JP3141709B2 - 圧電共振子 - Google Patents

圧電共振子

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JP3141709B2
JP3141709B2 JP06272332A JP27233294A JP3141709B2 JP 3141709 B2 JP3141709 B2 JP 3141709B2 JP 06272332 A JP06272332 A JP 06272332A JP 27233294 A JP27233294 A JP 27233294A JP 3141709 B2 JP3141709 B2 JP 3141709B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エネルギー閉じ込め型
の圧電共振子に関し、特に、任意の圧電材料を用いて構
成し得るエネルギー閉じ込め型の圧電共振子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のエネルギー閉じ込め型圧電共振子
は、圧電体の一部に圧電共振部を限定的に形成すること
により構成されていた。このようなエネルギー閉じ込め
型圧電共振子の一例を、図1に斜視図で示す。
【0003】図1に示すエネルギー閉じ込め型の圧電共
振子1は、厚み縦振動モードを利用したものである。圧
電共振子1は、厚み方向Pに分極処理された矩形板状の
圧電基板2を有する。圧電基板2の上面2a上には、中
央に第1の励振電極3が形成されている。第1の励振電
極3は、接続導電部4,4により、端子電極5に電気的
に接続されている。端子電極5は、圧電基板2の上面2
aの一方端縁に沿うように形成されている。
【0004】圧電基板2の下面2bにおいても、特に図
示はしないが、中央領域に第2の励振電極が形成されて
おり、該第2の励振電極は、第1の励振電極3と圧電基
板2を介して表裏対向する位置に形成されている。ま
た、第2の励振電極も、接続導電部を介して端子電極に
電気的に接続されている。なお、圧電基板2の下面2b
上では、端子電極は、端子電極5が形成されている側と
は反対側の端縁に沿うように形成されている。
【0005】圧電共振子1では、第1の励振電極3と、
第2の励振電極とに交流電圧を印加することにより、第
1の励振電極3と、第2の励振電極とが表裏対向してい
る共振部が、厚み縦振動モードで励振される。この場
合、厚み縦振動モードの振動は、上記共振部に閉じ込め
られ、周囲の領域にはほとんど漏洩しない。もっとも、
幾らかの振動が漏洩するため、共振部の周囲にある程度
の大きさの圧電共振部分が振動減衰領域として形成され
ている。
【0006】すなわち、圧電共振子1では、共振部が圧
電基板2の中央領域に限定して構成されているので、厚
み縦振動モードのエネルギーが閉じ込められる。このよ
うな圧電共振子1を得る場合、圧電基板2は、ポアソン
比σが1/3以上の材料で構成することが必要であっ
た。すなわち、ポアソン比σが1/3未満の材料を用い
た場合には、上記のようなエネルギーの閉じ込めは不可
能といわれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のエネルギー閉じ
込め型の圧電共振子1では、圧電基板2の一部の領域に
共振部を構成してエネルギー閉じ込めを果たすものであ
るため、共振部の周囲に余分な圧電基板部分を必要とせ
ざるを得なかった。そのため、圧電共振子1では、小型
化が非常に困難であった。
【0008】加えて、ポアソン比σが1/3以上の材料
を用いなければエネルギー閉じ込めが不可能であったた
め、使用できる圧電材料が限定されるという問題もあっ
た。よって、温度特性や信頼性などに優れた圧電材料で
あっても、ポアソン比σの制約により使用することがで
きなかった。
【0009】本発明の目的は、小型化が容易であり、か
つ任意の圧電材料を用いて構成することが可能なエネル
ギー閉じ込め型の圧電共振子を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願発明者は、上述した
