JP2023093979A - 焼成用セッター - Google Patents

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Abstract

【課題】熱容量が低く抑えられた焼成用セッターを提供する。【解決手段】焼成用セッター1は、アルミナを主成分とした基材2と、基材2の少なくとも一方の面に形成されたジルコニアを主成分とした表面層3とを備えている。表面層3の気孔率は、1%以下である。ここで、表面層3は、厚みが150μm以下であることが好ましい。また、焼成用セッター1は、厚みは2.3mm以下であることが好ましい。【選択図】図2

Description

本開示は、焼成用セッターに関する。詳しくは、焼成炉で焼成する際に被処理材料を載せるセッターに関する。
特許第2953569号には、主にセラミック繊維とセラミック粒子とからなり、アルミナ含有量が75重量%以上、シリカ含有量が25重量%未満であって、通気率が5×10-3cm以上、及び電子部品を搭載する表面の表面粗さがRaで30μm以下であることを特徴とする電子部品焼成用セッターが開示されている。かかる焼成用セッターによると、グリーンシートなどの焼成を効率よく行うことができるとされている。
特許第3653388号には、主成分がAl-SiO質又はSiC質の基材と、基材の表面に形成された気孔率が12%以上の溶射被膜の中間層と、さらにその表面に形成された気孔率7%以下の溶射被膜の緻密層を備える焼成用セッターが開示されている。かかる焼成用セッターは、中間層及び緻密層の主成分がAl、未安定ZrO、CaO部分安定化ZrO、Y部分安定化ZrO及びCaZrOの中の一種又は二種以上である。かかる焼成用セッターは、被処理物処理時に発生する応力が緩和され、耐久性が高いとされている。
特許第2953569号 特許第3653388号
例えば、積層セラミックコンデンサMLCC(Multilayer Ceramic Capacitors)等の小型電子部品は、焼成用セッターに配置され、焼成炉内で焼成される。MLCC等の小型電子部品の焼成において、生産性や性能発現の観点からなるべく高速、短時間で焼成することが求められている。焼成時間を短縮するための試みの1つとして、例えば、焼成用セッターの厚みを薄くすることが挙げられる。焼成用セッターの厚みを薄くし軽量化することによって、焼成用セッターの熱容量を低くすることができる。
焼成用セッターは、基材と、表面層とから構成されている。表面層は、耐反応性の高いジルコニアを主成分として構成されうる。しかしながら、かかる表面層は多孔質構造であるため、耐反応性の観点からは表面層を薄くすることが困難であった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、表面層を薄くした場合にも材料との耐反応性が確保される焼成用セッターを提供することを目的とする。
ここで開示される焼成用セッターは、アルミナを主成分とした基材と、基材の少なくとも一方の面に形成されたジルコニアを主成分とした表面層とを備えている。表面層の気孔率は、1%以下である。
かかる構成によって表面層を薄くすることができ、焼成用セッターの熱容量を低く抑えることができる。
表面層は、厚みが150μm以下であってもよい。
焼成用セッターの厚みは2.3mm以下であってもよい。
表面層の厚みは、全体の厚みの15%以下であってもよい。
基材の気孔率は、30%以下であってもよい。
図1は、焼成用セッター1を示す斜視図である。 図2は、実施例2の断面SEM像である。 図3は、実施例4の断面SEM像である。 図4は、実施例5の断面SEM像である。 図5は、比較例4の断面SEM像である。
以下、本開示における実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の図面において、寸法関係(長さ、幅、厚み等)は実際の寸法関係を反映するものではなく、特に言及されない限りにおいて本願発明を限定しない。
焼成用セッター1は、電子部品の材料等の被処理材料を焼成する際に、被処理材料を配置するための平板状の焼成用治具である。被処理材料は、焼成用セッター1の一方の面に載せられ、焼成炉内で焼成される。
