JP3139962B2 - 焼成治具及びその製造方法 - Google Patents

焼成治具及びその製造方法

Info

Publication number
JP3139962B2
JP3139962B2 JP08148368A JP14836896A JP3139962B2 JP 3139962 B2 JP3139962 B2 JP 3139962B2 JP 08148368 A JP08148368 A JP 08148368A JP 14836896 A JP14836896 A JP 14836896A JP 3139962 B2 JP3139962 B2 JP 3139962B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
firing
coating
coating agent
firing jig
jig
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP08148368A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09295872A (ja
Inventor
鉄郎 後藤
和美 森
宗之 岩田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kikusui Kagaku Kogyo KK
Original Assignee
Kikusui Kagaku Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kikusui Kagaku Kogyo KK filed Critical Kikusui Kagaku Kogyo KK
Priority to JP08148368A priority Critical patent/JP3139962B2/ja
Publication of JPH09295872A publication Critical patent/JPH09295872A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3139962B2 publication Critical patent/JP3139962B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Furnace Charging Or Discharging (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、被焼成物(以下、ワ
ークとも称す。)と反応しにくく、耐久性に優れ、安価
で軽量な焼成治具を得るためのコーティング剤およびこ
のコーティング剤を用いて得られる焼成用治具に関する
発明である。
【0002】
【従来の技術】従来より、1000〜1700℃程度の
高温零囲気下において、使用される焼成治具には、ムラ
イト質もしくはアルミナ質耐火物が使用されていた。ま
た、近年は焼成炉の運転をより経済的、より生産性を向
上させるため、省エネ運転,高速運転をなすために、焼
成治具の比重を小さくしたり、厚みを薄くすることが行
なわれてきた。一方、焼成されるワークと焼成治具との
反応を防ぎ、焼成治具の寿命を長くするためにイットリ
ア等の安定化剤を含むジルコニア被膜を有する焼成治具
も利用されている。ジルコニア被膜に添加される安定化
剤には、他にカルシア,マグネシア,セリア等がある。
ジルコニア被膜を有する焼成治具に関する関連技術の例
として、基材が繊維質のものが特開平2−89989号
公報に開示されている。安定化剤は、焼成されるワーク
の組成により適宜に選択されている。更に、焼成治具の
基材をムライトあるいは炭化珪素にして、ワークとの反
応防止被膜を高純度アルミナ被膜とする焼成治具の例も
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来におけるワークと
焼成治具との反応防止被膜は、凹凸の無い厚みが略均一
な被膜により形成されていた。この被膜形成に使用され
るコーティング剤は、所定の割合により安定化剤を含有
したジルコニアまたは部分安定化されたジルコニアある
いはアルミナおよび溶媒からなるものであり、他に分散
剤,消泡剤,粘性調整剤を適宜添加したものであるが、
このコーティング剤では、得られる被膜は平坦なものと
なっていた。
【0004】この発明では、従来より使用されていた平
坦な反応防止被膜に代えて小さな孔を有し、より反応防
止効果に優れ、脱脂工程における脱脂効果に優れた焼成
治具および反応防止被膜を形成するコーティング剤とそ
の使用方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明では、前記課題
を解決するため、請求項1の発明は、焼成治具の製造す
る方法にあって、ムライト,アルミナ,炭化珪素,コー
ジェライト,マグネシアスピネル等から選択される焼成
