JP3138768B2 - 新規なダイマー型の第四級アンモニウム塩化合物及びその製造法 - Google Patents

新規なダイマー型の第四級アンモニウム塩化合物及びその製造法

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JP3138768B2
JP3138768B2 JP10248815A JP24881598A JP3138768B2 JP 3138768 B2 JP3138768 B2 JP 3138768B2 JP 10248815 A JP10248815 A JP 10248815A JP 24881598 A JP24881598 A JP 24881598A JP 3138768 B2 JP3138768 B2 JP 3138768B2
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寛紀 高麗
拓也 前田
峰明 樺山
博憲 武知
晃 岡上
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は抗菌活性を有する新
規な第四級アンモニウム塩化合物、その製造法、当該化
合物を含有する抗菌剤、並びに、当該化合物が固定化さ
れた固定化抗菌剤及びポリマー型固定化抗菌剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】細菌等に抗菌活性を発揮する第四級アン
モニウム塩化合物は古くから知られ現在も広く一般に用
いられている。しかしながら、このような公知の化合物
は抗菌活性が十分でなかったため、種々の改良がなされ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、既知
の第四級アンモニウム塩化合物に比べて、極めて優れた
殺菌効果と広い抗菌スペクトルを示し、末端に反応性基
を有するダイマー型の新規な第四級アンモニウム塩化合
物及びその製造法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究を
続けた結果、抗菌活性に極めて優れ、広い抗菌スペクト
ルを示す新規なダイマー型の第四級アンモニウム塩化合
物を見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】即ち、本発明は、 項1 一般式(1):
【0006】
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【化15】
【0019】[式中、R1及びR2は、同一又は異なって
炭素数1〜3のアルキル基を示す。R3は、置換されて
いることのある炭素数6〜18のアルキル基を示す。R
4は、水酸基、アミノ基又はメルカプト基を示す。X
は、有機酸又は無機酸の残基を示す。h、i及びkは、
同一又は異なって0〜17の整数を示し、jは0を
し、h、i、j及びkの和は17以下である。lは、0
〜18の整数を示す。]で表されるダイマー型の第四級
アンモニウム塩化合物が、固体表面に固定化された固定
化抗菌剤、項2 一般式(1)
【0020】
【化16】
【0021】[式中、R1及びR2は、同一又は異なって
炭素数1〜3のアルキル基を示す。R3は、置換されて
いることのある炭素数6〜18のアルキル基を示す。R
4は、水酸基、アミノ基又はメルカプト基を示す。X
は、有機酸又は無機酸の残基を示す。h、i及びkは、
同一又は異なって0〜17の整数を示し、jは0を示
し、h、i、j及びkの和は17以下である。lは、0
〜18の整数を示す。]で表されるダイマー型の第四級
アンモニウム塩化合物が、ポリマーに固定化されたポリ
マー型固定化抗菌剤、 項3 一般式(1)において、R1がメチル基を示し、
2がメチル基又はエチル基を示し、R3が炭素数6〜1
8のアルキル基を示し、R4が水酸基を示し、Xが臭素
原子又は塩素原子を示し、h及びlが1を示し、i、j
及びkが0を示すことを特徴とする項1に記載の固定化
抗菌剤、 項4 一般式(1)において、R1がはメチル基を示
し、R2がメチル基又はエチル基を示し、R3が炭素数6
〜18のアルキル基を示し、R4が水酸基を示し、Xが
臭素原子又は塩素原子を示し、h及びlが1を示し、
i、j及びkが0を示すことを特徴とする項2に記載の
ポリマー型固定化抗菌剤、 項5 一般式(1)
【化20】 [式中、R1はメチル基を示し、R2はメチル基又はエチ
ル基を示し、R3は炭素数6〜18のアルキル基を示
し、R4は水酸基を示し、Xは臭素原子又は塩素原子を
示し、h及びlは1を示し、i、j及びkは0を示
す。]で表されるダイマー型の第4級アンモニウム塩化
合物、 項6 項5に記載の化合物を有効成分として含有する抗
菌剤、 項7 項5に記載の化合物を用いる抗菌方法に係る。
【0022】なお、本願明細書において、単に「固定化
抗菌剤」というときは、一般式(1)の化合物が固体表
面に固定化された固定化抗菌剤を意味し、ポリマー型固
定化抗菌剤は含まれないものとする。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。
【0024】上記一般式(1)及び一般式(A)〜
(D)に示される各基は、より具体的には、それぞれ以
下の通りである。
