JP3139806B2 - 縫製装置及びその被縫製布搬送体の位置補正方法 - Google Patents

縫製装置及びその被縫製布搬送体の位置補正方法

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JP3139806B2
JP3139806B2 JP04016474A JP1647492A JP3139806B2 JP 3139806 B2 JP3139806 B2 JP 3139806B2 JP 04016474 A JP04016474 A JP 04016474A JP 1647492 A JP1647492 A JP 1647492A JP 3139806 B2 JP3139806 B2 JP 3139806B2
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    • D05SEWING; EMBROIDERING; TUFTING
    • D05BSEWING
    • D05B33/00Devices incorporated in sewing machines for supplying or removing the work

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Sewing Machines And Sewing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、折り込み部と縫製部
と搬送部とから成るポケットセッタのような縫製装置、
及びその被縫製布搬送体の位置補正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、縫製装置の一種としてYシャツ
の身頃にポケットを縫い着けるためのポケットセッタが
あるが、これは、2つの作業ステーションである折り込
み部と縫製部の間を搬送部の搬送体が移動して、折り込
み部で型板に沿って周囲が折り込まれた被縫製布である
ポケット布を、そこにセットされている身頃上に位置決
めした後、それを上記移動体に装着された押え板によっ
て保持して、折り込み部から縫製部へ移動させ、ポケッ
トの形状に合わせて送りながらミシン頭部によって縫製
する構成になっている。
【0003】したがって、この種の縫製装置において
は、折り込み部及び縫製部と搬送体との位置関係が縫い
上がりの品質を左右する重要な要素となる。しかし、実
際に組み上げられた装置では、各部の部材の加工誤差や
組付け時のバラツキ等によって、この位置関係が設計上
の位置関係に対してズレを生ずるため、従来のポケット
セッタでは、搬送体を搬送装置の駆動部に対して長孔に
よって調整可能に取り付け、搬送体の位置を微調整する
ようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな長孔による搬送体の位置調整は作業が面倒で時間が
かかっていた。また、一方の作業ステーションに対して
は、その基準点に搬送体の基準点を一致させるように位
置調整できても、他方の作業ステーションの基準点に対
しては位置調整ができず、両方の作業ステーションと搬
送体との位置調整を可能にするには、例えば一方の作業
ステーションである折り込み部の型板もその取り付け部
に対して長孔によって位置調整可能にして微調整を行な
わなければならず、ますます作業時間がかかり、正確な
位置合わせも困難であった。
【0005】なお、自動ミシンにおいて、X−Y機構に
よって駆動される布送り部材のX−Yの原点とミシンの
針落ち点とのズレを補正する機能を有するものがある
が、これをポケットセッタに利用しても、その搬送体を
2ケ所の基準点に対して原点合わせを行なうことはでき
ず、やはり長孔による微調整が必要となる。
【0006】さらに、例えばポケットセッタの場合、縫
製すべきポケットの形状は各種のデザイン及びサイズに