図1に示されているように、焼成用セッター1は、アルミナを主成分とした基材2と、基材2の少なくとも一方の面に形成されたジルコニアを主成分とした表面層3とを備えている。この実施形態では、焼成用セッター1は、平面視において略正方形の形状を有する基材2と、基材2の両面に形成された表面層3から構成されている。焼成用セッター1は、この実施形態のような平面視において略正方形のものに限られず、例えば、平面視において矩形、円を含む楕円、多角形等の形状であってもよい。
基材2は、耐熱性、耐熱衝撃性、耐食性の観点から、アルミナを主成分として構成されうる。なお、本明細書において、「主成分」とは、構成成分のうち、最も含有量が多い成分であることを意味する。主成分は、典型的には基材の50質量%以上を占めており、70質量%以上を占めていることが好ましく、90質量%以上を占めていることがより好ましい。基材2は、アルミナ以外の成分を含んでいてもよい。アルミナ以外の成分として、例えば、ムライト、コーディライト、スピネル、アルカリ金属の酸化物、アルカリ土類金属の酸化物、ジルコニア等が挙げられる。アルカリ土類金属の酸化物としては、例えば、マグネシア(MgO)等が挙げられる。
表面層3は、焼成用セッター1に配置された材料が基材2と反応することを防止する層である。表面層3は、例えば、MLCC等の反応性の高い小型電子部品との耐反応性を確保する観点から、ジルコニアを主成分として構成されている。ジルコニアは、表面層3を構成する成分全体を100質量%としたときに、70質量%以上を占めており、85質量%以上を占めていることが好ましい。なお、ジルコニアとしては、安定化ジルコニアが好ましく用いられる。安定化ジルコニアとして、例えば、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、カルシア安定化ジルコニア(CSZ)、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)等が用いられうる。なお、この実施形態では、表面層3は、基材2の両面に形成されているが、かかる形態に限定されず、例えば、基材2の片面にのみ表面層3が形成されていてもよい。
ところで、被処理材料は短時間で焼成されることが好ましい。焼成に要する時間を短縮することによって単位時間あたりに多くの被処理材料を処理することができ、生産性を向上させることができる。焼成用セッター1の厚みを薄くすることによって熱容量を低くし、焼成用セッター1と被処理材料の昇温にかかる時間を短縮することができる。
焼成用セッター1を構成する基材2と表面層3のうち、構成要素の大部分を占める基材2の厚みを薄くすることによって焼成用セッター1の厚みが調整されうる。焼成用セッター1の厚みは特に限定されないが、例えば、2.3mm以下である。軽量化することによって熱容量を低くする観点から、焼成用セッター1の厚みは、2.0mm以下であることが好ましく、例えば、1.7mm以下であってもよい。強度の観点からは、焼成用セッター1の厚みは、1mm以上であることが好ましく、例えば、1.2mm以上であってもよい。
基材2の厚みが薄いほど、焼成用セッター1に占める表面層3の構成比が高くなる。つまり、基材2の厚みが薄いほど、焼成用セッター1の熱容量に対する表面層3の寄与が大きくなる。本発明者は、表面層3の厚みを薄くすることによって焼成用セッター1の熱容量をより低くすることを検討している。
一般的に、ジルコニアを主成分とする表面層3は、耐反応性は高いが、多孔質構造である。そのため、表面層3の気孔率が高く、かつ、表面層3が薄い場合には、焼成時に基材2と被処理材料とが反応する懸念がある。緻密な表面層3を焼成用セッター1の表面に形成することによって、表面層3を薄くした場合にも基材2と材料との耐反応性が確保される。かかる観点から、ここに開示される焼成用セッター1において、表面層3の気孔率は、1%以下であることが好ましく、例えば、0.5%以下であってもよく、0.2%以下であってもよい。
このように表面層3を緻密化することによって、焼成用セッター1の表面層3を薄くし熱容量を低減することができる。表面層3の厚みは、例えば、150μm以下とすることができ、100μm以下とすることが好ましく、例えば、50μm以下としてもよく、20μm以下としてもよい。表面層3の片面あたりの厚みは特に限定されないが、例えば、焼成用セッター1全体の厚みに対して、15%以下とすることができ、10%以下としてもよく、5%以下としてもよい。
また、緻密な表面層3の気孔率が低く抑えられているのに対し、基材2の気孔率は特に限定されない。例えば、基材2の強度や軽量化の観点から種々変更が可能である。基材2の気孔率は、例えば、0.1%以上であってもよく、1%以上であってもよく、10%以上であってもよい。基材2の気孔率は、例えば、30%以下であってもよく、20%以下であってもよい。
