JP3077517B2 - 圧電共振子 - Google Patents

圧電共振子

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JP3077517B2
JP3077517B2 JP06171136A JP17113694A JP3077517B2 JP 3077517 B2 JP3077517 B2 JP 3077517B2 JP 06171136 A JP06171136 A JP 06171136A JP 17113694 A JP17113694 A JP 17113694A JP 3077517 B2 JP3077517 B2 JP 3077517B2
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弘明 開田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な振動モードを利
用したエネルギー閉じ込め型の圧電共振子及びチップ型
圧電共振部品に関する。
【0002】
【従来の技術】図1は、従来のすべりモードを利用した
エネルギー閉じ込め型の圧電共振子を示す斜視図であ
る。圧電共振子1は、矩形板状の圧電セラミック板2を
有する。圧電セラミック板2は、一方端面2aから他方
端面2b側に向かって分極処理されている(分極方向を
矢印Pで示す。)。圧電セラミック板2の上面2c上に
は共振電極3が、下面2d上には共振電極4が形成され
ている。
【0003】共振電極3は、端面2b側から中央に向か
って延ばされている。共振電極4は、端面2aから中央
に向かって延ばされている。共振電極3,4は、圧電セ
ラミック板2の中央領域において、圧電セラミック板2
を介して表裏対向するように重なり合わされている。
【0004】圧電共振子1では、共振電極3,4から交
流電圧を印加することにより、共振電極3,4が重なり
合っている領域、すなわち共振部がすべりモードで励振
される。この場合、振動のエネルギーは、共振電極3,
4が重なり合っている共振部に閉じ込められ、端面2
a,2b側にはあまり漏洩しない。
【0005】すなわち、圧電共振子1は、すべりモード
を利用したエネルギー閉じ込め型の圧電共振子である。
従って、端面2a,2b近傍において機械的に保持する
ことにより、ケース材や回路基板等に固定することがで
きる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】エネルギー閉じ込め型
の圧電共振子1では、振動のエネルギーは共振部に良好
に閉じ込められることが必要である。さもないと、端面
2a,2b側の部分において機械的に保持した場合に振
動が阻害され、所望の共振特性を得ることができない。
【0007】圧電共振子1において、振動エネルギーを
良好に閉じ込めるには、素子の長さLを長くする必要が
ある。また、圧電共振子1の共振周波数は、共振部の厚
み、すなわち素子の厚みtに依存する。例えば、共振周
波数が4MHzの圧電共振子1を得ようとした場合、厚
みtは0.3mm程度となり、2MHzの圧電共振子1
を得ようとした場合には厚みtは0.6mmとなる。
【0008】ところが、振動エネルギーを共振部に確実
に閉じ込めるには、厚みtが大きくなるにつれ、素子の
長さLを長くしなければならない。例えば、4MHzの
ときには、厚みtは0.3mmであるが、この場合共振
エネルギーを共振部に確実に閉じ込めるには、長さLを
5mm程度としなければならず、また2MHzの場合に
は厚みtは0.6mmとなるが、この場合には長さLを
10mm程度まで長くしなければならなかった。
【0009】その結果、すべりモードを利用したエネル
ギー閉じ込め型の圧電共振子1では、素子の長さ寸法L
が大きくならざるを得なかった。本発明の目的は、1M
Hz以上の周波数領域において好適に用いることがで
き、エネルギー閉じ込め効率を効果的に高め得る構造を
備えた新規な振動モードを利用した圧電共振子及びチッ
プ型圧電共振部品を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明により提
供される圧電共振子は、対向する一対の矩形の面と、一
対の矩形の面を結ぶ4つの側面とを有する圧電振動部
と、前記圧電振動部の前記一対の矩形面上に形成された
第1,第2の共振電極とを備え、前記矩形面の短辺の長
さをa、長辺の長さをb、圧電振動部を構成する材料の
ポアソン比をσとしたときに、比b/aが、
【0011】
【数2】
【0012】を満たす値を中心として±10%の範囲内
とされており、圧電横効果を利用して2n次(但し、n
は整数)の屈曲モードの振動を励振させる圧電共振子で
ある。
【0013】すなわち、本発明は、一対の矩形面を有す
る圧電振動部の形状を上記特定の範囲とし、圧電横効果
を利用して2n次の屈曲振動モードを励振させる圧電共
振子であり、このような圧電共振子は、本願発明者によ
り初めて見いだされたものである。
【0014】本発明の圧電共振子では、圧電共振子が上
記特定の形状を有するので、第1,第2の共振電極から
交流電圧を印加することにより、後述の実施例から明ら
かなように、2n次の屈曲振動モードが励振される。こ
の場合、振動のノード部は、圧電振動部の側面のうち、
上記矩形面の短辺に沿う側面の中央と、矩形面の中心と
に表れる。また、後述の実施例から明らかなように、上
記短辺に沿う側面の一端側部分に連結部を連結して機械
的に保持しても、振動が連結部にほとんど漏洩してこな
い。従って、上記側面の一方端部分を保持することによ
り、圧電共振子内に振動エネルギーを効果的に閉じ込め
ることができる。
【0015】なお、上記比b/aを、式(1)を満たす
値を中心として±10%の範囲内とする必要があるの
は、後述の実施例から明らかなように、上記範囲外では
圧電横効果を利用した2n次の屈曲振動モードを効果的
に励振することができず、従って圧電共振子を側面を利
用して保持した場合振動エネルギーを効果的に閉じ込め
得ないからである。なお、上記比b/aの範囲は、本願
発明者により実験的に確かめられたものである。
【0016】本発明の圧電共振子では、好ましくは、上
記圧電振動部の側面のうち、矩形面の短辺に沿う側面の
一端側に連結された連結部がさらに備えられる。この場
合、上記圧電横効果を利用した2n次の屈曲振動が、圧
電振動部に効果的に閉じ込められるため、連結部を利用
して圧電共振子を保持することができる。
【0017】また、本発明のより限定的な局面では、上
記圧電振動部の矩形面の短辺に沿う第1の側面と、上記
第1の側面と対向する第2の側面とに、それぞれ、第
1,第2の連結部が連結される。第1の連結部は、第1
