JP2819268B2 - 多孔質溶射皮膜及びその形成方法 - Google Patents

多孔質溶射皮膜及びその形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックスをコ
ーティングした炭素粉末を用いた、セラミックスによる
遮熱コーティングを施すための多孔質溶射皮膜及びその
形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高温で使用する部材、例えば、ガスター
ビンの動・静翼においては、母材金属を高温の燃焼ガス
から守るために、ボンドコーティングを行い、さらにそ
の上にセラミックスによる遮熱コーティングが行われて
いる。そして、遮熱特性を向上させるため、又は部材の
長寿命化を図るために、溶射により多孔質のセラミック
スコーティングを施す試みがなされている。
【0003】多孔質溶射皮膜を形成する方法として、従
来は、溶射皮膜を多孔質なものとするための溶射条件の
制御、溶射材料中にセルロース等の樹脂材料を混合する
方法、あるいはセルロース等の樹脂材料を外部より溶射
材料に供給する方法が採られてきた。
【0004】特開昭59−140377号公報には、酸
可溶性のセラミック粉末と実質的に酸不溶性のセラミッ
ク粉末とを金属部材の表面に溶射してセラミック被膜を
形成させ、ついで、該セラミック被膜を酸処理して酸可
溶性のセラミックを溶出させることにより、セラミック
被膜を多孔質化する方法が記載されている。特開平2−
175854号公報には、セラミックス粉末又は金属粉
末と結晶セルロースとを混合して溶射皮膜を形成した
後、該溶射皮膜を加熱することにより、結晶セルロース
を除去する方法が記載されている。特開平6−8819
8号公報には、溶射ガンのフレーム上流部に無機材料を
供給し、その供給位置より下流部に樹脂材料を供給し
て、母材表面に溶射皮膜を形成し、それを熱処理するこ
とにより、溶射皮膜中の樹脂材料を除去する方法が記載
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
溶射条件の制御では、溶射皮膜中において十分な空孔率
が得られなかった。また、従来の溶射材料中に樹脂材料
を混合する方法では、溶射材料であるセラミックスと樹
脂材料との比重の違いにより、樹脂材料が十分に溶射材
料に供給されず、溶射皮膜における空孔率は十分でなか
った。また、従来の樹脂材料を外部より供給する方法で
も、樹脂材料を供給するガスによってフレームの方向が
変わるので、樹脂材料が十分に溶射材料に供給されず、
溶射皮膜における空孔率は十分でなかった。その上、樹
脂材料は溶射中損失するので、溶射皮膜における空孔の
大きさを十分に制御することができなかった。
【0006】本発明は上記の諸点に鑑みなされたもの
で、本発明の目的は、炭素粉末をセラミックスでコーテ
ィングすることにより、溶射中における炭素の燃焼を防
ぐとともに、容易に溶射皮膜中の炭素の混合比や大きさ
を制御し、その後の熱処理によって空孔率や空孔の大き
さを任意に制御することができる多孔質溶射皮膜及びそ
の形成方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の多孔質溶射皮膜は、セラミックスをコー
ティングしてなる炭素粉末を溶射して形成された溶射皮
膜中の炭素を燃焼させて空孔を形成させてなることを特
徴としている。また、本発明の他の多孔質溶射皮膜は、
セラミックスをコーティングしてなる炭素粉末とセラミ
ックス粉末との混合粉末を溶射して形成された溶射皮膜
中の炭素を燃焼させて空孔を形成させてなることを特徴
としている。
【0008】本発明の多孔質溶射皮膜において、セラミ
ックスをコーティングしてなる炭素粉末におけるセラミ
ックスのコーティング量を変化させて溶射皮膜中の空孔
率を変化させることができる。本発明の他の多孔質溶射
皮膜において、セラミックスをコーティングしてなる炭
素粉末とセラミックス粉末との混合比を変化させて溶射
皮膜中の空孔率を変化させることができる。また、本発
明の他の多孔質溶射皮膜において、セラミックスをコー
