JP3140644B2 - 機械式駐車場 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は機械式駐車場に関し、機
械式駐車場内で車両の方向転換ができるように工夫した
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の平面往復式の機械式駐車場を、図
９を参照して説明する。同図に示すように台車１は台車
通路２に沿い往復移動し、台車通路２の両側には格納庫
３が配置され、更にリフト４も備えられている。台車１
上には、自動車５を車幅（横）方向に平行移動させるこ
とのできる横送りコンベアを主体とした車両移載装置６
が備えられている。図９では図示省略しているが、格納
庫３及びリフト４の上面にも、同様な車両移載装置が備
えられている。

【０００３】自動車５を入庫するときには、リフト４に
載せた自動車５を台車１上に移し、自動車１を載せたま
ま台車１を台車通路２に沿い走行させ、所定の格納庫３
の前で台車１を停止させ、自動車５を台車１から格納庫
３に移す。出庫するときには入庫の逆の手順になる。

【０００４】このように従来の平面往復式の機械式駐車
場では、縦送り（台車走行）や横送り（車両移載装置に
よる移載）という並進運動のみで自動車５を移動させ
る。しかし機械式駐車場内で自動車５を方向転換するこ
とはできない。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の構成は、自動車を車幅方向に移動させて移載する車
両移載装置を有すると共に台車通路に沿い往復走行し、
自動車を車長方向に移載する台車と、前記台車通路に沿
い設置された複数の格納庫を有する機械式駐車場におい
て、前記台車に対し前記車両移載装置を水平面内で旋回
させる旋回駆動装置を、前記台車と前記車両移載装置と
の間に配置し、格納庫のうち、平面的に１つの格納庫を
転換用スペースとしたことを特徴とする。

【０００６】また、上記の課題を解決するためリフト４
内に旋回装置を設ける場合も有りうるが、リフト４が無
いレイアウトの場合には、旋回させられなくなる。また
リフト４内に旋回装置を設けると一般的なレイアウトで
は、旋回時の回転径ａが格納空間ｂより外れるため、図
１０に示すように、機械式駐車場のリフト４の近傍部ｃ
が大きくなり、全体寸法が大きくなるという欠点をもっ
ている。

【０００７】本発明は、上記従来技術に鑑み、寸法を大
きくすることなく装置内で自動車を方向転換することの
できる機械式駐車場を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の構成は、自動車を車幅方向に移動させて移載する車
両移載装置を有すると共に台車通路に沿い往復走行する
台車と、前記台車通路に沿い設置された複数の格納庫を
有する機械式駐車場において、前記台車に対し前記車両
移載装置を水平面内で旋回させる旋回駆動装置を、前記
台車と前記車両移載装置の間に配置したことを特徴とす
る。

【０００９】

【作用】本発明では、台車上に旋回駆動装置を設け、台
車上の車両移載装置を旋回自在とすることにより、装置
内に入庫した自動車を格納する時に自動車を旋回し、出
庫する時には入庫した時と１８０°方向転換された状態
で自動車が出庫される。よって、車を前進にて入庫し、
前進にて出庫することが可能となり、入庫・出庫が容易
となる。

【００１０】なお、前進にて入庫・出庫ができるように
するために、リフト内に旋回装置を設ける場合も有りう
るが、リフト内に旋回装置を設けると、一般的なレイア
ウトでは、旋回時の回転径が格納庫空間より外れるた
め、装置の全体寸法が大きくなるという欠点をもってい
る。しかし台車上で旋回する場合は、格納庫空間内とな
るため、装置が小さくなりレイアウト上有利となる。

【００１１】

【実施例】以下に本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。

【００１２】図１は本発明の実施例に係る平面往復式の
機械式駐車場を示す斜視図、図２はその平面図、図３は
図２のＡ−Ａ断面図、図４は図２のＢ−Ｂ断面図であ
る。

【００１３】図１〜図４に示すように昇降機能付台車１
１は台車通路１２に沿い走行でき、台車通路１２の両側
には３階建の格納庫１３が配置されている。各格納庫１
３にはコンベアを主体とした車両移載装置１３ａが備え
られている。この機械式駐車場には、入庫・出庫を兼用
した１つの入庫・出庫口１４を備えており、入庫・出庫
口１４にも車両移載装置１４ａを備えている。

【００１４】次に昇降機能付台車１１について、図５及
び図６を基に説明する。図５に示すように、昇降機能付
台車１１は走行車輪１１ａを有しており、走行用モータ
により走行車輪１１ａを回転させることにより、台車通
路１２に布設したレール１２ａ上を走行する。また昇降
機能付台車１１は、昇降ポスト１１ｂに沿い昇降する昇
降搬器１１ｃを有しており、昇降搬器１１ｃを昇降チェ
ーン１１ｄによりカウンターウェイト１１ｅに連結して
いる。そして昇降モータの駆動により昇降搬器１１ｃが
昇降する。

【００１５】また図６に示すように、昇降搬器１１ｃ上
には旋回駆動装置２０が備えられている。旋回駆動装置
２０の旋回搬器２０ａはローラー２０ｂにより回転自在
に支持されており、回転中心２０ｃ（図５参照）を回転
中心として回転できる。そしてモータ２０ｄ，ギヤボッ
クス２０ｅ及びスプロケット・チェーン２０ｆでなる駆
動機構の作動により、台車１１の昇降搬器１１ｃに対
し、旋回搬器２０ａが回転中心２０ｃを中心に水平面内
で旋回する。