の側面の一端側部分に連結され、第2の連結部は、第1
の連結部分が連結されている部分と対角線方向において
反対側となるように、第2の側面の一端側の部分に連結
される。このように、第1,第2の連結部を用いて圧電
振動部を保持した場合には、圧電振動部がその両側で保
持されるため、より安定な特性の圧電共振子を得ること
ができる。
【0018】さらに、上記連結部が備えられた圧電共振
子では、好ましくは、連結部の外側に保持部が連結され
る。この保持部は、好ましくは、連結部より大きな面積
を有するように構成され、それによって保持部を利用す
ることにより圧電共振子を外部に対してより安定に固定
することができる。
【0019】また、より好ましくは、上記保持部には、
引き出し電極が形成され、該引き出し電極は共振電極と
電気的に接続される。すなわち、保持部に設けられた引
き出し電極を利用して、外部との電気的接続を容易とす
ることができる。より好ましくは、上記引き出し電極
は、保持部の外周縁に至るように構成され、それによっ
て圧電共振子の外周縁において外部との電気的接続を果
たすことができる。
【0020】また、上記第1,第2の連結部が連結され
ている構造においては、上記第1,第2の共振電極は、
第1,第2の連結部が連結されていない側の一対のコー
ナー部を結ぶ対角線に沿うように圧電振動部の矩形面上
に形成され、それによって圧電横効果を利用した2n次
の屈曲振動が効果的に励振される。
【0021】また、上記振動を効果的に励振するために
は、第1,第2の共振電極は、第1,第2の連結部が連
結されている部分近傍において、それぞれ、上記矩形面
上に形成されていてもよい。
【0022】また、本発明の圧電共振子においては、上
記連結部と保持部との間に、動吸振部が備えられていて
もよく、それによって、連結部に漏洩してきたわずかな
振動が、動吸振現象により該動吸振部によって抑制され
る。従って、保持部を利用して機械的に支持した場合、
エネルギー閉じ込め効率が一層優れている圧電共振子を
実現することができる。
【0023】本発明のチップ型圧電共振部品は、上述し
た本発明の圧電共振子と、圧電共振子の振動部分の振動
を妨げないための空間を有するようにして上記圧電共振
子の上下に貼り合わされた第1,第2のケース基板とを
備える。上記振動を妨げないための空間は、第1,第2
のケース基板に、それぞれ、圧電共振子側に開いた凹部
を形成することによって構成してもよく、あるいは、第
1,第2のケース基板と、圧電共振子との間に矩形枠状
のスペーサを介在させることにより構成してもよい。な
お、このスペーサは、第1,第2のケース基板を貼り合
わせるための接着剤により構成してもよい。
【0024】好ましくは、本発明のチップ型圧電共振部
品では、上記圧電共振子は、圧電振動部の短辺側の両側
に連結された第1,第2の連結部及び第1,第2の保持
部を有し、この保持部に、上記第1,第2のケース基板
が接着される。
【0025】また、上記圧電共振子の圧電振動部の長辺
側の両側に、圧電振動部の振動を妨げないための空隙を
隔てて第1,第2のスペーサ板が接合されてもよい。第
1,第2のスペーサ板を接合することにより、圧電共振
子の側方の空間を封止することができる。
【0026】上記圧電共振子及び第1,第2のスペーサ
板は、一体の部材で構成されていてもよく、それによっ
て、圧電共振子の側方の空間の封止を、確実なものとす
ることができる。
【0027】また、本発明の圧電共振子の特定的な局面
では、上記第1の共振電極が一対の電極により構成さ
れ、それによって単一モード圧電フィルタとしての圧電
共振子が提供される。この場合、上記一対の電極の一方
が入力電極、他方が出力電極とされる。
【0028】また、本発明の圧電共振子は、第1,第2
の圧電振動部、すなわち2個の圧電振動部を有するよう
に構成してもよい。第1,第2の圧電振動部を有する構
成においては、第1,第2の圧電振動部の上記矩形面の
短辺に沿う側面同士を連結部により連結し、それによっ
て2重モード圧電フィルタを構成することができる。
【0029】また、上記2重モード圧電フィルタを構成
した構造においては、圧電共振子の矩形面の一対の長辺
側の側面の外側に、それぞれ、振動部分の振動を妨げな
いための空隙を隔てて第1,第2のスペーサ板を接合
し、さらに、上下に振動部分の振動を妨げないための空
間を構成するようにして第1,第2のケース基板を貼り
合わせることにより、チップ型の圧電部品として上記2
重モード圧電フィルタを構成することも可能である。
【0030】なお、本発明で用いられる一対の矩形面を
有する圧電振動部を構成する圧電材料としては、チタン
酸ジルコン酸鉛系セラミックスのような圧電セラミック
ス、LiTaO3 もしくはLiNbO3 などの圧電単結
晶が挙げられる。また、上記圧電振動部は、一対の矩形
面を有する金属や半導体からなる部材の該矩形面上に、
圧電セラミックスや圧電性を示す合成樹脂よりなる圧電
薄膜を形成した構造を用いて構成することも可能であ
る。
【0031】
【発明の効果】本発明の圧電共振子では、圧電振動部
が、上記比b/aが、式(1)を満たす値を中心として
±10%の範囲内とされている形状を有する。従って、
一対の矩形面上に形成された第1,第2の共振電極から
交流電圧を印加することにより、圧電横効果を利用した
2n次の屈曲振動モードが強く励振される。また、この
振動は、圧電振動部の矩形面の短辺に沿う側面の一方端
に連結部を連結しても該連結部にほとんど漏洩しない。
従って、上記連結部までの部分に、振動エネルギーを効
果的に閉じ込めることができる。上記2n次の屈曲振動
モードは、1MHz以上の周波数領域で用いるのに適し
た振動モードであり、従って、本発明によれば、エネル
ギー閉じ込め効率に優れた1MHz以上の周波数帯で用
い得る新規な圧電共振子を提供することができる。
【0032】しかも、本発明の圧電共振子は、エネルギ
ー閉じ込め型の圧電共振子であるので、ばね端子などの
複雑な支持構造を必要としない。また、従来のすべりモ
ードを利用したエネルギー閉じ込め型圧電共振子のよう
に、振動部分と支持部分との間の距離を大きくする必要
がないため、圧電共振子の小型化を促進することが可能
となる。
【0033】同様に、本発明のチップ型圧電共振部品
は、上記圧電共振子に対して、振動部分の振動を妨げな
いための空間を形成するようにして第1,第2のケース
基板を上下に貼り合わせるだけで構成されるため、小型
で、かつ製造容易なチップ型の圧電共振部品を提供する
ことが可能となる。
【0034】さらに、本発明の圧電共振子では、第1の
共振電極を一対の電極で構成したり、第1,第2の振動
部を設けたりすることにより、単一モード圧電フィルタ
