JP2004081295A - 人工内耳 - Google Patents
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Abstract
【課題】低消費電力化と高分解能を同時に実現する人工内耳を提供する。
【解決手段】フィッシュボーンセンサ21は、互いに異なる周波数の音声に共振する複数の共振子を備え、各共振子の振動を、それぞれの振動レベルに応じた信号に変換する。増幅回路22は、フィッシュボーンセンサ21が変換した信号を所定の増幅率で増幅し、外部スイッチ回路23に供給する。外部スイッチ回路23は、信号の供給経路を切り替え、供給される信号を外部アンテナ24を介して順に送信する。内部スイッチ回路32は、信号の供給経路を切り替え、内部アンテナ31を介して送信された信号を複数の電極4aに順に供給し、蝸牛内の神経に刺激を与える。
【選択図】 図1
【解決手段】フィッシュボーンセンサ21は、互いに異なる周波数の音声に共振する複数の共振子を備え、各共振子の振動を、それぞれの振動レベルに応じた信号に変換する。増幅回路22は、フィッシュボーンセンサ21が変換した信号を所定の増幅率で増幅し、外部スイッチ回路23に供給する。外部スイッチ回路23は、信号の供給経路を切り替え、供給される信号を外部アンテナ24を介して順に送信する。内部スイッチ回路32は、信号の供給経路を切り替え、内部アンテナ31を介して送信された信号を複数の電極4aに順に供給し、蝸牛内の神経に刺激を与える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人工内耳に関する。
【0002】
【従来の技術】
人間は、内耳の一部である蝸牛内の神経が刺激されることにより音声を認識することができる。
【0003】
難聴者などの聴覚を補助する従来の人工内耳は、蝸牛内の神経に接続された複数の電極を有し、周囲で発生した音声の周波数に対応する神経を電気で直接刺激するものである。
【0004】
周囲で発生した音声は、マイクにより集音され、DSP(Digital Signal Processor)の信号処理によって各周波数に分離される。そして、各周波数の音声は、各周波数に対応する神経に接続された電極に、電気信号として送出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、DSPにより音声をリアルタイムに処理するためには、低消費電力化と高分解能を同時に実現することができないという問題がある。
【0006】
例えば、低消費電力で音声をリアルタイムに処理するためには、処理する周波数の数、即ち、神経を刺激する電極の数を少なくしなければならない。しかし、このようにすると、高分解能を実現することができず、認識される音声が不鮮明となる。
【0007】
また、認識される音声を鮮明にリアルタイムで処理するためには、処理する周波数の数、即ち、神経を刺激する電極の数を多くしなければならない。しかし、このようにすると、DSPの処理が莫大となり、低消費電力を実現することができない。
【0008】
以上の理由から、従来の人工内耳では、電極の数が10〜25個程度にとどまっている。
【0009】
従って、本発明は、低消費電力化と高分解能の両方を同時に実現する人工内耳を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の人工内耳は、所定周波数の音声を電気信号に変換して送信する送信ユニットと、送信される電気信号を受信して蝸牛内の所定の神経に印加する受信ユニットと、から構成され、前記送信ユニットは、互いに異なる共振周波数を有し、該共振周波数と同一周波数の音声により振動する複数の共振子と、前記複数の共振子のそれぞれの振動を、それぞれの振動レベルに応じた信号に変換する変換手段と、前記変換手段が変換した信号の内、所定の信号を前記受信ユニットに送信する送信手段と、を備え、前記受信ユニットは、前記蝸牛内に存在する互いに異なる周波数に対応した神経に接続される複数の電極と、前記送信手段から供給される信号を、前記複数の電極の内、所定の電極に供給することによって所定周波数に対応した神経を刺激する供給手段と、を備える、ことを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、低消費電力化と高分解能の両方を同時に実現することができる。
【0012】
前記送信ユニットは、前記変換手段が変換した信号を、前記複数の共振子が有する共振周波数毎に異なる増幅率で増幅する増幅手段をさらに備えてもよい。
【0013】
前記送信手段は、前記増幅手段が増幅した信号の中から前記受信ユニットに送信する対象の信号を選択する第1選択手段を備えてもよい。
【0014】
前記供給手段は、前記送信手段からの信号を供給する対象の電極を選択する第2選択手段を備えてもよい。
【0015】
前記送信手段は、前記第1選択手段及び前記第2選択手段の選択動作を互いに同期させるための、該第1選択手段の動作開始を示す開始信号と、該第1選択手段の動作終了を示す終了信号と、を前記受信ユニットに送信し、前記第2選択手段は、前記開始信号に応答して動作を開始し、前記終了信号に応答して動作を終了してもよい。
【0016】