課題を達成すべく鋭意検討した結果、回転対称形状を有
する圧電振動体を用い、その寸法及び構成材料のポアソ
ン比を選択することにより、上記課題を達成し得る圧電
共振子を提供し得ることを見い出し、本発明を成すに至
った。
【0011】すなわち、本発明は、分極軸に平行な中心
軸を有し、かつ該中心軸を含む矩形の断面を回転させて
得られた回転対称形状を有する圧電振動体と、前記圧電
振動体の前記中心軸に直交する両主面に形成された励振
電極とを備え、 前記矩形の断面の長辺の長さをb、短
辺の長さをa、圧電振動体を構成している材料のポアソ
ン比をσとしたときに、比b/aが、
【0012】
【数2】
【0013】を満たす値を中心として±10%の範囲内
とされており、前記圧電振動体の外周側面に連結された
支持部と、前記支持部に連結された保持部とをさらに備
え、前記支持部が、前記圧電振動体の外周側面の中心軸
方向中央部分に連結されていることを特徴とする圧電共
振子である。なお、上記長辺の長さbが短辺の長さaに
比べて長いため、上記圧電振動体は、通常、円板状の形
状を有する。もっとも、円板状の形状に限らず、上記式
(1)を満たす値を中心として±10%の範囲内に比b
/aを選択し得る限り、円柱状の形状であってもよい。
【0014】本発明では、上記式(1)を満たす値を中
心として±10%の範囲内となるように上記比b/aが
選択されているため、後述の実施例から明らかなよう
に、独特のモードの振動が励振される。
【0015】また、本発明の圧電共振子により励起され
る振動モードでは、そのノード点が圧電振動体の主面の
中心と外周側面とに存在する。従って、圧電振動体の外
周側面の中心軸方向中央や主面の中心で支持することに
より、振動エネルギーを圧電振動体に閉じ込めることが
できる。従って、圧電振動体の外周側面に支持部が連結
され、該支持部に保持部が連結されており、特に上記支
持部は、圧電振動体の外周側面の中心軸方向中央部分に
連結される。
【0016】また、本発明の圧電共振子では、圧電振動
体及び上記保持部が同等の厚みを有する部材で構成され
ることができ、その場合には、支持部は圧電振動体及び
保持部よりも相対的に厚みの薄い部材により構成するこ
とができる。
【0017】さらに、本発明の圧電共振子は、圧電フィ
ルタに応用することができる。圧電フィルタを構成する
場合には、上記圧電振動体が複数個備えられ、各圧電振
動体に連結された支持部が保持部により連結されてい
る。
【0018】さらに、圧電フィルタを構成する場合に
は、各圧電振動体においては、一方主面の励振電極が所
定距離を隔てて分離された第1,第2の励振電極を有す
るように構成され、他方主面の励振電極が共通励振電極
として構成される。
【0019】なお、本発明の圧電共振子における圧電振
動体を構成している材料のポアソン比σとは、圧電セラ
ミックスなどの圧電材料により圧電振動体を構成した場
合には、その構成材料のポアソン比σである。もっと
も、圧電振動体は、金属や半導体に、圧電薄膜を積層す
ることにより構成してもよく、その場合には、上記式
(1)におけるポアソン比σは、複数の材料のポアソン
比σを考慮して選択される。
【0020】
【作用】本発明の圧電共振子では、比b/aが上記特定
の範囲内とされているため、後述の実施例で説明される
独特のモードの振動が励振され、振動のノード点が、主
面中心と外周側面の中心軸方向中央に存在する。従っ
て、ノード点で支持することにより、該振動エネルギー
が圧電振動体に確実に閉じ込められる。よって、圧電振
動体の周囲に振動減衰領域を必要としないため、圧電共
振子の小型化を図り得る。このエネルギーを閉じ込め得
る独特のモードの振動は、圧電振動体を構成している材
料のポアソン比が1/3以上であっても励振される。従
って、使用し得る圧電材料の範囲を拡げることができ
る。
【0021】また、圧電振動体の外周側面に支持部及び
保持部を連結した構造であるため、保持部を利用して圧
電共振子を外部の実装基板などに容易に固定することが
できる。さらに、支持部を、圧電振動体の外周側面の中