治具基材に対して、イットリア,カルシア等の安定化剤
を含むジルコニアまたは高純度アルミナおよび吸水性ポ
リマーからなる焼失剤を主成分とする焼成治具用コーテ
ィング剤を塗布し、1200〜1600℃条件下にて焼
成することを特徴としている。請求項1の発明は、焼失
跡のあるワークとの反応防止層を形成できるコーティン
グ剤を利用して、焼成治具を製造する方法についての発
明である。
【0006】
【0007】
【0008】請求項2の発明は、基材および基材の被覆
層からなる焼成治具において、基材がムライト,アルミ
ナ,炭化珪素,コージェライト,マグネシアスピネル等
から選択されるものであり、被覆層が直径0.5〜2m
mにある焼失跡である孔を全面に有し、最低被覆厚50
〜250μmを確保している、安定化剤を含むジルコニ
からなるコーティング剤の焼成層または高純度アルミ
ナからなるコーティング剤の焼成層であることを特徴と
している。請求項2の発明は、請求項1の方法により得
られる焼成治具そのものについての発明である。
【0009】請求項3の発明は、反応防止層であるコー
ティング剤の焼成層が、板状の焼成治具基材の両面に形
成されていることを特徴としている。請求項3の発明
は、請求項1の方法により得られる焼成治具が板状であ
り、反応防止層が両面に形成された焼成治具についての
発明である。この発明における板状とは、表面が概ね平
らであっても、あるいはV溝,U溝または波状の凹凸が
形成されたものも含んでいる。
【0010】以下、上述したこの発明の各構成要素につ
いて、詳しく説明する。この発明に言う焼成治具とは、
陶磁器あるいは電子セラミック部品(絶縁体,伝導体,
半導体,誘電体,圧電体,磁性体など),碍子,切削・
研磨材料などを焼成する際に用いられる耐熱性のある治
具のことであり、形状により台板,棚板,セッター,さ
や,とち,匣鉢,支柱などと呼ばれる。これらの中で、
直接被焼成物(ワーク)と接する治具としては、棚板,
セッターがある。また、これら焼成治具の基材材質とし
ては、ムライト,アルミナ,炭化珪素,コージェライ
ト,マグネシアスピネル等から選択されるものが使用さ
れる。
【0011】ワークとの反応を防止できる被覆層形成に
使用されるコーティング剤の主成分の一つは、ジルコニ
ア,高純度アルミナから選択されるセラミック成分であ
り、これらのうちのジルコニアに対して結晶構造を立方
晶にして安定化させるための安定化剤としてイットリ
ア,カルシア,マグネシア,セリア等から任意に選択さ
れるものの一種類以上を2〜20重量%添加してあるい
は前もって安定化剤を添加仮焼された部分安定化ジルコ
ニアが使用される。高純度アルミナの場合は、安定化剤
とは異った機能である高温時の粒成長を防止するための
マグネシアを添加することもある。
【0012】ジルコニア,アルミナ等のセラミック成分
および安定化剤は、粒子径0.5μmから50μmに入
る粉末よりコーティング剤となる。この粒子径範囲のう
ち、10〜20μmに入るものを利用するとき、一番問
題ないコーティング剤層となる。この粒子径が0.5μ
m未満にある時は、コーティング剤による被覆層を焼成
する際に、基材中のシリカ成分とジルコニアあるいはア
ルミナが反応してしまい、後日のワーク焼成時にワーク
との反応防止層としての機能に悪影響を与える。一方、
粒子径が50μm以上にあると、反応防止層の表面が粗
面になって、脱脂工程における分解ガスの拡散効果はあ
るものの、粒子自体の固着力が弱くなり、ハンドリング
あるいはワークとの接触によって脱粒が生じることがあ
る。脱粒があると、次第にコーティング剤による被覆層
が薄くなり、焼成治具基材がむき出しになる。また作業
環境が粉っぽくなり、製品に異物が混入する可能性が生
じ良くない。
【0013】コーティング剤のもう一方の主成分は、焼
失剤である。焼失剤は焼成後の焼失跡の大きさから0.
5〜2mm迄の大きさから選択される。焼失剤に使用さ
れる物質として、焼成時に熱分解するものであれば使用
できる。焼成時の分解ガスが焼成治具あるいは反応防止
層に対して無害なものから選択するが、吸水性ポリマー
を含む合成樹脂粒,ゴム粒,球状カーボン,木片,籾
殻,植物種子等あるいは溶媒に不溶性の物質例えば油が
利用できる。
【0014】焼失剤のうち特に優れているのは、吸水性
ポリマー粒である。吸水性ポリマーを焼失剤として利用
した時、優れているのは吸水後の比重が1に近く、コー
ティング剤のスラリーの調整が簡単で、焼失剤の分布が
均一なものが得られ易いためである。さらに、乾燥によ
り吸水分が蒸発して体積が減少し、コーティグ剤の焼成
時に発生する分解ガスが、他の焼失材と比べて少なく、
コーティグ剤焼成時のクラック発生や剥離等のトラブル
がない。吸水性ポリマー粒の粒子径は、吸水前の大きさ
が通常250μm以下において用いられる。この吸水性
ポリマーの粒子径が250μmを越えるものを使用した
時には、吸水後の吸水性ポリマーが数mm径にもなり、