前記送信ユニットは、前記複数の共振子が有する共振周波数毎の増幅率を記憶する記憶手段をさらに備えてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態にかかる人工内耳について図面を参照して説明する。
本発明の実施の形態にかかる人工内耳は、図1に示すように、電源ユニット1と、音声処理ユニット2と、受信ユニット3と、電極部4と、から構成される。
【0018】
電源ユニット1は、図1に示すように、乾電池、蓄電池、太陽電池、燃料電池、及び、熱発電機などの内の少なくとも1つを備え、音声処理ユニット2に電力を供給する。
【0019】
音声処理ユニット2は、例えばイヤホンのように耳介部分や耳の穴の部分に引っかけることにより、外耳近傍に設置される。音声処理ユニット2は、電源ユニット1から供給される電力により動作し、周囲で発生する音声の内、所定周波数の音声を電気信号に変換する。また、音声処理ユニット2は、変換した電気信号を受信ユニット3に電波で送信する。なお、音声処理ユニット2の詳しい構成については後述する。
【0020】
受信ユニット3は、例えば外耳付近の頭皮の下に埋め込まれ、音声処理ユニット2からの電波を受信する。そして、受信ユニット3は、電波で供給された電気信号を電極部4に供給する。なお、受信ユニット3の詳しい構成については後述する。
【0021】
電極部4は、蝸牛内の神経に接続された複数の電極4aを有し、受信ユニット3から供給される電気信号を蝸牛内の神経に印加して刺激する。なお、複数の電極4aは、音声処理ユニット2が検知する音声の周波数に対応した神経にそれぞれ接続される。
【0022】
次に、音声処理ユニット2の詳しい構成について説明する。
音声処理ユニット2は、図1に示すように、フィッシュボーンセンサ21と、増幅回路22と、外部スイッチ回路23と、外部アンテナ24と、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)25と、I/O(Input/Output)回路26と、から構成される。
【0023】
フィッシュボーンセンサ21は、図2に示すように、支持軸21aと、複数の片持ち梁(共振子)21bと、を有する。複数の片持ち梁21bは、支持軸21aの両側に形成され、その一端が支持軸21aに固定されている。
【0024】
複数の片持ち梁21bは、それぞれ異なる共振周波数を有する。また、各片持ち梁21bの材質及び形状は、これらの共振周波数が人間の可聴周波数帯で均等に配分されるように設定されている。また、片持ち梁21bは、周囲で発生した音声を人間が鮮明に認識できる周波数の数(例えば254本)だけ形成される。
【0025】
周囲で発生した音声が支持軸21aを伝搬すると、伝搬した音声に含まれる周波数に対応する片持ち梁21bが対応する周波数の音声の強さに応じた強さで振動する。
【0026】
また、フィッシュボーンセンサ21は、各片持ち梁21bの振動を電気信号に変換する検出回路(図示せず)を備え、各片持ち梁21bの振動は、この検出回路により検出され、その振動の強さに応じたレベルの信号に変換される。
【0027】
なお、検出回路は、例えば、片持ち梁21bを一方の電極とするコンデンサであり、片持ち梁21bの振動は、コンデンサの容量変化として検出することができる。
【0028】
また、マイクにて集音した後、出力をフィッシュボーンセンサ21に設けた圧電素子に接続してもよい。この場合は、外耳部周辺のユニットの大きさを小さくできる。
【0029】
フィッシュボーンセンサ21は、以上のようにして生じた各片持ち梁21bの振動レベルに応じたレベルの信号を増幅回路22に出力する。
増幅回路22は、外部スイッチ回路23の制御に従って、外部スイッチ回路23との間の信号供給経路を接続し、フィッシュボーンセンサ21から供給される信号を所定の増幅率で増幅して外部スイッチ回路23に出力する。
【0030】
なお、増幅回路22は、後述するEEPROM25に格納されている増幅率を蓄えるキャッシュメモリ22aを有し、キャッシュメモリ22aに蓄えられている増幅率で、フィッシュボーンセンサ21からの信号を増幅する。
【0031】
また、増幅回路22は、信号供給経路が接続されている時間を計測するためのタイマ(図示せず)を備えている。タイマは、増幅回路22と外部スイッチ回路23との間の信号供給経路が接続されると、予め設定された接続時間の計測を開始する。そして、所定の接続時間が経過すると、増幅回路22は、外部スイッチ回路23との間の信号供給経路を切断する。
【0032】
外部スイッチ回路23は、増幅回路22を制御して、増幅回路22との間の信号供給経路を所定のタイミングで順に切り替える。言い換えると、外部スイッチ回路23は、増幅回路22が増幅した信号の中から、送信対象の信号を所定のタイミングで1つずつ順に選択し、外部アンテナ24を介して受信ユニット3に送信する。
【0033】
EEPROM25は、増幅回路22が信号を増幅する際の各周波数毎の増幅率を記憶する。蝸牛内の神経を刺激する電気信号の強さは、各個人及び各周波数によって異なる。このため、増幅回路22の増幅率は、人工内耳の利用者に合わせて、各周波数毎に設定される。
I/O回路26は、EEPROM25が記憶している増幅率を書き換えるために用いられる。