心軸方向中央部分に連結されているので、圧電振動体の
外周側面の中心軸方向中央部に振動のノード部が存在す
るため、圧電共振子の振動を妨げることなく保持部によ
って保持することができる。
【0022】また、圧電振動体及び保持部を同等の厚み
を有する部材で構成し、支持部をこれらよりも厚みの薄
い部材で構成した例では、板状の圧電板を用意し、溝を
形成することにより上記支持部の形成と、圧電振動体及
び保持部の形成とを果たし得る。従って、圧電共振子を
容易に製造することができる。
【0023】また、複数の圧電振動体を保持部により連
結した構造では、本発明のモードの振動を利用した圧電
フィルタを容易に提供することができる。
【0024】
【実施例の説明】以下、図面を参照しつつ、実施例を説
明することにより、本発明を明らかにする。
【0025】図2は、本発明の第1の実施例に係る圧電
共振子を示す斜視図である。圧電共振子11は、円板状
の圧電振動体12の両主面の全面に、それぞれ、励振電
極13,14を形成した構造を有する。
【0026】圧電振動体12は、任意の圧電材料、例え
ばチタン酸ジルコン酸鉛系圧電セラミックスなどのよう
な圧電セラミックスや水晶等により構成することができ
る。もっとも、圧電振動体12は、金属や半導体板上に
圧電薄膜を積層形成することにより構成してもよい。
【0027】また、励振電極13,14は、適宜の金属
材料を蒸着、メッキもしくはスパッタリングなどの薄膜
形成法により圧電振動体12の両主面に形成することに
より、あるいは導電ペーストを塗布し硬化させることに
より形成することができる。
【0028】圧電振動体12は、厚み方向に一様に分極
処理されている。また、この圧電振動体12は、上述し
た式(1)を満たす値を中心として±10%の範囲内と
なるように、その比b/aが選ばれている。すなわち、
圧電振動体12の中心軸を通る断面は、矩形の形状を有
し、該矩形の断面の長辺の長さbと、短辺の長さa(す
なわち圧電振動体12の厚み方向寸法)との比が、上記
特定の範囲となるようにその形状が選ばれている。
【0029】上記比b/aを上記特定の範囲とすること
により、共振電極13,14から交流電圧を印加した場
合、後述のモードの振動が励振され、該モードの振動エ
ネルギーが圧電振動体12に閉じ込められ、かつ振動の
ノード部は圧電振動体12の主面の中心と、外周側面の
中心軸方向略中央部とに位置することになる。これを、
図3〜図6を参照して説明する。
【0030】上記モードの振動姿態を有限要素法により
解析した結果を、図3に示す。図3は、図2の一点鎖線
III −III に沿う断面部分の変位分布を示す。すなわ
ち、中心軸を通る矩形断面の内の半分の部分の変位分布
を示す。図3において、Aは当初の断面部分の外形を示
す。また、矢印Bで示す振動姿態は、励振電極13,1
4から交流電圧を印加した際の上記断面部分の変位状態
を示す。
【0031】また、励振電極13,14から交流電圧を
印加した場合、上記断面部分では、矢印Bで示す振動姿
態と反対の変位状態との間で振動する。その場合、振動
のノード部は、圧電振動体12の外周側面12aの中心
軸方向中央、すなわち図3の矢印Cで示す位置に存在す
る。また、振動のノード部は、図2の点O、すなわち圧
電振動体12の両主面の中央にも存在する。
【0032】本願発明者らは、実験を繰り返すことによ
り、図2に示した圧電共振子11において、上記のよう
に、振動のノード部が、圧電振動体12の外周側面中央
と、主面中央とに存在する振動モードが励振されること
を見い出した。もっとも、このようなモードの振動は、
常に励振されるのではなく、特定の場合にのみ励振され
ることがわかった。そこで、上記モードの振動が励振さ
れるか否かを、種々の実験を繰り返し検討したところ、
上述した比b/aが、上記モードの振動の励振に関係す
ることを見い出した。
【0033】すなわち、圧電振動体のポアソン比σを変
化させ、上記モードの振動が励振される場合の比b/a
を測定し、b/aの値をプロットしたところ、図4に示
す結果が得られた。従って、図4の直線で示されている
ように、
【0034】