コーティング層を形成し、焼成した時の孔が大きなもの
となる傾向がある。逆に、粒子径が20μm以下のもの
ばかり使用した時には、焼成後の孔がワークの大きさに
比べ微小なものとなり、孔を形成した効果が見られない
ものとなる。
【0015】吸水性ポリマーの組成上の種類としては、
変性デンプン,セルロース系,アクリロニトリルグラフ
ト化デンプン加水分解物系,ポリアクリロニトリル誘導
体系,ポリアクリルアミド系およびポリアクリル酸塩
系,酢酸ビニル/アクリル酸メチルコポリマーけん化物
系,ポリオキシエチレン系であって、いずれも親水基が
ポリオキシエチレン鎖またはカルボン酸側鎖のものであ
る。その他、ポリビニルピロリドン,ポリビニルアルコ
ールなどの非イオン系,ポリスチレンスルホン酸,ポリ
−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
などのスルホン酸系のポリマーの架橋物もある。
【0016】コーティング剤中の吸水性ポリマーの量
は、0.1〜2重量%が良い。0.1重量%以下では焼
成治具基材に対して、部分的にしか孔ができず焼成効果
が従来品と変わらない。また2重量%以上では、吸水性
ポリマーが焼成治具基材表面全面に広がり、表面が平坦
にあって孔を有したジルコニア層とならない。このコー
ティング剤中の、吸水性ポリマーの添加量による違いを
模式的に示したのが図1ないし図3である。図では上段
にコーティング剤が湿潤状態にあるものの、下段にコー
ティング剤を乾燥させた時にあるものを示している。図
1では、吸水性ポリマー量が0.1〜2重量%の範囲に
ある時の、焼成治具基材およびコーティング剤層の断面
を示している。図中符号1は焼成治具基材であり、2は
コーティング剤である。また、符号3は吸水状態にある
吸水性ポリマーである。下段にある乾燥状態では、吸水
性ポリマーの体積が著しく減少するので図示を省いてい
る。図2および図3では、吸水性ポリマーの添加量を
0.1重量%未満の時および2重量%を越える時を特徴
的に表している。図4では、従来より存在する表面が平
坦である焼成治具基材に吸水性ポリマーを含まないコー
ティング剤を塗布した時の、乾燥前後における断面図を
示している。
【0017】この発明において、コーティング剤は上記
非反応性セラミック,安定化剤,吸水性ポリマー以外
に、分散媒としての水,分散剤,湿潤剤,消泡剤,起泡
剤等の界面活性剤,メチルセルロース,ポリビニルアル
コール,ヒドロキシメチルセルロース,ポリアクリル酸
ソーダ,グアーガム等の増粘剤を適宜添加し、粘度10
00cps〜4000cpsのスラリー状にして使用さ
れる。このスラリー状のコーティング剤の不揮発分は、
40〜80%程度に調整される。この水分割合が60%
より大きい時には、基材の吸水率が少ないために、何度
も重ね塗りをしないと、コーティング剤による被覆層の
厚みが50μm以上にならないため効率が悪い。また、
20%以下では粘性が大きくなり被覆しずらいものとな
り良くない。
【0018】コーティング剤を焼成治具基材に対して、
塗付するには公知の塗装手段により被覆層を形成するこ
とになる。塗装手段としては、スプレーガン,ナイフコ
ータ,ロールコータによる塗装、ディッピングが例示で
きる。この時、コーティング剤による被覆厚み(量)
は、湿潤状態において70〜350μm(0.02〜
0.2g/cm)とするのが良い。この範囲に被覆厚
み(量)がある時、焼成後の被覆層の厚みが50〜25
0μmとなり、ワークとの反応防止層としての機能が、
得られるものとなる。被覆層の厚みは、50μm未満に
あるときは、被覆層と焼成治具基材の反応層が表面に生
じ、ワークとの反応防止効果に問題が生じる。一方、被
覆層の厚みが250μmを越えるときは、被覆層自身に
焼成時におけるクラックが生じ、基材がむき出しの部分
で反応が見られたり、被覆層の剥離の原因となり良くな
い。コーティング剤による被覆層の焼成は、1400℃
±200℃の範囲の中から、セラミック成分の焼結温度
に応じて、適宜選択し行なわれる。この焼成温度は、所
定の焼成温度より低い場合には、焼成治具基材との密着
不足となり、また逆に高すぎる温度により焼成される
と、焼成治具基材との反応が大きく進行したり、基材か
らの反応防止層の剥離が生じるようになる。コーティン
グ剤の被覆層を含めた焼成治具基材の焼成によれば、焼
成治具表面に直径0.5〜2mmにある焼失剤の焼失跡
が形成されたものができあがる。
【0019】被覆層の形成は、焼成治具基材が板状物で
ある時、その両面に形成させるのが好ましい。これは被
覆層を焼成させた時に、焼成治具基材に応力が生じるた
めであり、応力が生じても変形のない厚みがあったり、
応力に耐える強度を有していれば片面形成でも良い。図
7は、板状の焼成治具にあって、両面に反応防止層が形
成されたものの断面模式図。
【0020】
【作用】この発明では、コーティング剤中に焼失剤粒子
を配合することにより、被覆層に孔が形成され、ワーク