焼成用セッター1の製造方法は特に限定されないが、例えば、以下の方法で製造することができる。まず、基材2と表面層3それぞれのスラリーを調整する。調整したスラリーをシート成形し、基材2に表面層3が形成されたグリーンシートを得る。グリーンシートを焼成し、焼成用セッター1を得る。
ところで、本発明者の試行では、緻密な表面層3が基材2の表面に形成された焼成用セッター1を製造する場合、焼成時に表面層3が基材2から剥離することがあった。本発明者の検討の結果、本発明者は、かかる剥離は基材2のグリーンシートと表面層3のグリーンシートの焼成時の熱収縮率が異なることにより発生することを見出した。また、本発明者は、基材2のグリーンシートと表面層3のグリーンシートの熱収縮率は、焼成用セッター1の製造における種々の条件を調整することによって近づけることができることを見出した。例えば、基材2の主成分であるアルミナの粒径や比表面積等の物性値、基材2に含有させる微量成分、焼成条件等を調整することにより、焼成時の熱収縮率が調整されうる。以下、焼成用セッター1の製造方法の一例を説明する。
原料を水に分散させ、ポットミル等で混合することによって基材2と表面層3それぞれのスラリーを調整する。基材2のスラリーの原料として、アルミナと有機助剤等が用いられる。基材2のスラリーの原料には、ムライトやマグネシア等、アルミナ以外の成分が含まれていてもよい。また、基材2を多孔化することによって軽量化し熱容量を低くするために、気孔形成材を基材2のスラリーの原料に投入してもよい。気孔形成材としては、焼成後に基材2中に気孔を形成する材料であれば特に限定されない。気孔形成材としては、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、セルロース樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂からなる群から選択された1種以上の樹脂を含有する樹脂ビーズ、または、カーボン、澱粉等を用いることができる。これらの材料の中でも、アクリル樹脂、メタクリル樹脂からなる樹脂ビーズは、焼失温度が低く、容易に焼失するため好適である。
表面層3のスラリーの原料として、イットリア安定化ジルコニア等のジルコニアと有機助剤等が用いられる。また、表面層3のスラリーとして、固形分率の高い、いわゆるペーストを調整してもよい。3本ロールミル、ビーズミル等で混合することによって表面層3のペーストが調整されうる。
調整したスラリーをシート成形し、基材2に表面層3が形成されたグリーンシートを得る。ここでは、まず、調整されたスラリーを噴霧乾燥法によって乾燥させ、造粒粉を得る。造粒粉をロールプレス成形し、基材2と表面層3のグリーンシートを得る。基材2と表面層3のグリーンシートを重ね、ロールプレス成形し、基材2に表面層3が形成されたグリーンシートを得る。グリーンシートを得る方法は、かかる形態に限定されない。例えば、基材2のグリーンシートに対して表面層3のペーストを印刷成形し、基材2に表面層3が形成されたグリーンシートを得てもよい。得られたグリーンシートを打ち抜いたり、切り出したりすることによって、形状を整えてもよい。なお、表面層3の厚みは、ロールプレス成形時の成形条件や印刷成形時の印刷条件等によって調整することができる。
基材2に表面層3が形成されたグリーンシートを焼成する。アルミナ等の基板でグリーンシートを挟み、所定の条件で焼成する。焼成温度や焼成時間等の焼成条件は適宜設定することができ特に限定されないが、焼成温度は、緻密な表面層3を形成する観点から、高い温度に設定されることが好ましい。焼成温度は、例えば、1400℃~1650℃程度(例えば、1600℃)の温度に設定されうる。焼成時間は、例えば、1時間~5時間程度に設定されうる。
なお、上述したように、基材2のグリーンシートと表面層3のグリーンシートの焼成前後の熱収縮率は近い方が好ましい。かかる熱収縮率の差は、2%以下であることが好ましい。
ここで開示される技術では、表面層3が上述した気孔率を有する緻密な構造であることによって、表面層3を薄くした場合にも基材2と被処理材料の反応を抑えることができる。その結果、熱容量が低く抑えられた焼成用セッター1が提供される。