【数3】
【0035】を満たすように、上記比b/aを選択する
ことにより、上記モードの振動を確実に励振し得ること
がわかった。
【0036】さらに、上記比b/aが、式(2)を満た
す場合にのみ上記モードの振動が強く励振されるのでは
なく、上記式(2)から若干ずれた場合であっても、上
記モードの振動が強く励振されることがわかった。そこ
で、ポアソン比σ=0.324の圧電セラミック板とし
て、チタン酸ジルコン酸鉛系圧電セラミックスよりなる
円板状の圧電振動体を用い、上記モードの振動の励振の
有無を、比b/aを変化させることにより確かめた。結
果を、図5に示す。図5から明らかなように、ポアソン
比σ=0.324の場合、比b/a=1.26〜1.5
4の範囲内であれば、相対変位量が±10%以内となる
ことがわかる。
【0037】なお、ここで、相対変位量とは、図3に示
した変位分布において最も変位の大きな部分の変位量
の、最も変位の小さな変位部分の変位量との比を示す。
そこで、上記のように比b/aが最適の値、すなわち式
(1)を満たす値から±10%以内となるように、圧電
共振子11を複数種作製した。また、作製された圧電共
振子11の外周側面の中心軸方向略中央に支持部材を連
結し、各圧電共振子の特性を測定した。その結果、図7
から明らかなように、上記モードの振動で圧電共振子1
1が振動した場合、支持部15側にその振動が漏洩して
いないことがわかる。しかも、この場合、圧電振動体1
2の変位状態は、図3に示した変位状態と同様である。
従って、相対変位量が10%以内の場合には、上記モー
ドの振動は、圧電振動体に良好に閉じ込められることが
確かめられた。
【0038】よって、図6に示すように、上記比b/a
は、式(2)を満たす値を中心として±10%の範囲内
に設定されればよい。さらに、(−1.47σ+1.8
8)のn倍(但し、nは整数)であっても、上記モード
の振動が良好に励振されることが確かめられた。
【0039】上記のように、第1の実施例の圧電共振子
11では、圧電振動体12の外周側面を利用して、その
共振特性を損なうことなく支持し得ることがわかる。言
い換えれば、圧電振動体12の部分に上記モードの振動
エネルギーが効果的に閉じ込められることがわかる。
【0040】図8は、本発明の第2の実施例に係る圧電
共振子を説明するための斜視図であり、図9は、図8の
一点鎖線IV−IVに沿う部分の断面図である。第2の実施
例の圧電共振子21は、中央に第1の実施例と同様に構
成された圧電振動体12を有する。圧電振動体12の上
面及び下面の全面には、第1の実施例と同様に、励振電
極13,14が形成されている。また、上記比b/a
が、上記式(1)を満たす値を中心として±10%の範
囲内となるように、圧電振動体12が構成されている。
従って、第1の実施例と同様に、励振電極13,14か
ら交流電圧を印加することにより、上記モードの振動で
圧電振動体12が振動し、振動のノード点は、両主面中
央と圧電振動体12の外周側面の中央軸方向略中央部分
に存在する。
【0041】本実施例では、上記のように、振動のノー
ド部が圧電振動体12の外周側面の中心軸方向略中央に
存在することに鑑み、圧電振動体12の外周側面の略中
央において円環状に延びるように、支持部22が形成さ
れている。また、支持部22の外側端縁には、保持部2
3が連結されている。本実施例では、保持部23の外形
は、矩形板を構成している。また、圧電振動体12の厚
みと、上記保持部23の厚みはほぼ同等とされている。
【0042】本実施例の圧電共振子21は、上記のよう
な構造を有するため、製造にあたっては、図8に示す矩
形板状の圧電セラミック板24を用意し、上記圧電振動
体12、支持部22及び保持部23を構成するように、
圧電基板24の上面及び下面から機械加工により円環状
の溝25,26を形成すればよい。すなわち、上記溝2
5,26を形成することにより、上述した圧電振動体1
2、支持部22及び保持部23を容易に形成することが
できる。
【0043】また、圧電基板24の上面においては、一
方端縁に沿うように端子電極26が形成されている。端