との接点が少なくなるため反応しにくくなる。またワー
クは焼成時には収縮するため、面で支えるより点で支え
た方がより精度が上がる。ワーク下面に空間を持つこと
ができるようになり、ワークから発生する昇華,蒸発成
分を溜めることができる。さらに、バインダー成分の多
いワークにおいても、上面からの脱脂だけでなく下面か
らも脱脂ができ、脱バインダー工程を長くする必要がな
くなる。
【0021】
【実施例1】下記の配合組成によりコーティング剤1を
作成した。 水 31重量部 分散剤 1重量部 吸水性ポリマー 0.4重量部 カルシア安定化ジルコニア 66重量部 バインダー 1.6重量部 ────────────────────────────── 100重量部
【0022】実施例1では分散剤は、花王(株)製の商
品名ポイズ520を使用し、吸水性ポリマーは住友化学
工業(株)の商品名スミカゲルS−100,カルシア安
定化ジルコニアは第一稀元素化学工業(株)の商品名F
SD−350F平均粒径3.0μm,バインダーは三井
東圧化学(株)の商品名WA−310を使用した。これ
ら割合により混合されたコーティング剤をボールミルで
24hr分散し、スプレーガンを用いて、ムライト質の
基板の両面へ200μm(0.1g/cm)塗布し
た。また130℃で1hr乾燥したものを1500℃
(昇降温度200℃/hr)にて焼成した。
【0023】この被覆層を有するムライト質焼成治具を
用い、バインダーを多量に含有したチタン酸バリウム系
のコンデンサーのワークを焼成した所、吸水性ポリマー
を用いない時と比べ、不良品の占める割合が、全体の1
%から0.05%へと大巾に減少し、製品歩留りが向上
した。
【0024】
【実施例2】下記の配合組成によりコーティング剤2を
作成した。 水 25重量部 分散剤 0.5重量部 吸水性ポリマー 1重量部 アルミナ粉 70重量部 バインダー 3.5重量部 ────────────────────────────── 100重量部
【0025】実施例2では分散剤は、中京油脂(株)製
のポリアクリル酸アンモニウム塩が主成分である商品名
セルナD−305を使用し、吸水性ポリマーは三菱化学
(株)の商品名IH,アルミナ粉は住友化学工業(株)
の商品名AM−25,バインダーは昭和高分子(株)の
商品名SUM−4100を使用した。これら割合により
混合されたコーティング剤をボールミルで48hr分散
し、ハケを用いて、ムライト質またはマグネシアスピネ
ル質の基板へ300μm(0.15g/cm)塗布し
た。また130℃で1hr乾燥したものを1600℃
(昇降温度100℃/hr)にて焼成した。
【0026】この基板により、陶磁器を焼成した所、コ
ーティング剤との融着が従来のものと比べ減少し、これ
にともない再コーティングの必要回数も大巾に減少し
た。
【0027】
【実施例3】下記の配合組成によりコーティング剤3を
作成した。 水 33重量部 分散剤 1重量部 焼失剤 4重量部 カルシア安定化ジルコニア 60重量部 バインダー 2重量部 ────────────────────────────── 100重量部
【0028】実施例3では、実施例1に用いた分散剤,
カルシア安定化ジルコニア,バインダーを用い、焼失剤
に住友精化(株)製の低密度ポリエチレンである商品名
フロービーズCL−12007、平均粒径850μmを
使用した。これら割合により混合されたコーティング剤
をボールミルで24hr分散し、スプレーガンを用い
て、ムライト質の基板へ200μm(0.1g/c
)塗布した。また130℃で1hr乾燥したものを
1500℃(昇降温度200℃/hr)にて焼成した。
【0029】実施例3についても、実施例1と同じチタ
ン酸バリウム系のコンデンサーのワークの焼成を行っ
た。この場合も、ワークの不良品の発生が、従来の焼失
剤なしの時に比べ、全体の1%から0.08%へと大巾
に減少し、製品歩留りが向上した。
【0030】
【発明の効果】請求項1あるいは請求項2では、焼成治
具表面に微小孔のある、ワークとの反応防止層を形成で
きるコーティング剤であり、焼成治具そのものの耐久性
の向上あるいは、ワークの不良品発生を低減することが
可能となる。請求項3あるいは請求項4では、上記耐久
性の向上した、不良品発生の少ない焼成治具を製造可能
とし、製造された焼成治具は同じく耐久性の良いもので
あり、ワークの不良品発生を少なくすることができる。
【0031】本願の発明により製造された焼成治具は、
ワーク下面における空間を従来品に比べ大きくしたもの
となり、ワークと反応防止層との接触面積を低減させて
いる。この為ワークと反応防止層との接触面積を小さく
したことにより、焼成治具基材成分とワーク成分との反
応を今まで以上に小さくする効果がある。焼成治具表面
に形成された微小孔は、ワークから昇華,蒸発する諸成
分を溜めることが可能であり、焼成治具を複数回使用し
た時に生じる、前記諸成分の沈着成分とワークとの反
応,融着を防止することが可能となり、焼成治具そのも