【0034】
次に、受信ユニット3の詳しい構成について説明する。
受信ユニット3は、図1に示すように、内部アンテナ31と、内部スイッチ回路32と、から構成される。
内部アンテナ31は、外部アンテナ24から電波で送信される信号を頭皮を介して受信し、内部スイッチ回路32に供給する。
【0035】
内部スイッチ回路32は、電磁波によって内部アンテナ31を介して供給される電力により動作し、内部アンテナ31と複数の電極4aとの間の信号の供給経路を所定のタイミングで順に切り替える。言い換えると、内部スイッチ回路32は、信号の供給対象となる電極4aを所定のタイミングで1つずつ順に選択し、内部アンテナ31から供給される信号を複数の電極4aに振り分ける。
【0036】
なお、外部スイッチ回路23及び内部スイッチ回路32のそれぞれは、信号の供給経路を切り替えるタイミングが互いに同期するように予め設計されている。また、増幅回路22のタイマが計測する接続時間は、外部スイッチ回路23及び内部スイッチ回路32が信号の供給経路を切り替える間隔に一致するように予め設定されている。
【0037】
次に、本発明の実施の形態にかかる人工内耳の動作について説明する。
音声処理ユニット2に電源が投入されると、外部スイッチ回路23は、図3に示す信号送信処理を開始する。
【0038】
初めに、外部スイッチ回路23は、EEPROM25から各周波数毎の増幅率を読み出し、増幅回路22が有するキャッシュメモリ22aに書き込む(ステップS101)。これにより、増幅回路22は、フィッシュボーンセンサ21から供給される各周波数に対応した信号を所定の増幅率で増幅することができる。
【0039】
周囲で音声が発生すると、発生した音声は、フィッシュボーンセンサ21の支持軸21aを伝搬する。これにより、伝搬した音声に含まれる周波数に対応する片持ち梁21bが、対応する周波数の音声の強さに応じた強さで振動する。
各片持ち梁21bの振動は、図示せぬ検出回路により、その振動の強さに応じたレベルの信号に変換され、増幅回路22に供給されて増幅される。
【0040】
外部スイッチ回路23は、各周波数毎の増幅率をキャッシュメモリ22aに書き込んだ後、信号供給経路を切り替える動作の開始を示す開始信号を増幅回路22に出力すると共に、外部アンテナ24を介して受信ユニット3に送信する(ステップS102)。
【0041】
この開始信号により、外部スイッチ回路23が切替動作を開始するタイミングと内部スイッチ回路32が切替動作を開始するタイミングとを確実に同期させることができる。
【0042】
増幅回路22は、外部スイッチ回路23からの開始信号に応答して、タイマをリセットする。
外部スイッチ回路23は、開始信号の出力に続いて増幅回路22を制御し、信号の供給経路を切り替えて、処理対象の片持ち梁21bからの信号の供給経路を外部アンテナ24に接続する(ステップS103)。
【0043】
具体的には、外部スイッチ回路23は、信号供給経路の切り替えを指示する切替信号を増幅回路22に出力する。増幅回路22は、外部スイッチ回路23からの切替信号に応答して、処理対処の片持ち梁21bからの信号の供給経路を外部スイッチ回路23に接続する。これにより、処理対象の片持ち梁21bと外部アンテナ24とが接続される。
【0044】
なお、信号送信処理の開始時には、予め設定された周波数(例えば一番高い周波数)に対応した片持ち梁21bが、処理対象の片持ち梁21bとして選択される。
【0045】
処理対象の片持ち梁21bからの信号は、増幅回路22によって、キャッシュメモリ22aに格納されている所定の増幅率で増幅され、外部スイッチ回路23に供給される。
【0046】
外部スイッチ回路23は、増幅回路22から供給される処理対象の片持ち梁21bからの信号を、外部アンテナ24を介して受信ユニット3に送信する(ステップS104)。
【0047】
上記したように、増幅回路22が有するタイマは、信号供給経路が接続されるのに応答して、予め設定された接続時間の計測を開始する。そして、所定の接続時間が経過すると、増幅回路22は、外部スイッチ回路23との間の信号供給経路を自動的に切断する。
【0048】
信号供給経路が切断されると、外部スイッチ回路23は、全ての片持ち梁21b(又は全ての周波数)について上記処理を行ったか否かを判別する(ステップS105)。
【0049】
全ての片持ち梁21b(又は全ての周波数)について処理を行っていないと判別した場合(ステップS105;NO)、外部スイッチ回路23は、上記ステップS103にリターンし、次の片持ち梁21b(又は周波数)について上記処理を行う。
【0050】
一方、全ての片持ち梁21b(又は全ての周波数)について処理を行ったと判別した場合(ステップS105;YES)、外部スイッチ回路23は、信号供給経路を切り替える動作の終了を示す終了信号を増幅回路22に出力すると共に、外部アンテナ24を介して受信ユニット3に送信する(ステップS106)。
【0051】
この終了信号により、外部スイッチ回路23が切替動作を終了するタイミングと内部スイッチ回路32が切替動作を終了するタイミングとを確実に同期させることができる。
【0052】