【0025】炭素数1〜3のアルキル基としては、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙
げられる。
【0026】炭素数が6〜18のアルキル基としては、
直鎖状又は分枝鎖状のいずれであってもよく、例えば、
n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−
デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−ト
リデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル
基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オ
クタデシル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基
等が挙げられる。これらの中でも、炭素数8〜12のア
ルキル基が、殺菌力に優れているのでより好ましい。
【0027】置換基としては、塩素原子,臭素原子,ヨ
ウ素原子等のハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基等が
挙げられる。
【0028】炭素数6〜18のアルキル基は、これら置
換基を1〜3個、好ましくは1〜2個有することができ
る。
【0029】Xは、有機酸又は無機酸の残基を示す。本
願明細書において、残基とは、有機酸又は無機酸から水
素原子を除いた残りの部分を意味する。具体的には、有
機酸の残基としては、RCOO−で表されるカルボン酸
残基が挙げられる。ここで、Rは、炭素数1〜6のアル
キル基を示し、Rがメチル基(即ち、XがCH3COO
−)となる場合が好ましい。無機酸の残基としては、I
−、Br−、Cl−、NO3−等の1価の無機酸の残基が
挙げられる。
【0030】式(1)においては、これら残基は負に荷
電し、X-(アニオン)となっている。
【0031】上記一般式(1)で表わされる第四級アン
モニウム塩化合物の好ましい化合物群を、以下に示す。
【0032】R1及びR2が同一又は異なってメチル基,
エチル基又はn−プロピル基、Rが炭素数8〜12の
直鎖状のアルキル基、Rが水酸基、XがI−,Br−
又はCl−、hが0〜8の整数、iが0〜8の整数、j
が0、kが0〜8の整数、h,i,j及びkの和が0〜
8、lが0〜3の整数である一般式(1)の第四級アン
モニウム塩化合物。
【0033】一般式(1)で表わされる化合物の内、特
に好ましい化合物としては、具体的には、1,3−ビス
(n−オクチルジメチルアンモニウムアイオダイド)−
2−プロパノール、1,3−ビス(n−デシルジメチル
アンモニウムアイオダイド)−2−プロパノール、1,
3−ビス(n−ドデシルジメチルアンモニウムアイオダ
イド)−2−プロパノールが挙げられる。
【0034】一般式(1)で表わされる化合物は、例え
ば、下記反応式−Iに示す方法により製造される。
【0035】
【化17】
【0036】[式中、R1、R2、R3、R4、X、h、
i、j、k及びlはそれぞれ前記と同じ。] 一般式(A)で表わされるジアミン化合物としては、例
えば、1,3−ビス(ジメチルアミノ)−2−プロパノ
ール、1,8−ビス(ジメチルアミノ)−5−オクタノ
ール等を使用するのが好ましい。
【0037】一般式(A)の化合物は、工業的に容易に
入手できる。或いは、オーガニックシンセス、実験化学
講座[丸善(株)]に記載されているような通常の方法
に準じ、例えば、1,3−ジアミノ−2−プロパノー
ル、1,8−ジアミノ−5−オクタノール等をメチル化
することにより容易に製造することができる。
【0038】一般式(B)で表わされる化合物として
は、C618アルキルアイオダイド及びC618アルキル
ブロマイド又はC618アルキルクロライドを使用する
のが好ましい。
【0039】一般式(B)の化合物も、工業的に容易に
入手できる。
【0040】一般式(A)の化合物と、一般式(B)の
化合物との反応は、通常溶媒中又は無溶媒のいずれであ
っても行うことができるが、溶媒中で行うのが好まし
い。使用される溶媒としては、有機溶媒が好ましく、例
えば、メタノール、エタノール等のアルコール類、ベン
ゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、n−ヘキサン等
の脂肪族炭化水素類、ジエチルエーテル等のエーテル
類、酢酸エチル等のエステル類、これらの混合溶媒等が
挙げられる。また、溶媒の使用量は、特に限定はされな
いが、一般式(A)のジアミン化合物100重量部当た
り通常100〜5,000重量部が好ましい。
【0041】一般式(A)のジアミン化合物と、一般式
(B)の化合物との使用割合は、通常(A)に対して
(B)を約2〜4倍モル、好ましくは約2.1〜2.5
倍モル反応とするのがよい。
【0042】反応温度は、特に限定されるものではない
が、通常50〜120℃程度で行うのが好ましく、一般
に、20〜70時間程度で終了する。
【0043】反応は、常圧又は加圧条件下で行い、加圧
する場合は、例えば、1〜400MPaで行うのが好ま
しい。
【0044】反応生成物である一般式(1)の化合物
は、通常の分離、精製手段、例えば再結晶、溶媒抽出
