JP3139252B2 - 可変動弁装置 - Google Patents

可変動弁装置

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JP3139252B2
JP3139252B2 JP05305586A JP30558693A JP3139252B2 JP 3139252 B2 JP3139252 B2 JP 3139252B2 JP 05305586 A JP05305586 A JP 05305586A JP 30558693 A JP30558693 A JP 30558693A JP 3139252 B2 JP3139252 B2 JP 3139252B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は内燃機関の動弁系に設
けられる動弁装置に係り、詳しくは、吸排気用のバルブ
の開き量(リフト量)等を選択的に変えられるようにし
た可変動弁装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関では、高速性能の向上と
低速安定性の確保とを両立させることを課題とした動弁
系の機構に関する新しい技術が幾つか提案されている。
その中で、吸排気用の各バルブに対応して設けられた2
種類のカムが、内燃機関の高速回転域と低速回転域とで
使い分けられることにより、バルブのリフト量或いは開
き期間を変えられるようにしたものがある。
【0003】例えば、特開平3−213607号公報に
開示された技術では、図40に示すように、同一のカム
シャフト91上に一対の低速カム92と一つの高速カム
93とが配設されている。ここで、高速カム93は低速
カム92よりも小径に形成されている。各カム92,9
3とバルブ94との間には、有底筒状をなすリフタボデ
ィ(以下、「バルブリフタ」という。)95が介在され
ている。そして、低速カム92はバルブリフタ95の上
面両外寄りに当接され、バルブリフタ95の底部上面中
央には、高速カム93に当接される油圧ピストン96が
配設されている。この油圧ピストン96は、平面が円形
状と推測されるものであり、バルブリフタ95の底部に
形成された油圧室97にスプリング98を介して上下動
自在に配設されている。そして、その油圧室97には、
内燃機関の運転条件に応じて潤滑油の供給が制御され
る。即ち、内燃機関の低速回転域では、油圧室97への
潤滑油の供給が遮断され、高速回転域では、油圧室97
へ潤滑油が供給される。
【0004】従って、内燃機関の低速回転域で、油圧室
97への潤滑油の供給が遮断されることにより、油圧ピ
スト96の上下動が許容され、高速カム93がバルブ
リフタ95に作用しなくなる。そして、バルブリフタ9
5には両低速カム92のみが作用することになる。その
結果、バルブ94が低速カム92のカムプロフィールに
従って開閉される。一方、内燃機関の高速回転域では、
油圧室97へ潤滑油が供給されることにより、油圧ピス
トン96が上方へ押し上げられた状態で動きが規制さ
れ、両低速カム92に代わって高速カム93がバルブリ
フタ95に作用することになる。その結果、バルブ94
が高速カム93のカムプロフィールに従って開閉され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来技
術では、高速カム93が低速カム92よりも小径に形成
されていることから、高速カム93が油圧ピストン96
を介してバルブリフタ95に作用する長さ、即ち高速カ
ム93のバルブリフタ95に対する作用幅が小さくな
る。即ち、小径の高速カム93に当接される油圧ピスト
ン96の外径は、バルブリフタ95のそれよりも必然的
に小さくなる。そのため、バルブリフタ95の上面全域
が、高速カム93を作用させるために有効に利用されな
くなる。
【0006】ここで、一般に、カムがバルブリフタを介
してバルブを押し下げる時の最大速度、即ち最大リフト
速度は、カムとバルブリフタとの当たり始めの点とバル
ブリフタ中心との間の距離により決定される。従って、
前記従来技術では、バルブの最大リフト速度を大きくと
ることが困難になる。
【0007】この発明は前述した事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、複数のカムを選択的に使い
分けることにより、吸排気用のバルブの開き量(リフト
量)等を可変とした可変動弁装置において、カムのバル
ブリフタに対する作用幅を大きくとることを可能にし、
バルブの最大リフト速度を増大させることを可能にした
可変動弁装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明では、シリンダヘッドのリ
フタボアに往復動可能に設けられた円筒状のバルブリフ
タと、カムシャフトに設けられたプロフィールの異なる
複数のカムと、前記バルブリフタに設けられ、前記複数
のカムのうち対応するカムに当接可能な複数のシム片と
を備え、これら複数のシム片のうちの一つを、これに対
応するカムに近接離間する方向において、前記バルブリ
フタに対して選択的に移動可能な可動シム片とし、この
可動シム片の移動に基づき前記バルブリフタを往復動さ
せるカムを選択して同バルブリフタとともに駆動される
バルブの開き量を変更するようにした可変動弁装置にお
いて、前記可動シム片は、前記カムシャフトの軸方向に
対してほぼ直角をなす方向に沿って他のシム片と分割さ
れ、その分割方向に延びて両端部がバルブリフタに当接
され、且つ、前記バルブリフタに対してその軸心周りに
相対回転可能に設けられた皿内に他のシム片とともに配
設されている。
【0009】請求項2に記載の発明では、シリンダヘッ
ドのリフタボアに往復動可能に設けられた円筒状のバル
ブリフタと、カムシャフトに設けられたプロフィールの
異なる複数のカムと、前記バルブリフタに設けられ、前
記複数のカムのうち対応するカムに当接可能な複数のシ
ム片とを備え、これら複数のシム片のうちの一つを、こ
れに対応するカムに近接離間する方向において、前記バ
ルブリフタに対して選択的に移動可能な可動シム片と
し、この可動シム片の移動に基づき前記バルブリフタを
往復動させるカムを選択して同バルブリフタとともに駆
動されるバルブの開き量を変更するようにした可変動弁
装置において、前記可動シム片は、前記カムシャフトの
軸方向に対してほぼ直角をなす方向に沿って他のシム片
と分割され、その分割方向における両端部には前記バル
ブリフタの外周に沿ってその軸方向に延び且つ同バルブ
リフタの外周から外方に突出するスカート部が形成さ
れ、前記リフタボアは、これら両スカート部をガイドす
るためのガイド溝を有している。
【0010】
【0011】
【0012】
【作用】上記請求項1記載の発明の構成によれば、可動
シム片が、カムシャフトの軸方向に対してほぼ直角をな
す方向に沿って他のシム片と分割され、その分割方向に
延びて両端部がバルブリフタに当接されている。このた
、一つのカムが可動シム片を介してバルブリフタに作
用する長さ、即ち一つのカムのバルブリフタに対する作
用幅が最大限に確保される。更に、可動シム片を含む複
数のシム片がバルブリフタに対してその軸心周りに相対
回転可能に設けられた皿内に配設されているため、同バ
ルブリフタは可動シム片に対して相対回転可能となる。
【0013】
【0014】また、請求項2記載の発明の構成によれ
ば、可動シム片が、カムシャフトの軸方向に対してほぼ
直角をなす方向に沿って他のシム片と分割されているた
め、一つのカムが可動シム片を介してバルブリフタに作
用する長さ、即ち一つのカムのバルブリフタに対する作
用幅が最大限に確保される。更に、バルブリフタに対す
る可動シム片の移動がスカート部によりガイドされ、そ
のスカート部の移動がガイド溝によりガイドされる。更
に、可動シム片のスカート部がバルブリフタから外方へ
突出していることから、その突出分だけ可動シム片とカ
ムとの当接長さを大きくとることが可能となる。
【0015】
【0016】
【実施例】(第1実施例) 以下、発明における可変動弁装置第1実施例を図1
〜図9に基づいて詳細に説明する。
【0017】図1はこの実施例における可変動弁装置の
断面図を示し、図2は図1の断面図に対して軸線L1を
中心に90°異なる位置で切断された主要部の断面図を
示している。内燃機関を構成するシリンダヘッド1の上
方には、図示しないクランクシャフトに連動して回転駆
動されるカムシャフト2が配設されている。カムシャフ
ト2の直下においてシリンダヘッド1には、吸排気用の
バルブとしての吸気バルブ3が配設されている。吸気バ
ルブに対応して、シリンダヘッド1には、大小のリフ
タボア4及びステムボア5が上下斜め方向に直列に形成
され、両ボア4,5の間には空洞6が形成されている。
又、シリンダヘッド1には、吸気バルブ3により開閉さ
れる吸気ポート7が形成されている。
【0018】上記した上側のリフタボア4には、有底円
筒状をなす直打式のバルブリフタ8が上下方向へ摺動可
能に組み付けられている。又、下側のステムボア5に
は、吸気バルブ3から延びるステム9を摺動可能に案内
するステムガイド10が組み付けられている。更に、空
洞6の底壁6aには、座金11がステムガイド10を中
心に装着されている。そして、ステムガイド10を貫通
して上方へ延びるステム9の上部には、コタック12及
びリテーナ13が装着され、ステム9の上端はバルブリ
フタ8の底部下面8aの中央に当接されている。又、ス
テム9の周囲にてリテーナ13と座金11との間には、
バルブスプリング14が装着されている。そして、バル
ブスプリング14により吸気バルブ3及びバルブリフタ
8等が上方向、即ち吸気バルブ3により吸気ポート7が
閉じられる方向へ付勢されている。一方、バルブリフタ
8の底部上面側には円形をなす凹所8bが形成されてお
り、その凹所8bには、一組をなすシム15を含むシム
機構が配設されている。
【0019】上記の一つのバルブリフタ8には、それに
対応して、カムシャフト2上に一対の低速カム16と一
つの高速カム17とが設けられている。これら各カム1
6,17は互いに隣接して設けられており、両低速カム
16の間に高速カム7が配置されている。ここで、低速
カム16は内燃機関の低速回転域で選択的に使用される