【００１６】更に旋回搬器２０ａ上には、車両移載装置
３０が備えられている。この車両移載装置３０はコンベ
ア３０ａ及び駆動機構３０ｂで構成されており、この駆
動機構３０ｂによりコンベア３０ａを動かすことにより
自動車４０を車幅（横）方向に移動させることができ
る。

【００１７】上述した構成となっている本実施例の動作
を説明する。入庫する場合には、昇降機能付台車１１を
入庫・出庫口１４の位置に停止させる。そして図７に示
すように自動車４０を前進して入庫・出庫口１４に入れ
る。この状態で入庫・出庫口１４の車両移載装置１４ａ
と、昇降機能付台車１１の車両移載装置３０が駆動し
て、自動車４０が昇降機能付台車１１上に移載される。

【００１８】自動車４０が台車１１に移載されたら、台
車走行前に、台車１１の旋回駆動装置２０が駆動して、
自動車４０の方向転換が行なわれる。なお方向転換を行
っているときには、図２，図７，図８に示した回転径ａ
内で自動車４０が回転するため、台車通路１２を間にし
て入庫・出庫口１４に対面する１つの格納庫１３−１に
は、自動車の格納をせず、この部分を転換用スペースと
してあけている。

【００１９】方向転換が終ったら台車１１が走行し、所
定の格納庫１３の前で止まり、２階や３階の格納庫１３
を用いる場合には、その高さまで昇降搬器１１ｃが上昇
される。この状態で台車１１の車両移載装置３０と格納
庫１３の車両移載装置１３が駆動して、自動車４０が格
納庫１３に格納される。

【００２０】出庫するときには、格納庫１３から台車１
１に自動車４０を移載し、台車１１を入庫・出庫口１４
まで走行させ、台車１１から入庫・出庫口１４に自動車
４０を移載する。このとき図８に示すように自動車４０
を前進させることにより、出庫することができる。

【００２１】このように本実施例では入庫の際に台車１
１上で自動車４０の方向転換をするため、入庫も出庫も
自動車４０を前進させることにより行うことができる。
つまり平面往復式の駐車場で入庫口と出庫口を兼用し、
そのレイウアト上、兼用した入庫・出庫口が通り抜けで
きない場合でも、自動車を前進にて入庫し前進にて出庫
することができ、入出庫が容易にできる。

【００２２】また図１０に示すようにリフト内で方向転
換するようにした場合には装置全体が大型化するが、本
実施例では格納庫１３−１の１箇所のみを転換スペース
としてあけるだけでよく、装置が大型化することはな
い。

【００２３】なお上記実施例では、入庫・出庫口１４が
１つで、リフトを備えているが、入庫・出庫口１４が複
数あり、入庫・出庫口１４と台車１１との間にリフトを
備えた機械式駐車場にも本発明を適用することができ
る。また本発明は、昇降機能を有していない台車を用い
た機械式駐車場にも適用することができる。また車両移
載装置は、コンベア式でなくてもパレット式であっても
よい。

【００２４】

【発明の効果】本発明によれば、旋回駆動装置の駆動に
より車両移載装置が回転するため、台車上にて自動車の
方向転換ができる。よって入庫口と出庫口を兼用した入
庫・出庫口に対し自動車は前進することにより入庫及び
出庫ができ、入庫・出庫が容易になる。

【００２５】また台車上に旋回装置を設けたので、機械
式駐車場の全体寸法を大きくすることはなく、スペース
的に有利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係る機械式駐車場を示す斜視
図。

【図２】本発明の実施例を示す平面図。

【図３】図２のＡ−Ａ断面であって旋回時の状態を示す
断面図。

【図４】図２のＢ−Ｂ断面を示す断面図。

【図５】昇降機能付台車を示す斜視図。

【図６】旋回駆動装置及び車両移載装置を示す構成図。

【図７】本発明の実施例を示す平面図。

【図８】本発明の実施例を示す平面図。

【図９】従来の機械式駐車場を示す平面図。

【図１０】従来の機械式駐車場を示す平面図。

【符号の説明】

１ 台車 ２ 台車通路 ３ 格納庫 ４ リフト ５ 自動車 ６ 車両移載装置 １１ 昇降機能付台車 １１ａ 走行車輪 １１ｂ 昇降ポスト １１ｃ 昇降搬器 １１ｄ 昇降チェーン １１ｅ カウンターウェイト １２ 台車通路 １２ａ レール １３ 格納庫 １３ａ 車両移載装置 １４ 入庫・出庫口 １４ａ 車両移載装置 ２０ 旋回駆動装置 ２０ａ 旋回搬器 ２０ｂ ローラー ２０ｃ 回転中心 ２０ｄ モータ ２０ｅ ギヤボックス ２０ｆ スプロケット・チェーン ３０ 車両移載装置 ３０ａ コンベア ３０ｂ 駆動機構 ａ 回転径 ｂ 格納空間

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 魚山 一 神奈川県横浜市中区錦町12番地 三菱重 工業株式会社 横浜製作所内 (72)発明者 大島 猛志 神奈川県横浜市中区錦町12番地 三菱重 工業株式会社 横浜製作所内 (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) E04H 6/18 E04H 6/28

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動車を車幅方向に移動させて移載する
   車両移載装置を有すると共に台車通路に沿い往復走行
   し、自動車を車長方向に移載する台車と、前記台車通路
   に沿い設置された複数の格納庫を有する機械式駐車場に
   おいて、 前記台車に対し前記車両移載装置を水平面内で旋回させ
   る旋回駆動装置を、前記台車と前記車両移載装置との間
   に配置し、格納庫のうち、平面的に１つの格納庫を転換
   用スペースとしたことを特徴とする機械式駐車場。