JP3138769U - 孔模様を備えた伸縮性経編地 - Google Patents

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Abstract

【課題】模様自身が立体感を持ち意匠性に優れる伸縮性経編地を提供する。
【解決手段】孔模様11,11aを備えた伸縮性経編地は、非弾性糸と弾性糸から構成され、少なくとも一部が無柄編地部10,10aである伸縮性経編地であって、無柄編地部は、一定の繰返し単位で構成されている基本組織のほかに、基本組織から変化させることにより孔模様を形成してなる変化組織を含む。無柄編地部が編地のヘム部、ヘム部の端部であり、単位編地が抜き糸部を介して分離可能に連設されている。
【選択図】図1

Description

本考案は、模様自身が立体感を持ち意匠性に優れる、孔模様を備えた伸縮性経編地に関する。
非弾性糸と弾性糸から構成されている伸縮性経編地においては、意匠性を出すための柄形成は、これまで、一定の繰返し単位で構成されている基本組織の一部の組織を該基本組織から別の組織に変化させることにより糸の振り幅を変化させたり、あるいは、糸の太さや色遣いを変化させたりすることなどにより現出するようにしている。
しかし、糸の振り幅あるいは糸の太さや色遣いの変化による柄表現は、多彩ではあっても、立体感に乏しい。
そこで、本考案の課題は、模様自身が立体感を持ち意匠性に優れる伸縮性経編地を提供することにある。
本考案にかかる伸縮性経編地は、非弾性糸と弾性糸から構成され、少なくとも一部が無柄編地部である伸縮性経編地であって、前記無柄編地部は、一定の繰返し単位で構成されている基本組織のほかに、該基本組織から変化させることにより孔模様を形成してなる変化組織を含み、孔模様を備えた伸縮性経編地である。
本考案にかかる孔模様を備えた伸縮性経編地は、上記において、前記孔模様を備えた無柄編地部が編地のヘム部であることができ、特に、前記無柄編地部が前記ヘム部の端部であることができ、また、単位編地が抜き糸部を介して分離可能に連設されていることができる。
本考案にかかる伸縮性経編地は、孔模様によって意匠表現をしているので、模様自身が立体感を持ち意匠性に優れている。
以下、本考案にかかる伸縮性経編地について詳しく説明するが、本考案の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本考案の趣旨を損なわない範囲で適宜変更実施し得る。
本考案にかかる伸縮性経編地は、通常の伸縮性経編地と同様、無柄編地部と、必要に応じて、柄編地部を備えている。さらに、前記無柄編地部が編地のヘム部であっても良く、特に、ヘム部の端部であっても良い。さらに、単位編地が抜き糸部を介して分離可能に連設されていても良い。
〔無柄編地部と柄編地部〕
伸縮性編地における本体部分であって、無柄編地部は、通常、一定の繰返し単位で構成されている基本組織のみからなるが、本考案の伸縮性編地では、該基本組織から変化させることにより孔模様を形成してなる変化組織をも含む構成となっている。そして、柄編地部は、一定の繰返し単位で構成されている基本組織の一部の組織を該基本組織から別の組織に変化させることにより、糸の振り幅を変えることで柄表現をしている組織である。
これら無柄編地部と柄編地部は、通常、ジャガード組織で構成されており、無柄編地部はもちろん、柄編地部でもジャガード組織の編成組織の変位に伴ってループを形成しない編目が生じるので、これらジャガード組織がループを形成しない編目において、支持組織でホツレが生じないようになっている。これら無柄編地部と柄編地部は、編地に伸縮性を出させるための伸縮組織を持ち、さらに、必要に応じて、ヘム部組織および弾性連結組織を組み合わせて構成されることもある。これら各組織は、それぞれの機能に合わせて適切な糸材料や編成組織が採用される。