ティングしてなる炭素粉末とセラミックス粉末との混合
比を順次変化させて溶射皮膜中の空孔率を傾斜させるこ
とができる。これらの多孔質溶射皮膜において、セラミ
ックスをコーティングしてなる炭素粉末における炭素粉
末の大きさを変化させて溶射皮膜中の空孔の大きさを変
化させることができる。また、これらの多孔質溶射皮膜
において、セラミックスをコーティングしてなる炭素粉
末における炭素粉末の大きさを順次変化させて溶射皮膜
中の空孔の大きさを傾斜させることができる。
【0009】本発明の多孔質溶射皮膜の形成方法は、セ
ラミックスをコーティングした炭素粉末を、母材の表面
に溶射して溶射皮膜を形成し、ついで、該溶射皮膜を熱
処理して炭素を燃焼させて空孔を形成させることを特徴
としている。また、本発明の他の方法は、セラミックス
をコーティングした炭素粉末とセラミックス粉末との混
合粉末を、母材の表面に溶射して溶射皮膜を形成し、つ
いで、該溶射皮膜を熱処理して炭素を燃焼させて空孔を
形成させることを特徴としている。
【0010】本発明の方法において、セラミックスをコ
ーティングした炭素粉末におけるセラミックスのコーテ
ィング量を変化させて溶射皮膜中の空孔率を制御するこ
とができる。本発明の他の方法において、セラミックス
をコーティングした炭素粉末とセラミックス粉末との混
合比を変化させて溶射皮膜中の空孔率を制御することが
できる。また、本発明の他の方法において、セラミック
スをコーティングした炭素粉末とセラミックス粉末との
混合比を順次変化させて溶射皮膜中の空孔率を傾斜させ
ることができる。これらの方法において、セラミックス
をコーティングした炭素粉末における炭素粉末の大きさ
を変化させて溶射皮膜中の空孔の大きさを制御すること
ができる。また、これらの方法において、セラミックス
をコーティングした炭素粉末における炭素粉末の大きさ
を順次変化させて溶射皮膜中の空孔の大きさを傾斜させ
ることができる。以上の多孔質溶射皮膜及びその形成方
法において、セラミックスとしてイットリア安定化ジル
コニアを用いることが望ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明における基本的な
実施の形態について説明する。まず、セラミックスをコ
ーティングした炭素粉末の作製について説明する。セラ
ミックスコーティング炭素粉末は、バインダーとともに
炭素粉末とセラミックスとを混合することにより作製し
た。その他に、セラミックスコーティング炭素粉末をメ
ッキ、物理蒸着、化学蒸着等の方法で作製することも可
能である。バインダーとしては、有機系の溶剤で、下記
熱処理にて燃焼し、セラミックスに悪影響を与えなけれ
ば何でもよい。セラミックスとしては、ジルコニアやア
ルミナ、イットリア等の酸化物セラミックス、あるいは
炭化物でも窒化物でもよい。つぎに、得られたセラミッ
クスコーティング炭素粉末をセラミックス粉末と混合し
て混合粉末とし、この混合粉末に大気溶射を施して溶射
皮膜を形成させた。なお、その他の溶射を施して溶射皮
膜を形成させることも勿論可能である。そして、この溶
射皮膜を600〜800℃で2〜4時間熱処理すること
により、溶射皮膜中の炭素を燃焼させて空孔を形成さ
せ、多孔質のセラミックスコーティングを作製した。
【0012】このように、本発明では、炭素粉末のまわ
りにセラミックスをコーティングすることにより、溶射
中における炭素の燃焼を防ぐとともに、溶融したセラミ
ックス同士がくっつくために溶射皮膜中に炭素粉末が吸
着される。そして、この炭素粉末が入った溶射皮膜を熱
処理して炭素を燃焼させることにより、炭素の存在して
いた部分が空孔となり、多孔質のセラミックスコーティ
ングが形成される。また、本発明では、容易に溶射皮膜
中の炭素粉末の混合比や大きさを制御することができ、
しかも、炭素粉末の大きさが空孔の大きさと一致するの
で、その後の熱処理により空孔率や空孔の大きさを任意
に制御することができる。具体的には、空孔率では数%
〜約50%の範囲、空孔の大きさでは数μm〜数100
μmの範囲で任意に制御することができる。さらに、溶