以上で、ある瞬間に発生した音声に対する処理が終了する。音声処理ユニット2では、電源が投入されている間、上記したステップS102からS106までの処理が繰り返され、次々に発生する音声が処理されて受信ユニット3に送信される。
【0053】
一方、受信ユニット3の内部スイッチ回路32は、内部アンテナ31を介して音声処理ユニット2から供給される開始信号に応答して動作を開始し、図4に示す信号受信処理を開始する。
【0054】
初めに、内部スイッチ回路32は、音声処理ユニット2と同期するように時分割で信号の供給経路を切り替え、処理対象である片持ち梁21bの周波数に対応した神経に接続されている電極4aを内部アンテナ31に接続する(ステップS201)。これにより、内部スイッチ回路32は、処理対象である片持ち梁21bの周波数に対応した神経に接続されている電極4aを信号の供給対象として選択する。
【0055】
なお、信号受信処理の開始時には、内部スイッチ回路32は、予め設定された周波数(例えば一番高い周波数)に対応した神経に接続されている電極4aを信号の供給対象として選択する。
【0056】
そして、内部スイッチ回路32は、内部アンテナ31を介して供給される信号を、選択した供給対象の電極4aに供給する(ステップS202)。
供給対象の電極4aが接続されている神経は、供給された信号により刺激される。これにより、人工内耳の利用者は、刺激された神経が対応している周波数の音声を認識することができる。
【0057】
内部スイッチ回路32は、信号を供給した後、音声処理ユニット2から終了信号を供給されたか否かを判別する(ステップS203)。
終了信号を供給されていないと判別した場合(ステップS203;NO)、内部スイッチ回路32は、上記ステップS201にリターンし、次の電極4aに対して上記処理を行う。
【0058】
一方、終了信号を供給されたと判別した場合(ステップS203;YES)、内部スイッチ回路32は、信号送信処理を終了して動作を停止する。
以上のようにして、ある瞬間に発生した音声が処理され、利用者の神経に伝達される。
【0059】
以上のように、様々な周波数に共振する片持ち梁21bを有するフィッシュボーンセンサ21を用いることにより、従来のDSPが行っていたような複雑な信号処理を行う必要がない。このため、消費電力の増加を抑えながら、処理する周波数の数を従来よりも大幅に増やすことができる。その結果、低い消費電力で、従来よりも鮮明できれいな音声を認識できるようになる。
【0060】
また、上記したように、内部スイッチ回路32は、音声処理ユニット2から供給される開始信号により動作を開始し、終了信号により動作を停止する。これにより、外部スイッチ回路23及び内部スイッチ回路32が行う供給経路の切り替え動作をより確実に同期させることができる。
【0061】
なお、上記した人工内耳は、内部スイッチ回路32から電極4aに時分割で供給されるパルス信号を平滑化するために、図5に示すように、内部スイッチ回路32と電極4aとの間にコンデンサ5を設けてもよい。
【0062】
また、会話音声をより明瞭にするために、人間の発声周波数帯における片持ち梁21bの本数密度を他の周波数帯における本数密度よりも高くしてもよい。
【0063】
また、フィッシュボーンセンサ21、増幅回路22、外部スイッチ回路23、EEPROM25、及び、I/O回路26は、マイクロマシン技術及び半導体製造技術等により、1チップ上に形成されてもよい。これにより、小型の音声処理ユニット2を実現することができる。
【0064】
また、人間の可聴周波数帯から外れた周波数の音に共振する片持ち梁21bを設け、可聴周波数帯以外の音を電気信号で蝸牛内の神経に伝えてもよい。このようにすれば、通常の人間や犬などよりも広帯域の音を認識できるようになり、軍事などの特殊用途にも適用することができる。
【0065】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によって、人工内耳の低消費電力化と高分解能の両方を同時に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる人工内耳の構成図である。
【図2】図1の人工内耳を構成する音声処理ユニットが有するフィッシュボーンセンサの構成図である。
【図3】図1の人工内耳を構成する音声処理ユニットの外部スイッチ回路が行う信号送信処理を示すフローチャートである。
【図4】図1の人工内耳を構成する受信ユニットの内部スイッチ回路が行う信号受信処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態にかかる人工内耳の他の構成図である。
【符号の説明】
1 電源ユニット
2 音声処理ユニット
3 受信ユニット
4 電極部
5 コンデンサ
21 フィッシュボーンセンサ
22 増幅回路
23 外部スイッチ回路
24 外部アンテナ
25 EEPROM
26 I/O回路
31 内部アンテナ
32 内部スイッチ回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、人工内耳に関する。
【0002】
【従来の技術】
人間は、内耳の一部である蝸牛内の神経が刺激されることにより音声を認識することができる。
【0003】
