JP3139261B2 - 圧電共振子 - Google Patents

圧電共振子

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JP3139261B2
JP3139261B2 JP06019649A JP1964994A JP3139261B2 JP 3139261 B2 JP3139261 B2 JP 3139261B2 JP 06019649 A JP06019649 A JP 06019649A JP 1964994 A JP1964994 A JP 1964994A JP 3139261 B2 JP3139261 B2 JP 3139261B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧電共振子に関し、特
に、圧電効果により共振する共振部に動吸振部が連結さ
れた構造を有する圧電共振子に関する。
【0002】
【従来の技術】圧電共振子において、種々のモードで共
振する共振部の振動エネルギーを閉じ込めるための構造
として、動吸振部を共振部に連結した動吸振部内蔵型の
圧電共振子が提案されている。図1(a)及び(b)
は、従来の動吸振部内蔵型の圧電共振子の一例を示す平
面図及び圧電板を透かして下方の電極形状を示した模式
的平面図である。
【0003】圧電共振子1は、共振部2と、支持部3,
4と、動吸振部5,6と、連結部7,8と保持部9,1
0とを有する。これらの各部分は、圧電セラミック板を
図示の平面形状を有するように機械加工することにより
一体に形成されている。
【0004】中央に配置された共振部2は、矩形の圧電
板部分を有し、該圧電板部分は厚み方向に分極処理され
ている。共振部2では、上面及び下面に共振電極2a,
2bが全面に形成されている。従って、共振電極2a,
2bから交流電圧を印加することにより、圧電板部分が
正方形の場合には拡がり振動モードで、正方形以外の矩
形の場合には、幅拡がりモードで共振部2が励振され
る。
【0005】共振部2の振動のノード点付近に支持部
3,4が連結されており、該支持部3,4を介して、動
吸振部5,6が連結されている。動吸振部5,6は、屈
曲モードで振動するように構成されており、共振部2が
励振された際に、支持部3,4に漏洩してきた振動によ
り共振し、伝達してきた振動を動吸振現象により減衰さ
せる機能を有する。動吸振現象の詳細は、例えば谷口修
著「振動工学」第113頁〜第116頁(コロナ社)に
記載されている。簡単に言えば、動吸振現象とは、振動
が防止されるべき主振動体に、副振動体を連結し、該副
振動体の固有振動数を適当に選ぶことにより、主振動体
の振動が抑制される現象である。圧電共振子1では、支
持部3,4が上記主振動体に相当し、動吸振部5,6が
副振動体に相当する。すなわち、支持部3,4に漏洩し
てきた振動は、動吸振部5,6により減衰される。
【0006】共振電極2a,2bは、それぞれ、上面及
び下面において、接続導電部11,12により、保持部
9,10の上面あるいは下面に形成された端子電極1
3,14に電気的に接続されている。
【0007】圧電共振子1では、動吸振部5,6が設け
られている部分までに共振エネルギーが閉じ込められる
ため、上記保持部9,10を利用して機械的に保持する
ことができ、かつ端子電極13,14により外部と電気
的に接続することができる。
【0008】ところで、動吸振現象を効果的に利用する
には、動吸振部5,6の共振周波数を、共振部2の共振
周波数に一致させる必要がある。従って、屈曲モードで
振動する動吸振部5,6の寸法を選ぶことにより、その
共振周波数を調整する必要がある。
【0009】他方、動吸振部5,6の周波数調整を行う
には、動吸振部の幅W及び長さLを調整する必要があ
る。すなわち、幅Wが大きくなる程共振周波数が高くな
り、長さLが大きくなる程、動吸振部の共振周波数が低
くなる。
【0010】従来、動吸振部5,6の幅W及び長さLを
調整することにより、共振部2の共振周波数に動吸振部
5,6の共振周波数を一致させていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、圧電板
を機械加工することにより動吸振部5,6を形成しよう
とした場合、従来、煩雑な工程が強いられていた。これ