法、カラムクロマトグラフィー法等を用いて、容易に単
離、精製することができる。
【0045】尚、一般式(1)におけるX-(アニオ
ン)については、希望するアニオンとなるような有機酸
又は無機酸残基(X)を有する化合物(B)を選択し
て、上記反応により希望するアニオンを有する一般式
(1)で表わされる第四級アンモニウム塩を直接得るこ
とができる。
【0046】或いは、希望するアニオンとは異なるアニ
オンとなるような残基を有する化合物(B)を用いて第
四級アンモニウム塩化合物を合成した後、公知の方法で
希望するアニオンにアニオン交換することができる。ア
ニオン交換の方法としては、例えば、得られた第四級ア
ンモニウム塩化合物を、可溶性溶媒に溶解した後、希望
するアニオンを含有する塩を加えてアニオン交換し、反
応後、常法により濃縮、乾燥、精製することによって、
希望するアニオンを有する一般式(1)の第四級アンモ
ニウム塩を得ることが可能である。
【0047】一般式(1)で表わされる化合物の他の製
造方法としては、例えば、下記反応式−IIに示す方法が
挙げられる。
【0048】
【化18】
【0049】[式中、R1、R2、R3、R4、X、h、
i、j、k及びlはそれぞれ前記と同じ。] 一般式(C)で表わされるアミン化合物としては、例え
ば、ジメチルC618アルキルアミン、エチルメチルC6
18アルキルアミン等が好ましく使用できる。
【0050】一般式(C)のアミン化合物は、工業的に
容易に入手できる。或いは、通常の方法に準じ、例え
ば、C618の第一級アミンをメチル化することにより
容易に製造することができる。
【0051】一般式(D)で表わされる化合物として
は、例えば、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、1,
3−ジブロモ−2−プロパノール、1,3−ジヨード−
2−プロパノール、2,3−ジブロモ−1−プロパノー
ル、2,3−ジクロロ−1−プロパノール、1,4−ジ
クロロ−2−ブタノール、1,4−ジブロモ−2−ブタ
ノール、1,5−ジクロロ−3−ペンタノール1,5−ジ
ブロモ−3−ペンタノール、1,6−ジクロロ−3−ヘ
キサノール、1,7−ジブロモ−4−ヘプタノール、1,
8−ジブロモ−4−オクタノール、1,10−ジブロモ−
5−デカノール、1,18−ジクロロ−9−オクタデカノ
ール、1,6−ジブロモ−3−ヘキサノール、1,5−ジ
クロロ−1−ペンテン−3−オール、1,6−ジブロモ
−1−ヘキセン−3−オール、1,6−ジブロモ−1−
ヘキセン−4−オール、1,6−ジブロモ−2−ヘキセ
ン−4−オール、1,8−ジヨード−1−オクテン−4
−オール、1,8−ジヨード−2−オクテン−4−オー
ル、1,8−ジヨード−1−オクテン−5−オール、1,
8−ジヨード−2−オクテン−5−オール、1,8−ジ
ヨード−3−オクテン−5−オール等が使用できる。
【0052】一般式(D)の化合物は、工業的に容易に
入手できるか、或いは、通常の方法に準じ、例えば、ア
リルアルコールに臭素を付加反応させることにより容易
に製造することができる。
【0053】一般式(C)の化合物と、一般式(D)の
化合物との反応は、通常溶媒中又は無溶媒のいずれであ
っても行うことができるが、本発明においては、溶媒中
で行うのが好ましい。使用される溶媒としては、有機溶
媒が好ましく、例えば、メタノール、エタノール等のア
ルコール類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素
類、n−ヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ジエチルエー
テル等のエーテル類、酢酸エチル等のエステル類、これ
らの混合溶媒等が挙げられる。また、溶媒の使用量は、
特に限定はされないが、一般式(C)の化合物100重
量部当たり通常100〜5,000重量部が好ましい。
【0054】一般式(C)の化合物と、一般式(D)の
化合物との使用割合は、通常(D)に対して(C)を約
2〜4倍モル、好ましくは約2.1〜2.5倍モル反応
とするのがよい。
【0055】反応温度は、特に限定されるものではない
が、通常50〜120℃程度で行うのが好ましく、一般
に、20〜70時間程度で終了する。
【0056】反応は、加圧条件下で行うことが好まし
く、例えば、1〜400Paで行うのが好ましい。
【0057】反応生成物である一般式(1)の化合物
は、通常の分離、精製手段、例えば再結晶、溶媒抽出
法、カラムクロマトグラフィー法等を用いて、容易に単
離、精製することができる。
【0058】尚、一般式(1)におけるX-(アニオ
ン)については、希望するアニオンとなるような有機酸
又は無機酸残基(X)を有する化合物(D)を選択し
て、上記反応により希望するアニオンを有する一般式
(1)で表わされる第四級アンモニウム塩を直接得るこ
とができる。
【0059】或いは、希望するアニオンとは異なるアニ
オンとなるような残基を有する化合物(D)を用いて第
四級アンモニウム塩化合物を合成した後、公知の方法で
希望するアニオンにアニオン交換することができる。ア
ニオン交換の方法としては、例えば、化合物(A)と化
合物(B)を反応させる上記の製造方法において説明し
たような方法を用いることができる。
【0060】本発明の一般式(1)の化合物は、各種の