応じて多数発生するため、折り込み部の折り込みゲージ
と型板及び搬送部の押え板(型板の形状に対応する形状
のスリットが形成されている)を、ポケット形状に対応
する形状のものに容易に交換できるように、それぞれ本
体に対して着脱可能にしている。そのため型板及び押え
板は、交換用チャックによって本体側と結合されている
が、チャックから先の組付けは各型板及び押え板固有の
ものとなる。
【0007】したがって、上記搬送部の搬送体又は押え
板の基準位置と折り込み部及び縫製部の各作業ステーシ
ョンの基準位置との組付け上のズレ等を補正して原点合
わせを行なっても、その後に型板及び押え板を交換する
と、その形状の相違及び組付け誤差等によって調整され
た各基準位置に対するズレが生じ、そのまま縫製を行な
うとミシンの針落点が被縫製布の縫い予定線上からズレ
て、縫製品質が著しく悪化してしまうという問題もあ
る。
【0008】この発明は上記の点に鑑みてなされたもの
であり、縫製装置における複数の作業ステーション間を
移動する搬送体を、その各作業ステーションに対して簡
単な作業で短時間にその位置ズレを補正して正確な位置
決め移動ができるようにすること、及び型板と押え板を
交換しても一度それらの組合せに固有の位置ズレを補正
すれば、それ以後同じ型板と押え板の組合せで縫製する
際には、再調整する必要なく直ちに正確な位置に縫製で
きるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は上記の目的を
達成するため、形状の異なる複数の型板を選択的に装着
し、該型板に沿って被縫製布を折り込む折り込み部と、
ミシンによって縫製を行なう縫製部と、上記型板の形状
に対応する形状のスリットを形成した押え板を搬送体に
選択的に装着し、上記折り込み部で折り込まれた被縫製
布を前記押え板で保持して前記縫製部へ搬送し、上記ミ
シンによる縫製時にその針落点が上記押え板のスリット
内を該スリットに沿って移動するように上記搬送体をX
−Y機構によって直交する2方向へ移動させる搬送部と
からなる縫製装置において、次の(A)〜()の各手
段を設けたものである。
【0010】(A)上記搬送部の搬送体又は押え板の基
準位置と上記折り込み部及び縫製部の各基準位置とのズ
レ量の補正値を前記各基板と押え板の組み合わせ毎に
れぞれ前記X−Y機構のX軸方向及びY軸方向の移動量
として入力する補正値入力手段、 (B)該手段によって入力された各補正値を上記各型板
と押え板の組み合わせ毎に対応する縫製パターンデータ
内に記憶する補正値記憶手段、 ()上記補正値記憶手段に記憶された各補正値に基づ
いて上記搬送体を移動させるように上記X−Y機構を駆
動制御する手段
【0011】また、この発明による被縫製布搬送体の位
置補正方法は、上記の縫製装置において、上記折り込み
部に基準となる型板を、搬送部の搬送体に基準となる押
え板をそれぞれ装着し、該押え板の基準位置と上記折り
込み部及び縫製部の各基準位置とが一致するように調整
し、その後折り込み部及び搬送部の搬送体にそれぞれ他
の型板及び押え板を装着した時、該型板と押え板の組合
せによる上記各基準位置に対するズレ量の補正値をそれ
ぞれ上記X−Y機構のX軸方向及びY軸方向の移動量と
して入力して、該型板と押え板の組合せ毎に対応する縫
製パターンデータ内に記憶させ、以後の該縫製パターン
データによる縫製に際して、該縫製パターンデータ内の
各補正値によって前記X−Y機構の駆動データを補正す
ることを特徴とする。
【0012】
【作用】この発明による縫製装置及びその被縫製布搬送
体の位置補正方法によれば、予めこの搬送体の基準位置
と折り込み部と縫製部の各基準位置とのズレ量の補正値
各基板と押え板の組み合わせ毎にそれぞれX−Y機構
のX軸方向及びY軸方向の移動量として入力するとそれ
が記憶され、以後はその記憶された各補正値に基づいて
搬送体を各作業ステーションへ移動させる際のX−Y機
構の駆動データが補正され、その搬送体が各作業ステー