ものであり、高速カム17は高速回転域で選択的に使用
されるものであり、それぞれ互いに異なるカムプロフィ
ールを備えている。この実施例において、低速カム16
及び高速カム17は、カムシャフト2を中心に互いに同
一寸法をなす基礎円16a,17aを備え、互いに高さ
の異なるノーズ16b,17bを備えている。
【0020】上記のようなカムプロフィールの異なる低
速カム16及び高速カム17と当接するために、前述し
た一組のシム15は複数のシム片から構成されている。
即ち、図3はバルブリフタ8及びシム15の斜視図を示
し、同図及び図2からも明らかなように、一組のシム1
5は、低速カム1に当接可能な一対の低速シム片18
と、両低速シム片18の間に位置する可動シム片として
の高速シム片19とから構成されている。この実施例で
は、図2,3に示すように、高速シム片19が、カムシ
ャフト2の軸線L2に対してほぼ直角をなす方向D1
へ、両低速シム片18に対して分割されている。これに
より、両低速シム片18は平面略半円形をなし、高速シ
ム片19は平面略長方形をなしている。又、この実施例
では、バルブリフタ8に対して、両低速シム片18が上
下動不能に、高速シム片19が上下動可能に組み付けら
れている。即ち、高速シム片19は、後述するシム機構
により、高速カム17に対して作用及び非作用となる上
下方向へ移動可能に設けられている。ここで、高速シム
片19と両低速シム片18との間で生じ得る段差の大き
さは、高速カム17のノーズ17bと低速カム16のノ
ーズ16bとの高さの差よりも大きくなるように設定さ
れている。これにより、高速シム片19が最下位置に下
がったときに、高速カム17と高速シム片19とが接触
しないようにしている。そして、高速シム片19を高速
カム17に対して作用又は非作用となる方向へ選択的に
移動させてバルブリフタ8に対する低速カム16、高速
カム17の作用を使い分けることにより、吸気バルブ3
の開き量(バルブリフト量)等が変えられる。
【0021】次に、バルブリフタ8の凹所8bに配設さ
れたシム機構について説明する。図4は、この実施例の
バルブリフ8及びシム機構の分解斜視図を示してい
る。シム機構を構成する部材としては、前述した二つの
低速シム片18と一つの高速シム片19の他に、一対の
油圧可動片20と、両油圧可動片20を付勢するための
一対のスプリング21と、バルブリフタ8を回り止めす
るためのピン22とを備えている。
【0022】凹所8bの底壁中央には、上方へ突出する
支軸23が設けられている。凹所8bの底壁外周寄りに
は、バルブリフタ8の外部に連通して作動油を導入する
ための油孔24が形成されている。凹所8bの側壁に
は、ピン22を嵌合するためのピン孔25が形成されて
いる。
【0023】各油圧可動片20は平面略M字形をなし、
その両脇には互いに平行に延びる案内用の凸条20aが
形成されている。又、両油圧可動片20の互いに対向す
る側面は湾曲した段付面20bとなっている。各低速シ
ム片18の下側には,各油圧可動片20の凸条20aに
対応して延びる案内用の凹条18aが形成されている。
更に、一方の低速シム片18の底面には、凹条18aに
対して直交する方向へ延びる油溝18bが形成され、他
方の低速シム片18の外周面には、前述したピン孔25
に対応するピン穴18cが形成されている。加えて、高
速シム片19の下面中央には、前述した支軸23に対応
して下方へ突出する段付のボス19aが形成されてい
る。又、高速シム片19の下面四隅には、下方へ突出す
る足19bが形成されている。
【0024】そして、両油圧可動片20は支軸23を中
心に互いに対向するように凹所8bに組み込まれ、その
組み込み状態で両油圧可動片20の上側に高速シム片1
9が配置され、そのボス19aが支軸23に対して上下
動可能に嵌め込まれている。又、それら各油圧可動片2
0と凹所8bの側壁との間に各スプリング21が組み込
まれ、各油圧可動片20の凸条20aに凹条18aが整
合するように、両低速シム片18が凹所8bに組み込ま
れている。更に、ピン22がピン孔25及びピン穴18
cに整合して嵌め込まれている。このような組み付け状
態において、油孔24が油溝18bに連通するように位
置決めされている。
【0025】この実施例では、油孔24及び油溝18b
を通じて凹所8bに供給される作動油により、高速シム
片19及び両油圧可動片20が作動するようになってい
る。図2に示すように、凹所8bに作動油を供給すべ
く、シリンダヘッド1には油路26が形成されている。
バルブリフタ8の外周には、油路26に整合すると共に
上下方向へ延びる油溝8cが形成されている。ここで
は、作動油として内燃機関の潤滑油が使用されており、
内燃機関に連動して駆動される油圧ポンプより吐出され
る潤滑油により油路26に油圧が供給可能となってい
る。又、この実施例では、油路26に対する油圧の供給
が、内燃機関の回転域の違いに応じて制御される。即
ち、内燃機関の運転状態がある基準回転数よりも低い低
速回転域にある場合には、油路26に対する油圧の供給
が遮断され、高速回転域にある場合には、油路26に油
圧が許容される。
【0026】尚、上記のような油圧の制御は、内燃機関
の回転数を検出するための回転数センサ、油路26に対
する油圧の供給を入り切りするための制御弁、及びマイ
クロコンピュータ等を含む制御装置によって行われる
が、ここでは、その制御装置の詳しい説明を省略する。
【0027】又、図2に示すように、前述した回り止め
用のピン22に対応して、シリンダヘッド1には、上下
方向に延びるピン溝27が形成されている。そして、ピ
ン22及びピン溝27の協働により、バルブリフタ8及
びシム機構が一体的に回り止めされながらシリンダヘッ
ド1に対して上下動可能となっている。
【0028】次に、上記のように構成された可変動弁装
置の作用について説明する。図5(A),(B)はバル
ブリフタ8におけるシム機構の作用を説明する平面図で
あり、バルブリフタ8から高速シム片19がボス19a
を残して取り外された状態を示している。又、図6
(A),(B)は同じくバルブリフタ8におけるシム機
構(高速シム片19を含む)の作用を説明する断面図で
あり、図5(A),(B)におけるX1−X1線の断面
図を示している。
【0029】先ず、内燃機関の運転状態が低速回転域に
ある場合には、油路26に対する油圧の供給が遮断され
ることから、バルブリフタ8におけるシム機構の作用は
図5(A)及び図6(A)に示す状態となる。即ち、二
つの油圧可動片20はスプリング21により互いに近接
する方向へ付勢され、且つ、高速シム片19の下側にて
各足19bの間に配置される。これにより、高速シム片
19はバルブリフタ8の凹所8bの中へ下がった状態と
なり、高速シム片19の上面は両低速シム片18の上面
よりも低い位置に配置される。しかも、図1及び図5
(A)に示すように、高速シム片19における段付のボ
ス19aは両油圧可動片20の段付面20bに係合して
挟持される。そのため、高速シム片19はその移動が両
油圧可動片20によって規制される。
【0030】この場合、図1,2に示すように、バルブ
リフタ8には、各カム16,17のうちの両低速カム1
6のみが作用することになる。即ち、両低速カム16の
みが両低速シム片18に当接される状態となり、高速カ
ム17は高速シム片19から離れた状態となる。従っ
て、カムシャフト2の回転に伴い両低速カム16が回転
されると、両低速カム16がそのカムプロフィールに従
って両低速シム片18に摺接する。又、両低速カム16
が両低速シム片18を介してバルブリフタ8を押圧する
状態となる。そして、両低速カム16のノーズ16bが
両低速シム片18に摺接する際に、バルブリフタ8がバ
ルブスプリング14の付勢力に抗して押し下げられる
と、吸気バルブ3が押し下げられ、即ちリフトされ、吸
気ポート7が開かれる。又、両低速カム16のノーズ1
6bが、それらの回転に伴い両低速シム片18から離れ
る際に、バルブリフタ8がバルブスプリング14の付勢
力によって押し上げられると共に、吸気バルブ3が上動
して吸気ポート7が閉じられる。このときの、カム回転
角に対するバルブリフト量の関係を図9の曲線R1に示
す。
【0031】このように、両低速カム16がバルブリフ
タ8に作用することにより、低速回転域に適した開閉特
性をもって吸気バルブ3が開閉される。そして、この実
施例では、低速回転域で作用することのない高速シム片
19が、両油圧可動片20により確実に移動規制される
ことから、高速シム片19に無用な挙動が発生すること
がない。その結果、高速シム片19の無用な挙動に起因
する騒音等の発生を未然に防止することができる。例え
ば、高速シム片19が無用に動いて高速カム17と接触
するようなことがなく、両者19,17の接触によって
打音が発生するようなことがない。
【0032】一方、内燃機関の運転状態が高速回転域に
ある場合には、油路26に油圧が供給されることから、
バルブリフタ8におけるシム機構の作用は図5(B)及
び図6(B)に示す状態となる。即ち、油路26に供給
された油圧は、油溝8c、油孔24及び油溝18bを通
じて高速シム片19の下側における両速シム片18の
間に導入される。そして、その油圧により、両油圧可動
片20がスプリング21の付勢力に抗して互いに離間す
る方向へ移動される。又、このときの両油圧可動片20
の移動に伴い、段付面20bによるボス19aの挟持が
解除されることから、高速シム片19が油圧によって押
し上げられる。これにより、両油圧可動片20が高速シ
ム片19の各足19bの下に配置され、高速シム片19
が各油圧可動片20の上に係合して支持される。そのた
め、高速シム片19が両油圧可動片20によって下げ止
めされる。この状態で、高速シム片19はバルブリフタ
8の凹所8bから突出した状態となり、高速シム片19
の上面は両低速シム片18の上面と一致して配置され
る。
【0033】この場合、図7,8に示すように、バルブ
リフタ8には、各カム16,17のうち特に高速カム1
7が作用することになる。即ち、両低速カム16及び高
速カム17の基礎円16a,17aの各々は両低速シム
片18、高速シム片19にそれぞれ当接可能となる。そ
して、高速カム17のノーズ17bのみが高速シム片1