子電極26は、接続導電部27,27により、励振電極
13に電気的に接続されている。接続導電部27,27
は、保持部23から支持部22の上面に至り、かつ圧電
振動体12の側面を経由して励振電極13に接続されて
いる。
【0044】同様に、図9に示すように、圧電基板24
の下面においても、端子電極28が形成されている。端
子電極28も、接続導電部29により、下面の励振電極
14に電気的に接続されている。
【0045】本実施例の圧電共振子21では、上記のよ
うに、圧電振動体12に振動エネルギーが効果的に閉じ
込められるため、保持部23を用いて外部に固定するこ
とができる。すなわち、端子電極26,28を半田等に
よりプリント回路基板等に固定したとしても、圧電振動
体12の主面が他の部分に接触しない限り、所望の共振
特性を発揮させることができる。
【0046】また、圧電共振子21では、上記保持部2
3を有する分だけ全体形状が大型化する。しかしなが
ら、保持部23は、単に外部と連結するために設けられ
ている部分に過ぎない。従って、保持部23の寸法は、
図1に示した従来のエネルギー閉じ込め型圧電共振子の
共振部の外側の圧電基板部分ほど大きくする必要はな
い。すなわち、圧電共振子1では、共振部の振動が共振
部の外側で直ちに減衰するのではなく、共振部から遠ざ
かるにつれて指数関数的に振動が減衰する。従って、共
振特性に影響を与えないようにするためには、共振部の
周囲にある程度の広さの圧電基板部分を設け、共振部か
ら比較的遠い位置に端子電極5を設ける必要があった。
これに対して、本実施例の圧電共振子21では、保持部
23には、ほとんど振動が漏洩してこないため、保持部
23の寸法は、非常に小さくすることができる。
【0047】しかも、圧電振動体12は、上述したとお
り任意のポアソン比の圧電材料を用いて構成することが
できるため、温度特性や信頼性などの特性に優れた適宜
の圧電材料を用いてエネルギー閉じ込め型の圧電共振子
21を構成することができる。
【0048】図10は、本発明の第3の実施例に係る圧
電共振子を示す斜視図であり、図11は、図10の一点
鎖線G−Gに沿う断面図である。第3の実施例に係る圧
電共振子31では、相対的に厚みの薄い矩形の圧電基板
32が用いられており、該圧電基板32の中央に、圧電
振動体12が一体に構成されている。すなわち、圧電振
動体12及び圧電振動体12の両主面に形成された励振
電極13,14は、第1の実施例と同様に構成されてい
る。本実施例では、この圧電振動体12の外周側面の中
心軸方向略中央から外側に延びるように圧電基板32が
一体化されている。よって、圧電基板32は、本発明に
おける支持部及び保持部の双方を兼ねる。圧電共振子3
1においては、圧電基板32の上面に、端子電極33及
び接続導電部34が形成されており、接続導電部34に
より端子電極33が励振電極13に電気的に接続されて
いる。同様に、圧電基板32の下面に形成された端子電
極35(図11参照)が図示しない接続導電部により励
振電極14に電気的に接続されている。
【0049】図12は、本発明の第4の実施例に係る圧
電共振子としての圧電フィルタを示す斜視図であり、図
13は、図12のH−Hに沿う部分の断面図である。本
実施例の圧電共振子41では、矩形の圧電基板42の上
面及び下面から円環状の溝43,44を形成することに
より、2個の圧電振動体45,46が構成されている。
すなわち、第2の実施例の圧電振動体12と同様の圧電
振動体が2個構成されている。他方、圧電振動体45に
おいては、上面に第1,第2の励振電極47,48が形
成されており、下面に共通励振電極49が形成されてい
る。
【0050】同様に、圧電振動体46においても、上面
に第1,第2の励振電極51,52が形成されており、
下面に共通励振電極53が形成されている。圧電基板4
2の上面においては、一方のコーナー部分に端子電極5
4が形成されており、端子電極54は接続導電部55に
より、第1の励振電極47に電気的に接続されている。
また、第2の励振電極48と、第1の励振電極51と
が、接続導電部55により相互に電気的に接続されてい