ションへ正確に移動して被縫製布を常にズレなく位置決
め搬送する。
【0013】また、折り込み部及び搬送部の搬送体にそ
れぞれ他の型板及び押え板を装着した時、該型板と押え
板の組合せによる上記各基準位置に対するズレ量の補正
値をそれぞれ上記X−Y機構のX軸方向及びY軸方向の
移動量として入力して、該型板と押え板の組合せ毎に対
応する縫製パターンデータ内に記憶させれば、以後はそ
の縫製パターンデータによる縫製に際して、該縫製パタ
ーンデータ内の各補正値によって前記X−Y機構の駆動
データを補正するので、同じ折り込みゲージ及び型板と
押え板と縫製パターンデータの組合せで縫製する際に
は、再調整する必要なく直ちに正確な位置に縫製でき
る。
【0014】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて具
体的に説明する。図1はこの発明による縫製装置の一実
施例であるポケットセッタの概略平面図、図2はその周
辺装置も含む概略斜視図である。このポケットセッタは
図1に示すように、それぞれ作業ステーションである折
り込み部1及び縫製部2と、その間で被縫製布であるポ
ケット布(図示せず)を搬送する搬送部3とがテーブル
4上に配置されている。
【0015】折り込み部1は、例えばYシャツのポケッ
ト形状の型板5を本体6に型交換用チャック7によって
ワンタッチで装着し、セットされたポケット布の既に縫
製されている上辺部を除く周囲を内側に折り込む。その
ため、型板5に対応する図2に示すように折り込み装置
(ゲージ)8も装着される。縫製部2にはミシン頭部9
が設置されている。搬送部3にはX−Y機構(テーブ
ル)10によってX軸方向及びY軸方向に移動される搬
送体11を備え、その搬送体11の先端部に板交換用チ
ャック12によって押え板13をワンタッチで装着す
る。
【0016】そして、その押え板13を折り込み部1の
型板5に重なる位置からX軸方向に移動させて、予め折
り込み部1で位置決めして重ね合せた身頃とポケット布
を縫製部2のミシン頭部9による縫製位置まで搬送し、
その針落点が押え板13に形成されたスリット13a内
を該スリットに沿って移動するように、搬送体11及び
押え板13をX−Y機構10によってX軸方向及びY軸
方向へ移動させながら、ミシン頭部9によって縫製する
ようになっている。
【0017】これらの各部の他に、図2に示すように操
作パネル14,ポケット布置き台15,身頃置き台1
6,スタッカ17,糸立て18,スイッチボックス19
等が設けられている。また、図1に示す例では角底のポ
ケットを縫製するため、折り込み部1の本体6に角底の
型板5が、搬送部3の搬送体11に型板5の形状に対応
する角U字状のスリットが形成された押え板13が装着
されているが、丸底のポケットを縫製したい場合には、
これらをそれぞれ図3の(A)に示すような丸底の型板
5′及び、同図(B)に示すような丸U字状(型板5′
の形状に対応する)のスリット13a′が形成された押
え板13′に交換し、それに合わせて折り込み装置8も
交換すればよい。
【0018】その他、各種のデザイン及び大きさのポケ
ットに合わせて、型板及び折り込み装置と押え板の組合
せを用意しておき、それらを適宜交換して使用すること
ができる。その場合、縫製時におけるミシン頭部9の針
落点と押え板との相対移動を制御するための縫製パター
ンデータも、それらの組合せに対応して予め作成してメ
モリやフロッピディスク等に記憶させておき、型板等の
交換に応じてその縫製パターンデータも選択して使用す
る。
【0019】ここで、図1に示す型板5及び押え板13
をそれぞれ基準となる型板及び押え板とし、これらを装
着した時の各部の設計上の基準点の座標を、搬送部3:
Pa(x,y),縫製部2:Pb(xm,ym),折り込
み部1:Pc(xk,yk)とする。 また、搬送部3の
原点を縫製部2の基準点Pb座標(xm,ym)とし、全
ての座標の原点(0,0)とする。この時、y=ym=