9に対して当接可能となり、両低速カム16のノーズ1
6bは両低速シム片18に対して当接不能となる。従っ
て、カムシャフト2の回転に伴い各カム16,17が回
転されると、各カム16,17がそのカムプロフィール
に従って低速シム片18、高速シム片19にそれぞれ摺
接する。そして、高速カム17のノーズ17bが高速
片19に摺接する際には、両低速カム16のノーズ1
6bは両低速シム片18から離れる。そのため、バルブ
リフタ8は高速カム17のみによって押し下げられるこ
とになり、これによって、吸気バルブ3がリフトされて
吸気ポート7が開かれる。又、高速カム17のノーズ1
7bが、その回転に伴い高速シム片19から離れる際
に、バルブリフタ8がバルブスプリング14の付勢力に
よって押し上げられると共に、吸気バルブ3が上動して
吸気ポート7が閉じられる。このときの、カム回転角に
対するバルブリフト量の関係を図9の曲線R2に示す。
図9からも明らかなように、高速カム17によるバルブ
リフト量は低速カム16によるそれよりも大きくなる。
【0034】このように、特に高速カム17がバルブリ
フタ8に作用することにより、高速回転域に適した特性
をもって吸気バルブ3が開閉される。そして、この実施
例では、高速回転域で作用する高速シム片19が、両油
圧可動片20により支持されて確実に下げ止めされるこ
とから、高速カム17をバルブリフタ8に確実に作用さ
せることができる。その結果、吸気バルブ3の開閉を、
高速カム17のカムプロフィールに従って正確に行わせ
ることができる。
【0035】そして、この実施例では、高速シム片19
が、カムシャフト2の軸線L2に対してほぼ直角をなす
方向D1へ、両低速シム片18に対して分割されてい
る。そのため、高速シム片19はバルブリフタ8の底部
ほぼ全域にわたって分割されるかたちとなり、高速カム
17が高速シム片19を介してバルブリフタ8に作用す
る長さ、即ち高速カム17がバルブリフタ8に対する作
用幅が有効且つ最大限に確保される。その結果、高速カ
ム17のバルブリフタ8に対する作用幅を大きくとるこ
とができ、吸気バルブ3の最大リフト速度を増大させる
ことができる。
【0036】(第2実施例) 次に、発明における可変動弁装置第2実施例を図1
0〜図17に従って説明する。尚、この実施例を含む以
下の各実施例において、前記第1実施例の構成と共通す
る部材等については、同一の符号を付して説明を省略
し、異なる部材等を中心に説明する。
【0037】図10はこの実施例における可変動弁装置
の断面図を示し、図11は図10の断面図に対して軸線
L1を中心に90°異なる位置で切断された主要部の断
面図を示している。この実施例において、バルブリフタ
31は有底円筒状をなし、その底部上面側に円形をなす
凹所31aが形成されている。そして、この凹所31a
に一組をなすシム32を含むシム機構が配設されてい
る。又、この実施例では、低速カム16及び高速カム1
7について、それらの基礎円16a,17aがカムシャ
フト2を中心に互いに異なる寸法となっており、それら
のノーズ16b,17bも異なる高さとなっている。即
ち、ここでは、基礎円16aが基礎円17aよりも若干
小径に形成されている。
【0038】上記した一組のシム32は複数のシム片か
ら構成されている。即ち、図12はバルブリフタ31及
びシム32の斜視図を示し、同図及び図11からも明ら
かなように、一組のシム32は、低速カム16に当接可
能な一対の低速シム片33と、両低速シム片33の間に
位置する可動シム片としての高速シム片34とから構成
されている。この実施例では、図11,12に示すよう
に、高速シム片34が、カムシャフト2の軸線L2に対
してほぼ直角をなす方向D1へ、両低速シム片33に対
して分割されている。これにより、両低速シム片33は
平面略半円形をなし、高速シム片34は平面略長方形を
なしている。又、この実施例では、バルブリフタ31に
対して、両低速シム片33が上下動不能に、高速シム片
34が上下動可能に組み付けられている。即ち、高速シ
ム片34は、後述するシム機構により、高速カム17に
対して作用及び非作用となる上下方向へ移動可能に設け
られている。
【0039】ここで、高速シム片34と両低速シム片3
3との間に生じ得る段差の大きさは、高速カム17のノ
ーズ17bと低速カム16のノーズ16bとの高さの差
よりも大きくなるように設定されている。これにより、
高速シム片34が下がったときに、同シム片34を介し
て高速カム17が凹所31aに底着きしないようにして
いる。そして、高速シム片34を高速カム17に対して
作用又は非作用となる方向へ選択的に移動させてバルブ
リフタ31に対する低速カム16、高速カム17の作用
を使い分けることにより、吸気バルブ3の開き量(リフ
ト量)等が変えられる。
【0040】次に、バルブリフタ31の凹所31aに配
設されたシム機構について説明する。図13は、この実
施例のバルブリフタ31及びシム機構の分解斜視図を示
している。シム機構を構成する部材としては、前述した
二つの低速シム片33と一つの高速シム片34の他に、
一対の油圧可動片35と、両油圧可動片35を付勢する
ための一対のスプリング36と、高速シム片3を付勢
するための一対のスプリング37とを備えている。
【0041】バルブリフタ31の凹所31aの底壁中央
には、上方へ突出するボス38が形成されている。又、
凹所31aの底壁には一対の凹部39がボス38を中心
に対称に形成されている。同じく、凹所31aの底壁外
周寄りには、バルブリフタ31の外部に連通して油圧を
導入するための一対の油孔40が、ボス38を中心に対
称に形成されている。
【0042】各油圧可動片35は平面略U字形をなし、
両油圧可動片35の互いに対向する側が凹部35aとな
っている。各低速シム片33の下面両端には,下方へ延
びる一対の足33aが形成されている。加えて、高速シ
ム片34の下面中央には、前述したボス38に対応して
下方へ突出する支軸34aが形成されている。又、高速
シム片34の下面には、支軸34aを中心に、上記した
凹所31aの凹部39に対応する一対の凹部34bが形
成されている。
【0043】そして、両油圧可動片35はボス38を中
心に互いに対向するように凹所31aに組み込まれ、そ
れら各油圧可動片35とボス38との間に各スプリング
36が組み込まれている。又、その組み込み状態で、各
油圧可動片35の上側に、各低速シム片33が各油圧可
動片35を両足33aで跨ぐように配置されている。更
に、凹所31aの二つの凹部39に他のスプリング37
が配置されている。そして、その状態で、両低速シム片
33の間に高速シム片34が配置され、その支軸34a
がボス38の穴に嵌め込まれ、各凹部34bが各スプリ
ング37に嵌め込まれている。このような組み付け状態
において、各油孔40が各油圧可動片35に対向するよ
うに位置決めされている。
【0044】この実施例では、油孔40を通じて凹所3
1aに供給される油圧により、高速シム片34及び両油
圧可動片35が作動するようになっている。図11に示
すように、凹所31aに油圧を供給すべく、シリンダヘ
ッド1には油路41が形成されている。又、リフタボア
4の内周には、油路41に連通すると共に油孔40に対
応するように、ある程度の幅を持った油溝42が形成さ
れている。
【0045】尚、この実施例においても、前記第1実施
例と同様に、油路41に対する油圧の供給が内燃機関の
回転域の違いに応じて制御される。次に、上記のように
構成された可変動弁装置の作用について説明する。
【0046】図14(A),(B)はバルブリフタ31
におけるシム機構の作用を説明する平面図であり、バル
ブリフタ31から高速シム片34が取り外され、且つ両
低速シム片33が各足33aを残して取り外された状態
を示している。又、図15(A),(B)は同じくバル
ブリフタ31におけるシム機構(低速シム片33及び高
速シム片34を含む)の作用を説明する断面図であり、
図14(A),(B)におけるX2−X2線の断面図を
示している。
【0047】先ず、内燃機関の運転状態が低速回転域に
ある場合には、油路41に対する油圧の供給が遮断され
ることから、バルブリフタ31におけるシム機構の作用
は図14(A)及び図15(A)に示す状態となる。即
ち、二つの油圧可動片35はスプリング36によって互
いに離間する方向へ付勢され、且つ各低速シム片33の
下側にて各足33aの間に収容される。これにより、高
速シム片34はバルブリフタ31の凹所31aにて上下
動自在な状態となる。ここでは、高速シム片34がスプ
リング37により上方へ付勢されていることから、同シ
ム片34は常に高速カム17に当接された状態となる。
但し、図15(A),(B)には、高速シム片34が高
速カム17のノーズ17bにより押し下げられた状態が
示されている。
【0048】この場合、図10,11に示すように、バ
ルブリフタ31には、各カム16,17のうち両低速カ
ム16のみが作用することになる。即ち、両低速カム1
6は両低速シム片33を介してバルブリフタ31を押圧
した状態となり、高速カム17はバルブリフタ31を押
圧することなく高速シム片34に当接した状態となる。
従って、カムシャフト2の回転に伴い各カム16,17
が回転されると、両低速カム16がそのカムプロフィー
ルに従って両低速シム片33に摺接する。そして、両低
速カム16のノーズ16bが両低速シム片33に摺接す
る際に、バルブリフタ31がバルブスプリング14の付
勢力に抗して押し下げられると、吸気バルブ3が押し下
げられて吸気ポート7が開かれる。又、両低速カム16
のノーズ16bが、それらの回転に伴い両低速シム片3
3から離れる際に、バルブリフタ31がバルブスプリン
グ14の付勢力によって押し上げられると共に、吸気バ
ルブ3が上動して吸気ポート7が閉じられる。このと
き、高速シム片34は高速カム17に摺接するが、高速
カム17が高速シム片34を介してバルブリフタ31を
押圧することがない。従って、吸気バルブ3は低速カム
16のカムプロフィールのみに従って開閉されることに
なる。
【0049】このように、両低速カム16がバルブリフ
タ31に作用することにより、低速回転域に適した開閉
特性をもって吸気バルブ3が開閉される。そして、この
実施例でも、低速回転域で作用しない高速シム片34が