や2重モード圧電フィルタを容易に構成することができ
る。
【0035】
【実施例の説明】以下、図面を参照しつつ実施例を説明
することにより、本発明を明らかにする。
【0036】本発明の振動モードの説明 本発明は、上述したように、本発明者により見い出され
た新しい振動モードを利用した圧電共振子である。この
新たに見い出された振動モードを、図2〜図6を参照し
て説明する。
【0037】今、図2に示すように、矩形の圧電板11
の両主面の全面に電極12,13を形成したモデルを考
える。圧電板11は、矩形の平面形状を有する。すなわ
ち、上面及び下面が矩形の平面形状を有する。また、圧
電板11は、厚み方向に、すなわち矢印P方向に一様に
分極処理されている。
【0038】上記圧電板11を、電極12,13から交
流電圧を印加することにより振動させた場合の屈曲振動
の2次高調波を有限要素法により解析すると、圧電板1
1の平面形状がある範囲において、図3に示す振動モー
ドが励振されることがわかった。なお、図3は、有限要
素法により解析された振動モードを示し、元の形状が線
Aで示されており、ここでは、Bで示す変位状態と、B
で示す変位状態とは逆の変位状態との間で振動が繰り返
される。
【0039】上記屈曲モードの2次高調波の振動が励振
される圧電板11を、一対の短辺に沿う一対の側面の各
一端側において保持した場合、図4に示すように、振動
エネルギーが閉じ込められることが確かめられた。すな
わち、図4に有限要素法により解析した変位分布を示す
ように、圧電板11の短辺側の側面11aの一端側に連
結部12を連結する。また、他方の短辺側に沿う側面1
1bの一端に連結部13を連結する。この場合、連結部
12と連結部13とは、圧電板11の上面の1つの対角
線の両端に連結されている。
【0040】図4から明らかなように、上記連結部1
2,13を連結し、該連結部12,13により圧電板1
1を保持した場合、変位状態Cでは、連結部12,13
よりも外側の部分に変位が伝搬しないことがわかる。言
い換えれば、連結部12,13を、上記位置に連結する
ことにより、圧電板11の屈曲モードの2次高調波の振
動を連結部12,13までの部分に閉じ込め得ることが
わかる。
【0041】図4に示した変位状態Cにおける電荷分布
を調べたところ、図5に示す結果が得られた。すなわ
ち、圧電板11の上面において、+極性の領域が、図示
の仮想線Dに沿う方向に延び、この仮想線Dは、1つの
対角線に略沿うように延びている。また、他方の対角線
側のコーナー部分近傍に、−極性の電位の強い部分が表
れる。
【0042】従って、上記連結部12,13を連結し
て、図4に示した変位Cと、その逆の変位状態との間で
振動する振動を強く励振させるには、図5に示した電荷
分布に応じて共振電極を形成すればよいと考えられる。
このような知見のもとに、後述の第1及び第2の圧電共
振子が考えられた。
【0043】上記のように、矩形の圧電板11に連結部
12,13を連結し、両面の電極から電圧を印加して励
振させた場合に、屈曲モードの2次高調波が強く励振さ
れ、該振動のエネルギーが連結図12,13までに閉じ
込められ得る。このような効果は、圧電板11の寸法が
特定の範囲にある場合にのみ得られれることがわかっ
た。
【0044】すなわち、本願発明者は、種々の寸法の圧
電板11を用いて、図4に示した変位状態Cと、逆の変
位状態との間で繰り返す振動を励振させたところ、圧電
板11の矩形面の長辺の長さをb、短辺の長さをaと
し、圧電板11を構成する材料のポアソン比をσとする
と、上述した式(1)を満たす値のときに上記振動が強
く励振され、かつ第1,第2の連結部12,13までの
部分に振動エネルギーが効果的に閉じ込められ得ること
がわかった。すなわち、比b/aを種々変更し、かつ種
々の圧電材料を用いて、図4に示したように有限要素法
により変位状態を解析した。その結果、上記屈曲モード
の2次高調波を効果的に連結部12,13までに閉じ込
めるには、比b/aと、圧電板11を構成する材料のポ
アソン比σとが、図6(a)に示す関係を満たせばよい
ことが確かめられた。この図6(a)の結果から、比b
/aが、
【0045】
【数3】
【0046】となるように、上記短辺の長さa及び長辺
の長さbを選択すればよいことがわかる。さらに、上記
比b/aが(0.3σ+1.48)の整数倍の場合に
も、上記と同様に、振動エネルギーが閉じ込められるこ
とを見い出した。
【0047】また、本願発明者は、あるポアソン比σの
圧電材料からなる圧電板を用いて、式(1)のnを、
0.85〜1.1まで変化させ、図4に示す変位量の最
も小さな点Pの変位量に対する変位量の最も大きな点Q
における変位量の比、すなわち相対変位(%)を測定し
た。結果を図6(b)に示す。
【0048】図6(b)から明らかなように、nの値が
0.9〜1.1の範囲であれば、上記相対変位は10%
以下であることがわかる。他方、相対変位が10%以下
の場合には、共振子を構成する場合に実質的に問題のな
いことがわかっている。従って、式(1)を満たす値か
ら±10%の範囲内であれば、圧電振動部に振動エネル
ギーを効果的に閉じ込めることができる。
【0049】上記のように、短辺の長さがa、長辺の長
さb、圧電板を構成する材料のポアソン比がσの圧電振
動部において、上記比b/aを式(1)を満たす値から
±10%の範囲内とすることにより、エネルギー閉じ込
め効率に優れた圧電共振子を提供し得ることがわかっ
た。なお、上記屈曲モードの2次高調波の振動は、圧電
板11に連結部12,13を連結しない場合には、振動
のノードは、矩形面の中央と両短辺に沿う側面の中央に
存在することが確かめられた。
【0050】第1の実施例の圧電共振子 図7は、第1の実施例に係る圧電共振子の平面図であ
り、図8は、圧電板を透かして下面側の電極形状を示し
た模式的平面図である。
【0051】第1の実施例の圧電共振子21は、矩形の
圧電板22と連結部23,24と、保持部25,26と
を有する。圧電板22は、例えばチタン酸ジルコン酸鉛
系圧電セラミックスのような圧電材料により構成されて
おり、圧電セラミックスの場合には、厚み方向に一様に
分極処理されている。圧電板22は、矩形の平面形状を
有し、短辺に沿う第1の側面22aの一端側に第1の連
結部23が連結されており、短辺に沿う第2の側面22
bの一端に第2の連結部24が連結されている。また、
連結部23,24の外側には、連結部23,24よりも
面積の大きな保持部25,26が連結されている。
【0052】本実施例の圧電共振子21では、上記圧電
板22、第1,第2の連結部23,24及び第1,第2
の保持部25,26は、一枚の圧電板を用意し、該圧電
板に溝27,28を形成することにより構成されてい
