をカットする。A/D変換回路3
は、アンチエリアシングフィルタ2で高音域をカットさ
れたアナログ信号をディジタル信号に変換する。A/D
変換回路3のサンプリング周波数は上述したように16
kHzであり、この周波数のサンプリングクロックはサ
ンプリングクロック発生回路5から与えられる。サンプ
リングクロック発生回路5は、クロックジェネレータ4
が発生する高速のクロック信号(数十メガHz)を分周
して上記サンプリングクロックを生成する。クロックジ
ェネレータが発生する高速のクロック信号はDSP回路
12の動作クロックとして供給される。
【0016】信号処理部6は、前記A/D変換回路3か
ら入力されたディジタル信号に対して伸長処理等の話速
変換処理を行う回路であり、マイクロプログラムにより
音声信号の切り出しや切り出された音声信号のうち有声
音部を伸長するなどの処理を行う。D/A変換回路7
は、信号処理部6で処理されたディジタル信号をアナロ
グ信号に変換する。ローパスフィルタ8は、8kHzの
カットオフ周波数を有しD/A変換回路7の出力したア
ナログ信号から折り返しノイズを除去する。このアナロ
グ信号はイコライザ9に入力され、中高音域の信号レベ
ルをブーストするなど装用者の聴力に合わせて周波数特
性を変換される。イコライザ9から出力された信号はア
ンプ10で十分なパワーの信号に増幅されたのちレシー
バ11に入力される。なお、イコライザ9を設けずにこ
の処理をDSP回路12で行うようにしてもよい。レシ
ーバ11は、装用者の耳に装着されるものであり、入力
されたアナログ信号を空気振動に変換して装用者の外耳
道に放出する。
【0017】マイクロホン1から音声信号が入力される
と、この信号はアンチエリアシングフィルタ2を介して
A/D変換回路3でディジタル信号に変換されDSP回
路11に入力される。同時にこの音声信号が装用者自身
の発した声であるか否かが話者識別部14で識別され
る。話者識別部14が装用者の発した声でない、すなわ
ち、装用者以外の者の発した声であると識別した場合に
は、DSP回路12は入力されたディジタル信号の時間
的伸長を行う。この伸長処理については図2のフローチ
ャートの説明において詳述する。伸長されたディジタル
信号はD/A変換回路7でアナログ信号に変換され、ロ
ーパスフィルタ8,イコライザ9,アンプ10で折り返
しノイズの除去,イコライジング,増幅が施されたのち
レシーバ11から放音される。
【0018】一方、話者識別部14が入力された音声信
号が装用者自身の発した声であると判断した場合には、
DSP回路12は入力されたディジタル信号の伸長を行
わずそのままD/A変換回路7に出力する。これによ
り、装用者自身の発した声はイコライジングおよび増幅
はされるが、時間的な伸長は行わずにレシーバ11から
放音されることになる。
【0019】図2は、同補聴器の信号処理を示すフロー
チャートである。マイクロホン1で取り込まれた音声信
号は、アンチエリアシングフィルタ2で高音域をカット
されA/D変換回路3でディジタル信号に変換される
(n1)。このディジタル信号は、DSP回路12を介
して順次メモリ回路13に取り込まれる(n2)。メモ
リ回路13に1フレームとして定められたN個のデータ
を記憶するとともに、話者識別部14で話者が装用者で
あるかどうかを識別する(n3)。ここで話者が装用者
でないと識別すると、メモリ回路13に記憶しているデ
ータに対して話速変換処理を行い(n4〜n12)、話
速変換処理を行ったディジタルデータをD/A変換回路
7に出力する。一方、話者が装用者であると識別すると
話速変換処理を行わず、入力されたディジタル信号をD
/A変換回路7に出力する。
【0020】ここで、n4〜n12の話速変換処理につ
いて説明する。まず、このフレームが音声区間であるか
無音区間であるかを判断する。このため、メモリ回路1
3に記憶されているフレームデータ(N個のサンプリン
グデータ)の短時間平均音声パワーE1を求める(n
4)。短時間平均音声パワーE1とは、フレーム区間内
の各データを2乗した値の総和をN分の1した値であ
る。この短時間平均音声パワーE1と予め設定されてい
る閾値P1とを比較し、E1>P1のとき音声区間と判
定しE1<P1のとき無音区間と判定する(n5)。
【0021】n5で音声区間であると判定すると、この
データの周波数fzを算出する(n6)。周波数fzは