菌に対して優れた抗菌活性を有しており、緑膿菌、大腸
菌等のグラム陰性菌;黄色ブドウ球菌、枯草菌等のグラ
ム陽性菌;或いはカビ、酵母等に対して有効に作用す
る。
【0061】従って、本発明の一般式(1)で表わされ
るダイマー型第四級アンモニウム塩化合物は、抗菌剤の
有効成分として使用することができ、本発明は、一般式
(1)で表わされるダイマー型第四級アンモニウム塩化
合物を有効成分として含有する抗菌剤(以下、「本発明
抗菌剤」という場合がある。)も含むものである。
【0062】尚、本発明において、抗菌剤とは、殺菌作
用又は静菌作用を奏し得る製剤を意味する。従って、本
発明の抗菌剤は、殺菌剤として使用することもできる。
【0063】本発明の一般式(1)で表わされる化合物
を抗菌剤の有効成分として用いる場合は、他の成分を加
えずそのまま使用してもよいが、通常は、固体担体、液
体担体等と混合し、必要に応じて界面活性剤、その他の
製剤用補助剤を添加して、乳剤、水和剤、粒剤、微粒
剤、粉剤、塗布剤、スプレー剤、エアゾール、マイクロ
カプセル剤、煙霧剤等に製剤して使用する。
【0064】界面活性剤としては、各種のものが使用で
きるが、例えば非イオン界面活性剤としては、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキル
エステル等を使用することができる。
【0065】その他の製剤用補助剤としては、溶解剤、
希釈剤、担体等が挙げられ、水、各種有機溶媒、各種エ
アゾール噴射剤、各種天然鉱物、各種合成化合物等を用
いることができる。有機溶媒としては、例えば、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロルベン
ゼン、アルコール類、セロソルブ類、鉱油留分、水等を
用いることができる。エアゾール噴射剤としては、例え
ばプロパン、ブタン、窒素、二酸化炭素等が挙げられ
る。これら製剤には、有機又は無機染料を用いて着色す
ることも可能である。
【0066】本発明において、上記各種製剤を製造する
に当たり、一般式(1)の化合物を、約0.0001〜
100重量%、好ましくは約0.001〜10重量%を
含有するように製剤することができる。調製された製剤
は、目的に応じて、そのままで、又は担体若しくは水で
希釈して用いることができる。希釈する場合は、その目
的に応じて希釈することが可能であるが、好ましくは、
本発明の一般式(1)の化合物を、0.00001〜5
0重量%含有するように希釈して使用するのがよい。
【0067】本発明抗菌剤は、上記したような液体製剤
を、ガーゼ、不織布、綿、紙等に保持させて使用するこ
ともできる。
【0068】上記抗菌剤の1回の使用量は、製剤の種
類、使用場所、使用方法、対象となる菌の種類等によっ
て異なり、特に限定されるものではなく、例えば、本発
明抗菌剤を容器等の抗菌乃至殺菌に用いる場合は、上記
したような濃度の製剤をそのまま又は上記したような濃
度に希釈して、適宜量用いることができる。また、例え
ば、空気中に分散させる場合は、1m3当たり、一般式
(1)の化合物が0.001〜1mgとなるような量で
用いることが好ましい。また、ガーゼ等に保持させて使
用する場合は、ガーゼ等に1m2当たり0.0001〜
10gとなるような量で用いることが好ましい。
【0069】また、本発明の一般式(1)で表わされる
化合物は、末端(R4基)に、水酸基、アミノ基又はメ
ルカプト基を有している。従って、固体樹脂の表面に抗
菌活性を有する化合物を強固に固定し、固定化抗菌剤と
することが可能である。また、必要であればシランカッ
プリング剤等を用いて、ガラス、けい砂、ケイ酸アルミ
ニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウムアル
ミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウムナト
リウム、ケイ酸ジルコニウム、ワラストナイト、ゼオラ
イト、セピオライト、タルク、活性白土等の合成又は天
然のケイ酸塩類;水酸化アルミニウム、ハイドロタルサ
イト、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸
化物;炭酸カルシウム等の炭酸塩類;ヒドロキシアパタ
イト等のリン酸塩等の無機材料等の固体表面に抗菌活性
を有する化合物を強固に固定することも可能である。こ
のように、殺菌活性を有する化合物が固体表面に強固に
固定化された固定化抗菌剤によれば、従来のように抗菌
活性を有する化合物が環境中に溶出することなく殺菌作
用を示すことが可能となる。従って、空気中に分散させ
る抗菌剤や、難溶化抗菌剤等と比べ、人体、環境等に対
する安全性も向上し、また、抗菌活性が長時間持続し得
る。
【0070】固体表面への固定化は、例えば、樹脂表
面、又は、シランカップリング剤を用いて常法により処
理した無機材料の表面等の固体表面に、一般式(1)の
化合物をそのまま、又は適当な溶媒、担体等で希釈した
ものを、1m2当たり0.00001〜10g、好まし
くは0.0001〜1g(本発明化合物に換算して)と
なるような量で塗布し、脱アルコールさせることにより
行うことができる。脱アルコールは、常法に従って行う
ことができ、例えば、室温程度〜130℃程度の温度に