yk=0 である。そして、搬送部3の押え板13が折
り込み部1の座標で移動した場合、y=yk−ym=yk
である。
【0020】比較上区別するために、搬送部3の原点
(基準点Pa)の座標を(x0,y0)とする。ここで、
実際に組み上げられた装置については、加工上の誤差や
組付け時のバラツキ等によって、各座標にズレが生じ
る。設計上の上記各基準点の座標に対してこのズレを考
慮すると、搬送部3の原点Paの座標は(x0+Δx0,
y0+Δy0),縫製部2の基準点Pbの座標は(xm+
Δxm,ym+Δym),折り込み部の基準点Pcの座標
は(xk+Δxk,yk+Δyk)となる。
【0021】この時、全体の座標の原点は搬送部3の原
点(x0+Δx0,y0+Δy0)であるために、制御上で
考えた場合これが(x0,y0)となり、他の座標上の基
準が、縫製部2は(xm+Δxm−Δx0,ym+Δym−
Δy0),折り込み部1は(xk+Δxk−Δx0,yk+
Δyk−Δy0)となる。ここで、制御上の座標を考えた
場合、縫製部2で(Δxm−Δx0,Δym−Δy0)、折
り込み部1で(Δxk−Δx0,Δyk−Δy0)のズレが
発生していることになる。
【0022】もともと、搬送部3の搬送体11と一体に
移動する押え板13は、数値によって座標管理されてX
−Y機構10により移動される。そこで、折り込み部1
及び縫製部2の各基準点Pc,Pbのズレ量をこのX−
Y機構8の制御部に数値で与えることによって、そのズ
レ量を補正する処理が可能になる。
【0023】このズレ量を制御部に入力する方法として
は、ディップスイッチに値を設定して、制御部のコンピ
ュータに読み込ませる簡単な方法から、CCDカメラで
各部を撮影して画像処理を行ない、そのズレ量を自動的
にフィードバックさせる高度な方法まで考えられるが、
この実施例における補正値の入力手段及び記憶手段を備
えた制御部を図4によって説明する。
【0024】この縫製装置の制御部20は図4に示すよ
うに、中央処理装置であるCPU21とプログラムメモ
リであるROM22とデータメモリであるRAM23等
からなるマイクロコンピュータによってこの装置全体を
統括制御している。
【0025】24はCPU21とデータやアドレスを遣
り取りするためのバスであり、前述のROM22及びR
AM23の他に、後述する補正値のデータを記憶させる
ためのEE−PROM25、外部記憶装置であるフロッ
ピディスク・ドライブ装置(FDD)27を制御するフ
ロッピディスク・コントローラ(FDC)26、ホスト
コンピュータ等と接続するためのRS−232Cインタ
フェース28、図2に示した折込み装置8やスタッカ1
7等の周辺機器との間でデータを入力及び出力するため
の周辺インタフェース29,30と、LCDコントロー
ラ31、キーボード・インタフェース32、及び3軸サ
ーボコントローラ33が接続されている。
【0026】LCDコントローラ31には、キャラクタ
表示可能な液晶表示器(LCD)34、そのキャラクタ
データを格納したCG−ROM35、及びLCD34に
表示する文字列を展開するビットマップメモリであるV
−RAM36が接続されており、LCD34の画面に後
述する補正値入力用のガイダンス文字や破線によるマト
リクス枠等を表示する(図5乃至図7参照)。
【0027】キーボード・インタフェース32にはキー
マトリクスを構成するタッチパネル37が接続され、そ
のタッチパネル37は、図2に示した操作パネル14上
でLCD34の画面上に重ねて配置されており、これに
よって補正値を入力する。3軸サーボコントローラ33
は、それぞれサーボドライバ38〜40を介してサーボ
モータ41〜43を駆動する。サーボモータ41は図1
に示した押え板13の上下動用、サーボモータ42,4
3はX−Y機構10のX軸駆動用及びY軸駆動用の各モ
ータである。
【0028】次に、この実施例による搬送部の位置補正
のための補正値入力方法について、図5乃至図10を参
照して説明する。この縫製装置に電源投入後の初期状態
