JP3141576B2 - ビニルレザーの製造方法 - Google Patents

ビニルレザーの製造方法

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  • Synthetic Leather, Interior Materials Or Flexible Sheet Materials (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軽量なレザーが得られ
るビニルレザーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に使用されるビニルレザー
は、その構造により概略的に普通レザー(非発泡レザー
ともいう)と発泡レザーとに分けられる。このうち、非
発泡レザーは、塩化ビニル系樹脂を使用しているため、
重量が重いことが大きな欠点とされている。例えば、バ
ッグなどに使用されるビニルレザーは、重量を軽くさせ
せることが要求される。そのため、ゴルフバッグに使用
されるビニルレザーとしては、基布上に塩化ビニル(P
VC)系樹脂100重量部に対して、可塑剤30〜90
重量部、発泡剤2〜7重量部、安定剤0.5〜10重量
部を含む組成物よりなり、かつ発泡倍率が150〜70
0%の発泡層を積層させ、必要に応じ該発泡層上に塩化
ビニル系樹脂の非発泡層および/または表面処理層を積
層させたものがある。また、上記のように、軽量レザー
を得る方法の一つとして、発泡剤を含有させて発泡させ
る方法も採用されている。
【0003】一方、軽量化のための別の手段としては、
中空体からなる無機充填剤を塩化ビニル系樹脂に添加す
ることも考えられる。中空体を利用した技術としては、
壁装材として、ポリ塩化ビニルを主体にした合成樹脂に
中空体からなる無機質充填剤、発泡剤および可塑剤を配
合してなる樹脂組成物を、紙、布などの基体に被覆し任
意な凹凸模様を施したのち、発泡させて構成したビニル
レザーがある。このビニルレザーでは、前記中空体から
なる無機質充填剤は、凹凸模様を施す際に一部が破壊さ
れて極めて深い凹凸模様が付与される。また、これを発
泡するに際して、特に凹部における部分の膨張が充填剤
の破壊部分だけ厚み減少を起こし凸部に比し膨張率が小
さくなるので、従来になくより忠実で鮮明な立体感のあ
る凹凸模様を形成させるとしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、ビニル
レザーを軽量化させるために、発泡剤の添加割合を上げ
て発泡倍率を大きくすると、ビニルレザーの物理的強
度が著しく低下してしまうこと、外的な力が加わった
ときに生じる凹みの回復性が著しく悪くなること、表
面肌荒れが生じ外観が著しく悪くなることなどから、実
用に供し得る発泡ビニルレザーの発泡倍率には限界があ
り、発泡倍率を大きくすることによるビニルレザーの軽
量化には限度があるものであった。
【0005】また、後者の壁装材におけるビニルレザー
は、鮮明な凹凸模様を得ることを目的としており、その
加工に際し中空体の無機質充填剤の破壊を行なうため、
軽量化に有効な中空体の含有量が減少するので、充分な
重量軽減を果たすことができない。なお、この壁装材作
成に際しては、中空体を含有したPVCペーストを、
紙、布などの基布に塗布し、加熱ゲル化したり、あるい
は中空体を含有したPVCペーストを離型紙に塗布し、
これを加熱ゲル化したのち、上方から送入される基布を
貼着するとともに、該離型紙を剥ぎ取る、いわゆるペー
スト法が採用されている。しかしながら、このペースト
法では、PVCペーストが基布や離型紙上に塗布されて
から加熱ゲル化されるまでの間に、中空体はペースト上
面に浮上すため、PVC層の厚み方向における中空体の
分布が不均一となり(離型紙を使用する場合は基布との
貼着面側に偏在し、基布へ直接コーティングする場合に
は、貼着面とは反対側の上面に偏在する)、軽量化と物
理的強度向上の両者を同時に満足させるものが得られな
いばかりでなく、凹みの回復性も改良できす、実用的な
軽量化されたビニルレザーは得ることができないもので
ある。
【0006】一方、従来より、壊れやすいガラス中空体
を配合したPVC組成物をカレンダー法にて加工するこ
とは、PVC組成物の混練り時、カレンダー加工時にガ
ラス中空体が破壊されるとの一般通念があり、ガラス中