常に高速カム17に摺接することから、高速シム片34
と高速カム17との間に打音が発生するようなことはな
い。
【0050】一方、内燃機関の運転状態が高速回転域に
ある場合には、油路41に対する油圧の供給が許容され
ることから、バルブリフタ31におけるシム機構の作用
は図14(B)及び図15(B)に示す状態となる。即
ち、油路41に供給された油圧は、油溝42及び油孔4
0を通じてバルブリフタ31の凹所31aに導入され、
その油圧が両油圧可動片35に加わる。このとき、高速
カム17の回転に連れて高速シム片34がスプリング3
7により押し上げられると、両油圧可動片35が油圧に
より、スプリング36の付勢力に抗して互いに近接する
方向へ移動される。これにより、両油圧可動片35の一
部が高速シム片34の下側に入り込み、同シム片34が
両油圧可動片35の上に係合可能となる。この状態で、
高速シム片34はバルブリフタ31の凹所31aから突
出した状態となり、高速シム片34の上面は両低速シム
片33の上面とほぼ並ぶ状態となる。
【0051】この場合、図16,17に示すように、バ
ルブリフタ31には、特に高速カム17が作用すること
になる。即ち、両低速カム16及び高速カム17の基礎
円16a,17aの各々は両低速シム片33、高速シム
片34にそれぞれ当接可能となる。そして、高速カム1
7のノーズ17bのみが高速シム片34に対して当接可
能となり、両低速カム16のノーズ16bは両低速シム
片33に対して当接不能となる。従って、カムシャフト
2の回転に伴い各カム16,17が回転されると、各カ
ム16,17がそのカムプロフィールに従って低速シム
片33、高速シム片34にそれぞれ摺接する。そして、
高速カム17のノーズ17bが高速シム片34に摺接す
る際には、両低速カム16のノーズ16bが両低速シム
片33から離れる。又、バルブリフタ31が高速シム片
34を介して高速カム17によって押圧される。そのた
め、バルブリフタ31は高速カム17のみによって押し
下げられ、吸気バルブ3が押し下げられて吸気ポート7
が開かれる。又、高速カム17のノーズ17bが、その
回転に伴い高速シム片34から離れる際に、バルブリフ
タ31がバルブスプリング14の付勢力によって押し上
げられると共に、吸気バルブ3が上動して吸気ポート7
が閉じられる。
【0052】このように、特に高速カム17がバルブリ
フタ31に作用することにより、高速回転域に適した特
性をもって吸気バルブ3が開閉される。そして、この実
施例では、高速回転域で作用する高速シム片34が、両
油圧可動片35の上に係合して確実に下げ止めされるこ
とから、高速カム17を高速シム片34を介してバルブ
リフタ31に確実に作用させることができる。その結
果、吸気バルブ3の開閉を、高速カム17のカムプロフ
ィールに従って正確に行わせることができる。
【0053】そして、この実施例でも、高速シム片34
が、カムシャフト2の軸線L2に対してほぼ直角をなす
方向D1へ、両低速シム片33に対して分割されてい
る。そのため、高速シム片34はバルブリフタ31の底
部ほぼ全域にわたって分割されるかたちとなり、高速カ
ム17が高速シム片34を介してバルブリフタ31に作
用する作用幅が有効且つ最大限に確保される。その結
果、高速カム17のバルブリフタ31に対する作用幅を
大きくとることができ、吸気バルブ3の最大リフト速度
を増大させることができる。
【0054】又、この実施例では、低速カム16の基礎
円16aが高速カム17の基礎円17aよりも若干小径
に設定されている。従って、各カム16,17の基礎円
16a,17aと各シム片33,34とが段差をもって
当接することになる。その結果、その段差が回り止めと
して機能し、各シム片33,34よりなる一組のシム3
2に回転力が付与されても、同シム32が回されること
はない。ここでは、シム32が回転されないことから、
バルブリフタ31そのものが回り止めされながら上下動
することになる。
【0055】更に、この実施例では、各油圧可動片35
を各低速シム片33の下側に配置するようにしたので、
シム機構の寸法の設定によっては、シム機構全体を薄型
に構成することが可能となる。
【0056】加えて、この実施例では、各油孔40から
導入される油圧が直に各油圧可動片35に加わることか
ら、凹所31a内における油圧経路を簡略化することが
でき、併せて各油圧可動片35の油圧に対する応答性を
上げることができる。
【0057】(第3実施例) 次に、発明における可変動弁装置第3実施例を図1
8〜図25に従って説明する。
【0058】図18はこの実施例における可変動弁装置
の断面図を示し、図19は図18の断面図に対して軸線
L1を中心に90°異なる位置で切断された主要部の断
面図を示している。この実施例において、バルブリフタ
51は有底円筒状をなし、その底部上面側に円形をなす
凹所51aが形成されている。そして、この凹所51a
に一組をなすシム52を含むシム機構が配設されてい
る。又、この実施例で、低速カム16及び高速カム17
に関する設定は、前記第2実施例のそれと同じである。
【0059】上記した一組のシム52は複数のシム片か
ら構成されている。即ち、図20はバルブリフタ51及
びシム52の斜視図を示し、同図及び図19からも明ら
かなように、一組のシム52は、低速カム16に当接可
能な一対の低速シム片53と、両低速シム片53の間に
位置する可動シム片としての高速シム片54とから構成
されている。この実施例では、図19,20に示すよう
に、高速シム片54が、カムシャフト2の軸線L2に対
してほぼ直角をなす方向D1へ、両低速シム片53に対
して分割されている。これにより、両低速シム片53は
平面略半円形をなし、高速シム片54は平面略長方形を
なしている。又、この実施例では、バルブリフタ51に
対して、両低速シム片53が上下動不能に、高速シム片
54が上下動可能に組み付けられている。即ち、高速シ
ム片54は、後述するシム機構により、高速カム17に
対して作用及び非作用となる上下方向へ移動可能に設け
られている。
【0060】ここで、高速シム片54と両低速シム片5
3との間に生じ得る段差の大きさは、高速カム17のノ
ーズ17bと低速カム16のノーズ16bとの高さの差
よりも大きくなるように設定されている。これにより、
高速シム片54が下がったときに、同シム片54を介し
て高速カム17が凹所51aに底着きしないようにして
いる。そして、高速シム片54を高速カム17に対して
作用又は非作用となる方向へ選択的に移動させてバルブ
リフタ51に対する低速カム16、高速カム17の作用
を使い分けることにより、吸気バルブ3の開き量(リフ
ト量)等が変えられる。次に、バルブリフタ51の凹所
51aに配設されたシム機構について説明する。図21
は、この実施例のバルブリフタ51及びシム機構の分解
斜視図を示している。シム機構を構成する部材として
は、前述した二つの低速シム片53と一つの高速シム片
54の他に、一対の油圧可動片55と、両油圧可動片5
5を付勢するための一つのスプリング56と、高速シム
片5を付勢するための一対のスプリング57とを備え
ている。加えて、上記した各部材53〜57を収容して
バルブリフタ51の凹所51aに配置される皿58を備
えている。
【0061】バルブリフタ51の凹所51aの底壁に
は、環状の油溝59が形成されている。又、凹所51a
の底部には、バルブリフタ51の外部に連通して油溝5
9に油圧を導入するための一対の油孔60が形成されて
いる。
【0062】各油圧可動片55は平面略M字形をなし、
両油圧可動片55の互いに対向する側には、スプリング
56を位置決めするための一対の凸部55aが形成され
ている。又、各油圧可動片55の両凸部55aの反対側
は、湾曲した凹部55bとなっている。各低速シム片5
3の下面両端には,下方へ延びる一対の足53aが形成
されている。加えて、高速シム片54の下面両脇には、
スプリング57を位置決めするための一対の凹部54a
が形成されている。皿58は有底円筒状をなし、その底
壁には、前述した油溝59に連通する一対の油孔58a
が形成されている。又、皿58の周壁の一部には、高速
シム片54との干渉を避けるための一対の切り欠き部5
8bが形成されている。
【0063】そして、両油圧可動片55は間にスプリン
グ56を介在させた状態で皿58の中に組み込まれてい
る。又、その組み込み状態で、各油圧可動片55の上側
には、各低速シム片53が各油圧可動片55を両足53
aで跨ぐように配置されている。そして、高速シム片5
4の両凹部54aにスプリング57を嵌め込んだ状態
で、その高速シム片54が両低速シム片53の間に、且
つ切り欠き部58bに整合するように配置されている。
このような組み付け状態において、油孔58aが各油圧
可動片55の凹部55bに対応するように位置決めされ
ている。そして、このように各部材53〜57を組み込
んだ皿58が、バルブリフタ51の凹所51aの中に配
置されている。
【0064】この実施例では、油孔60、油溝59及び
油孔58aを通じて皿58の内部に供給される油圧によ
り、高速シム片54及び両油圧可動片55が作動するよ
うになっている。図19に示すように、油孔60に油圧
を供給すべく、シリンダヘッド1には油路61が形成さ
れている。又、リフタボア4の内周には、油路61に連
通すると共に油孔60に対応するように、ある程度の幅
を持った油溝62が形成されている。
【0065】尚、この実施例においても、前記第1実施
例と同様に、油路61に対する油圧の供給が内燃機関の
回転域の違いに応じて制御される。次に、上記のように
構成された可変動弁装置の作用について説明する。
【0066】図22(A),(B)はバルブリフタ51
におけるシム機構の作用を説明する平面図であり、バル
ブリフタ51から高速シム片54が取り外され、且つ両
低速シム片53が各足53aを残して取り外された状態
を示している。又、図23(A),(B)は同じくバル
ブリフタ51におけるシム機構(低速シム片53及び高
速シム片54を含む)の作用を説明する断面図であり、
図22(A),(B)におけるX3−X3線の断面図を
示している。
【0067】先ず、内燃機関の運転状態が低速回転域に
ある場合には、油路61に対する油圧の供給が遮断され