おいて、数分〜1日程度反応させることによって行うこ
とができる。
【0071】また、使用するシランカップリング剤とし
ては、通常この分野において用いられているようなシラ
ンカップリング剤を使用することができ、例えば、3−
クロロプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラ
ン;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等の
エポキシ基含有シラン類等のシランカップリング剤が挙
げられる。
【0072】シランカップリング剤の使用量について
は、通常用いられるような範囲の量で用いることがで
き、特に制限はされないが、例えば、本発明化合物1m
olに対して、1〜10mol程度の量で使用すること
ができる。
【0073】固体表面に本発明化合物が結合しているこ
とは、例えば、BPB法(ブロモフェノールブルー法)
により確認できる。
【0074】本発明固定化抗菌剤への一般式(1)の化
合物の固定化量は、固体の種類,粒子径、抗菌剤の用途
等により適宜選択されるものであるが、通常、0.1〜
1,000μ mol/g程度とするのが好ましい。
【0075】本発明の固定化抗菌剤は、一般的な固定化
抗菌剤の用途、例えば固定化抗菌剤をカラムに充填し、
カラムに水を流すことにより水を処理すること等に用い
ることができる。
【0076】さらに、一般式(1)で表される本発明化
合物は、末端(R4)に水酸基、アミノ基又はメルカプ
ト基を有しているため、分子中にこれら基と反応しうる
基、例えばエポキシ基等を含有するポリマーと反応させ
て結合させることができる。
【0077】このように、結合により本発明化合物が固
定化されたポリマーは、ポリマー型固定化抗菌剤として
用いることが可能である。
【0078】固定化は、常法に従って、例えば、本発明
化合物1重量部に対してポリマー1〜10,000重量
部となるような量で、適当な溶媒中で、室温程度〜10
0℃程度の温度において、数分〜1日程度反応させるこ
とにより行うことが可能である。
【0079】ポリマー型固定化抗菌剤の他の製造方法と
しては、上記以外の方法として、予め本発明化合物をモ
ノマー分子中に導入しておき、該モノマー分子を常法に
従って重合する方法等が挙げられる。
【0080】ポリマーの種類としては、本発明化合物と
結合できるようものであれば特に限定はされないが、例
えば、ポリマーの基本骨格が、アクリル系重合体、ビニ
ル系重合体、ポリエステル系重合体、ポリウレタン系重
合体、ポリアミド系重合体、ポリアミド系重合体等のポ
リマーを用いることができる。
【0081】また、ポリマーの分子量についても、特に
限定はされず、例えば数平均分子量2,000〜50
0,000のポリマーを結合させることができる。
【0082】なお、ポリマーに本発明化合物が結合して
いることは、IRにより確認することができる。
【0083】本発明ポリマー型固定化抗菌剤への一般式
(1)の化合物の固定化量は、ポリマーの種類、ポリマ
ーの分子量、抗菌剤の用途等により適宜選択されるもの
であるが、通常、0.1〜1,000μ mol/g程度とす
るのが好ましい。
【0084】かかるポリマー型固定化抗菌剤を各種樹脂
の成型時に混合乃至混練することにより、抗菌剤を樹脂
に含有させることが可能となり、抗菌処理した成型品を
容易に製造することが可能になる。
【0085】また、本発明の一般式(1)の化合物を用
いて、樹脂又は無機材料等の表面を抗菌処理することも
できる。
【0086】抗菌処理は、一般式(1)の化合物を樹脂
又は無機材料の等の固体表面に固定化することにより行
うことができ、例えば、上記の固定化抗菌剤を得る場合
に一般式(1)の化合物を固定化させる場合と同様にし
て行うことができる。
【0087】
【実施例】以下、本発明を実施例及び試験例により説明
する。
【0088】実施例1〜7 1,3−ビス(アルキルジメチルアンモニウムアイオダ
イド)−2−プロパノールの製造 アルキル基の炭素数[n]が、6、8、10、12、1
4、16及び18の直鎖状のアルキル基である1,3−
ビス(アルキルジメチルアンモニウムアイオダイド)−
2−プロパノール(以下、「Pr−n」とする。)を、
下記の方法によりそれぞれ製造した。
【0089】高圧パックに1,3−ビス(ジメチルアミ
ノ)−2−プロパノール(0.02mol)、アルキル
アイオダイド(0.04mol)、溶媒としてエチルア
ルコール(5.0ml)を充填し、当該パックを超高圧
反応装置に入れて、65℃、200MPaの条件で48
時間反応させた。次いで、反応混合物をロータリーエバ
ポレーターを用いて減圧濃縮し、析出した結晶をジエチ
ルエーテルで洗浄後、エチルアルコールから再結晶を行
い1,3−ビス(アルキルジメチルアンモニウムアイオ
ダイド)−2−プロパノール(Pr−6、Pr−8、P
r−10、Pr−12、Pr−14、Pr−16及びP
r−18)を精製した。
【0090】各化合物の元素分析理論値及び実測値、並
びに収率を表1に示す。
【0091】
【表1】
【0092】得られた化合物の融点及びNMRデータを
示す。
【0093】Pr−6:油状物1 H−NMR(CDCl3)δppm:0.9(6H,t,
J=6.8Hz),1.32(12H,m),1.83