このフレームデータの零交差回数から抽出する。そし
て、この周波数の分析を行って有声音または無声音どち
らであるかを識別する(n7)。ここで、有声音は主と
して母音であり、無声音は主として子音である。このた
め、有声音に含まれる周波数と無声音に含まれる周波数
は、おおむね無声音が高く有声音が低い。したがって、
零交差回数が少ない場合(周波数が低い場合)には有声
音であり、零交差回数が多い場合(周波数が高い場合)
無声音であると識別することができる。この実施形態で
は、零交差回数から求めた周波数fzが予め設定されて
いる閾値周波数fz1と比較し、fz>fz1のとき無
声音区間と識別し、fz<fz1のとき有声音区間と識
別するようにした。
【0022】n7で有声音区間であると識別された場
合、フレームデータを適当な窓幅で切りだし、自己相関
関数を求める(n8)。そして、この求めた自己相関関
数からピッチ周期を求め(n9)、区間の開始点に最も
近い正の微分係数を持つ零交差点を開始点とし、ピッチ
区間長後の次のピッチ区間の開始点の一つ前のデータを
終了点として伸長用波形を切り出す(n10)。そし
て、次のデータとして切りだし開始点からピッチ区間長
分のデータを接続することで、波形を繰り返す(n1
1)。一方、n7で無声音区間であると識別した場合に
はn8〜n11の処理を行わずに出力する。すなわち、
母音区間に対しては予め設定されている倍率で伸長処理
を行い、子音区間に対しては伸長処理を行わない。
【0023】また、n5で無音区間であると識別した場
合には予め設定されている長さの無音区間を挿入する
(n12)。
【0024】このように処理することにより、補聴器
は、他人が発した声を話速変換処理して出力し、装用者
が発した声を話速変換処理しないで出力する。よって、
補聴器の装用者は、次の発声を正常に行うことができる
とともに、他人が発した声に対してはゆっくり、はっき
り聴くことができる。
【0025】ここで、n3での話者が装用者であるかど
うかを識別する処理を詳細に説明する。
【0026】最初に、固体伝搬音を利用して話者が装用
者であるかどうかを識別する方法を説明する。
【0027】図3は、固体伝搬音を利用して話者を識別
する話者識別部の構成を示す図である。話者識別部14
は、加速度センサや圧力センサ等の直接接触している物
体の振動や機械的変化を検出する骨伝導マイク21と、
骨伝導マイク21の出力を増幅する増幅器22と、比較
データを記憶する比較データ記憶回路23と、前記増幅
器22の出力と前記比較データとを比較する比較器24
とを備えている。
【0028】骨伝導マイク21は、補聴器の耳穴に挿入
される部分に装着されている。装用者に装着した状態の
時に、骨伝導マイク21は装用者の外耳道内壁に直接ま
たは保持する構造物を通じて接触するように取り付けら
れている。骨伝導マイク21は装用者の発声によって生
じる外耳道内壁の振動を検出して、これを電気信号に変
換して出力する。この信号は、増幅器22によって増幅
される。この増幅器22の増幅率は、予め設定されてい
る。この増幅器22で増幅された信号と、比較データ記
憶回路23に記憶している比較データとが比較器24で
比較される。比較器24は、この比較で増幅器22で増
幅された信号が比較データよりも大きい時には、話者が
装用者であることを示す信号を出力し、その他の場合に
は話者が装用者でないことを示す信号を出力する。信号
処理部6は、入力された信号が話者が装用者である旨の
信号であった場合、マイクロホン1で取り込んだ音声信
号に対して話速変換処理をせずそのままD/A変換回路
7に出力する。
【0029】図4は空間伝搬音から話者が装用者である
かどうかを識別する構成を示す図である。この回路で
は、装用者の発する声を検出するための話者識別マイク
31を用いている。話者識別マイク31は、例えば、イ
ヤホン型で装用者の耳に挿入して装用者の声を大きく検
出するようにされているが、他の音声であっても大きい
音声であればこのマイクによって検出される。これを装
用者の声と誤認しないようにこの回路は以下の構成にな
っている。
【0030】図4において、話者識別マイク31が取り
込んだ音声信号は増幅器33で増幅され、マイクロホン
1で取り込んだ音声信号は増幅器32で増幅される。増
幅器32が出力する信号Bと増幅器33が出力する信号
Aとを比較器34で比較する。増幅器32、33の増幅