る。すなわち、圧電板22、第1,第2の連結部23,
24及び保持部25,26は、同一材料により一体的に
構成されている。もっとも、圧電板22、第1,第2の
連結部23,24及び第1,第2の保持部25,26は
それぞれ別の部材で構成されていてもよく、接着剤等に
より接合されて一体化されてもよい。
【0053】圧電板22は、矩形の平面形状を有し、そ
の矩形面の長辺の長さをb、短辺の長さをaとしたとき
に、比b/aは、上述した式(1)を満たす値を中心と
して±10%の範囲内とされている。
【0054】圧電板22の上面には、第1の共振電極2
8が形成されており、下面には、第1の共振電極28と
圧電板22を介して対向するように第2の共振電極29
が形成されている。第1,第2の共振電極28,29
は、図5に示した+の極性の領域にほぼ合致するように
形成されている。すなわち、第1,第2の共振電極2
8,29は、図5に示した仮想線Dに沿う方向に、すな
わち一方の対角線に略沿う方向に延ばされている。
【0055】第2の保持部26上には引き出し電極30
が、第1の保持部25の下面には引き出し電極31が形
成されている。第1の共振電極28は、接続導電部32
を介して引き出し電極30に電気的に接続されており、
他方、第2の共振電極29は、接続導電部33を介して
引き出し電極31に電気的に接続されている。
【0056】本実施例の圧電共振子21では、引き出し
電極30,31から交流電圧を印加することにより、第
1,第2の共振電極28,29間に交流電圧が印加さ
れ、それによって上述した屈曲モードの2次高調波の振
動が強く励振される。
【0057】この場合、圧電板22の長辺と短辺の長さ
の比b/aが、上述した式(1)を満たす値を中心とし
て±10%の範囲内とされているため、連結部23,2
4までの部分に振動が効果的に閉じ込められる。従っ
て、保持部25,26を利用して機械的に保持したとし
ても、共振特性の劣化が生じ難い。言い換えれば、連結
部23,24までの部分に振動エネルギーが効果的に閉
じ込められたエネルギー閉じ込め型の圧電共振子21が
提供される。
【0058】第2の実施例 図9は、第2の実施例の圧電共振子の平面図であり、図
10は、圧電板を透かして下面の電極形状を示した模式
的平面図である。
【0059】第2の圧電共振子41は、共振電極の形状
及び位置が異なることを除いては、第1の実施例の圧電
共振子21と同様に構成されている。従って、第1の実
施例の圧電共振子21と同一部分については、同一の参
照番号を付することにより、その説明は省略する。
【0060】圧電共振子41では、圧電板22の上面に
おいて、第1の共振電極42a,42bが、図5に示し
た−の極性の強い領域に形成されている。すなわち、第
1の共振電極42a,42bは、圧電板22の連結部2
3,24が連結されている部分近傍の領域に形成されて
いる。第1の共振電極42a,42bは、接続導電部4
4により互いに電気的に接続されている。同様に、圧電
板22の下面においても、第1の共振電極42a,42
bに圧電板22を介して対向するように第2の共振電極
43a,43bが形成されており、第2の共振電極43
a,43bが接続導電部46により電気的に接続されて
いる。
【0061】第1の共振電極42bは、接続導電部45
により引き出し電極30に電気的に接続されている。ま
た、第2の共振電極43aは、接続導電部47により引
き出し電極31に電気的に接続されている。
【0062】第2の実施例の圧電共振子41では、交流
電圧が上記第1の共振電極42a,42bと、第2の共
振電極43a,43bとの間の部分に印加されることに
なるため、第1の実施例の場合と同様に、但し、第1の
実施例とは逆の位相で、屈曲モードの2次高調波の振動
が励振され、該振動が、第1,第2の連結部23,24
までの部分に効果的に閉じ込められる。
【0063】なお、接続導電部44,46は、図9及び
図10では、表裏対向するように形成されていたが、接
続導電部44,46間に発生する容量を低減するため
に、接続導電部44,46は圧電板22を介して重なり
合わない位置に形成することが好ましい。
【0064】第3の実施例 第1,第2の実施例では、圧電板22は厚み方向に一様
に分極処理されていたが、本発明の圧電共振子では、圧
電板は一様に分極処理されていなくともよい。
【0065】すなわち、図11に模式図で示すように、
圧電板22において、図5に示した+の極性の領域に第
1の共振電極51と、第2の共振電極52とを形成す
る。他方、図5に示した−の極性の領域において、下面
に第1の共振電極53を、上面に第2の共振電極54を
形成する。言い換えれば、第1の共振電極51及び第2
の共振電極52は、第1の実施例の第1の共振電極28
及び第2の共振電極29同様に形成される。また、第2
の共振電極54及び第1の共振電極53は、それぞれ、
第2の実施例における第1の共振電極42a,42b及
び第2の共振電極43a,43bと同様に形成される。
もっとも、接続導電部44,46は、第1の共振電極5
1及び第2の共振電極52との短絡を防止するために設
ける必要はない。
【0066】そして、圧電板22において、上記第1,
第2の共振電極51,52が形成されている領域の分極
方向P1 としたときに、第1,第2の共振電極53,5
4が形成されている領域の分極方向を分極方向P1 とは
反対のP2 方向とすれば、効果的に上記屈曲モードの2
次高調波を励振させることができる。
【0067】第4の実施例 図12は、本発明の第4の実施例に係る圧電共振子を説
明するための平面図である。圧電共振子61は、動吸振
部62,63を有することを除いては、第1の実施例の
圧電共振子21と同様に構成されている。従って、同一
部分については、同一の参照番号を付することにより、
その説明は省略する。
【0068】本実施例では、連結部23,24と保持部
25,26との間に動吸振部62,63が設けられてい
る。すなわち、動吸振部62,63は、連結部23,2
4よりも外側において、溝64,65を形成することに
より構成されており、該動吸振部62,63は、動吸振
現象に従って、連結部23,24から漏洩してきた振動
を抑制するように作用する。すなわち、動吸振部62,
63は、連結部23,24から漏洩してきた振動を受け
て屈曲モードで振動し、漏洩してきた振動を動吸振現象
により抑制するように作用する。この動吸振部62,6
3の寸法は、連結部23,24から漏洩してきた振動の
周波数に、動吸振部62,63の固有振動数が略一致す
るように選ばれる。動吸振部62,63は、それぞれ、
溝64,65の側方に設けられた第3,第4の連結部6
6,67を介して保持部25,26に連結されている。