ジャガード組織は、一般に、非弾性糸を用い、ジャガード機構によって編成され、無柄編地部や柄編地部を形成する主体になる。ここで、非弾性糸と弾性糸とは、糸の伸度の大きさによって区別される。本考案では、伸度150%未満の糸を非弾性糸、伸度150%以上の糸を弾性糸と呼ぶ。
ジャガード組織は、基本的には、オーバーラッピングが可能なジャガード経編機で編成でき、孔や柄の形状やパターンなどは自由に設定される。規則的な編成組織を供えた基本組織を部分的に変位させることで目的とする孔模様や柄模様を編成する。なお、基本組織自体が、別のより基本になる組織をもとにしてジャガード機構による変位を加えて編成されたものであってもよい。
基本組織としては、デンビ編やプレーンコード編、プレーンパワーネットなどのネット編、あるいは、8コースメッシュ等のメッシュ編が採用される。
基本組織は、2〜30コースを繰り返し単位として配置されたり、この繰り返し単位をさらに複数回繰り返したあと、別の編成組織からなる繰り返し単位を繰り返して構成することができる。
孔模様や柄模様としては、比較的に単純な図形パターンを繰り返すもののほか、複数の図形状を組み合わせたより複雑な柄や、具象的なデザインからなる柄を配置することもできる。
無柄編地部や柄編地部には、部分的に孔模様が配置されていて、ネット調あるいはメッシュ調の模様表現が得られている。無柄編地部や柄編地部には、また、部分的に厚みの異なる薄地部分と厚地部分との対比によって意匠表現がなされていても良い。
ジャガード組織は、上記した孔模様や柄模様のような外観上の変化を付けるだけでなく、無柄編地部や柄編地部の場所によって質感や機能の違いを付けることにも利用できる。具体的には、一定の幅でテープ状に生地の厚い部分を構成したり、伸縮性に違いのある部分を配置したりすることができる。この場合、ジャガード組織の編成組織の変位に加えて、使用する糸の太さや伸縮性の違い、支持組織や伸縮組織に使用する糸の違いなどの条件を組み合わせることで、無柄編地部や柄編地編地部の中に、様々な機能や特性を有する部分を配置することが可能になる。例えば、ヘム部組織に隣接する部分について、その他の部分とは生地の厚みや伸縮性に違いを付けておくことができる。
無柄編地部や柄編地部の糸の材料としては、孔模様や柄模様を形成し易く、ジャガード組織に適したものが好ましい。綿、アクリルなどの短繊維糸も使用できる。糸は単糸であってもよいし、双糸等の複数の糸を組み合わせたものであってもよい。ウーリー加工糸のように、クリンプ加工を行って捲縮性を持たせた糸も使用できる。糸の太さは6〜84dtex(デシテックス)に設定され、好ましくは17〜44dtexである。
〔支持組織〕
本考案の伸縮性編地において、無柄編地部や柄編地部は、通常は、以下に述べる支持組織を有している。
支持組織は、非弾性糸で編成され、ジャガード組織の柄模様を支持する機能を有する。すなわち、本考案では、ジャガード組織を任意に変位させるので、ループを作らない個所が必然的に生じてしまうが、支持組織は、このジャガード組織がループを作らない個所を支持する機能を有し、全ての編目でループを形成する。本考案の特徴である孔模様の形成された個所では、支持組織は、孔模様の周囲をかがるように編成されることになる(後述の図9参照。)。
糸の材料は、上記した機能を発揮できれば、特に限定されない。抜き糸部あるいはジャガード組織と同じ非弾性糸が使用できる。糸の太さは6〜84dtexに設定され、好ましくは17〜33dtexが採用される。但し、ジャガード組織の孔模様や柄模様に悪影響を与えず、編地部の生地を分厚くしたり、生地の風合を損なわないためには、比較的に細い糸を採用するのが好ましい。
支持組織は、後述する抜き糸部と同じ筬を用いて同じ編成組織で編成することができる。また、抜き糸部とは異なる編成組織を採用することもできる。