空体を配合したビニルレザーの製造にカレンダー法は用
いられていないものであった。本発明者らは、ガラス中
空体を配合したPVC組成物をカレンダー法にて加工し
てビニルレザーを得ることを試みたが、ガラス中空体の
破壊が多く、またカレンダー加工時にバンクが均一に形
成されず、良好な軽量化されたビニルレザーは得られな
いものであった。
【0007】本発明者らは、このような従来の問題点を
改善し、中空体の破壊が少なく、しかも中空体の分布が
均一で、柔軟性や強度の優れた耐摩耗性にも富む軽量な
ビニルレザーを作ることのできるビニルレザーの製造方
法を提供することを目的とし鋭意研究した結果、意外に
もガラス中空体に配合したPVC組成物に少量のアクリ
ル系樹脂を添加することにより、カレンダー加工時のバ
ンクが均一に均一に形成されるばかりでなく、ガラス中
空体の破壊も少なく、しかもガラス中空体が塩化ビニル
系樹脂層に均一に分散した軽量化されたビニルレザーが
得られることを見出し、本発明を完成させたものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、塩化ビニル系
樹脂100重量部に対し、可塑剤30〜90重量部、ガ
ラス微小中空球体10〜50重量部、およびアクリル系
樹脂1〜10重量部を含む組成物を混練りしたPVCコ
ンパウンドを、カレンダー法を用い、加熱したカレンダ
ーロールにより圧延してシート状に分出しするととも
に、基布上にトッピングし、前記ガラス微小中空球体が
均一に分散された塩化ビニル系樹脂層を積層形成させる
ことを特徴とするビニルレザーの製造方法を提供するも
のである。
【0009】本発明のビニルレザーの製造方法は、図1
に示すように、塩化ビニル系樹脂、可塑剤、ガラス微小
中空球体、およびアクリル系樹脂を含む組成物を練りロ
ール11で混練りし、PVCコンパウンドCとし、コン
ベア12により加熱したカレンダーロール13上に送り
込む。そこで、PVCコンパウンドCは、当初1cm程
度の厚さであったものが圧延されて厚さ0.2〜0.3
mmのシート状に分出しされ、下方から送入されて来る
基布20と貼合せロール14に挾圧されて一体化し冷却
ロール15を経て巻き取られ、発泡剤を含有する場合に
は、引き続き発泡炉16で200〜220℃に加熱発泡
され冷却ロール17を経て巻き取られ、図2に示すよう
な、ガラス微小中空球体40が均一に分散された塩化ビ
ニル系樹脂層30を形成し積層させたビニルレザー10
を得るものである。なお、塩化ビニル系樹脂層30に凹
凸模様を施したい場合には、インラインでさらにエンボ
スロール18を通して行なう。ここで、PVCコンパウ
ンドCは、混練りロール11による混練りやカレンダー
ロール13により圧延されてシート状にされるが、充填
剤として用いられるガラス微小中空球体40は、中空状
の粉末状球体であり強度も大きく、しかもアクリル系樹
脂を併用しているので、破壊されることがなく塩化ビニ
ル系樹脂層30内に均一に分散する。
【0010】なお、本発明において、ビニルレザー10
に使用される基布20としては、いわゆるビニルレザー
の基材シートのことであり、例えば織布、編布、不織布
などの布帛が使用でき、またその材質も綿、スフ、ポリ
エステル繊維、ポリアミド繊維、ビニロン繊維などの天
然繊維、合成繊維などのどのような繊維であってもよ
い。
【0011】また、本発明のビニルレザー10における
塩化ビニル系樹脂層30の主成分として使用される塩化
ビニル系樹脂とは、ポリ塩化ビニル(塩化ビニル単独重
合体)、および塩化ビニルと他のモノマー、例えばエチ
レン、酢酸ビニル、ビニルエーテル、マレイン酸エステ
ル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル
などとの共重合体のほか、ポリ塩化ビニルと他のポリマ
ーとの混合物も含むものであり、使用する塩化ビニル系
樹脂の平均重合度は、カレンダー加工性の面から、70
0〜2,000、好ましくは700〜1,500であ
る。
【0012】また、この塩化ビニル系樹脂に含有される
前記可塑剤としては、例えばジブチルフタレート、ジイ
ソブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジドデシ
ルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシ
ルフタレート、ジヘキシルフタレート、ジイソノニルフ
タレート、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペ
ート、ジブチルセバケート、ジオクチルセバケート、ト
リブチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、ト
リフェニルホスフェート、トリクロルエチルホスフェー
ト、トリオクチルホスフェート、ジフェニルクレジルホ
スフェートなどのほか、トリメリット酸エステル系可塑
剤、エポキシ系可塑剤、ポリエステル系高分子可塑剤な
どが使用できる。この可塑剤の添加量は、塩化ビニル系
樹脂100重量部に対して、30〜90重量部、好まし
くは40〜80重量部である。これらの可塑剤は、単独
であるいは2種以上を併用することができる。
【0013】本発明に使用されるアクリル系樹脂として
は、熱可塑性のアクリル系樹脂であればいずれのもので
も使用することができる。その添加量は、塩化ビニル系
樹脂100重量部に対し、1〜10重量部であり、好ま
しくは2〜8重量部である。1重量部未満では、ガラス
微小中空球体を含有するPVC組成物をカレンダー加工
することは不可能であり、一方10重量部を超えて使用
しても効果の増進は乏しいものである。
【0014】さらに、前記塩化ビニル系樹脂に充填剤と
して配合されるガラス微小中空球体40は、二酸化ケイ
素を主成分とし、内部に中空を有する微小中空球体の総
称である。このガラス微小中空球体40の真密度は好ま
しくは0.2〜0.6g/cm3 、さらに好ましくは
0.3〜0.5g/cm3 、また強度は好ましくは10
0〜400g/cm2 、さらに好ましくは150〜35
0kg/である。真密度が0.2g/cm3 未満、ある
いは強度が100kg/cm2 未満では、微小中空球体
の壁が薄くなり過ぎて、カレンダー加工時に破壊されや
すくなる。一方、真密度が0.6kg/cm3 を超える
か、強度が400kg/cm2 を超えると、微小中空球
体の壁が厚くなり過ぎて、重くなり、本発明の軽量化の
効果を達成し得ないことになる。
【0015】このガラス微小中空球体40の具体例とし
ては、例えば旭硝子(株)グループがCEL−STAR
の商品名で製造販売している粒径範囲が10〜120μ
mの純白粉末状をした真円・微小中空球体が挙げられ
る。これは、一般的な充填剤にはない軽量性と断熱性を
有し、無機質なので耐熱性がある。このCEL−STA
Rは、品番Z−27、Z−36、Z−39、Z−42、
Z−45などの種類があるが、Z−27は強度が50k
g/cm2 と低過ぎるので、真密度が0.33〜0.4
8g/cm3 、強度が150〜350kg/cm2 の範
囲であるZ−36〜Z−45の中から所望の用途・条件
に応じ適当な品番のものを選定するのがよい。
【0016】このガラス微小中空球体40の添加量は、
塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、10〜50重
量部、好ましくは20〜40重量部であり、10重量部
未満では軽量化の効果や、圧縮回復性に乏しく、一方5
0重量部を超えて使用しても得られるビニルレザーは比
例的に軽量化せず、カレンダー加工時に該球体どうしの
摩擦による破壊が生じて軽量化の効果が阻害される恐れ
があるばかりでなく、バンクが不均一化する場合があ
る。
【0017】本発明のビニルレザー10においては、ガ
ラス微小中空球体40は、塩化ビニル系樹脂30中に均
一に分散されていることに特徴を有する。このように、
ガラス微小中空球体40が均一に分散されていることに
より、エンボス時のガラス微小中空球体の破壊が少な
く、圧縮回復性に優れたものとなる。
【0018】さらに、必要に応じて前記塩化ビニル系樹
脂に含有される発泡剤は、例えばアゾジカーボンアミ
ド、ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどの通常の
ものが使用できるが、中でもアゾジカーボンアミドが好
ましく、またその添加量は、塩化ビニル系樹脂100重
量部に対し、2〜7重量部、好ましくは3〜4重量部で
あり、2重量部未満では発泡が充分でなく、一方7重量
部を超えると発泡倍率が上がり過ぎて加工作業性が低下
するほか、セルが粗くなり発泡不良となり易いばかりで