射皮膜中の炭素粉末の混合比や大きさを順次変化させる
ことで、溶射皮膜中の空孔率や空孔の大きさを順次変化
させることも可能になるので、空孔率や空孔の大きさを
傾斜させた溶射皮膜の形成も可能になる。
【0013】
【実施例】以下に、本発明の好適な実施例及びその比較
例を説明する。 実施例1 まず、セラミックスをコーティングした炭素粉末の作製
について説明する。セラミックスコーティング炭素粉末
は、バインダーであるポリビニルアルコールとともに炭
素粉末と粒度5〜30μmのイットリア安定化ジルコニ
ア(YSZ)粉末とを撹して混合することにより作製
した。YSZと炭素の体積比は、YSZ:炭素=約3
0:70でほぼ一定となるようにした。一方、炭素粉末
は、粒度が5〜45μm、45〜90μm、90〜15
0μmとなる3種類のものを用意した。つぎに、得られ
たYSZコーティング炭素粉末を粒度5〜45μmのイ
ットリア安定化ジルコニア(YSZ)粉末と混合して混
合粉末とし、この混合粉末に大気溶射を施して溶射皮膜
を形成させた。YSZとYSZコーティング炭素の体積
比は、YSZ:YSZコーティング炭素=1:1となる
ようにした。つまり、本実施例の場合、YSZ:炭素=
約65:35となる。そして、この溶射皮膜を約700
℃で4時間熱処理することにより、溶射皮膜中の炭素を
燃焼させ、多孔質のセラミックスコーティングを作製し
た。
【0014】以上のようにして得られた多孔質溶射皮膜
の断面組成像が、図1〜図3に示す写真である。図1
は、炭素粉末の粒度が5〜45μmの場合における溶射
皮膜の拡大(100倍)縦断面写真である。同様に、図
2は炭素粉末の粒度が45〜90μmの場合、図3は炭
素粉末の粒度が90〜150μmの場合を示している。
いずれも倍率は100倍である。図1〜図3において、
白色の部分がイットリア安定化ジルコニア(YSZ)で
あり、その中に散在する黒色の部分が空孔であって炭素
粉末が存在していた部分である。なお、溶射皮膜の下部
にある黒色の部分は基板であって、低炭素鋼(S25
C)にボンドコートを施したものからなっているが、こ
の基板は他の超合金等の金属にボンドコートを施したも
のとすることも勿論可能である。
【0015】図1〜図3を観察すると、溶射皮膜中にお
ける空孔の大きさは、炭素粉末の粒度に対応しているこ
とがわかる。炭素粉末の粒度が5〜45μmのものは、
空孔も5〜45μmのものを有し、45〜90μm、90
〜150μmのものも同様に、それぞれ45〜90μm、
90〜150μmの空孔を有する。したがって、空孔の
大きさを制御するためには、炭素粉末の粒度を制御して
やれば良く、容易にできる。
【0016】実施例2 まず、セラミックスをコーティングした炭素粉末の作製
について説明する。セラミックスコーティング炭素粉末
は、バインダーであるポリビニルアルコールとともに炭
素粉末と、実施例1の場合と同じイットリア安定化ジル
コニア(YSZ)とを撹して混合することにより作製
した。この際、YSZと炭素の体積比が、YSZ:炭素
=約30:70、約50:50となる2種類のものを用
意した。一方、炭素粉末の粒度は、45〜90μmで一
定となるようにした。つぎに、得られたYSZコーティ
ング炭素粉末を粒度5〜45μmのイットリア安定化ジ
ルコニア(YSZ)粉末と混合して混合粉末とし、この
混合粉末に大気溶射を施して溶射皮膜を形成させた。Y
SZとYSZコーティング炭素の体積比は、YSZ:Y
SZコーティング炭素=1:1となるようにした。つま
り、本実施例の場合、YSZ:炭素=約65:35、約
75:25の2種類が存在することになる。そして、こ
の溶射皮膜を約700℃で4時間熱処理することによ
り、溶射皮膜中の炭素を燃焼させ、多孔質のセラミック
スコーティングを作製した。
【0017】以上のようにして得られた多孔質溶射皮膜
の断面組成像が、図4、図5に示す写真である。図4
は、混合粉末の組成が、YSZ:炭素=約65:35の
場合における溶射皮膜の拡大縦断面写真である。同様
に、図5は、混合粉末の組成が、YSZ:炭素=約7
5:25の場合を示している。いずれも倍率は100倍
である。図4及び図5においても、白色の部分がイット