難聴者などの聴覚を補助する従来の人工内耳は、蝸牛内の神経に接続された複数の電極を有し、周囲で発生した音声の周波数に対応する神経を電気で直接刺激するものである。
【0004】
周囲で発生した音声は、マイクにより集音され、DSP(Digital Signal Processor)の信号処理によって各周波数に分離される。そして、各周波数の音声は、各周波数に対応する神経に接続された電極に、電気信号として送出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、DSPにより音声をリアルタイムに処理するためには、低消費電力化と高分解能を同時に実現することができないという問題がある。
【0006】
例えば、低消費電力で音声をリアルタイムに処理するためには、処理する周波数の数、即ち、神経を刺激する電極の数を少なくしなければならない。しかし、このようにすると、高分解能を実現することができず、認識される音声が不鮮明となる。
【0007】
また、認識される音声を鮮明にリアルタイムで処理するためには、処理する周波数の数、即ち、神経を刺激する電極の数を多くしなければならない。しかし、このようにすると、DSPの処理が莫大となり、低消費電力を実現することができない。
【0008】
以上の理由から、従来の人工内耳では、電極の数が10〜25個程度にとどまっている。
【0009】
従って、本発明は、低消費電力化と高分解能の両方を同時に実現する人工内耳を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の人工内耳は、所定周波数の音声を電気信号に変換して送信する送信ユニットと、送信される電気信号を受信して蝸牛内の所定の神経に印加する受信ユニットと、から構成され、前記送信ユニットは、互いに異なる共振周波数を有し、該共振周波数と同一周波数の音声により振動する複数の共振子と、前記複数の共振子のそれぞれの振動を、それぞれの振動レベルに応じた信号に変換する変換手段と、前記変換手段が変換した信号の内、所定の信号を前記受信ユニットに送信する送信手段と、を備え、前記受信ユニットは、前記蝸牛内に存在する互いに異なる周波数に対応した神経に接続される複数の電極と、前記送信手段から供給される信号を、前記複数の電極の内、所定の電極に供給することによって所定周波数に対応した神経を刺激する供給手段と、を備える、ことを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、低消費電力化と高分解能の両方を同時に実現することができる。
【0012】
前記送信ユニットは、前記変換手段が変換した信号を、前記複数の共振子が有する共振周波数毎に異なる増幅率で増幅する増幅手段をさらに備えてもよい。
【0013】
前記送信手段は、前記増幅手段が増幅した信号の中から前記受信ユニットに送信する対象の信号を選択する第1選択手段を備えてもよい。
【0014】
前記供給手段は、前記送信手段からの信号を供給する対象の電極を選択する第2選択手段を備えてもよい。
【0015】
前記送信手段は、前記第1選択手段及び前記第2選択手段の選択動作を互いに同期させるための、該第1選択手段の動作開始を示す開始信号と、該第1選択手段の動作終了を示す終了信号と、を前記受信ユニットに送信し、前記第2選択手段は、前記開始信号に応答して動作を開始し、前記終了信号に応答して動作を終了してもよい。
【0016】
前記送信ユニットは、前記複数の共振子が有する共振周波数毎の増幅率を記憶する記憶手段をさらに備えてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態にかかる人工内耳について図面を参照して説明する。
本発明の実施の形態にかかる人工内耳は、図1に示すように、電源ユニット1と、音声処理ユニット2と、受信ユニット3と、電極部4と、から構成される。
【0018】
電源ユニット1は、図1に示すように、乾電池、蓄電池、太陽電池、燃料電池、及び、熱発電機などの内の少なくとも1つを備え、音声処理ユニット2に電力を供給する。
【0019】
音声処理ユニット2は、例えばイヤホンのように耳介部分や耳の穴の部分に引っかけることにより、外耳近傍に設置される。音声処理ユニット2は、電源ユニット1から供給される電力により動作し、周囲で発生する音声の内、所定周波数の音声を電気信号に変換する。また、音声処理ユニット2は、変換した電気信号を受信ユニット3に電波で送信する。なお、音声処理ユニット2の詳しい構成については後述する。
【0020】
受信ユニット3は、例えば外耳付近の頭皮の下に埋め込まれ、音声処理ユニット2からの電波を受信する。そして、受信ユニット3は、電波で供給された電気信号を電極部4に供給する。なお、受信ユニット3の詳しい構成については後述する。
【0021】
電極部4は、蝸牛内の神経に接続された複数の電極4aを有し、受信ユニット3から供給される電気信号を蝸牛内の神経に印加して刺激する。なお、複数の電極4aは、音声処理ユニット2が検知する音声の周波数に対応した神経にそれぞれ接続される。
【0022】
次に、音声処理ユニット2の詳しい構成について説明する。