なく、得られるビニルレザーの物理的強度が低下してし
まうとともに、表面肌荒れが生じ実用に供し得ない。な
お、この発泡剤による前記塩化ビニル系樹脂組成物の発
泡倍率(発泡前のシート厚と発泡後のシート厚との厚み
変化率)は、好ましくは150〜700%、さらに好ま
しくは200〜600%である。
【0019】なお、本発明の塩化ビニル系樹脂30を構
成する前記組成物中には、その他の添加物として、例え
ば安定剤、セル調整剤、着色剤、防黴剤、滑剤、前記ガ
ラス微小中空球体以外の充填剤などを添加することがで
きる。
【0020】安定剤としては、例えばジブチルスズラウ
レートなどのスズ系安定剤、ステアリン酸亜鉛、ステア
リン酸カルシウムなどの金属石鹸などを挙げることがで
きる。この安定剤としては、発泡剤の発泡を抑制するこ
とが可能なものを併用するこも可能である。このような
発泡抑制効果のある安定剤としては、例えば発泡剤とし
てアゾジカーボンアミドを使用する場合はスズ系、バリ
ウム系、カルシウム系、バリウム−亜鉛系で亜鉛含有量
の低いもの、カルシウム−亜鉛系で亜鉛含有量の低いも
のなどが使用される。このような安定剤の添加量は、塩
化ビニル系樹脂100重量部に対して、好ましくは0.
5〜10重量部、特に好ましくは1〜5重量部であり、
0.5重量部未満では塩化ビニル系樹脂の熱安定性が悪
くなり、一方10重量部を超えるとブルームやブリード
などの品質上の問題を起こし易くなるばかりでなく、価
格が高くなり好ましくない。
【0021】また、セル調整剤は、塩化ビニル系樹脂組
成物の前記発泡剤による発泡を均一にさせて塩化ビニル
系樹脂30表面の肌荒れを防止するもので、このセル調
整剤としては、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂
などが使用できる。このセル調整剤の添加量は、塩化ビ
ニル系樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量
部、好ましくは0.8〜8重量部であり、0.1重量部
未満では発泡を均一にさせて塩化ビニル系樹脂30表面
の肌荒れを防止する効果が少なく、一方10重量部を超
えるとコストアップや生産性の劣ることがある。
【0022】なお、本発明の製造方法によって得られる
ビニルレザーの塩化ビニル系樹脂層30上には、図2に
示すように表皮層50および/または表面処理層60を
積層してもよい。表皮層50は、前記PVC組成物から
発泡剤を除いた非発泡性のPVC組成物により形成する
ことができる。表皮層50および表面処理層60の両者
を積層する場合には、塩化ビニル系樹脂層30上に表皮
層50を、表皮層50の上に表面処理層60を形成させ
る。また、表面処理層60にウレタン系樹脂を使用する
と、ビニルレザーにシボ消え、シボ流れ、艶変化などの
現象が生起しないばかりか、高級感も出るものとなる。
なお、この表面処理層60に使用されるウレタン系樹脂
は、前記した塩化ビニル系樹脂層30と同様の、例えば
着色剤、安定剤、充填剤などの添加物を含有するウレタ
ン系樹脂であってもよい。
【0023】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。 実施例1 塩化ビニル系樹脂100重量部(平均重合度1,100
のPVC30重量部と平均重合度800のPVC70重
量部を混合したもの)に対して、可塑剤(ジオクチルフ
タレート)70重量部、ガラス微小中空球体40(CE
L−STAR)30重量部、アクリル樹脂6重量部、安
定剤(Va−Zn系複合安定剤)3重量部、顔料5重量
部を混合し混練りしたPVCコンパウンドを、図1に示
すカレンダー装置を用いて、厚さ0.2〜0.3mmの
シート状に分出しするとともに、基布20上にトッピン
グして、図2に示すようなCEL−STARが均一に分
散された塩化ビニル系樹脂層30が積層されたビニルレ
ザー10を得た。なお、PVCコンパウンドは、カレン
ダーロール13により圧延されてシート状に分出しされ
るが、アクリル系樹脂を併用しているため、バンクが均
一に形成され、均一な厚みに分出しができ、しかも充填
剤として用いられるCEL−STARは破壊されること
が少なく、塩化ビニル系樹脂層30内に均一に分散され
ていた。かくて、このビニルレザー10においては、P
VCコンパウンド(混練り時)の比重は0.90〜0.