(4H,m),3.60(18H,m),4.1(2H,d,
J=12.7Hz),5.23(1H,m),5.65
(1H,d,J=8.8Hz)。
【0094】Pr−8:油状物1 H−NMR(CDCl3)δppm:0.88(6H,
t,J=6.8Hz),1.32(20H,m),1.83
(4H,m),3.60(18H,m),4.1(2H,d,
J=12.7Hz),5.23(1H,m),5.6
(1H,d,J=8.8Hz)。
【0095】Pr−10:融点 85−89℃1 H−NMR(CDCl3)δppm:0.88(6H,
t,J=6.8Hz),1.32(28H,m),1.83
(4H,m),3.60(18H,m),4.39(2H,
d,J=12.7Hz),5.32(1H,m),5.6
5(1H,d,J=8.8Hz)。
【0096】Pr−12:融点 110−115℃1 H−NMR(CDCl3)δppm:0.88(6H,
t,J=6.8Hz),1.30(36H,m),1.81
(4H,m),3.60(18H,m),4.32(2H,
d,J=12.7Hz),5.31(1H,m),5.5
6(1H,d,J=8.8Hz)。
【0097】Pr−14:融点 114−1201 H−NMR(CDCl3)δppm:0.88(6H,
t,J=6.8Hz),1.26(44H,m),1.82
(4H,m),3.45(18H,m),4.44(2H,
d,J=12.7Hz),5.32(1H,m),5.6
5(1H,d,J=8.8Hz)。
【0098】Pr−16:融点 122−1251 H−NMR(CDCl3)δppm:0.85(6H,
t,J=6.8Hz),1.26(52H,m),1.82
(4H,m),3.45(18H,m),4.44(2H,
d,J=12.7Hz),5.32(1H,m),5.6
5(1H,d,J=8.8Hz)。
【0099】Pr−18:融点 128−1321 H−NMR(CDCl3)δppm:0.881(6H,
t,J=6.8Hz),1.26(60H,m),1.8
(4H,m),3.56(18H,m),4.5(2H,d,
J=12.7Hz),5.35(1H,m),5.7
(1H,d,J=8.8Hz)。
【0100】試験例1 最小殺菌濃度(MBC)の測定 保存培地から表2の欄外に示す7種の供試菌を、各々L-
broth(Trypton 1.0%、Yeast Extract 0.5%、NaCl 0.5
%、pH7.0〜7.2) 5mlに接種し、37℃で18時間静置培養し
た。この前培養菌体をNutrient Broth(Beaf Extract 0.
3%、Peptone 0.5%、以下「NB」と略す)100mlに接種
し、OD660=0.3(約1.5時間)まで培養して対数
増殖期初期の菌体を得た。冷却遠心分離により集菌後、
無菌水で2回洗浄し、無菌水でOD660=0.1となるように
希釈した。これをさらに無菌水で100倍希釈したものを
菌体懸濁液として使用した。
【0101】殺菌試験については、実施例2〜7で得ら
れた化合物の100mMエチルアルコール溶液をそれぞれ調
製し、無菌水で50倍希釈した溶液をもとにして、2倍の
希釈を10段階行った段階希釈系列を作成した。試験管
に薬剤希釈液を各々0.5 ml分注後、調製した菌体懸濁液
をそれぞれ0.5 mlずつ接種し、30℃のウォーターバス
シェイカー内で30分間振盪培養した。30分後、試験
管から培養した菌を0.1 mlを分取し、NB培地2 ml中に
接種した。37℃で24時間静置培養後、増殖の有無を肉眼
で判定し、最小殺菌濃度(MBC)を決定した。
【0102】結果を表2に示す。また、比較例として抗
菌活性を有する化合物として公知の第四級アンモニウム
塩化合物である、アルキルピリジニウムアイオダイド
(P−n、nはアルキル基の炭素数であって、8、1
0、12、14、16及び18である)の細菌類に対す
る最小殺菌濃度を表3及び表4に示す。
【0103】
【表2】
【0104】
【表3】
【0105】
【表4】
【0106】表2から、本発明の化合物は、各種の細菌
に対して活性を有していることがわかる。
【0107】また、アルキル基の炭素数[n]が同じで
あるアルキルピリジニウムアイオダイドと本発明化合物
とを比較した場合、いずれの場合も、本発明化合物の方
が優れた最小殺菌濃度を示すことが、表3及び表4から
わかる。
【0108】試験例2 細菌に対する最小発育阻止濃度
(MIC)の測定 実施例2〜4で得られた化合物について試験を行った。
【0109】表2の欄外に示す7種の供試菌(細菌)
を、保存培地から、各々L-broth 5mlに接種し、37℃で1
8時間静置培養した定常期細胞を、無菌水でOD660=0.1と
なるように調製し、NBで100倍希釈したものを菌体懸
濁液として使用した。
【0110】静菌試験については、薬剤の100 mMエチル
アルコール溶液を調製し、NBで50倍希釈した溶液をも
とにして、2倍の希釈を10段階行った段階希釈系列を作
成した。薬剤希釈液を試験管に各々0.5 ml分注後、調製
した菌体懸濁液をそれぞれ0.5 mlずつ接種し、37℃で24
時間静置培養した。増殖の有無を肉眼で判定し、最小発
育阻止濃度(MIC)を決定した。結果を表5に示す。比
較例として、アルキルピリジニウムアイオダイド(P−
n;n=8、10、12)の結果を表6及び表7に示