では、CPU21はLCDコントローラ31によつて、
操作パネル14のLCD34に図5に示すような「モー
ド変更」の画面を表示させる。この画面には破線によっ
てキーマトリクスの割付けも表示され、これに対応して
タッチパネル37が16×8のキーマトリクスを構成し
ている。
【0029】ここで、「1」の位置をタッチすると、
「XY原点調整」のモード(縫製部2と搬送部3の基準
点を一致させるためのモード)が選択され、CPU21
はLCDコントローラ31によつてLCD34に図6に
示すような「XY原点調整」の画面を表示させる。
【0030】この図6に示すキーマトリクスの5−3及
び5−5の位置に「z」の表示があり、これをタッチす
ると、CPU21が3軸サーボコントローラ33にサー
ボモータ42,43を駆動させ、図1に示した搬送部3
の押え板13を縫製部2の基準点(当初は設計上の基準
点)へ移動させる。そして、各サーボモータ42,43
がZ相のところ(基準点)で停止し、キーマトリクスの
10−3と11−3の位置及び10−5と11−5の位
置に、いずれも「00」を表示する。
【0031】この時、図1に示す押え板13の基準点P
aがミシン頭部9の基準点(針落点)Pbと正確に一致
していればズレがないことになるが、それを目視によっ
て確かめ、もし一致していない場合には、キーマトリク
スの13−3,13−5の位置に対応するLCD24上
にそれぞれ「+」が表示されているので、そのいずれか
を1回押すごとにそれに対応するX軸又はY軸の「0
0」の表示がカウントアップされて「01」,「0
2」,「03」のように変化する。それと同時に、CP
U21が3軸サーボコントローラ33にサーボモータ4
2又は43を所定ピッチで正回転させ、押え板13をX
軸又はY軸の正方向へ0.1mmずつ移動させる。
【0032】同様に、キーマトリクスの15−3,15
−5の位置に対応するLCD34上にそれぞれ表示され
ている「−」のいずれかを1回押すごとに、それに対応
する「00」の表示がカウントダウンされて「−0
1」,「−02」,「−03」のように変化し、それと
同時に、CPU21が3軸サーボコントローラ33にサ
ーボモータ42又は43を所定ピッチで逆回転させ、押
え板13をX軸又はY軸の負方向へ0.1mm ずつ移動さ
せる。
【0033】このようにして、押え板13の基準点Pa
をミシン頭部9の基準点Pbに正確に一致(目視により
確認する)させた後、図6のキーマトリクスの「登録」
と表示されている位置をタッチすると、上述のようにし
て入力されてRAM23に一時記憶されている各補正値
(キーマトリクスに表示されている数値に対応する値)
が、不揮発性メモリであるEE−PROPM25に書き
込まれて登録され、電源をOFFにしてもそのデータが
消えることはない。
【0034】その後、LCD24の画面表示が図5の状
態に戻るので、次に「2」の位置をタッチすると「折り
位置調整」のモード(折り込み部2と搬送部3の基準点
を一致させるためのモード)が選択され、CPU21は
LCDコントローラ31によってLCD34に図7に示
すような「折り位置調整」の画面を表示させる。そし
て、サーボモータ42,43を駆動させて、図1の搬送
部3の押え板13を折り込み部1へ移動させ、その型板
5の基準点Pcに押え板13の基準点Paを一致させよ
うとする。
【0035】しかし、位置ズレがあると一致しないの
で、上述の場合と同様に、タッチパネル37のキーマト
リクス中の「+」又は「−」が表示されている各位置を
タッチして、押え板13の基準点Paを型板5の基準点
Pcに一致(目視により確認する)させた後、登録の位
置をタッチすれば、X軸及びY軸に対してそれぞれ当初
「00」が表示されていた位置に表示される数値に対応
する補正値のデータが、EE−PROM25に書き込ま
れて登録される。
【0036】このようにして、縫製部2及び折り込み部
1に対する位置補正データがEE−PROM25に記憶