ることから、バルブリフタ51におけるシム機構の作用
は図22(A)及び図23(A)に示す状態となる。即
ち、二つの油圧可動片55はスプリング56によって互
いに離間する方向へ付勢され、且つ各低速シム片53の
下側にて各足53aの間に収容される。これにより、高
速シム片54は皿58にて上下動自在な状態となる。こ
こでは、高速シム片54がスプリング57により上方へ
付勢されていることから、同シム片54は常に高速カム
17に当接された状態となる。但し、図23(A),
(B)には、高速シム片54が高速カム17のノーズ1
7bにより押し下げられた状態が示されている。
【0068】この場合、図18,19に示すように、バ
ルブリフタ51には、各カム16,17のうち両低速カ
ム16のみが作用することになる。即ち、両低速カム1
6は両低速シム片53を介してバルブリフタ51を押圧
した状態となり、高速カム17はバルブリフタ51を押
圧することなく高速シム片54に当接した状態となる。
従って、カムシャフト2の回転に伴い各カム16,17
が回転されると、両低速カム16がそのカムプロフィー
ルに従って両低速シム片53に摺接する。そして、両低
速カム16のノーズ16bが両低速シム片53に摺接す
る際に、バルブリフタ51がバルブスプリング14の付
勢力に抗して押し下げられると、吸気バルブ3が押し下
げられて吸気ポート7が開かれる。又、両低速カム16
のノーズ16bが、それらの回転に伴い両低速シム片5
3から離れる際に、バルブリフタ51がバルブスプリン
グ14の付勢力によって押し上げられると共に、吸気バ
ルブ3が上動して吸気ポート7が閉じられる。このと
き、高速シム片54は高速カム17に摺接するが、高速
カム17が高速シム片54を介してバルブリフタ51を
押圧することがない。従って、吸気バルブ3は低速カム
16のカムプロフィールのみに従って開閉されることに
なる。
【0069】このように、両低速カム16がバルブリフ
タ51に作用することにより、低速回転域に適した開閉
特性をもって吸気バルブ3が開閉される。そして、この
実施例では、低速回転域で作用しない高速シム片54が
常に高速カム17に摺接することから、高速シム片54
と高速カム17との間に打音が発生するようなことはな
い。
【0070】一方、内燃機関の運転状態が高速回転域に
ある場合には、油路61に油圧が供給されることから、
バルブリフタ51におけるシム機構の作用は図22
(B)及び図23(B)に示す状態となる。即ち、油路
61に供給された油圧は、油溝62、油孔60、油溝5
9及び油孔58aを通じて皿58に導入され、その油圧
が両油圧可動片55に加わる。このとき、高速カム17
の回転に連れて高速シム片54がスプリング57により
押し上げられると、両油圧可動片55が油圧により、ス
プリング56の付勢力に抗して互いに近接する方向へ移
動される。これにより、両油圧可動片55の一部が高速
シム片54の下側に入り込み、同シム片54が両油圧可
動片55の上に係合可能となる。この状態で、高速シム
片54はバルブリフタ51の凹所51aから突出した状
態となり、高速シム片54の上面は両低速シム片53の
上面とほぼ並ぶ状態となる。
【0071】この場合、図24,25に示すように、バ
ルブリフタ51には特に高速カム17が作用することに
なる。即ち、両低速カム16及び高速カム17の基礎円
16a,17aの各々は両低速シム片53、高速シム片
54にそれぞれ当接可能となる。そして、高速カム17
のノーズ17bのみが高速シム片54に対して当接可能
となり、両低速カム16のノーズ16bは両低速シム片
53に対して当接不能となる。従って、カムシャフト2
の回転に伴い各カム16,17が回転されると、各カム
16,17がそのカムプロフィールに従って低速シム片
53、高速シム片54にそれぞれ摺接する。そして、高
速カム17のノーズ17bが高速シム片54に摺接する
際には、両低速カム16のノーズ16bが両低速シム片
53から離れる。又、バルブリフタ51が高速シム片5
4を介して高速カム17により押圧される。そのため、
バルブリフタ51は高速カム17のみによって押し下げ
られ、吸気バルブ3が押し下げられて吸気ポート7が開
かれる。又、高速カム17のノーズ17bが、その回転
に伴い高速シム片54から離れる際に、バルブリフタ5
1がバルブスプリング14の付勢力によって押し上げら
れると共に、吸気バルブ3が上動して吸気ポート7が閉
じられる。
【0072】このように、特に高速カム17がバルブリ
フタ51に作用することにより、高速回転域に適した特
性をもって吸気バルブ3が開閉される。そして、この実
施例では、高速回転域で作用する高速シム片54が、両
油圧可動片55の上に係合して確実に下げ止めされるこ
とから、高速カム17を高速シム片54を介してバルブ
リフタ51に確実に作用させることができる。その結
果、吸気バルブ3の開閉を、高速カム17のカムプロフ
ィールに従って正確に行わせることができる。
【0073】そして、この実施例では、高速シム片54
が、カムシャフト2の軸線L2に対してほぼ直角をなす
方向D1へ、両低速シム片53に対して分割されてい
る。そのため、高速シム片54はバルブリフタ51の底
部ほぼ全域にわたって分割されるかたちとなり、高速カ
ム17が高速シム片54を介してバルブリフタ51に作
用する作用幅が有効且つ最大限に確保される。その結
果、高速カム17のバルブリフタ51に対する作用幅を
大きくとることができ、吸気バルブ3の最大リフト速度
を増大させることができる。
【0074】又、この実施例では、低速カム16の基礎
円16aが高速カム17の基礎円17aよりも若干小径
に設定されている。従って、各カム16,17の基礎円
16a,17aと各シム片53,54とが段差をもって
当接することになる。その結果、その段差が回り止めと
して機能し、各シム片53,54よりなる一組のシム5
2に回転力が付与されても、同シム52及び皿58等が
一体に回されることはない。そして、この実施例では、
皿58内に高速シム片54及び低速シム片53を含むシ
ム機構が配設されることから、それらのシム機構が、皿
58を介しバルブリフタ51に対して相対回転可能とな
る。つまり、上記のようにシム機構を回転不能としたと
きに、バルブリフタ51は各カム16,17に対して相
対回転可能となる。よって、バルブリフタ51は回りな
がら上下動することになる。その結果、バルブリフタ5
1の回転を促進させることができ、バルブリフタ51の
外周壁が特定部位のみ摩耗することがなくなり、バルブ
リフタ51の偏摩耗を低減させることができる。
【0075】更に、この実施例でも、各油圧可動片55
を各低速シム片53の下側に配置するようにしたので、
シム機構の寸法の設定によっては、シム機構全体を薄型
に構成することが可能となる。 (第4実施例) 次に、発明における可変動弁装置第4実施例を図2
6〜図31に従って説明する。
【0076】図26はこの実施例における可変動弁装置
の断面図を示し、図27は図26の断面図に対して軸線
L1を中心に90°異なる位置での断面図を示してい
る。この実施例において、バルブリフタ71は有底円筒
状をなし、その底部上面及び外周にかけて凹所71aが
形成されている。この凹所71a等には可動シム片とし
ての高速シム片72と、それを含むシム機構が組み付け
られている。この実施例で、低速カム16及び高速カム
17に関する設定は、前記第2実施例のそれと同じであ
る。
【0077】この実施例では、高速シム片72と共に一
組のシム73を構成する低速シム片74が、バルブリフ
タ71に対して一体に形成されている。即ち、バルブリ
フタ71の底部上面において、凹所71aの両脇が一対
の低速シム片74となっている。図28はバルブリフタ
71及びシム73と、それらを組み付けるためのシリン
ダヘッド1及びリフタボア4を示す斜視図である。図2
6,27からも分かるように、両低速シム片74は低速
カム16に当接可能であり、両低速シム片74の間に配
置された高速シム片72は高速カム17に当接可能であ
る。この実施例では、図27,28に示すように、高速
シム片72が、カムシャフト2の軸線L2に対してほぼ
直角をなす方向D1へ、両低速シム片74に対して分割
されている。これにより、両低速シム片74は平面略半
円形をなし、高速シム片72は平面略長方形をなしてい
る。図26〜28に示すように、高速シム片72は断面
チャネル状をなし、バルブリフタ71の外周に沿って下
方へ延びるスカート部72aを備えている。これら両ス
カート部72aの外面は、バルブリフタ71の外周面と
一致している。又、この実施例では、バルブリフタ71
に対して、両低速シム片74が移動不能であるのに対
し、高速シム片72は上下動可能に組み付けられてい
る。即ち、高速シム片72は、後述するシム機構によ
り、高速カム17に対して作用及び非作用となる上下方
向へ移動可能に設けられている。
【0078】ここで、高速シム片72と両低速シム片7
4との間に生じる得る段差の大きさは、高速カム17の
ノーズ17bと低速カム16のノーズ16bとの高さの
差よりも大きくなるように設定されている。これによ
り、高速シム片72が下がったときに、同シム片72を
介して高速カム17が凹所71aにて底着きしないよう
になっている。そして、高速シム片72を高速カム17
に対して作用又は非作用となる方向へ選択的に移動させ
てバルブリフタ71に対する低速カム16、高速カム1
7の作用を使い分けることにより、吸気バルブ3の開き
量(リフト量)等が変えられる。
【0079】次に、バルブリフタ71の凹所71aに配
設されたシム機構について説明する。図29は、この実
施例のバルブリフタ71及びシム機構の分解斜視図を示
している。シム機構を構成する部材としては、前述した
高速シム片72の他に、一つの油圧ピストン75と、そ
の油圧ピストン75を付勢するための一つのスプリング
76と、油圧ピストン75を抜け止めするためのワッシ
ャ77と、高速シム片72を上方へ付勢するための一対
のスプリング78とを備えている。
【0080】バルブリフタ71のほぼ中央には、凹所7
1aに直交して貫通するボア71bが形成されている。
このボア71bの一方の開口近傍には周溝71cが形成
され、他方の開口は小径に形成されている。このボア7