音声処理ユニット2は、図1に示すように、フィッシュボーンセンサ21と、増幅回路22と、外部スイッチ回路23と、外部アンテナ24と、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)25と、I/O(Input/Output)回路26と、から構成される。
【0023】
フィッシュボーンセンサ21は、図2に示すように、支持軸21aと、複数の片持ち梁(共振子)21bと、を有する。複数の片持ち梁21bは、支持軸21aの両側に形成され、その一端が支持軸21aに固定されている。
【0024】
複数の片持ち梁21bは、それぞれ異なる共振周波数を有する。また、各片持ち梁21bの材質及び形状は、これらの共振周波数が人間の可聴周波数帯で均等に配分されるように設定されている。また、片持ち梁21bは、周囲で発生した音声を人間が鮮明に認識できる周波数の数(例えば254本)だけ形成される。
【0025】
周囲で発生した音声が支持軸21aを伝搬すると、伝搬した音声に含まれる周波数に対応する片持ち梁21bが対応する周波数の音声の強さに応じた強さで振動する。
【0026】
また、フィッシュボーンセンサ21は、各片持ち梁21bの振動を電気信号に変換する検出回路(図示せず)を備え、各片持ち梁21bの振動は、この検出回路により検出され、その振動の強さに応じたレベルの信号に変換される。
【0027】
なお、検出回路は、例えば、片持ち梁21bを一方の電極とするコンデンサであり、片持ち梁21bの振動は、コンデンサの容量変化として検出することができる。
【0028】
また、マイクにて集音した後、出力をフィッシュボーンセンサ21に設けた圧電素子に接続してもよい。この場合は、外耳部周辺のユニットの大きさを小さくできる。
【0029】
フィッシュボーンセンサ21は、以上のようにして生じた各片持ち梁21bの振動レベルに応じたレベルの信号を増幅回路22に出力する。
増幅回路22は、外部スイッチ回路23の制御に従って、外部スイッチ回路23との間の信号供給経路を接続し、フィッシュボーンセンサ21から供給される信号を所定の増幅率で増幅して外部スイッチ回路23に出力する。
【0030】
なお、増幅回路22は、後述するEEPROM25に格納されている増幅率を蓄えるキャッシュメモリ22aを有し、キャッシュメモリ22aに蓄えられている増幅率で、フィッシュボーンセンサ21からの信号を増幅する。
【0031】
また、増幅回路22は、信号供給経路が接続されている時間を計測するためのタイマ(図示せず)を備えている。タイマは、増幅回路22と外部スイッチ回路23との間の信号供給経路が接続されると、予め設定された接続時間の計測を開始する。そして、所定の接続時間が経過すると、増幅回路22は、外部スイッチ回路23との間の信号供給経路を切断する。
【0032】
外部スイッチ回路23は、増幅回路22を制御して、増幅回路22との間の信号供給経路を所定のタイミングで順に切り替える。言い換えると、外部スイッチ回路23は、増幅回路22が増幅した信号の中から、送信対象の信号を所定のタイミングで1つずつ順に選択し、外部アンテナ24を介して受信ユニット3に送信する。
【0033】
EEPROM25は、増幅回路22が信号を増幅する際の各周波数毎の増幅率を記憶する。蝸牛内の神経を刺激する電気信号の強さは、各個人及び各周波数によって異なる。このため、増幅回路22の増幅率は、人工内耳の利用者に合わせて、各周波数毎に設定される。
I/O回路26は、EEPROM25が記憶している増幅率を書き換えるために用いられる。
【0034】
次に、受信ユニット3の詳しい構成について説明する。
受信ユニット3は、図1に示すように、内部アンテナ31と、内部スイッチ回路32と、から構成される。
内部アンテナ31は、外部アンテナ24から電波で送信される信号を頭皮を介して受信し、内部スイッチ回路32に供給する。
【0035】
内部スイッチ回路32は、電磁波によって内部アンテナ31を介して供給される電力により動作し、内部アンテナ31と複数の電極4aとの間の信号の供給経路を所定のタイミングで順に切り替える。言い換えると、内部スイッチ回路32は、信号の供給対象となる電極4aを所定のタイミングで1つずつ順に選択し、内部アンテナ31から供給される信号を複数の電極4aに振り分ける。
【0036】
なお、外部スイッチ回路23及び内部スイッチ回路32のそれぞれは、信号の供給経路を切り替えるタイミングが互いに同期するように予め設計されている。また、増幅回路22のタイマが計測する接続時間は、外部スイッチ回路23及び内部スイッチ回路32が信号の供給経路を切り替える間隔に一致するように予め設定されている。
【0037】
次に、本発明の実施の形態にかかる人工内耳の動作について説明する。
音声処理ユニット2に電源が投入されると、外部スイッチ回路23は、図3に示す信号送信処理を開始する。
【0038】
初めに、外部スイッチ回路23は、EEPROM25から各周波数毎の増幅率を読み出し、増幅回路22が有するキャッシュメモリ22aに書き込む(ステップS101)。これにより、増幅回路22は、フィッシュボーンセンサ21から供給される各周波数に対応した信号を所定の増幅率で増幅することができる。
【0039】
周囲で音声が発生すると、発生した音声は、フィッシュボーンセンサ21の支持軸21aを伝搬する。これにより、伝搬した音声に含まれる周波数に対応する片持ち梁21bが、対応する周波数の音声の強さに応じた強さで振動する。