を、図2を参照して説明する。図2(a)及び(b)
は、図1に示した圧電共振子1における動吸振部6の上
半分を加工する状態を説明するための部分平面図であ
る。まず、矩形の圧電板15を用意する。圧電板15の
一方端縁15aから、同一のブレードを用いて溝加工
し、第1,第2の溝16,17を形成する。これによっ
て、第1の溝16の側方に共振部2を構成する。他方、
第1,第2の溝16,17間に動吸振部6Aを形成す
る。また、第2の溝17の外側には保持部10を形成す
る。
【0012】この状態では、動吸振部6Aの共振周波数
が低すぎるため、第1,第2の溝16,17の形成に用
いたブレードよりも厚みの厚いブレードを用い、動吸振
部6Aの長さLを短くするように溝加工する。このよう
にして、長さLが短くされた動吸振部6を得る(図2
(b)参照)。
【0013】すなわち、上述した加工方法では、第1,
第2の溝16,17を形成するに際し、細いブレードで
溝入れ加工した後に、ブレードを交換し、動吸振部6A
よりも幅の広いブレードを用いて溝入れ加工し、動吸振
部6Aの長さを短縮させていた。
【0014】あるいは、第1,第2の溝16,17を加
工する際に用いたブレードを使用し、動吸振部6Aの先
端を削りとりつつ、少しづつ幅方向にずらし、何回も溝
入れ加工する方法も採用されていた。
【0015】よって、従来の加工方法では、動吸振部6
Aを短くするに際し、ブレードの交換や多数回に渡る溝
入れ加工などの長時間の加工工程を実施しなければなら
ず、コストが高くつくという欠点があった。
【0016】他方、動吸振部6の共振周波数を高めるに
は、動吸振部6Aの長さを短くする方法の他、幅Wを大
きくすることにより共振周波数を高めることも可能であ
る。しかしながら、共振周波数を高めるために、動吸振
部6の幅Wを拡げた場合には、図3に示すように、幅W
が大きくなる。その結果、圧電共振子の上記幅W方向の
寸法が大きくなるという欠点があった。
【0017】本発明の目的は、動吸振部内蔵型の圧電共
振子において、比較的簡単な工程により安価に動吸振部
を構成することができ、しかも圧電共振子の小型化を進
めることが可能な圧電共振子を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、矩形の圧電板
を用いて構成されており、複数の共振電極を有する共振
部と、共振部の振動を受けて、該振動の周波数と一致し
た共振周波数で共振するように構成された動吸振部とを
備える圧電共振子であって、前記矩形の圧電板の少なく
とも一の端縁から該端縁に直交するように圧電板中央側
向かって互いに平行に延びる第1,第2の溝が設けら
れており、前記共振部が第1,第2の溝の一方の溝の外
の圧電板部分において構成されており、第1,第2の
溝間の圧電板部分により動吸振部が構成されており、前
記第1,第2の溝間において前記端縁から圧電板中央側
に向かって延びるように、かつ第1,第2の溝と同一幅
で第1,第2の溝よりも浅くなるように第3の溝が前記
動吸振部に形成されていることを特徴とする、圧電共振
子である。好ましくは、前記共振部の両側に第1,第2
の溝及び動吸振部が設けられている。 また、さらに好ま
しくは、前記第1,第2の溝の幅が等しくされている。
【0019】
【作用】動吸振部を構成するための第1,第2の溝が同
一幅とされており、かつ動吸振部に形成される第3の溝
も第1,第2の溝と同一幅とされている。従って、第
1,第2の溝及び第3の溝を同一のブレードを用いて形
成することができる。
【0020】しかも、上記第3の溝を形成することによ
り、動吸振部の共振周波数を低めることができる。よっ
て、共振部の共振周波数に動吸振部の共振周波数を一致
させる工程を、上記第3の溝の深さを調整することによ
り容易に行うことができる。
【0021】すなわち、本発明は、動吸振部に第1,第
2の溝と同一幅の第3の溝を形成することにより動吸振
部の共振周波数を調整し、それによって動吸振部の周波
数調整を容易としたことに特徴を有する。
【0022】
【実施例の説明】以下、図面を参照しつつ実施例を説明
することにより、本発明を明らかにする。
【0023】図4(a)及び(b)は、本発明の一実施
例に係る圧電共振子を示す平面図及び圧電板を透かして
下方の電極形状を示した模式的平面図である。圧電共振
子21は、中央に矩形の圧電板部分を用いて構成された