1bに対して油圧ピストン75、スプリング76及びワ
ッシャ77が組み付けられる。油圧ピストン75は円筒
状をなし、その中央が小径な括部75aとなっており、
その括部75aを中心に両端部が有底の筒部75bとな
っている。一方、高速シム片72の下面には、上記ボア
71bに整合する半円弧面を有する凹部72bが形成さ
れている。その凹部72bの中央には下方へ突出する突
起72cが形成され、その突起72cの下面にもボア7
1bに整合する半円弧面をなしている。
【0081】そして、バルブリフタ71のボア71b
に、スプリング76及び油圧ピストン75が挿入され、
周溝71cにワッシャ77が嵌め込まれる。この状態
で、油圧ピストン75はスプリング76によりワッシャ
77に係合する方向へ付勢され、その括部75aは凹所
71aの中央に配置される。一方、バルブリフタ71の
凹所71aには、その底壁との間に両スプリング78が
介在されて高速シム片72が組み込まれる。この状態
で、高速シム片72がスプリング78により上方へ付勢
されることから、同シム片72が最も上位へ移動したと
きには、突起72cと油圧ピストン75との間に所定の
隙間が形成される。又、高速シム片72の突起72c
は、油圧ピストン75の括部75aに侵入可能となる。
この組み付け状態において、ボア71bの一方の開口に
油圧が供給されることにより、油圧ピストン75がスプ
リング76の付勢力に抗して移動され、その括部75a
が高速シム片72の突起72cと位置的に整合しなくな
る。
【0082】この実施例では、ボア71bに供給される
油圧により、油圧ピストン75が作動するようになって
いる。図27に示すように、ボア71bに油圧を供給す
るために、シリンダヘッド1には油路79が形成され、
その油路79がリフタボア4に開口されている。油路7
9はボア71bに連通する位置に開口され、その内径は
バルブリフタ71が上下動しても常にボア71bに連通
可能な大きさに設定されている。
【0083】尚、この実施例においても、前記第1実施
例と同様に、油路79に対する油圧の供給が内燃機関の
回転域の違いに応じて制御される。次に、上記のように
構成された可変動弁装置の作用について説明する。
【0084】図30(A),(B)はバルブリフタ71
におけるシム機構の作用を説明する断面図を示し、図3
1(A),(B)は図30(A),(B)におけるX4
−X4線の断面図を示している。
【0085】先ず、内燃機関の運転状態が低速回転域に
ある場合には、油路79に対する油圧の供給が遮断され
ることから、バルブリフタ71におけるシム機構の作用
は図30(A)及び図31(A)に示す状態となる。即
ち、油圧ピストン75はスプリング76によってワッシ
ャ77に係合する方向へ付勢される。この状態では、高
速シム片72の突起72cが、油圧ピストン75の括部
75aに侵入可能となることから、高速シム片72の上
下動が許容される。ここでは、高速シム片72がスプリ
ング78により上方へ付勢されていることから、同シム
片72は常に高速カム17に当接した状態となる。但
し、図30(A)及び図31(A)には、高速シム片7
2が高速カム17のノーズ17bにより押し下げられた
状態が示されている。
【0086】この場合、バルブリフタ71には、各カム
16,17のうち両低速カム16のみが作用することに
なる。即ち、両低速カム16は両低速シム片74を介し
てバルブリフタ71を押圧した状態となり、高速カム1
7はバルブリフタ71を押圧することなく高速シム片7
2に当接した状態となる。従って、カムシャフト2の回
転に伴い各カム16,17が回転されると、両低速カム
16がそのカムプロフィールに従って両低速シム片74
に摺接する。そして、両低速カム16のノーズ16bが
両低速シム片74に摺接する際に、バルブリフタ71が
バルブスプリング14の付勢力に抗して押し下げられる
と、吸気バルブ3が押し下げられて吸気ポート7が開か
れる。又、両低速カム16のノーズ16bが、それらの
回転に伴い両低速シム片74から離れる際に、バルブリ
フタ71がバルブスプリング14の付勢力によって押し
上げられると共に、吸気バルブ3が上動して吸気ポート
7が閉じられる。このとき、高速シム片72は高速カム
17に摺接するが、高速カム17が高速シム片72を介
してバルブリフタ71を押圧することがない。即ち、高
速カム17によって高速シム片72が押し下げられて
も、その突起72cが油圧ピストン75の括部75aに
侵入するだけで油圧ピストン75に当たることはない。
従って、吸気バルブ3は低速カム16のカムプロフィー
ルのみに従って開閉されることになる。
【0087】このように、両低速カム16がバルブリフ
タ71に作用することにより、低速回転域に適した開閉
特性をもって吸気バルブ3が開閉される。そして、この
実施例では、低速回転域で作用しない高速シム片72が
常に高速カム17に摺接することから、高速シム片72
と高速カム17との間に打音が発生するようなことはな
い。
【0088】一方、内燃機関の運転状態が高速回転域に
ある場合には、油路79に油圧が供給されることから、
バルブリフタ71におけるシム機構の作用は図30
(B)及び図31(B)に示す状態となる。即ち、油路
79に供給された油圧は、ボア71bに導入され、その
油圧が油圧ピストン75に加わる。このとき、高速カム
17の回転に連れて高速シム片72がスプリング78に
より押し上げられると、その突起72cが油圧ピストン
75の括部75aから抜け出ることになる。従って、油
圧ピストン75は、油圧によりスプリング76の付勢力
に抗して移動される。そして、高速シム片72の突起7
2cは油圧ピストン75の筒部75bに係合可能な状態
となる。この状態で、高速シム片72の上面は両低速シ
ム片74の上面とほぼ並ぶ状態となる。
【0089】この場合、バルブリフタ71には特に高速
カム17が作用することになる。即ち、両低速カム16
及び高速カム17の基礎円16a,17aの各々は両低
速シム片74、高速シム片72にそれぞれ当接可能とな
る。そして、高速カム17のノーズ17bのみが高速シ
ム片72に対して当接可能となり、両低速カム16のノ
ーズ16bは両低速シム片74に対して当接不能とな
る。従って、カムシャフト2の回転に伴い各カム16,
17が回転されると、各カム16,17がそのカムプロ
フィールに従って低速シム片74、高速シム片72にそ
れぞれ摺接する。そして、高速カム17のノーズ17b
が高速シム片72に摺接する際には、両低速カム16の
ノーズ16bが両低速シム片74から離れ、バルブリフ
タ71が高速シム片72を介して高速カム17により下
方へ押圧される。即ち、高速シム片72の突起72cが
油圧ピストン75の筒部75bに当接し、その油圧ピス
トン75を介してバルブリフタ71が押圧される。その
ため、バルブリフタ71は高速カム17のみにより押し
下げられ、吸気バルブ3が押し下げられて吸気ポート7
が開かれる。又、高速カム17のノーズ17bが、その
回転に伴い高速シム片72から離れる際に、バルブリフ
タ71がバルブスプリング14によって押し上げられる
と共に、吸気バルブ3が上動して吸気ポート7が閉じら
れる。
【0090】このように、特に高速カム17がバルブリ
フタ71に作用することにより、高速回転域に適した特
性をもって吸気バルブ3が開閉される。そして、この実
施例では、高速回転域で作用する高速シム片72が、油
圧ピストン75に係合して確実に下げ止めされることか
ら、高速カム17を高速シム片72を介してバルブリフ
タ71に確実に作用させることができる。その結果、吸
気バルブ3の開閉を、高速カム17のカムプロフィール
に従って正確に行わせることができる。
【0091】そして、この実施例では、高速シム片72
が、カムシャフト2の軸線L2に対してほぼ直角をなす
方向D1へ、両低速シム片74に対して分割されてい
る。そのため、高速シム片72はバルブリフタ71の底
部ほぼ全域にわたって分割されるかたちとなり、高速カ
ム17が高速シム片72を介してバルブリフタ71に作
用する作用幅が有効且つ最大限に確保される。その結
果、高速カム17のバルブリフタ71に対する作用幅を
大きくとることができ、吸気バルブ3の最大リフト速度
を増大させることができる。
【0092】この実施例では、高速シム片72の両端
に、バルブリフタ71の外周に沿って下方へ延びるスカ
ート部72aが形成されていることから、バルブリフタ
71に対する高速シム片72の移動が、スカート部72
a及びリフタボア4によりガイドされる。その結果、高
速シム片72の上下動をより確実に安定させることがで
きる。
【0093】又、この実施例では、低速カム16の基礎
円16aが高速カム17の基礎円17aよりも若干小径
に設定され、各基礎円16a,17aと高速シム片72
及び両低速シム片74とが段差をもって当接する。その
結果、その段差が回り止めとして機能し、高速シム片7
2及び両低速シム片74よりなる一組のシム73に回転
力が付与されても、同シム73、つまりはバルブリフタ
71が回されることはない。
【0094】更に、この実施例では、油圧ピストン75
を両低速シム片74の下側に配置したことと、高速シム
片72の突起72cが油圧ピストン75の括部75aに
侵入可能であることから、シム機構全体をコンパクトに
構成することができる。更に、この実施例では、低速シ
ム片74がバルブリフタ71と一体であることから、低
速シム片74の分だけシム機構の部品点数を少なくする
ことができる。
【0095】加えて、この実施例では、高速シム片72
がバルブリフタ71に作用するとき、そのシム片72の
突起72cが油圧ピストン75の筒部75bに圧接され
る。このとき、油圧ピストン75では、突起72cで押
圧される部位の反対側の部位がボア71bで支持される
ことになる。従って、油圧ピストン75には、無理な剪
断力が働くようなことはない。
【0096】更には、この実施例では、高速シム片72
が最も上位へ移動しているときには、その突起72cと
油圧ピストン75との間に隙間が形成される。従って、
この状態で油圧ピストン75を移動させるようにするこ
とにより、油圧ピストン75を高速シム片72と干渉さ
せることなく円滑に移動させることができる。その結
果、低速カム16の使用状態から高速カム17の使用状