リア安定化ジルコニア(YSZ)であり、その中に散在
する黒色の部分が空孔であって炭素粉末が存在していた
部分である。なお、溶射皮膜の下部にある黒色の部分は
基板であって、低炭素鋼(S25C)にボンドコートを
施したものからなっているが、この基板は他の超合金等
の金属にボンドコートを施したものとすることも勿論可
能である。
【0018】図4、図5を観察すると、溶射皮膜中にお
ける空孔率は、混合粉末の組成に比例(対応)している
ことがわかる。また、図4及び図5に示す写真を画像解
析することによって、YSZと炭素の体積比を求める
と、YSZ:炭素=約65:35(図4)、約75:2
5(図5)であるものが、それぞれ、約70:30、7
5:25になり、概ね投入した炭素粉末の割合と同等に
なることがわかった。図4の場合における炭素量が実際
よりも若干少ないのは、YSZコーティング炭素粉末の
付着確率が小さかったためであると考えられる。この理
由としては、溶射条件は両者とも同じであるが、膜厚は
図5の場合の方が厚く、図5の場合の付着確率が高かっ
たことを示していると考えられるからである。
【0019】比較例1 比較例として、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)
を100%とした場合を説明する。YSZのみの粉末に
大気溶射を施して溶射皮膜を形成させた。その他の点
は、実施例1、2の場合と同様である。このようにして
得られた溶射皮膜の断面組成像が、図6に示す写真(倍
率100倍)である。図6からわかるように、断面組成
像の溶射皮膜中には、前述した炭素粉末による丸く大き
な空孔は観察されなかった。
【0020】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されているの
で、つぎのような効果を奏する。 (1) 炭素のまわりにセラミックスが存在すること
で、溶射中における炭素の燃焼が防止され、その後の熱
処理で炭素を燃焼させることにより、炭素の存在してい
た部分が空孔となり、多孔質のセラミックスコーティン
グを形成させることができる。 (2) 容易に溶射皮膜中の炭素粉末の混合比や大きさ
を制御することができ、しかも、炭素粉末の大きさが空
孔の大きさと一致するので、その後の熱処理により空孔
率や空孔の大きさを任意に制御することができる。 (3) 溶射皮膜中の炭素粉末の混合比や大きさを順次
変化させることで、溶射皮膜中の空孔率や空孔の大きさ
を順次変化させることもできるので、空孔率や空孔の大
きさを傾斜させた溶射皮膜の形成も可能である。 (4) 本発明の多孔質溶射皮膜をガスタービンの動・
静翼等に適用した場合は、遮熱特性の向上及び部材の長
寿命化を図ることができ、ガスタービンの効率の向上及
び信頼性の向上に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多孔質溶射皮膜の一実施例における金
属組織の拡大縦断面を示す顕微鏡写真である(倍率10
0倍)。
【図2】本発明の多孔質溶射皮膜の他の実施例における
金属組織の拡大縦断面を示す顕微鏡写真である(倍率1
00倍)。
【図3】本発明の多孔質溶射皮膜の他の実施例における
金属組織の拡大縦断面を示す顕微鏡写真である(倍率1
00倍)。
【図4】本発明の多孔質溶射皮膜の他の実施例における
金属組織の拡大縦断面を示す顕微鏡写真である(倍率1
00倍)。
【図5】本発明の多孔質溶射皮膜のさらに他の実施例に
おける金属組織の拡大縦断面を示す顕微鏡写真である
(倍率100倍)。
【図6】イットリア安定化ジルコニア(YSZ)を10
0%とした場合の溶射皮膜の一例における金属組織の拡
大縦断面を示す顕微鏡写真である(倍率100倍)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−104756(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 4/00 - 6/00 C04B 38/00 - 38/10