各片持ち梁21bの振動は、図示せぬ検出回路により、その振動の強さに応じたレベルの信号に変換され、増幅回路22に供給されて増幅される。
【0040】
外部スイッチ回路23は、各周波数毎の増幅率をキャッシュメモリ22aに書き込んだ後、信号供給経路を切り替える動作の開始を示す開始信号を増幅回路22に出力すると共に、外部アンテナ24を介して受信ユニット3に送信する(ステップS102)。
【0041】
この開始信号により、外部スイッチ回路23が切替動作を開始するタイミングと内部スイッチ回路32が切替動作を開始するタイミングとを確実に同期させることができる。
【0042】
増幅回路22は、外部スイッチ回路23からの開始信号に応答して、タイマをリセットする。
外部スイッチ回路23は、開始信号の出力に続いて増幅回路22を制御し、信号の供給経路を切り替えて、処理対象の片持ち梁21bからの信号の供給経路を外部アンテナ24に接続する(ステップS103)。
【0043】
具体的には、外部スイッチ回路23は、信号供給経路の切り替えを指示する切替信号を増幅回路22に出力する。増幅回路22は、外部スイッチ回路23からの切替信号に応答して、処理対処の片持ち梁21bからの信号の供給経路を外部スイッチ回路23に接続する。これにより、処理対象の片持ち梁21bと外部アンテナ24とが接続される。
【0044】
なお、信号送信処理の開始時には、予め設定された周波数(例えば一番高い周波数)に対応した片持ち梁21bが、処理対象の片持ち梁21bとして選択される。
【0045】
処理対象の片持ち梁21bからの信号は、増幅回路22によって、キャッシュメモリ22aに格納されている所定の増幅率で増幅され、外部スイッチ回路23に供給される。
【0046】
外部スイッチ回路23は、増幅回路22から供給される処理対象の片持ち梁21bからの信号を、外部アンテナ24を介して受信ユニット3に送信する(ステップS104)。
【0047】
上記したように、増幅回路22が有するタイマは、信号供給経路が接続されるのに応答して、予め設定された接続時間の計測を開始する。そして、所定の接続時間が経過すると、増幅回路22は、外部スイッチ回路23との間の信号供給経路を自動的に切断する。
【0048】
信号供給経路が切断されると、外部スイッチ回路23は、全ての片持ち梁21b(又は全ての周波数)について上記処理を行ったか否かを判別する(ステップS105)。
【0049】
全ての片持ち梁21b(又は全ての周波数)について処理を行っていないと判別した場合(ステップS105;NO)、外部スイッチ回路23は、上記ステップS103にリターンし、次の片持ち梁21b(又は周波数)について上記処理を行う。
【0050】
一方、全ての片持ち梁21b(又は全ての周波数)について処理を行ったと判別した場合(ステップS105;YES)、外部スイッチ回路23は、信号供給経路を切り替える動作の終了を示す終了信号を増幅回路22に出力すると共に、外部アンテナ24を介して受信ユニット3に送信する(ステップS106)。
【0051】
この終了信号により、外部スイッチ回路23が切替動作を終了するタイミングと内部スイッチ回路32が切替動作を終了するタイミングとを確実に同期させることができる。
【0052】
以上で、ある瞬間に発生した音声に対する処理が終了する。音声処理ユニット2では、電源が投入されている間、上記したステップS102からS106までの処理が繰り返され、次々に発生する音声が処理されて受信ユニット3に送信される。
【0053】
一方、受信ユニット3の内部スイッチ回路32は、内部アンテナ31を介して音声処理ユニット2から供給される開始信号に応答して動作を開始し、図4に示す信号受信処理を開始する。
【0054】
初めに、内部スイッチ回路32は、音声処理ユニット2と同期するように時分割で信号の供給経路を切り替え、処理対象である片持ち梁21bの周波数に対応した神経に接続されている電極4aを内部アンテナ31に接続する(ステップS201)。これにより、内部スイッチ回路32は、処理対象である片持ち梁21bの周波数に対応した神経に接続されている電極4aを信号の供給対象として選択する。
【0055】
なお、信号受信処理の開始時には、内部スイッチ回路32は、予め設定された周波数(例えば一番高い周波数)に対応した神経に接続されている電極4aを信号の供給対象として選択する。
【0056】
そして、内部スイッチ回路32は、内部アンテナ31を介して供給される信号を、選択した供給対象の電極4aに供給する(ステップS202)。
供給対象の電極4aが接続されている神経は、供給された信号により刺激される。これにより、人工内耳の利用者は、刺激された神経が対応している周波数の音声を認識することができる。
【0057】
内部スイッチ回路32は、信号を供給した後、音声処理ユニット2から終了信号を供給されたか否かを判別する(ステップS203)。
終了信号を供給されていないと判別した場合(ステップS203;NO)、内部スイッチ回路32は、上記ステップS201にリターンし、次の電極4aに対して上記処理を行う。
【0058】
一方、終了信号を供給されたと判別した場合(ステップS203;YES)、内部スイッチ回路32は、信号送信処理を終了して動作を停止する。