【0069】第4の実施例の圧電共振子61において
も、第1の実施例と同様に、連結部23,24までの部
分に屈曲モードの2次高調波の振動が効果的に閉じ込め
られるが、さらに、わずかに漏洩してきた振動が、上記
動吸振部62,63により抑制される。従って、保持部
25,26を用いて圧電共振子61を支持した場合、共
振特性への影響がほとんど生じない。すなわち、より一
層エネルギー閉じ込め効率に優れた圧電共振子を提供す
ることができる。
【0070】第5の実施例 図13は、本発明の第5の実施例に係る圧電共振子を示
す斜視図である。第1の実施例の圧電共振子21では、
板状の圧電板22を用いたが、本発明の圧電共振子にお
ける圧電振動部は、板状にものに限らない。すなわち、
図13に示す圧電共振子71のように、圧電振動部72
は、互いに対向する矩形面72a,72bを有する直方
体状の形状を有していてもよい。すなわち、矩形面72
a,72b間の距離が、矩形面72a,72bの長辺の
長さよりも長くてもよい。その他の構造については、第
1の実施例と同様であるため、同一部分については、同
一の参照番号を付することにより、その説明は省略す
る。
【0071】第6の実施例 第6の実施例は、第1の実施例に係る圧電共振子を用い
たチップ型圧電共振部品についての実施例である。図1
4は、本実施例のチップ型圧電共振部品の分解斜視図で
あり、図15はその外観を示す斜視図である。
【0072】本実施例では、図7に示した圧電共振子2
1が用いられる。すなわち、圧電共振子21の圧電板2
2の長辺側の側面の両側に、それぞれ、空隙81a,8
2aが形成されるように、第1,第2のスペーサ板8
1,82が圧電共振子21に接合される。スペーサ板8
1,82は、両端において、それぞれ、保持部25,2
6に接合されている。上記圧電共振子21及びスペーサ
板81,82により共振プレート83が構成されてい
る。この共振プレート83の上下に、第1,第2のケー
ス基板84,85が貼り合わされる。ケース基板85
は、中央に凹部85aを有する。凹部85aは、圧電共
振子21の振動部分の振動を妨げないための空間を圧電
共振子21の下方に設けるために形成されている。同様
に、第1のケース基板84の下面にも凹部が形成されて
いる。
【0073】上記第1,第2のケース基板84,85を
共振プレート83の上下に貼り合わせ、図15に示すよ
うに、外部電極86,87を、積層体の両側面に形成す
ることにより、本実施例のチップ型圧電共振部品88が
得られる。
【0074】チップ型圧電共振部品88では、上記のよ
うに、圧電共振子21の圧電振動部が、積層体内に封止
されているため、圧電共振子21の耐湿性等を高めるこ
とができる。
【0075】好ましくは、上記共振プレート83を単一
の部材により、すなわち、上記第1,第2のスペーサ板
81,82及び圧電共振子21が一体化された形状を有
する圧電板に、共振電極28等を形成することにより共
振プレート83を構成してもよい。その場合には、図1
4に示す接合部分Gが存在しないため、より一層耐湿性
などに優れたチップ型圧電共振部品を提供することがで
きる。
【0076】第7の実施例 第1〜第6の実施例では、圧電振動部が、圧電セラミッ
クスなどの圧電材料により構成されていたが、図16に
示すように、金属もしくは半導体等からなり、平面形状
が矩形の部材91の矩形面上に、圧電セラミックスや圧
電性を示す合成樹脂等よりなる圧電薄膜92を形成し、
該圧電薄膜92上に第1の共振電極28を形成すること
により、圧電振動部を構成してもよい。
【0077】なお、図16では必ずしも明確ではない
が、平面形状が矩形の部材91の下面にも、圧電薄膜及
び第2の共振電極が形成されている。なお、上記のよう
な複合部材により圧電振動部を構成する場合には、ポア
ソン比σは、部材91のポアソン比σと、圧電薄膜92
を構成している材料のポアソン比σとを考慮して決定さ
れる。
【0078】第8の実施例 上述してきた実施例では、圧電共振子として、圧電振動
部の短辺側の側面に連結部を連結した構造を有するもの
を示したが、本発明の圧電共振子は、ばね端子等により
支持されてもよい。すなわち、図17に示すように、厚
み方向に分極処理された矩形の圧電板101の上面に、
第1の共振電極102を形成し、下面に第1の共振電極
102と対向するように第2の共振電極(図示せず)を
形成した構造において、上面及び下面から想像線で示す
ばね端子103,104を当接させてもよい。すなわ
ち、ばね端子103,104により圧電共振子105を
弾力挟持した構造であってもよい。
【0079】圧電共振子105では、矩形面の短辺に沿
う側面の中央部と、矩形面の中心とが振動の完全なノー
ド点となる。従って、上記のように、ばね端子103,
104を、圧電板101の主面中央に当接させて弾力挟
持することにより、圧電共振子105の共振特性を劣化
させることなく支持することができる。しかも、両短辺
に沿う側面中央に、切欠106,107を形成すること
により、周波数調整を行うことができる。すなわち、上
記切欠106,107の大きさを調整することにより、
共振周波数を調整することができ、しかも、完全なノー
ド点に溝加工するものであるため、周波数を大きく低下
させ得るとともに、波形の歪みも生じ難い。なお、本実
施例においても、圧電板101に代えて、金属板や半導
体板上に圧電薄膜を形成することにより圧電板101を
形成してもよい。
【0080】第9の実施例 第9の実施例は、単一モード圧電フィルタについての実
施例である。図18は、本発明の第9の実施例に係る圧
電フィルタを示す斜視図である。圧電フィルタ111
は、平面形状が矩形の圧電板112を用いて構成されて
いる。圧電板112の側方には、第1,第2の連結部1
13,114が連結されており、第1,第2の連結部1
13,114の外側には、第1,第2の保持部115,
116が連結されている。
【0081】本実施例では、圧電板112、第1,第2
の連結部113,114及び第1,第2の保持部11
5,116が一体の部材で構成されている。すなわち、
溝117,118を矩形の圧電板に形成することによ
り、上記圧電板112、第1,第2の連結部113,1
14及び保持部115,116が構成されている。もっ
とも、圧電板112と、第1,第2の連結部113,1
14と、保持部115,116とは別部材で構成されて
おり、これらの部材を接合することにより、一体化して
もよい。
【0082】圧電板112は、チタン酸ジルコン酸鉛系
圧電セラミックスなどの圧電セラミックスやLiTaO
3 もしくはLiNbO3 などの圧電単結晶により構成さ
れる。圧電板112は、厚み方向に一様に分極処理され
ている。
【0083】また、圧電板112の上面には、第1の共