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックスをコーティングしてなる炭
    素粉末を溶射して形成された溶射皮膜中の炭素を燃焼さ
    せて空孔を形成させてなることを特徴とする多孔質溶射
    皮膜。
  2. 【請求項2】 セラミックスをコーティングしてなる炭
    素粉末とセラミックス粉末との混合粉末を溶射して形成
    された溶射皮膜中の炭素を燃焼させて空孔を形成させて
    なることを特徴とする多孔質溶射皮膜。
  3. 【請求項3】 セラミックスをコーティングしてなる炭
    素粉末におけるセラミックスのコーティング量を変化さ
    せて溶射皮膜中の空孔率を変化させてなる請求項1又は
    2記載の多孔質溶射皮膜。
  4. 【請求項4】 セラミックスをコーティングしてなる炭
    素粉末とセラミックス粉末との混合比を変化させて溶射
    皮膜中の空孔率を変化させてなる請求項2又は3記載の
    多孔質溶射皮膜。
  5. 【請求項5】 セラミックスをコーティングしてなる炭
    素粉末とセラミックス粉末との混合比を順次変化させて
    溶射皮膜中の空孔率を傾斜させてなる請求項2、3、4
    のいずれかに記載の多孔質溶射皮膜。
  6. 【請求項6】 セラミックスをコーティングしてなる炭
    素粉末における炭素粉末の大きさを変化させて溶射皮膜
    中の空孔の大きさを変化させてなる請求項1〜5のいず
    れかに記載の多孔質溶射皮膜。
  7. 【請求項7】 セラミックスをコーティングしてなる炭
    素粉末における炭素粉末の大きさを順次変化させて溶射
    皮膜中の空孔の大きさを傾斜させてなる請求項1〜6の
    いずれかに記載の多孔質溶射皮膜。
  8. 【請求項8】 セラミックスがイットリア安定化ジルコ
    ニアである請求項1〜7のいずれかに記載の多孔質溶射
    皮膜。
  9. 【請求項9】 セラミックスをコーティングした炭素粉
    末を、母材の表面に溶射して溶射皮膜を形成し、つい
    で、該溶射皮膜を熱処理して炭素を燃焼させて空孔を形
    成させることを特徴とする多孔質溶射皮膜の形成方法。
  10. 【請求項10】 セラミックスをコーティングした炭素
    粉末とセラミックス粉末との混合粉末を、母材の表面に
    溶射して溶射皮膜を形成し、ついで、該溶射皮膜を熱処
    理して炭素を燃焼させて空孔を形成させることを特徴と
    する多孔質溶射皮膜の形成方法。
  11. 【請求項11】 セラミックスをコーティングした炭素
    粉末におけるセラミックスのコーティング量を変化させ
    て溶射皮膜中の空孔率を制御する請求項9又は10記載
    の多孔質溶射皮膜の形成方法。
  12. 【請求項12】 セラミックスをコーティングした炭素
    粉末とセラミックス粉末との混合比を変化させて溶射皮
    膜中の空孔率を制御する請求項10又は11記載の多孔
    質溶射皮膜の形成方法。
  13. 【請求項13】 セラミックスをコーティングした炭素
    粉末とセラミックス粉末との混合比を順次変化させて溶
    射皮膜中の空孔率を傾斜させる請求項10、11、12
    のいずれかに記載の多孔質溶射皮膜の形成方法。
  14. 【請求項14】 セラミックスをコーティングした炭素
    粉末における炭素粉末の大きさを変化させて溶射皮膜中
    の空孔の大きさを制御する請求項9〜13のいずれかに
    記載の多孔質溶射皮膜の形成方法。
  15. 【請求項15】 セラミックスをコーティングした炭素
    粉末における炭素粉末の大きさを順次変化させて溶射皮
    膜中の空孔の大きさを傾斜させる請求項9〜14のいず
    れかに記載の多孔質溶射皮膜の形成方法。
  16. 【請求項16】 セラミックスとしてイットリア安定化
    ジルコニアを使用する請求項9〜15のいずれかに記載
    の多孔質溶射皮膜の形成方法。
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