以上のようにして、ある瞬間に発生した音声が処理され、利用者の神経に伝達される。
【0059】
以上のように、様々な周波数に共振する片持ち梁21bを有するフィッシュボーンセンサ21を用いることにより、従来のDSPが行っていたような複雑な信号処理を行う必要がない。このため、消費電力の増加を抑えながら、処理する周波数の数を従来よりも大幅に増やすことができる。その結果、低い消費電力で、従来よりも鮮明できれいな音声を認識できるようになる。
【0060】
また、上記したように、内部スイッチ回路32は、音声処理ユニット2から供給される開始信号により動作を開始し、終了信号により動作を停止する。これにより、外部スイッチ回路23及び内部スイッチ回路32が行う供給経路の切り替え動作をより確実に同期させることができる。
【0061】
なお、上記した人工内耳は、内部スイッチ回路32から電極4aに時分割で供給されるパルス信号を平滑化するために、図5に示すように、内部スイッチ回路32と電極4aとの間にコンデンサ5を設けてもよい。
【0062】
また、会話音声をより明瞭にするために、人間の発声周波数帯における片持ち梁21bの本数密度を他の周波数帯における本数密度よりも高くしてもよい。
【0063】
また、フィッシュボーンセンサ21、増幅回路22、外部スイッチ回路23、EEPROM25、及び、I/O回路26は、マイクロマシン技術及び半導体製造技術等により、1チップ上に形成されてもよい。これにより、小型の音声処理ユニット2を実現することができる。
【0064】
また、人間の可聴周波数帯から外れた周波数の音に共振する片持ち梁21bを設け、可聴周波数帯以外の音を電気信号で蝸牛内の神経に伝えてもよい。このようにすれば、通常の人間や犬などよりも広帯域の音を認識できるようになり、軍事などの特殊用途にも適用することができる。
【0065】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によって、人工内耳の低消費電力化と高分解能の両方を同時に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる人工内耳の構成図である。
【図2】図1の人工内耳を構成する音声処理ユニットが有するフィッシュボーンセンサの構成図である。
【図3】図1の人工内耳を構成する音声処理ユニットの外部スイッチ回路が行う信号送信処理を示すフローチャートである。
【図4】図1の人工内耳を構成する受信ユニットの内部スイッチ回路が行う信号受信処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態にかかる人工内耳の他の構成図である。
【符号の説明】
1 電源ユニット
2 音声処理ユニット
3 受信ユニット
4 電極部
5 コンデンサ
21 フィッシュボーンセンサ
22 増幅回路
23 外部スイッチ回路
24 外部アンテナ
25 EEPROM
26 I/O回路
31 内部アンテナ
32 内部スイッチ回路
Claims (6)
- 所定周波数の音声を電気信号に変換して送信する送信ユニットと、送信される電気信号を受信して蝸牛内の所定の神経に印加する受信ユニットと、から構成され、
前記送信ユニットは、
互いに異なる共振周波数を有し、該共振周波数と同一周波数の音声により振動する複数の共振子と、
前記複数の共振子のそれぞれの振動を、それぞれの振動レベルに応じた信号に変換する変換手段と、
前記変換手段が変換した信号の内、所定の信号を前記受信ユニットに送信する送信手段と、を備え、
前記受信ユニットは、
前記蝸牛内に存在する互いに異なる周波数に対応した神経に接続される複数の電極と、
前記送信手段から供給される信号を、前記複数の電極の内、所定の電極に供給することによって所定周波数に対応した神経を刺激する供給手段と、を備える、
ことを特徴とする人工内耳。 - 前記送信ユニットは、前記変換手段が変換した信号を、前記複数の共振子が有する共振周波数毎に異なる増幅率で増幅する増幅手段をさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の人工内耳。
- 前記送信手段は、前記増幅手段が増幅した信号の中から前記受信ユニットに送信する対象の信号を選択する第1選択手段を備える、ことを特徴とする請求項2に記載の人工内耳。
- 前記供給手段は、前記送信手段からの信号を供給する対象の電極を選択する第2選択手段を備える、ことを特徴とする請求項3に記載の人工内耳。
- 前記送信手段は、前記第1選択手段及び前記第2選択手段の選択動作を互いに同期させるための、該第1選択手段の動作開始を示す開始信号と、該第1選択手段の動作終了を示す終了信号と、を前記受信ユニットに送信し、
前記第2選択手段は、前記開始信号に応答して動作を開始し、前記終了信号に応答して動作を終了する、
ことを特徴とする請求項4に記載の人工内耳。 - 前記送信ユニットは、前記複数の共振子が有する共振周波数毎の増幅率を記憶する記憶手段をさらに備える、ことを特徴とする請求項2乃至5の何れか1項に記載の人工内耳。
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