る。さらに、第2の励振電極52が、接続導電部56に
よりコーナー部分に形成された端子電極57に電気的に
接続されている。
【0051】各圧電振動体45,46は、それぞれ、厚
み方向に分極処理された圧電セラミックスにより構成さ
れており、第1の実施例と同様に、比b/aが上記特定
の範囲とされている。
【0052】従って、端子電極54を入力電極または出
力電極、端子電極57を出力電極または入力電極とし、
下面に形成された共通励振電極を接地電位に接続するこ
とにより、3端子型の圧電フィルタとして用いることが
できる。
【0053】なお、下面に形成された共通励振電極49
と共通励振電極53とは、互いに電気的に接続されてい
てもよく、その場合、両共通励振電極49,53をアー
ス電位に接続するための接地電極を圧電基板42の下面
に形成することが、共通励振電極49,53の接地を容
易とする上で望ましい。
【0054】図12及び図13から明らかなように、本
発明の圧電共振子は、2以上の圧電振動体を構成するこ
とにより圧電フィルタとして動作するものであってもよ
い。図14は、本発明の第5の実施例に係る圧電共振子
を説明するための略図的斜視図である。圧電共振子61
は、リード端子付きの電子部品として構成されている。
すなわち、第1の実施例の圧電共振子11の圧電振動体
12の外周側面略中央にリード端子62,63が接合さ
れている。この接合は、第1の励振電極13に電気的に
接続されるように、圧電振動体12の外周側面略中央に
延びる接続電極64を形成し、該接続電極64にリード
端子62を半田65により接合することにより行われて
いる。他方のリード端子63についても同様に接合さ
れ、下面の励振電極に電気的に接続されている。
【0055】また、一点鎖線Iは、外装樹脂の外形を示
す。すなわち、本実施例のリード端子付きの圧電共振子
61では、上記リード端子62,63を圧電振動体12
に接合した後、樹脂外装が施される。樹脂外装は、以下
の手順で形成される。まず、リード端子62,63を接
合した後、圧電振動体12の周囲に振動を妨げないため
の空間を形成するためのワックスを塗布する。しかる
後、溶融状態にある熱硬化性樹脂にリード端子62,6
3の先端側部分を残して浸漬し、引き上げ、熱硬化性樹
脂を硬化させる。上記ワックスは、樹脂外装を付与する
加熱処理により飛散し、従って、形成された樹脂外装中
には振動を妨げないための空間が確保される。
【0056】なお、本発明の圧電共振子は、樹脂外装を
施したリード付きの電子部品に限らず、樹脂基板等を積
層することによりチップ型の圧電共振部品として構成す
ることも可能である。
【0057】また、本発明の圧電共振子では、上記モー
ドの振動の基本波だけでなく、3倍波、5倍波などの奇
数次の高調波を利用したものであってもよく、その場合
においても、上記実施例と同様に、振動エネルギーを確
実に閉じ込めることができる。
【0058】さらに、圧電共振子11は、両主面中央に
振動のノード部を有するため、ばね端子により両主面中
央で支持してもよい。すなわち、従来から幅拡がりモー
ドを利用した通常の圧電共振子をケース内においてばね
端子で挟持した構造のようにして、圧電共振子11をケ
ース内に挟持することにより、リード付きあるいはチッ
プ型の圧電共振部品を構成してもよい。
【0059】
【発明の効果】以上のように、本発明の圧電共振子で
は、圧電振動体の上記矩形の断面の寸法比b/aが、上
記特定の範囲とされているため、両主面に形成された励
振電極から交流電圧を印加することにより、上記モード
の振動が励振される。しかも、振動のノード点が両主面
中央と、外周側面略中央に存在する。従って、外周側面
略中央や両主面の中央を支持したとしても、圧電振動体
における上記振動が阻害され難い。
【0060】よって、圧電振動体の外周側面略中央に支
持部を連結したり、主面の略中央をばね等により支持し
たりすることにより、エネルギー閉じ込め型の圧電共振
子を容易に構成することができる。
【0061】この場合、圧電振動体自身に振動エネルギ
ーが閉じ込められることになるため、従来の厚み縦振動