編成組織の具体例として、鎖編が採用できる。鎖編を基本にして、種々の変形を加えた編成組織も採用できる。例えば、隣接する2ウェール間を移行して編成される組織が採用できる。具体的には、同じウェール上で2〜48コース編目をつくり、ついで、隣のウェールに移って1コース編目をつくり、再び元のウェールに戻って2〜48コース編目を作るという編成組織が採用できる。また、同じウェール上で2〜48コース編目をつくり、ついで、隣のウェールに移って2〜48コース編目をつくり、再び元のウェールに戻って同じ構造を繰り返すという編成組織も採用できる。同じウェール上での連続した編目は、2コースよりも多い数コース、具体的には3コース以上あるいは6コース以上に設定することができる。
〔伸縮組織〕
無柄編地部や柄編地部に伸縮性を付与する組織であり、弾性糸で編成される。基本的には、通常の伸縮性経編地における弾性糸組織と同様の糸材料および編成組織が採用できる。前記した支持組織やジャガード組織に対して適宜のパターンで弾性糸を挿入しておくことができる。
伸縮組織は、1本の弾性糸からなる組織で編成することもできるし、複数本の弾性糸を組み合わせた組織で編成することもできる。
前記したジャガード組織を一対の非弾性糸で構成するとともに、この一対の非弾性糸に対向する一対の弾性糸で伸縮組織を構成しておけば、ジャガード組織に安定したネット目やメッシュ目を配置することができる。
糸材料として、150%以上の伸度を有する弾性糸が使用される。伸度300%以上のものを用いれば、伸縮性がより高まる。弾性糸としては、高弾性ポリウレタン糸いわゆるスパンデックスが好ましい。弾性糸にナイロン等の長繊維糸や綿等の紡績糸を撚り合わせたカバーリング糸やコアヤーンのような、いわゆる被覆弾性糸あるいは複合弾性糸も、本考案の弾性糸に含まれる。糸の太さは22〜620dtexに設定され、好ましくは44〜470dtexが採用される。複数本の弾性糸を組み合わせる場合、太い糸と細い糸とを異なる編成組織で組み合わせることもできる。
〔ヘム部組織〕
無柄編地部や柄編地部のうち、抜き糸部と隣接する縁辺に配置され、分離した後の伸縮性経編地においてヘム部を構成する。このヘム部をスカラー調とすることも可能である。
ヘム部組織は、支持組織やジャガード組織により編成される。
ヘム部組織は、支持組織やジャガード組織からなる無柄編地部・柄編地部の主体部分に比べて、テープ状に生地を少し厚くしたり、ヘム部組織に配置される伸縮組織の弾性糸を太くしたり細くしたりしてパワーを変えたりすることができる。
ヘム部組織を編成する糸材料は、無柄編地部・柄編地部の主体部分と同じものであってもよいし、別のものであってもよい。
ヘム部組織を編成する非弾性糸を55dtex以下にするとともに、無柄編地部・柄編地部の主体部分を編成する糸とは別個の送り出しによって給糸量を変えることができる。
〔抜き糸部〕
基本的には通常の分離構造を有する伸縮性経編地と同様の抜き糸構造が適用される。
抜き糸部を構成する糸は非弾性糸が使用される。
糸の材質は特に限定されないが、編成後に解く作業が行い易いものが好ましい。伸度は比較的小さなものが好ましく、通常は伸度60%以下のものを用いる。ナイロン、ポリエステルなどの長繊維糸が好ましい。糸の太さは、単糸および双糸等を含めたときの合計の太さを33〜268dtexに設定でき、好ましくは66〜167dtexである。
抜き糸部の編成組織は、同一ウェール上に編成されている必要がある。異なるウェールにわたって編成されていると、編成後に抜き糸を解くことが困難になる。具体的な編成組織としては鎖編が採用できる。
〔弾性連結組織〕
分離する前の伸縮性経編地において、抜き糸部とその両側の単位編地(無柄編地部や柄編地部からなる)とを連結する機能を果たす。伸縮性経編地を抜き糸部で分離したあとは、両側の単位編地に一体化されて、前記ヘム部組織とともに両単位編地のヘム部分を構成することになる。