共振部22を有する。共振部22の外側には、支持部2
3,24、動吸振部25,26、連結部27,28及び
保持部29,30が形成されている。これらの各部分
は、圧電セラミック板を図示のような平面形状を有する
ように機械加工するように構成されており、従って一体
化されている。
【0024】共振部22は、平面形状が矩形の圧電セラ
ミック板部分で構成されており、厚み方向に分極処理さ
れている。共振部22においては、上面及び下面の全面
に共振電極22a,22bが形成されている。共振電極
22a,22bは、それぞれ、上面及び下面において、
接続導電部31,32を介して端子電極33,34に電
気的に接続されている。接続導電部31,32及び端子
電極33,34は、従来の接続導電部11,12及び端
子電極13,14と同様に構成されている。また、上記
共振部22は、矩形の圧電板の拡がりモードまたは幅拡
がりモードを利用した共振部として構成されている。す
なわち、端子電極33,34から交流電圧を印加するこ
とにより、共振部22は幅拡がりモードまたは拡がりモ
ードで励振される。
【0025】支持部23,24は、上記共振部22の振
動のノード点である一の辺の中央部に連結されている。
従って、支持部23,24には、共振部22の励振に際
しての振動エネルギーはさほど伝達されてこない。しか
しながら、支持部23,24に漏洩してきた振動は、動
吸振現象により、上記動吸振部25,26により減衰さ
れる。動吸振部25,26は、動吸振現象により上記振
動を減衰させるために、その共振周波数は、共振部22
の共振周波数と一致されている。
【0026】本実施例では、動吸振部25,26の周波
数調整を行うために、動吸振部25,26は、圧電板に
第1,第2の溝35,36を形成し、さらに第3の溝3
7を形成することにより構成されている。これを、図5
を参照して説明する。
【0027】図5は、動吸振部26の上半分を形成する
工程を説明するための模式的部分平面図である。まず、
上記圧電共振子21を得るための矩形の圧電板40を用
意し、該圧電板40の一方端縁40aから、所定の幅の
ブレードを用い第1,第2の溝35,36を形成する。
第1,第2の溝35,36は、同一幅W1 を有し、端縁
40aから圧電板40の中央方向に延び、かつ互いに平
行に形成されている。第1,第2の溝35,36を形成
することにより、第1の溝35の外側に上記共振部22
を構成するための圧電板部分22Aが形成される。ま
た、第2の溝36の外側には、保持部30を形成するた
めの圧電板部分が構成される。
【0028】また、第1,第2の溝35,36間には、
動吸振部26を構成するための圧電板部分26aが形成
される。本実施例では、上記第1,第2の溝35,36
を所定幅のブレードを用いて2回溝入れ加工することに
より形成した後、第3の溝37も同一のブレードを用い
て形成される。すなわち、第3の溝37は、第1,第2
の溝35,36と同一幅W1 で形成されており、かつ端
縁40aから圧電板40の中央方向に延びるように、た
だしその深さが第1,第2の溝35,36よりも浅くな
るように形成されている。
【0029】本実施例の圧電共振子では、第3の溝37
が動吸振部26に形成されているため、該第3の溝37
の深さを調整することにより、動吸振部26の共振周波
数を調整することができる。例えば、共振周波数を高め
たい場合には、上記第3の溝37を深くすればよく、共
振周波数を低めたい場合には、第3の溝37を浅くすれ
ばよい。すなわち、図5に示す第3の溝37の両側にお
ける幅寸法W2 ,W3、第1,第2の溝35,36の深
さL1 ,L2 及び第3の溝37の深さL3 を適当に選択
することにより、動吸振部26の共振周波数を容易に調
整することができる。第1、第2の溝深さL1 ,L2
必ずしも等しくする必要はない。
【0030】もっとも、第3の溝37は、第1,第2の
溝35,36よりも浅く形成する必要がある。これは、
第1,第2の溝35,36よりも第3の溝37が深くな
ると、動吸振部26が屈曲振動で共振し得なくなるから
である。
【0031】上記のように、動吸振部26の共振周波数
の調整は、単一のブレードを用いて3回の溝入れ加工を
するだけで行うことができるため、従来の動吸振部内蔵
型の圧電共振子に比べて、動吸振部の周波数調整を極め