モードを利用したエネルギー閉じ込め型の圧電共振子な
どに比べ、圧電共振子全体の寸法を小さくすることが可
能となる。
【0062】さらに、本発明の圧電共振子では、ポアソ
ン比が1/3未満の材料を用いることも可能であるた
め、温度特性や信頼性に優れた任意の圧電材料を用い
て、エネルギー閉じ込め型の圧電共振子を提供すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のエネルギー閉じ込め型圧電共振子の一例
を示す斜視図。
【図2】第1の実施例の圧電共振子を示す斜視図。
【図3】第1の実施例の圧電共振子の部分的な変位状態
を有限要素法で解析した状態を示す図。
【図4】比b/aとポアソン比σとの関係を示す図。
【図5】相対変位量と比b/aとの関係を示す図。
【図6】比b/aとポアソン比σとの関係を示す図。
【図7】外周側面略中央に支持部を連結し、支持部に保
持部を連結した構造の有限要素法で解析した変位状態を
示す図。
【図8】第2の実施例の圧電共振子を示す斜視図。
【図9】第2の実施例の圧電共振子の断面図であり、図
8の一点鎖線IV−IVに沿う部分の断面図。
【図10】第3の実施例に係る圧電共振子を示す斜視
図。
【図11】図10の一点鎖線G−Gに沿う部分の断面
図。
【図12】第4の実施例に係る圧電共振子を示す斜視
図。
【図13】第4の実施例の圧電共振子の断面図であり、
図12の一点鎖線H−Hに沿う部分の断面図。
【図14】本発明の第5の実施例に係る圧電共振子を示
す斜視図であり、リード付きの電子部品として構成した
例を示す図。
【符号の説明】
11…圧電共振子 12…圧電振動体 14,15…励振電極 22…支持部 23…保持部 24…圧電基板 31…圧電共振子 32…圧電基板 41…圧電共振子 42…圧電基板 43,44…溝 45,46…圧電振動体 47,51…第1の励振電極 48,52…第2の励振電極 49,53…共通励振電極 61…圧電共振子 62,63…リード端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 9/00 - 9/215 H03H 9/54 - 9/60

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分極軸に平行な中心軸を有し、かつ該中
    心軸を含む矩形の断面を回転させて得られた回転対称形
    状を有する圧電振動体と、 前記圧電振動体の前記中心軸に直交する両主面に形成さ
    れた励振電極とを備え、 前記矩形の断面の長辺の長さをb、短辺の長さをa、圧
    電振動体を構成している材料のポアソン比をσとしたと
    きに、比b/aが、 【数1】 を満たす値を中心として±10%の範囲内とされて
    り、 前記圧電振動体の外周側面に連結された支持部と、前記
    支持部に連結された保持部とをさらに備え、 前記支持部が、前記圧電振動体の外周側面の中心軸方向
    中央部分に連結されて いることを特徴とする圧電共振
    子。
  2. 【請求項2】 前記圧電振動体が円板状の形状を有す
    る、請求項1に記載の圧電共振子。
  3. 【請求項3】 前記圧電振動体と前記保持部とが同等の
    厚みを有する部材で構成されており、前記支持部が、圧
    電振動体及び保持部よりも相対的に厚みの薄い部材によ
    り構成されている、請求項1または2に記載の圧電共振
    子。
  4. 【請求項4】 複数個の前記圧電振動体を有し、各圧電
    振動体に連結された支持部が保持部により連結されてお
    り、 複数の圧電振動体により圧電フィルタが構成されてい
    る、請求項のいずれかに記載の圧電共振子。
  5. 【請求項5】 前記各圧電振動体において、一方主面の
    励振電極が所定距離を隔てて分離された第1,第2の励
    振電極を有し、他方主面の励振電極が共通励振電極とさ
    れている、請求項に記載の圧電共振子。
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