97となっており、従来のものに比べその4分の3程度
の軽さであった。
【0024】比較例1 アクリル系樹脂を併用しない以外は、実施例1と同様に
して混合し混練りしたPVCコンパウンドを、図1に示
すカレンダー装置を用いて、厚さ0.2〜0.3mmの
シート状に分出しするとともに、基布20上にトッピン
グして、ビニルレザーを得た。なお、PVCコンパウン
ドは、カレンダーロール13により圧延されてシート状
に分出しされるが、アクリル系樹脂を併用していないた
め、バンクが均一に形成されず、カレンダーのボトムロ
ールの反対側にPVCコンパウンドが流れ(タレ)てし
まい、基布にトッピングしたときに基布上に形成される
塩化ビニル系樹脂層の厚みが不均一になるばかりでな
く、ボトムロールの反対側のタレが上記トッピングした
塩化ビニル系樹脂層に垂れ落ちてしまうこともあり、良
好なビニルレザーが得られないばかりでなく、ガラス微
小中空球体の破壊も多いものであった。
【0025】比較例2 アクリル系樹脂の使用量を0.5重量部とする以外は、
実施例1と同様にして混合し混練りしたPVCコンパウ
ンドを、図1に示すカレンダー装置を用いて、厚さ0.
2〜0.3mmのシート状い分出しするとともに、基布
20上にトッピングして、ビニルレザーを得た。なお、
PVCコンパウンドは、カレンダーロール13により圧
延されてシート状に分出しされるが、アクリル系樹脂の
使用量が少なすぎるため、比較例1と同様にバンクが均
一に形成されず、カレンダーのボトムロールの反対側に
PVCコンパウンドが流れ(タレ)てしまい、基布にト
ッピングしたときに基布上に形成される塩化ビニル系樹
脂層の厚みが不均一になるばかりでなく、ボトムロール
の反対側のタレが上記トッピングした塩化ビニル系樹脂
層に垂れ落ちてしまうこともあり、良好なビニルレザー
が得られないばかりでなく、ガラス微小中空球体の破壊
も多いものであった。
【0026】実施例および比較例1〜2から明らかなよ
うに、ガラス微小中空球体を使用した品質の優れた軽量
化ビニルレザーをカレンダー法にて製造できるのは、本
発明の実施例のみである。比較例1〜2は、いずれも特
定量のアクリル系樹脂を併用していないため、ガラス微
小中空球体を配合したPVCコンパウンドをカレンダー
ロールにより圧延すると、均一なバンクが形成されず、
良好な品質を有する軽量化されたビニルレザーレーザー
が得られないものである。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、軽量かつ強度の高いガ
ラス微小中空球体を配合した塩化ビニル系樹脂組成物中
に、アクリル系樹脂を特定量配合したため、このPVC
組成物をカレンダー法を用いてシート状に分出しして
も、バンクが均一に形成されるとともに、ガラス微小中
空球体の破壊も極めて少なく、ガラス微小中空球体が均
一に分散されたビニルレザーを得ることが可能となり、
柔軟性や強度に優れた耐摩耗性に富むとともに圧縮回復
性に優れた軽量化されたビニルレザーをカレンダー法に
より効率良く製造できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例のビニルレザーの製造方法
に採用するカレンダー装置の要部を示す模式図である。
【図2】本発明により得られるビニルレザーの一部拡大
断面図である。
【符号の説明】
10 ビニルレザー 20 基布 30 塩化ビニル系樹脂層 40 ガラス微小中空球体 13 カレンダーロール 16 発泡炉 C PVCコンパウンド

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、
    可塑剤30〜90重量部、ガラス微小中空球体10〜5
    0重量部、およびアクリル系樹脂1〜10重量部を含む
    組成物を混練りしたPVCコンパウンドを、カレンダー
    法を用い、加熱したカレンダーロールにより圧延してシ
    ート状に分出しするとともに、基布上にトッピングし、
    前記ガラス微小中空球体が均一に分散された塩化ビニル
    系樹脂層を積層形成させることを特徴とするビニルレザ
    ーの製造方法。
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