振電極として、入力電極119と、出力電極120とが
形成されている。また、下面には、第2の共振電極とし
ての共通共振電極121が形成されている。
【0084】入力電極119及び出力電極120は、図
5に示した電荷分布において+の極性を有する領域を中
心として形成されている。また、共通共振電極121
は、入力電極119及び出力電極120に対して、圧電
板112を介して表裏対向するように形成されている。
【0085】なお、保持部116の上面には、引き出し
電極122が形成されており、保持部115の上面には
引き出し電極123が形成されている。また、保持部1
15の下面には、引き出し電極124が形成されてい
る。
【0086】引き出し電極122〜124は、それぞ
れ、入力電極119、出力電極120及び共通共振電極
121に電気的に接続されている。本実施例において
も、圧電板112の平面形状は、比b/aが上述した式
(1)を満たす値を中心として±10%の範囲となるよ
うに、その寸法が定められている。
【0087】従って、入力電極119から入力を印加し
た場合、屈曲モードの2次高調波で入力電極119と共
通共振電極121とが対向している部分が励振され、出
力が、共通共振電極121と出力電極120との間で取
り出される。すなわち、図19に回路図で示す3端子型
の単一モード圧電フィルタが構成される。
【0088】本実施例の圧電フィルタ111において
も、圧電振動部が上記のように構成されているため、振
動エネルギーは、圧電板112内に確実に閉じ込められ
る。従って、上述した圧電共振子についての実施例と同
様に、保持部115,116を用いて機械的に保持した
場合でも、フィルタ特性の劣化が生じ難い。
【0089】第10の実施例 図20は、本発明の第10の実施例に係る圧電フィルタ
を示す斜視図である。圧電フィルタ131は、両主面の
電極構造を除いては、圧電フィルタ111と同様に構成
されている。従って、同一部分については同一の参照番
号を付することにより、その説明を省略する。
【0090】本実施例では、圧電板112の上面に、第
1の共振電極として、電極132,133が形成されて
おり、圧電板112の下面には、電極132,133と
表裏対向するように電極134,135が、それぞれ、
形成されている。電極132〜135は、図5に示した
電荷分布における+の極性の領域に形成されている。
【0091】保持部115の上面には、引き出し電極1
36が形成されている。また、保持部116の上面に
は、引き出し電極137が形成されており、保持部11
5の下面には、引き出し電極138が、保持部116の
下面には引き出し電極139が形成されている。電極1
32〜135は、それぞれ、上記引き出し電極136〜
139に電気的に接続されている。
【0092】従って、図21に示すように、各電極を接
続することにより、すなわち引き出し電極136と、引
き出し電極138とを共通接続して基準電位に接続し、
他方、引き出し電極137,139を、入力電極または
出力電極として用いることにより、差動接続型の単一モ
ード圧電フィルタを構成することができる。
【0093】第11の実施例 図22は、本発明の第11の実施例に係る圧電フィルタ
を説明するための斜視図である。圧電フィルタ141
は、上面及び下面の電極形状を除いては、第9の実施例
の圧電フィルタ111と同様である。
【0094】本実施例の圧電フィルタ141では、圧電
板112の上面において、入力電極142が形成されて
いる。入力電極142は、図5に示した電荷分布におけ
る+の極性の領域に形成されている。
【0095】他方、圧電板112の上面において、図5
に示した電荷分布の−の極性の領域に、出力電極143
a,143bが形成されている。入力電極142は、保
持部116の上面に形成された引き出し電極144に電
気的に接続されている。また、出力電極143a,14
3bは、それぞれ、保持部115,116の上面に形成
された引き出し電極145,146に電気的に接続され
ている。
【0096】他方、圧電板112の下面には、全面に共
通共振電極147が形成されており、共通共振電極14
7は、保持部115の下面に形成された引き出し電極1
48に電気的に接続されている。
【0097】本実施例の圧電フィルタ141では、図2
2に示すように、引き出し電極145と引き出し電極1
46とを共通接続し、出力端とし、引き出し電極144
を入力端とし、引き出し電極148を基準電位に接続す
る。それによって、第9の実施例の圧電フィルタ111
と同様に、3端子型の単一モード圧電フィルタとして使
用することができる。
【0098】第9〜第11の実施例の変形例 第9〜第11の実施例の単一モード圧電フィルタでは、
圧電板112が厚み方向に一様に分極処理されていた。
しかしながら、各圧電フィルタ111,131,141
においては、図23に模式的に示すように、圧電板11
2に、矢印P1方向に分極処理された領域と、方向P1
とは逆方向のP2 方向に分極処理された領域とを形成し
てもよい。すなわち、図5に示した電荷分布において、
+の極性の領域を例えば矢印P1 の方向に分極処理し、
−の極性の領域をP2 方向に分極処理しておいてもよ
く、そのような圧電板112を用いた場合においても、
図23に回路図で示すように、単一モード圧電フィルタ
を構成することができる。
【0099】単一モード圧電フィルタのチップ型圧電共
振部品についての実施例 図24〜図26は、本発明の第12の実施例としてのチ
ップ型圧電フィルタを説明するための図である。
【0100】本実施例のチップ型圧電フィルタでは、図
24に示すように、圧電フィルタ111(図18参照)
及び圧電フィルタ131(図20参照)が用いられる。
すなわち、圧電フィルタ111の両側に、第1,第2の
スペーサ板151,152が接合されて、第1の共振プ
レート153が構成されている。第1の共振プレート1
53では、スペーサ板151,152を接合することに
より、空隙151a,152aが、圧電振動部の両側に
構成されている。第1,第2のスペーサ板151,15
2は、アルミナなどの絶縁性セラミックス、あるいは合
成樹脂等により構成されるが、圧電共振子112と同等
の厚みを有するように構成することが必要である。
【0101】同様に、圧電共振子131の両側にも、第
1,第2のスペーサ板154,155が接合されて第2
の共振プレート156が構成されている。本実施例で
は、上記第1,第2の共振プレート153,156の間
に、図25に示す矩形枠状のスペーサ157が挿入さ
れ、第1,第2の共振プレート153,156が積層さ
れ、さらに、その上下に同じくスペーサ157を介在さ
せて、図24に示す第1,第2のケース基板158,1