以下、ここで開示される技術に関する実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に限定することを意図したものではない。
ここでは、基材の主成分であるアルミナの物性値、基材の微量成分、表面層の主成分であるジルコニアの物性値、成形方法等を種々変更し、各例にかかる焼成用セッターおよびグリーンシートを用意した。
<実施例1>
マグネシア(MgO)を0.05%含有する、平均粒子径0.6μm、比表面積5.9m/gのアルミナ粉体と、アクリル高分子系バインダーとを水に分散させ、ポットミルで混合することにより基材用スラリーを得た。平均粒子径0.5μm、比表面積9.3m/gのイットリア安定化ジルコニア(YSZ)と、アクリル高分子系バインダーとを水に分散させ、ポットミルで混合することにより表面層用スラリーを得た。それぞれのスラリーを噴霧乾燥法によって造粒し、造粒粉を得た。基材用の造粒粉をロールプレス成形し、1枚の基材グリーンシートを得た。表面層用の造粒粉をロールプレス成形し、2枚の表面層グリーンシートを得た。このグリーンシートを1600℃で2時間焼成し、基材の厚みが1.5mmの実施例1の焼成用セッターを作製した。実施例1の焼成用セッターでは、基材の質量を100質量%としたときに、基材は、0.05質量%のマグネシアを含んでいる。なお、平均粒子径は、レーザ回折・散乱法に基づく体積基準の粒度分布を測定し、当該粒度分布において、累積度数が体積百分率で50%となる粒子径(D50粒径)として求めることができる。比表面積は、例えば、吸着質として窒素ガスを用いた流動法によるBET1点法により測定することができる。
<実施例2,3>
基材用スラリー全体の体積を100vol%としたとき、気孔形成材としてアクリル樹脂系ビーズを表1に記載の量(vol%)添加したことを除いて、実施例1と同様の条件で実施例2,3の焼成用セッターを作製した。
<実施例4,5>
表面層用スラリーの代わりに、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)と、セルロース系樹脂とを有機溶媒に分散させ、3本ロールミルで混合することにより表面層用ペーストを用意した。表面層用ペーストを基材グリーンシートの両面に印刷成形した。基材に印刷成形する表面層用ペーストについては、実施例1の表面層グリーンシートよりも薄くなるように印刷成形した。上記以外を実施例1と同様の条件で実施例4の焼成用セッターを得た。上記以外を実施例2と同様の条件に設定して実施例5の焼成用セッターを作製した。
<実施例6>
マグネシアを0.05%含有する、平均粒子径0.6μm、比表面積5.9m/gのアルミナ粉体と、マグネシアを0.08%含有する、平均粒子径1.0μm、比表面積4.6m/gのムライト粉体と、アクリル高分子系バインダーとを水に分散させ、ポットミルで混合することにより基材用スラリーを得た。なお、アルミナ粉体と、ムライト粉体の重量比は、アルミナ粉体:ムライト粉体=90:10とした。当該基材用スラリーを用いて基材グリーンシートをロールプレス成形した以外は実施例1と同様の条件で実施例6の焼成用セッターを作製した。
<実施例7,8、比較例1~7>
表1に記載された平均粒子径、比表面積およびマグネシア含有量のアルミナ粉体を用い、表1に記載された平均粒子径と比表面積を有する安定化ジルコニアを用いた以外は実施例1と同様の条件で実施例7,8、比較例1~7の焼成用セッターを作製した。
<接合性>
各例の焼成用セッターについて、基材と表面層との接合性を評価した。各例の焼成用セッターから複数個所(例えば、3箇所以上)切り出し、断面を走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)で観察し、接合性を評価した。図2は、実施例2の断面SEM像である。図3は、実施例4の断面SEM像である。図4は、実施例5の断面SEM像である。図5は、比較例4の断面SEM像である。例えば、実施例2,4,5では、図2~図4に示されているように、図中上方の緻密な表面層と下方の基材との間に剥離が生じることなく接合されている。このように焼成後に基材と表面層が接合され、基材と表面層との間に剥離が観察されなかった例を○と評価した。比較例4では、図5に示されているように、図中上方の緻密な表面層と下方の基材との間に剥離が生じている。このように基材と表面層との界面に剥離が観察された例を×と評価した。結果を表1に示す。なお、表1には、焼成後に基材と表面層が接合されている実施例1~8については、断面観察の画像分析によって測定された表面層の厚みが示されている。厚みは、例えば、各例についてランダムで複数個所(例えば、3箇所以上)において測定した場合の厚みの平均値である。