具体的な編成組織としては、通常の分離構造を有する伸縮性経編地と同様の構造が採用できる。例えば、両単位編地と抜き糸部とを交互にあるいは数コース毎に移行するように挿入された組織が採用できる。
1個所の抜き糸部に対しては、その両側の単位編地との間にそれぞれ弾性連結組織を配置しておく。このとき、両方の弾性連結組織は、互いに独立した組織であって、抜き糸を解いたときに、それぞれの弾性連結組織が両側の柄編地部に分かれて引き寄せられるような編成組織を採用する。
弾性連結組織は、弾性糸で編成しておくことによって、伸縮性経編地の分離時に抜き糸部を連結していた部分が無柄編地部や柄編地部へとスムーズに引き寄せられることになる。
糸材料としては、前記した伸縮組織と同様の糸が使用できる。糸の太さは44〜620dtexに設定され、好ましくは130〜390dtexである。
〔製造方法〕
複数枚の筬を有するジャガード編機を用いて編成する。ジャガード編機は、少なくとも2枚で一対のオーバーラッピング可能なジャガード筬を備えている。ジャガード筬に加えて、通常の経編組織を編成する複数枚の地筬を備えている。
無柄編地部や柄編地部のジャガード組織は、オーバーラッピングが可能な一対のジャガード筬(1)で編成する。ジャガード筬は、例えば、ジャガード編機のフロントにハーフガイドで配置され、オーバーラップ編組織が編成できる一対2枚の筬で構成される。ジャガード機構によって、それぞれの筬を個々のウェール毎に任意の位置で1針間だけ緯方向に自由に変位させることができる。このジャガード筬の変位によって、孔模様や柄模様が編成される。ジャガード筬の変位は、予めジャガード編機に備えた記憶装置に記憶され、記憶情報にしたがって制御される。
ジャガード筬(1)は、抜き糸部の編成に兼用することができる。この場合、抜き糸部の編成組織は同一ウェール上で編成されるように、ジャガード筬の変位を設定する。
無柄編地部や柄編地部の支持組織を、オーバーラッピングが可能な地筬(2)で編成する。地筬(2)は、ジャガード編機のミドルにハーフガイドまたはフルガイドで配置することができる。支持組織と抜き糸部とが同じ編成組織でよければ、地筬(2)を、抜き糸部の編成にも兼用できる。抜き糸部と支持組織の編成組織を変える場合には、抜き糸部は地筬(2)では編成せず、ジャガード筬(1)で編成することになる。地筬(2)で抜き糸部と支持組織とを編成する場合、それぞれの機能に合わせて糸材料や糸の太さは変えることができる。通常は、抜き糸部のほうが太い糸が使用される。また、給糸量についても、抜き糸部と支持組織とで変えることができる。
無柄編地部や柄編地部の伸縮組織を、オーバーラッピングおよびアンダーラッピングが可能な地筬(3)(4)で編成する。地筬(3)(4)は、ジャガード編機のバックにハーフガイドまたはフルガイドで配置することができる。
伸縮組織に2枚の筬(3)(4)を使用することで、前記した一対1組のジャガード筬(1)で編成される一対の非弾性糸に相対向させて、伸縮組織を構成する一対の弾性糸を配置することが可能になる。なお、編成組織の異なる2本の弾性糸を組み合わせて伸縮組織を構成することもできる。このような2本の弾性糸を組み合わせた伸縮組織は、弾力的な伸縮性に優れている。特に、2本の弾性糸の特性を変えたり、編成組織を変えたりすることで、縦横の両方向で伸縮性に違いを付けたりバランスを取ったりすることが可能になる。
無柄編地部や柄編地部のヘム部組織を、ジャガード筬(1)と、必要に応じて支持組織を編成する地筬(2)や伸縮組織を編成する地筬(3)(4)を用いて編成する。ジャガード筬(1)は、ジャガード機構の変位制御によって、無柄編地部や柄編地部のヘム部組織と主体部とでジャガード組織の編成組織を変えることができる。地筬(2)や地筬(3)(4)を用いる場合は、無柄編地部や柄編地部のヘム部組織と主体部とで支持組織や伸縮組織の編成組織が同じであっても良い。