59が貼り合わされる。このようにして、図26に示す
積層体160が得られる。スペーサ157としては、合
成樹脂よりなる矩形枠状の部材を用いてもよく、あるい
は上述した各部材を接合するのに用いられる接着剤を、
矩形枠状に塗布し硬化させることにより上記スペーサ1
57としてもよい。
【0102】なお、ケース基板158,159に凹部を
設けることにより、共振プレート153の上方に挿入さ
れるスペーサ157及び共振プレート156の下方に挿
入されるスペーサ157を省略してもよい。
【0103】上記スペーサ157を介在させることによ
り、圧電共振子111,131の圧電振動部の振動を妨
げないための空間が、各圧電振動部の上下に構成され
る。本実施例では、図26に示すように、得られた積層
体160の両側面に、外部電極161〜164が形成さ
れる。従って、外部電極161を入力電極とし、外部電
極163を出力電極とし、外部電極162を基準電位に
接続することにより、図27に示す2素子3端子型の単
一モード圧電フィルタを構成することができる。なお、
外部電極164は、部品の対称性を高めるために設けら
れたダミーの外部電極である。
【0104】第13の実施例 図28〜30は、第13の実施例に係る2重モード圧電
フィルタを説明するための図である。本実施例では、図
28(a)及び(b)において、それぞれ、平面図及び
圧電板を透かして下方の電極形状を示した模式的平面図
で示す圧電フィルタ171が用いられる。圧電フィルタ
171は、第1,第2の圧電振動部172,173を有
する。各圧電振動部172,173は、第1の実施例の
圧電フィルタ21とほぼ同様に構成されている。すなわ
ち、比b/aが、上述した式(1)を満たす値を中心と
して±10%の範囲内とされている平面形状が矩形の圧
電板174の上面に第1の共振電極175が、下面に第
2の共振電極176が形成されている。同様に、第2の
圧電振動部173においても、圧電板177の上面に第
1の共振電極178が、下面に第2の共振電極179が
形成されている。第1,第2の圧電振動部172,17
3は、連結部180を介して、連結されている。すなわ
ち、圧電板174,177の短辺側の側面において、連
結部180を介して連結されている。
【0105】他方、圧電振動部172においては、他方
の短辺側の側面の一端側において、連結部181が連結
されており、該連結部181の外側に保持部182が連
結されている。同様に、第2の圧電振動部173側にお
いては、連結部183が圧電振動板177の短辺側の側
面の一端側部分に連結されており、連結部183の外側
に保持部184が連結されている。
【0106】また、保持部182の上面には、引き出し
電極185が形成されており、下面には、引き出し電極
186が形成されている。同様に、保持部184の上面
には、引き出し電極187が、下面には引き出し電極1
88が形成されている。引き出し電極185,186
は、それぞれ、第1,第2の共振電極175,176に
接続されており、引き出し電極187,188は、それ
ぞれ、共振電極178,179に電気的に接続されてい
る。
【0107】圧電フィルタ171では、引き出し電極1
85を入力端とし、引き出し電極187を出力端とし、
引き出し電極186,188を基準電位に接続すること
により、2重モード圧電フィルタとして動作させること
ができる。
【0108】この2重モード圧電フィルタ171におい
ても、各圧電振動部172,173が上記のように構成
されているため、振動エネルギーが、圧電振動部17
2,173に効果的に閉じ込められ、従って保持部18
2,184を用いて機械的に保持した場合においても、
フィルタ特性の劣化が生じ難い。図29は、上記圧電フ
ィルタ171を用いたチップ型圧電フィルタを製造する
過程を説明するための分解斜視図である。
【0109】圧電フィルタ171の各圧電振動部の長辺
側の両側に、第1,第2のスペーサ板191,192が
接合され、それによって圧電振動部172,173の両
側に空隙191a,192aが形成されている。この圧
電フィルタ171と、第1,第2のスペーサ板191,
192により、共振プレート193が構成されている。
共振プレート193の上面及び下面に、第1,第2のケ
ース基板194,195が貼り合わされる。ケース基板
195の上面には、凹部195aが形成されている。凹
部195aは、圧電フィルタ171の振動部分の振動を
妨げないための空間を確保するために設けられている。
同様に、第1のケース基板194の下面にも凹部が形成
されている。
【0110】また、上記凹部の形成に代えて、共振プレ
ート193の上下に、矩形枠状のスペーサ部材を介在さ
せ、平面状のケース基板を上下から貼り合わせることに
よっても、共振部の振動を妨げないための空間を圧電フ
ィルタ171の上下に形成することができる。
【0111】また、接着剤を矩形枠状に塗布し、共振プ
レート193と、第1,第2のケース基板194、19
5を貼り合わせることにより、圧電フィルタ171の上
下に空間を形成してもよい。
【0112】上記のようにして得られた積層体を、図3
0に示す。積層体196の側面に、外部電極201〜2
04を形成する。この外部電極201,203を基準電
位に接続し、外部電極202,204を入出力電極とし
て用いることにより、チップ型圧電フィルタ205を、
2重モード圧電フィルタとして動作させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のすべりモードを利用した圧電共振子を示
す斜視図。
【図2】厚み方向に分極処理された圧電板の両面に電極
を形成したモデルを示す斜視図。
【図3】図2に示した圧電板の変位状態を有限要素法に
より解析した状態を示す図。
【図4】図3に示した圧電板に連結部を連結した場合の
変位分布を示す図。
【図5】図4の変位分布に応じた電荷分布状態を示す平
面図。
【図6】(a)は、比b/aとポアソン比との関係を示
す図、(b)は、相対変位とnとの関係を示す図。
【図7】第1の実施例の圧電共振子の平面図。
【図8】第1の実施例の圧電共振子において、圧電板を
透かして下方の電極形状を示す模式的平面図。
【図9】第2の実施例の圧電共振子を示す平面図。
【図10】第2の実施例において圧電板を透かして下方
の電極形状を示した模式的平面図。
【図11】第3の実施例を説明するための模式的断面
図。
【図12】第4の実施例の圧電共振子を示す平面図。
【図13】第5の実施例の圧電共振子を説明するための
斜視図。
【図14】第6の実施例に係るチップ型圧電共振部品の
分解斜視図。
【図15】チップ型圧電共振部品を示す斜視図。
【図16】第7の実施例に係る圧電共振子を示す斜視