Figure 2023093979000002
<焼成収縮率>
焼成用セッターとは別に、各例の基材グリーンシートと表面層グリーンシートを用意し、一体化させずにそれぞれ上記と同様の条件で焼成した。基材グリーンシートと表面層グリーンシートそれぞれについて、焼成前後での焼成収縮率を算出した。焼成収縮率は、焼成前のグリーンシートの面積をA、焼成後のシートの面積をBとしたときに、下記式(1)に基づいて算出した。
焼成収縮率(%)=(A-B)/A×100 (1)
基材と表面層のシートの焼成収縮率の差を表1に示す。
<気孔率>
各例について、焼成収縮率の測定で用いた焼成後の基材と表面層のシートそれぞれの気孔率をアルキメデス法に基づいて測定した。シートの乾燥重量Wair、シートの水中重量Waq、含水重量WA+wを測定し、下記の式(2)に基づいて気孔率を算出した。結果を表1に示す。
気孔率(%)=(WA+w-WAir)/(WA+w-Waq)×100 (2)
<熱容量低減>
焼成後に基材と表面層の接合性が良好であった実施例1~8について、表面層を薄くしたことによる熱容量低減効果を評価した。なお、各例の焼成用セッターの基材の厚みは同じである。そのため、焼成用セッターの熱容量は、表面層の厚みに依存する。また、実施例1~8では表面層の気孔率が小さく、かつ、同程度であることから、表面層の熱容量は厚みに略比例する。ここでは、表面層の厚みが150μm以下である例を○、20μm以下である例を◎と評価し、基材と表面層の接合性が良好ではなく表面層の厚みを測定しなかった例を×とした。結果を表1に示す。
実施例1,7,8、比較例1,3~7のように、基材の原料として用いられているアルミナ粉体の粒径、比表面積、微量成分の含有量を種々変更し、基材の焼成収縮率を表面層の焼成収縮率に近づける(好ましくは、焼成収縮率差が2%以下)ことによって、基材と緻密な表面層との接合性が良好な焼成用セッターが得られることがわかる。実施例1と比較例2の比較により、表面層の原料であるイットリア安定化ジルコニアの粒径が大きく、比表面積が小さい場合には、緻密な表面層が得られないことがわかる。
実施例1~3の比較により、基材用スラリーに気孔形成材を添加し基材の気孔率を高くしても、基材と表面層の膨張収縮率が近い場合には接合性が良好な焼成用セッターが得られることがわかる。また、実施例1~3と実施例4,5より、成形方法に関わらず、基材と表面層の膨張収縮率を近づけることによって接合性が良好な焼成用セッターが得られることがわかる。
実施例1~3と実施例4,5より、印刷成形によって表面層を基材上に成形することによって表面層の厚みを薄くすることができる。それによって、熱容量を低減する効果をより高めることができる。
実施例6より、基材の原料としてアルミナ粉末以外の成分(この実施形態では、ムライト粉末)を含む場合にも、基材と表面層の膨張収縮率を近づけることによって接合性が良好な焼成用セッターが得られることがわかる。
以上、具体的な実施形態を挙げて詳細な説明を行ったが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。このように、請求の範囲に記載の技術には、以上に記載した実施形態を様々に変形、変更したものが含まれる。
1 焼成用セッター
2 基材
3 表面層

Claims (5)

  1. アルミナを主成分とした基材と、
    前記基材の少なくとも一方の面に形成されたジルコニアを主成分とした表面層と
    を備え、
    前記表面層の気孔率は、1%以下である、焼成用セッター。
  2. 前記表面層は、厚みが150μm以下である、請求項1に記載の焼成用セッター。
  3. 厚みは2.3mm以下である、請求項1または2に記載の焼成用セッター。
  4. 前記表面層の厚みは、全体の厚みの15%以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の焼成用セッター。
  5. 前記基材の気孔率は、30%以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の焼成用セッター。

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