率は、それぞれマイクロホン1、話者識別マイク31を
取り付ける位置に応じてそれぞれ個別に決定されてい
る。比較器34は信号Aが信号Bよりも大きい時には、
話者が装用者であることを示す信号を出力する。DSP
回路12はこの信号が入力されたときマイクロホン1か
ら取り込んだ音声信号に対する話速変換処理を禁止す
る。
【0031】以上の構成により、装用者以外が発した音
声が大きくなり、話者識別マイク31が大きく取り込ん
でも、これを装用者の声と誤認することがなくなる。
【0032】図4は、アナログ回路で信号Aと信号Bと
を比較しているが、DSP回路12の機能を用いてこの
比較を行うこともできる。この場合には、話者識別マイ
ク31の出力信号をA/D変換してDSP回路12に入
力するとともに、図5に示す動作を行う。まず、話者識
別マイク31で受信した信号Aとマイクロホン1で取り
込んだ信号Bを所定の係数で増幅したのち(n21、n
22)、増幅された信号Aとを比較する(n23)。信
号A,Bに対する係数はそれぞれマイクロホン1、話者
識別マイク31を取り付ける位置に応じてそれぞれ個別
に決定されている。比較の結果信号Aが信号Bよりも大
きい時には、話者が装用者であると判断し(n24)、
その他の場合には話者が装用者でないと判断する(n2
5)。このようにすることで、装用者以外の人物の発生
が極めて大きい場合でも、正確に話者を識別することが
できる。信号処理部6では、この信号に基づいて上記し
た話速変換処理を禁止する。
【0033】次に、装用者の発する声の特徴を記憶し
て、入力された音声信号の特徴からこの信号が装用者の
声であるか否かを判断するこの発明の実施形態である話
速変換機能を有する補聴器について説明する。
【0034】図6は同補聴器のブロック図である。この
実施形態において図1に示した補聴器と構成において異
なる点は、話者識別部14を備えていない点およびメモ
リ回路13に装用者が発した音声の特徴を記憶する装用
者音声特徴記憶エリア13aを備えている点で異なる。
【0035】また、この補聴器の動作において上記実施
形態と異なる点は、話者が装用者であるかどうかを識別
する処理が異なるだけで、その他の処理(話速変換処理
等)については同一である。ここでは、話者が装用者で
あるかどうかを識別する処理のみ説明し、その他の動作
については説明を省略する。
【0036】図7は、この実施形態の話者識別処理を示
すフローチャートである。補聴器の装用者は事前に自分
が発した声の特徴を装用者音声特徴記憶エリア13aに
記憶させている(図7(A)参照)。この、装用者音声
特徴記憶エリア13aに自分が発した声の特徴を記憶さ
せるには、補聴器を登録モードに切り換えてマイクロホ
ン1に装用者が自分の声を取り込ませる(n31)。こ
の音声信号はアンチエリアシングフィルタ2を通過し、
A/D変換回路3でディジタル信号に変換されて信号処
理部6に送られる。信号処理部6では、DSP回路12
がこの信号の線形予測分析を行い(n32)、装用者で
ある人物の発した音声の特徴を抽出する(n33)。そ
して、この抽出した音声の特徴を装用者音声特徴記憶エ
リア13aに記憶する(n34)。
【0037】通常モードの時(使用状態の時)には(図
7(B)参照)、補聴器はマイクロホン1で音声信号を
取り込むと(n41)、この取り込んだ音声信号を上記
と同じ経路で信号処理部6に入力する。信号処理部6で
は、DSP回路12がこの信号の線形予測分析を行い
(n42)、この音声信号の特徴を抽出する(n4
3)。そして、装用者音声特徴記憶エリア13aに記憶
している音声の特徴と、n43で抽出した音声の特徴と
を比較し、類似点を評価する。この評価における評価点
が予め設定されている値よりも大きい場合には、話者が
装用者であると識別し、評価点が予め設定されている値
よりも小さい場合には、話者が装用者でないと識別す
る。
【0038】なお、話者識別部14をスイッチで構成
し、装用者自身に識別信号を入力させるようにしてもよ
い。例えば、信号処理部6を該スイッチがオンしている
間話速変換処理を禁止する構成にすれば、装用者は自分
が話している間だけこのスイッチをオンすることにより
この発明の機能を実現することができる。また逆に、信
号処理部6をスイッチがオフしている間話速変換処理を
禁止する構成にした場合には、装用者は自分が話してい
る間だけこのスイッチをオフすればよい。なお、このス