されると、CPU21は以後の搬送部3のX−Y機構1
0の制御に際してその補正データを参照し、押え板13
を折り込み部1の基準位置から縫製部2の基準位置ま
で、正確に移動させるように制御する。図8に設計上の
原点と実際の装置における上記各部の基準点Pa,P
b,Pcのx,y座標上での関係を示す。
【0037】このようにして、原点調整及び折り位置調
整を行なえば、基準となる型板5と折り込み装置8及び
押え板13を装着している限り、その組合せに対応する
縫製パターンデータをFDD27によってフロッピディ
スクから読み出してRAM23に格納し、そのデータに
従ってX−Y機構10を制御することにより、押え板1
3を折り込み部1及び縫製部2の各作業ステーション及
び針落点に対して正確に移動させて、高品質の縫製を行
なうことができる。
【0038】しかしながら、前述したように縫製すべき
ポケットのデザインやサイズに応じて、型板と折り込み
装置及び押え板を交換する必要があり、そのため、上述
のように搬送部3の搬送体11又は基準とする押え板1
3の基準位置と折り込み部1及び縫製部2の各作業ステ
ーションの基準位置との組付け上のズレ等を補正して原
点合わせを行なっても、その後に型板及び押え板を交換
すると、その形状の相違及び組付け誤差等によって調整
された各基準位置に対するズレが生じてしまうことにな
る。
【0039】そこで、型板と折り込み装置及び押え板の
各組合せについて、それを最初に装着して使用する際
に、そのズレ量の補正値をX−Y機構10のX軸方向及
びY軸方向の移動量として入力して、それをこの組合せ
に対応する縫製パターンデータ内に記憶させる。この実
施例では、初期状態において操作パネル14のLCD3
4に図5に示した「モード変更」の画面が表示されたと
きに、「3」の「型補正」のモードを選択すると、LC
D34に図9に示す「型補正(押え板)」の画面が表示
される。
【0040】その際、CPU21が3軸サーボコントロ
ーラ33にサーボモータ42,43を駆動させ、図1に
示した搬送部3の押え板(例えば13′)の基準点Pa
を縫製部2の基準点Pbへ移動させようとする。そし
て、各サーボモータ42,43がZ相のところ(基準
点)で停止し、キーマトリクスの10−3と11−3の
位置及び10−5と11−5の位置に、いずれも「0
0」を表示する。
【0041】そこで、両基準点PaとPbが一致してい
るか否かを確認し、一致していなければ前述した図6の
画面によるXY原点調整の場合と同様に、キーマトリク
ス上のX軸及びY軸について「+」が表示されている位
置又は「−」が表示されている位置押して、X−Y機構
10により押え板をX軸及びY軸の正方向又は負方向に
1ピッチ(0.1mm )ずつ移動させて、両基準点Paと
Pbを一致させる。それによって、X軸及びY軸に対し
て表示される数値「00」が増減する。
【0042】両基準点の一致を確認した後、キーマトリ
クス上の「登録」と表示されている位置をタッチする
と、上述のようにして入力されてRAM23に一時記憶
されている各補正値(キーマトリクスに表示されている
数値に対応する値)が、対応する縫製パターンデータ内
に書き込まれる。そして、LCD34の画面が図10に
示す「型補正(型板)」に変わり、X−Y機構により押
え板が折り込み部1の作業ステーションへ移動して、そ
の基準点Paを装着されている型板(例えば5′)の基
準点Pcへ移動させようとする。
【0043】そこで、両基準点PaとPcが一致してい
るか否かを確認し、一致していなければ前述の場合と同
様にして両基準点PaとPcを一致させた後、キーマト
リクス上の「登録」と表示されている位置をタッチす
る。それによって、入力されてRAM23に一時記憶さ
れている各補正値(キーマトリクスに表示されている数
値に対応する値)が、対応する縫製パターンデータ内に
書き込まれ、その縫製パターンデータが不揮発性メモリ
であるEE−PROPM25に書き込まれて登録され、