のの耐用回数を大巾に向上させる効果がある。
【0032】図5および図6において、この発明の焼成
治具の作用および効果を模式的に示す。図中、上段にお
いて最初に焼成治具上にワークを載置した時の断面を示
し、下段において焼成治具を繰り返し使用した時の断面
を示している。図中、符号4がワークであり、符号5が
コーティング剤による被覆層を焼成した後に得られる反
応防止層であり、符号6が焼成を繰り返した時にワーク
より昇華,蒸発して発生した成分の沈着物である。図か
ら理解できるように、ワークより発生した沈着物が、焼
成治具を複数回使用した時も、ワークと直接接触する機
会を少なくし、繰り返し使用に対する耐久性を向上させ
ていることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例におけるコーティング剤を
塗布した時の、湿潤時および乾燥時の焼成治具断面の模
式図。
【図2】 この発明の比較例における焼失剤の少ないコ
ーティング剤を塗布した時の、湿潤時および乾燥時の焼
成治具断面の模式図。
【図3】 この発明の比較例における焼失剤の多いコー
ティング剤を塗布した時の、湿潤時および乾燥時の焼成
治具断面の模式図。
【図4】 従来より存在するコーティング剤に焼失剤を
含まない場合の、焼成治具基材にコーティング剤を塗布
した時の、湿潤時および乾燥時の焼成治具断面の模式
図。
【図5】 この発明の焼成治具を繰り返し使用する前後
における、焼成治具およびワークの模式的な断面図。一
部拡大図にして表している。
【図6】 従来例における焼成治具を繰り返し使用する
前後における、焼成治具およびワークの模式的な断面
図。一部拡大図にして表している。
【図7】 板状の焼成治具にあって、反応防止層が両面
に形成された実施例における断面の模式図。
【符号の説明】
1 焼成治具基材 2 コーティング剤 3 吸水性ポリマー 4 ワーク 5 反応防止層 6 沈着物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−69565(JP,A) 特開 平2−311372(JP,A) 特開 平2−260602(JP,A) 特開 平4−273989(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/64 F27D 3/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ムライト,アルミナ,炭化珪素,コージェ
    ライト,マグネシアスピネル等から選択される焼成治具
    基材に対して、イットリア,カルシア等の安定化剤を含
    むジルコニアまたは高純度アルミナおよび吸水性ポリマ
    ーからなる焼失剤を主成分とする焼成治具用コーティン
    グ剤を塗布し、1200〜1600℃条件下にて焼成す
    ることを特徴とする焼成治具の製造方法。
  2. 【請求項2】基材および基材の被覆層からなる焼成治具
    において、基材がムライト,アルミナ,炭化珪素,コー
    ジェライト,マグネシアスピネル等から選択されるもの
    であり、被覆層が直径0.5〜2mmにある焼失跡であ
    る孔を全面に有し、最低被覆厚50〜250μmを確保
    している、安定化剤を含むジルコニアからなるコーティ
    ング剤の焼成層または高純度アルミナからなるコーティ
    ング剤の焼成層であることを特徴とする焼成治具。
  3. 【請求項3】コーティング剤の焼成層が、板状の焼成治
    具基材の両面に形成されていることを特徴とする請求項
    2記載の焼成治具。
JP08148368A 1996-02-29 1996-05-16 焼成治具及びその製造方法 Expired - Lifetime JP3139962B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08148368A JP3139962B2 (ja) 1996-02-29 1996-05-16 焼成治具及びその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8-71048 1996-02-29
JP7104896 1996-02-29
JP08148368A JP3139962B2 (ja) 1996-02-29 1996-05-16 焼成治具及びその製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000279857A Division JP4071922B2 (ja) 1996-02-29 2000-09-14 焼成治具用のコーティング剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09295872A JPH09295872A (ja) 1997-11-18
JP3139962B2 true JP3139962B2 (ja) 2001-03-05