て簡単に行うことができる。
【0032】図5を参照して、動吸振部26の上半分を
形成する工程を説明したが、動吸振部26の下方部分も
同様にして加工される。また、他方の動吸振部25につ
いても上記と同様にして形成することができる。
【0033】なお、上記実施例では、動吸振部に第3の
溝37を一方形成していたが、第3の溝は複数本形成さ
れていてもよい。すなわち、動吸振部36において、図
示の第3の溝37に変えて、第1,第2の溝35,36
と同一幅で2本以上の溝を第3の溝として形成してもよ
い。さらに、複数本の第3の溝を形成する場合、互いの
深さが異なっていてもよい。
【0034】この場合、第3の溝37の両側の動吸振部
部分26B,26Cは、それぞれ、屈曲振動で振動され
てもよく、あるいは一方が屈曲振動で、他方が長さ振動
モードなどの他の振動モードで振動してもよく、その場
合には複合振動により動吸振部26全体が動吸振部とし
て機能することになる。
【0035】なお、上述した実施例では、共振部22と
して、圧電板の拡がりモードまたは幅拡がりモードを利
用した圧電共振部を示したが、本発明における圧電共振
子の圧電共振部については、長さモードやすべりモード
などの他の振動モードを利用したものであってもよい。
【0036】本実施例の圧電共振子1は、図4に示した
保持部29,30により機械的に保持することによりチ
ップ型電子部品やリード端子付きの電子部品として構成
することができる。
【0037】図6及び図7はチップ型圧電共振部品とし
て構成した例を説明するための分解斜視図及び斜視図で
ある。図6に示すように、圧電共振子21の側方に、略
コの字状のプレート51,52が接着剤等を用いて固定
されている。プレート51,52は圧電共振子21と同
等の厚みを有し、かつ内側端縁に切欠51a,52aを
有する。切欠51a,52aは、圧電共振子21の振動
部分の振動を妨げないための空間を圧電共振子21の振
動部分の側方に確保するために設けられている。
【0038】上記プレート51,52を接着することに
より、共振プレート53が構成されている。共振プレー
ト53の上面及び下面には矩形枠状のスペーサ54,5
5を介して封止板56,57が接着される。スペーサ5
4,55は、開口54a,55aを有し、圧電共振子2
1の上下に振動部分の振動を妨げないための空間を確保
するために配置されており、合成樹脂などの適宜の部材
から構成される。また、スペーサ54,55に変えて、
矩形枠状に接着剤を塗布することにより振動空間を確保
してもよい。さらに、封止板56の下面または封止板5
7上面に矩形の凹部を形成し、それによって上記スペー
サ54,55を省略してもよい。
【0039】共振プレート53の上下に、スペーサ5
4,55を介して封止板56,57を貼り合わせ、さら
に図7に示す外部電極58,59を形成することにより
チップ型圧電共振部品60を得ることができる。なお、
外部電極58,59は、スパッタリングまたはメッキ等
の適宜の方法により形成することができ、外部電極58
は圧電共振子21の一方の端子電極33(図4参照)
に、外部電極59は他方の端子電極34(図4参照)に
電気的に接続される。
【0040】また、特に図示はしないが、図4に示した
圧電共振子21では、端子電極33,34にリード端子
をはんだ付け等により接合し、周囲を樹脂外装で覆うこ
とにより、リード付きの電子部品として構成することも
可能である。もっとも、この場合、振動部分の振動を確
保するための空間を内部に形成するために、予めワック
スを塗布し、しかる後外装樹脂構成用の熱硬化性樹脂を
被覆し熱硬化させることが必要である。
【0041】本実施例は、圧電共振子に限らず、複数の
圧電共振子を組み合わせたフィルタにも用いることがで
きる。図8〜図14は、上述した実施例の圧電共振子2
1を用いた3段のラダー型フィルタを説明するための図
である。
【0042】すなわち、図10に示す第1のチップ型フ
ィルタ71と、図13に示す第2のチップ型フィルタ9
1とを後述のように接続することにより3段のラダー型
フィルタを構成することができる。
【0043】第1のチップ型フィルタ素子を図8に分解
斜視図で示す。第1のチップ型フィルタ素子は、上述し
た実施例の圧電共振子21の側方にすべりモードを利用
した圧電共振子72,73及び保護プレート74,75