電源をOFFにしてもそのデータが消えることはない。
あるいは、FDD27によってフロッピディスクに書き
込んで記憶させるようにしてもよい。
【0044】このようにして、各種の型板及び折り込み
装置と押え板の組合せ毎に、各基準位置に対する固有の
補正量をそれぞれX−Y機構のX軸方向及びY軸方向の
移動量として入力して、対応する縫製パターンデータ内
に記憶させておけば、各型毎にその縫製パターンデータ
内に自己の補正値を持つことになる。したがって、その
後同じ型板等の組合せを装着して使用する際には、その
縫製パターンデータ内の補正値によってX−Y機構によ
る移動体11の移動量を補正することができるので、再
調整をする必要なく正確な位置に縫製を行なうことがで
きる。
【0045】さらに、各縫製装置を基準となる同じ型板
及び押え板によって、前述したXY原点調整及び折り位
置調整を行なっておけば、上記各型板及び折り込み装置
と押え板及び縫製パターンデータの組合せによる型が、
一つの縫製装置だけでなく他の縫製装置に対しても互換
性を有することになる。
【0046】なおこの実施例では、図4に示したCPU
11及びLCDコントローラ31,LCD,キーボード
・インタフェース32,タッチパネル(キーマトリク
ス)37等が、補正値入力手段を、RAM23及びEE
−PROM25,FDD27等が補正値記憶手段を、C
PU11及び3軸サーボコントローラ33等がX−Y機
構を制御する手段をそれぞれ構成している。
【0047】以上、この発明をポケットセッタに適用し
た実施例について説明したが、この発明はこれに限るも
のではなく、形状の異なる複数の型板を選択的に装着
し、該型板に沿って被縫製布を折り込む折り込み部と、
ミシンによって縫製を行なう縫製部と、前記型板の形状
に対応する形状のスリットを形成した押え板を搬送体に
選択的に装着し、折り込み部で折り込まれた被縫製布を
押え板で保持して縫製部へ搬送し、ミシンによる縫製時
にその針落点が押え板のスリット内を該スリットに沿っ
て移動するように搬送体をX−Y機構によって直交する
2方向へ移動させる搬送部とからなる縫製装置には、全
て同様に適用し得るものである。
【0048】
【発明の効果】この発明によれば、縫製装置における折
り込み部と縫製部の各作業ステーション間をX−Y機構
によって移動される押え板を装着する搬送体の位置補正
データを予め入力して記憶させておくだけで、それ以後
は搬送体の駆動データが補正され、押え板が各作業ステ
ーションへ正確に移動して被縫製布をズレなく位置決め
搬送する。したがって、各作業ステーションに対する搬
送体の位置調整を簡単に短時間で行なうことができ、加
工及び組付け誤差を吸収できるので、加工精度を落して
設計の効率化及びコスト低減を図ることができる。しか
も、縫製品質を向上させることができる。
【0049】また、型板と押え板等を交換しても、一度
それらの組合せに固有の位置ズレを補正して、その補正
値を縫製パターンデータ内に記憶させれば、それ以後同
じ型板と押え板の組合せで縫製する際には、再調整する
必要なく直ちに正確な位置に縫製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による縫製装置の一実施例を示すポケ
ットセッタの概略平面図である。
【図2】同じくそのその周辺装置も含む概略斜視図であ
る。
【図3】同じく交換可能な異なる形状の型板及び押え板
の例を示す斜視図である。
【図4】図1及び図2に示したポケットセッタの制御部
のブロック構成図である。
【図5】図2のタッチパネルと重ねて配置されたLCD
のモード選択用の表示画面の一例を示す図である。
【図6】同じくそのXY原点調整用の表示画面の一例を
示す図である。
【図7】同じくその折り位置調整用の表示画面の一例を
示す図である。
【図8】設計上の原点と実際の装置の各部の基準点のx
−y座標上での関係を示す図である。
【図9】図2のタッチパネルと重ねて配置されたLCD
の型補正(押え板)用の表示画面の一例を示す図であ