図。
【図17】第8の実施例の圧電共振子を示す斜視図。
【図18】第9の実施例に係る圧電フィルタを示す斜視
図。
【図19】第9の実施例の圧電フィルタの回路図。
【図20】第10の実施例の圧電フィルタを示す斜視
図。
【図21】図20に示した圧電フィルタの回路図。
【図22】第11の実施例に係る圧電フィルタを示す斜
視図。
【図23】圧電フィルタの他の例を示す模式的断面図。
【図24】第12の実施例に係るチップ型圧電フィルタ
の分解斜視図。
【図25】スペーサを示す斜視図。
【図26】チップ型圧電フィルタの斜視図。
【図27】図26に示した圧電フィルタの回路図。
【図28】(a)及び(b)は、第13の実施例に係る
2重モード圧電フィルタの平面図及び圧電板を透かして
下方の電極形状を示した模式的平面図。
【図29】チップ型2重モード圧電フィルタを説明する
ための分解斜視図。
【図30】チップ型2重モード圧電フィルタを示す斜視
図。
【符号の説明】
21…圧電共振子 22…圧電板 22a,22b…短辺に沿う側面 23,24…第1,第2の連結部 25,26…第1,第2の保持部 28,29…第1,第2の共振電極 30,31…引き出し電極 41…圧電共振子 42a,42b…第1の共振電極 43a,43b…第2の共振電極 51,53…第1の共振電極 52,54…第2の共振電極 61…圧電共振子 62,63…動吸振部 71…圧電共振子 72a,72b…矩形面 91…部材 92…圧電薄膜 101…圧電板 102…第1の共振電極 105…圧電共振子 111…圧電フィルタ 115,116…第1,第2の保持部 119…入力電極 120…出力電極 121…共通共振電極 122…圧電板 123,124…第1,第2の連結部 122〜124…引き出し電極 131…圧電フィルタ 132,133,134,135…電極 136〜139…引き出し電極 141…圧電フィルタ 142…入力電極 143a,143b…出力電極 147…共通共振電極 160…積層体 161〜164…外部電極 171…2重モード圧電フィルタ 172,173…第1,第2の圧電振動部 174,177…圧電板 180…連結部 181,183…第1,第2の連結部 182,184…第1,第2の保持部 185〜188…引き出し電極 175,176,178,179…共振電極 191,192…第1,第2のスペーサ 194,195…第1,第2のケース基板 205…チップ型2重モード圧電フィルタ

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向する一対の矩形の面と、一対の矩形
    の面を結ぶ4つの側面とを有する圧電振動部と、 前記圧電振動部の前記一対の矩形面上に形成された第
    1,第2の共振電極とを備え、 前記矩形面の短辺の長さをa、長辺の長さをb、圧電振
    動部を構成する材料のポアソン比をσとしたときに、比
    b/aが、 【数1】 を満たす値を中心として±10%の範囲内とされてお
    り、圧電横効果を利用して2n次(但し、nは整数)の
    屈曲モードの振動を励振させるように構成されている、
    圧電共振子。
  2. 【請求項2】 前記圧電振動部の側面のうち、前記矩形
    面の短辺に沿う側面の一端側に連結された連結部をさら
    に備え、該連結部により保持されるように構成されてい
    る、請求項1に記載の圧電共振子。
  3. 【請求項3】 前記圧電振動部の矩形面の第1の短辺に
    沿う第1の側面の一端側部分に第1の連結部が連結され
    ており、第1の連結部が連結されている部分に対して対
    角線方向において反対側の位置となるように、第2の短
    辺に沿う第2の側面の一端側部分に第2の連結部が連結
    されている、請求項2に記載の圧電共振子。
  4. 【請求項4】 前記連結部に、圧電共振子を機械的に保
    持するための保持部が連結されている、請求項2または
    3に記載の圧電共振子。
  5. 【請求項5】 前記保持部に引き出し電極が形成されて
    おり、該引き出し電極が前記第1または第2の共振電極
    に電気的に接続されている、請求項4に記載の圧電共振
    子。
  6. 【請求項6】 前記第1,第2の共振電極が、前記第
    1,第2の連結部が連結されている側のコーナー部を結
    ぶ対角線に略沿うように延びるように、前記圧電振動部
    の矩形面上に形成されている、請求項3に記載の圧電共
    振子。
  7. 【請求項7】 前記第1,第2の共振電極が、前記第
    1,第2の連結部が連結されている部分近傍において、
    それぞれ、前記矩形面上に形成されている、請求項3に
    記載の圧電共振子。
  8. 【請求項8】 前記連結部と前記保持部との間に設けら
    れた動吸振部をさらに備える、請求項2に記載の圧電共
    振子。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の圧電共振子と、 前記圧電共振子の一対の矩形面上に振動部分の振動を妨
    げない空間を有するようにして貼り合わされた第1,第
    2のケース基板とを有する、チップ型圧電共振部品。
  10. 【請求項10】 前記圧電共振子が、前記圧電振動部の
    矩形面の短辺側の両側面に連結された第1,第2の連結
    部及び第1,第2の保持部を有し、 前記保持部に、前記第1,第2のケース基板が貼り合わ
    されている、請求項9に記載のチップ型圧電共振部品。
  11. 【請求項11】 前記圧電共振子の圧電振動部の長辺側
    の両側に、前記圧電振動部の振動を妨げないための空隙
    を隔てて第1,第2のスペーサ板が結合されている、請
    求項10に記載のチップ型圧電共振部品。
  12. 【請求項12】 前記圧電共振子及び第1,第2のスペ
    ーサ板が一体の部材で構成されている、請求項11に記
    載のチップ型圧電共振部品。
  13. 【請求項13】 前記第1の共振電極が、一対の電極か
    らなり、該一対の電極の一方を入力電極、他方を出力電
    極とする単一モード圧電フィルタである、請求項1に記
    載の圧電共振子。
  14. 【請求項14】 前記圧電振動部が、第1,第2の圧電
    振動部により構成されており、第1,第2の圧電振動部
    を、各圧電振動部の矩形面の短辺側の側面同士を連結す
    る連結部により連結されており、それによって2重モー
    ド圧電フィルタが構成されている、請求項1に記載の圧
    電共振子。
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