を絶縁性接着剤で貼り合わせてなる共振プレート76を
有する。
【0044】圧電共振子72は、図9に示すように、矩
形の圧電板72aを用いて構成されている。圧電板72
aは、長さ方向Pに分極軸が揃うように分極処理されて
いる。圧電波72aの両側面には、中央領域において圧
電板72aを介して対向するように第1,第2の共振電
極72b,72cが形成されている。共振電極72b
は、圧電板72aの一端から溝72dまで至るように延
ばされている。また、溝72dと所定距離を隔てて溝7
2eが形成されており、その間に動吸振部72fが構成
されている。
【0045】圧電板72aの他方側面側においても、共
振電極72cが溝72fまで延びるように形成されてい
る。溝72fと所定距離隔てて溝72gが形成されてお
り、それによって溝72f,72g間に動吸振部72h
が形成されている。
【0046】圧電共振子72は、第1,第2の共振電極
72b,72cから交流電圧を印加することによりすべ
りモードで共振し、かつ上述した動吸振部72f,72
hによりその共振エネルギーが共振部に効果的に閉じ込
められる。なお、図8に示した他方の圧電共振子73に
ついても、圧電共振子72と同様に構成されている。
【0047】図8において、共振プレート76の上面に
は、圧電共振子21,72,73の一方の共振電極に接
続される端子電極77〜79が形成されている。また、
図8において共振プレート76の側方に模式的に示すよ
うに共振プレート76の下面においても、各共振子2
1,72,73の他方の共振電極に接続される端子電極
80,81,82が形成されている。
【0048】共振プレート76の上下には、絶縁性接着
剤を介して封止板83,84が貼り合わされる。封止板
83の下面及び封止板84の上面には、矩形の凹部84
aが形成される。
【0049】上記封止板83,84を貼り合わせ、図1
0に示すように外部電極85a〜85c及び85d〜8
5fを形成することによりチップ型フィルタ素子71が
得られる。このチップ型フィルタ素子71では、外部電
極85a〜85fを形成することにより、図11に示す
フィルタ回路を構成することができる。すなわち、外部
電極85aを図11の入力端INとし、外部電極85d
〜85fを共通接続し、外部電極85bを図11のグラ
ンド電位に接続される端子Gとし、外部電極85cを出
力端OUTとすることにより、図11に示す回路を構成
することができる。
【0050】次に、図13に示した第2のチップ型フィ
ルタ素子91の構造を図12を参照して説明する。本実
施例では、図9に示したすべりモードを利用した動吸振
部内蔵型の圧電共振子72の側方に上述した実施例の圧
電共振子21,21を貼り合わせ、さらに側方に保護プ
レート92,93を貼り合わせることにより共振プレー
ト94が構成されている。
【0051】共振プレート94の上面には、圧電共振子
72,21,21の一方の共振電極にそれぞれ電気的に
接続される端子電極95,96,97が形成されてい
る。また、共振プレート94の下面には、同様に各共振
子の他方の共振電極にそれぞれ電気的に接続される端子
電極98,99,100が形成されている。
【0052】共振プレート94の上面及び下面には、図
8に示したのと同一の封止板83,84が絶縁性接着剤
により貼り合わされる。しかる後、図13に示す外部電
極101a〜101c及び101d〜101fを形成す
ることにより第2のチップ型フィルタ素子91が構成さ
れている。第2のチップ型フィルタ素子91では、外部
電極101a〜101fを形成することにより図14に
示すフィルタ回路を構成することができる。すなわち、
外部電極101a,101bを共通接続し、入力端IN
とし、外部電極101e,101fを共通接続し、図1
4の出力端OUTとし、外部電極101c,101d
を、それぞれ図14に示したグラウンド電位に接続され
る端子Eとして用いることにより、図14に示すフィル
タ回路を構成することができる。
【0053】よって、図10に示した第1のチップ型フ
ィルタ素子71と図13に示した第2のチップ型フィル
タ素子91とを接続することにより、3段のラダー型フ
ィルタとして用いることができる。
【0054】上記のようなラダー型フィルタにおいて
も、本実施例の圧電共振子21における動吸振部の周波
数調整が極めて容易に行われ得るため、エネルギー閉じ