抜き糸部と支持組織を同じ地筬(2)で同じ編成組織で編成することができる。共通する筬を使用した場合でも、それぞれの組織によって使用する糸の材料や太さは適宜に変更できる。
柄編地部の弾性連結組織を、アンダーラッピングが可能な地筬(5)で編成する。
したがって、上記編成方法では、オーバーラッピング可能な一対のジャガード筬(1)と、4枚の地筬とが使用される。このような筬構成が採用できれば、ジャガード編機のその他の構造は特に限定されない。
〔全体構造〕
図1は、本考案にかかる、孔模様を備えた伸縮性経編地の模式的構造を示している。この図に見るように、本考案にかかる伸縮性経編地1は、大小の柄模様21・・・を備えた柄編地部20の両外側に、孔模様11・・・を備えたヘム部としての無柄編地部10を有し、各無柄編地部(ヘム部)10の外側端に、端飾りとしてのリング状孔模様11a・・・を備えたヘム部の端部としての無柄編地部10aが設けられている。
本考案の孔模様を備えた伸縮性経編地では、編地主体である柄編地部20の全体が無柄編地部に代わっても良く、また、無柄編地部と柄編地部の2つ以上からなっていても良い。他方、編地主体が孔模様を備えた無柄編地部でありさえすれば、ヘム部としての無柄編地部は孔模様を備えなくても良いのである。
図2〜図6は、孔模様とこれを表現する無柄編地部の5つの例を示している。いずれの図でも、四角の囲み内に孔模様11の例を示した上で、編組織図を示して、孔模様11の部分において、基本組織が変化して孔模様11を形成しているところを示している。なお、支持組織や伸縮組織については図示を省略している。
上記のうち、図6は、孔模様無しのヘム部10の端に、孔模様11a・・・を備えたヘム部の端部としての無柄編地部10aの編組織図を示している。
〔編成組織〕
図7に示す編成組織を組み合わせて伸縮性経編地が構成される。なお、図7では、個別の組織に分解した状態で表している。
編成に用いるジャガード編機は、一対のジャガード筬P、Pと、4枚の地筬L〜Lとを備えている。
図7の(a)は、無柄編地部10や柄編地部20においてジャガード筬P、Pで編成されるジャガード組織の基本組織や変化組織を形成するための基本となる組織を示している。一対の筬P、Pは、何れも非弾性糸12で編成され、下記で表される編成組織を有している。
:24/20//
:20/24//
但し、後述するように、ジャガード組織の柄模様や孔模様は、図8の(a)、(b)の基本組織を部分的に変位させることによって構成される。
図7の(b)は、無柄編地部10や柄編地部20の支持組織、さらには抜き糸部を構成する編成組織を示している。これらの組織を一つの地筬Lで編成する。この編成組織は、鎖編である。
:20/02//
なお、抜き糸部を構成する非弾性糸からなる抜き糸22と、支持組織とを編成する非弾性糸18とは異なる糸が使用される。
図7の(c)は、無柄編地部10や柄編地部20の伸縮組織を示している。2枚の地筬L、Lでそれぞれ弾性糸14を用いて編成される。
:00/22//
:22/00//
図7の(d)は、無柄編地部10や柄編地部20の弾性連結組織を示す。地筬Lで弾性糸16を用いて編成される。
:44/00/44/22/66/22/
図8は、ジャガード筬P、Pによる変位制御の具体例を示している。
図8の(a),(b)に示す編成組織は、一対の非弾性糸12a、12bによるジャガード組織である。前記した図7の(a)の組織に対して、ジャガード機構による変位を部分的に加えた状態を表しており、変位部分の元の組織を点線で表している。各非弾性糸12a、12bの基本組織を、任意の位置で1針間分だけ変位させることで、得られた編成組織は全く違ったものになる。
図8の(c),(d)に示す編成組織は、ヘム部におけるジャガード組織の例である。一対の非弾性糸12c、12dが、左右の無柄編地部または柄編地部の縁辺にそれぞれ配置される。