す。
【0111】
【表5】
【0112】
【表6】
【0113】
【表7】
【0114】表5から、本発明の化合物は、各種の細菌
に対して活性を有していることがわかる。
【0115】また、アルキル基の炭素数が同じであるア
ルキルピリジニウムアイオダイドと本発明化合物とを比
較した場合、いずれの場合も、本発明化合物の方が優れ
た結果を示した。
【0116】試験例3 真菌に対する最小発育阻止濃度
(MIC)の測定 実施例3〜5で得られた化合物について試験を行った。
【0117】表8の欄外に示す供試菌を、保存培地から
YM寒天培地に一白金耳植菌し、30℃で7日間培養
後、着生した胞子を生理食塩水(0.2%Tween80 を含
む)15 mlを用いて捕集した。ガーゼを詰めたチップを
使用して菌糸を濾別し、得られた胞子懸濁液をサブロー
液体培地で100倍希釈して試験に用いた。
【0118】静菌試験については、NBで希釈する代わ
りにサブロー液体培地を用いて希釈し、30℃で48時間静
置培養した以外は、試験例2と同様にして最小発育阻止
濃度(MIC)を決定した。結果を表8に示す。比較例と
してドデシルピリジニウムアイオダイドを用いた結果表
9を示す。
【0119】
【表8】
【0120】
【表9】
【0121】本発明の化合物は、各種の真菌に対して活
性を有していることがわかる。
【0122】また、Pr−12と、P−12を比較した
場合、本発明の化合物であるPr−12の方が、いずれ
の真菌に対しても優れた結果を示している。
【0123】実施例8 本発明固定化抗菌剤の製造 メタノール200mLの入った500mLビーカーに、
実施例4で得た1,3−ビス(n−ドデシルジメチルア
ンモニウムアイオダイド)−2−プロパノール2gを加
え、撹拌して溶解させた。この中に、カップリング剤で
ある3−クロロプロピルトリメトキシシラン2gを加え
よく撹拌した。
【0124】上記の溶液を撹拌しながら、トミタ AD
700NS(商品名、合成ケイ酸アルミニウム、富田製
薬(株)製、吸着剤)5gを添加した。1時間撹拌後、
No.2の濾紙で濾過し、残渣を100℃にて加熱処理
して固定化処理を行った。
【0125】その後、メタノールで未反応の1,3−ビ
ス(n−ドデシルジメチルアンモニウムアイオダイド)
−2−プロパノールを洗浄、除去して80℃にて乾燥し
た。
【0126】得られた抗菌剤固定物に固定化されている
抗菌剤の量を、LAS(ラウリルベンゼンスルホン酸)
による定量方法にて求めたところ、20μ mol/g
であった。
【0127】試験例4 固定化抗菌剤の殺菌試験 保存培地から供試菌をNB培地5mlに接種し、37℃
で24時間静置培養した。この前培養菌体をNB培地1
00mlに接種し、OD660=0.3まで培養して対数
増殖初期の菌体を得た。菌としては、Escherichia coli
K12W3110及びStaphylococcus aureus IFO12732を用い
た。
【0128】冷却遠心分離により集菌後、無菌水で2回
洗浄し、無菌水でOD660=0.1となるように希釈し
た。これをさらに無菌水で100倍希釈したものを菌体
懸濁液として使用した。
【0129】殺菌試験については、三角フラスコに実施
例8で得た固定化抗菌剤0.5gを秤量後、調製した菌
体懸濁液をそれぞれ10mlづつ接種し、37℃のウォ
ーターバスシェイカー内で18時間振盪培養し、コロニ
ーカウント法により固定化抗菌剤による処理前後の生菌
数を測定した。
【0130】三角フラスコに固定化抗菌剤を添加しない
ものを、それぞれ対照とした。
【0131】結果を表10及び11に示す。
【0132】
【表10】
【0133】
【表11】
【0134】実施例8で得た固定化抗菌剤は、Escheric
hia coli K12W3110及びStaphylococcus aureus IFO1273
2のいずれの菌に対しても殺菌作用を有していることが
わかる。
【0135】実施例9 本発明ポリマー型固定化抗菌剤
の製造 キシレン500mLを溶媒として、アゾビスイソブチロ
ニトリル5gを重合開始剤として用い、グリシジルメタ
クリレート50g、n−ブチルアクリレート100g及
びスチレン100gの混合物を常法に従って重合させ、
エポキシ基を有するビニル型重合体の溶液を得た。得ら
れた重合体の数平均分子量は約20,000であった。
【0136】次いで、上記で得られた重合体溶液を15
0℃に保持し、該溶液中に実施例4で得た1,3−ビス
(n−ドデシルジメチルアンモニウムアイオダイド)−
2−プロパノール100gを撹拌しながら滴下し、反応
させた。反応終了後、溶媒を除去し、メタノールで未反
応の1,3−ビス(n−ドデシルジメチルアンモニウム
アイオダイド)−2−プロパノールを洗浄して除去し
た。
【0137】IRにより、ビニル型重合体に、1,3−
ビス(n−ドデシルジメチルアンモニウムアイオダイ
ド)−2−プロパノールが結合していることを確認し
た。
【0138】また、得られたポリマー型固定化抗菌剤が
殺菌作用を有していることを、上記試験例4と同様の方
法により確認した。
【0139】
【発明の効果】本発明の第四級アンモニウム塩合物は、
優れた抗菌活性を示し、かつ、広い殺菌スペクトルを有
する。
【0140】また、分子中に水酸基等の基を導入(一般