Family

ID=26412174

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP08148368A Expired - Lifetime JP3139962B2 (ja) 1996-02-29 1996-05-16 焼成治具及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3139962B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2017240A1 (en) 2002-08-30 2009-01-21 Mitsui Mining & Smelting Co., Ltd Jig for calcining electronic component

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3783521B2 (ja) * 2000-04-20 2006-06-07 株式会社村田製作所 熱処理用物品及びその製造方法
WO2003104342A1 (ja) * 2002-06-11 2003-12-18 有限会社セラミック・クラフト 塗料組成物
US8986779B2 (en) 2009-07-31 2015-03-24 General Electric Company Methods of improving surface roughness of an environmental barrier coating and components comprising environmental barrier coatings having improved surface roughness
US9073793B2 (en) * 2009-07-31 2015-07-07 General Electric Company Slurry compositions for making environmental barrier coatings and environmental barrier coatings comprising the same
US9212100B2 (en) 2009-07-31 2015-12-15 General Electric Company Environmental barrier coatings for high temperature ceramic components
US9056802B2 (en) 2009-07-31 2015-06-16 General Electric Company Methods for making environmental barrier coatings using sintering aids
JP5758084B2 (ja) * 2010-03-31 2015-08-05 一般財団法人電力中央研究所 金属燃料再処理の固体陰極処理用のるつぼ
JP6072787B2 (ja) * 2012-06-20 2017-02-01 日本碍子株式会社 断熱用多孔質板状フィラー、コーティング組成物、断熱膜、および断熱膜構造
JP6423360B2 (ja) * 2013-11-19 2018-11-14 日本碍子株式会社 断熱膜、および断熱膜構造

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2017240A1 (en) 2002-08-30 2009-01-21 Mitsui Mining & Smelting Co., Ltd Jig for calcining electronic component
EP2213636A1 (en) 2002-08-30 2010-08-04 Mitsui Mining & Smelting Co., Ltd. Jig for calcining electronic component

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09295872A (ja) 1997-11-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6447712B1 (en) Method for sintering ceramic tapes
JP2981034B2 (ja) セラミックハニカム構造体の焼成方法
JP3139962B2 (ja) 焼成治具及びその製造方法
JPH0549633B2 (ja)
EP1970358A1 (en) Chemical vapor deposited silicon carbide articles
KR20060076229A (ko) 전자 부품용 소성 지그
JP2007015882A (ja) 電子部品用焼成治具
WO2002030567A1 (fr) Element structural de cordierite en nid d'abeille et son procede de fabrication
JP4071922B2 (ja) 焼成治具用のコーティング剤
KR100546452B1 (ko) 세라믹 전자부품 소성용 세터
US6617017B2 (en) Firing jig for electronic element
JP2788061B2 (ja) 焼成用治具及びその製造方法
EP1577279B1 (en) Method for producing ceramic structure
JPH09301777A (ja) 焼成治具用のコーティング剤
JP2819268B2 (ja) 多孔質溶射皮膜及びその形成方法
JPH06172041A (ja) 窒化アルミニウム基板の製造方法
JPH10212166A (ja) セラミックスシート、グリーンシートおよびセラミックスシートの製造方法
JPH04302992A (ja) セラミックス焼成用耐火物
JP2015034325A (ja) 金属蒸着用るつぼ
KR100525666B1 (ko) 스프레이 코팅에 의한 전자부품 소성용 세터의 제조방법
JP2003040682A (ja) 焼成治具のコーティング剤及び焼成治具
JP4054098B2 (ja) 焼成治具
JPH0812449A (ja) 焼成用治具
JPH05186285A (ja) 熱処理用基板とその製造方法
JP2023093979A (ja) 焼成用セッター

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121215

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121215

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151215

Year of fee payment: 15

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term