込め効率に優れた圧電共振子21を用いることにより特
性の優れたラダー型フィルタを提供することができる。
【0055】
【発明の効果】本発明では、第1,第2の溝を圧電板に
溝加工することにより動吸振部が構成されており、かつ
第1,第2の溝と同一幅の第3の溝を動吸振部に形成す
ることにより動吸振部の周波数調整を極めて容易にかつ
簡単に行うことができる。すなわち、単一のブレードを
用いて溝加工の回数を増加させるだけで所望の周波数で
共振する動吸振部を容易に構成することができるため、
動吸振部内蔵型の圧電共振子の加工時間及びコストを低
減することができる。
【0056】しかも、動吸振部の共振周波数を低める際
にも、動吸振部の幅を大きくする必要がないため、動吸
振部内蔵型圧電共振子を大型化するおそれもない。すな
わち、小型であり、かつ容易に動吸振部の周波数調整を
行い得る圧電共振子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は、従来の動吸振部内蔵型の
圧電共振子を説明するための平面図及び圧電板を透かし
て下方の電極形状を示した模式的平面図。
【図2】(a)及び(b)は、それぞれ、従来の動吸振
部を加工する工程を説明するための部分平面図。
【図3】従来の動吸振部内蔵型圧電共振子における動吸
振部の共振周波数を低める場合の調整方法の一例を説明
するための部分平面図。
【図4】(a)及び(b)は、実施例の圧電共振子を示
す平面図及び圧電板を透かして下方の電極形状を示した
模式的平面図。
【図5】実施例の圧電共振子の動吸振部を説明するため
の部分平面図。
【図6】実施例の圧電共振子を用いて構成されたチップ
型圧電共振部品の分解斜視図。
【図7】チップ型圧電共振部品を示す斜視図。
【図8】実施例の圧電共振子を用いた第1のフィルタ素
子の分解斜視図。
【図9】図8のフィルタ素子に用いられる圧電共振子を
示す斜視図。
【図10】第1のフィルタ素子を示す斜視図。
【図11】第1のフィルタ素子の回路構成を示す図。
【図12】実施例の圧電共振子を用いて構成された第2
のフィルタ素子の分解斜視図。
【図13】第2のフィルタ素子を示す斜視図。
【図14】図13に示した第2のフィルタ素子の回路構
成を示す図。
【符号の説明】
21…圧電共振子 22…共振部 25,26…動吸振部 35,36…第1の溝 37…第2の溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−77013(JP,A) 特開 昭55−140313(JP,A) 特開 昭55−96713(JP,A) 特開 平4−67762(JP,A) 特開 平4−17560(JP,A) 特開 平2−260191(JP,A) 特開 平6−21743(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 9/00 - 9/215

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 矩形の圧電板を用いて構成されており、
    複数の共振電極を有する共振部と、共振部の振動を受け
    て、該振動の周波数と一致した共振周波数で共振するよ
    うに構成された動吸振部とを備える圧電共振子であっ
    て、 前記矩形の 圧電板の少なくとも一の端縁から該端縁に直
    交するように圧電板中央側に向かって互いに平行に延び
    る第1,第2の溝が設けられており、前記共振部が
    1,第2の溝の一方の溝の外側の圧電板部分において構
    成されており、第1,第2の溝間の圧電板部分により
    吸振部が構成されており、 前記第1,第2の溝間において前記端縁から圧電板中央
    側に向かって延びるように、かつ第1,第2の溝と同一
    幅で第1,第2の溝よりも浅くなるように第3の溝が前
    記動吸振部に形成されていることを特徴とする、圧電共
    振子。
  2. 【請求項2】 前記共振部の両側に第1,第2の溝及び
    動吸振部が設けられている、請求項1に記載の圧電共振
    子。
  3. 【請求項3】 前記第1,第2の溝の幅が等しい、請求
    項1または2に記載の圧電共振子。
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