図9は、図2〜6に示す無柄編地部において、特に、孔模様11を形成している個所周辺を拡大したものであって、実際の糸の状態をできるだけ忠実に表現したものである。図9に示すこのジャガード組織は、非弾性糸12が、基本組織部分では1コースごとに2ウェールの振り幅で左右に振られているが、透孔部ではウェール間を渡らないようにジャガード機構による制御がなされている。
前記ジャガード組織の制御は、より具体的には、図9に示すように、透孔部の左側部分では、ウェールAとウェールC間で1コースごとに左右に振られる基本組織からの変位により、ウェールAとウェールB間で1コースごとに左右に振られている変化組織が形成されており、透孔部の右側部分では、ウェールBとウェールD間で1コースごとに左右に振られる基本組織からの変位により、同一ウェールC上での鎖編組織としての変化組織が形成されている。
このようなジャガード組織の制御により、孔模様11となる透孔部の周囲が外側に湾曲した状態となる。すなわち、図9に示す伸縮性経編地の実施形態においては、ジャガード組織の基本組織では、一定の繰り返し単位で規則的な動きをしているので、ウェール間での非弾性糸12の渡りが常に存在し、それぞれの非弾性糸12は、左右いずれからも均等に引っ張られてバランスがとれているが、非弾性糸12のウェール間での渡りがない透孔部では、透孔部周囲の非弾性糸12が、より外側に存在する別の非弾性糸12によって透孔部の外側へと引っ張られるが、この力に対する透孔部内側への抵抗力が存在しないので、非弾性糸12は外側に湾曲した状態となっている。
支持組織の存在する図9に示す伸縮性経編地では、ジャガード組織において、透孔部周辺での非弾性糸12の変位によるループのない編目を、全ての編目でループを形成する非弾性糸18によって支持するので、ホツレの生じる恐れはない。なお、前述の図2〜6は、細かい図であるので、透孔部周囲の湾曲形状が、図9のように明瞭に見えていない。
本考案にかかる、孔模様を備えた伸縮性経編地は、例えば、ガードル、ショーツ、ボディースーツ、ボディーテディー、キャミソール、ブラジャーなどのインナーや、水着、レオタード、カルソンパンツなどのスポーツウェアなど、さらに、アウターや靴下などのその他の衣類として好適に使用することができる。
本考案の実施形態を表す伸縮性経編地の模式構造図 孔模様を持つ無柄編地部の例とその各編成組織を表す図 孔模様を持つ無柄編地部の例とその各編成組織を表す図 孔模様を持つ無柄編地部の例とその各編成組織を表す図 孔模様を持つ無柄編地部の例とその各編成組織を表す図 孔模様を持つ無柄編地部の例とその各編成組織を表す図 伸縮性経編地を構成する各編成組織を表す編成組織図 ジャガード組織を表す編成組織図 孔模様を持つ無柄編地部の拡大編成組織図
符号の説明
10 無柄編地部(ヘム部)
10a 無柄編地部(ヘム部の端部)
11 孔模様(ヘム部)
11a 孔模様(ヘム部の端部)
20 柄編地部
21 柄模様

Claims (4)

  1. 非弾性糸と弾性糸から構成され、少なくとも一部が無柄編地部である伸縮性経編地であって、前記無柄編地部は、一定の繰返し単位で構成されている基本組織のほかに、該基本組織から変化させることにより孔模様を形成してなる変化組織を含む、孔模様を備えた伸縮性経編地。
  2. 前記無柄編地部が編地のヘム部である、請求項1に記載の孔模様を備えた伸縮性経編地。
  3. 前記無柄編地部が前記ヘム部の端部である、請求項2に記載の孔模様を備えた伸縮性経編地。
  4. 単位編地が抜き糸部を介して分離可能に連設されている、請求項1から3までのいずれかに記載の孔模様を備えた伸縮性経編地。
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