る。
【図10】同じくその型補正(型板)用の表示画面の一
例を示す図である。
【符号の説明】
1 折り込み部 2 搬送部 3 縫
製部 4 テーブル 5,5′ 型板 6 折
り込み部の本体 7 型交換用チャック 8 折り込み装置(ゲージ) 9 ミシン頭部 10 X−Y機構 11
移動体 12 板交換用チャック 13,13′ 押え
板 14 操作パネル 15 ポケット布置き台 16 身頃置き台 17 スタッカ 18
糸立て 19 スイッチボックス 20
制御部 21 CPU 22 ROM 23
RAM 25 EE−PROM(補正値のデータを記憶するメモ
リ) 27 フロッピディスク・ドライブ装置(FDD) 31 LCDコントローラ 32 キーボード
・インタフェース 33 3軸サーボコントローラ 34 液晶表示
(LCD) 37 タッチパネル(キーマトリクス) 42 サーボモータ(X軸駆動用) 43 サーボモー
タ(Y軸駆動用)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 形状の異なる複数の型板を選択的に装着
    し、該型板に沿って被縫製布を折り込む折り込み部と、
    ミシンによって縫製を行なう縫製部と、前記型板の形状
    に対応する形状のスリットを形成した押え板を搬送体に
    選択的に装着し、前記折り込み部で折り込まれた被縫製
    布を前記押え板で保持して前記縫製部へ搬送し、前記ミ
    シンによる縫製時にその針落点が前記押え板のスリット
    内を該スリットに沿って移動するように前記搬送体をX
    −Y機構によって直交する2方向へ移動させる搬送部と
    からなる縫製装置において、 前記搬送部の搬送体又は押え板の基準位置と前記折り込
    み部及び縫製部の各基準位置とのズレ量の補正値を前
    型板と押え板の組合せ毎にそれぞれ前記X−Y機構の
    X軸方向及びY軸方向の移動量として入力する補正値入
    力手段と、 該手段によって入力された各補正値を前記型板と押え
    板の組合せ毎に対応する縫製パターンデータ内に記憶す
    る補正値記憶手段と、 前記補正値記憶手段に記憶された各補正値に基づいて前
    記搬送体を移動させるように前記X−Y機構を駆動制御
    する手段とを備えたことを特徴とする縫製装置。
  2. 【請求項2】 形状の異なる複数の型板を選択的に装着
    し、該型板に沿って被縫製布を折り込む折り込み部と、
    ミシンによって縫製を行なう縫製部と、前記型板の形状
    に対応する形状のスリットを形成した押え板を搬送体に
    選択的に装着し、前記折り込み部で折り込まれた被縫製
    布を前記押え板で保持して前記縫製部へ搬送し、前記ミ
    シンによる縫製時にその針落点が前記押え板のスリット
    内を該スリットに沿って移動するように前記搬送体をX
    −Y機構によって直交する2方向へ移動させる搬送部と
    からなる縫製装置において、 前記折り込み部に基準となる型板を、前記搬送部の搬送
    体に基準となる押え板をそれぞれ装着し、 該押え板の基準位置と前記折り込み部及び縫製部の各基
    準位置とが一致するように調整し、 の後前記折り込み部及び前記搬送部の搬送体にそれぞ
    れ他の型板及び押え板を装着した時、該型板と押え板の
    組合せによる前記各基準位置に対するズレ量の補正値を
    それぞれ前記X−Y機構のX軸方向及びY軸方向の移動
    量として入力して、該型板と押え板の組合せ毎に対応す
    る縫製パターンデータ内に記憶させ、 以後の該縫製パターンデータによる縫製に際して、該縫
    製パターンデータ内の各補正値によって前記X−Y機構
    の駆動データを補正することを特徴とする被縫製布搬送
    体の位置補正方法。
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