イッチは、補聴器の動作を停止させるためのメインスイ
ッチではなく、話速変換処理を許可/禁止するスイッチ
であり、話速変換処理が禁止されている間でもマイクロ
ホン1から入力された音声信号は増幅されてレシーバ1
1から出力される。
【0039】以上説明したように、補聴器は取り込んだ
音声信号が装用者が発した声である時には話速変換処理
を行わずにこの音声信号を出力し、取り込んだ音声信号
が装用者が発した声でない時には話速変換処理を行って
この音声信号を出力する。よって、補聴器の装用者は、
話速変換されていない自分の発した声を聴いて次の発生
にフィードバックをかけるので、次の発声を正常に行う
ことができる。また、話速変換処理された他人が発した
声を聴くことになるので、これをゆっくり、はっきり聴
くことができる。
【0040】なお、請求項2の発明を上記実施形態に対
応させて具体化すると以下のようになる。音声識別手段
は、装用者の発した声を線形分析して特徴を抽出して記
憶する装用者音声記憶手段と、取り込んだ音声信号を線
形分析して特徴を抽出する特徴抽出手段と、前記特徴抽
出手段で抽出した特徴と前記装用者音声記憶手段に記憶
している特徴を比較して類似点から取り込んだ信号が装
用者が発した音声であるかどうかを識別する手段であ
る。
【0041】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、装用
者の音声信号の特徴に基づいて装用者の発声を識別する
ことができるため、話者識別マイクなどを別途装用しな
くても、装用者の発声を識別し、装用者が発した声には
話速変換を行わず、他人が発した声に対しては話速変換
を行う。したがって、補聴器の装用者は、話速変換され
ていない自分の発した声を聴くことができるので、次の
発声を正常に行うことができる。また、他人が発した声
をゆっくり、はっきり聴くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】話速変換機能を有する補聴器の構成を示すブロ
ック図
【図2】同補聴器の信号処理を示すフローチャート
【図3】固体伝搬音を利用して話者を識別する話者識別
部の構成を示す図
【図4】空気伝搬音を利用して話者を識別する話者識別
部の構成を示す図
【図5】空気伝搬音を利用して話者を識別する処理を示
すフローチャート
【図6】この発明の実施形態である話速変換機能を有す
る補聴器の構成を示すブロック図
【図7】この発明の実施形態の話者識別処理を示すフロ
ーチャート
【符号の説明】
1…マイクロホン、6…信号処理部、12−DSP回
路、13−メモリ回路、13a…装用者音声特徴記憶エ
リア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04R 25/00 G10L 21/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 取り込んだ音声信号を時間軸上で伸長す
    る話速変換手段を備えた補聴器において、 装用者の音声信号の特徴情報を記憶する特徴記憶手段
    と、該特徴情報に基づいて取り込んだ音声信号が装用者
    の発した音声であるかどうかを識別する音声識別手段
    と、前記音声識別手段で装用者の音声であることを識別
    したときには、前記話速変換手段を禁止する話速変換禁
    止手段と、を備えたことを特徴とする話速変換機能を有
    する補聴器。
  2. 【請求項2】 取り込んだ音声信号を時間軸上で伸長す
    る話速変換手段を備えた補聴器において、 装用者の音声信号を入力し、該音声信号の特徴情報を抽
    出する特徴抽出手段と、抽出された特徴情報を記憶する
    特徴記憶手段と、該特徴情報に基づいて取り込んだ音声
    信号が装用者の発した音声であるかどうかを識別する音
    声識別手段と、前記音声識別手段で装用者の音声である
    ことを識別したときには、前記話速変換手段を禁止する
    話速変換禁止手段と、を備えたことを特徴とする話速変
    換機能を有する補聴器。
JP11680998A 1998-04-27 1998-04-27 話速変換機能を有する補聴器 Expired - Fee Related JP3284968B2 (ja)

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