態への切換えをスムーズに行うことができる。
【0097】(第5実施例) 次に、発明における可変動弁装置第5実施例を図3
2に従って説明する。尚、この実施例において、前記第
4実施例の構成と共通する部材等については、同一の符
号を付して説明を省略し、異なった点を中心に説明す
る。
【0098】図32はバルブリフタ71及びシム73
と、それらを組み付けるためのシリンダヘッド1及びリ
フタボア4を示す斜視図である。この実施例で、高速
片72がスカート部72aを備えている点では、前記
第4実施例のそれと同じである。そして、この実施例で
は、両スカート部72aの外面が、バルブリフタ71の
外周面から外方へ突出して形成されている。それに併せ
て、シリンダヘッド1のリフタボア4には、両スカート
部72aをガイドするための一対のガイド溝4aが形成
されている。
【0099】従って、この実施例では、前記第4実施例
の作用及び効果に加えて、バルブリフタ71に対する高
速シム片72の移動が、両スカート部72aによりガイ
ドされる。又、両スカート部72aの移動が両ガイド溝
4aによりガイドされる。そのため、バルブリフタ71
を確実に回り止めさせることができる。このことは、低
速カム16と高速カム17の各基礎円16a,17aが
同じ外径を有する場合にも有効である。
【0100】更に、この実施例では、高速シム片72の
両スカート部72aがバルブリフタ71から外方へ突出
されていることから、その突出分だけ高速シム片72と
高速カム17との当接長さを大きくとることが可能とな
る。そして、高速カム17が高速シム片72を介してバ
ルブリフタ71に作用する長さ、即ち高速カム17のバ
ルブリフタ71に対する作用幅が更に大きくなる。その
結果、高速カム17のノーズ17bを更に高く設定する
ことが可能となる。この場合には、高速カム17による
バルブリフタ71の移動ストロークを大きくすることが
でき、吸気バルブ3の開き量(リフト量)を大きくする
ことができ、延いては吸気ポート7を通過する吸気量を
増大させることができる。更に、低速カム16と高速カ
ム17との間で吸気バルブ3のリフト量の差を大きくと
ることが可能となり、両カム16,17の使い分けによ
る吸気バルブ3のリフト量の可変自由度を増大させるこ
とができる。従って、その可変量を内燃機関における各
種要望に対応させることが可能となる。
【0101】(第6実施例) 次に、発明における可変動弁装置第6実施例を図3
3〜図39に従って説明する。尚、この実施例におい
て、前記第4実施例の構成と共通する部材等について
は、同一の符号を付して説明を省略し、異なった点を中
心に説明する。
【0102】図33、図35、図37及び図39は前記
第4実施例の図27に対応する断面図である。この実施
例では、第4実施例におけるバルブリフタ71のシム機
構に加えて、吸気バルブ3の開きを休止させるための休
止機構が設けられている。
【0103】即ち、バルブリフタ71の底壁71dの中
央には、上下方向へ貫通する孔71eが形成されてい
る。この孔71eは、吸気バルブ3のステム9を通し得
る内径よりなり、そのステム9の軸線L1上に一致して
配置されている。この実施例では、ステム9はその上端
部が前記第4実施例のそれよりも長目に形成され、リテ
ーナ13から上方へ長目に突出されている。底壁71d
の下側には、支持板81が配設されている。この支持板
81はその下側にて、バルブリフタ71の内周に嵌め込
まれたワッシャ82により脱落防止が施されている。上
記の底壁71dと支持板81との間には、作動片83及
びスプリング84が配設されている。そして、これら支
持板81、ワッシャ82、作動片83及びスプリング8
4等により休止機構が構成されている。
【0104】図34、図36及び図38は図33、図3
5及び図37のX5−X5線の断面図を示し、バルブリ
フタ71とその内部のみを示している。各図からも分か
るように、支持板81の中央には、上下方向へ貫通する
孔81aが形成されている。この孔81aは、位置的に
は底壁71dの孔71eと常に整合している。支持板8
1の上面側には、図面左右方向へ延びるガイド溝81
が形成されている。又、そのガイド溝81の一端側に
は、同溝81よりも幅広な凹部81cが形成されてい
る。そして、ガイド溝81bには、作動片83が往復動
可能に配置され、凹部81cには略C形をなすスプリン
グ84が配置されている。作動片83の先端は常にスプ
リング84に当接されている。又、作動片83の略中央
には、上下方向へ貫通する孔83aが形成されている。
そして、作動片83がスプリング84の付勢力に抗して
ガイド溝81bに沿って移動することにより、その孔8
3aが、底壁71d及び支持板81の各孔71e,81
aに位置的に整合し、それら全ての孔83a,71e,
81aが互いに連通する。
【0105】この実施例では、作動片83を移動させる
ために、ガイド溝81bに油圧が供給される。そして、
ガイド溝81bに油圧を供給するために、バルブリフタ
71の周壁には油孔71fが形成されている。又、シリ
ンダヘッド1には油路79とは別の油路85が形成さ
れ、その油路85がリフタボア4に開口されている。こ
の油路85は油孔71fに連通する位置に開口され、そ
の内径はバルブリフタ71が上下動しても常に油孔71
fに連通可能となる大きさに設定されている。
【0106】一方、この実施例では、バルブスプリング
14の外側には、ステム9を中心にして別のスプリング
86が配設されている。このスプリング86の下端は座
金11にて受けられ、その上端は支持板81に当接され
ている。
【0107】尚、この実施例においても、シム機構を作
動させるために、前記第1実施例と同様に、油路79に
対する油圧の供給が内燃機関の回転域の違いに応じて制
御される。又、この実施例では、内燃機関の運転状態に
応じて休止機構を作動させて吸気バルブ3の開きを休止
させるために、油路85に対する油圧が適宜に制御され
る。
【0108】次に、上記のように構成された可変動弁装
置の作用について説明する。先ず、内燃機関の運転状態
が低速回転域にあって、かつ、吸気バルブ3の開きを休
止させる必要のない場合には、油路79及び油路85に
対する油圧の供給が遮断される。このため、バルブリフ
タ71におけるシム機構及び休止機構は図33及び図3
4に示す状態となる。この状態では、休止機構における
作動片83はスプリング84により押し戻された状態で
あることから、作動片83の孔83aは、支持板81及
び底壁71dの各孔81a,71eに整合する位置から
ずれている。
【0109】従って、ステム9の上端は、支持板81の
孔81aに嵌まり作動片83の下面に当接した状態とな
る。そして、シム機構は、第4実施例で低速回転域にお
ける場合と同様に作動し、両低速カム16がバルブリフ
タ71に作用して吸気バルブ3が低速回転域に適した特
性をもって開閉される。この場合の作用及び効果は、前
記第4実施例におけるそれと同じである。
【0110】又、内燃機関の運転状態が高速回転域にあ
って、かつ、吸気バルブ3の開きを休止させる必要のな
い場合には、油路79及び油路85のうち、油路79の
みに対して油圧が供給される。このため、バルブリフタ
71におけるシム機構及び休止機構は図35及び図36
に示す状態となる。この状態では、休止機構における作
動片83がスプリング84により押し戻された状態であ
ることから、上記と同じく作動片83の孔83aは、他
の孔81a,71eの位置に整合することなくずれた位
置に配置される。
【0111】従って、ステム9の上端は、支持板81の
孔81aに嵌まり作動片83の下面に当接した状態とな
る。そして、シム機構は、第4実施例で高速回転域にお
ける場合と同様に作動し、高速カム17がバルブリフタ
71に作用して吸気バルブ3が高速回転域に適した特性
をもって開閉される。この場合の作用及び効果は、前記
第4実施例におけるそれと同じである。
【0112】一方、内燃機関の運転状態が吸気バルブ3
の開きを休止させる必要のある場合には、油路79及び
油路85のうち、油路85のみに対して油圧が供給され
る。このため、油路85から油孔71fを通じてガイド
溝81bに油圧が供給され、作動片83がスプリング8
4の付勢力に抗して移動される。このときのバルブリフ
タ71におけるシム機構及び休止機構の状態を図37及
び図38に示す。この状態では、作動片83の孔83a
が他の孔81a,71eに整合して配置される。
【0113】従って、ステム9の上端が、各孔81a,
83a,71eを貫通可能な状態となる。そのため、図
37に示すように、各カム16,17のノーズ16b,
17bにより高速シム片72及び低速シム片74が押圧
されることにより、バルブリフタ71がスプリング86
の付勢力に抗して押し下げられる。このとき、ステム9
の上端は作動片83に当接することなく底壁71dを貫
通して凹所71aへ侵入が許容される。即ち、バルブリ
フタ71がステム9を押圧することなく移動される。こ
のため、各カム16,17がバルブリフタ71に作用し
ても吸気バルブ3が開かれることはなく、吸気バルブ3
の開きが休止される。
【0114】そして、図37の状態から、カムシャフト
2が回転して各カム16,17の基礎円16a,17a
が高速シム片72及び低速シム片74に摺接するのに伴
い、バルブリフタ71がスプリング86によって押し上
げられる。よって、休止機構は図39に示すような状態
となる。即ち、バルブリフタ71が押し上げられるのに
伴い、ステム9の上端が底壁71dの孔71e及び作動
片83の孔83aから抜け出るかたちとなる。従って、
このとき、油路85に対する油圧の供給を遮断すること
により、作動片83がスプリング84の付勢力によって
押し戻され、図33,34に示すような状態となる。即
ち、ステム9の上端が作動片83の下面に当接した状態
となり、吸気バルブ3の休止が解除される。
【0115】このように、この実施例では、バルブリフ
タ71に対して高速カム17と低速カム16とを選択的
に作用させるシム機構に加えて、バルブリフタ71と吸
気バルブ3のステム9との係合を選択的に解除するため
の作動片83が設けられている。
【0116】従って、この実施例では、前記第4実施例
の作用及び効果に加えて、作動片83によりバルブリフ