式(1)中、R4に相当する)することにより、第四級
アンモニウム塩化合物を無機又は有機材料の表面に強固
に固定することが可能となるので、環境中に溶出するこ
となく殺菌作用を示す固定化抗菌剤として、或いは、樹
脂に混練することができるポリマー型固定化抗菌剤とし
ての用途が期待できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武知 博憲 徳島県徳島市雑賀町西開11番地の2 徳 島県立工業技術センター内 (72)発明者 岡上 晃 徳島県徳島市南常三島町2丁目1番地 徳島大学工学部生物工学科内 (56)参考文献 特開 平2−67210(JP,A) 特開 平7−69807(JP,A) 特開 平2−223515(JP,A) 特開 平1−233264(JP,A) 特開 昭62−157085(JP,A) 特開 昭62−117887(JP,A) 特開 昭62−156687(JP,A) 特開 昭57−187005(JP,A) 特開 昭63−284149(JP,A) 特開 昭63−233956(JP,A) 特開 平8−245527(JP,A) 特開 平8−259405(JP,A) 米国特許4982000(US,A) 米国特許4812263(US,A) 米国特許4734277(US,A) 米国特許4764306(US,A) ”Experientia,”1979, Vol.35,No.8.pages 1044−1045 ”Langmuir,”1996,Vo l.12,No.20,pages 4945− 4949 ”J.Am.Oil Chem.So c.,”1996,Vol.73,No.7, pages 907−911 ”J.Colloid Interf ace Sci.,”1996,Vol. 179,No.1,pages 261−268 ”Langmuir,”1996,Vo l.12,No.5,pages 1149− 1153 ”J.Am.oil Chem.So c.,”1996,Vol.73,No.1, pages 67−71 「防菌防ばい」,1989,第17巻,第7 号,第319〜326頁 「防菌防ばい」,1989,第17巻,第9 号,第413〜418頁 ”Tenside Deter g.,”1985,Vol.22,No.1, pages 10−15 「薬学雑誌」,1973,第93巻,第10 号,第1342〜1348頁 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 215/40 C07C 211/63 C07C 323/25 C07C 323/27 C07C 319/12 A01N 33/12 A01N 25/10 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化7】 [式中、R1及びR2は、同一又は異なって炭素数1〜3
    のアルキル基を示す。R3は、置換されていることのあ
    る炭素数6〜18のアルキル基を示す。R4は、水酸
    基、アミノ基又はメルカプト基を示す。Xは、有機酸又
    は無機酸の残基を示す。h、i及びkは、同一又は異な
    って0〜17の整数を示し、jは0を示し、h、i、j
    及びkの和は17以下である。lは、0〜18の整数を
    示す。]で表されるダイマー型の第四級アンモニウム塩
    化合物が、固体表面に固定化された固定化抗菌剤。
  2. 【請求項2】 一般式(1) 【化8】 [式中、R1及びR2は、同一又は異なって炭素数1〜3
    のアルキル基を示す。R3は、置換されていることのあ
    る炭素数6〜18のアルキル基を示す。R4は、水酸
    基、アミノ基又はメルカプト基を示す。Xは、有機酸又
    は無機酸の残基を示す。h、i及びkは、同一又は異な
    って0〜17の整数を示し、jは0を示し、h、i、j
    及びkの和は17以下である。lは、0〜18の整数を
    示す。]で表されるダイマー型の第四級アンモニウム塩
    化合物が、ポリマーに固定化されたポリマー型固定化抗
    菌剤。
  3. 【請求項3】 一般式(1)において、R1がメチル基
    を示し、R2がメチル基又はエチル基を示し、R3が炭素
    数6〜18のアルキル基を示し、R4が水酸基を示し、
    Xが臭素原子又は塩素原子を示し、h及びlが1を示
    し、i、j及びkが0を示すことを特徴とする請求項1
    に記載の固定化抗菌剤。
  4. 【請求項4】 一般式(1)において、R1がメチル基
    を示し、R2がメチル基又はエチル基を示し、R3が炭素
    数6〜18のアルキル基を示し、R4が水酸基を示し、
    Xが臭素原子又は塩素原子を示し、h及びlが1を示
    し、i、j及びkが0を示すことを特徴とする請求項2
    に記載のポリマー型固定化抗菌剤。
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「薬学雑誌」,1973,第93巻,第10号,第1342〜1348頁
「防菌防ばい」,1989,第17巻,第7号,第319〜326頁
「防菌防ばい」,1989,第17巻,第9号,第413〜418頁

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