タ71とステム9との係合を解除することにより、各カ
ム16,17と各シム片72,74との当接の有無にか
かわらず、吸気バルブ3の開きが休止される。このよう
な休止機構がバルブリフタ71に設けられていることか
ら、特別な休止機構をカムシャフト2等に設ける必要が
なく、休止機構全体の構成をコンパクトにすることがで
きる。特に、この実施例では、休止機構が作動して、ス
テム9の上端がバルリフタ71の底壁71dを貫通す
る際、その上端が油圧ピストン75の括部75aに侵入
する。このため、ステム9と油圧ピストン75等との干
渉を回避するために、余分な空間を設ける必要がなく、
その分だけバルブリフタ71の全高を小さくすることが
できる。
【0117】尚、この発明は前記各実施例に限定される
ものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で構成の一
部を適宜に変更して次のように実施することもできる。 (1)前記第1実施例では、バルブリフタ8と両低速シ
ム片18とを別体に形成し、前記第2実施例では、バル
ブリフタ31と両低速シム片33とを別体に形成した
が、バルブリフタと低速シム片とを一体に形成してもよ
い。
【0118】(2)前記第3実施例では、皿58と低速
シム片53とを別体に形成したが、皿と低速シム片とを
一体に形成してもよい。 (3)前記第4〜第6の実施例では、低速シム片74を
バルブリフタ71に一体に形成したが、低速シム片をバ
ルブリフタと別体に形成してもよい。
【0119】(4)前記各実施例では、高速カム17及
び両低速カム16に対応して、バルブリフタ8,31,
51,71の中央に位置する可動シム片を高速シム片1
9,34,54,72とし、その両側に位置するシム片
を低速シム片18,33,53及び低速シム片74とし
て使用した。これに対し、高速カム及び低速カムに対応
して、バルブリフタの中央に位置する可動シム片を低速
シム片とし、その両側に位置するシム片を高速シム片と
して使用してもよい。
【0120】(5)前記各実施例では、シム機構又は休
止機構を吸気バルブ3を開閉するためのバルブリフタ
8,31,51,71に設けたが、シム機構又は休止機
構を排気バルブを開閉するためのバルブリフタに設けて
もよい。
【0121】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1に記載の発
明によればカムのバルブリフタに対する作用幅を大き
くとることができ、バルブの最大リフト速度を増大させ
ることができる。更に、バルブリフタの回転を促進させ
ることができ、可動シム片の移動に伴うバルブリフタの
偏摩耗を低減させることができるようになる。
【0122】
【0123】
【0124】また、請求項に記載の発明によれば、
ムのバルブリフタに対する作用幅を大きくとることがで
き、バルブの最大リフト速度を増大させることができ
る。更に、可動シム片の移動をより安定させることがで
き、併せて、バルブリフタ及びシムの回り止めを図るこ
とができるようになる。加えて、スカート部がバルブリ
フタから外方へ突出していることから、その突出分だけ
可動シム片とカムとの当接長さを大きくとることが可能
となり、カムによりバルブのリフト量を大きくすること
ができる。
【0125】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例における可変動弁装置を示す断面図
である。
【図2】第1実施例において、可変動弁装置の主要部を
示す断面図である。
【図3】第1実施例において、バルブリフタ及びシムを
示す斜視図である。
【図4】第1実施例において、バルブリフタ及びシム機
構を示す分解斜視図である。
【図5】第1実施例において、バルブリフタにおけるシ
ム機構の作用を示す平面図である。
【図6】第1実施例において、バルブリフタにおけるシ
ム機構の作用を示す図5のX1−X1線断面図である。
【図7】第1実施例において、可変動弁装置の主要部の
作用を示す断面図である。
【図8】第1実施例において、可変動弁装置の主要部の
作用を示す断面図である。
【図9】第1実施例において、カム回転角に対するバル
ブリフト量の関係を示すグラフである。
【図10】第2実施例における可変動弁装置の主要部を
示す断面図である。
【図11】第2実施例において、可変動弁装置の主要部
を示す断面図である。
【図12】第2実施例において、バルブリフタ及びシム
を示す斜視図である。
【図13】第2実施例において、バルブリフタ及びシム
機構を示す分解斜視図である。
【図14】第2実施例において、バルブリフタにおける
シム機構の作用を示す平面図である。
【図15】第2実施例において、バルブリフタにおける
シム機構の作用を示す図14のX2−X2線断面図であ
る。
【図16】第2実施例において、可変動弁装置の主要部
の作用を示す断面図である。
【図17】第2実施例において、可変動弁装置の主要部
の作用を示す断面図である。
【図18】第3実施例における可変動弁装置の主要部を
示す断面図である。
【図19】第3実施例において、可変動弁装置の主要部
を示す断面図である。
【図20】第3実施例において、バルブリフタ及びシム
を示す斜視図である。
【図21】第3実施例において、バルブリフタ及びシム
機構を示す分解斜視図である。
【図22】第3実施例において、バルブリフタにおける
シム機構の作用を示す平面図である。
【図23】第3実施例において、バルブリフタにおける
シム機構の作用を示す図22のX3−X3線断面図であ
る。
【図24】第3実施例において、可変動弁装置の主要部
の作用を示す断面図である。
【図25】第3実施例において、可変動弁装置の主要部
の作用を示す断面図である。
【図26】第4実施例における可変動弁装置の主要部を
示す断面図である。
【図27】第4実施例において、可変動弁装置の主要部
を示す断面図である。
【図28】第4実施例において、バルブリフタ、シム及
びシリンダヘッド等を示す斜視図である。
【図29】第4実施例において、バルブリフタ及びシム
機構を示す分解斜視図である。
【図30】第4実施例において、バルブリフタにおける
シム機構の作用を示す断面図である。
【図31】第4実施例において、バルブリフタにおける
シム機構の作用を示す図30のX4−X4線断面図であ
る。
【図32】第5実施例における可変動弁装置において、
バルブリフタ、シム及びシリンダヘッド等を示す斜視図
である。
【図33】第6実施例における可変動弁装置の主要部を
示す断面図である。
【図34】第6実施例において、バルブリフタにおける
休止機構の作用を示す図33のX5−X5線断面図であ
る。
【図35】第6実施例において、可変動弁装置の主要部
を示す断面図である。
【図36】第6実施例において、バルブリフタにおける
休止機構の作用を示す図35のX5−X5線断面図であ
る。
【図37】第6実施例において、可変動弁装置の主要部
を示す断面図である。
【図38】第6実施例において、バルブリフタにおける
休止機構の作用を示す図37のX5−X5線断面図であ
る。
【図39】第6実施例において、可変動弁装置の主要部
を示す断面図である。
【図40】従来技術の動弁装置を示す断面図である。
【符号の説明】
2…カムシャフト、3…吸気バルブ、8,31,51,
71…バルブリフタ、15,32,52,73…シム、
16…低速カム、16a…基礎円、17…高速カム、1
7a…基礎円、18,33,53,74…低速シム片、
19,34,54,72…可動シム片としての高速シム
片、58…皿、83…作動片。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01L 13/00 301 F01L 1/14 F01L 1/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダヘッドのリフタボアに往復動可
    能に設けられた円筒状のバルブリフタと、カムシャフト
    に設けられたプロフィールの異なる複数のカムと、前記
    バルブリフタに設けられ、前記複数のカムのうち対応す
    るカムに当接可能な複数のシム片とを備え、これら複数
    のシム片のうちの一つを、これに対応するカムに近接離
    間する方向において、前記バルブリフタに対して選択的
    に移動可能な可動シム片とし、この可動シム片の移動に
    基づき前記バルブリフタを往復動させるカムを選択して
    同バルブリフタとともに駆動されるバルブの開き量を変
    更するようにした可変動弁装置において、 前記可動シム片は、前記カムシャフトの軸方向に対して
    ほぼ直角をなす方向に沿って他のシム片と分割され、そ
    の分割方向に延びて両端部がバルブリフタに当接され、
    且つ、前記バルブリフタに対してその軸心周りに相対回
    転可能に設けられた皿内に他のシム片とともに配設され
    ることを特徴とする 可変動弁装置。
  2. 【請求項2】 シリンダヘッドのリフタボアに往復動可
    能に設けられた円筒状のバルブリフタと、カムシャフト
    に設けられたプロフィールの異なる複数のカムと、前記
    バルブリフタに設けられ、前記複数のカムのうち対応す
    るカムに当接可能な複数のシム片とを備え、これら複数
    のシム片のうちの一つを、これに対応するカムに近接離
    間する方向において、前記バルブリフタに対して選択的
    に移動可能な可動シム片とし、この可動シム片の移動に
    基づき前記バルブリフタを往復動させるカムを選択して
    同バルブリフタとともに駆動されるバルブの開き量を変
    更するようにした可変動弁装置において、 前記可動シム片は、前記カムシャフトの軸方向に対して
    ほぼ直角をなす方向に沿って他のシム片と分割され、そ
    の分割方向における両端部には前記バルブリフタの外周
    に沿ってその軸方向に延び且つ同バルブリフタの外周か
    ら外方に突出するスカート部が形成され、 前記リフタボアは、これら両スカート部をガイドするた
    めのガイド溝を有することを特徴とする 可変動弁装置。
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